JP2009245857A - 絶縁電線及びその製造方法 - Google Patents

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良和 早川
Akira Setogawa
晃 瀬戸川
Yosuke Sumi
陽介 角
Hisashi Kato
久 加藤
Daijiro Takizawa
大二郎 滝沢
Kazuto Nakao
和人 中尾
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Abstract

【課題】導体と絶縁層の密着性を向上し、絶縁性が良好な絶縁電線を提供する。
【解決手段】導体2上にフッ素樹脂からなる絶縁層4を設けた絶縁電線1において、導体2と共に絶縁層4を誘導加熱処理して導体2に対する絶縁層4のピール強度を0.05N/mm以上にしたものである。特に、導体の外周部に酸化膜3を形成するのが好ましく、さらには絶縁層の膜厚が0.1〜0.3mmであり、かつ面粗度が15〜65μmの配であると良い。
【選択図】図1

Description

本発明は、主にモータコイルに用いられ、導体上にフッ素樹脂からなる絶縁層が設けられた絶縁電線及びその製造方法に関する。
自動車などの車両の発電機(オルタネータなど)に用いられるモータコイルには、エナメル線が最も多く使用される。一般なエナメル線は、導体の外周にエナメル塗料を薄く塗布・焼き付けして薄い(30μm程度)エナメル皮膜を形成したものであるが、このエナメル皮膜にピンホールが不可避的に形成されてしまうので、使用状態によっては絶縁破壊電圧(絶縁性)が低くなることがある。
この一般的なエナメル線の欠点であるピンホール形成の問題を解消したエナメル線(絶縁電線とも呼ばれる)としては、導体の外周に、エナメル線の絶縁層材料として熱可塑性樹脂を被覆して絶縁層(被覆層、あるいは絶縁皮膜)を形成するものがある(例えば、特許文献1、2参照)。
特許文献1では、エナメル線の絶縁皮膜の材料として、熱可塑性樹脂を用いて導線との押出により被覆線を製造する方法が提案されている。
特許文献2は、フッ素樹脂被覆導線の外周に接着層付きポリエステルフィルムをスパイラル状に巻き付け、コイルにする前または後に熱処理することにより接着層を硬化させ、導線同士のバラケを抑止する技術である。
特開2003−272916号公報 特開平10−172823号公報
しかしながら、従来の技術においては、エナメル線の熱可塑性樹脂による被覆層の導体との密着力が低く、被覆後のエナメル線をコイル成形する際に、曲げ加工しようとする(Rをつけようとする)と、特に曲げの内側で被覆がシワ(皮膜浮き)になり、この部分で部分放電が発生して絶縁性が確保できなくなるという問題がある。最悪の場合には、被覆が破れることもある。
耐熱性に優れたフッ素樹脂を被覆材として用いようとする場合には、導体に対するフッ素樹脂の密着性の低さゆえ、この問題は特に顕著である。
そこで、本発明の目的は、導体と絶縁層の密着性を向上し、絶縁性が良好な絶縁電線及びその製造方法を提供することにある。
前記目的を達成するために創案された本発明は、導体上にフッ素樹脂からなる絶縁層を設けた絶縁電線において、前記導体と共に前記絶縁層を誘導加熱処理して前記導体に対する前記絶縁層のピール強度を0.05N/mm以上にしたものである。
前記導体の外周部に酸化膜を形成してもよい。
前記絶縁層の膜厚が0.1〜0.3mmであり、かつ面粗度が15〜65μmであるとよい。
また、本発明の絶縁電線の製造方法は、導体上にフッ素樹脂からなる絶縁層を設けた絶縁電線の製造方法において、前記導体に前記フッ素樹脂を被覆した後、前記導体と共に前記絶縁層をフッ素樹脂の融点に近い温度で誘導加熱処理してフッ素樹脂を軟化させ、前記導体に対する前記絶縁層のピール強度を0.05N/mm以上にする方法である。
前記融点に近い温度は、非晶部位が溶解する温度の範囲内であるとよい。
本発明によれば、絶縁被覆と導体との密着力が向上するので、被覆後の電線の曲げ加工において、曲げの内側で導体に絶縁被覆が追従しシワの発生を抑制することができる。
以下、本発明の好適な実施形態を添付図面にしたがって説明する。
図1は、本発明の好適な実施形態を示す絶縁電線の横断面図である。
図1に示すように、本実施形態に係る絶縁電線1は、導体2の外周部に導体2の酸化膜3を形成し、その酸化膜3上に絶縁被覆材料としてのフッ素樹脂からなる絶縁層4を設け、導体2に対する絶縁層4のピール強度を0.05N/mm以上、好ましくは0.075N/mm以上、さらに好ましくは0.10N/mm以上にしたものである。
本実施形態では、絶縁電線1をコイル成形した後の占積率を向上させるため、導体2として横断面が略矩形状に形成された平角形状で長尺の銅導体を用いた。銅導体としては、タフピッチ銅や無酸素銅を用いるとよい。
酸化膜3は、導体2の外周部を酸化処理して形成される。この酸化処理は、絶縁層4を形成する前に行ってもよいし、絶縁層4を形成した後に行ってもよい。
絶縁層4の形成前に行う酸化処理方法としては、あらかじめ導体2を空気中で所定の時間だけ放置しておいたり、導体2の外周面に酸化剤を塗布して表面処理したりする方法などがある。
絶縁層4の形成後に行う酸化処理方法としては、導体2と共に絶縁層4を後加熱工程として誘導加熱処理する方法などがある。この誘導加熱処理により、導体2中に不可避的に含まれる酸素原子が導体2の外周部に存在する金属原子と結合することで、酸化膜3が形成される。
ここでいうピール強度は、JIS K 6854−1で規格されている試験方法を用いて測定される強度である。
絶縁層4を構成するフッ素樹脂としては、耐熱性に優れ、軟質で巻線加工が容易なものであればよい。このようなフッ素樹脂としては、テトラフルオロエチレン共重合体(PTFE)、テトラフルオロエチレン−フルオロアルコキシトリフルオロエチレン共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、ポリテトラフルオロエチレン−パーフルオロジオキシソール共重合体(THF/PDD)から選ばれる1種以上のものが挙げられる。これらフッ素樹脂は、絶縁層4の形成時、巻線加工時ともにワニスが不要である。本実施形態では、フッ素樹脂としてPFAを用いた。
絶縁層4は、膜厚が0.1〜0.3mm、好ましくは0.1〜0.2mm、より好ましくは0.1〜0.15mmであり、かつ面粗度(表面の最大粗さ)が15〜65μm、好ましくは15〜40、より好ましくは15〜30μmであるとよい。
これは、絶縁層4の膜厚が薄くなればなるほど、面粗度の大小に応じて絶縁電線の絶縁破壊電圧が小さくなったり(面粗度が大)、大きくなったり(面粗度が小)するからである。より詳細には、絶縁層の膜厚が0.1mm未満と薄かったり、面粗度が65μmを超えて大きかったりすると、絶縁電線の絶縁破壊電圧が低くなる。また、膜厚が0.3mmを超えると、絶縁電線がかさばってコイル成形後の占積率が下がる。現状の技術では、面粗度を15μm未満にすると、作業時間がかかったり、コストが高くなったりする。
さらに、前記構成に加え、導体2の外周面を機械的または化学的に処理して粗面化してもよい。機械的処理方法としては、サンドブラスト法や、導体2を平角形状に成形する際に使用するダイスを適宜選択する方法などを用いるとよい。また、化学的処理方法としては、導体2の外周面をエッチング液やアルカリ液で表面処理する方法がある。
導体2の外周面を機械的または化学的に処理して粗面化すると、絶縁被覆材料であるフッ素樹脂とのアンカー効果を増加させ、絶縁層4との密着性を向上させる。
次に、絶縁電線1の製造に用いる絶縁電線の製造装置を説明する。
図2に示すように、本実施形態に係る絶縁電線の製造装置21は、導体2を送り出す送出し機22と、送り出された導体2の外周に樹脂コート工程としてフッ素樹脂を押出被覆する押出し機23と、後加熱工程としての誘導加熱処理を行う高周波誘導加熱装置24と、得られた絶縁電線1を巻取る巻取り機25とを主に備える。高周波誘導加熱装置24は、線材(本実施形態では、後述するプレ絶縁電線1p)が挿通する石英管と、その石英管が挿通する誘導コイルと、その誘導コイルに高周波電流を流す電源とを備える。
さらに製造装置21は、送出し機22と押出し機23間に設けられて走行する導体(素線)2の振動を防止するための上流側の振動防止機(巻溜め)26uと、高周波誘導加熱装置24の下流側に設けられて走行する絶縁電線1の振動を防止するための下流側の振動防止機26dと、その振動防止機26dの下流側に設けられて誘導加熱処理後の絶縁電線1の絶縁耐圧試験を行うためのスパークテスタ27と、そのスパークテスタ27と巻取り機25間に設けられて絶縁耐圧試験後の絶縁電線1を巻取り機25に案内するガイド28とを備える。
この製造装置21を用いて絶縁電線1を製造する方法を、絶縁層4を構成するフッ素樹脂としてPFAを使用した例で説明する。
まず、送出し機22で導体2を送り出し、押出し機23で導体2の外周にフッ素樹脂を押出し被覆して絶縁層4を形成し、プレ絶縁電線(従来の絶縁電線)1pを得る。送り出し時の電線温度(導体2の温度)T1は常温付近の約23℃であり、押出し機23での電線温度(プレ絶縁電線1pの温度)T2はPFAの融点より高い330℃である。
プレ絶縁電線1pを得た後、高周波誘導加熱装置24において、高周波電流が流れる誘導コイルにプレ絶縁電線1pを走行させることで、導体2と共に絶縁層4を、フッ素樹脂の融点に近い温度で導体2から(絶縁層4の内側から)誘導加熱処理してフッ素樹脂を軟化させる。本実施形態ではフッ素樹脂としてPFAを用いているので、PFAの融点である303℃に近くてやや低い292〜302℃、好ましくは295〜300℃で誘導加熱処理して絶縁層4を軟化させた。これにより、導体2の外周部に酸化膜3が形成され、その酸化膜3上に、高周波誘導加熱装置24よりも下流側で軟化した絶縁層4が硬化して密着再形成される。
高周波誘導加熱装置24の入口付近の電線温度T3は約40℃であり、高周波誘導加熱装置24内で電線温度が瞬間的に上がり、高周波誘導加熱装置24の出口付近の電線温度(絶縁電線1の温度)T4は292〜302℃である。
高周波誘導加熱装置24の設定温度Tihは、誘導コイルに流す高周波電流の値で調整する。誘導加熱では、被加熱体である導体2自体が発熱するため、被加熱体の瞬間加熱・局部加熱・均一加熱ができるという利点がある。設定温度Tihは、巻取り機25で設定した巻取り速度(導体2、プレ絶縁電線1p、絶縁電線1の走行速度)vに応じて、高周波誘導加熱装置24の出口付近までに導体2と絶縁層4の両方がフッ素樹脂の融点に近い温度となるように適宜設定する。
また、誘導加熱では、高周波電流の周波数が高いほど、誘導電流が導体2の外周部に集中するため、高周波電流の周波数fと、設定温度Tihを設定することで、面粗度の大きさも微調節できる。設定温度Teが高すぎたりすると、酸化膜のできが悪くなったり、絶縁層に発泡が生じたりする。
その後、得られた絶縁電線1を走行させつつ、これにスパークテスタ27で所定の電圧を加えて絶縁耐圧試験を行い、絶縁電線1が所望の絶縁破壊電圧以上であれば、スパークテスタ27を通過した絶縁電線1をガイド28を介して巻取り機25で巻き取ると、製品が得られる。スパークテスタ27の入り口付近の電線温度T5は常温付近の約23℃である。
図2の下側の温度曲線Tで見れば、電線温度は、送出し機22から押出し機23の入口までT1、押出し機23内でT1からT2まで上がり、高周波誘導加熱装置24の入口までにT2からT3に下がり、高周波誘導加熱装置24の入口直後にT3からT4に上がり、高周波誘導加熱装置24の下流側でT4からT5まで下がる。
以上のようにして、導体2に対する絶縁層4のピール強度が0.05N/mm以上の絶縁電線1が得られる。
本実施形態の作用を説明する。
絶縁電線1は、導体2上にフッ素樹脂からなる絶縁層4を設けたものであり、導体2と共に絶縁層4を誘導加熱処理することで、導体2に対する絶縁層4のピール強度を0.05N/mm以上にしたものである。
誘導加熱処理時に、導体2の外周部が酸化処理されて導体2の外周部に酸化膜3が形成されると同時に、絶縁層4を構成するフッ素樹脂の非晶部位が溶融する(絶縁層4が半溶融状態となる)。
例えば、フッ素樹脂としてPFAを用いた場合には、図3に示すPFAのTG−DTA(示差熱熱重量測定)による測定結果により、PFAが約292〜303℃で非晶部位が溶融した固体状態であるため、上述したように292〜302℃の誘導加熱処理が有効であることがわかる。
つまり、絶縁電線1では、導体2と共に絶縁層4を誘導加熱処理することで、導体2の外周部に酸化膜3が形成され、その酸化膜3上に軟化した絶縁層4が硬化して密着再形成される。
これにより、絶縁電線1によれば、導体2表面の物理形状に絶縁被覆である絶縁層4が追従・密着することで、絶縁層4と導体2との密着力が向上するため、被覆後の電線の曲げ加工において、特に曲げの内側で導体2に絶縁層4が追従し、絶縁層4のシワの発生を抑制できる。
したがって、絶縁電線1は、従来のフッ素樹脂を単に絶縁被覆に用いた絶縁電線がピール強度ほぼ0N/mmであったのに比べ、ピール強度を0.5N/mm以上と大幅に向上でき、モータコイルなどの曲げ加工が必要な用途に使用しても、部分放電が発生せずに絶縁性が非常に良好である。
特に、絶縁電線1では、誘導加熱処理を用いることから、発熱が導体2表面で起こるため、絶縁被覆である絶縁層4への入熱が導体2表面側から開始でき、小さなエネルギーで熱処理が可能となる。
また絶縁電線1は、入力エネルギーが小さいため、誘導加熱処理後の冷却時間が短く、結晶性樹脂材料であるフッ素樹脂を被覆材料に選択する場合に、冷却工程(上述した電線温度T4からT5までの工程)での結晶の肥大化を抑止できる。
すなわち絶縁電線1では、絶縁層4内にフッ素樹脂の結晶が成長するものの、絶縁層4の外層部にはフッ素樹脂の結晶が成長しない。このため、絶縁電線1は、電気炉による熱処理と比べれば、絶縁層4の面粗度をより小さくして絶縁層4の表面を滑らかにでき、外観もより向上できる。
このように、絶縁電線1は、電気炉による熱処理と比べれば、より加熱しない状態を保ちながら製品化できるので、絶縁性をより良好にできる。絶縁電線1のピール強度(密着力)は、電気炉による熱処理の場合と同等である。
また、本実施形態に係る絶縁電線1の製造方法では、導体2にフッ素樹脂を被覆して絶縁層4を形成した後、導体2と共に絶縁層4をフッ素樹脂の融点に近い温度で誘導加熱処理してフッ素樹脂を軟化させている。
このため、本実施形態に係る絶縁電線1の製造方法によれば、導体2の外周部に酸化膜3を形成すると同時に、その酸化膜3上に、軟化した絶縁層4を硬化させて密着再形成でき、絶縁電線1を簡単に製造できる。
(実施例)
図5(a)示すような横断面が横x:4mm、縦y:3mmの平角形状の銅導体を導体2とし、フッ素樹脂をPFAとし、図2の製造装置21を使用して絶縁層4の膜厚が0.13mmの絶縁電線1を作製した。製造条件は、巻取り速度vを0.25m/min、高周波誘導加熱装置24の誘導コイルの長さLcを50cm(プレ絶縁電線1pの高周波誘導加熱装置24の通過時間を120秒)、高周波誘導加熱装置24の通過直後の絶縁電線1の表面温度を292℃以上になるように誘導コイルに流す電流を調整した。さらに、絶縁電線1に曲げ加工を施し、図4(a)に示すエッジワイズ巻きのモータコイル41aを作製した。
(従来例)
図2の製造装置21から高周波誘導加熱装置24を除いた製造装置を用い、実施例と同様にして従来の絶縁電線、これを用いた図4(b)に示すモータコイル41bを作製した。
実施例、従来例の各絶縁電線の密着力測定は、図6(a)および図6(b)に示すJIS K 6854−1で規格されている試験方法を用いて測定したピール強度で行った。
より詳細には、図6(a)に示すように、各絶縁電線試験片(長さ40mm)の横断面の四隅を一点鎖線でカットし、図6(b)に示すように、試験片の両端を固定した上で、4mm幅となった絶縁層の一方を10mm剥がしてチャックし、チャックとロードセル間をワイヤで接続し、絶縁層の一方を試験片から10mm/minで20mmにわたって引き剥がし、このときにロードセルで測定した力からピール強度を求めた。
図4(a)に示すように、実施例はピール強度が0.25N/mmであり、モータコイル41aを作製しても曲げ加工内側にシワが発生しなかった。図4(a)中では絶縁層の内側に形成された酸化膜の色が透けて見えている。
これに対し、図4(b)に示すように、従来例はピール強度が0N/mmであり、モータコイル41bを作製すると曲げ加工内側にシワが発生した。図4(b)中では絶縁層4の内側の導体の色が透けて見えている。
また、模式的に示した図5(a)の実施例のモータコイル41aを見ると、導体2の両側に、内側の絶縁層4iと外側の絶縁層4eが密着していることがわかる。図5(b)の従来例のモータコイル41bでは、外側の絶縁層4eは導体2に密着しているものの、内側の絶縁層4iが導体2から剥がれ、シワwが発生した。
図1は本発明の好適な実施形態を示す絶縁電線の横断面図である。 図1に示した絶縁電線の製造に用いる絶縁電線の製造装置の概略図とその温度変化図である。 PFAのTG−DTA測定結果を示す図である。 図4(a)は曲げ加工後における実施例の絶縁電線の拡大写真、図4(b)は曲げ加工後における従来例の絶縁電線の拡大写真である。 図5(a)は曲げ加工後における実施例の絶縁電線の縦断面図、図5(b)は曲げ加工後における従来例の絶縁電線の縦断面図である。 図6(a)は密着力測定方法を説明する図、図6(b)は密着力測定方法を説明する写真である。
符号の説明
1 絶縁電線
2 導体
3 酸化膜
4 絶縁層

Claims (5)

  1. 導体上にフッ素樹脂からなる絶縁層を設けた絶縁電線において、前記導体と共に前記絶縁層を誘導加熱処理して前記導体に対する前記絶縁層のピール強度を0.05N/mm以上にしたことを特徴とする絶縁電線。
  2. 前記導体の外周部に酸化膜を形成した請求項1記載の絶縁電線。
  3. 前記絶縁層の膜厚が0.1〜0.3mmであり、かつ面粗度が15〜65μmである請求項1または2記載の絶縁電線。
  4. 導体上にフッ素樹脂からなる絶縁層を設けた絶縁電線の製造方法において、前記導体に前記フッ素樹脂を被覆した後、前記導体と共に前記絶縁層をフッ素樹脂の融点に近い温度で誘導加熱処理してフッ素樹脂を軟化させ、前記導体に対する前記絶縁層のピール強度を0.05N/mm以上にすることを特徴とする絶縁電線の製造方法。
  5. 前記融点に近い温度は、非晶部位が溶解する温度の範囲内である請求項4記載の絶縁電線の製造方法。
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