JP2010008223A - マイクロチップ - Google Patents

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Abstract

【課題】液体を導入した際、反応部において気泡が発生し難いマイクロチップを提供すること。
【解決手段】流体を導入する流体導入部3と、流体が流通する流路4と、流体を排出する流体排出部5とを備えると共に、複数の担体10を収容する反応部6を流路4の内部に備え、複数の坦体10の夫々を離間した状態に収容しつつ、流体の流通に際して夫々の担体10が移動可能となるよう収容する複数の収容凹部7を、反応部6に形成してあるマイクロチップ1。
【選択図】図1

Description

本発明は、流体を導入する流体導入部と、前記流体が流通する流路と、前記流体を排出する流体排出部とを備えると共に、複数の担体を収容する反応部を前記流路の内部に備えるマイクロチップに関する。
マイクロチップとは、チップ内に設けられた流路内に溶液を流すことで、化学反応や分離、分析を行うデバイスである。このマイクロチップと、適当な流体供給装置、光照射装置、及び光検出装置等を組み合わせることで、測定対象となる物質(以下、測定物質と称する)を含有する微量の液体試料を、流体導入部から導入し、反応部で反応させて、反応部から得られるシグナルを検出することによって、液体試料中に含まれる測定物質の濃度等を容易に測定することができる。尚、当該反応部に収容されている担体の表面には、測定物質を選択的に検出し得る固定化物質が固定されている。
上記構成を備える従来のマイクロチップとしては、例えば、特許文献1の図1又は特許文献2の図1に開示されるものが知られている。
特開2001−4628号公報 特開2007−253061号公報
上記特許文献に記載される従来のマイクロチップでは、担体同士が互いに接触し得る状態で反応部に収容されており、試料として液体を導入した際、反応部において気泡が生じ易いという問題がある。これは、導入した液体が流路を流れると、反応部内に存在する気体の大部分は、反応部内より排出されるが、担体同士の接触部分に存在する一部の気体は、当該接触部分が障害となり排出され難く、結果、その一部の気体が気泡として残留するためである。
反応部における気泡は、担体表面に固定されている固定化物質と、測定物質または結合性物質との反応を阻害したり、あるいは固定化物質と、測定物質または結合性物質との反応により生じるシグナルを検出する際のノイズの原因となる。例えば、気泡は、蛍光検出においては励起光の散乱を招く原因となるため、測定精度を低下させてしまう虞がある。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、液体を導入した際、反応部において気泡が発生し難いマイクロチップを提供することにある。
上記の目的を達成するため、本発明に係る第1特徴構成は、
流体を導入する流体導入部と、
前記流体が流通する流路と、
前記流体を排出する流体排出部とを備えると共に、
複数の担体を収容する反応部を前記流路の内部に備え、
前記複数の坦体の夫々を離間した状態に収容しつつ、前記流体の流通に際して夫々の担体が移動可能となるよう収容する複数の収容凹部を、前記反応部に形成した点にある。
〔作用及び効果〕
本発明によれば、複数の担体の夫々を離間した状態で収容凹部に収容するため、測定対象となる物質を含む液体等の流体の流通に際して、担体同士が接触し難く構成される。また、それぞれの担体が収容凹部内を移動し得るように構成されているので、反応部内の気体が担体間をすり抜け易く、気体が反応部内に残留し難い。
本発明に係る第2特徴構成は、
前記収容凹部を半球状に形成した点にある。
〔作用及び効果〕
本発明においては、収容凹部が半球状を呈するため、例えば、球形状の担体を使用した場合、測定対象となる物質を含む液体等の流体の流通に際して、担体が収容凹部内で移動し易く、反応部内に存在する気体がより速やかに流体排出部から排出される。
本発明に係る第3特徴構成は、
前記担体が円形断面を有し、前記反応部に臨む流路の高さが前記担体の直径よりも小さく設定され、且つ、互いに隣接する前記収容凹部の境界部分から、その境界部分が相対する前記流路の壁面までの距離が前記担体の直径よりも小さく設定されている点にある。
〔作用及び効果〕
本発明によれば、収容凹部に収容された担体が、反応部に臨む流路や、隣接する他の収容凹部へ流出するのを防止することができる。
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
〔実施形態〕
本発明に係るマイクロチップ1の実施の形態について、図1乃至図7に基づいて説明する。マイクロチップ1は、化学分析用デバイスである。
尚、各図に適宜記す破線の矢印は、流体の流れる方向を示しており、また矢印X、矢印Y、矢印Zは、マイクロチップ1の長手方向、幅方向、厚み方向をそれぞれ示す。
(マイクロチップの構成)
図1及び図7に示されるように、マイクロチップ1は、基板2、第1被覆フィルム8、第2被覆フィルム9、及び担体10を備えて構成されている。
図1に示されるように、基板2は、流体を導入する流体導入部としての導入孔3と、流体が流通する流路4と、流体を排出する流体排出部としての排出孔5とを備えると共に、複数の担体10を収容する反応部6を流路4の内部に備えている。
図1〜図3に示されるように、導入孔3は、基板2の側面に設けられており、基板2の内部にて長手方向(X方向)に延びる第1流路部4aに通じている。尚、導入孔3には、流体を導入孔3に送り込む供給装置(図示せず)が接続される。
図1〜図3、及び図7に示されるように、流路4は、第1流路部4a、第1流路部4aから基板2厚み方向(Z方向)に延びる第2流路部4b、第2流路部4bから基板2長手方向(X方向)に延びて基板上面2aに開口する第3流路部4c、第3流路部4cから基板2幅方向(Y方向)に延びて基板上面2aに開口する第4流路部4d、第4流路部4dから基板2長手方法(X方向)に延びて基板2厚み方向(Z方向)に貫通する第5流路部4e(廃液部)、及び第5流路部4eから基板2幅方向(Y方向)に延びて基板上面2aに開口する第6流路部4fから構成されている。
尚、第3流路部4c〜第6流路部4fの基板上面2aの開口は、基板上面2aに接合される第1被覆フィルム8によって覆われている。第5流路部4eの基板下面2bの開口は、基板下面2bに接合される第2被覆フィルム9によって覆われている。
図1〜図3に示されるように、排出孔5は、第1被覆フィルム8に設けられており、第6流路部4fの末端に通じている。尚、排出孔5には、流体を吸引する吸引装置(図示せず)が接続される。
図1〜図3に示されるように、流路4の内部の第3流路部4cには、例えば、5つの担体10を収容する反応部6が設けられている。反応部6には、複数の坦体10の夫々を離間した状態に収容しつつ、流体の流通に際して夫々の担体10が移動可能となるよう収容する5つの収容凹部7が、第3流路部4cに沿って一列に並べられた状態で形成されている。
図4及び図5に示されるように、本実施形態においては、収容凹部7は半球状を呈し、球状の担体10が収容凹部7の中に収容されている。このため、流体の流通に際して、担体10が収容凹部7の内部を転がりながらスムーズに移動することができ、反応部6の内部に存在する気体がより速やかに排出される。
詳細には、図4に示されるように、収容凹部7の直径D2は、担体10の直径D1よりも大きく設定されている。
図5に示されるように、収容凹部7の曲率半径Rは、収容凹部7における最深点Pから第1被覆フィルム8までの距離L1の半分の距離L2よりも大きく設定されている(R>L2)。さらに、収容凹部7における最深点Pから第3流路部4cの下端の高さまでの距離L3は、担体10の直径D1よりも小さく設定されると共に、最深点Pから第1被覆フィルム8までの距離L1は、担体10の直径D1よりも大きく設定されている(L1>D1>L3)。
一方、図6に示されるように、反応部6に臨む第3流路部4cの高さL4が、担体10の直径D1よりも小さく設定され、且つ、互いに隣接する収容凹部7の境界部分7aから、その境界部分7aが相対する第1被覆フィルム8、即ち、第3流路部4cの壁面までの距離L5が、担体10の直径D1よりも小さく設定されており(D1>L4、D1>L5)、収容凹部7に収容された担体10が、反応部6に臨む流路4(第3流路部4c)や、隣接する他の収容凹部7へ流出しないように構成されている。
(マイクロチップの製造方法)
次に、マイクロチップ1の製造方法について説明する。
本発明に係る基板2の構成材料としては、例えば、樹脂板・ガラス板・石英板等が挙げられるが、好ましくは、後述する微細加工を実施し易いアクリル樹脂板である。
基板2は、上記構成材料に対して、公知の微細加工、例えば、微細加工用ドリル等を用いての機械的切削加工法、リソグラフィー、又は物理的・化学的エッチング等を施して上述の流路4等を形成することによって作製することが可能である。また、流路4等が予め形成されている成形用金型を用いて射出成形を行うことによっても作製することができる。
本発明に利用し得る第1被覆フィルム8及び第2被覆フィルム9の構成材料としては、例えば、ポリオレフィン系樹脂・アクリル樹脂・ポリエステル樹脂・ポリカーボネート樹脂・ポリスチレン樹脂・ポリアミド樹脂・ポリ塩化ビニリデン樹脂等が挙げられる。中でも、基板2に対して接合し易く、且つ透明性も確保され易いポリオレフィン系樹脂が好ましい。
本発明に利用し得る担体10の構成材料としては、その表面に後述する固定化物質を固定し得る水不溶性の物質であれば特に限定されない。例えば、ラテックス・ポリエチレン・ポリスチレン・ポリプロピレン等の高分子からなる担体、ガラス・シリカゲル等のケイ酸無機担体、アガロース・デキストラン等の有機担体、活性炭などの炭素系材料、金属粒子やマグネタイト等の磁性体、ナイロン膜・ニトロセルロース膜・酢酸セルロース膜・ガラス繊維膜・多孔性ポリマーなどの多孔性物質などが挙げられる。
上記基板2、第1被覆フィルム8、第2被覆フィルム9、及び担体10を用いて、本発明のマイクロチップ1を製造する方法を以下に説明する。
図7に示されるように、基板2の反応部6に形成されている複数の収容凹部7の夫々に、表面に固定化物質が固定されている担体10を一つずつ収容する。
次いで、基板2の上面2a及び下面2bに、第1被覆フィルム8及び第2被覆フィルム9をそれぞれ接合する。接合は、熱圧着、溶剤溶着、レーザー溶着、超音波溶着、接着剤及び粘着剤を介する接合が挙げられる。ただし、非加熱接合の場合であれば、樹脂の熱収縮が起こらないので寸法精度が良く、中でも特に接着剤及び粘着剤を介する接合が好ましい。
より簡便な接合方法としては、マイクロカプセル型接着剤を用いると良い。予め、基板上面2aと第1被覆フィルム8との接合部、及び基板下面2bと第2被覆フィルム9との接合部の夫々にマイクロカプセル型接着剤を塗布しておき、当該接合部を加圧してマイクロカプセルを壊し、内部の接着剤を染み出させることによって接着する。
第1被覆フィルム8は、その端部に排出孔5が形成されており、長手方向(X方向)の長さが基板2と同等であると共に、幅方向(Y方向)の長さが基板2よりも短く設定されている。即ち図1及び図2に示されるように、基板2の取付用孔11の形成されている部分については、第1被覆フィルム8よって覆われていない。尚、取付用孔11は、本発明のマイクロチップ1を装置等に固定する際に使用される。
第2被覆フィルム9は、その長手方向(X方向)の長さが第1被覆フィルム8よりも短く、幅方向(Y方向)の長さが第1被覆フィルム8と同等である。
第1被覆フィルム8を基板上面2aに接合することによって、排出孔5が第6流路部4fの末端上に位置すると共に第3流路部4c〜第6流路部4fの基板上面2aの開口が覆われる。また、第2被覆フィルム9を基板下面2bに接合することよって、第5流路部4eの基板下面2bの開口が覆われる。その結果、担体10が反応部6の収容凹部7の内部に封入されると共に、導入孔3と排出孔5との間を連通する流路4、即ち、第1流路部4a〜第6流路部4fが形成される。
(本発明に適用し得る流体、測定物質、及び結合性物質の詳細)
本発明に適用可能な流体とは、分析対象となる測定物質を含む、若しくは、含む可能性のある液体試料、後述する標識化された抗体等の結合性物質を含む溶液、前記液体試料と結合性物質を含む溶液との混合液、又は、水やバッファーといった洗浄溶液等を示しており、マイクロチップ1の内部の流路4を流通し得る流体であれば特に限定されるものではない。
液体試料はどのような起源由来のものであってもよい。例えば、環境試料・細胞・培養物・組織・体液・尿・血清および生検試料等から得ることができる。
環境試料としては、工場跡地等から採取した土壌や、河川から採取した水等が例示される。そして、環境中より採取された試料は、マイクロチップ1に形成された流路4の中を流下できる程度の粘性を有する液体試料となるよう調整する。
液体試料に含まれる測定物質は、後述する結合性物質との特異的結合によって捕捉されて特異的複合体を形成しうる。特異的複合体は、結合対アッセイを行った結果生じるものであり、後述するように、抗原抗体反応の結果生じる免疫化学的複合体や、相補的な核酸同士のハイブリダイゼーションの結果生じる複合体等が好適に例示される。
尚、本実施形態では、測定物質を検出する際に利用する物質として、測定物質を捕捉する結合性物質について説明するが、これに限らず、例えば測定物質と反応する反応性物質であって、測定物質の検出・定量ができるものであればよい。
測定物質は、化学物質、タンパク質等の高分子、DNA断片、微生物又はウィルスおよびその断片、ホルモン等、あらゆる物質が対象となりうる。本発明のマイクロチップ1に適用できる測定物質としては、例えば、土壌中に含まれる毒性物質(PCB、ダイオキシン)や、油性物質(重油)等の環境汚染の要因となりうる物質、或いは、河川の水に含まれる病原性大腸菌の菌体等が好適に例示される。
結合性物質は、測定物質を認識し得る物質、つまり、測定物質に対して親和性を有しており、測定物質を選択的に検出し得る分子認識能を有する物質を意味する。具体的には、抗原、抗体、DNA断片、オリゴヌクレオチド、ポリヌクレオチド、ペプチド核酸、タンパク質、ペプチド、糖、細胞、微生物、生理活性物質等が好ましく例示されるが、これらに限定されるものではない。
分子識別能を有する事例としては、例えば、抗体・抗体フラグメント−抗原間、核酸間でのハイブリダイゼーション(相補的結合)能、あるいは、ホルモン−受容体間、サイトカイン−受容体間、レクチン−糖鎖間、ビオチン−ストレプトアビジン間等の生体応答能が好ましく例示される。
例えば、測定物質としてのポリ塩化ビフェニル(以下、PCBと称する)、ダイオキシンに対する結合性物質は、それぞれ抗PCB抗体、抗ダイオキシン抗体である。
固定化物質は、担体上に固定される物質であり、本明細書では、結合性物質または結合性物質に対して親和性を有する物質を意味する。例えば、結合性物質が抗PCB抗体であるとき、結合性物質に対して親和性を有する物質はPCB−タンパク質複合体、PCB誘導体−タンパク質複合体である。
免疫測定方法(イムノアッセイ)としては、例えば、固相によるイムノアッセイの手法を適用することにより液体試料中の測定物質の存在を検出、或いは、定量的測定ができる。
イムノアッセイとして公知の所謂「競合法」では、例えば、結合性物質である蛍光標識化抗体は、ハプテンのような測定物質と、担体表面上の固定化物質であるハプテン−タンパク質複合体との双方に対して親和性を有する。測定物質と固体化物質とが競争的に蛍光標識化抗体と結合する競合反応が起こり、蛍光標識化抗体と固定化物質とが結合することによって、抗体を介し担体上に蛍光物質が固定される。そして、担体上に固定された蛍光物質の蛍光量(蛍光強度)を測定することによって、液体試料中の測定物質の存在を検出でき、或いは、定量的測定を行うことができる。
従って、一定量の蛍光標識化抗体を液体試料に加えて混合し、その混合液を本発明のマイクロチップに導入した場合、液体試料中に含まれる測定物質の量が多ければ多いほど、担体の表面の固定化物質と結合する蛍光標識化抗体の量も少なくなる。そのため、担体上に固定される蛍光物質の量も少なくなり、蛍光強度は小さくなる。
測定された蛍光強度を、既知量の「測定物質」を測定した場合の蛍光強度と比較することにより、液体試料中の測定物質量を決定できる。
尚、抗体を標識する物質は、蛍光物質に限らず、酵素で標識化しても良い。この場合、基質を用いて酵素反応を行うことにより光学的変化を検出する。
(本発明を使用した分析方法の一例)
本発明のマイクロチップ1を使用し、上述の競合法によって液体試料中に含まれる測定物質を定量する方法の一例を以下に説明する。
マイクロチップ1の導入孔3に、流体を送り込む供給装置(図示せず)を接続すると共に、排出孔5に、流体を吸引し得る吸引装置(図示せず)を接続する。
分析対象となる測定物質を含む液体試料と、その測定物質を認識して特異的に結合する蛍光標識化抗体を含む溶液とを混ぜ合わせて混合液を調製する。
そして、図1に示されるように、当該混合液を、供給装置によって導入孔3より導入して、一定時間送液する。
導入された混合液は、第1流路部4a、第2流路部4bを順に通過して、第3流路部4cに至り、反応部6において担体10と接触する。このとき、測定物質と担体10の表面に予め固定されている固定化物質とが競争的に蛍光標識化抗体と結合する競合反応が起こり、蛍光標識化抗体と固定化物質とが結合することによって、担体10の表面に蛍光標識化抗体の一部が結合する。
反応部6を通過した混合液は、第4流路部4dを通過して、廃液部である第5流路部4eに流入して貯留される。尚、第5流路部4eは、導入孔3より導入された流体がマイクロチップ1の流路4を逆流するのを防止する。
図3の白抜きの矢印に示されるように、光照射装置によって反応部6に励起光を照射する。反応部6から発せられる蛍光を蛍光検出装置によって検出して蛍光強度を測定する。その蛍光強度を、蛍光強度と測定物質の濃度との関係を示す検量線にあてはめることで液体試料中に含まれる測定物質の濃度等を容易に測定することができる
〔別実施形態〕
〔1〕収容凹部7及び担体10の形状や設置数については、上述の実施形態、即ち収容凹部7が半球状を呈し、担体10が球状を呈する構成に限定されるものでなく適宜変更することが可能である。形状に関しては、例えば、円柱状の担体と半円柱状の収容凹部とを組み合わせたような構成としても良い。また、収容凹部7の配列様式についても上記実施形態のように連続する一次元的な配列に限定されるものではなく、二次元的に配列にしても良い。
〔2〕反応部6の設置場所については、上述の第3流路部4cに設ける構成に限定されるものではなく、その他にも例えば、第4流路部4d等に設けるような構成としても良い。
〔3〕流路4の全体形状については、上述の実施形態のように流体の流通方向を途中で変化させるような構成に限定されるものではなく、流体の流通方向が変化しない一直線状の形状であっても良い。また、基板2における流路4の設置数についても、上記実施形態(1流路)に限定されるものではなく、基板2に複数の流路4を設ける構成としても良い。
(実施例)PCB濃度分析用マイクロチップ、及び分析方法
1.PCB濃度分析用マイクロチップの構成
上述の実施形態の構成を備えるPCB濃度分析用のマイクロチップの一例を以下に説明する。
本マイクロチップにおいて、担体として、直径400μmのポリスチレン系粒子径標準粒子(Duke Scientific社製)を使用した。当該担体の表面にPCB−牛血清アルブミン(BSA)複合体(以下、PCB−BSA複合体と称する)を物理吸着にて固定した。
基板の反応部には、直径600μmを有する5つの収容凹部を、中心間距離520μmで第3流路部に沿って一列に並べられた状態で形成し、前記担体をピンセットにより各収容凹部に収容した。
基板は、アクリル樹脂板(スターライト工業社製)を加工して作製し、ポリオレフィン系樹脂の第1被覆フィルム及び第2被覆フィルムを、基板の上面2a及び下面2bの夫々に、マイクロカプセル型接着剤を用いて接着した。
2.分析方法
分析には、蛍光物質としてAlexa Fluor 647(登録商標)(invitrogen社製)を標識した抗PCB抗体を使用した。
抗PCB抗体は、測定物質であるPCBに特異的に結合する結合性物質である。また抗PCB抗体は、担体表面に固定したPCB−BSA複合体とも反応する。
別途、抗PCB抗体を含む溶液と、PCBを含む液体試料との混合液を調製した。上記マイクロチップの導入孔に接続された供給装置(ポンプ)を介して、当該混合液をマイクロチップの導入孔より導入して一定時間送液し続けた。反応部においては、測定物質であるPCBの量に従って、抗PCB抗体を介し担体の表面に蛍光物質Alexa Fluor 647(登録商標)(invitrogen社製)が結合した。
マイクロチップの反応部に励起光(レーザー光)を照射し、発せられる蛍光を蛍光検出装置により検出して蛍光強度を測定した。測定された蛍光強度を、既知量の標準物質を用いてその蛍光強度を測定して作製した検量線にあてはめることで、液体試料中のPCB量を算出した。
また液体試料として、PCBを含まない空試験用液体試料であるゼロ標準液体試料、及びPCB標準物質として終濃度が0.01μg/mLのカネクロール混合物を含む液体試料(PCB標準試料)を用意した。
このゼロ標準液体試料及びPCB標準試料の夫々に対して上述の抗PCB抗体を含む溶液を加えて、2つの混合液を調製した。各混合液を上述と同様にPCB濃度分析用マイクロチップに導入し、その蛍光強度を測定した。その結果、測定回数4回の平均値は、蛍光強度の比(PCB標準試料/ゼロ標準液体試料)の値が0.34であった。
本発明に係るマイクロチップの一実施形態を概略的に示した斜視図 図1のマイクロチップの平面図 図2の矢視線III−IIIにおけるマイクロチップの縦断面図(白抜きの矢印は、検出装置からの励起光を示す) 図1のマイクロチップの反応部を拡大した平面図 図1のマイクロチップの反応部を拡大した縦断面図 図1のマイクロチップの反応部を拡大した縦断面図 図1のマイクロチップの分解斜視図
符号の説明
1 マイクロチップ
2 基板
2a 基板上面
2b 基板下面
3 導入孔(流体導入部)
4 流路
4a 第1流路部
4b 第2流路部
4c 第3流路部
4d 第4流路部
4e 第5流路部
4f 第6流路部
5 排出孔(流体排出部)
6 反応部
7 収容凹部
7a 境界部分
8 第1被覆フィルム
9 第2被覆フィルム
10 担体
11 取付用孔

Claims (3)

  1. 流体を導入する流体導入部と、
    前記流体が流通する流路と、
    前記流体を排出する流体排出部とを備えると共に、
    複数の担体を収容する反応部を前記流路の内部に備え、
    前記複数の坦体の夫々を離間した状態に収容しつつ、前記流体の流通に際して夫々の担体が移動可能となるよう収容する複数の収容凹部を、前記反応部に形成してあるマイクロチップ。
  2. 前記収容凹部が半球状を呈する請求項1に記載のマイクロチップ。
  3. 前記担体が円形断面を有し、前記反応部に臨む流路の高さが前記担体の直径よりも小さく設定され、且つ、互いに隣接する前記収容凹部の境界部分から、その境界部分が相対する前記流路の壁面までの距離が前記担体の直径よりも小さく設定されている請求項2に記載のマイクロチップ。
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