JP2009247182A - 電磁アクチュエータ及びそれを採用したカメラ用羽根駆動装置 - Google Patents

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裕紀 大津
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Abstract

【課題】略径方向へ張り出した腕部も、その先端に形成した出力ピンも永久磁石製である回転子を備えた電磁アクチュエータであって、大きい回転力が得られるうえに、腕部や出力ピンに耐久性が得られるようにした電磁アクチュエータを提供すること。
【解決手段】固定子枠2は、固定子コイル3を巻回した中空のボビン部2cを有している。ヨーク4は、一方の脚部4aをボビン部2cに貫通させ、他方の脚部4bの先端に折曲部4fを有していて、磁極部4c,4dを、回転子5の本体部5aに対向させている。回転子5は、本体部5aが焼結マグネット製であり、径方向へ張り出した腕部5bと、その先端に形成された出力ピン5cがプラスチックマグネット製になっていて、反時計方向へ回転した位置では、固定子コイル3に通電していなくても、出力ピン5cと折曲部4fの間に作用する吸引力で停止状態が維持されるようになっている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、永久磁石製の回転子を、所定の角度範囲内でだけ往復回転させるようにし、該回転子と一体的に回転する出力ピンによって、被駆動部材を駆動するようにした電磁アクチュエータ、及びそのような電磁アクチュエータによって撮影用光路に進退させられる少なくとも1枚の羽根を備えたカメラ用羽根駆動装置に関する。
小型の機器,装置などに用いて有効な電磁アクチュエータとして、下記の特許文献1〜3に記載されているような電流制御式のモータが知られている。これらの電磁アクチュエータは、固定子コイルに通電されると、その電流の供給方向に対応して、永久磁石製(以下、永久磁石をマグネットという)の回転子が、所定の角度範囲内でだけ、正転させられたり、逆転させられたりするようになっていて、一体的に回転する出力ピンによって、被駆動部材を駆動するように構成されている。
この種の電磁アクチュエータは、固定子の構成の違いによって、大きく2種類に分けることができる。その一つは、特許文献1,2に記載されている電磁アクチュエータのように、略U字形をしていて二つの脚部の先端近傍に形成した磁極部を回転子の円周面に対向させるようにしたヨークを備えていて、そのヨークに固定子コイルを巻回したものであり、全体として薄型に構成できるのを特徴としている。もう一つの種類は、特許文献3に記載されている電磁アクチュエータのように、固定子コイルが、回転子を軸受けしている二つの固定子枠の外側に、両方の軸受け部を囲むようにして巻回されているものであり、設置面積が小さくて済むのを特徴としている。
また、これらの電磁アクチュエータの回転子は、略円筒形又は略円柱形をした本体部から略径方向へ張り出して形成された腕部の先端に、上記の出力ピンを設けているのが普通である。そして、そのような構成をした回転子の中には、その腕部と出力ピンとを合成樹脂製としたものも知られているが、特許文献1〜3に記載されている電磁アクチュエータの場合には、いずれも、本体部と同様に、マグネット製にしている。その理由は、固定子コイルに通電していないとき、腕部や出力ピンの磁力を利用して、回転子の停止状態を確実に維持できるようにするためである。本発明は、このように、本体部のみならず腕部や出力ピンをもマグネットとしている回転子を、固定子コイルへの電流供給方向に対応した方向へ回転させるようにした、電流制御式の電磁アクチュエータに関するものである。
特開2004−95703号公報 特開2005−110358号公報 特開2002−250957号公報
従来から、電流制御式の電磁アクチュエータの回転子には、焼結マグネットかプラスチックマグネットが用いられてきた。ところが、上記のように、腕部や出力ピンまでをマグネットとする場合、焼結マグネットを採用すると、大きな磁力が得られて回転力を大きくすることが可能であるが、腕部や出力ピンまでを焼結マグネットにすると、脆さがあるため、被駆動部材が薄い部材などの場合には出力ピンが傷付けられてしまうし、小型化によって腕部や出力ピンが細くなると、被駆動部材に大きな衝撃が加わった場合に、腕部や出力ピンが破壊されてしまうという問題点がある。他方、プラスチックマグネットを採用すると、被駆動部材との関係で腕部や出力ピンが損傷してしまうことは避けられるが、焼結マグネットに比較して、合成樹脂材料を含む分、回転子の回転力を大きくするのが困難になるという問題点がある。
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、特許文献1〜3に記載されているような電磁アクチュエータにおいて、回転子の略円筒形又は略円柱形をした本体部と同様に、腕部や出力ピンをマグネット製にしたとしても、大きい回転力が得られるうえに、腕部や出力ピンの損傷を避けることができるようにした電磁アクチュエータを提供することである。
上記の目的を達成するために、本発明の電磁アクチュエータは、円筒形又は円柱形の本体部と該本体部から略径方向へ延伸して形成された腕部と該腕部に形成された出力ピンとを有していて該本体部は径方向に着磁された焼結マグネットであり該腕部と該出力ピンとはプラスチックマグネットである回転子と、両者の間に構成されているローター室内において少なくとも一方によって前記回転子を軸受けしている二つの固定子部材と、電流の供給方向に対応した方向へ前記回転子を回転させる固定子コイルと、を備えているようにする。
その場合、前記本体部は、回転中心に形成した孔を、前記二つの固定子部材の少なくとも一方に立設された軸に対して回転可能に嵌合さているようにしてもよいし、回転中心に形成した軸部を、前記二つの固定子部材に設けられた孔に対して回転可能に嵌合させているようにしてもよい。そして、後者の場合には、前記軸部が、前記腕部と同時に成形されたプラスチックマグネットであるようにしてもよい。
また、本発明の電磁アクチュエータは、略U字形をしていて二つの脚部の先端近傍に形成した磁極部を前記本体部の円周面に対向させるように配置したヨークを備えており、前記固定子コイルが、該ヨークに巻回されているように構成することができる。また、本発明の電磁アクチュエータは、前記固定子コイルが、前記二つの固定子部材の外側に、前記二つの軸受け部を囲むようにして巻回されているように構成することもできる。そして、前記回転子は、その回転中心と前記出力ピンとを通る直線を境界線として、2極に着磁されているようにすると、回転子の製作時における着磁工程が容易になる。
更に、請求項1乃至7の何れかに記載の電磁アクチュエータを駆動手段として、少なくとも1枚の羽根を往復作動させ、撮影光路に進退させるようにすると、小型のカメラ用羽根駆動装置として極めて好ましい構成になる。
本発明は、略円筒形又は略円柱形をした本体部と、その本体部と一体であって径方向へ張り出した腕部と、その腕部の先端に形成された出力ピンとがマグネットで製作されている回転子が、固定子コイルへの電流供給方向に対応した方向へ回転させられるようにした電流制御式の電磁アクチュエータにおいて、回転子の本体部を焼結マグネットにし、腕部と出力ピンとをプラスチックマグネットにしたものであるため、大きい回転力が得られると共に、腕部や出力ピンの損傷を避けることができるという利点がある。
本発明の実施の形態を、図示した三つの実施例によって説明する。それらのうち、実施例1は、特許文献1,2に記載されているような全体として薄型化を図れる電磁アクチュエータに構成したものであり、実施例2は、実施例1の電磁アクチュエータを、カメラ用羽根駆動装置の一つであるシャッタ装置に採用したものであり、実施例3は、特許文献3に記載されているような設置面積が小さくて済むように構成した電磁アクチュエータを、実施例2の場合のように、シャッタ装置に採用したものである。そして、図1〜図3は、実施例1を説明するためのものであり、図4及び図5は、実施例2を説明するためのものであり、図6〜図9は、実施例3を説明するためのものである。
図1〜図3を用いて本実施例の電磁アクチュエータを説明するが、図1は、その平面図であり、図2は、図1に示されている構成部材の重なり関係を分かり易く示した断面図であり、図3は、図1及び図2に示されている回転子の平面図である。先ず、本実施例の構成を説明する。地板1は、合成樹脂製であって平面形状が長方形をしており、機器や装置に取り付けるのに必要な三つの取付孔1a,1b,1cのほか、円弧状をした逃げ孔1dを形成している。また、地板1には、機器や装置へ取り付ける面とは反対側となる面に、回転子取付軸1eと、位置決めピン1fと、二つの固定子枠取付軸1g,1hとが立設されている。
固定子枠2は、合成樹脂製であって、二つの平板部2a,2bの間に中空のボビン部2cが形成されており、そのボビン部2cの外周には、固定子コイル3が巻回されている。また、平板部2aには二つの孔2d,2eが形成され、他方の平板部2bには一つの孔2fが形成されている。そして、この固定子枠2は、次のようにして地板1に取り付けられている。地板1が部品として製作された段階では、上記の固定子枠取付軸1g,1hは円柱状に形成されている。そこで、固定子枠2は、孔2d,2fを固定子枠取付軸1g,1hに嵌合させ、孔2eを位置決めピン1fに嵌合させた後、孔2d,2fから突き出ている固定子枠取付軸1g,1hの先端を熱溶解させ、フランジ状に変形させることによって取り付けられている。
ヨーク4は、略U字形をしていて、二つの脚部4a,4bの先端近傍には磁極部4c,4dを形成している。また、このヨーク4は、脚部4aを前記ボビン部2eに挿入しており、その根元に形成されている孔4eを、上記の位置決めピン1fに嵌合させている。更に、脚部4bの最先端には、地板1側に折り曲げられた折曲部4fが形成されている。
上記の回転子取付軸1eには、マグネット製の回転子5が回転可能に取り付けられている。この回転子5は、略円筒形をした本体部5aと、その本体部5aから径方向へ張り出すように形成された腕部5bと、その腕部5bの先端に形成された出力ピン5cとからなっていて、本体部5aは焼結マグネット製であり、腕部5bと出力ピン5cはプラスチックマグネット製である。そして、本実施例の電磁アクチュエータは、小型化を図っているため、その本体部5aの直径は約3mmであって、出力ピン5cの直径は約1mmになっている。
この回転子5の製作に際しては、先ず、粒子状の磁性体材料を円筒形に成形しておき、焼結することによって本体部5aを作製している。その後、その本体部5aに対し、粒子状の磁性体材料とプラスチック材料との混合材料によって、腕部5bと出力ピン5cとを、一体成形加工で形成している。そして、最後に、本体部5aの中心と出力ピン5cの中心とを通る直線(図3における一点鎖線)を境界線として、2極に着磁したものである。このように、本実施例の回転子5は超小型化されたものであって、腕部5bや出力ピン5cは比較的複雑な形状をしているが、本実施例では、腕部5bや出力ピン5cをプラスチックマグネット製にしているため、焼結マグネット製の場合よりも高精度な寸法精度を得ることが可能になっている。
尚、本実施例の回転子5は、このように製作されているが、腕部5bと出力ピン5cとを一緒にしたものを予め別部材として成形加工しておき、その後、本体部5aに接着してから両者を同時に着磁するようにしても構わない。また、上記のように、本実施例の場合には、腕部5bや出力ピン5cも2極に着磁されるようにしているが、本体部5aが2極に着磁されてさえいれば、腕部5bや出力ピン5cには、S極かN極の一方だけが着磁されているようにしてもよい。
次に、本実施例の作動を説明する。図1は、固定子コイル3に通電されていない状態を示したものである。このとき、図3に示された回転子5の着磁状態から分かるように、本体部5aのN極の周面は、腕部5b側の領域をヨーク4の磁極部4dに対向させ、S極の周面は、腕部5bとは遠い領域をヨーク4の磁極部4cに対向させている。そのため、回転子5には、時計方向へ回転する力が作用しているが、図示していないストッパによってその回転を阻止され、この停止状態が維持されている。
この図1の状態で固定子コイル3に順方向の電流を供給すると、回転子5は、反時計方向へ回転させられ、出力ピン5cによって、図示していない被駆動部材を駆動する。そして、その駆動力は、本体部5aがプラスチックマグネット製の場合に比べて大きい。その後、回転子5が所定の角度だけ回転すると、図示していないストッパに当接して停止させられるが、本実施例の場合には、腕部5bと出力ピン5cがプラスチックマグネット製であるため、そのときの衝撃で損傷するようなことはない。
回転子5の反時計方向の回転が停止させられると、固定子コイル3に対する電流の供給が断たれる。このとき、本体部5aのN極とS極の周面は、ヨーク4の磁極部4d,4cに対して、略同等に対向することになるため、その状態で固定子コイル3に対する電流の供給が断たれると、回転子5の停止状態が極めて不安定なものになる。ところが、本実施例の場合には、その停止状態では、出力ピン5cがヨーク4の折曲部4fに最接近しているため、両者間に作用する吸引力によって、その停止状態が確実に維持される。
その後、固定子コイル3に対して、先ほどとは反対に、逆方向の電流を供給すると、回転子5は、折曲部4fに発生する磁極と出力ピン5cの磁極との間に作用する反発力も加わって時計方向へ回転させられ、出力ピン5cによって、図示していない被駆動部材を駆動する。そして、回転子5が所定の角度だけ回転すると、図示していないストッパに当接して停止させられるが、そのときにも、衝撃で腕部5bや出力ピン5cに損傷を受けるようなことはない。そのようにして、回転子5が停止した後、固定子コイル3に対する電流の供給を断つと、図1の状態に復帰したことになる。
尚、上記の作動説明中における図示していない二つのストッパについては、地板1に設けて、腕部5b又は出力ピン5cを当接するようにしてもよいし、本実施例の電磁アクチュエータを取り付ける機器・装置に設け、それらのストッパに被駆動部材を当接させるようにしてもよい。
次に、図4及び図5を用いて実施例2を説明するが、本実施例は、実施例1で説明した電磁アクチュエータを、カメラ用羽根駆動装置の一つであるシャッタ装置に採用したものである。そして、図4は、シャッタ羽根の全開状態を示した平面図であり、図5は、シャッタ羽根の閉鎖状態を示した平面図である。また、本実施例は、実施例1の電磁アクチュエータをカメラ用のシャッタ装置に採用したものであるから、電磁アクチュエータについての具体的な構成説明は、実施例1の場合と異なる点についてだけとする。更に、図4及び図5においては、本実施例の説明に必要な代表的な部材,部位に対してだけ、同じ符号を付けてある。
実施例1における地板1は、平面形状が長方形をしていたが、本実施例の地板11は、大きな円形(図4及び図5では一部を破断して示している)をしており、略同じ外形形状をしたカバー板12との間に羽根室を構成している。従って、本実施例の地板11は、実施例1で説明した電磁アクチュエータの地板と、シャッタ装置としての地板とを兼用したものである。そのため、実施例1の地板1に立設されていた回転軸取付軸1e,位置決めピン1f,固定子枠取付軸1g,1hは、この地板11に立設されていることになる。そして、実施例1の地板1に形成されていた逃げ孔1dは、本実施例においては逃げ孔11aとして形成されている。尚、実施例1における電磁アクチュエータを、地板1に設けられた三つの取付孔1a〜1cを利用して、本実施例の地板11に取り付けてもよいことは言うまでもない。そのようにする場合には、実施例1における地板1の逃げ孔1dを本実施例の逃げ孔11aに重ねるようにして取り付けることになる。
本実施例の地板11には、略中央部に円形をした撮影光路用の開口部11bが形成されており、羽根室側の面には、羽根取付軸11c,11dが立設されている。また、適宜な手段によって地板11に取り付けられているカバー板12には、開口部11bと重なるところに、略同じ形状をした撮影光路用の開口部12aが形成されている。更に、羽根室内には2枚のシャッタ羽根13,14が配置されており、地板11側に配置されているシャッタ羽根13は、上記の羽根取付軸11cに回転可能に取り付けられ、カバー板12側に配置されているシャッタ羽根14は、上記の羽根取付軸11dに回転可能に取り付けられている。そして、周知であるため明示していないが、シャッタ羽根13,14に形成されている両方の長孔に、回転子5の出力ピン5cが嵌合している。
このように構成されたシャッタ装置は、周知のように、フィルムを使用するカメラにもデジタルカメラにも採用することが可能であるが、それらのうち、デジタルカメラに採用された場合の作動を簡単に説明しておく。図4に示されている状態は、シャッタ羽根13,14が開口部11b全開にしている撮影待機状態である。そのため、被写体光が開口部11bを通過して固体撮像素子に当たっており、撮影者は、モニターによって、被写体像を観察することが可能になっている。
このとき、電磁アクチュエータの固定子コイル3には電流が供給されていないが、実施例1で説明したように、回転子5の出力ピン5cとヨーク4の折曲部4fとの間に作用する吸引力によって、回転子5には反時計方向へ回転する力が付与されている。そのため、出力ピン5cによって、シャッタ羽根13には時計方向へ回転する力が与えられ、シャッタ羽根14には反時計方向へ回転する力が与えられているが、それらの回転は、シャッタ羽根13,14が図示していないストッパに接触して阻止されている。
この状態でカメラのレリーズボタンを押すと、露光制御回路からの信号によって固体撮像素子に蓄積されていた電荷が放出され、その後、あらたに撮影のための電荷の蓄積が開始(撮影のための露光開始)される。そして、被写体の輝度に対応した所定の時間が経過すると、露光制御回路からの信号によって、固定子コイル3に対して、実施例1における逆方向の電流が供給される。そのため、回転子5は、折曲部4fに発生する磁極と出力ピン5cの磁極との間に作用する反発力も加わって時計方向へ回転させられるので、出力ピン5cは、シャッタ羽根13を反時計方向へ回転させ、シャッタ羽根14を時計方向へ回転させて、開口部11bを閉じさせる。
そして、シャッタ羽根13,14は、開口部11bを完全に閉鎖した直後に、図示していないストッパに当接して停止する。そのとき、回転子5の腕部5bや出力ピン5cにも衝撃が伝わり、特に、出力ピン5cが、シャッタ羽根13,14の明示していない長孔の縁によって激しくこすられるが、本実施例の腕部5bと出力ピン5cはプラスチックマグネット製であるため、損傷を受けることがない。図5は、そのようにして、シャッタ羽根13,14の閉じ作動が終了した状態を示したものである。
このようにして、シャッタ羽根13,14の閉じ作動が終了すると、固体撮像素子で光電変換された撮像情報が記憶装置に転送される。そして、その転送が終了すると、固定子コイル3に対して、実施例1で説明した順方向の電流が供給される。そのため、回転子5は、図5において反時計方向へ回転させられるが、その回転の途中からは折曲部4fと出力ピンとの間に作用する吸引力も加わるようになる。それにより、出力ピン5cによって、シャッタ羽根13を時計方向へ回転させ、シャッタ羽根14を反時計方向へ回転させて、開口部11bの開き作動を行わせる。
その後、シャッタ羽根13,14は、開口部11bを全開にすると、その直後に、図示していないストッパに当接して開き作動を終了する。このときにも、大きな衝撃が発生するが、それによって、回転子5の腕部5bと出力ピン5cが、損傷してしまうようなことがない。そして、固定子コイル3に対する電流の供給が断たれると、図4に示された撮影待機状態に復帰したことになる。
尚、本実施例は、実施例1の電磁アクチュエータを、2枚のシャッタ羽根13,14を備えているシャッタ装置の駆動源として採用したものであるが、この基本構成は、撮影レンズを保護するためのレンズバリア装置として使用することも可能である。また、本実施例の2枚のシャッタ羽根13,14のうち、一方を大きくして他方を省けば、1枚のシャッタ羽根を備えたシャッタ装置になるし、その1枚のシャッタ羽根に地板11の開口部11bよりも小さい開口部を形成して絞り羽根にすれば、絞り装置にもなる。更に、その開口部をフィルタシートで覆ってフィルタ羽根にすれば、フィルタ装置にもなる。
また、本実施例の場合には、2枚のシャッタ羽根13,14が、相反する方向へ回転させられるように構成されているが、2枚の羽根を略相反する方向へ直線的に往復作動させるようにしたシャッタ装置,絞り羽根,フィルタ装置も知られている。実施例1の電磁アクチュエータは、それらの構成をしたカメラ用羽駆動装置の駆動源としても採用することが可能である。このように、実施例1の電磁アクチュエータは、本実施例のようなシャッタ装置の駆動源として採用できるほか、これらのカメラ用羽駆動装置の駆動源として採用することが可能なものであるが、このことは、下記の実施例3に採用されている電磁アクチュエータにも同じことが言える。
次に、図6〜図9を用いて実施例3を説明する。本実施例は、実施例1で説明した電磁アクチュエータとは固定子の構成が異なる電磁アクチュエータを、実施例2と実質的に同じシャッタ装置に採用したものである。そして、図6は、本実施例の要部を示した断面図であり、図7は、図6に示されている回転子の平面図である。また、図8は、シャッタ羽根の全開状態を示した平面図であり、図9は、シャッタ羽根の閉鎖状態を示した平面図である。
本実施例のシャッタ装置に採用されている電磁アクチュエータは、特許文献3に記載されているような、設置面積が小さくて済むタイプの周知の電磁アクチュエータに属するものである。そのため、電磁アクチュエータの構成については、実施例1の説明に用いた図1のような平面図を用いないで説明する。
図6に示されている第1固定子枠21は、合成樹脂製であって、後述する回転子を収容するために、筒状部21aと、その軸方向の一端を塞ぐように形成された壁部21bとによって、全体としてコップ状に形成されており、壁部21bの略中心に軸受け孔21cを有している。そして、下方の縁には、フック部21dを有している。
第2固定子枠22は、合成樹脂製であって全体として平板状をしており、上記の壁部21bの軸受け孔21cと対向しているところに軸受け孔22aを有している。また、軸受け孔22aの右側には、二つの孔22b,22cが形成されており、左側には、実施例1の逃げ孔1dに相当する円弧状の逃げ孔22dが形成されている。この第2固定子枠22は、実施例1の電磁アクチュエータにおける地板1に相当する部材であり、機器・装置へ取り付けられる部材になっている。
更に、第2固定子枠22は、逃げ孔22dの長さ方向の両側に、夫々孔を形成しているが、図6には、それらのうちの一方の孔22eだけが示されている。そして、その孔22eには、一端が突き出るようにして磁性体棒23が圧入されている。また、図示していない他方の孔にも、同様にして磁性体棒が圧入されている。尚、図8及び図9には、電磁アクチュエータを後述する地板28に取り付けたときの磁性体棒23と、もう一つの磁性体棒24の配置される正確な位置を、二点鎖線で示してある。
このような第1固定子枠21と第2固定子枠22とは、第1固定子枠21のフック部21dを第2固定子枠22の孔22bの下側の縁に掛けておき、固定子コイル25を、上記の二つの軸受け孔21c,22aを囲むように巻回したことによって、相互に取り付けられている。また、固定子コイル25を巻回した後、第1固定子枠21の外側には、固定子コイル25も包み込むようにして、円筒形をしたヨーク26が嵌装されている。
第1固定子枠21と第2固定子枠22によって構成されている収容室には、回転子27が収容されている。この回転子27は、上記の二つの軸受け孔21c,22aに軸受けされているが、回転軸となる回転軸部27aと、その回転軸部27aから略径方向下側に張り出して形成された腕部27bと、収容室外において腕部27bの先端に形成された出力ピン27cとがプラスチックマグネット製であり、回転軸部27aに一体化された円筒形の本体部27dだけが、焼結マグネット製になっている。そして、腕部27bの一部と出力ピン27cは、上記の逃げ孔22dを貫通している。
本実施例の場合、この回転子27は、先ず、粒子状の磁性体材料を円筒形に成形した後、焼結することによって本体部27dを作製している。その後、その本体部27dに対し、粒子状の磁性体材料とプラスチック材料との混合材料によって、腕部27bと出力ピン27cとを、いわゆるアウトサート加工で一体成形している。そして最後に、図7に示されているように、回転軸部27aの中心と出力ピン27cの中心とを通る直線を境界線とし、2極に着磁している。しかしながら、図6における回転軸部27aの上方形状を円柱形にすることによって、回転軸部27a,腕部27b,出力ピン27cを一つの別部材として成形しておき、その後、本体部27aを回転軸部27aに嵌装させて接着し、最後に着磁するようにしても構わない。
図8及び図9に示されているように、本実施例の地板28の外形形状は、略円形(一部を破断して示している)をしていて、その略中央部に円形をした撮影光路用の開口部28aを形成しており、その開口部28aの下方領域には、上記の逃げ孔22dと略同じ形状をした逃げ孔28bを形成している。
また、地板28に取り付けられていて、地板28との間に羽根室を構成しているカバー板29は、地板28と略同じ外形形状をしていて、開口部28aと重なるところに、略同じ形状をした撮影光路用の開口部29aを形成しており、また、逃げ孔28bと重なるところに、略同じ形状をした逃げ孔29bを形成している。そして、図8及び図9においては二点鎖線で示されている回転子27の出力ピン27cが、それらの逃げ孔28b,29bに挿入されている。
また、地板28には、位置決めピン28cが立設されているほか、二つのフック部28d,28eが形成されており、本実施例の電磁アクチュエータは、第2固定子枠22の孔22cを、その位置決めピン28cに嵌め、長さ方向の両端を、二つのフック部28d,28eに掛け止めされて、地板28に取り付けられている。そして、その取付け状態においては、第2固定子枠22の逃げ孔22dが、地板28の逃げ孔28bと重なるようになっている。尚、本実施例の電磁アクチュエータは、このようにして地板28に取り付けられているが、ビスなどによって取り付けても構わない。
地板28の羽根室側の面には、羽根取付軸28f,28gが立設されており、それらの先端をカバー板29に形成した夫々の孔(符号なし)に挿入している。また、地板28とカバー板29の間に構成されている羽根室には、2枚のシャッタ羽根30,31が配置されており、地板28側に配置されているシャッタ羽根30は羽根取付軸28fに回転可能に取り付けられ、カバー板29側に配置されているシャッタ羽根31は羽根取付軸28gに回転可能に取り付けられている。そして、回転子27の出力ピン27cが、それらのシャッタ羽根30,31に形成された長孔30a,31aの両方に嵌合し、その先端を、カバー板29の逃げ孔29bに挿入している。
次に、本実施例のシャッタ装置の作動を説明するが、本実施例の場合にも、実施例2のシャッタ装置の場合と同様に、デジタルカメラに採用された場合で説明する。図8に示された状態は、シャッタ羽根30,31が開口部28aを全開にした撮影待機状態である。このとき、電磁アクチュエータの固定子コイル25には電流が供給されていないが、出力ピン27cと磁性体棒23との間に作用する吸引力によって、回転子27には反時計方向へ回転する力が付与されている。そのため、出力ピン27cによって、シャッタ羽根30には時計方向へ回転する力が与えられ、シャッタ羽根31には反時計方向へ回転する力が与えられているが、それらの回転を図示していないストッパに阻止されていることによって、この状態が維持されている。
この状態でカメラのレリーズボタンを押すと、固体撮像素子に蓄積されていた電荷が放出され、あらたな電荷の蓄積が行なわれることによって撮影が開始される。そして、被写体の輝度に対応した所定の時間が経過すると、露光制御回路からの信号によって、固定子コイル25に対して順方向の通電が行われので、回転子27は時計方向へ回転させられる。そのため、出力ピン27cは、シャッタ羽根30を反時計方向へ回転させ、シャッタ羽根31を時計方向へ回転させて、開口部28aを閉じさせる。そして、シャッタ羽根30,31は、開口部28aを完全に閉鎖した直後に、図示していないストッパに当接して閉じ作動を終了する。図9は、そのときの状態を示したものである。
本実施例の場合は、この状態において、固定子コイル25に供給している電流を断っても、出力ピン27cと磁性体棒24との間に作用する吸引力によって、回転子27には時計方向へ回転する力が付与されるので、図9の状態を確実に維持することができるようになっている。しかし、電流を断たないのであれば、磁性体棒24は取り付けていても、いなくてもよいことになる。従って、本実施例に採用されているタイプの電磁アクチュエータの場合は、二つの磁性体棒23,24の、いずれか一方の磁性体棒だけを取り付ければよい場合もある。
このようにして、シャッタ羽根30,31の閉じ作動が終了すると、固体撮像素子で光電変換された撮像情報が記憶装置に転送される。そして、その転送が終了すると、固定子コイル25に対して逆方向の電流が供給される。そのため、回転子27は図9において反時計方向へ回転させられ、出力ピン27cによって、シャッタ羽根30を時計方向へ回転させ、シャッタ羽根31を反時計方向へ回転させる。その後、開口部28aを全開にすると、その直後に、図示していないストッパに当接してシャッタ羽根30,31の開き作動が停止させられる。そして、固定子コイル25に対する通電が断たれると、図8に示された撮影待機状態に復帰したことになる。
尚、本実施例に採用している電磁アクチュエータを、2枚の絞り羽根を相反する方向へ略直線的に往復作動させる絞り装置や、2枚のフィルタ羽根を相反する方向へ略直線的に往復作動させるフィルタ装置に採用する場合は、周知のように、第1固定子枠21の筒状部21aにホール素子を取り付けたり、二つの固定子枠21,22に二つの固定子コイルを巻回させることによって、撮影光量を連続的又は多段階的に調節できるようにすることが可能になる。従って、そのように構成した電磁アクチュエータも、そのように構成した電磁アクチュエータを採用したカメラ用羽根駆動装置も本発明に含まれる。
実施例1の電磁アクチュエータを示す平面図である。 実施例1の構成部材の重なり関係を分かり易く示した断面図である。 図1及び図2に示されている回転子の平面図である。 実施例1の電磁アクチュエータをカメラ用のシャッタ装置に採用した状態を示す実施例2の平面図であって、シャッタ羽根の全開状態を示したものである。 実施例2の平面図であって、シャッタ羽根の閉鎖状態を示したものである。 実施例1とは異なる構成の電磁アクチュエータをカメラ用のシャッタ装置に採用した状態を示す実施例3の断面図である。 図6に示されている回転子の平面図である。 実施例3の平面図であって、シャッタ羽根の全開状態を示したものである。 実施例3の平面図であって、シャッタ羽根の閉鎖状態を示したものである。
符号の説明
1,11,28 地板
1a,1b,1c 取付孔
1d,11a,22d,28b,29b 逃げ孔
1e 回転子取付軸
1f,29c 位置決めピン
1g,1h 固定子枠取付軸
2 固定子枠
2a,2b 平板部
2c ボビン部
2d,2e,2f,4e,22b,22c,22e 孔
3,25 固定子コイル
4,26 ヨーク
4a,4b 脚部
4c,4d 磁極部
4f 折曲部
5,27 回転子
5a,27d 本体部
5b,27b 腕部
5c,27c 出力ピン
11b,12a,28a,29a 開口部
11c,11d,28f,28g 羽根取付軸
12,29 カバー板
13,14,30,31 シャッタ羽根
21 第1固定子枠
21a 筒状部
21b 壁部
21c,22a 軸受け孔
21d,28d,28e フック部
22 第2固定子枠
23,24 磁性体棒
27a 回転軸部
30a,31a 長孔

Claims (8)

  1. 円筒形又は円柱形の本体部と該本体部から略径方向へ延伸して形成された腕部と該腕部に形成された出力ピンとを有していて該本体部は径方向に着磁された焼結マグネットであり該腕部と該出力ピンとはプラスチックマグネットである回転子と、両者の間に構成されているローター室内において少なくとも一方によって前記回転子を軸受けしている二つの固定子部材と、電流の供給方向に対応した方向へ前記回転子を回転させる固定子コイルと、を備えていることを特徴とする電磁アクチュエータ。
  2. 前記本体部は、回転中心に形成した孔を、前記二つの固定子部材の少なくとも一方に立設された軸に対して回転可能に嵌合させていることを特徴とする請求項1に記載の電磁アクチュエータ。
  3. 前記本体部は、回転中心に形成した軸部を、前記二つの固定子部材に設けられた孔に対して回転可能に嵌合させていることを特徴とする請求項1に記載の電磁アクチュエータ。
  4. 前記軸部が、前記腕部と同時に成形されたプラスチックマグネットであることを特徴とする請求項3に記載の電磁アクチュエータ。
  5. 略U字形をしていて二つの脚部の先端近傍に形成した磁極部を前記本体部の円周面に対向させるように配置したヨークを備えており、前記固定子コイルが、該ヨークに巻回されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の電磁アクチュエータ。
  6. 前記固定子コイルが、前記二つの固定子部材の外側に、前記二つの軸受け部を囲むようにして巻回されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の電磁アクチュエータ。
  7. 前記回転子は、その回転中心と前記出力ピンとを通る直線を境界線として、2極に着磁されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の電磁アクチュエータ。
  8. 請求項1乃至7のいずれかに記載の電磁アクチュエータを駆動手段として、少なくとも1枚の羽根を往復作動させ、撮影光路に進退させるようにしたカメラ用羽根駆動装置。
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