JP2009248008A - 集塵装置 - Google Patents

集塵装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2009248008A
JP2009248008A JP2008099907A JP2008099907A JP2009248008A JP 2009248008 A JP2009248008 A JP 2009248008A JP 2008099907 A JP2008099907 A JP 2008099907A JP 2008099907 A JP2008099907 A JP 2008099907A JP 2009248008 A JP2009248008 A JP 2009248008A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
dust
dust collector
airflow
electrode
planar dielectric
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2008099907A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5223424B2 (ja
Inventor
Kazuya Shimada
和哉 島田
Akira Kato
亮 加藤
Kazuo Nashimoto
一男 梨本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Corp
Original Assignee
Panasonic Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Panasonic Corp filed Critical Panasonic Corp
Priority to JP2008099907A priority Critical patent/JP5223424B2/ja
Publication of JP2009248008A publication Critical patent/JP2009248008A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5223424B2 publication Critical patent/JP5223424B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Abstract

【課題】従来の集塵装置では、粉塵を含む空気を輸送する気流発生部と、粉塵を荷電する粉塵荷電部と、粉塵を捕集する集塵部が必要であり、構成が大掛かりであった。
【解決手段】面状誘電体の両面に設けた2つの電極のうち、少なくとも一方が多点の末端を有する電極で構成され、両電極に、交流電圧を印加するとともに、どちらか一方を接地してイオン風を誘起する気流発生部と、その気流に含まれる粉塵を捕集する集塵部とを備えたことにより、気流発生部に粉塵荷電機能を持たせることができるため、装置そのものを小さくし、設置性に優れた集塵装置を提供できる。
【選択図】図1

Description

粉塵を捕集する空気清浄の分野における、集塵装置に関するものである。
従来、この種の集塵装置は、送風機によって、輸送された粉塵を、荷電装置を用いて荷電量を増加させて、電気式フィルタで捕集するものである(例えば、特許文献1参照)。
以下、その集塵装置について図15を参照しながら説明する。
図15に示す通り、室内101に設置された送風機102によって輸送された粉塵103は、荷電装置104により、生成、拡散したイオン105と接触し、荷電量が増大する。そして、粉塵の荷電極性と逆極性の電位を有するフィルタ106に輸送されることにより、クーロン力で捕集され、清浄化された空気が再び室内101に戻されることとなる。
特開平11−314049号公報
このような従来の集塵装置では、粉塵を含む空気を輸送する気流発生部と、粉塵を荷電する粉塵荷電部と、粉塵を捕集する集塵部が必要であり、構成が大掛かりであったという課題がある。
本発明は、このような従来の課題を解決するものであり、気流発生部と粉塵荷電部とを一体化させることで、集塵装置そのものを小さくし、設置性に優れた集塵装置を提供することを目的とした。
本発明の集塵装置は、上記目的を達成するために、面状誘電体の両面に設けた2つの電極のうち、少なくとも一方が多点の末端を有する電極で構成され、両電極に、交流電圧を印加するとともに、どちらか一方を接地してイオン風を誘起する気流発生部と、その気流に含まれる粉塵を捕集する集塵部とを備えたものである。
また、他の手段は、気流発生部の2つの電極が、面状誘電体の面に対して垂直方向で重ならず、一定の隙間を有することを特徴とするものである。
また、他の手段は、気流発生部をスペーサーを介して、垂直に積層することを特徴とするものである。
また、他の手段は、気流発生部の面状誘電体の体積固有抵抗値が、108Ω・cm以上かつ1015Ω・cm以下であることを特徴とするものである。
また、他の手段は、気流発生部の面状誘電体が、ガラスであることを特徴とするものである。
また、他の手段は、気流発生部の面状誘電体が、マイカであることを特徴とするものである。
また、他の手段は、気流発生部の面状誘電体が、セラミックであることを特徴とするものである。
また、他の手段は、気流発生部の面状誘電体の厚みが、0.1mm以上かつ1.5mm以下であることを特徴とするものである。
また、他の手段は、気流発生部の電極が、金属からなることを特徴とするものである。
また、他の手段は、気流発生部の多点の末端を有する電極が、櫛状であることを特徴とするものである。
また、他の手段は、気流発生部の電極間の垂直方向の隙間が、0.1mm以上かつ2mm以下であることを特徴とするものである。
また、他の手段は、気流発生部に印加する電圧が、直交流重畳電圧であることを特徴とするものである。
また、他の手段は、気流発生部に印加する電圧が、実効値換算で4kV以上かつ10kV以下であることを特徴とするものである。
また、他の手段は、集塵部を、気流発生部の接地した電極の後段に、気流発生部に対して垂直に設けることを特徴とするものである。
また、他の手段は、集塵部が、複数の金属板を垂直方向に一定の間隔で積層し、各金属板に極性の異なる等量の電圧を印加して集塵することを特徴とするものである。
また、他の手段は、集塵部が、導電性を有する導電線と、導電線の表面が絶縁処理された絶縁線を繊維状に構成し、導電糸と絶縁糸に極性の異なる等量の電位を印加して集塵することを特徴とするものである。
本発明によれば、面状誘電体の両面に設けた2つの電極のうち、少なくとも一方が多点の末端を有する電極で構成され、両電極に、交流電圧を印加するとともに、どちらか一方を接地してイオン風を誘起する気流発生部と、その気流に含まれる粉塵を捕集する集塵部とを備えたことにより、気流発生部に粉塵荷電の機能を持たせることができ、集塵装置そのものが小さく、同時に機構が簡略化されることから、設置性に優れるという効果のある集塵装置を提供することができる。
本発明の請求項1記載の集塵装置は、面状誘電体の両面に設けた2つの電極のうち、少なくとも一方が多点の末端を有する電極で構成され、両電極に、交流電圧を印加するとともに、どちらか一方を接地してイオン風を誘起する気流発生部と、その気流に含まれる粉塵を捕集する集塵部とを備えたとしたものであり、一方の電極に高電圧を印加することにより、面状誘電体を挟んで対向面に存在する接地された電極へのプラズマを誘起するという作用を有する。また、交流電圧を電極に印加することにより、プラズマの形態が安定し、同時に、面状誘電体上で電極から板状接地電極へ向かうブローイング力が誘起され、面状誘電体上でイオン風が生まれるという作用を有する。
また、2つの電極のうち一方、または両方を多点の末端を持つ電極とすることで、プラズマにより誘起されるイオン風のベクトルを一定にせしめることができ、結果的に、誘起される気流も大きくするという作用を有する。また、プラズマにより誘起されたイオン風によって粉塵が荷電され、集塵部での捕集効率を高めるという作用を有する。
また、気流発生部の2つの電極が、面状誘電体の面に対して垂直方向で重ならず、一定の隙間を有することを特徴とするとしたものであり、電極間に一定の隙間を有するように構成することで、ブローイング力のベクトルをより面状誘電体と平行にすることができるという作用を有する。結果的に、本発明の気流発生部から効率的に気流を送り出すことができ、気流の流量も大きくすることができるという作用を有する。したがって、集塵部へ輸送される粉塵の量を多くするという作用を有する。
また、気流発生部をスペーサーを介して、垂直に積層することを特徴としたものであり、積層することによりプラズマの発生点の数を増やすことができ、風量を高めることができるという作用を有する。
また、気流発生部の面状誘電体の体積固有抵抗値が、108Ω・cm以上かつ1015Ω・cm以下であることを特徴としたものであり、面状誘電体の表裏に設けられた2本の電極を電気的に絶縁するという作用を有する。
また、気流発生部の面状誘電体が、ガラスであることを特徴としたものであり、電気絶縁性、耐熱性共に優れ、高電圧印加しても破壊する可能性が低いという作用を有する。同時に、汎用的な材料であるため、低価格であり、入手しやすいという作用を有する。
また、気流発生部の面状誘電体が、マイカであることを特徴としたものであり、電気絶縁性、耐熱性共に優れ、高電圧印加しても破壊する可能性が低いという作用を有する。
また、気流発生部の面状誘電体が、セラミックであることを特徴としたものであり、体積固有抵抗値が低いため、プラズマを誘起しやすく、印加電圧を低く抑えて気流を誘起することができるという作用を有する。
また、気流発生部の面状誘電体の厚みが、0.1mm以上かつ1.5mm以下であることを特徴としたものであり、気流発生部を風路内に設置した場合においても、風上、風下間のイオン風による圧力損失を低くすることができるという作用を有する。同時に、高電圧印加による面状誘電体の絶縁破壊を防止できるという作用を有する。
また、気流発生部の電極が、金属からなることを特徴としたものであり、加工性に富むことから、多点の末端を有する電極を容易に作製することができるという作用を有する。同時に、作製したそれぞれの電極を面状誘電体上に貼布しやすいとう作用を有する。
また、気流発生部の多点の末端を有する電極が、櫛状であることを特徴としたものであり、金属電極を加工することにより容易に作製することができるという作用を有する。
また、気流発生部の電極間の垂直方向の隙間が、0.1mm以上かつ2mm以下であることを特徴としたものであり、プラズマが誘起されやすいという作用を有する。同時に、面状誘電体を絶縁破壊させることが無いため、安定したプラズマ流れを発生させることができるという作用を有する。
また、気流発生部に印加する電圧が、直交流重畳電圧であることを特徴としたものであり、直流成分の電位を重畳することにより、プラズマにより発生する正負のイオンバランスを変化させることができるという作用を有する。つまり、正の直流成分を重畳することで、正イオンを多く発生することができ、逆に、負の直流成分を重畳することで、負イオンを多く発生することができる。よって、これらのイオンが粉塵と結合することで、粉塵を正負どちらか一方の極性に荷電することができ、後段に設けた集塵部での捕集効率を高めるという作用を有する。
また、気流発生部に印加する電圧が、実効値換算で4kV以上かつ10kV以下であることを特徴としたものであり、プラズマが誘起されやすいという作用を有する。同時に、面状誘電体を絶縁破壊させることが無いため、安定したイオン風を発生させることができるという作用を有する。
また、集塵部を、気流発生部の接地した電極の後段に、気流発生部に対して垂直に設けることを特徴としたものであり、交流電圧を印加する電極から、接地電極に向かってプラズマが発生することとなり、誘起される気流も接地電極側が風下となる。よって、集塵部を接地電極の後段に設けることで、効率的に気流を集塵部に向かって発生させることができ、粉塵の捕集効率を高めるという作用を有する。
また、集塵部が、複数の金属板を垂直方向に一定の間隔で積層し、各金属板に極性の異なる等量の電圧を印加して集塵することを特徴としたものであり、気流発生部により、輸送、荷電された粉塵が、集塵部の電極間に形成された電場に入ることで、クーロン力が発生し、電気的に捕集されるという作用を有する。
また、集塵部が、導電性を有する導電線と、導電線の表面が絶縁処理された絶縁線を繊維状に構成し、導電糸と絶縁糸に極性の異なる等量の電位を印加して集塵することを特徴としたものであり、気流発生部により、輸送、荷電された粉塵が、集塵部の電極間に形成された電場に入ることで、クーロン力が発生し、電気的に捕集されるという作用を有する。この構成では、導電線と絶縁線の間隔を密にすることができるため、電場を形成するための印加電圧を低く抑えることができるという作用を有する。また、導電線と絶縁線の間隔を密にすることができるため、粉塵の機械的集塵の効果も見込まれるという作用を有する。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1における集塵装置を図1に示す。面状誘電体1の両面に設けた多点の末端を有する電極2と板状電極3に、電圧電源4により、交流電圧を印加するとともに、どちらか一方を接地してイオン風を誘起する気流発生部と、その気流に含まれる粉塵を捕集する集塵部5とを備えた構成となっている。ここで、多点の末端を有する電極2と板状電極3は導線6で電圧電源4と接続されている。また、本発明の集塵装置が風路7内に設置された構成となっている。
図1のA−A‘断面図を図2に示す。図2のように、多点の末端を有する電極2と板状電極3の間には、面状誘電体1が絶縁しており、通常は導通しない構成となっている。
図2のように、板状電極3を接地し、多点の末端を有する電極2に交流の高電圧を印加した場合、印加電圧値が放電開始電圧を超えると、プラズマ8が誘起されると同時に、印加した電界によって静電力が発生する。イオンが受けた静電力は、衝突により中性粒子に伝達される。よって、連続流体の観点から、その空間に体積力(ブローイング力)が発生することとなり、速度が誘起される。この速度は、時間平均をとると、多点の末端を有する電極2から板状電極3へ向かう方向を持つこととなり、この流れをイオン風9と呼び、本発明の集塵装置における気流発生部の気流源となる。本構成における、イオン風9は、始点が多点の末端を有する電極2となるため、無秩序な方向を持つことは無く、ある程度一定の方向性を有するため、イオン風9の風量が増し、気流発生部としての機能を発揮することとなる。
ここで、多点の末端を有する電極2を接地し、板状電極3に交流の高電圧を印加すると、図3に示す通り、イオン風9は板状電極3から多点の末端を有する電極2の方向へ誘起されることとなり、集塵部から離れる方向に粉塵が誘導されることとなる。
図4に、気流発生部の2つの電極が、面状誘電体1の面に対して垂直方向で重ならず、一定の隙間を有する集塵装置を示す。ここで、隙間は図中のδを示す。電極間に一定の隙間δを設けることで、プラズマ8により発生するイオン風9のベクトルをより面状誘電体1と平行にすることができる。結果的に、気流発生部から送り出すことができる気流を高めることができ、集塵部に輸送される粉塵量も高められるため、効率的な集塵が可能となる。
ここで、隙間δは、放電開始電圧に係るパラメーターであり、隙間δが大きい場合、放電開始電圧は高くなり、逆に隙間δが小さい場合には、放電開始電圧は低くなる。よって、この隙間δの設定距離に応じて、電圧電源4による印加電圧値を適宜調整することで、プラズマ8を発生させることが可能となる。
図5に、気流発生部をスペーサー10を介して、垂直に積層した集塵装置を示す。図5のように、スペーサー10を介して気流発生部を垂直方向に積層することで、風路7の断面に一定の気流を生み出すことができ、効率的に粉塵を輸送することができる。ここで、スペーサー10とは、面状誘電体1を積層する際に、それぞれが接触することを避けるためのものである。本発明の集塵装置において、気流発生部は、高電圧を使用しているため、スペーサー10は、絶縁性の高い材料で構成するのが好ましい。
(実施の形態2)
本発明の集塵装置の各構成部品の物性、形状の特徴を記す。
面状誘電体1は、体積固有抵抗値が108Ω・cm以上かつ1015Ω・cm以下のものであれば、その表裏に設けられた電極間を絶縁することができ、電圧電源4により各電極に高電圧を印加することによりプラズマ8を発生させることができる。
具体的には、フェノール樹脂、ユリア樹脂、ポリエステル、エポキシ、シリコン、ポリエチレン、ポリスチロール、軟質エンビ、硬質エンビ、酢酸セルロース、ポリエチレンテレフタレート、テフロン(登録商標)、生ゴム、軟質ゴム、エボナイト、ステアタイト、ブチルゴム、ネオプレーンなどが挙げられる。
また、面状誘電体1としてガラスを用いると、電気絶縁性、耐火性、耐熱性に優れると同時に汎用的な材料であることから、入手しやすく、本発明の気流発生部の作製が容易であるという効果を有する。
また、面状誘電体1としてマイカ(雲母)を用いると、電気絶縁性、耐熱性共に優れ、高電圧印加しても破壊する可能性が低いという効果を有する。マイカは、シリコンやガラスクロス、ポリエチレンフィルム、エポキシといった接着/補強剤と共に形成したものを用いるのが好ましい。この際、ポリエチレンフィルムのように柔軟性に富むものを利用することで、柔軟性に富む気流発生部が得られ、曲面や凹凸面といった平面でない場所に気流発生部を適切に設置することが可能となる。
また、面状誘電体1としてセラミックを用いると、体積固有抵抗値が低いものも多く販売されていることから、放電開始電圧が低い、つまり印加電圧を低く抑えて、プラズマ8を誘起することができるという効果を有する。本発明に用いるセラミックは、アルミナ、ジルコニア窒化ケイ素、窒化アルミを適切な分量で配合したものに加え、それらにチタン酸バリウム、チタン酸カリウムなどを焼結補助剤と共に適宜配合しても良い。
また、面状誘電体1の厚さは、0.1mmから2mmの間であることが好ましい。面状誘電体1の厚さがこの範囲であると、実効値換算で4kVから10kVという電圧でプラズマ8を生成させることが可能となる。しかし、面状誘電体1として、ガラス、セラミック、マイカ以外の材料を用いる場合は、面状誘電体1の厚さや、電圧電源4による印加電圧値、周波数を適宜調節してプラズマ8を誘起する必要がある。
また、多点の末端を有する電極2や板状電極3といった電極は、導電性を示す材料からなる。具体的には、亜鉛、アルミニウム、金、銀、銅、白金、ニクロム、イリジウム、タングステン、ニッケル、鉄といった金属や、銀ペーストやカーボンペーストなどの導電性ペーストにポリエステル系樹脂やエポキシ樹脂、ポリウレタン系樹脂、塩ビ系樹脂、フェノール系樹脂などとブレンドした導電性インクを用いても良い。しかし、多点の末端を有する電極2や板状電極3といった電極には、金属を用いるのが好ましい。プラズマ8の発生において、下記の化学式によりオゾンが発生することとなる。ここで、式中のMは第3体を示す。
2+e→2O+e
O+O2+M→O3+M
従って、電極はオゾンにさらされることとなるため、劣化の問題を伴う。このような理由から、耐久性に優れた金属を電極として用いるのが好ましい。
また、多点の末端を有する電極2の形状は図1に示すように櫛型であるのが好ましい。その理由として、金属電極を加工することにより容易に作製することができるという点や、多点の末端を有する電極が元の部分で既に連結されているため、電圧電源4からは1本の導線で接続するだけで全末端においてプラズマ8が発生することなり、面状誘電体に貼布しやすいことが挙げられる。
ここで、多点の末端を有する電極2は図6のように、先端が尖った複数の電極を導線で結合させたものでも良い。また、短冊状の電極や円状の電極を使用しても良い。しかし、プラズマ8を効率良く誘起するためには、図1に示すように先端が尖った形状を持つ方が電界を集中することができるため好ましいため、多点の末端を有する電極2として、先端を図6のように尖らせておく方が良い。
本発明の集塵装置は、気流発生部の面状誘電体1の表裏に設けた2つの電極のうち、少なくとも片方が多点の末端を有する電極2からなるものであり、図1に示す通り、交流電圧を印加する電極が多点の末端を有する電極2で、接地する方は板状でも良い。また、図7に示す通り、交流電圧を印加する電極、接地する電極共に多点の末端を有する電極2でも良く、この場合、放電部、受電部共に電界が集中しやすくなるため、プラズマ8が発生しやすく、電圧電源4による印加電圧値を低くすることが可能となる。
また、気流発生部の電極間の垂直方向の隙間δは、0.1mm以上かつ2mm以下であるのが好ましい。隙間δは、放電開始電圧に係るパラメーターであり、ガラスやマイカ、セラミックに代表される、体積固有抵抗値が108Ω・cm以上かつ1015Ω・cm以下の面状誘電体1を用いる場合は、上記の隙間δであれば、印加電圧を調節してプラズマ8を起こすことが可能となる。また、隙間δが小さい場合、イオン風9の向きが面状誘電体1に対して、角度を有するようになり、隙間δが大きい場合、イオン風9の向きは面状誘電体1に対して平行となる。よって、効率的に気流を発生させられるのは、隙間δが大きい場合である。しかし、この場合は印加電圧値を高める必要があり、必要な気流の風量に応じて、隙間δと印加電圧値を適宜調整するのが好ましい。
また、電圧電源4は直交流重畳電圧を出力できる装置であれば良い。具体的には、高電圧を出力することができる高圧電源装置と、その出力を任意の波形に変換できるパルスジェネレータを備えていれば良い。出力する交流電圧パターンはサイン波、矩形波等の周波数を有するものであれば良く、周波数は特に限定されない。
また、出力電圧値は実効値換算で4から10kVとする、つまりピーク間の電圧値が5.7から14.1kVであるのが好ましい。本発明において、プラズマ8により誘起されるイオン風9の強さは、プラズマ8の発生度合いに大きく依存する。つまり、ある程度のプラズマ8を発生させないと、イオン風9も検出することができないため、面状誘電体1が破壊しない程度の高い電圧を印加することにより、より気流を強めることが可能となる。
導線6は、高電圧を印加するため、十分な絶縁被覆を施した導線を用いるのが好ましい。その一例として、例えばシリコン被覆導線が挙げられる。
風路7は、管路であれば良く、断面形状や材質は特に限定されない。
(実施の形態3)
図8に、面状誘電体1の片面に多点の末端を有する電極2として櫛状の電極を、その逆面に板状電極3を設け、これらの電極は、これらの電極を設けた面状誘電体1の面に対し垂直方向で重ならず、隙間を有するように構成したものをスペーサー10を介して積層し、両電極に電圧電源4により、交流電圧を印加し、一方の電極を接地した気流発生部を示す。
上記の構成で、試作した気流発生部を用いた風速の検討を行った。ここで、本検討では、面状誘電体1として、横2.5cm、縦7.5cm、厚さ1mmのガラス版を用い、電極はアルミテープを用いて形成した。多点の末端を有する電極2として、先端径3mmの櫛状の電極を用いた。また、板状電極3は横3mm、縦5.5cmであり、両電極の隙間δは1mmに設定した。これをポリプロピレンからなる横5mm、縦5mmのスペーサー10を各面状誘電体1の両端部に設置することで8枚積層し、電圧電源4により、500Hzの電圧をピーク間電圧(以下VP-Pとする)8kVから13kVの間で印加した。ここで、風速の測定は、本気流発生部の風下側1cmの地点で行った。
本実験より得られた、風速とVP-Pとの関係を関係を図9に示す。図9に示す通り、風速とVP-Pとの間には正の相関があり、VP-Pが約13kVの場合、風速が約1cm/sに達することが分かった。風速をさらに高める場合には、前述の通り、VP-Pを高める、または隙間δを小さくする、または面状誘電体1の厚みを小さくすることにより、プラズマ8の発生強度を高めることにより可能となる。
(実施の形態4)
集塵部5は、気流発生部の接地した電極の後段に、気流発生部に対して垂直に設けるのが最も好ましい。前述の通り、プラズマ8によるイオン風9の流れは、直交流重畳電圧を印加する電極から接地した電極に向かうベクトルを持つ。よって、接地した電極の後段に垂直に集塵部5を設けることで、最も高い捕集効率が見込まれることとなる。
集塵部5としては、複数の金属板11を垂直方向に一定の間隔で積層し、各金属板に極性の異なる等量の電圧を印加して集塵するものが挙げられる。その構成を図10に示す。直流電源12により、各金属板11に正または負の電圧を印加すると、電極間で電界が形成される。この電界13が形成された領域に粉塵14が流入した場合、粉塵は表面にわずかながら電荷を持つため、クーロン力15を受け、金属板11に捕集されることとなる。
しかし、粉塵14が大気中で有する帯電量は非常に微小であり、各金属板11間に形成される電界13によるクーロン力15を受け辛いものとなっている。ここで、本発明の集塵装置に含まれる気流発生部は、気流を発生させて粉塵14を集塵部へ輸送すると同時に、粉塵14の荷電量を増大させる機能も有する。以下、その原理を説明する。
本発明の気流発生部に、図11に示す波形の電圧を印加した場合、プラズマ8の構成要素として正のイオン16が占める割合が高まり、気流を発生させると同時に、正のイオン16を拡散させることができる。図12に示す通り、イオン風9によって輸送された粉塵14が、正のイオン16と結合することにより、粉塵14がもつ荷電量が高められる。そして、それが集塵部5の電界13により、集塵部の負の金属板に向かってクーロン力15を受けることとなり、集塵が達成される。
逆に、図13に示す波形の電圧を印加した場合、プラズマ8の構成要素として負のイオンが占める割合が高まり、気流を発生させると同時に、負のイオンを拡散させることができる。この場合、イオン風9が吹く方向が、接地した電極から電圧を印加した電極に向かうこととなり、接地電極の後段に設けた集塵部5に粉塵14が輸送されない。したがって、この場合には、電圧を印加する電極の後段に集塵部5を設置するのが好ましい。
集塵部5として、導電性を有する導電線17と、導電線17の表面が絶縁処理された絶縁線18を繊維状に構成し、導電糸17と絶縁糸18に直流電源12により、極性の異なる等量の電位を印加して集塵するものも挙げられる。その構成を図14に示す。
本構成の集塵部においても、図10の構成と同様に、導電糸17と絶縁糸18の間に形成された電界により粉塵14がクーロン力15を受けて集塵されることとなる。
面状誘電体の両面に設けた2つの電極のうち、少なくとも一方が多点の末端を有する電極で構成され、両電極に、交流電圧を印加するとともに、どちらか一方を接地してイオン風を誘起する気流発生部と、その気流に含まれる粉塵を捕集する集塵部とを備え、それを空気清浄機や除湿機、加湿器といった空気調和機器に取り付けることにより、コンパクトで接地性に優れた集塵装置として適用できる。
本発明の実施の形態1の集塵装置を示す図 同集塵装置の断面図 同集塵装置の他の断面図 同集塵装置の電極間隔を示す図 同集塵装置を垂直方向に積層した図 本発明の実施の形態2の集塵装置の電極形状を示す図 同集塵装置の他の電極形状を示す図 本発明の実施の形態3の集塵装置を示す図 同集塵装置により誘起される風速を示すグラフ 本発明の実施の形態3の集塵部を示す図 同集塵装置への印加電圧波形を示すグラフ 同集塵装置の集塵原理を示す図 同集塵装置への他の印加電圧波形を示すグラフ 同集塵部の他の構成を示す図 従来の集塵部の構成を示す図
符号の説明
1 面状誘電体
2 多点の末端を有する電極
3 板状電極
4 電圧電源
5 集塵部
6 導線
7 風路
8 プラズマ
9 イオン風
10 スペーサー
11 金属板
12 直流電源
13 電界
14 粉塵
15 クーロン力
16 正のイオン
17 導電糸
18 絶縁糸

Claims (16)

  1. 面状誘電体の両面に設けた2つの電極のうち、少なくとも一方が多点の末端を有する電極で構成され、両電極に、交流電圧を印加するとともに、どちらか一方を接地してイオン風を誘起する気流発生部と、その気流に含まれる粉塵を捕集する集塵部とを備えた集塵装置。
  2. 前記気流発生部の2つの電極が、前記面状誘電体の面に対して垂直方向で重ならず、一定の隙間を有することを特徴とする請求項1に記載の集塵装置。
  3. 前記気流発生部をスペーサーを介して、垂直に積層することを特徴とする請求項1または2に記載の集塵装置。
  4. 前記気流発生部の面状誘電体の体積固有抵抗値が、108Ω・cm以上かつ1015Ω・cm以下であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の集塵装置。
  5. 前記気流発生部の面状誘電体が、ガラスであることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の集塵装置。
  6. 前記気流発生部の面状誘電体が、マイカであることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の集塵装置。
  7. 前記気流発生部の面状誘電体が、セラミックであることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の集塵装置。
  8. 前記気流発生部の面状誘電体の厚みが、0.1mm以上かつ1.5mm以下であることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の集塵装置。
  9. 前記気流発生部の電極が、金属からなることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の集塵装置。
  10. 前記気流発生部の多点の末端を有する電極が、櫛状であることを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の集塵装置。
  11. 前記気流発生部の電極間の垂直方向の隙間が、0.1mm以上かつ2mm以下であることを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載の集塵装置。
  12. 前記気流発生部に印加する電圧が、直交流重畳電圧であることを特徴とする請求項1から11のいずれか1項に記載の集塵装置。
  13. 前記気流発生部に印加する電圧が、実効値換算で4kV以上かつ10kV以下であることを特徴とする請求項1から12のいずれか1項に記載の集塵装置。
  14. 前記集塵部を、前記気流発生部の接地した電極の後段に、前記気流発生部に対して垂直に設けることを特徴とする請求項1から13のいずれか1項に記載の集塵装置。
  15. 前記集塵部が、複数の金属板を垂直方向に一定の間隔で積層し、各金属板に極性の異なる等量の電圧を印加して集塵することを特徴とする請求項1から14のいずれか1項に記載の集塵装置。
  16. 前記集塵部が、導電性を有する導電線と、導電線の表面が絶縁処理された絶縁線を繊維状に構成し、前記導電糸と絶縁糸に極性の異なる等量の電位を印加して集塵することを特徴とする請求項1から14のいずれか1項に記載の集塵装置。
JP2008099907A 2008-04-08 2008-04-08 集塵装置 Expired - Fee Related JP5223424B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008099907A JP5223424B2 (ja) 2008-04-08 2008-04-08 集塵装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008099907A JP5223424B2 (ja) 2008-04-08 2008-04-08 集塵装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009248008A true JP2009248008A (ja) 2009-10-29
JP5223424B2 JP5223424B2 (ja) 2013-06-26

Family

ID=41309189

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008099907A Expired - Fee Related JP5223424B2 (ja) 2008-04-08 2008-04-08 集塵装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5223424B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010227877A (ja) * 2009-03-27 2010-10-14 Toshiba Corp 気流発生装置
JP2015016431A (ja) * 2013-07-11 2015-01-29 シャープ株式会社 空気清浄化装置および空気清浄化方法

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5944797A (ja) * 1982-09-07 1984-03-13 増田 閃一 物体の静電的処理装置
JPH11262680A (ja) * 1998-03-17 1999-09-28 Kawasaki Heavy Ind Ltd 電気集塵装置
JP2000000486A (ja) * 1998-06-15 2000-01-07 Matsushita Electric Works Ltd 空気清浄器
JP2004249179A (ja) * 2003-02-18 2004-09-09 Sharp Corp 空気浄化装置
JP2005135716A (ja) * 2003-10-29 2005-05-26 Kyocera Corp 放電素子
JP2007313379A (ja) * 2006-05-23 2007-12-06 Daikin Ind Ltd 静電フィルタ
JP2008062173A (ja) * 2006-09-07 2008-03-21 Matsushita Electric Ind Co Ltd 集塵装置および空調装置

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5944797A (ja) * 1982-09-07 1984-03-13 増田 閃一 物体の静電的処理装置
JPH11262680A (ja) * 1998-03-17 1999-09-28 Kawasaki Heavy Ind Ltd 電気集塵装置
JP2000000486A (ja) * 1998-06-15 2000-01-07 Matsushita Electric Works Ltd 空気清浄器
JP2004249179A (ja) * 2003-02-18 2004-09-09 Sharp Corp 空気浄化装置
JP2005135716A (ja) * 2003-10-29 2005-05-26 Kyocera Corp 放電素子
JP2007313379A (ja) * 2006-05-23 2007-12-06 Daikin Ind Ltd 静電フィルタ
JP2008062173A (ja) * 2006-09-07 2008-03-21 Matsushita Electric Ind Co Ltd 集塵装置および空調装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010227877A (ja) * 2009-03-27 2010-10-14 Toshiba Corp 気流発生装置
JP2015016431A (ja) * 2013-07-11 2015-01-29 シャープ株式会社 空気清浄化装置および空気清浄化方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP5223424B2 (ja) 2013-06-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5470733B2 (ja) 気流発生装置
CN102671762B (zh) 一种静电除尘装置的结构
JP5527208B2 (ja) 電気集じん機
JP2007007589A (ja) 電気集塵デバイス及びこれを組込んだ空気清浄装置
JP4929934B2 (ja) 集塵装置および空調装置
JP5223424B2 (ja) 集塵装置
WO2017212688A1 (ja) 荷電装置、電気集塵機、換気装置及び空気清浄機
JP4691691B2 (ja) 微細電極イオン発生素子を有する除電装置
JP4639311B2 (ja) イオン発生器及び除電器
JP2004105517A (ja) イオン発生素子、イオン発生素子の製造方法、イオン発生装置およびそれを備えた電気機器
CN110828268B (zh) 离子风生成器的控制方法
JP2009207989A (ja) 集塵フィルタおよび集塵装置
WO2021131519A1 (ja) 電気集塵機
JP2017127818A (ja) 空気清浄機
JP2004192993A (ja) マイナスイオン発生装置、その製造方法及び空気清浄機、空調機器
WO2004023615A1 (ja) イオン発生素子、イオン発生素子の製造方法、イオン発生素子を備えたイオン発生装置およびイオン発生装置を備えた電気機器
JP5001863B2 (ja) イオン発生素子
JP2010063964A (ja) 集塵装置
JP2014108315A (ja) 微生物不活化デバイス
JP2011161355A (ja) 集塵装置
JP5471464B2 (ja) コロナ放電発生装置とそれを用いた除菌装置
JPS60147263A (ja) 空気清浄器
JP2013158762A (ja) 集塵装置
JP5816807B2 (ja) 電気集塵装置
CN211914193U (zh) 用于从空气流中分离空气传播粒子的空气净化设备

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110404

RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20110512

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120709

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120724

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120921

RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20121213

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130212

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130225

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5223424

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160322

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees