JP2009243993A - 走査型電子顕微鏡を用いた回路パターンの寸法計測装置およびその方法 - Google Patents
走査型電子顕微鏡を用いた回路パターンの寸法計測装置およびその方法 Download PDFInfo
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Abstract
走査型電子顕微鏡(SEM)を用いた回路パターンの寸法計測において、試料上の任意の評価ポイント(EP)を自動で撮像し,評価ポイントに形成された回路パターンを自動で計測することを可能にする。
【解決手段】
本発明では、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いた回路パターンの寸法計測において、EPの座標データと前記EPを含む回路パターンの設計データを入力とし,前記EP座標データと設計データから,前記EP内に存在するパターンを計測するための測長カーソルの生成および測長方法の選択あるいは設定を自動で行うようにしてレシピを自動生成し,このレシピを用いて自動撮像・計測を行うようにした。
【選択図】 図4
Description
更に本発明では上記課題を解決するために,走査型電子顕微鏡を用いて基板上に形成された回路パターンの寸法を計測する装置を,基板上に形成された回路パターンのうち寸法を計測すべき回路パターンの位置の情報ならびに寸法を計測すべき回路パターンを含む基板上に形成された回路パターンの設計情報を入力する入力手段と,この入力した寸法を計測すべき回路パターンの位置の情報と設計情報とを用いて寸法を計測すべき回路パターンのエッジを含む計測対象領域を設定する計測対象領域設定部とこの計測対象領域設定部で設定した計測対象領域を含む領域を走査型電子顕微鏡で撮像するための撮像領域と撮像条件とを設定する領域・条件設定部とを有する撮像条件設定手段と,この撮像条件設定手段で設定した回路パターンの寸法を計測するために撮像領域を走査型電子顕微鏡で撮像するための撮像シーケンスを設定する撮像シーケンス設定手段と,撮像条件設定手段で設定した撮像条件と撮像シーケンス手段で設定した撮像シーケンスとに基づいて基板上に形成された回路パターンを撮像する走査型電子顕微鏡手段と,この走査型電子顕微鏡手段で撮像して得た画像を処理して回路パターンの寸法を計測する画像処理手段とを備えて構成し,
撮像条件設定手段の計測領域設定部では,回路パターンの寸法を計測する位置を含む領域としてこの計測する位置の近傍の回路パターンのエッジを含む領域を設定し,撮像条件設定手段は更に計測領域設定部で設定した領域内の回路パターンのエッジの方向に応じて走査型電子顕微鏡で走査する電子線の連続的なスキャンの方向を設定するスキャン方向設定部を備えて構成した。
(1)設計データを用いることによってウェーハレス・オフライン(SEM装置を使わずに)かつ自動で,SEMのレシピを生成することが可能となり,オペレータの負担軽減およびSEM装置の稼働率向上に繋がる。また自動化により,各オペレータのスキルの違いに依存しないレシピ生成が可能となる。
(2)本発明によるレシピ生成手順においては,単にユーザが指定したEPを撮像するという観点だけでなく,EPにおいてユーザの意図する計測を実現するための計測ツール(SEM)側の仕様や特性も考慮したものであるため,レシピ生成後にオペレータによるレシピ修正が必要となるケースが少なくなり,また撮像あるいは計測の正解率も従来に対し向上することが期待できる。
(3)本発明によるレシピ生成システムならびに前記システムにより生成あるいは取得された情報を複数台のSEM装置で共有することにより,装置毎にレシピ生成を行う必要がなくなる。また,複数台の装置から取得された撮像・計測時の成功,失敗事例を含む結果データを共有するため,早期に多くの結果データを収集することができ,例えばレシピの生成ルールに不具合があった場合,前記結果データを基に早期に対策することができる。
前記測長カーソルの生成においては,設計データ上で測長カーソルの位置と形状を決定する(測長カーソルは設計データと座標がリンクしている)。対応するEPを実際にSEM撮像した後,設計データとSEM画像とをマッチングすることにより両者の位置関係が求まり,同時に測長カーソルとSEM画像との位置関係も求まるため,SEM画像上に測長カーソルを自動配置することができる。
また,前記測長方法の選択あるいは設定とは,具体的には測長アルゴリズムや測長パラメータの選択あるいは設定である。前記選択あるいは設定は,必要に応じて測長種や計測対象のパターンの形状やパターン輪郭線の向き等の情報も考慮しながら行われる。
(a)について,MP(あるいは計測に要する測長カーソル等を含む撮像領域)の位置が分かると,前記MPに対してEPの中心がずれているか否かを判別することができ,ずれている場合,EPの視野をMPの中心と合わせることにより,MPをEP視野の中央付近で撮像することができる。また,例えば撮像ずれに対しても十分に測長カーソルの範囲がEPの視野内におさまるように撮像範囲を調整することができる。
(b)について,例えば密集した連続パターンを順に撮像・計測する場合,パターン毎に設定された撮像範囲同士が重複する場合がある。この場合,あるEPの撮像時に他のEP内に含まれる計測領域(計測を行うために必要なSEM画像の領域)にコンタミネーションを発生させてしまい,計測精度を低下させる危険性がある。そこで,各EPに含まれるパターンをまとめて一つの視野におさまるようにEP領域を再設定することにより,前記計測領域でのコンタミネーションの発生を抑制することができる。EPをマージする際には,マージ後の視野あるいは撮像倍率が所定の大きさ以内であるか(低倍率になると一般に計測精度が低下するため),またマージ前のEPのSEM撮像条件(電子ビームの走査方向等)等が一致しているか等を加味して決定することができる。
(c)について,例えばEP内に複数のMPが含まれており,更に前記複数のMPで計測するパターンの方向がそれぞれ異なるため,MP毎にSEM撮像条件(電子ビームの走査方向)を変えたい場合は,それぞれのMPをEPとして分割し,異なるSEM撮像条件で撮像するのが有効である。また,EP内に多くのMPが含まれ,かつEPの視野ぎりぎりにMPが配置されている場合は,EP撮像時の視野ずれによりMPの計測領域の一部が視野外となってしまう危険性がある。このような場合もEPの分割が有効である。
つぎに,図1〜図13を用いて本発明を具体的に説明する。
1.1 SEM構成要素
図1は本発明において試料の二次電子像(Secondary Electron:SE像)あるいは反射電子像(Backscattered Electron:BSE像)を取得する走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope:SEM)の構成概要のブロック図を示す。また,SE像とBSE像を総称してSEM画像と呼ぶ。また,ここで取得される画像は測定対象を垂直方向から電子ビームを照射して得られたトップダウン画像,あるいは任意の傾斜角方向から電子ビームを照射して得られたチルト画像の一部または全てを含む。
図1に示す装置を用いて測定対象を任意の傾斜角方向から観察したチルト画像を得る方法としては(1)電子光学系より照射する電子線を偏向し,電子線の照射角度を傾斜させて傾斜画像を撮像する方式(例えば特開2000−348658号),(2)半導体ウェーハを移動させるステージ117自体を傾斜させる方式(図1においてはチルト角118でステージが傾斜している),(3)電子光学系自体を機械的に傾斜させる方式等がある。
前述のSEMを用いたEPの撮像に関して,図3(a)に示すAP,AF,AST,ABCCの撮像を含む代表的な撮像シーケンスを例に補足説明する。
本発明は,SEMのレシピを自動生成する方法に関する。レシピ生成時間の短縮およびオペレータの負担軽減を図るには自動化率の向上が不可欠であり,そのためには,オペレータがマニュアル生成したレシピと同等あるいはそれ以上の性能をもつレシピをいかに自動かつ高速に生成できるかが課題である。図4を用いて本発明の処理フローを説明する。
まず,EPの座標と半導体回路パターンの設計データを入力する(それぞれステップ401,402)。EPの座標は,例えばEDA(Electronic Design Automation)ツールで実行される露光シミュレーション等の結果を基に検出されたホットスポット(危険ポイント)の座標が入力される。あるいは,ユーザが自身の判断により(必要に応じて前記EDAツールの情報も参考にしながら)入力される場合もある。更にEPの属性情報が得られる場合もあり,必要に応じて前記属性情報を入力することもできる(ステップ403)。前記属性情報には,EPにおいて発生しうる不良の候補(以後,不良候補と呼ぶ)等が挙げられる。不良候補とは,EPにおいて例えばパターン同士が連結する可能性がある(bridging),あるいはパターンが細る又は断線する可能性がある(necking)等の不良モードである。EDAツール等の解析結果を参照しながら発生する可能性が最も高い不良候補を入力する,あるいはユーザが特に回避したいと考える不良候補を入力することが可能である。前記不良候補は一つのEPについて複数入力することも可能である。
次に計測レシピ生成部406において,各EP毎に測長種あるいはMPの座標を推定する(ステップ407)。後述するステップ408において測長カーソルを生成するためには,EP内のどこに計測すべきパターンがあり,かつ前記計測したいパターンにおいてどのような計測がしたいかが分からなければならない。前記MP座標の推定に関して,EP座標(EP領域の中心座標)がMP座標と一致する場合もあるが,一致しない場合やEP内に複数のMPが存在する場合もある。また,MP座標がユーザからの入力等によって与えられたとしても,座標値に誤差が含まれる可能性がある。そこで,EPの座標データと前記EPを含む回路パターンの設計データを基にMP座標を計算機内で推定する。また前記測長種とはMPにおける計測のバリエーションであり,具体的にはラインパターンの線幅計測,ラインパターン間のギャップ計測,ライン端部の後退量,コンタクトホール径の計測,OPC(Optical Proximity Correction:光近接効果補正)形状の計測等が挙げられる。また単に「線幅計測」等のカテゴリだけでなく,配線領域のどこの部分とどこの部分の距離を計測するかという計測部位の情報や,例えば「後退量」の計測であればどの方向への後退量を計測するかという計測方向の情報も測長種に含めることができる。
次にステップ408において,測長カーソルの生成や測長方法の選択や決定を行う。前記測長カーソルの生成においては,設計データ上で測長カーソルの位置と形状を決定する(測長カーソルは設計データと座標がリンクしている)。また,前記測長方法の決定とは,具体的には測長アルゴリズムや測長パラメータの決定である。前記測長方法の選択あるいは設定は,必要に応じて測長種や計測対象のパターンの形状やパターン輪郭線の向き等の情報も考慮しながら行われる。
次にステップ409において,EPにおけるSEMの撮像条件を決定する。前記SEM撮像条件には少なくとも電子ビームの走査方向を含む。SEM画像の生成するための電子ビームの二次元走査ではラスタスキャンが一般的であるが,例えばX方向に連続的な電子ビームスキャンをY方向に離散的にずらしながら複数回行うことで二次元領域のスキャンを行う場合と,Y方向に連続的な電子ビームスキャンをX方向に離散的にずらしながら複数回行うことで二次元領域のスキャンを行う場合とで,得られるSEM画像が異なる。そのため,EP内における計測部位や計測方向を考慮して,計測に有利なSEM画像が得られるスキャン方式を自動設定することが有効である。前記スキャン方式はXあるいはY方向に平行なスキャンに限らず,斜め方向のスキャンやEP内の場所によってスキャン方向が異なる等のバリエーションがありうる。
次にステップ410において,EPの撮像範囲や座標の最適化を行う。撮像範囲は,ユーザが見たい範囲という観点の他に,MPにおいて所望の部位の計測が良好な計測精度で実現されるという観点からも決定されなければならない。そのため,撮像範囲は計測精度の観点から少なくとも必要とされる測長カーソルの範囲を含むように設定される必要がある。また,ユーザが与えたEPの座標を必要に応じて変更することが可能である。EP座標の最適化とは大きく(a)EPの座標や撮像範囲を変更する,(b)複数EPの視野をマージして一つのEPを新たに設定する,(c)一つのEPの視野を分割して複数のEPを設定するの三つあるいはそれらの任意の組み合わせを含む。それぞれの処理内容や効果について次に具体例を示す。
次に撮像レシピ生成部411において,各EPを撮像するための撮像レシピを生成する。具体的には,図3を用いて説明したAP,AF,AST,ABCCの一部又は全ての調整ポイントの設定を含む撮像シーケンスの決定を行い(ステップ412),必要に応じて調整ポイントあるいはEPの各テンプレートを登録テンプレートとしてレシピに登録する(ステップ413)。さらに計測レシピの生成406において決定したEP座標,あるいは測長種,あるいはSEM撮像条件を基にEPの撮像順序を決定する。
ステップ414において計測レシピ生成部406と撮像レシピ生成部411において決定された各種パラメータ(測長カーソル,測長方法,撮像シーケンス,登録テンプレート等)をレシピ(又は撮像・計測レシピ)に保存する。実施例中には撮像レシピ,計測レシピに設定すべき項目や推定手順を切り分けて説明したが,前述の通り各レシピで指定される各設定項目は任意の組み合わせで管理することが可能である。設計データを基に処理を行うことによって,ステップ414までレシピ生成処理には実際のウェーハやSEM撮像する必要がなく,作業のオフライン化が図れると共に,装置稼働率の向上に繋がる。
次に撮像・計測部416において,実際のウェーハを用いた撮像・計測を行う。まず,SEM装置にウェーハを投入し(ステップ415),レシピに基づきEPを撮像する(ステップ417)。
EPの撮像後,前記EPのSEM画像と対応する設計データとをマッチングすることにより両者の位置関係が求まり,同時に測長カーソルとSEM画像との位置関係も求まるため,SEM画像上に測長カーソルを自動配置することができる(ステップ418)。ただし,設計データを基にウェーハレスで作成したレシピを用いて実際にEPを撮像・計測する際には,実際にウェーハ上に形成されたパターンと前記設計データにおけるパターンとの形状乖離が問題になりうる。そこで,ステップ418においてEPのSEM画像上に測長カーソルを自動配置した後,前記SEM画像におけるパターンと設計データにおけるパターンとの形状乖離を算出し,前記形状乖離の情報に基づき測長カーソルの位置あるいは形状を修正する(ステップ419)。本処理により,実際のパターンの形状や位置が多少設計データと異なっていても正しく測長することができる。
前述の測長カーソルの位置や形状と同様,レシピで指定する項目の中には,設計データのみでは正確に決定できない項目がある。例えばライン端部の後退量を計測する場合,前記端部の位置を正確に検出しなければならないが,リソグラフィの解像限界によりパターンのコーナ部はマスクパターンに対し丸まってしまう場合がある。直線部分が多ければ直線当てはめにより端部を検出するアルゴリズムが考えられるが,丸まり部分か支配的であれば曲線当てはめにより端部を検出するアルゴリズムが考えられる。しかし,設計データのみから端部の丸まり度合いを推測するのは限界がある。また,製造プロセスの変動により丸まり度合いも変化しうる。このような問題を解決するため,前記SEM画像を基に測長方法の一部又は全ての情報を実際のSEM画像を取得した後に必要に応じて変更する(ステップ420)。前記ステップ419,420は,ウェーハレスで設計データを基に生成したレシピが,実際のパターンに対して良好に適用できるようにするための仕組みである。これらの処理はSEM撮像後に行われるものの,オフラインで決定した設定項目の修正であって,多くの処理時間を要するものでない。大部分の処理はオフラインで実行されており,SEM撮像のスループットに大きな影響はない。
最終的に決定した測長カーソルや測長方法によりEPにおけるSEM画像を用いて測長を行う(ステップ421)。また必要に応じて計測の成否判定を行い(ステップ422),前記成否判定の結果を基に後述するステップ427において必要に応じレシピ生成ルールの変更を行う。前記計測の成否判定は,(a)撮像の失敗,(b)計測の失敗 のように失敗原因を分類して解析・管理することができ,更に(a)は,(a1)アドレッシングの失敗による撮像すれ,(a2)フォーカスずれによる画像のボケ 等,(b)は(b1)測長種/MP推定の失敗,(b2)測長カーソルの位置合わせずれ,(b3)測長カーソルの形状が不適切,(b4)測長方法が不適切 等のように更に詳細分類することもできる。
次に計測結果解析・レシピ生成ルール最適化部423において,ステップ421で得られた計測結果を基にパターンの出来栄えを解析し(ステップ424),必要に応じてマスクパターンの形状補正や半導体製造プロセス条件の変更を実施することにより高い歩留まりを実現する(ステップ425)。
以下,図4の処理フローで詳細説明を要する箇所を抜き出し,補足説明する。
前記ステップ407〜409で述べた測長種,測長カーソル,SEM撮像条件の詳細について図6を用いて説明する。図6において601,604,608,612,615,621,624,628,632,645,648,651,656はEPの撮像範囲を示している。測長種の例として,図6(a)はラインパターン602の線幅計測,同図(b)はラインパターン605−606間のスペース計測,同図(c)はラインパターン609のライン端部とラインパターン610間のギャップ計測,同図(d)はラインパターン613のライン端部の後退量計測(伸縮を含む),同図(e)(f)はそれぞれコンタクトホール616,622の直径計測,同図(g)はパターン625の長軸長/短軸長計測,同図(h)はラインパターン629−630間のギャップ計測,同図(i)はパターン633の形状計測(特に点線枠634で示したコーナ部の形状)である。同図内において点線枠603A,603B,607A,607B,611A,611B,614,617A,617B,618A,618B,619A,619B,620A,620B,623A,623B,626A,626B,627A,627B,631A,631B,634は測長カーソルを示している。また点線枠とセットで矢印が描かれているが,前記矢印は測長箇所を示している。
前記ステップ407で述べた測長種推定/MP推定の詳細について図5を用いて説明する。測長カーソルを自動生成するためには,EP内の測長種/MPを知る必要がある。すなわち,どの場所でどのようなパターンの形状変形が発生する可能性があり,前記形状変形に対してどのような寸法値を計測・管理する必要があるかが分からなければ,測長カーソルを設定することはできない。またこのような測長種をユーザが手動で全て指定するのは容易でない。そこで,EPの座標データと前記EPを含む回路パターンの設計データを基に測長種/MPを計算機内で推定し,前記推定した測長種/MPを基に測長カーソルを生成する。まず図5中のステップ501においてEPを選択する。前記EPを含む領域に対応する設計データをステップ508で入力し,ステップ502において測長種/MP候補を絞込む。ここで,測長種/MP候補が決定した場合(ステップ503の「測長種/MP決定」の判定がYesの場合),ステップ504に進むが,測長種/MP候補が決定しなかった場合(ステップ503の「測長種/MP決定」の判定がNoの場合),GUI等を介してユーザに警告を発する(ステップ514)。ユーザは測長種が良好に決定しなかった例を参照し,測長種/MPの推定ルールを変更することができる。
前記ステップ410で述べたEP撮像範囲/座標最適化の具体例について図8を用いて説明する。図8(a)はユーザが6本のラインパターン802〜807の線幅をそれぞれ計測したい例である。MPは前記6本のラインパターンに対し,それぞれ808〜813となる。前記MPの中心に対し,各ラインパターンでの計測が可能なようにEPの視野を設定したものが図8(b)中のEP814〜819である。しかしながら,このようにEPを設定すると,各EPの撮像範囲が重複してしまい,あるEPの撮像時に他のEP内に含まれる計測領域にコンタミネーションを発生させてしまい,計測精度を低下させる危険性がある。そのため,図8(c)中のEP820,821に示すようにEPの撮像範囲を最適化することができる。本例ではEP820を用いてMP808〜810を,EP821を用いてMP811〜813を計測することができ,さらに両EP領域の重複はない。更に撮像回数もEP814〜819の6回から,EP820,821の二回に削減することができる。ちなみに撮像回数の観点から言えば,例えばMP808〜813の全てを含む領域801全体をEPとすることも考えられるが,低倍率になると計測精度が悪化してしまう恐れがある。そのため,領域の重複,撮像回数,計測精度等の情報を加味し,適切な折合いをつけたEP撮像範囲もしくはEP座標の設定を行う必要がある。
前記ステップ412で述べた撮像シーケンス決定の内,EPの撮像順序の決定の具体例について図11を用いて説明する。図11(a)は低倍の領域において,8つのEPが存在する例であり,それぞれEP[1]〜EP[8]と表示している。EP[1],EP[3],EP[5],EP[7]の視野内にはそれぞれX方向に走るラインパターンが3本含まれており,これらのEPをEPグループ1と呼ぶ。EP[2],EP[4],EP[6],EP[8]の視野内にはそれぞれY方向に走るラインパターンが3本含まれており,これらのEPをEPグループ2と呼ぶ。EPグループ1に属するEPはそれぞれY方向の線幅計測であり,図6(n)中の650に示すような電子ビームの走査方向が望ましい。一方,EPグループ2に属するEPはそれぞれX方向の線幅計測であり,図6(m)中の647に示すような電子ビームの走査方向が望ましい。よってEPグループ1に属するEPを撮像した後,EPグループ2に属するEPを撮像する場合,あるいはEPグループ2に属するEPを撮像した後,EPグループ1に属するEPを撮像する場合,視野あるいはビームスキャンのローテーションが必要になる。以上を踏まえて撮像順序の最適化を考える。(例えばユーザが入力した)初期の撮像順序は図11(b)に示すようにEP[1]〜EP[8]の順である。それに対し,ローテーションの回数を減らそうと考えると,例えば図11(c)に示すようにEPグループ1の撮像から先に始めて,EP[1]→EP[3]→EP[5]→EP[7]→EP[2]→EP[4]→EP[6]→EP[8]となる。ただし,EP間の視野移動の総距離を短くし,スループットを上げるためには,図11(d)に示すように,EP[1]→EP[5]→EP[7]→EP[3]→EP[2]→EP[6]→EP[8]→EP[4]となる(EP[1]−EP[3]間の距離より,EP[1]−EP[5]間の距離の方が短いため)。ただし,もしローテーションに要する時間がEP間の視野移動に要する時間に対し,極めて短いのであれば,視野移動の短縮を重視して撮像順序は図11(b)とすることもありうる。また,ローテーションに要する時間とEP間の視野移動に要する時間が同程度であれば,両者を加味し例えば同図(e)のような撮像順序もありうる(ローテーション回数は同図(b)より少なく,視野移動距離は同図(d)より短い)。このようにEP座標あるいは前記EPにおける少なくとも電子ビームの走査方向を含むSEM撮像条件を基にEPの撮像順序を決定する。
前記ステップ419で述べた測長カーソル修正の具体例について図9を用いて説明する。本図は測長カーソルを決定する各種位置あるいは寸法パラメータの内,(A)測長カーソル間の距離906と,(B)設計データによるラインパターン901外部のプロファイル参照範囲903A,903Bと,(C)測長カーソル全体の配置位置を修正する例であるが,他の寸法パラメータについても同様に修正は可能である。また,各EPにおける計測値の整合性をとるため,一部又は全ての前記位置あるいは寸法パラメータの修正を行わないように設定することも可能である(例えば,プロファイル積算範囲905A,905BがEPによって変わってしまうと計測値を比較できなくなる場合もありうる)。
図9(a)は図4中のステップ408において設計データ901に配置された測長カーソル902A,902Bを示している。それぞれの測長カーソル902A,902Bの内部を設計データによるラインパターン901の外部のプロファイル参照範囲903A,903Bと設計データによるラインパターン901の内部のプロファイル参照範囲904A,904Bとの分けている。図9(b)に示したSEM観察されたラインパターン907のX方向の線幅を計測することが目的である。まず,図9(c)に示すようにSEM画像上のパターン907と設計データ901をマッチングし,同図(d)に示すように測長カーソル902A,902BをSEM画像上に配置する。ここで,SEM画像上のパターン907は設計データ901に対し線幅が大きく広がっており(図中では幅908A,908Bだけ広がっている),設定データ上での線幅を想定して配置した測長カーソルの位置がSEM画像上のパターンのエッジ位置からずれてしまっている。そのため,図9(e)に示すように前記エッジ位置に合わせて測長カーソルの位置をずらすことにより計測を成功させることができる(測長カーソル間の距離906を909に広げている)。
図9(e)中の910はラインパターン907を横切るラインα−β間のSEM信号プロファイルを示している。線幅計測においては,例えばSEM信号プロファイル910の左右のホワイトバンド(凡そラインパターンの左右エッジ位置に対応)においてピークの明度値と下地の明度値に対しX%の明度値となる位置を求め,その間を計測する等のアルゴリズムが用いられるが,そのような種々のプロファイル解析を行うためには,前記解析をおこなう計測範囲(測長カーソルの範囲)が前記ホワイトバンドの山を十分に含んでいる必要がある。ラインパターン907外部のプロファイル参照範囲903A,903Bは余裕をもって少し長めに設定していたが,実際のSEM信号プロファイル910においては想定以上にホワイトバンドの山の裾引き部分が長く,更に幅911A,911Bだけ広い範囲でプロファイルを解析しなければならないことが分かった。このように場合,図9(f)に示すようにラインパターン907外部のプロファイル参照範囲903A,903Bをそれぞれ912A,912Bのように引き伸ばすように修正することによって計測を成功させることができる。
図9(g)中の912は上層パターンの設計データ,913は下層パターンの設計データである。914A,914Bは測長カーソルであり,上層パターン912と下層パターン913の交わる場所における上層パターン912の線幅915を計測するように配置されている。これは,例えばデバイス特性に大きな影響を与えるゲートのアクティブ領域における線幅を計測したいという要求に相当する。図9(h)に設計データ上のパターン912,913にそれぞれ対応するSEM画像上のパターン916,917を表示している。パターン917はパターン916に対しウェーハ上のパターン積層方向に対し下部に位置しているため,両者が重なる領域において隠れが発生している。図9(i)はウェーハ上のパターンと設計データとをマッチングし,測長カーソル914A,914Bを配置した例である。本例において測長カーソルの配置結果は良好である。一方,図9(j)は製造プロセスの不良により上層パターン916(設計データ912に対応)と下層パターン919(設計データ913に対応)がずれてしまった例である(ずれ量は918で与えられる)。図9(j)は,上層パターンに関してウェーハ上のパターンと設計データとが一致するようマッチングした結果であるが,その結果,測長カーソルの位置が本来計測したかった上層・下層パターンの重なる位置から少しずれた位置に配置されるという問題が生じている。よって図9(k)に示すように上層パターン912とは独立に下層パターン921(913に対応)をSEM画像上のパターン919とマッチングし,前記下層パターン921の位置に連動させて,測長カーソル920A,920B(914A,914Bに対応)を配置することにより,所望の箇所の計測が実現する。このようにユーザの計測意図に基づき適切に測長カーソルを配置する必要がある。
前記ステップ420で述べた測長方法変更の具体例について図10を用いて説明する。前記測長方法とは,具体的には測長アルゴリズムや測長パラメータである。図10(a)は設計データ上の二つのパターン1001,1002と前記二つのパターン間の距離1004を計測するための測長カーソル1003A,1003Bを示している。図10(b)はSEM画像上のパターン1005,1006と前記設計データとのマッチング結果を示しており,同図(c)は測長カーソル1003B付近の拡大図である。測長カーソルを当てはめた後,パターン1002の端部を精度良く検出するための画像処理アルゴリズムとして,例えば端部に直線部分が多ければ直線当てはめにより端部を検出するアルゴリズムが考えられる。図10(c)中に示した5つの×印1007はSEM画像から検出した端部の特徴点であり,前記特徴点に対し直線を当てはめることにより,端部の形状ばらつきに対し安定に端部を検出することができる(当てはめた直線は1008)。一方,同様の計測例においてリソグラフィの解像限界によりパターン1009,1010(1005,1006に対応)のコーナ部が大きく丸まってしまった例が図10(d)であり,同図(e)は測長カーソル1003B付近の拡大図である。前述の直線当てはめに対し,端部において特徴点1011として丸まり部分が支配的であれば曲線当てはめにより端部を検出するアルゴリズムが有効である(当てはめた曲線は1012)。このように,例えば端部の丸まり度合いは設計データのみでは正確に推定できない場合がある。このような問題を解決するため,前記SEM画像を基に測長方法の一部又は全ての情報を変更することができる。
本発明における装置の構成の実施例を図12(a)(b)を用いて説明する。
図12(a)において1201はマスクパターン設計装置,1202はマスク描画装置,1203はマスクパターンの露光・現像装置,1204はエッチング装置,1205および1207はSEM装置,1206および1208はそれぞれ前記SEM装置を制御するSEM制御装置,1209はEDA(Electronic Design Automation)ツールサーバ,1210はデータベースサーバ,1211はデータベースを保存するストレージ,1212は画像処理・撮像・計測レシピ作成演算装置,1213は撮像・計測レシピサーバ,1214は生成したパターン形状の計測・評価ツールサーバであり,これらはネットワーク1220を介して情報の送受信が可能である。データベースサーバ1210にはストレージ1211が取り付けられており,(a)EPの座標,(b)設計データ,(c)測長種/MP,(d)レシピの生成ルール(測長種/MPの推定ルール含む),(e)生成されたレシピ,(f)実際の撮像シーケンスによって撮像した画像,(g)計測結果,(h)撮像あるいは計測の成否,(i)撮像あるいは計測の失敗原因の一部または全てを,品種,製造工程,日時,データ取得装置等とリンクさせて保存し,また参照することが可能である。
本発明における入力・出力情報の設定あるいは表示を行うGUI例を図13に示す。図13中のウィンドウ1300内に描画された各種情報は一画面中にあるいは分割してディスプレイ等に表示することができる。また,図13中の*はシステムに入力された,あるいは出力された任意の数値(あるいは文字列)や数値の範囲であることを示す。
Claims (15)
- 走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて基板上に形成された回路パターンの寸法を計測する方法であって,
基板上に形成された回路パターンのうち寸法を計測すべき回路パターンを含むSEM撮像領域の中心座標ならびに前記寸法を計測すべき回路パターンを含む前記基板上に形成された回路パターンの設計情報を入力する工程と,
該入力した前記SEM撮像領域の中心座標と前記設計情報とを用いて前記寸法を計測すべき回路パターンのエッジを含む計測対象領域を設定すると共に該設定した計測対象領域を含む領域を走査型電子顕微鏡で撮像するための撮像領域と撮像条件とを設定する工程と,
前記回路パターンの寸法を計測するために撮像領域を前記走査型電子顕微鏡で撮像するための撮像シーケンスを設定する工程と,
該設定した撮像条件と撮像シーケンスとに基づいて前記走査型電子顕微鏡で前記基板上に形成された回路パターンを撮像する工程と,
該撮像して得た画像を処理して前記回路パターンの寸法を計測する工程とを有し,
前記撮像領域と撮像条件とを設定する工程において,前記回路パターンの寸法を計測する位置を含む領域として該計測する位置の近傍の前記回路パターンのエッジを含む領域を設定し,該設定した領域内の前記回路パターンのエッジの方向に応じて前記走査型電子顕微鏡で走査する電子線の連続的なスキャンの方向を設定することを特徴とする走査型電子顕微鏡を用いた回路パターンの寸法計測方法。 - 前記撮像領域と撮像条件とを設定する工程において,前記SEM撮像領域の中心座標と前記設計情報とを用いて計測すべき寸法の種類を設定し,該設定した計測すべき寸法の種類に応じて前記計測対象領域を設定することを特徴とする請求項1記載の走査型電子顕微鏡を用いた回路パターンの寸法計測方法。
- 走査型電子顕微鏡を用いて基板上に形成された回路パターンの寸法を計測する方法であって,
基板上に形成された回路パターンのうち寸法を計測すべき回路パターンを含むSEM撮像領域の中心座標ならびに前記寸法を計測すべき回路パターンを含む前記基板上に形成された回路パターンの設計情報を入力する工程と,
該入力した前記SEM撮像領域の中心座標と前記設計情報とを用いて前記寸法を計測すべき回路パターンのエッジを含む計測対象領域を設定すると共に該設定した計測対象領域を含む領域を走査型電子顕微鏡で撮像するための撮像領域と撮像条件とを設定する工程と,
該設定した撮像条件に基づいて前記走査型電子顕微鏡で前記基板上に形成された回路パターンを撮像する工程と,
該撮像して得た画像を処理して前記撮像領域内の前記寸法を計測すべき回路パターンのエッジの情報を用いて前記回路パターンの寸法を計測する工程とを有し,
前記撮像領域と撮像条件とを設定する工程において,前記寸法を計測すべき回路パターンを含むSEM撮像領域の中心座標と前記設計情報とを用いて計測すべき寸法の種類を設定し,前記設定した計測すべき寸法の種類に応じて前記計測対象領域を設定することを特徴とする走査型電子顕微鏡を用いた回路パターンの寸法計測方法。 - 前記撮像領域と撮像条件とを設定する工程において,前記回路パターンの寸法を計測する位置を含む領域として該計測する位置の近傍の前記回路パターンのエッジを含む領域を設定し,該設定した領域内の前記回路パターンのエッジの方向に応じて前記走査型電子顕微鏡で走査する電子線の連続的なスキャンの方向を設定することを特徴とする請求項3記載の走査型電子顕微鏡を用いた回路パターンの寸法計測方法。
- 前記回路パターンの寸法を計測する工程において,前記撮像して得た画像に基づいて前記設計情報を用いて設定した前記寸法を計測すべき回路パターンのエッジを含む計測対象領域の位置を修正し,該修正した計測対象領域の内部に含まれる前記寸法を計測すべき回路パターンのエッジの位置情報を用いて前記回路パターンの形状を計測することを特徴とする請求項1又は3に記載の走査型電子顕微鏡を用いた回路パターンの寸法計測方法。
- 前記回路パターンの寸法を計測する工程において,前記撮像して得た画像を処理して前記回路パターンのうちのラインパターンの線幅又は前記ラインパターン間のギャップの寸法,前記ラインパターンの端部の後退量,前記回路パターンのうちのコンタクトホールの径,又は前記回路パターンのOPC形状を計測することを特徴とする請求項1又は3に記載の走査型電子顕微鏡を用いた回路パターンの寸法計測方法。
- 前記SEM撮像領域の中心座標ならびに回路パターンの設計情報を入力する工程において,前記SEM撮像領域内において発生しうるパターン形成不良の候補を指定する不良候補を入力し,前記入力した不良候補と前記SEM撮像領域の中心座標と前記設計情報とを用いて計測すべき寸法の種類を設定し,該設定した計測すべき寸法の種類に応じて前記計測対象領域を設定することを特徴とする請求項1又は3に記載の走査型電子顕微鏡を用いた回路パターンの寸法計測方法。
- 前記撮像領域と撮像条件とを設定する工程において,前記計測対象領域と前記電子線の連続的なスキャンの方向とを用いて,前記入力されたSEM撮像領域の中心座標を変更する,あるいは複数の撮像領域を合わせて一つの新たな撮像領域を設定することを特徴とする請求項1又は3に記載の走査型電子顕微鏡を用いた回路パターンの寸法計測方法。
- 前記撮像領域と撮像条件とを設定する工程において,前記寸法を計測すべき回路パターンを含むSEM撮像領域の中心座標と前記設計情報とを用いて計測すべき寸法の種類を設定する設定ルールは,少なくとも一つ以上の前記SEM撮像領域の中心座標と前記設計情報と前記計測すべき寸法の種類との組み合わせ教示,あるいは前記SEM撮像領域の中心座標と前記設計情報と前記計測対象領域との組み合わせ教示により決定されることを特徴とする請求項3記載の走査型電子顕微鏡を用いた回路パターンの寸法計測方法。
- 走査型電子顕微鏡を用いて基板上に形成された回路パターンの寸法を計測する装置であって,
基板上に形成された回路パターンのうち寸法を計測すべき回路パターンを含むSEM撮像領域の中心座標ならびに前記寸法を計測すべき回路パターンを含む前記基板上に形成された回路パターンの設計情報を入力する入力手段と,
該入力した前記SEM撮像領域の中心座標と前記設計情報とを用いて前記寸法を計測すべき回路パターンのエッジを含む計測対象領域を設定する計測対象領域設定部と該計測対象領域設定部で設定した計測対象領域を含む領域を走査型電子顕微鏡で撮像するための撮像領域と撮像条件とを設定する領域・条件設定部とを有する撮像条件設定手段と,
該撮像条件設定手段で設定した前記回路パターンの寸法を計測するために撮像領域を前記走査型電子顕微鏡で撮像するための撮像シーケンスを設定する撮像シーケンス設定手段と,
前記撮像条件設定手段で設定した撮像条件と前記撮像シーケンス手段で設定した撮像シーケンスとに基づいて前記基板上に形成された回路パターンを撮像する走査型電子顕微鏡手段と,
該走査型電子顕微鏡手段で撮像して得た画像を処理して前記回路パターンの寸法を計測する画像処理手段とを備え,
前記撮像条件設定手段の計測領域設定部は,前記回路パターンの寸法を計測する位置を含む領域として該計測する位置の近傍の前記回路パターンのエッジを含む領域を設定し,前記撮像条件設定手段は更に前記計測領域設定部で設定した領域内の前記回路パターンのエッジの方向に応じて前記走査型電子顕微鏡で走査する電子線の連続的なスキャンの方向を設定するスキャン方向設定部を有することを特徴とする走査型電子顕微鏡を用いた回路パターンの寸法計測装置。 - 前記撮像条件設定手段は,前記寸法を計測すべき回路パターンの位置の情報と前記設計情報とを用いて計測すべき寸法の種類を設定する側長種設定部を更に有し,前記計測領域設定部において該側長種設定部で設定した計測すべき寸法の種類に応じて前記回路パターンのエッジを含む領域を前記計測対象領域として設定することを特徴とする請求項10記載の走査型電子顕微鏡を用いた回路パターンの寸法計測装置。
- 走査型電子顕微鏡を用いて基板上に形成された回路パターンの寸法を計測する装置であって,
基板上に形成された回路パターンのうち寸法を計測すべき回路パターンを含むSEM撮像領域の中心座標ならびに前記寸法を計測すべき回路パターンを含む前記基板上に形成された回路パターンの設計情報を入力する入力手段と,
該入力した前記SEM撮像領域の中心座標と前記設計情報とを用いて前記寸法を計測すべき回路パターンのエッジを含む計測対象領域を設定する計測対象領域設定部と該計測対象領域設定部で設定した計測対象領域を含む領域を走査型電子顕微鏡で撮像するための撮像領域と撮像条件とを設定する領域・条件設定部とを有する撮像条件設定手段と,
前記撮像条件設定手段で設定した撮像条件に基づいて前記基板上に形成された回路パターンを撮像する走査型電子顕微鏡手段と,
該走査型電子顕微鏡手段で撮像して得た画像を処理して前記寸法を計測すべき回路パターンのエッジの情報を用いて前記回路パターンの寸法を計測する画像処理手段とを備え,
前記撮像条件設定手段は,前記入力手段で入力した前記寸法を計測すべき回路パターンの位置の情報と前記設計情報とを用いて計測すべき寸法の種類を設定する側長種設定部を更に有し,前記計測領域設定部において該側長種設定部で設定した計測すべき寸法の種類に応じて前記回路パターンのエッジを含む領域を前記計測対象領域として設定することを特徴とする走査型電子顕微鏡を用いた回路パターンの寸法計測装置。 - 前記撮像条件設定手段の領域・条件設定部は,前記計測対象領域設定部で設定した計測対象領域内の前記回路パターンのエッジの方向に応じて前記走査型電子顕微鏡で走査する電子線の連続的なスキャンの方向を設定することを特徴とする請求項12記載の走査型電子顕微鏡を用いた回路パターンの寸法計測装置。
- 前記画像処理手段は,前記走査型電子顕微鏡手段で撮像して得た画像に基づいて前記撮像条件設定手段の計測領域設定部で前記設計情報を用いて設定した前記計測対象領域の位置を修正する計測対象領域修正部と,該計測対象領域修正部で修正した計測対象領域の内部に含まれる前記寸法を計測すべき回路パターンのエッジの位置情報を用いて前記回路パターンの寸法を計測する寸法計測部とを有することを特徴とする請求項10又は12に記載の走査型電子顕微鏡を用いた回路パターンの寸法計測装置。
- 前記画像処理手段の寸法計測部は,前記走査型電子顕微鏡手段で撮像して得た画像を処理して前記回路パターンのうちのラインパターンの線幅又は前記ラインパターン間のギャップの寸法,前記ラインパターンの端部の後退量,前記回路パターンのうちのコンタクトホールの径,又は前記回路パターンのOPC形状を計測することを特徴とする請求項14記載の走査型電子顕微鏡を用いた回路パターンの寸法計測装置。
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