JP2009243965A - 流路デバイス、外装ケース付き流路デバイス、流路デバイスの使用方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】基板3に形成された流路2のインレットA、アウトレットBの間に位置する部位に、試薬を貯蔵したガラス管C’をフィルム状の被覆体で覆って封入してなるガラス管封入部Cを具備する流路デバイス1、外装ケース付き流路デバイス、流路デバイスの使用方法を提供する。
【選択図】図1
Description
また、サンプリングから分析までを同一チップ上で実施するLab−on−a−Chipの開発も報告されており、炭疽菌や大腸菌に特異な核酸や抗体を用いた多機能バイオチップやグルコースやラクトース等をモニタリングする携帯可能な測定器、抗原抗体反応を用いた臨床検査チップ等が挙げられる。
例えば、特許文献1では、質量分析用マイクロデバイスおよびこれを用いた質量分析装置が記載されている。この方法では、質量分析用マイクロデバイス内の複数個の試薬貯蔵部に、分析試料をそれぞれ一時貯蔵し、測定時に必要最小限の試料のみを装置内のイオン化部に供給する技術が記載されている。しかしながら、この方法であると、各試薬貯蔵部にそれぞれ開閉バルブが必要であり、デバイスを製造することが困難である。また、測定ごとにバルブを開閉が必要であるため、操作が猥雑になるなどの不都合があった。
第2の発明は、前記ガラス管封入部は、前記流路の途中を拡張するようにして形成されたガラス管収納凹所内に前記ガラス管が収納され、前記ガラス管はその一部が前記デバイス片面側に突出されており、前記被覆体の前記ガラス管を覆った部分が前記デバイス片面側に膨出していることを特徴とする第1の発明の流路デバイスを提供する。
第3の発明は、前記流路及び前記ガラス管収納凹所が形成された基板を有し、前記被覆体が、前記流路及び前記ガラス管収納凹所が形成されている前記基板の流路面に貼り合わされたフィルムであることを特徴とする第2の発明の流路デバイスを提供する。
第4の発明は、前記被覆体は、前記ガラス管を覆う部分の少なくとも一部が、5μm〜400μmの厚みで構成されていることを特徴とする第1〜3のいずれかの発明の流路デバイスを提供する。
第5の発明は、前記インレット、前記ガラス管封入部が設けられた流路を2つ以上有し、これら流路のそれぞれの下流部が、ひとつのアウトレットに連結されていることを特徴とする第1〜4のいずれかの発明の流路デバイスを提供する。
第6の発明は、前記アウトレットと前記ガラス管封入部との間に混合部、反応部、検出部、廃液貯蔵部の少なくとも一つを具備することを特徴とする第1〜5のいずれかの発明の流路デバイスを提供する。
第7の発明は、前記アウトレット、混合部、反応部、検出部、廃液貯蔵部の少なくとも一つにろ紙が埋め込まれていることを特徴とする第6の発明の流路デバイスを提供する。
第8の発明は、前記ろ紙に化学物質が含浸またはコーティングされていることを特徴とする第7の発明の流路デバイスを提供する。
第9の発明は、前記インレット、前記ガラス管封入部を有する流路を少なくとも2つ以上有し、前記流路のそれぞれの下流部が、ひとつの混合部に連結されており、前記混合部の下流側に前記アウトレットが設けられていることを特徴とする第1〜8のいずれかの発明の流路デバイスを提供する。
第10の発明は、前記ガラス管に貯蔵する試薬の容積が100μL以下である第1〜9のいずれかの発明の流路デバイスを提供する。
第11の発明は、有機溶剤を含む前記試薬を貯蔵したガラス管が封入されたガラス管封入部を具備することを特徴とする第10の発明の流路デバイスを提供する。
第12の発明は、前記有機溶剤が、メタノール、2−メトキシエタノール、4−ベンジルピリジン、テトラヒドロフラン、リグロインから選ばれる1以上であることを特徴とする第11の発明の流路デバイスを提供する。
第13の発明は、前記ガラス管として遮光性のものを用いていることを特徴とする第1〜12のいずれかの発明の流路デバイスを提供する。
第14の発明は、前記流路内の一部に固定化された生理活性物質を具備し、生理活性物質が核酸、ペプチド核酸、アプタマー、オリゴペプチド、抗体、抗原、糖鎖、およびそれらの類似物の中から選ばれる少なくとも1つであるか、又はこれらの中から少なくとも1つを含む複合体である第1〜13のいずれかの発明の流路デバイスを提供する。
第15の発明は、第1〜14のいずれかの発明の流路デバイスの母材がプラスチック材料から構成されていることを特徴とする流路デバイスを提供する。
第16の発明は、プラスチック材料がポリスチレン、ポリメチルペンテン、環状ポリオレフィン、ポリメチルメタアクリレート、ポリカーボネートから選ばれる少なくとも1種である第15の発明の流路デバイスを提供する。
第17の発明は、プラスチック材料がポリプロピレン、ポリエチレン、ナイロンから選ばれる少なくとも1種である第15の発明の流路デバイスを提供する。
第18の発明は、第1〜17のいずれかの発明の流路デバイスを筒状のケース内に収納してなり、前記ケース内には、流路デバイスの前記ガラス管封入部の前記ガラス管を破砕するための突起部が突設され、前記ケースの中心軸線方向における該ケースと前記流路デバイスとの相対的なスライド移動により、前記突起部を前記ガラス管を覆う被覆体に接触させ前記ガラス管を破砕できるように構成されていることを特徴とする外装ケース付き流路デバイスを提供する。
第19の発明は、前記ケースの両端がフィルム状のシール材により密閉されており、前記シール材を破壊あるいは除去することにより、前記流路デバイスの前記ケースの外側への移動が可能となることを特徴とする外装ケース付き流路デバイスを提供する。
第20の発明は、前記ケースが、プラスチック、着色プラスチック、プラスチックの金属めっき物、プラスチックの金属蒸着物、金属の少なくとも一つから構成されることを特徴とする第18又は19の発明の外装ケース付き流路デバイスを提供する。
第21の発明は、第1〜17のいずれかの発明の流路デバイスの使用方法であって、流路デバイスを、前記ガラス管封入部の前記ガラス管を破砕するための突起部を具備する筒状のケース内に収納し、前記流路デバイス及び前記ケースの一方又は両方をスライド移動させて前記ケース内の前記突起部に前記ガラス管封入部の前記ガラス管を覆う被覆体に接触させ前記ガラス管を破砕し、前記インレットから前記流路内に導入した液体又は気体を媒体として前記ガラス管の内容物である前記試薬を前記アウトレット方向へ輸送することを特徴とする流路デバイスの使用方法を提供する。
第22の発明は、前記流路デバイスを収納した前記ケースの両端がフィルム状のシール材により密閉されおり、前記シール材を破壊あるいは除去して、前記流路デバイス及び前記ケースの一方又は両方をスライド移動させ、前記ケース内の前記突起部に前記ガラス管封入部の前記ガラス管を覆う被覆体に接触させ前記ガラス管を破砕するとともに、流路デバイス内の混合部、反応部、検出部、廃液貯蔵部の少なくとも一つをケース外に露出させることを特徴とする第21の発明の流路デバイスの使用方法を提供する。
第23の発明は、第1〜17のいずれかの発明の流路デバイスの使用方法であって、ガラス管を破砕した後に、インレットから気体または液体を媒体としてアウトレット側にガラス管の内容物を輸送することによって、大気中の化学物質の検知に用いることを特徴とする流路デバイスの使用方法を提供する。
第24の発明は、第1〜17のいずれかの発明の流路デバイスの使用方法であって、ガラス管を破砕した後に、インレットから気体または液体を媒体としてアウトレット側にガラス管の内容物を輸送することによって、生体反応のシグナルの検知に用いることを特徴とする流路デバイスの使用方法を提供する。
図1は本発明の流路デバイスの一例(第一の実施形態)を示す図であって、(a)は全体斜視図、(b)は流路デバイスの基板3を示す斜視図である。
図1(a)、(b)に示す流路デバイス1は、液体又は気体が送通される微細な流路2(微細流路)を有する基板形の流路デバイスであって、溝状の前記流路2が片面に形成された基板3を有し、この基板3の前記流路2が形成されている面(流路面31)にフィルム状の被覆体4(図2参照。プレートシールフィルム)が貼り合わされている。
また、インレットA及びアウトレットBは、デバイスの片側面に開口している。
図2、図3に示すように、前記ガラス管封入部Cでは、前記流路2の途中を拡張するようにして基板3に形成されたガラス管収納凹所5内に前記ガラス管C’を収納している。また、このガラス管封入部Cは、ガラス管収納凹所5と前記ガラス管C’とを前記被覆体4で覆った構造になっている。この被覆体4は本発明に係る被覆体として機能する。
したがって、この流路デバイス1では、被覆体4の前記ガラス管C’を覆った部分が前記デバイス片面(表面6)から膨出している。ガラス管C’が封入されているガラス管封入部Cが、デバイス片面(表面6)に膨出するように設けられている構成となっている。
この流路デバイス1は、前記ガラス管封入部Cの外側から被覆体4を介してガラスアンプルC’に押圧力(衝撃力も含む)を作用させてガラスアンプルC’を割り(破砕する)、インレットAからアウトレットBへ圧力を加えることで、アウトレット方向にガラスアンプルC’に封入されていた試薬を輸送することができる。
図4に示す流路デバイスは、前記インレットA、前記ガラス管封入部が設けられた流路(導入流路21)を2つ(2本)有し、これら導入流路21のそれぞれの下流部が、ひとつのアウトレットBに連結されている構成となっている。
この流路デバイスは、基板3に2つのガラス管収納凹所5が形成されており、それぞれのガラス管収納凹所5に試薬を貯蔵したガラス管C’が収納されている。また、各導入流路21のインレットAとアウトレットBとが、溝状の微細流路2(流路。ガラス管収納凹所5を含む)によって連通されている。
インレットA及びアウトレットBは、デバイスの片側面に開口している。
図4における流路デバイスは、ガラス管C’1およびC’2を割り(破砕する)、インレットからアウトレットへ圧力を加えることで、ガラス管C’1、C’2に封入されている試薬を一つのアウトレットに輸送することができる。
3本以上の導入流路を持つ場合も、導入流路21のそれぞれの下流部が、ひとつのアウトレットBに連結されている構成を採用できる。
例えば、図5に示す流路デバイスは、アウトレットBとガラス管封入部Cとの間に、上流側(インレット側)から順に反応部D、廃液貯蔵部Eを具備している。
混合部、反応部、検出部、廃液貯蔵部の形状としては、どのような形状であっても良く、ピラーなどの複雑な微細構造を施すこともできる。
ろ紙の種類には特に限定はなく、一般的なセルロースなど繊維系のものを用いることができるが、ガラスフィルター、グラスファイバーろ紙、シリカゲル製のろ紙、活性炭含浸ろ紙なども必要に応じて用いることができる。また、予めろ紙に特定の物質を含浸させたものやコーティングさせたものも目的・用途に応じて用いることができる。
ガラスは耐有機溶剤性、ガスバリア性に優れるため、本流路デバイスでは、ガラス管の少なくとも一つに有機溶剤を含むことができる。有機溶剤の種類としては、メタノール、2−メトキシエタノール、4−ベンジルピリジン、テトラヒドロフラン、リグロインなどが挙げられる。また、光によって分解する試薬を封入するときは、遮光タイプのガラス管を用いることができる。
本発明に係る流路デバイスのガラス管を覆う被覆体としては、前記ガラス管C’を覆う部分の全体あるいは一部が、5μm〜400μmの厚みで構成されていれば良く、他の部分の厚みは5μm〜400μmの範囲になくても良い。被覆体4の前記ガラス管C’を覆う部分の内、5μm〜400μmの厚みで構成する部分は、ガラス管C’を割るためにガラス管封入部Cの外側から作用させる力が与えられる位置である。
例えば、後述のように、図8(a)、(b)に例示したガラスアンプルの破砕用のケース11(外装ケース)を使用する場合は、被覆体4の前記ガラス管C’を覆う部分の内、このケース11内に設けられている突起部12に当接される部位に限定がある。被覆体4の前記ガラス管C’を覆う部分の内、突起部12に当接される部位に5μm〜400μmの範囲の厚みを確保する。
最も好ましくは、ガラス管が封入される(接触する)部分が予めガラス管の形状をしたフィルムを用いることである。
流路デバイスを構成する基板、被覆体は、それぞれ、流路デバイスを構成する母材の一部として機能するものであり、その形成材料として上述した母材の材料が採用される。
基板と被覆体が同一の材料でもよく、異なる材料であってもよい。
例えば、基板に流路加工を施し、ガラス収納凹所にガラス管を置いた後にフィルム(被覆体として機能させるフィルム)を熱融着した流路デバイスを用いると、デバイスの使用時に、ガラス管封入部に封入されているガラスを破砕させやすく、破砕を確実かつ簡単に行えるため、好適に用いることができる。
また、シール材は、ケースから引き剥がして除去しても良い。
なお、流路デバイス1としては、具体的には、後述の実施例2にて説明するもの(流路デバイス1b)を用いている。
流路デバイス1は、ケース11の内側空間11s内に収納されている。
ケース11は、互いに平行に設けられた底板部11a及び天板部11bを、一対の側板部11cで連結した四角筒状になっている。流路デバイス1は、前記表面6を天板部11b側、表面6とは反対側の主面である裏面7を底板部11a側としてケース11内に収納されている。
図示例のケース11では、天板部11bは、ケース11の内側空間11aの中心軸線に沿って細長に延在する長方形板状に形成されており、前記突起部12は、天板部11bの長手方向中央部に、該長手方向に直交する幅方向に延在する突条状に形成されている。
ケース11内に収納された流路デバイス1は、ガラス管封入部Cが突起部12からずれた位置となるように、収納位置を設定する。
また、ケース11としては、突起部12の形成位置を天板部11bの長手方向の端部にずらした構成であっても良い。突起部12の形成位置は、流路デバイス1の構成に対応して、流路デバイス1のガラス管封入部Cと突起部12と非接触の状態で流路デバイス1がケース11内に収納された初期状態を確保できる位置とする。
ケース11に対する流路デバイス1のスライド移動は、例えば、図9に示すように、ケース11の両端を塞ぐアルミシールGの内、突起部12を介して流路デバイス1のガラス管封入部Cが存在する側のアルミシールG1を破壊あるいは除去してケース11の片端を開放し、この開放された端部から流路デバイス1をケース11の反対側の端部に向けて押し動かす。流路デバイス1が、ケース11の反対側の端部を塞ぐアルミシールG2を突き破ることで、流路デバイスの混合部、反応部、検出部、廃液貯蔵部の少なくとも一つをケース外に移動させ露出させることができる。
なお、この外装ケース付き流路デバイス13としては、混合部、反応部、検出部、廃液貯蔵部が、ガラス管封入部Cから離隔した所に位置する構成の流路デバイスを採用し、混合部、反応部、検出部、廃液貯蔵部が、突起部12を介して、ガラス管封入部Cとは反対の側に配置された構成とする。
ケース11の突起部12の天板部11bからの突出先端と底板部11aとの間の距離は、流路デバイス1の表面6と裏面7との間の距離と略同等であり、流路デバイス1の表面6と裏面7との間の距離に、ガラス管封入部Cの前記デバイスの表面6からの突出寸法a(図2参照)を加えた値よりも小さい。
したがって、図9に示すように、ケース11内の流路デバイス1を、図中符号G2のアルミシール側にスライド移動させると、突起部12がガラス管封入部Cに接触して、ガラス管封入部C内のガラス管C’が破砕される。
この点、ケース11に対する流路デバイス1のスライド移動は、ケース11の片端からの流路デバイス1の押し込みの他、ケース11内に挿入した当接部材との当接等によって移動を規制した流路デバイス1に対するケース11のスライド移動であっても良い。
実施例として、本発明の流路デバイスを用いてのオリゴDNAのハイブリダイゼーション反応を挙げる。
図6に示すように、30mm×70mm、厚さ0.75mmの寸法の飽和環状ポリオレフィン樹脂製の板状材料を切削加工して、1mmφの3つのインレットA1〜A3、1mmφの1つのアウトレットB、幅100μm、深さ100μmのマイクロチャネル(微細流路)、幅3mm、深さ0.5mm、長さ3mmの3つのガラス管収納凹所511〜513、幅300μm、長さ300μm、深さ300μmの反応部D、を持つ本体(基板)を得た。各インレットA1〜A3、各アウトレットBは基板に貫通して形成した。
この切削基板の反応部に、活性エステル処理を施し、アミノ化したオリゴDNA(atagaagttt gtccatttgt aaactcccgg attgcgctcc ctcccgcctt)を固定化した。
なお、図6は、流路デバイス1aの構成を、被覆体を透視して示したものであり、図中、ガラス管収納凹所511〜513、ガラス管C’11〜C’13に対応させてガラス管封入部を示す符号C11〜C13も付している。
次いで、ガラス管封入部C12に封入されているガラス管C’12を破砕し、インレットA2からシリンジにより空気を注入すると、ガラス管C’12に封入されていた2×SSC、0.1%SDS溶液が反応部Dに輸送され、その後、アウトレットBから流出した。そして、次いで、ガラス管封入部C13に封入されているガラス管を破砕し、インレットA3からシリンジにより空気を注入すると、ガラス管C’13に封入されていた0.2×SSC溶液が反応部Dに輸送され、その後、アウトレットBから流出した。
実施例として、本発明の流路デバイスを用いてろ紙上の抗原抗体反応を挙げる。
図7に示すように、30mm×70mm、厚さ1.0mmの寸法で、1mmφの3つのインレットA1〜A3、1mmφの1つのアウトレットB、幅500μm、深さ300μmのマイクロチャネル(微細流路2)、幅3mm、深さ0.5mm、長さ3mmの3つのガラス収納凹所521〜523、直径3mmの検出部F、長さ500μm、深さ300μmの混合部H、を持つ本体(基板)をポリプロピレン樹脂で成形加工した。各インレットA1〜A3、アウトレットBは基板に貫通して形成した。
また、1mg/mlのAlbumin (ヒト由来)の1%BSA, PBS30μL(抗原溶液)が封入されたガラス管C’21をガラス管収納凹所521、金コロイド標識Monoclonal mouse anti-human serum albuminの1%BSA, PBS30μL(金コロイド標識二次抗体溶液)を封入したガラス管C’22をガラス管収納凹所522、0.1%Tween in PBS 100μL(洗浄液)を封入したガラス管C’23をガラス管収納凹所523に組み込んだ。
そして、この流路基板の流路面にポリエチレン/ナイロンにより構成されるフィルム(被覆体4)を熱融着にて貼り合わせ、流路デバイス1bを作製した。
なお、図7は、流路デバイス1bの構成を、被覆体を透視して示したものであり、図中、ガラス管収納凹所521〜523、ガラス管C’21〜C’23に対応させてガラス管封入部を示す符号C21〜C23も付している。
次いで、ガラス管封入部C23に封入されているガラス管C’23を破砕し、インレットA3からシリンジにより空気を注入すると、ガラス管C’23に封入されていた洗浄液が反応部Fに組み込まれたニトロセルロースに輸送され、その後、アウトレットBから流出することが確認された。
Claims (24)
- 液体又は気体が送通される流路を有する基板形の流路デバイスであって、
前記流路と、この流路によって互いに連通されたインレット及びアウトレットと、前記インレットと前記アウトレットとの間にて前記流路の途中に設けられ、試薬を貯蔵したガラス管が封入されたガラス管封入部とを具備し、
前記ガラス管封入部において前記ガラス管はデバイス片面側に突出され、前記ガラス管封入部のデバイス片面側を塞ぐフィルム状の被覆体によって覆われており、
前記ガラス管封入部はその外側から前記被覆体を変形させることで前記ガラス管を破砕可能に構成されていることを特徴とする流路デバイス。 - 前記ガラス管封入部は、前記流路の途中を拡張するようにして形成されたガラス管収納凹所内に前記ガラス管が収納され、前記ガラス管はその一部が前記デバイス片面側に突出されており、前記被覆体の前記ガラス管を覆った部分が前記デバイス片面側に膨出していることを特徴とする請求項1記載の流路デバイス。
- 前記流路及び前記ガラス管収納凹所が形成された基板を有し、
前記被覆体が、前記流路及び前記ガラス管収納凹所が形成されている前記基板の流路面に貼り合わされたフィルムであることを特徴とする請求項2記載の流路デバイス。 - 前記被覆体は、前記ガラス管を覆う部分の少なくとも一部が、5μm〜400μmの厚みで構成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の流路デバイス。
- 前記インレット、前記ガラス管封入部が設けられた流路を2つ以上有し、これら流路のそれぞれの下流部が、ひとつのアウトレットに連結されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の流路デバイス。
- 前記アウトレットと前記ガラス管封入部との間に混合部、反応部、検出部、廃液貯蔵部の少なくとも一つを具備することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の流路デバイス。
- 前記アウトレット、混合部、反応部、検出部、廃液貯蔵部の少なくとも一つにろ紙が埋め込まれていることを特徴とする請求項6記載の流路デバイス。
- 前記ろ紙に化学物質が含浸またはコーティングされていることを特徴とする請求項7記載の流路デバイス。
- 前記インレット、前記ガラス管封入部を有する流路を少なくとも2つ以上有し、前記流路のそれぞれの下流部が、ひとつの混合部に連結されており、前記混合部の下流側に前記アウトレットが設けられていることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の流路デバイス。
- 前記ガラス管に貯蔵する試薬の容積が100μL以下である請求項1〜9のいずれかに記載の流路デバイス。
- 有機溶剤を含む前記試薬を貯蔵したガラス管が封入されたガラス管封入部を具備することを特徴とする請求項10記載の流路デバイス。
- 前記有機溶剤が、メタノール、2−メトキシエタノール、4−ベンジルピリジン、テトラヒドロフラン、リグロインから選ばれる1以上であることを特徴とする請求項11記載の流路デバイス。
- 前記ガラス管として遮光性のものを用いていることを特徴とする請求項1〜12のいずれか記載の流路デバイス。
- 前記流路内の一部に固定化された生理活性物質を具備し、
生理活性物質が核酸、ペプチド核酸、アプタマー、オリゴペプチド、抗体、抗原、糖鎖、およびそれらの類似物の中から選ばれる少なくとも1つであるか、又はこれらの中から少なくとも1つを含む複合体である請求項1〜13のいずれかに記載の流路デバイス。 - 請求項1〜14のいずれかに記載の流路デバイスの母材がプラスチック材料から構成されていることを特徴とする流路デバイス。
- プラスチック材料がポリスチレン、ポリメチルペンテン、環状ポリオレフィン、ポリメチルメタアクリレート、ポリカーボネートから選ばれる少なくとも1種である請求項15記載の流路デバイス。
- プラスチック材料がポリプロピレン、ポリエチレン、ナイロンから選ばれる少なくとも1種である請求項15記載の流路デバイス。
- 請求項1〜17のいずれかに記載の流路デバイスを筒状のケース内に収納してなり、
前記ケース内には、流路デバイスの前記ガラス管封入部の前記ガラス管を破砕するための突起部が突設され、
前記ケースの中心軸線方向における該ケースと前記流路デバイスとの相対的なスライド移動により、前記突起部を前記ガラス管を覆う被覆体に接触させ前記ガラス管を破砕できるように構成されていることを特徴とする外装ケース付き流路デバイス。 - 前記ケースの両端がフィルム状のシール材により密閉されており、前記シール材を破壊あるいは除去することにより、前記流路デバイスの前記ケースの外側への移動が可能となることを特徴とする外装ケース付き流路デバイス。
- 前記ケースが、プラスチック、着色プラスチック、プラスチックの金属めっき物、プラスチックの金属蒸着物、金属の少なくとも一つから構成されることを特徴とする請求項18又は19記載の外装ケース付き流路デバイス。
- 請求項1〜17のいずれかに記載の流路デバイスの使用方法であって、
流路デバイスを、前記ガラス管封入部の前記ガラス管を破砕するための突起部を具備する筒状のケース内に収納し、前記流路デバイス及び前記ケースの一方又は両方をスライド移動させて前記ケース内の前記突起部に前記ガラス管封入部の前記ガラス管を覆う被覆体に接触させ前記ガラス管を破砕し、前記インレットから前記流路内に導入した液体又は気体を媒体として前記ガラス管の内容物である前記試薬を前記アウトレット方向へ輸送することを特徴とする流路デバイスの使用方法。 - 前記流路デバイスを収納した前記ケースの両端がフィルム状のシール材により密閉されており、前記シール材を破壊あるいは除去して、前記流路デバイス及び前記ケースの一方又は両方をスライド移動させ、前記ケース内の前記突起部に前記ガラス管封入部の前記ガラス管を覆う被覆体に接触させ前記ガラス管を破砕するとともに、流路デバイス内の混合部、反応部、検出部、廃液貯蔵部の少なくとも一つをケース外に露出させることを特徴とする請求項21記載の流路デバイスの使用方法。
- 請求項1〜17のいずれかに記載の流路デバイスの使用方法であって、ガラス管を破砕した後に、インレットから気体または液体を媒体としてアウトレット側にガラス管の内容物を輸送することによって、大気中の化学物質の検知に用いることを特徴とする流路デバイスの使用方法。
- 請求項1〜17のいずれかに記載の流路デバイスの使用方法であって、ガラス管を破砕した後に、インレットから気体または液体を媒体としてアウトレット側にガラス管の内容物を輸送することによって、生体反応のシグナルの検知に用いることを特徴とする流路デバイスの使用方法。
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