JP2009245682A - 燃料電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】セパレータの腐食を抑制することを目的とする。
【解決手段】1つの電池ユニット200又は積層された複数の電池ユニット200を含む燃料電池100であって、前記電池ユニット100は、膜電極接合体と前記膜電極接合体の両面に配置されたガス拡散層とを含む膜電極アッセンブリ20と、前記膜電極アッセンブリの両面に配置されたセパレータ30と、前記セパレータ表面にコーティングされたコーティング剤600とを備え、前記セパレータ30の外縁部における前記コーティング剤600が、前記セパレータの中央部における前記コーティング剤よりも厚くコートされている。
【選択図】図2
【解決手段】1つの電池ユニット200又は積層された複数の電池ユニット200を含む燃料電池100であって、前記電池ユニット100は、膜電極接合体と前記膜電極接合体の両面に配置されたガス拡散層とを含む膜電極アッセンブリ20と、前記膜電極アッセンブリの両面に配置されたセパレータ30と、前記セパレータ表面にコーティングされたコーティング剤600とを備え、前記セパレータ30の外縁部における前記コーティング剤600が、前記セパレータの中央部における前記コーティング剤よりも厚くコートされている。
【選択図】図2
Description
本発明は燃料電池に関する。
燃料電池のセパレータには、その腐食を防止するためのコーティング剤が塗布されているのが普通である。しかし、燃料電池の始動を、氷点下で何回も行うと、セパレータとガス拡散層の膨張率の違いにより摩擦が生じる。これにより、セパレータ表面に塗布されたコーティング材が剥離し、セパレータを腐食させることが起こりうる。
一方、従来技術として、セパレータにセラミック粒子を分散させることにより、セパレータの線膨張率を、空気極あるいは燃料極の線膨張率と近似させる技術が知られている(特許文献1)。
しかし、従来技術は、セパレータとガス拡散層との間の膨張率の違いに起因して、セパレータに腐食が生じるという問題は、十分に認識されていない問題であった。
本発明は上記課題の少なくとも1つを解決し、セパレータの腐食を抑制することを目的とする。
上記課題の少なくとも一部を解決するために、本発明は以下の態様をとる。
本発明の第1の態様は、1つの電池ユニット又は積層された複数の電池ユニットを含む燃料電池であって、前記電池ユニットは、膜電極接合体と前記膜電極接合体の両面に配置されたガス拡散層とを含む膜電極アッセンブリと、前記膜電極アッセンブリの両面に配置されたセパレータと、前記セパレータ表面にコーティングされたコーティング剤とを備え、前記セパレータの外縁部における前記コーティング剤が、前記セパレータの中央部における前記コーティング剤よりも厚くコートされている。この態様によれば、線膨張係数の違いによりセパレータとガス拡散層の間で摩擦が生じてコーティング剤が削られても、コーティング剤は厚くコートされているので、コーティング剤の一部は残存する。そのため、コーティング剤が剥離し難く、セパレータの腐食を抑制することが可能となる。
本発明の第1の態様の燃料電池において、前記燃料電池が複数の電池ユニットを含む場合には、前記電池ユニットの積層方向の端部の電池ユニットにおいて、前記コーティング剤が、前記セパレータの中央部における前記コーティング剤よりも厚くコートされていてもよい。経験上、積層方向の端部の電池ユニットにおけるセパレータのコーティングは、中央部における電池ユニットのセパレータにおけるコーティングよりも剥がれ易い。したがってこの態様によれば、積層方向の端部の電池ユニットにおけるセパレータのコーティング剤の剥離を抑制することが可能となる。
本発明の第1の態様において、前記ガス拡散層と前記セパレータは、線膨張係数が同じになるように形成されていてもよい。ガス拡散層とセパレータの線膨張係数を同じにすることにより、ガス拡散層とセパレータの間の摩擦を抑制し、コーティング剤の剥離を抑制することが可能となる。
本発明の第2の態様は、1つの電池ユニット又は積層された複数の電池ユニットを含む燃料電池であって、前記電池ユニットは、膜電極接合体と前記膜電極接合体の両面に配置されたガス拡散層とを含む膜電極アッセンブリと、前記膜電極アッセンブリの両面に配置されたセパレータと、前記セパレータ表面にコーティングされたコーティング剤とを備え、前記ガス拡散層と前記セパレータは、線膨張係数が同じになるように形成されている。この態様によれば、ガス拡散層とセパレータの間の摩擦を抑制し、コーティング剤の剥離を抑制することが可能となる。その結果、コーティングの剤の剥離によるセパレータの腐食を抑制することが可能となる。
本発明の第1、第2の態様において、前記ガス拡散層の外縁部と前記セパレータとが接着されていてもよい。一般的に、前記セパレータの線膨張係数の方がガス拡散層の線膨張係数よりも大きい。この態様によれば、セパレータが膨張、収縮したときにガス拡散層を追従させて、実質的にガス拡散層の膨張量をセパレータの膨張量と同じにすることが可能となり、セパレータとガス拡散層の摩擦を抑制することが可能となる。
本発明の第1、第2の態様において、前記ガス拡散層は、前記セパレータを構成する材料と、前記セパレータを構成する材料よりも線膨張係数が小さな材料とで形成されていてもよい。これによれば、ガス拡散層の線膨張係数とセパレータの線膨張係数とを同じにすることが可能となる。
本発明の第1、第2の態様において、前記膨張係数が大きな材料は、ポリテトラフルオロエチレンである。ポリテトラフルオロエチレンは、セパレータを構成する材料より線膨張係数が大きいので、ガス拡散層の線膨張係数を大きくすることが可能となる。
なお、本発明は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、燃料電池の他、燃料電池用セパレータ、燃料電池用セパレータの保護方法等、様々な形態で実現することができる。
第1の実施例:
図1は、本発明の第1の実施例に係る燃料電池の外観を示す斜視図である。燃料電池100は、電池ユニット200とエンドプレート202、204を備える。本実施例では、電池ユニット200は複数積層されているが、電池ユニット200は1個であってもよい。エンドプレート202、204は、電池ユニット200の積層方向の両端にそれぞれ配置されている。燃料電池100には、電池ユニット200に燃料ガス、酸化ガス、冷媒を供給し、あるいは排出するための燃料ガス供給マニホールド110と、燃料ガス排出マニホールド120と、酸化ガス供給マニホールド130と、酸化ガス排出マニホールド140と、冷媒供給マニホールド150と、冷媒排出マニホールド160とが積層方向に貫通している。
図1は、本発明の第1の実施例に係る燃料電池の外観を示す斜視図である。燃料電池100は、電池ユニット200とエンドプレート202、204を備える。本実施例では、電池ユニット200は複数積層されているが、電池ユニット200は1個であってもよい。エンドプレート202、204は、電池ユニット200の積層方向の両端にそれぞれ配置されている。燃料電池100には、電池ユニット200に燃料ガス、酸化ガス、冷媒を供給し、あるいは排出するための燃料ガス供給マニホールド110と、燃料ガス排出マニホールド120と、酸化ガス供給マニホールド130と、酸化ガス排出マニホールド140と、冷媒供給マニホールド150と、冷媒排出マニホールド160とが積層方向に貫通している。
図2は、図1に示す2−2切断線で燃料電池100を切ったときの断面図である。電池ユニット200は、膜電極アッセンブリ20とセパレータ30とを備える。膜電極アッセンブリ20とセパレータ30は、交互に配置されている。
膜電極アッセンブリ20は、電解質膜210と、アノード側触媒層220と、カソード側触媒層230と、アノード側ガス拡散層240と、カソード側ガス拡散層250と、シールガスケット260とを備える。本実施例では、電解質膜210として、例えば、パーフルオロカーボンスルホン酸ポリマなどのフッ素系樹脂や炭化水素系樹脂からなるプロトン伝導性のイオン交換膜を用いている。アノード側触媒層220と、カソード側触媒層230は、それぞれ電解質膜210の両面に配置されている。本実施例では、アノード側触媒層220、カソード側触媒層230として、例えば、白金触媒、あるいは白金と他の金属とからなる白金合金触媒を、例えばカーボン粒子上に担持した触媒層を用いている。アノード側ガス拡散層240、カソード側ガス拡散層250は、それぞれ、アノード側触媒層220、カソード側触媒層230の外側に配置されている。本実施例では、アノード側ガス拡散層240、カソード側ガス拡散層250として、カーボン繊維を用いて形成されたカーボン不織布を用いている。なお、以下では、アノード側ガス拡散層240、カソード側ガス拡散層250を「ガス拡散層」とも呼ぶ。シールガスケット260は、電解質膜210の外縁を囲うように形成されている。シールガスケット260は、たとえば、射出成形により、電解質膜210と一体に成形される。
セパレータ30は、カソードプレート300と、アノードプレート400と、中間フィルム500とを備える。カソードプレート300は、カソード側ガス拡散層250の外側に配置され、中間フィルム500はカソードプレート300の外側に配置され、アノードプレート400は中間フィルム500の外側に配置されている。ここで、本実施例では、膜電極アッセンブリ20とセパレータ30とが交互に配置されている構成を採用しているので、アノードプレート400は、膜電極アッセンブリ20のアノード側ガス拡散層240の外側に配置される構成となっている。なお、以下では、カソードプレート300とアノードプレート400を「セパレータプレート」とも呼ぶ。
図3は、カソードプレート300の平面図である。カソードプレート300は、例えば、金属製の略四角形状の板状部材である。カソードプレート300の短辺側外縁部には、種々の開口部310〜360が形成されている。これらの開口部310〜360は、図1に示す燃料ガス供給マニホールド110と、燃料ガス排出マニホールド120と、酸化ガス供給マニホールド130と、酸化ガス排出マニホールド140と、冷媒供給マニホールド150と、冷媒排出マニホールド160とを形成するための開口部である。また、カソードプレート300の長辺側外縁部には細長い開口部332、342が形成されている。これらの開口部332、342は、酸化ガスをカソード側ガス拡散層250に供給し、酸化ガスをカソード側ガス拡散層250から排出するために用いられる。開口部310〜360、332、342は、例えば、打ち抜き加工により形成される。カソードプレート300の表面には、カソードプレートの腐植を抑制するため、例えば、カーボンと樹脂とを含むコート剤600が塗布されている。ここで、コート剤600は、カソードプレート300の外縁部において、中央部よりも厚く塗布されている。
図4は、コート剤600の塗布方法を模式的に示す説明図である。カソードプレート300を水平に置いて、ノズル650からコート剤600を噴霧して塗布する。また、カソードプレート300の外縁部におけるコート剤600の厚さが中央部におけるコート剤600の厚さよりも大きくなるように塗布を行う。
図5は、アノードプレート400の平面図である。アノードプレート400は、例えば、金属製の略四角形状の板状部材である。アノードプレート400の短辺側外縁部には、各種マニホールドを形成するための開口部410〜460が形成されている。開口部410〜460の位置、大きさは、それぞれ、カソードプレートの開口部310〜360の位置、大きさと対応している。アノードプレート400の長辺側外縁部には細長い開口部412、422が形成されている。これらの開口部412、422は、燃料ガスをアノード側ガス拡散層240に供給し、燃料ガスをアノード側ガス拡散層240から排出するために用いられる。開口部410〜460、412、422は、例えば、打ち抜き加工により形成される。また、アノードプレート400の中央部には、複数の凸部470が形成されている。凸部470は、冷却媒体の流路を形成するために用いられる。さらに、凸部470の高さは、中間フィルム500の厚さとほぼ同じに設定されている。そのため、図2に示すように、アノードプレート400と中間フィルム500とカソードプレート300とを重ねたとき、アノードプレートの凸部470は、カソードプレート300と接触する。これにより、カソードプレート300とアノードプレート400とが電気的に導通する。凸部470は、例えば、プレス加工により形成される。また、アノードプレート400の表面には、カソードプレート300の表面と同様に、外縁部において、中央部よりも厚くなるようにコート剤600が塗布されている。
図6は、中間フィルム500の平面図である。中間フィルム500は、例えば熱可塑性樹脂性の略四角形状の板状部材である。図2に示すように、中間フィルム500は、カソードプレート300とアノードプレート400とを接着する役割を有する。中間フィルム500の短辺側外縁部には、各種マニホールドを形成するための開口部510〜560が形成され、中央部には、冷媒が流れる空間となる開口部555が形成されている。開口部510〜560及び開口部555は、打ち抜き加工により形成される。
ガス用マニホールドを形成する開口部510〜540の位置、大きさは、それぞれ、カソードプレート300の開口部310〜340の位置、大きさと対応している。なお、開口部510、520から長辺方向に沿って、連通路512、522が伸び、開口部530、540から長辺方向に沿って連通路532、542が伸びている。セパレータ30形成後には、連通路512、522は、アノードプレート400の開口部412、422に連通し、連通路532、542は、カソードプレート300の開口部332、342に連通する。
開口部550と開口部555の間、及び開口部555と開口部560の間には、複数の流路形成部570が互いに離間した状態で配置されている。流路形成部570は、セパレータ30の組み立て前には付け根部575を介して中間フィルム500の外縁部と接続されている。付け根部575は、セパレータの組み立て時にカソードプレート300の開口部350(図3)及びアノードプレート400の開口部450(図4)から見える位置に設けられている。これらの付け根部575は、セパレータの接合後に削除され、図5に示すように、複数の流路形成部570が互いに離間した状態となる。
本実施例においては、セパレータプレート300、400として、例えば線膨張係数が、16.4×10-6/℃である金属材料(ステンレス鋼)を用いている。一方、ガス拡散層240、250として、例えば線膨張係数が、4.0×10-6/℃である材料(カーボン繊維)を用いている。燃料電池100が移動体に用いられる場合には、燃料電池100の状態として、運転状態と停止状態とがある。運転状態では、燃料電池100は電気化学反応により発熱するため、燃料電池100の温度は、外気温より高い。一方、停止状態では燃料電池100の温度は外気温と同じである。運転状態と停止状態とが交互に行われると、セパレータプレート300、400とガス拡散層240、250との線膨張係数の違いにより、セパレータプレート300、400とガス拡散層240、250との間で摩擦が生じる。特に外気温が氷点下の場合には、運転状態の温度と停止状態の温度との差が大きいため、生じる摩擦も大きい。摩擦が生じるとコート剤600が剥離し、セパレータプレート300、400を腐食する恐れがある。ここで、膨張は中心部から外縁に向かうので、外縁部の方が中心部より摩擦が大きい。本実施例では、セパレータプレート300、400の外縁部におけるコート剤600の厚さを、中央部におけるコート剤600の厚さよりも厚くしている。そのため、摩擦が大きい外縁部において、コート剤600の剥離を抑制して、セパレータプレート300、400の腐食を抑制することが可能となる。
なお、セパレータプレート300、400の外縁部においてコート剤600をより厚くする構成は、燃料電池100に含まれるすべての電池ユニット200に適用可能である。あるいは、このようなコート剤600に関する構成を、積層方向の端部に配置される電池ユニット206にのみ適用してもよい。電池ユニット200の積層方向との関係では、経験上、積層方向の端部に配置される電池ユニット206(図1)のセパレータ30の方が、積層方向の中央部に配置される電池ユニット200のセパレータ30よりも、コート剤600が剥離し易い。したがって、少なくとも両端の電池ユニット206においてセパレータプレート300、400の外縁部のコート剤600を中央部よりも厚くすれば、これらの電池ユニット206のセパレータプレート300、400の腐食を抑制することが可能となる。
第2の実施例:
図7は、本発明の第2の実施例に係る燃料電池に用いられるカソードプレート300の平面図である。カソードプレート300は、カソード側ガス拡散層250に面する側に額縁状(枠状)の接着層700が塗布されている点が異なる。接着層700は、カソード側ガス拡散層250の外縁と重なる部分に塗布さされている。
図7は、本発明の第2の実施例に係る燃料電池に用いられるカソードプレート300の平面図である。カソードプレート300は、カソード側ガス拡散層250に面する側に額縁状(枠状)の接着層700が塗布されている点が異なる。接着層700は、カソード側ガス拡散層250の外縁と重なる部分に塗布さされている。
図8は、第2の実施例に係る燃料電池100を図1に示す2−2切断線で切ったときの断面図である。接着層700は、カソード側ガス拡散層250の外縁と、カソードプレート300とを接着する。本実施例では、接着層700に用いる接着剤として、セラミックスなどの無機系接着剤を用いている。
図9は、本発明の第2の実施例に係る燃料電池に用いられるアノードプレート400の平面図である。アノードプレート400にも、カソードプレート300と同様に接着層700が塗布されており、接着層700は、アノード側ガス拡散層240の外縁と、アノードプレート400とを接着する。
第2の実施例によれば、カソードプレート300とカソード側ガス拡散層250とが接着され、アノードプレート400とアノード側ガス拡散層240とが接着されている。そのため、カソードプレート300、あるいはアノードプレート400が膨張したときに、カソード側ガス拡散層250あるいはアノード側ガス拡散層240がこれに応じてを引っ張られて伸びる。すなわち、カソード側ガス拡散層250あるいはアノード側ガス拡散層240全体の膨張量を、カソードプレート300とアノードプレート400の膨張量と実質的に同じにすることが可能となる。これにより、カソードプレート300とカソード側ガス拡散層250の間の摩擦、あるいは、アノードプレート400とアノード側ガス拡散層240との間の摩擦を発生し難くすることが可能となる。したがって、これらのセパレータプレート300、400のコート剤600の剥離が起こり難く、セパレータプレート300、400の腐食を抑制することが可能となる。
変形例:
上述した第1の実施例では、セパレータプレートのコート剤の厚みを局所的に変える構成を採用し、また、第2の実施例ではセパレータプレートとガス拡散層との間を接着剤で接着する構成を採用することによって、セパレータプレートの腐食を抑制していたが、これ以外の構成を用いて同様の目的を達成してもよい。例えば、ガス拡散層240、250に、セパレータプレート300、400の線膨張係数よりも大きな線膨張係数を有する材料を含ませてることによって、両者の線膨張係数の差を小さくしてもよい。セパレータプレート300、400の線膨張係数よりも大きな線膨張係数を有する材料としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)がある。PTFEの線膨張係数は21.8×10-5/℃であり、セパレータプレート300、400の線膨張係数16.4×10-6/℃よりも大きい。したがって、ガス拡散層240、250に、PTFEを塗布することにより、ガス拡散層240、250全体の線膨張係数をセパレータプレート300、400の線膨張係数と同じにすることが可能となる。なお、PTFEは、撥水性があるため、ガス拡散層240、250の撥水性を高める効果もある。
上述した第1の実施例では、セパレータプレートのコート剤の厚みを局所的に変える構成を採用し、また、第2の実施例ではセパレータプレートとガス拡散層との間を接着剤で接着する構成を採用することによって、セパレータプレートの腐食を抑制していたが、これ以外の構成を用いて同様の目的を達成してもよい。例えば、ガス拡散層240、250に、セパレータプレート300、400の線膨張係数よりも大きな線膨張係数を有する材料を含ませてることによって、両者の線膨張係数の差を小さくしてもよい。セパレータプレート300、400の線膨張係数よりも大きな線膨張係数を有する材料としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)がある。PTFEの線膨張係数は21.8×10-5/℃であり、セパレータプレート300、400の線膨張係数16.4×10-6/℃よりも大きい。したがって、ガス拡散層240、250に、PTFEを塗布することにより、ガス拡散層240、250全体の線膨張係数をセパレータプレート300、400の線膨張係数と同じにすることが可能となる。なお、PTFEは、撥水性があるため、ガス拡散層240、250の撥水性を高める効果もある。
また、ガス拡散層240、250中のカーボン繊維の比率を相対的に少なく設定することによって、ガス拡散層240、250の線膨張係数をセパレータプレート300、400の線膨張係数と同じにしてもよい。カーボン繊維の線膨張係数は4×10-6/℃で、セパレータプレート300、400の線膨張係数よりも小さい。したがって、カーボン繊維を相対的に少なくすることにより、ガス拡散層240、250全体の線膨張係数をセパレータプレート300、400の線膨張係数と同じにすることが可能となる。
なお、第2の実施例においても、第1の実施例と同様に、セパレータプレート300、400の外縁部におけるコート剤600の厚さを中央部における厚さよりも厚くしてもよい。
第1、第2の実施例では、3層セパレータ構成を用いているが、第1、第2の実施例で説明したセパレータプレートとガス拡散層の構成は、3層セパレータ以外の任意の構成のセパレータに適用可能である。
以上、いくつかの実施例に基づいて本発明の実施の形態について説明してきたが、上記した発明の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨並びに特許請求の範囲を逸脱することなく、変更、改良され得るとともに、本発明にはその等価物が含まれることはもちろんである。
20…膜電極アッセンブリ
30…セパレータ
100…燃料電池
110…燃料ガス供給マニホールド
120…燃料ガス排出マニホールド
130…酸化ガス供給マニホールド
140…酸化ガス排出マニホールド
150…冷媒供給マニホールド
160…冷媒排出マニホールド
200、206…電池ユニット
202、204…エンドプレート
210…電解質膜
220…アノード側触媒層
230…カソード側触媒層
240…アノード側ガス拡散層(ガス拡散層)
250…カソード側ガス拡散層(ガス拡散層)
260…シールガスケット
300…カソードプレート(セパレータプレート)
310、320、330、340、350、360、332、342…開口部
400…アノードプレート(セパレータプレート)
410、420、430、440、450、460、412、422…開口部
470…凸部
500…中間フィルム
510、520,530、540、550、560、555…開口部
512、522、532,542…連通路
570…流路形成部
575…付け根部
600…コート剤
650…ノズル
700…接着層
30…セパレータ
100…燃料電池
110…燃料ガス供給マニホールド
120…燃料ガス排出マニホールド
130…酸化ガス供給マニホールド
140…酸化ガス排出マニホールド
150…冷媒供給マニホールド
160…冷媒排出マニホールド
200、206…電池ユニット
202、204…エンドプレート
210…電解質膜
220…アノード側触媒層
230…カソード側触媒層
240…アノード側ガス拡散層(ガス拡散層)
250…カソード側ガス拡散層(ガス拡散層)
260…シールガスケット
300…カソードプレート(セパレータプレート)
310、320、330、340、350、360、332、342…開口部
400…アノードプレート(セパレータプレート)
410、420、430、440、450、460、412、422…開口部
470…凸部
500…中間フィルム
510、520,530、540、550、560、555…開口部
512、522、532,542…連通路
570…流路形成部
575…付け根部
600…コート剤
650…ノズル
700…接着層
Claims (7)
- 1つの電池ユニット又は積層された複数の電池ユニットを含む燃料電池であって、
前記電池ユニットは、
膜電極接合体と前記膜電極接合体の両面に配置されたガス拡散層とを含む膜電極アッセンブリと、
前記膜電極アッセンブリの両面に配置されたセパレータと、
前記セパレータ表面にコーティングされたコーティング剤とを備え、
前記セパレータの外縁部における前記コーティング剤が、前記セパレータの中央部における前記コーティング剤よりも厚くコートされている、燃料電池。 - 請求項1に記載の燃料電池において、
前記燃料電池は複数の電池ユニットを含み、
少なくとも前記電池ユニットの積層方向の端部の電池ユニットにおいて、前記コーティング剤が、前記セパレータの中央部における前記コーティング剤よりも厚くコートされている、燃料電池。 - 請求項1または請求項2に記載の燃料電池において、
前記ガス拡散層と前記セパレータは、線膨張係数が同じになるように形成されている、燃料電池。 - 1つの電池ユニット又は積層された複数の電池ユニットを含む燃料電池であって、
前記電池ユニットは、
膜電極接合体と前記膜電極接合体の両面に配置されたガス拡散層とを含む膜電極アッセンブリと、
前記膜電極アッセンブリの両面に配置されたセパレータと、
前記セパレータ表面にコーティングされたコーティング剤とを備え、
前記ガス拡散層と前記セパレータは、線膨張係数が同じになるように形成されている、燃料電池。 - 請求項3または請求項4に記載の燃料電池において、
前記ガス拡散層の外縁部と前記セパレータとが接着されている、燃料電池。 - 請求項3から請求項5のいずれかに記載の燃料電池において、
前記ガス拡散層は、前記セパレータを構成する材料よりも線膨張係数が大きな材料と、
前記セパレータを構成する材料よりも線膨張係数が小さな材料と、
で形成されている、燃料電池。 - 請求項6に記載の燃料電池において、
前記膨張係数が大きな材料は、ポリテトラフルオロエチレンである、燃料電池。
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JP2008089381A JP2009245682A (ja) | 2008-03-31 | 2008-03-31 | 燃料電池 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US10516167B2 (en) * | 2010-04-22 | 2019-12-24 | GM Global Technology Operations LLC | Formed plate assembly for PEM fuel cell |
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- 2008-03-31 JP JP2008089381A patent/JP2009245682A/ja active Pending
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