JP2009243924A - 高速増殖炉型原子力発電システム - Google Patents
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Abstract
【課題】炉心の安全性を高めることができ、必要な熱効率及び信頼性を確保することができて、他のプラント機器への影響も無い高速増殖炉型原子力発電システムを提供する。
【解決手段】炉心2を内包する原子炉容器1、一次冷却系配管3、一次冷却系配管3に設置された中間熱交換器4、一次冷却材を強制循環する一次主循環ポンプ5、中間熱交換器4に二次系冷却材を供給する二次冷却系配管6、二次冷却系配管6に接続された蒸気発生器8、二次冷却材を強制循環する二次主循環ポンプ7、蒸気発生器8にて発生した蒸気で駆動される高圧タービン10a及び低圧タービン10b、これら各タービンの軸に連結された発電機11を備えた高速増殖炉型原子力発電システムにおいて、受動的炉心停止時に発生する崩壊熱を空気冷却器53を通して空気中に放散する崩壊熱除去系熱交換器50,50Aを、一次冷却系配管3内又は二次冷却系配管6内に設置する。
【選択図】図1
Description
本発明は、高速増殖炉型原子力発電システムに係り、特に、原子炉の停止時に発生する崩壊熱を空中に放散させる崩壊熱除去系熱交換器の構成及び配置に関する。
高速増殖炉型原子力発電システムにおいては、原子炉容器と中間熱交換器との間で一次系冷却材であるナトリウムを循環させる一次冷却系と、中間熱交換器と蒸気発生器との間で二次系冷却材であるナトリウムを循環させる二次冷却系と、蒸気発生器で発生した蒸気を主蒸気管へ通して高圧タービン及び低圧タービンへと送り、高圧タービン及び低圧タービンの軸と連動した発電機にて発電する給復水・主蒸気系の3系統から成る間接式発電方式が採られている。なお、仕事に使用された蒸気は、沸騰水型あるいは加圧水型軽水炉原子力発電システムと同様に、低圧タービン出口側に設置された復水器で水に戻され、その後、複数の給水加熱器及び給水ポンプ等を通ってそれぞれ加熱及び昇圧され、蒸気発生器内に給水される。
なお、一般的な高速増殖炉システムの炉型は、多くの原子力関連図書、例えば「基礎高速炉工学」、日刊工業新聞社、1993年10月(非特許文献1)などに記載されている。本書に記載されているように、高速増殖炉システムのハード構成には、大きく分けてタンク型とループ型の2タイプがある。
タンク型高速増殖炉は、原子炉容器内に一次主循環ポンプ及び中間熱交換器が収納されるため、一次冷却系がコンパクトになり、原子炉建屋全体を小さくできる可能性がある。また、冷却材のインベントリが大きく、過渡時の温度変化が小さくなる。その反面、中間熱交換器の下部と一次主循環ポンプについては、低温部へ置く必要があるため、隔壁などの設置が必要となって原子炉容器の構造が複雑になり、現象が複雑になりやすい。また、原子炉容器が大きくなるので、耐震性や製作性に対する配慮が必要となる。
一方、ループ型高速増殖炉は、図16に示すように、炉心2を内包する原子炉容器1と中間熱交換器4と一次主循環ポンプ5とが一次冷却系配管3,3a,3bを介して接続されると共に、中間熱交換器4と蒸気発生器8と二次主循環ポンプ7とが二次冷却系配管6を介して接続されているため構造が単純であり、各機器間の冷却材の移動や荷重の伝達は配管を介してのみ行われる。したがって、設計する上で不確定な要素が入る余地が少なく、現象の解明が比較的容易である。また、各機器の独立性が高いために接近が容易であり、保守性、補修性に優れている。その反面、一次冷却系の熱膨張を吸収する一次冷却系配管3の引き回しによっては、一次冷却系の設置面積が大きくなる可能性があるし、一次冷却系配管3からの冷却材漏洩に対処するため、ナトリウム受け容器なども必要になる。よって、このループ型高速増殖炉においては、一次冷却系配管3の短縮化が重要になる。
なお、図16において、符号3aは一次冷却系配管3のホットレグ、符号3bは一次冷却系配管3のコールドレグ、符号9aは蒸気発生器8と高圧タービン10a及び低圧タービン10bとを接続する主蒸気系配管、符号9bは復水器12と給水ポンプ13及び給水加熱器14とを接続する給復水系配管、符号50は中間熱交換器4の上部プレナム内に配置された崩壊熱除去系熱交換器(PRACS)、符号51は原子炉容器1内に配置された崩壊熱除去系熱交換器(DRACS)、符号53は崩壊熱除去系熱交換器50,51の熱を大気中に放熱する空気冷却器、符号54はこれら崩壊熱除去系熱交換器50,51と空気冷却器53とを接続する崩壊熱除去系配管である。
以下、新規のループ型高速増殖炉の開発課題について、説明する。
図17はループ型高速増殖炉の開発課題を纏めた表図であって、この図から明らかなように、主な課題として、経済性、信頼性向上及び安全性向上の3つが挙げられている(例えば、非特許文献2,3参照。)。
経済性に係る課題は、建屋容積及び物量の削減と、高燃焼度化による長期運転サイクルの実現とがあり、建屋容積及び物量の削減に関しては、(1)配管短縮のための高Cr鋼の開発、(2)システム簡素化のための冷却系の2ループ化、(3)一次冷却系簡素化のためのポンプ組込型中間熱交換器の開発、(4)原子炉容器のコンパクト化、(5)システム簡素化のための燃料取扱系の開発、(6)物量削減と工期短縮のための格納容器の小型化が挙げられている。また、高燃焼度化による長期運転サイクルの実現に関しては、(7)高燃焼度化に対応した燃料被覆管の開発が挙げられている。
信頼性向上に係る課題は、ナトリウムの取扱技術に関するものであり、(8)配管2重化によるナトリウム漏洩対策の強化、(9)直管2重伝熱管蒸気発生器の開発、(10)保守及び補修性を考慮したプラント設計が挙げられている。
安全性向上に係る課題は、炉心安全性の向上と建屋の免震技術とがあり、炉心安全性の向上に関しては、(11)受動的炉心停止と自然循環による炉心冷却、(12)炉心損傷時の再臨界回避技術の開発が挙げられている。また、建屋の免震技術に関しては、(13)建屋の3次元免震技術が挙げられている。
本発明は、安全性向上に係る課題の炉心安全性の向上に挙げられた「(11)受動的炉心停止と自然循環による炉心冷却」に対処するための手段に関する。
即ち、受動的炉心停止が発生した際には、一次主循環ポンプ5及び二次主循環ポンプ7が停止するので、炉心の崩壊熱により原子炉容器1内及び一次冷却系配管3,3a、3b内の一次系冷却材、並びに二次冷却系配管6内の二次系冷却体の温度が上昇する。このような崩壊熱による冷却材の昇温を抑制するためには、受動的炉心停止が発生した際に、自動的に原子炉容器1内、各機器及び各配管内の冷却材を冷却するための冷却手段を必要とする。
従来の高速増殖炉型原子力発電システムには、3ループの冷却系配管が設けられており、各ループ毎に、図16に示した中間熱交換器4の上部プレナム内に配置された崩壊熱除去系熱交換器(PRACS)50及び原子炉容器1内に配置された崩壊熱除去系熱交換器(DRACS)51と、二次冷却系配管6内の二次系冷却材を空気冷却器に導いて冷却する崩壊熱除去系熱交換手段(IRACS)とが備えられている。
これに対して、新規のループ型高速増殖炉では、システム構成の簡素化のため、冷却系配管を2ループとすることが計画されており、各ループ毎に1個のDRACSと1個のPRACSと1個のIRACSを配置する構成であると、PRACS及びIRACSの総数が減少し、崩壊熱除去性能が低下することが懸念される。
このため、新規のループ型高速増殖炉では、原子炉容器1内に1つのDRACSを備えるほか、各ループの中間熱交換器4内に2個のPRACSを設置すると共に、各ループの二次冷却系配管に2つのIRACSを設置することが検討されている。
一方、前述の(3)一次冷却系簡素化のためのポンプ組込型中間熱交換器の開発に関しては、中間熱交換器と一次系循環ポンプとを同心に配置したポンプ組込型中間熱交換器が従来より提案されており(例えば、特許文献1参照。)、従来においては、このポンプ組込型中間熱交換器の上部プレナム内にPRACSを設置することが検討されている。
堀雅夫、基礎高速炉工学編集委員会(編)、基礎高速炉工学、日刊工業新聞社、1993年10月 「日本原子力研究開発機構、FBRサイクル実用化研究開発−FaCTプロジェクトが始動−FBR技術に関する研究開発−」、原子力eye,Vol.53,No.3 2007年3月号、P.26の図1 日本原子力学会誌、Vol.49,No.6 2007年 特開2002−341080号公報
堀雅夫、基礎高速炉工学編集委員会(編)、基礎高速炉工学、日刊工業新聞社、1993年10月 「日本原子力研究開発機構、FBRサイクル実用化研究開発−FaCTプロジェクトが始動−FBR技術に関する研究開発−」、原子力eye,Vol.53,No.3 2007年3月号、P.26の図1 日本原子力学会誌、Vol.49,No.6 2007年
上述のように、ポンプ組込型中間熱交換器の上部プレナム内に2個のPRACS50を設置すると、ポンプ組込型中間熱交換器の容器サイズを大型化せざるを得ないので、一次冷却系簡素化の要請に十分に対処することができないばかりでなく、システム性能の面及び機器の信頼性の面から以下のような懸念がある。
即ち、システム性能の面では、一次系冷却材のシステム圧力損失の増加を引き起こしやすく、また、ポンプ吸込み側の位置では飽和圧力状態から見て負圧になりやすいので、ポンプ内キャビテーションを生じる懸念がある。加えて、中間熱交換器4内の上部プレナム部では、PRACS用垂直伝熱管に冷却材が適切な胴側流速(伝熱管の外側を流れる冷却材の流速)で流れるようにしなければPRACSの熱交換性能が低下する。
一方、機器の信頼性の面では、中間熱交換器4内の上部プレナム部において、一次冷却系配管の2ループ化により、一次冷却材が大口径ホットレグ配管内を高速で流れるため、上部プレナム内の入口部に設置されたPRACS用垂直伝熱管に一次冷却材が大流量で流れる際、胴側流体(伝熱管の外側を流れる冷却材)が直交流で横切ることにより、PRACS用垂直伝熱管に流動振動あるいは流力弾性振動が発生する懸念もある。なお、これらの懸念は、二次冷却系配管などについても、同様に問題となる。
本発明は、かかる従来技術の問題点を解決するためになされたもので、高速増殖炉型原子力発電システムの大幅な変更をせずに中間熱交換器の容積を縮小でき、それにより建屋容積及び物量の削減を図ることができ、かつ必要な熱効率及び信頼性を確保することができて、他のプラント機器へ影響の無い高速増殖炉型原子力発電システムを提供することを目的とする。
本発明は、前記課題を解決するため、第1に、炉心を内包する原子炉容器と、前記原子炉容器に一次系冷却材を供給する一次冷却系配管と、前記一次系冷却材と二次系冷却材との間の熱交換を行う中間熱交換器と、前記一次系冷却材を強制循環する一次主循環ポンプと、前記中間熱交換器に前記二次系冷却材を循環する二次冷却系配管と、前記二次系冷却材を強制循環する二次主循環ポンプと、前記二次系冷却材の熱で水を蒸気にまで加熱する蒸気発生器と、前記蒸気発生器に付設された給復水・主蒸気系配管と、前記蒸気発生器にて発生した蒸気からエネルギーを回収する高圧タービン及び低圧タービンと、これら高圧タービン及び低圧タービンに連結された発電機と、前記低圧タービンから排出された蒸気を冷却して凝縮させる復水器とを備えた高速増殖炉型原子力発電システムにおいて、前記一次冷却系配管内に少なくとも1つ以上の崩壊熱除去系熱交換器を設置すると共に、この崩壊熱除去系熱交換器の熱を崩壊熱除去系冷却材を介して空中に放散させることにより前記一次系冷却材を冷却する空気冷却器を備えたことを特徴とする。
かかる構成によると、一次冷却系配管内に崩壊熱除去系熱交換器を設置するので、一次冷却系配管に接続される中間熱交換器を小型化でき、配管ループ及び配置スペースの縮小、ひいては建屋容積及び物量の削減を図ることができる。また、一次冷却系配管内に崩壊熱除去系熱交換器を設置すると、一次系冷却材と崩壊熱除去系冷却材との熱交換を完全対向流方式で実現できるので、一次系冷却材及び崩壊熱除去系冷却材が高速で流れても、崩壊熱除去系熱交換器の熱交換効率を高めることができると共に、流路内の圧損及び伝熱管の流動振動を抑制することができて、システムの信頼性を高めることができる。さらに、崩壊熱除去系熱交換器の熱交換効率を向上できることから、ヒートシンクである空気冷却器をコンパクト化することができ、プラントの炉心安全性を図ることができる。
本発明は第2に、前記第1の高速増殖炉型原子力発電システムにおいて、前記原子炉容器に対して複数ループの前記一次冷却系配管を有し、各ループを構成する前記一次冷却系配管内に、少なくとも1つ以上の前記崩壊熱除去系熱交換器を設置したことを特徴とする。
かかる構成によると、複数ループの一次冷却系配管のそれぞれに配管内へ崩壊熱除去系熱交換器を設置するので、一次系冷却材と崩壊熱除去系冷却材との間の熱交換効率をより高めることができる。
本発明は第3に、前記第1又は第2の高速増殖炉型原子力発電システムにおいて、前記崩壊熱除去系熱交換器の冷却側に前記一次系冷却材より低温の崩壊熱除去系冷却材を封入し、前記崩壊熱除去系熱交換器の被冷却側に前記原子炉容器からの一次系冷却材を供給することを特徴とする。
かかる構成により、配管内へ設置した崩壊熱除去系熱交換器を用いて、一次系冷却材と崩壊熱除去系冷却材との間の熱交換を行うことができる。
本発明は第4に、前記第1乃至第3の高速増殖炉型原子力発電システムにおいて、前記崩壊熱除去系熱交換器は、複数の伝熱管の集合からなる伝熱管束を内蔵しており、前記伝熱管内に前記一次系冷却材を流すと共に、当該伝熱管の外側で前記崩壊熱除去系冷却材を自然循環させることを特徴とする。
かかる構成によると、伝熱管の内部を高圧、伝熱管の外側を低圧にできるので、配管内に設置した崩壊熱除去系熱交換器の伝熱管の応力分布を適正化することができ、伝熱管の薄肉化を図ることができる。
本発明は第5に、前記第1乃至第3の高速増殖炉型原子力発電システムにおいて、前記崩壊熱除去系熱交換器は、複数の伝熱管の集合からなる伝熱管束を内蔵しており、前記伝熱管内で前記崩壊熱除去系冷却材を自然循環させると共に、当該伝熱管の外側に前記一次系冷却材を流すことを特徴とする。
かかる構成によっても、伝熱管の肉厚を適正化することにより、一次系冷却材と崩壊熱除去系冷却材との間の熱交換を行うことができる。また、伝熱管内で崩壊熱除去系冷却材を自然循環させるので、崩壊熱除去系冷却材を循環させるためのエネルギーを必要とせず、設備構成を簡略化できると共に、消費エネルギーの削減を図ることができる。
本発明は第6に、前記第4又は第5の高速増殖炉型原子力発電システムにおいて、前記複数の伝熱管を、前記伝熱管の外側を流れる冷却材の流れ方向に関して上流側の端部及び下流側の端部のいずれか一方が半円形、流線形又はエッジ状に形成された平板状のスペーサを用いて連結し、前記伝熱管束とすることを特徴とする。
かかる構成によると、スペーサに対する冷却材流入側の縮流損失及び冷却材流出側の拡大流損失を低減できるので、伝熱管の外側を流れる冷却材の圧損を低減できて、配管内へ設置した崩壊熱除去系熱交換器の熱交換効率を良好なものにできると共に、流力弾性振動の抑制を図ることができて、崩壊熱除去系熱交換器の耐久性を高めることができる。
本発明は第7に、前記第4又は第5の高速増殖炉型原子力発電システムにおいて、前記複数の伝熱管を、円柱棒状のスペーサを用いて連結し、前記伝熱管束とすることを特徴とする。
かかる構成によっても、スペーサに対する冷却材流入側の縮流損失及び冷却材流出側の拡大流損失を低減できるので、配管内へ設置した崩壊熱除去系熱交換器の熱交換効率及び耐久性を高めることができる。
本発明は第8に、前記第1乃至第7の高速増殖炉型原子力発電システムにおいて、前記崩壊熱除去系熱交換器の冷却材流入部及び冷却材流出部に、前記伝熱管の外側を流れる冷却材の圧損及び流動振動を低減するための均一流入内筒管及び均一流出内筒管を備えたことを特徴とする。
かかる構成によると、均一流入内筒管及び均一流出内筒管を備えることにより、伝熱管の外側を流れる冷却材の流速を均一化できるので、有効伝熱管の面積を大きくすることができ、配管内へ設置した崩壊熱除去系熱交換器の熱交換効率を良好なものにできると共に、伝熱管の外側を流れる冷却材の流動振動を低減できて、伝熱管の耐久性を高めることができる。
本発明は第9に、前記第1乃至第8の高速増殖炉型原子力発電システムにおいて、前記崩壊熱除去系熱交換器を設置した前記一次冷却系配管に、軸方向への熱伸び及び熱収縮を緩和するためのエクスパンション機構を備えたことを特徴とする。
かかる構成によると、エクスパンション機構により配管の軸方向への熱伸び及び熱収縮を緩和できるので、配管内へ設置した崩壊熱除去系熱交換器の熱的な耐久性を高めることができる。
本発明は第10に、前記第1乃至第9の高速増殖炉型原子力発電システムにおいて、前記崩壊熱除去系熱交換器を前記一次冷却系配管の外径よりも太径の配管内に収納し、この崩壊熱除去系熱交換器を収納した配管と前記一次冷却系配管とを、口径拡大管及び口径縮小管を介して接続したことを特徴とする。
かかる構成によると、伝熱管を内蔵したことによって生じる配管内に設置した崩壊熱除去系熱交換器の流路面積の減少を防止できるので、崩壊熱除去系熱交換器内の圧損の増加を低減できる。また、口径拡大管及び口径縮小管を設けることにより、通常の一次冷却系配管との接続が可能になるので、配管内へ設置した崩壊熱除去系熱交換器を採用することによる影響を他の機器の設計に及ぼすことが無く、プラントの設計を容易なものにすることができる。
本発明は第11に、前記第1乃至第10の高速増殖炉型原子力発電システムにおいて、既設の高速増殖炉型原子炉の一次冷却系配管に、前記崩壊熱除去系熱交換器を収納した配管を連結したことを特徴とする。
かかる構成によると、配管内に設置した崩壊熱除去系熱交換器を利用することにより、既設の高速増殖炉型原子炉における一次冷却系配管の低圧損化及び流動振動の低減を図ることができるので、既設の高速増殖炉型原子炉のコンパクト化と、熱交換効率及び耐久性の改善とを図ることができる。
本発明は第12に、前記第1乃至第11の高速増殖炉型原子力発電システムにおいて、既設の高速増殖炉型原子炉の二次冷却系配管に、前記崩壊熱除去系熱交換器を収納した配管を連結したことを特徴とする。
かかる構成によると、配管内に設置した崩壊熱除去系熱交換器を利用することにより、既設の高速増殖炉型原子炉における二次冷却系配管の低圧損化及び流動振動の低減を図ることができるので、既設の高速増殖炉型原子炉のコンパクト化と、熱交換効率及び耐久性の改善とを図ることができる。
本発明は第13に、前記第1乃至第12の高速増殖炉型原子力発電システムにおいて、前記一次冷却系配管に、前記中間熱交換器と前記一次主循環ポンプとを一体に組合わせてなるポンプ組込型中間熱交換器を設置したことを特徴とする。
かかる構成によると、既設の高速増殖炉型原子炉において、中間熱交換器と一次主循環ポンプの配管ループ及び配置スペースを縮小できるので、建屋容積及び物量の削減を図ることができる。
本発明によれば、一次冷却系配管内に少なくとも1つ以上の崩壊熱除去系熱交換器を設置したので、高速増殖炉型原子力発電システムの大幅な変更をせずに中間熱交換器の容積を縮小でき、建屋容積及び物量の削減を図ることができる。また、配管内へ設置した崩壊熱除去系熱交換器は、一次系冷却材と崩壊熱除去系冷却材とを完全対向流方式で熱交換できるので、崩壊熱除去系熱交換器の熱交換効率を高めることができ、プラントの高性能化を図ることができる。
以下、本発明に係る高速増殖炉型原子力発電システムの実施形態を図面を用いて説明する。
図1は実施形態に係る高速増殖炉型原子力発電システムのシステム系統図、図2は一次冷却系配管内に設置された崩壊熱除去系熱交換器の構成図であって、これらの図から明らかなように、本例の高速増殖炉型原子力発電システムは、ループ型高速増殖システムである。
本例の高速増殖炉型原子力発電システムは、図1及び図2に示すように、原子炉容器1と、原子炉容器1内に収納された核分裂性物質を含む炉心2と、原子炉容器1内に設置された崩壊熱除去系熱交換器(DRACS)51と、ホットレグ3a及びコールドレグ3bとから成る一次冷却系配管3と、ホットレグ3a内に設置された崩壊熱除去系熱交換器(PRACS)50Aと、中間熱交換器4と、原子炉容器1内及び一次冷却系配管3内の一次系冷却材(ナトリウム)を循環させる一次主循環ポンプ5と、中間熱交換器4に二次系冷却材(ナトリウム)を供給する二次冷却系配管6と、二次冷却系配管6内の二次系冷却材を循環させる二次主循環ポンプ7と、二次冷却系配管6に接続された蒸気発生器8と、蒸気発生器8にて発生した蒸気を高圧タービン10a及び低圧タービン10bに送る主蒸気系配管9aと、仕事を終えた蒸気を復水器12にて凝縮した水を蒸気発生器8に戻す給復水系配管9bと、高圧タービン10a及び低圧タービン10bの軸に連結された発電機11と、復水器12の下流側で給復水系配管9bに連結された給水ポンプ13及び給水加熱器14とから主に構成されている。
本例の高速増殖炉型原子力発電システムは、炉心2にて加熱された一次系冷却材を中間熱交換器4に通して二次系冷却材を加熱すると共に、この二次系冷却材を蒸気発生器8に通して、主蒸気系配管9aに蒸気を発生させ、この蒸気を高圧タービン10a及び低圧タービン10bに導いて、発電機11により発電を行う。仕事に使用された蒸気は、復水器12で凝縮されて水となり、その後、給水ポンプ13及び給水加熱器14を通ってそれぞれ加熱及び昇圧され、再び蒸気発生器8に給水される。
崩壊熱除去系熱交換器50A,51は、崩壊熱除去系冷却材を封入した崩壊熱除去系配管54を介して空気冷却器53が連結されており、炉心2の受動的停止時に、崩壊熱除去系熱交換器50A,51内の崩壊熱除去系冷却材の温度(高温)と空気冷却器53内の崩壊熱除去系冷却材の温度(低温)との温度差を利用してこれらの各機器間で崩壊熱除去系冷却材を自然循環させ、一次系冷却材を冷却するようになっている。このように、崩壊熱除去系配管54内で崩壊熱除去系冷却材を自然循環させると、崩壊熱除去系冷却材を循環させるための特別な機器を必要としないので、設備を簡略化できると共に、消費エネルギの削減を図ることができる。なお、空気冷却器53は、ファンを用いた強制冷却方式とすることもできるし、ファンを用いない自然冷却方式とすることもできる。強制冷却方式とすれば、崩壊熱除去系冷却材の冷却効率を高めることができ、自然冷却方式とすれば、設備構成の簡略化と消費エネルギの削減とを図ることができる。空気冷却器53は、停電時にも稼働状態に切り替えられるように、非常用電源に接続されることがある。
本例の崩壊熱除去系熱交換器50Aは、図2に示すように、外径が一次冷却系配管3と同径の崩壊熱除去系配管54内に多数の伝熱管17を収納した構成になっており、崩壊熱除去系配管54の両端部に設けられたフランジ19を一次冷却系配管3の端部に設けられたフランジ19に締結することにより、一次冷却系配管3中に設置できる構成になっている。かかる設置方法をとることにより、一次冷却系配管3に対する崩壊熱除去系熱交換器50Aの設置を容易なものにすることができる。なお、一次冷却系配管3に対する崩壊熱除去系熱交換器50Aの設置方法は、上述のフランジ結合に限定されるものではなく、溶接による結合とすることもできる。
崩壊熱除去系配管54内に収納される多数の伝熱管17は、崩壊熱除去系配管54の長さ方向に一定間隔で配置された複数のエッグ・クレート状(卵の仕切り形状)のスペーサ18により、1本ずつ支持される。エッグ・クレート状のスペーサ18を用いると、各スペーサ18について各伝熱管17を2点で支持できるため、荷重受け、圧損低減及び管束の流力弾性振動などの抑制の観点から、構成上最適である。
空気冷却器53から自然循環される低温かつ低圧の崩壊熱除去系冷却材55は、崩壊熱除去系冷却材入口ノズル54aから崩壊熱除去系熱交換器50Aの胴体内へ流入して、伝熱管17内を流れる一次系冷却材15に対してほぼ対向に流れ、崩壊熱除去系冷却材出口ノズル54bから排出される。一方、高温かつ高圧の一次系冷却材15は、ホットレグ3aを通って崩壊熱除去系熱交換器50Aの伝熱管17内へ流入し、崩壊熱除去系冷却材55の流れ方向と対向流で流れる。伝熱管17を出た一次系冷却材15は、中間熱交換器4を介して主循環ポンプ5へ吸い込まれる。
このように、実施形態に係る崩壊熱除去系熱交換器50Aは、細径でシンプルな構造にすることができるので、建屋内のスペースを縮小化することができる。また、既設の一次冷却系配管3を取り外して新たに崩壊熱除去系熱交換器50Aを追設しなくとも良いので、容易に改造工事を行うことができる。さらに、実施形態に係る崩壊熱除去系熱交換器50Aは、一次冷却系配管3の中で対向流熱交換をしながら、崩壊熱除去系冷却材55に容易に熱を伝えることができるので、一次冷却系の圧損を低減することができる。
なお、前記実施形態においては、崩壊熱除去系熱交換器50Aの伝熱管17内に一次系冷却材15を流し、伝熱管17の外側に崩壊熱除去系冷却材55を流したが、これとは逆に、伝熱管17内に崩壊熱除去系冷却材55を流し、伝熱管17の外側に一次系冷却材15を流すこともできる。この場合には、伝熱管17内が低圧になり、伝熱管17外が高圧となるため、伝熱管厚さを厚くするなどの強度的な工夫が必要になるが、実施形態と同様の効果を奏することができる。
このように、本例の高速増殖炉型原子力発電システムは、一次冷却系配管3のホットレグ配管3a内に、崩壊熱除去系熱交換器50Aを設置したので、従来中間熱交換器4内に収納されていた崩壊熱除去系熱交換器(PRACS)を省略することができ、中間熱交換器4の小型化、ひいてはシステム構成の簡素化及び省スペース化を図ることができる。また、崩壊熱除去系熱交換器50Aを細径の一次冷却系配管3内に設置するので、熱交換方式を従来の中間熱交換器4内に崩壊熱除去系熱交換器を収納する場合とは異なり、完全対向流方式にすることができ、この崩壊熱除去系熱交換器50A内を流れる一次系及び二次系冷却材の流速が高速になっても低圧損で流動振動も低減でき、かつ熱交換性能を高めることができる。
即ち、従来例に係る高速増殖炉型原子力発電システムにおいては、崩壊熱除去系熱交換器が中間熱交換器4内に収納されており、その熱交換方式としては、図3(a)に示すように、伝熱管17に対して崩壊熱除去系冷却材が直交する方向に流れる直交流方式がとられている。直交流方式は、崩壊熱除去系冷却材の流れ方向に関する伝熱管17の下流側で温度境界層の剥離が発生するため、熱交換性能が高いという利点を有するが、崩壊熱除去系冷却材の流速が大きくなると、温度境界層の剥離に伴う圧損が大きく、また、直交流による流力弾性振動が大きくなるという問題がある。
これに対して、実施形態に係る高速増殖炉型原子力発電システムは、一次冷却系配管3内に崩壊熱除去系熱交換器50Aを設置したので、図3(b)に示すように、熱交換方式が完全対向流方式となり、伝熱管17とスペーサ18の近傍において、温度境界層が薄膜化される。このため、スペーサ設置による縮流・拡大流の損失はそれほど大きくなく、しかも伝熱管17の間での流力弾性振動も抑制される。熱交換性能に関しては、崩壊熱除去系冷却材の流速を一定とした場合には、従来の崩壊熱除去系熱交換器に比べてやや低下するが、従来の崩壊熱除去系熱交換器に比べて崩壊熱除去系冷却材の流速をかなり大きくすることができるので、トータルの熱交換性能については、従来の崩壊熱除去系熱交換器とほとんど遜色がない。したがって、熱交換器としての3大技術課題である伝熱性能、圧損、流力弾性振動を適切に満足する観点から見ると、本発明に係る配管内へ設置した崩壊熱除去系熱交換器50Aの方が有効であることは自明である。
図4に、従来技術の技術課題に対する本発明による技術課題の回避フローを示す。図4の左側に従来技術のフロー、右側に本発明のフローを示す。まず、一次冷却系配管3の2ループ化により、配管の大口径化を図っても、ホットレグ配管内の平均流速は大きくなる。また、従来の中間熱交換器入口プレナム容器内の平均流速も大きくなる。その結果、崩壊熱除去系熱交換器を構成する伝熱管の外側(胴側)において、高流速の直交流流れにより、伝熱管を横切る流れから発生する渦の放出周期による流体励起振動が生じるので、この流力弾性振動の評価が必要になる。これらの結果、崩壊熱除去系熱交換器の信頼性の低下が懸念される。例えば、胴側流体の圧損の増加、伝熱管の流力弾性振動の増加及び配管サポートの強化が必要になることなどが予想される。
これに対して、本発明では、一次冷却系配管3内へ設置した崩壊熱除去系熱交換器50Aを設置して、高速増殖炉系統システムの簡素化及び省スペース化を図る。また、細長い配管内へ設置した崩壊熱除去系熱交換器50Aを採用することから、完全対向流熱交換方式による熱交換を実現でき、高い熱交換効率を維持できる。したがって、これらのことから、配管内へ設置した崩壊熱除去系熱交換器50Aにおける胴側流体の流れを高速化でき、一次冷却系配管3及び配管内へ設置した崩壊熱除去系熱交換器50Aの信頼性を向上させることができる。即ち、胴側流体の流れが高速になっても、直交流方式と異なり伝熱管17への流体力の作用が小さいので、配管内へ設置した崩壊熱除去系熱交換器50Aの熱交換性能及び信頼性を確保することができる。また、胴側流体の庄損を低減でき、かつ伝熱管17の流力弾性振動を抑制することができて、配管内の流動安定性を確保することが可能となる。
以上のことから、図17に示した開発課題の解決が可能となり、性能はもとより、信頼性を向上することができ、実証炉のハード成立性をクリヤすることが可能となる。
図5に、従来例に係る高速増殖炉型原子力発電システムの配管系統と本発明に係る高速増殖炉型原子力発電システムの配管系統との比較を示す。上図が従来例の配管系統、下図が本発明の配管系統である。従来例は、上図に示すように、3系統の配管系統を備えており、各配管系統毎に、一次冷却系配管3と、一次冷却系配管3に接続された外付けの中間熱交換器4と、原子力容器1内の一次系冷却材を一次冷却系配管3を介して循環させる一次主循環ポンプ5とを備えている。この中間熱交換器4の内部には、崩壊熱除去系熱交換器50が設置されている。
一方、本発明は、配管系統が2系統のみ備えられており、各系統毎に、一次冷却系配管3と、一次冷却系配管3内へ設置された崩壊熱除去系熱交換器50Aと、一次冷却系配管3に接続された外付けの中間熱交換器4と、原子力容器1内の一次系冷却材を一次冷却系配管3を介して循環させる一次主循環ポンプ5とを備えている。
本発明に係る高速増殖炉型原子力発電システムの場合、従来例に比べて、ループ数が3から2へ減少した分だけ、1ループ当りの平均流速が増加することにより流体条件が厳しくなる。また、従来例よりも各機器のコンパクト化を追求した結果、2ループ系統でしかも中間熱交換器4、一次主循環ポンプ5、崩壊熱除去系熱交換器50の各機器を高性能でコンパクト化した点が優れている。
図6に、従来例に係る高速増殖炉型原子力発電システムの配管系統と本発明に係る高速増殖炉型原子力発電システムの配管系統との比較を示す。従来例1は中間熱交換器(IHX)と一次主循環ポンプとが分離して個別に一次系冷却配管に接続された高速増殖炉の配管系統、従来例2は合体された中間熱交換器及び一次主循環ポンプを用いた高速増殖炉の配管系統である。従来例1は、上述のように各機器及び系統が独立していて各々3系統からなる。一方、従来例2は、ループ数が2であり、中間熱交換器と一次主循環ポンプとが合体している。これに対して、本発明は、ループ数が同じく2であり、各ループの配管系統内に、合計2個の崩壊熱除去系熱交換器(PRACS)50Aと、合計2個の中間熱交換器4と、合計2個の一次主循環ポンプ5とが設けられている。
図7に、本発明に係る崩壊熱除去系熱交換器50Aの熱交換方式と温度分布とを示す。図7(a)は配管内へ設置した崩壊熱除去系熱交換器50A内を原子炉容器1の炉心出口からの高温・高圧の一次系冷却材15と空気冷却器53で冷却された低温・低圧の崩壊熱除去系冷却材55とを、対向流方式で熱交換することを示し、図7(b)は流れ方向xに対する温度分布Tの概要を示している。高温・高圧の一次系冷却材15は、崩壊熱除去系熱交換器の入口から出口まで緩やかに温度低下するが、その一方で低温・低圧の崩壊熱除去系冷却材55は、配管内へ設置した崩壊熱除去系熱交換器50Aの入口から出口まで緩やかに温度上昇する。このことから、本発明に係る配管内へ設置した崩壊熱除去系熱交換器50Aは、2つの流体がきれいに完全対向流方式で熱交換する理想的な熱交換器となることがわかる。
図8に、一次冷却系配管3内へ設置した崩壊熱除去系熱交換器50Aの崩壊熱量Q及び原子炉容器内プレナム温度特性の予測結果を示す。図8(a)は除熱特性、図8(b)は過渡温度特性を示す。試算に用いた条件は、原子炉電気出力150万kWeで、DRACS51を1系統、PRACS50Aを2系統とした場合である。図8(a)において、時間の経過とともに炉心崩壊熱Qrは減少し、一方では崩壊熱の除熱量Qeは緩やかに増加する傾向がある。ここでは、除熱方式として、DRACS除熱量QdとPRACS除熱量Qpの2つの冷却方式を用いた場合を示す。これら合計の除熱量Qeは、ある時間を境にして炉心崩壊熱Qrを越えて十分な除熱が行われることがわかる。ここで、事故時を想定し、原子炉冷却材バウンダリ最高温度650℃以下を許容温度Tcritとした。その結果、図8(b)から明らかなように、原子炉容器(RV)ホットプレナム温度Th及び原子炉容器(RV)コールドプレナム温度Tcともに、これらの温度以下となり安全過渡運転上、健全であることを安全解析により確認した。
図9に、本発明に係る崩壊熱除去系熱交換器50Aの交換熱量Qと空間容積比Vとの関係を示す。横軸は標準化交換熱量Q*、縦軸は標準化空間容積比V*である。各々の基準値1.0には、従来例に係る高速増殖炉の崩壊熱除去系熱交換器のサイズを用いて、他の条件は新規の高速増殖炉を想定とした条件で検討した。従来例に係る高速増殖炉の電気出力は25万kW級、新規の高速増殖炉は150万kW級と約6倍大きい。なお、一次冷却系配管3の直径は約1.0mとし、この内部へ設置する伝熱管17は外径を25mm、本数を100本とした。
従来例に係る高速増殖炉は、冷却系統が3ループであるため、電気出力は小さいものの、3基の崩壊熱除去系熱交換器50Aを備えている。これに対して、新規の高速増殖炉は、冷却系統が3ループであるため、これに備えられる崩壊熱除去系熱交換器50Aの容積は、従来例に係る崩壊熱除去系熱交換器を6倍スケールアップしたものよりもさらに1.5倍大きくなる。即ち、新規の高速増殖炉においては、従来例に係る高速増殖炉に比べて、単純計算で約9倍大きな崩壊熱除去系熱交換器が必要となる。そこで、従来例に係る中間熱交換器4内に設置される崩壊熱除去系熱交換器に代えて、本発明に係る崩壊熱除去系熱交換器50Aを設置すると、崩壊熱除去系熱交換器の空間容積を約30%も大幅に減少することができる。なお、縦軸の空間容積は、全ての崩壊熱除去系熱交換器の合計で比較した。
図10に、熱交換器コンパクト指標による本発明に係る崩壊熱除去系熱交換器50Aと従来例に係る外付け方式の一般的熱交換器との比較を示す。この比較は、「日本機械学会論文集、Vol.65,No.631,P.1018、平成11年3月」に記載されたコンパクト化の定義と検討法に基づく。即ち、横軸は胴側レイノルズ数Res、縦軸はPRACS熱交換器の胴側コンパクト指標ηsである。なお、横軸には液体金属特有の無次元数であるペクレ数Pes(=Res・Prs)を用いても良い。ここで、一般的なシェル・チューブ式熱交換器の場合、流体空間の大きな、しかも流体の流れが停留する死水域などの存在する胴側が律則となるため、熱交換器の性能やコンパクト化には、胴側流れに注目すれば良いと考える。
ここで、熱交換器コンパクト指標ηsは次式に示すように、胴側熱伝達率hsと圧力損失係数Kとの比を表し、ηsが大きくなればなるほどコンパクトであることを示している。即ち、コンパクト指標ηsは、伝熱促進構造により付加的に生じる圧力損失の増加に対する伝熱促進割合を無次元数で表した指標であり、具体的には損失係数fsに対する伝熱係数Nusの向上比であり、次の(1)式で定義される。
ただし、Qsは熱交換量、Lsは流路長さ、ΔTsは温度差である。
ただし、ΔPsは圧力差である。
即ち、Qs,Vs,ΔTs,ΔPs及び熱物性値の粘性係数μs、熱伝導率κs、プラントル数Prsが一定の場合、式(5)よりηs∝1/As 2の関係が得られ、ηsは熱交換器のコンパクトさの指標を与え、ηsが大きくなるほどコンパクトになることがわかる。したがって、ηsが大きくなり1.0に漸近することは、圧力損失が小さく伝熱性能が大きくなり、熱交換器が非常にコンパクトになることを意味する。ここで、伝熱管に平滑管を用いるか、伝熱促進するために従来例で用いられているローフィン管などを用いるかは、上記のコンパクト指標を基に適切な管を決定すれば良いので、種々の管を採用する可能性がある。
比較として、従来例に係る熱交換器を併記する。図9から明らかなように、一般的な多管式熱交換器(水−水)、改良型対向流熱交換器(水−水)、及び従来より軽水炉で採用されている湿分分離加熱器(MSH)は、同じRe数で比較すると、ηs=0.1〜0.3であるのに対して、本発明の配管内へ設置した崩壊熱除去系熱交換器50Aはηs=0.5となり、高性能化の上に大幅なコンパクト化が図れることがわかる。ちなみに、この時の胴側レイノルズ数ReはRe>105での高レイノルズ数の範囲での値となる。
以下、本発明に係る高速増殖炉型原子力発電システムの他の実施形態を図11乃至図15に基づいて説明する。
図11は配管内へ設置した崩壊熱除去系熱交換器50A内の伝熱管17を支持するスペーサ18に関するものであり、スペーサ18を薄い平板状の部材をもって構成したこと、当該薄い平板状の部材をもって構成されたスペーサ18の上流側及び下流側の端部を半円状、エッジ状、又は流線形状に形成したこと、並びにスペーサ18を細い円柱棒状の部材をもって構成したことを特徴とする。なお、薄い平板状の部材をもって構成されたスペーサ18の端部を半円状、エッジ状、又は流線形状に形成する加工は、冷却材の流れ方向に関して上流側及び下流側の端部の両方に施すこともできるし、上流側又は下流側のいずれか一方の端部にのみ施すこともできる。かかる構成によると、スペーサ流入側の縮流損失及びスペーサ流出側の拡大流損失を低減できるので、胴側流体の圧損の低下及び胴側流体力による流力弾性振動の抑制を図ることができる。
図12の実施形態は、配管内へ設置した崩壊熱除去系熱交換器50Aの伝熱管17内を流れる冷却材の流れと胴側を流れる冷却材の流れが完全対向流となるように、胴側入口及び出口部の両者へ均一流入内筒管20a及び均一流出内筒管20bを設置したことを特徴とする。これにより、胴側出入口の均一流入出を達成し、有効伝熱管の面積を大きくし、また胴側ノズルから流入する直交流による伝熱管の流動振動を防止する効果が得られる。
図13の実施形態は、配管内へ設置した崩壊熱除去系熱交換器50Aの外管にエクスパンション21を設置したことを特徴とする。これにより、細径かつ長尺で、胴側を構成する外管と伝熱管17の熱伸びの相違に基づく熱応力を生じやすい配管内へ設置した崩壊熱除去系熱交換器50Aの熱応力を緩和することができる。本方式は、一般的に直管式シェル・チューブ熱交換器で用いられている方式である。
図14の実施形態は、配管内へ設置した崩壊熱除去系熱交換器50Aを従来のホットレグ3aよりも太径とし、該太径部内に伝熱管17を設置したことを特徴とする。即ち、本実施例においては、ホットレグ3aの対向部分にそれぞれ口径拡大管22a及び口径縮小管22bを設置し、これらの各管22a,22bの間に、増径された配管内へ設置した崩壊熱除去系熱交換器50Aを接続して成る。これにより、配管内に伝熱管17を設置した崩壊熱除去系熱交換器50A内での胴側流体の流速の増加を抑制でき、細径の配管内へ設置した崩壊熱除去系熱交換器50Aを用いた場合に比べて熱交換効率を高めることができる。
図15の実施形態は、ホットレグ配管3a内に少なくとも2つ以上の崩壊熱除去系熱交換器50Aを設置すると共に、コールドレグ配管3b内に少なくとも1つ以上の崩壊熱除去系熱交換器50Bを設置し、原子炉容器1内に設置した崩壊熱除去系熱交換器(DRACS)51を省略したことを特徴とする。かかる構成によれば、原子炉容器1のさらなるコンパクト化も可能になる。
図11乃至図15に示した技術は、単独で本発明に係る高速増殖炉型原子力発電システムに適用することもできるし、1又は2以上の技術を組合わせて本発明に係る高速増殖炉型原子力発電システムに適用することもできる。これにより、高速増殖炉システムの簡素化が図れると共に、配管内へ設置した崩壊熱除去系熱交換器50Aの更なる高性能化及び高信頼性化を図ることができる。
その他、前記各実施形態においては、一次冷却系配管3に中間熱交換器4及び一次主循環ポンプ5を個別に設置したが、かかる構成に代えて、これらの各機器が一体に構成されたポンプ組込型中間熱交換器(特許文献1参照)を一次冷却系配管3に設置するという構成にすることもできる。かかる構成によると、中間熱交換器4及び一次主循環ポンプ5の設置スペースをコンパクト化できるので、建屋容積及び物量の削減に大きなメリットがある。
また、前記各実施形態においては、崩壊熱除去系熱交換器50Aを一次冷却系配管3内に設置したが、かかる構成に代えて、崩壊熱除去系熱交換器50Aを二次冷却系配管6内に設置することもできる。
加えて、前記実施形態に係る崩壊熱除去系熱交換器50Aは、新規の高速増殖炉型原子力発電システムに適用するほか、既設の高速増殖炉型原子力発電システムに組み込んで、当該高速増殖炉型原子力発電システムに備えられた既存の中間熱交換器4と共同的に運用することもできる。即ち、既存の中間熱交換器4の上流側又は下流側のホットレグ配管又はコールドレグ配管に崩壊熱除去系熱交換器50Aを追設し、既存の中間熱交換器4に崩壊熱除去に必要な熱交換量の一部を代替させる。かかる構成によると、既存の高速増殖炉プラントの運転条件に応じて中間熱交換器4と、配管内へ設置した崩壊熱除去系熱交換器50Aとを併用できるので、中間熱交換器4をコンパクト化することができ、高速増殖炉プラントの安全性及び熱効率を向上させることができる。
1…原子炉容器、2…炉心、3…一次冷却系配管、3a…ホットレグ、3b…コールドレグ、4…中間熱交換器、5…一次主循環ポンプ、6…二次冷却系配管、7…二次主循環ポンプ、8…蒸気発生器、9a…主蒸気系配管、9b…給復水系配管、10a…高圧タービン、10b…低圧タービン、11…発電機、12…復水器、13…給水ポンプ、14…給水加熱器、15…一次系冷却材、16…二次系冷却材、17…伝熱管、18…伝熱管支持スペーサ、19…連結機構、20a…均一流入内筒管、20b…均一流出内筒管、21…エクスパンション、22a…口径拡大管、22b…口径縮小管、50…崩壊熱除去系熱交換器(PRACS)、50A…ホットレグ配管内へ設置した崩壊熱除去系熱交換器、50B…コールドレグ配管内へ設置した崩壊熱除去系熱交換器、51…崩壊熱除去系熱交換器(DRACS)、52…崩壊熱除去系熱交換器(IRACS)、53…空気冷却器、54…崩壊熱除去系配管、54a…崩壊熱除去系入口ノズル、54b…崩壊熱除去系出口ノズル、55…崩壊熱除去系冷却材
Claims (13)
- 炉心を内包する原子炉容器と、
前記原子炉容器に一次系冷却材を供給する一次冷却系配管と、
前記一次系冷却材と二次系冷却材との間の熱交換を行う中間熱交換器と、
前記一次系冷却材を強制循環する一次主循環ポンプと、
前記中間熱交換器に前記二次系冷却材を循環する二次冷却系配管と、
前記二次系冷却材を強制循環する二次主循環ポンプと、
前記二次系冷却材の熱で水を蒸気にまで加熱する蒸気発生器と、
前記蒸気発生器に付設された給復水・主蒸気系配管と、
前記蒸気発生器にて発生した蒸気からエネルギーを回収する高圧タービン及び低圧タービンと、
これら高圧タービン及び低圧タービンに連結された発電機と、
前記低圧タービンから排出された蒸気を冷却して凝縮させる復水器とを備えた高速増殖炉型原子力発電システムにおいて、
前記一次冷却系配管内に少なくとも1つ以上の崩壊熱除去系熱交換器を設置すると共に、この崩壊熱除去系熱交換器の熱を崩壊熱除去系冷却材を介して空中に放散させることにより前記一次系冷却材を冷却する空気冷却器を備えたことを特徴とする高速増殖炉型原子力発電システム。 - 前記原子炉容器に対して複数ループの前記一次冷却系配管を有し、各ループを構成する前記一次冷却系配管内に、少なくとも1つ以上の前記崩壊熱除去系熱交換器を設置したことを特徴とする請求項1に記載の高速増殖炉型原子力発電システム。
- 前記崩壊熱除去系熱交換器の冷却側に前記一次系冷却材より低温の崩壊熱除去系冷却材を封入し、前記崩壊熱除去系熱交換器の被冷却側に前記原子炉容器からの一次系冷却材を供給することを特徴とする請求項1及び請求項2のいずれか1項に記載の高速増殖炉型原子力発電システム。
- 前記崩壊熱除去系熱交換器は、複数の伝熱管の集合からなる伝熱管束を内蔵しており、前記伝熱管内に前記一次系冷却材を流すと共に、当該伝熱管の外側で前記崩壊熱除去系冷却材を自然循環させることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の高速増殖炉型原子力発電システム。
- 前記崩壊熱除去系熱交換器は、複数の伝熱管の集合からなる伝熱管束を内蔵しており、前記伝熱管内で前記崩壊熱除去系冷却材を自然循環させると共に、当該伝熱管の外側に前記一次系冷却材を流すことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の高速増殖炉型原子力発電システム。
- 前記複数の伝熱管を、前記伝熱管の外側を流れる冷却材の流れ方向に関して上流側の端部及び下流側の端部のいずれか一方が半円形、流線形又はエッジ状に形成された平板状のスペーサを用いて連結し、前記伝熱管束とすることを特徴とする請求項4及び請求項5のいずれか1項に記載の高速増殖炉型原子力発電システム。
- 前記複数の伝熱管を、円柱棒状のスペーサを用いて連結し、前記伝熱管束とすることを特徴とする請求項4及び請求項5のいずれか1項に記載の高速増殖炉型原子力発電システム。
- 前記崩壊熱除去系熱交換器の冷却材流入部及び冷却材流出部に、前記伝熱管の外側を流れる冷却材の圧損及び流動振動を低減するための均一流入内筒管及び均一流出内筒管を備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の高速増殖炉型原子力発電システム。
- 前記崩壊熱除去系熱交換器を設置した前記一次冷却系配管に、軸方向への熱伸び及び熱収縮を緩和するためのエクスパンション機構を備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の高速増殖炉型原子力発電システム。
- 前記崩壊熱除去系熱交換器を前記一次冷却系配管の外径よりも太径の配管内に収納し、この崩壊熱除去系熱交換器を収納した配管と前記一次冷却系配管とを、口径拡大管及び口径縮小管を介して接続したことを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれか1項に記載の高速増殖炉型原子力発電システム。
- 既設の高速増殖炉型原子炉の一次冷却系配管に、前記崩壊熱除去系熱交換器を収納した配管を連結したことを特徴とする請求項1乃至請求項10のいずれか1項に記載の高速増殖炉型原子力発電システム。
- 既設の高速増殖炉型原子炉の二次冷却系配管に、前記崩壊熱除去系熱交換器を収納した配管を連結したことを特徴とする請求項1乃至請求項11のいずれか1項に記載の高速増殖炉型原子力発電システム。
- 前記一次冷却系配管に、前記中間熱交換器と前記一次主循環ポンプとを一体に組合わせてなるポンプ組込型中間熱交換器を設置したことを特徴とする請求項1乃至請求項12のいずれか1項に記載の高速増殖炉型原子力発電システム。
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