JP4769836B2 - 高速増殖炉型原子力発電システム及びその運用方法並びにこれに用いられるポンプ組込型中間熱交換器 - Google Patents

高速増殖炉型原子力発電システム及びその運用方法並びにこれに用いられるポンプ組込型中間熱交換器 Download PDF

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Description

本発明は、高速増殖炉型原子力発電システム及びその運用方法並びにこれに用いられるポンプ組込型中間熱交換器に関する。
高速増殖炉型原子力発電システムにおいては、原子炉容器と中間熱交換器との間で一次系冷却材であるナトリウムを循環させる一次冷却系と、中間熱交換器と蒸気発生器との間で二次系冷却材であるナトリウムを循環させる二次冷却系と、蒸気発生器で発生した蒸気を主蒸気配管へ通して高圧タービン及び低圧タービンへと送り、高圧タービン及び低圧タービンの軸と連動した発電機にて発電する給復水・主蒸気系の3系統から成る間接式発電方式が採られている。なお、仕事に使用された蒸気は、沸騰水型あるいは加圧水型軽水炉原子力発電システムと同様に、低圧タービン出口側に設置された復水器で水に戻され、その後、複数の給水加熱器及び給水ポンプ等を通ってそれぞれ加熱及び昇圧され、蒸気発生器内に給水される。
なお、一般的な高速増殖炉システムの炉型は、多くの原子力関連図書、例えば「基礎高速炉工学」、日刊工業新聞社、1993年10月(非特許文献1)などに記載されている。本書に記載されているように、高速増殖炉システムのハード構成には、大きく分けてタンク型とループ型の2タイプがある。
タンク型高速増殖炉は、原子炉容器内に一次主循環ポンプ及び中間熱交換器が収納されるため、一次冷却系がコンパクトになり、原子炉建屋全体を小さくできる可能性がある。また、冷却材のインベントリが大きく、過渡時の温度変化が小さくなる。その反面、中間熱交換器の下部と一次主循環ポンプについては、低温部へ置く必要があるため、隔壁などの設置が必要となって原子炉容器の構造が複雑になり、現象が複雑になりやすい。また、原子炉容器が大きくなるので、耐震性や製作性に対する配慮が必要となる。
一方、ループ型高速増殖炉は、図17に示すように、炉心2を内包する原子炉容器1と中間熱交換器4と一次主循環ポンプ5とが一次冷却系配管3,3a,3bを介して接続されると共に、中間熱交換器4と蒸気発生器8と二次主循環ポンプ7とが二次冷却系配管6を介して接続されているため構造が単純であり、各機器間の冷却材の移動や荷重の伝達は配管を介してのみ行われる。したがって、設計する上で不確定な要素が入る余地が少なく、現象の解明が比較的容易である。また、各機器の独立性が高いために接近が容易であり、保守性、補修性に優れている。その反面、一次冷却系の熱膨張を吸収する一次冷却系配管3の引き回しによっては、一次冷却系の設置面積が大きくなる可能性があるし、一次冷却系配管3からの冷却材漏洩に対処するため、ナトリウム受け容器なども必要になる。よって、このループ型高速増殖炉においては、一次冷却系配管3の短縮化が重要になる。
なお、図17において、符号3aは一次冷却系配管3のホットレグ、符号3bは一次冷却系配管3のコールドレグ、符号9aは蒸気発生器8と高圧タービン10a及び低圧タービン10bとを接続する主蒸気系配管、符号9bは復水器12と給水ポンプ13及び給水加熱器14とを接続する給復水系配管、符号50は中間熱交換器4の上部プレナム内に配置された崩壊熱除去系熱交換器、符号51は原子炉容器1内に配置された崩壊熱除去系熱交換器、符号53は崩壊熱除去系熱交換器50,51の熱を大気中に放熱する空気冷却器、符号54はこれら崩壊熱除去系熱交換器50,51と空気冷却器53とを接続する崩壊熱除去系配管である。
以下、新規のループ型高速増殖炉の開発課題について、説明する。
図20はループ型高速増殖炉の開発課題を纏めた表図であって、この図から明らかなように、主な課題として、経済性、信頼性向上及び安全性向上の3つが挙げられている(例えば、非特許文献2,3参照。)。
経済性に係る課題は、建屋容積及び物量の削減と、高燃焼度化による長期運転サイクルの実現とがあり、建屋容積及び物量の削減に関しては、(1)配管短縮のための高Cr鋼の開発、(2)システム簡素化のための冷却系の2ループ化、(3)一次冷却系簡素化のためのポンプ組込型中間熱交換器の開発、(4)原子炉容器のコンパクト化、(5)システム簡素化のための燃料取扱系の開発、(6)物量削減と工期短縮のための格納容器の小型化が挙げられている。また、高燃焼度化による長期運転サイクルの実現に関しては、(7)高燃焼度化に対応した燃料被覆管の開発が挙げられている。
信頼性向上に係る課題は、ナトリウムの取扱技術に関するものであり、(8)配管2重化によるナトリウム漏洩対策の強化、(9)直管2重伝熱管蒸気発生器の開発、(10)保守及び補修性を考慮したプラント設計が挙げられている。
安全性向上に係る課題は、炉心安全性の向上と建屋の免震技術とがあり、炉心安全性の向上に関しては、(11)受動的炉心停止と自然循環による炉心冷却、(12)炉心損傷時の再臨界回避技術の開発が挙げられている。また、建屋の免震技術に関しては、(13)建屋の3次元免震技術が挙げられている。
本発明は、経済性に係る課題の建屋容積及び物量の削減に挙げられた「(3)一次冷却系簡素化のためのポンプ組込型中間熱交換器の開発」に対処するための手段に関する。
従来、この種のポンプ組込型中間熱交換器としては、図18に符号73で示すように、筒状に形成された中間熱交換器4の内部空間内に一次主循環ポンプ5を内装し、一次主循環ポンプ5のケーシング隔壁73内に中間熱交換器4を取り付けたものが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
また、ポンプ組込型中間熱交換器の他の例としては、図19に符号72で示すように、互いに分離独立した形態で配列された中間熱交換器4及び一次主循環ポンプ5をガードベッセル60内に収納し、一次冷却材を有液面として運転するものも従来提案されている。
堀雅夫、基礎高速炉工学編集委員会(編)、基礎高速炉工学、日刊工業新聞社、1993年10月 「日本原子力研究開発機構、FBRサイクル実用化研究開発−FaCTプロジェクトが始動−FBR技術に関する研究開発−」、原子力eye,Vol.53,No.3 2007年3月号、P.26の図1 日本原子力学会誌、Vol.49,No.6 2007年 特開2002−341080号公報
上述のように、ループ型高速増殖炉においては、一次冷却系配管3の短縮化が求められるが、中間熱交換器4と一次主循環ポンプ5とを個別に連結すると、各機器を連結するための配管スペースが大きくなり、建屋のコンパクト化が図れないので、中間熱交換器4及び一次主循環ポンプ5の集約化が求められる。
図18に示したポンプ組込型中間熱交換器71は、筒状に形成された中間熱交換器4の内部空間内に一次主循環ポンプ5を内装するので、配管スペースの短縮化には有効であるが、一次主循環ポンプ5のケーシング隔壁73内に中間熱交換器4を取り付ける構成であって、駆動時における一次主循環ポンプ5の機械振動が中間熱交換器4へ直接的に伝播される可能性があるため、中間熱交換器4を構成する伝熱管のフレッティングなどによる磨耗や、これに起因する伝熱管の減肉などが懸念される。また、一次主循環ポンプ5のケーシング隔壁73内に中間熱交換器4を取り付ける構成であることから、中間熱交換器4の熱がケーシング隔壁73内を介してポンプシャフトに伝達されやすく、ケーシング隔壁73内を貫通する長尺なポンプシャフトの一部にのみ大きな熱負荷が作用するため、熱負荷の不均一性に基づくシャフトの熱変形が発生しやすく、ひいてはインペラのかじり現象などを生じる懸念がある。
加えて、新規のループ型高速増殖炉においては、上述のように、システム簡素化のための冷却系の2ループ化も課題の1つになっているので、一次系冷却材の供給流量が同じであれば配管1本あたりの一次系冷却材の流量が増加することになり、配管内の流速増加に伴う伝熱管の耐久性も問題となる可能性がある。また、配管内の流速が増加することから、一次系冷却材のシステム圧力損失の増加を引き起こし、ポンプ吸込み側の位置では、飽和圧力状態から見て負圧になることでポンプ内キャビテーションを生じる懸念がある。また、中間熱交換器4の垂直伝熱管に適切な胴側流速(伝熱管の外側を流れる冷却材の流速)で冷却材が流れるようにしなければ、中間熱交換器の熱交換性能が低下することになる。
一方、図19に示したポンプ組込型中間熱交換器72は、中間熱交換器4と一次主循環ポンプ5とが配管を介して連結されているので、一次主循環ポンプ5の機械振動が中間熱交換器4に伝播されにくく、かつ、ポンプシャフトに大きな熱負荷の不均一が作用しないので、機械振動による伝熱管の摩耗や熱負荷の不均一によるポンプシャフトの熱変形等は特に問題にならないが、中間熱交換器4と一次主循環ポンプ5とを単にガードベッセル60内に収納してなる構成であるため、中間熱交換器4と一次主循環ポンプ5との集約化が不十分で、建屋のコンパクト化を図ることが難しい。また、有液面の制御法も必要となる。
本発明は、かかる技術的な課題を解決するためになされたもので、高速増殖炉型原子力発電システムの大幅な変更をせずに、一次主循環ポンプ及び中間熱交換器の容積を縮小できて建屋容積及び物量の削減を図ることができ、かつ必要な熱効率及び信頼性を確保することができて他のプラント機器への影響も無い高速増殖炉型原子力発電システムとその運用方法、並びに高速増殖炉型原子力発電システムに用いられるポンプ組込型中間熱交換器を提供することを目的とする。
本発明は、前記課題を解決するため、高速増殖炉型原子力発電システムに関しては、炉心を内包する原子炉容器と、前記原子炉容器に一次系冷却材を供給する一次冷却系配管と、 前記一次系冷却材と二次系冷却材との間の熱交換を行う中間熱交換器と、前記一次系冷却材を強制循環する一次主循環ポンプと、前記中間熱交換器に前記二次系冷却材を循環する二次冷却系配管と、前記二次系冷却材を強制循環する二次主循環ポンプと、前記二次系冷却材の熱で水を蒸気にまで加熱する蒸気発生器と、前記蒸気発生器に付設された給復水・主蒸気系配管と、前記蒸気発生器にて発生した蒸気からエネルギーを回収する高圧タービン及び低圧タービンと、これら高圧タービン及び低圧タービンに連結された発電機と、前記低圧タービンから排出された蒸気を冷却して凝縮させる復水器とを備えた高速増殖炉型原子力発電システムにおいて、前記中間熱交換器は、前記一次主循環ポンプを内装可能な内部空間を有する筒状に形成して、前記中間熱交換器の下方に配置された第1固定部に固定し、前記一次主循環ポンプは、前記中間熱交換器の内周との間に空隙を設けた状態で前記中間熱交換器の前記内部空間内に内装して、前記中間熱交換器の上方に配置された第2固定部に固定したことを特徴とする。
かかる構成によると、一次主循環ポンプを筒状に形成された中間熱交換器の内部空間内に配置するので、これらの各機器を集約化することができ、配管ループ及び配置スペースの縮小、ひいては建屋容積及び物量の削減を図ることができる。また、一次主循環ポンプと中間熱交換器との間に空隙を設けるので、機械的な振動や熱の遮断が容易になり、伝熱管及びポンプシャフトの耐久性を高めることができる。さらに、中間熱交換器と一次主循環ポンプとを繋ぐ配管を短縮できるので、中間熱交換器の熱交換効率を向上でき、プラントの高性能化を図ることができる。
本発明は第2に、前記第1の高速増殖炉型原子力発電システムにおいて、前記一次主循環ポンプ及び前記中間熱交換器は、ガードベッセル内に収納したことを特徴とする。
かかる構成によると、一次主循環ポンプ及び中間熱交換器をガードベッセル内に収納したので、一次主循環ポンプ又は中間熱交換器から漏洩した一次系冷却材及び二次系冷却材をガードベッセルにて受けることができ、システムの安全性を向上することができる。
本発明は第3に、前記第2の高速増殖炉型原子力発電システムにおいて、前記ガードベッセル内に不活性ガスを充填したことを特徴とする。
かかる構成によると、ガードベッセル内に不活性ガスを充填するので、一次主循環ポンプと中間熱交換器との間に不活性ガスを介在させることができ、これによりそれぞれの機器を熱的に遮断できるので、ポンプシャフトの長さ方向に作用する熱負荷を均一化でき、ポンプシャフトの熱変形を防止できて、一次主循環ポンプの信頼性を向上することができる。
本発明は第4に、前記第1乃至第3の高速増殖炉型原子力発電システムにおいて、原子炉容器に対して複数ループの前記一次冷却系配管を有し、各ループを構成する前記一次冷却系配管の系統内に、少なくとも1つ以上の前記一次主循環ポンプ及び前記中間熱交換器を設置したことを特徴とする。
かかる構成によると、複数ループの一次冷却系配管のそれぞれに一次主循環ポンプ及び中間熱交換器を設置するので、一次系冷却材と二次系冷却材との間の熱交換効率をより高めることができる。
本発明は第5に、前記第1乃至第4の高速増殖炉型原子力発電システムにおいて、前記中間熱交換器の冷却側に前記蒸気発生器からの二次系冷却材を供給し、前記中間熱交換器の被冷却側に前記原子炉容器からの一次系冷却材を供給することを特徴とする。
かかる構成によると、中間熱交換器における一次系冷却材と二次系冷却材との熱交換を完全対向流方式で実現できるので、一次系冷却材及び二次系冷却材が高流速で流れても、流路内の圧損及び流動振動を抑制することができ、中間熱交換器の熱交換効率を高めることができると共に、システムの信頼性を高めることができる。
本発明は第6に、前記第1乃至第5の高速増殖炉型原子力発電システムにおいて、前記中間熱交換器は、複数の伝熱管の集合からなる伝熱管束を内蔵しており、前記伝熱管内に被冷却側の一次系冷却材を流すと共に、当該伝熱管の外側に冷却側の二次系冷却材を流すことを特徴とする。
かかる構成によると、伝熱管の内外に圧力差が生じるので、伝熱管の肉厚を適正化することにより、一次系冷却材と二次系冷却材との間の熱交換を行うことができる。
本発明は第7に、前記第1乃至第5の高速増殖炉型原子力発電システムにおいて、前記中間熱交換器は、複数の伝熱管の集合からなる伝熱管束を内蔵しており、前記伝熱管内に冷却側の二次系冷却材を流すと共に、当該伝熱管の外側に被冷却側の一次系冷却材を流すことを特徴とする。
かかる構成によっても、伝熱管の内部を高圧、伝熱管の外側を低圧にできるので、中間熱交換器内の伝熱管の応力分布を適正化することができ、伝熱管の薄肉化を図ることができる。
本発明は第8に、前記第5乃至第7の高速増殖炉型原子力発電システムにおいて、前記複数の伝熱管を、前記伝熱管の外側を流れる冷却材の流れ方向に関して上流側の端部及び下流側の端部のいずれか一方が半円形、流線形又はエッジ状に形成された平板状のスペーサを用いて連結し、前記伝熱管束とすることを特徴とする。
かかる構成によると、スペーサに対する冷却材流入側の縮流損失及び冷却材流出側の拡大流損失を低減できるので、伝熱管の外側を流れる冷却材の圧損を低減できて、中間熱交換器の熱交換効率を良好なものにできると共に、流力弾性振動の抑制を図ることができて、中間熱交換器の耐久性を高めることができる。
本発明は第9に、前記第5乃至第7の高速増殖炉型原子力発電システムにおいて、前記複数の伝熱管を棒状のスペーサを用いて連結し、前記伝熱管束とすることを特徴とする。
かかる構成によっても、スペーサに対する冷却材流入側の縮流損失及び冷却材流出側の拡大流損失を低減でき、伝熱管の外側を流れる冷却材の圧損を低減できて、中間熱交換器の熱交換効率及び耐久性を高めることができる。
本発明は第10に、前記第5乃至第9の高速増殖炉型原子力発電システムにおいて、前記中間熱交換器の冷却材流入部及び冷却材流出部に、前記伝熱管の外側を流れる冷却材の圧損及び流動振動を低減するための均一流入内筒管及び均一流出内筒管を備えたことを特徴とする。
かかる構成によると、中間熱交換器の冷却材流入部及び冷却材流出部に均一流入内筒管及び均一流出内筒管を備えるので、伝熱管の外側を流れる冷却材の流速を均一化でき、有効伝熱管の面積を大きくすることができて、外側に環状に配置した中間熱交換器の熱交換効率を良好なものにできると共に、伝熱管の外側を流れる冷却材の流動振動を低減でき、伝熱管の耐久性を高めることができる。
本発明は第11に、前記第1乃至第10の高速増殖炉型原子力発電システムにおいて、前記一次主循環ポンプを構成するポンプケーシングの外側に、自然対流抑制機構を設置したことを特徴とする。
かかる構成によると、ポンプケーシングの外側に自然対流抑制機構を設置するので、ポンプケーシングの外周に生じる自然対流渦を自然対流抑制機構により小さく分割することができる。よって、ポンプシャフトの長さ方向に関する不均一な加熱を抑制でき、ポンプシャフトの熱変形、ひいてはインペラのケーシングへのかじりを抑制できて、ポンプの信頼性を向上することができる。
本発明は第12に、前記第1乃至第11の高速増殖炉型原子力発電システムにおいて、前記中間熱交換器の入口プレナム内に、崩壊熱除去系配管を介して空気冷却器に接続された崩壊熱除去系熱交換器を設置したことを特徴とする。
かかる構成によると、中間熱交換器の入口プレナム内に設置した崩壊熱除去系熱交換器を利用することにより、既設の高速増殖炉型原子炉の低圧損化及び流動振動の低減を図ることができるので、既設の高速増殖炉型原子炉の安全性を向上することができる上に、熱交換効率及び耐久性の改善を図ることができる。
本発明は第13に、前記第1乃至第11の高速増殖炉型原子力発電システムにおいて、前記一次冷却系配管内に、前記崩壊熱除去系熱交換器を設置したことを特徴とする。
かかる構成によっても、一次冷却系配管内へ崩壊熱除去系熱交換器を設置したことにより、既設の高速増殖炉型原子炉の低圧損化及び流動振動の低減を図ることができるので、既設の高速増殖炉型原子炉の安全性を向上することができる上に、熱交換効率及び耐久性の改善を図ることができる。
本発明は第14に、前記第1乃至第13の高速増殖炉型原子力発電システムにおいて、前記一次主循環ポンプと前記中間熱交換器の連結配管部に、軸方向への熱伸び及び熱収縮を緩和するためのエクスパンション機構を備えたことを特徴とする。
かかる構成によると、エクスパンション機構により軸方向への熱伸び及び熱収縮を緩和することができるので、一次主循環ポンプの回転による機械的振動を中間熱交換器へ伝播することを抑制することができ、また当該ポンプの軸方向への熱伸びによる変形を緩和することができて、一次主循環ポンプ及び中間熱交換器の信頼性及び耐久性を高めることができる。
また、本発明は、前記課題を解決するため、高速増殖炉型原子力発電システムの運用方法に関しては、炉心を内包する原子炉容器と、前記原子炉容器に一次系冷却材を供給する一次冷却系配管と、前記一次系冷却材と二次系冷却材との間の熱交換を行う中間熱交換器と、前記一次系冷却材を強制循環する一次主循環ポンプと、前記中間熱交換器に前記二次系冷却材を循環する二次冷却系配管と、前記二次系冷却材を強制循環する二次主循環ポンプと、前記二次系冷却材の熱で水を蒸気にまで加熱する蒸気発生器と、前記蒸気発生器に付設された給復水・主蒸気系配管と、前記蒸気発生器にて発生した蒸気からエネルギーを回収する高圧タービン及び低圧タービンと、これら高圧タービン及び低圧タービンに連結された発電機と、前記低圧タービンから排出された蒸気を冷却して凝縮させる復水器とを備え、前記中間熱交換器は、前記一次主循環ポンプを内装可能な内部空間を有する筒状に形成して、前記中間熱交換器の下方に配置された第1固定部に固定し、前記一次主循環ポンプは、前記中間熱交換器の内周との間に空隙を設けた状態で前記中間熱交換器の前記内部空間内に内装して、前記中間熱交換器の上方に配置された第2固定部に固定した高速増殖炉型原子力発電システムの運用方法において、前記一次主循環ポンプの外周に配置された前記中間熱交換器により、前記一次系冷却材と二次系冷却材との間の熱交換を行うことを特徴とする。
かかる構成によると、中間熱交換器の冷却側に蒸気発生器からの二次系冷却材を供給し、中間熱交換器の被冷却側に原子炉容器からの一次系冷却材を供給することにより、中間熱交換器における一次系冷却材と二次系冷却材との熱交換を完全対向流方式で実現できるので、一次系冷却材及び二次系冷却材が高流速で流れても、流路内の圧損及び流動振動を抑制することができ、中間熱交換器の熱交換効率を高めることができると共に、システムの信頼性を高めることができる。
さらに、本発明は、前記課題を解決するため、ポンプ組込型中間熱交換器に関しては、一次主循環ポンプを内装可能な内部空間を有する筒状に形成され、下方に配置された第1固定部に固定された中間熱交換器と、前記中間熱交換器の内周との間に空隙を設けた状態で前記中間熱交換器の前記内部空間内に内装され、上方に配置された第2固定部に固定された前記一次主循環ポンプとを備えたことを特徴とする。
一次主循環ポンプを筒状に形成された中間熱交換器の内部空間内に配置することにより、これらの各機器を集約化することができ、配管ループ及び配置スペースの縮小を図ることができる。また、一次主循環ポンプと中間熱交換器との間に空隙を設けるので、機械的な振動や熱の遮断が容易になり、伝熱管及びポンプシャフトの耐久性を高めることができる。さらに、中間熱交換器と一次主循環ポンプとを繋ぐ配管を短縮できるので、中間熱交換器の熱交換効率を向上できる。
本発明は、筒状に形成された中間熱交換器の内部空間内に一次主循環ポンプを内装し、中間熱交換器の内周と一次主循環ポンプの外周との間に空隙を設け、かつこれら一次主循環ポンプ及び中間熱交換器をそれぞれ異なる固定部に固定したポンプ組込型中間熱交換器を備えるので、一次主循環ポンプ及び中間熱交換器の構成を集約化でき、高速増殖炉型原子力発電システムの配管ループ及び配置スペースを縮小できて、建屋容積及び物量の削減を図ることができる。また、一次主循環ポンプと中間熱交換器との間に作用する機械振動や熱の遮断が容易になるので、伝熱管及びポンプシャフトの耐久性を高めることができて、プラントの高性能化と信頼性の向上を図ることができる。
以下、本発明に係る高速増殖炉型原子力発電システムの実施形態を図面を用いて説明する。
図1は実施形態に係る高速増殖炉型原子力発電システムのシステム系統図、図2は実施形態に係るポンプ組込型中間熱交換器であって、これらの図から明らかなように、実施形態に係る高速増殖炉型原子力発電システムは、ループ型高速増殖炉システムである。
本例の高速増殖炉型原子力発電システムは、図1及び図2に示すように、原子炉容器1と、原子炉容器1内に収納された核分裂性物質を含む炉心2と、ホットレグ3a及びコールドレグ3bとから成る一次冷却系配管3と、中間熱交換器4及び一次主循環ポンプ5を同心に配置してガードベッセル60内に収納したポンプ組込型中間熱交換器61と、中間熱交換器4に二次系冷却材(ナトリウム)を供給する二次冷却系配管6と、二次冷却系配管6内の二次系冷却材を循環させる二次主循環ポンプ7と、二次冷却系配管6に接続された蒸気発生器8と、蒸気発生器8にて発生した蒸気を高圧タービン10a及び低圧タービン10bに送る主蒸気系配管9aと、仕事を終えた蒸気を復水器12にて凝縮した水を蒸気発生器8に戻す給復水系配管9bと、高圧タービン10a及び低圧タービン10bの軸に連結された発電機11と、復水器12の下流側で給復水系配管9bに連結された給水ポンプ13及び給水加熱器14とから主に構成されている。
また、原子炉容器1内には、崩壊熱除去系熱交換器51が設置され、ポンプ組込型中間熱交換器61内には、崩壊熱除去系熱交換器50が設置される。これらの各崩壊熱除去系熱交換器50,51からの崩壊熱は、崩壊熱除去系冷却材を封入した崩壊熱除去系配管54に連結されて、自然循環により上部に設置された空気冷却器53から外部へ放熱される。この空気冷却器53はファンを用いた強制冷却方式でもファン無しの自然冷却方式でも良い。
なお、図1には図示が省略されているが、この高速増殖炉型原子力発電システムには、一次冷却系配管3以降の各機器が2系統備えられている。
本例の高速増殖炉型原子力発電システムは、炉心2にて加熱された一次系冷却材を中間熱交換器4に通して二次系冷却材を加熱すると共に、この二次系冷却材を蒸気発生器8に通して発生した蒸気を、主蒸気系配管9aに供給し、この蒸気を高圧タービン10a及び低圧タービン10bに導いて、発電機11により発電を行う。仕事に使用された蒸気は、復水器12で凝縮されて水となり、その後、給水ポンプ13及び給水加熱器14を通ってそれぞれ加熱及び昇圧され、再び蒸気発生器8に給水される。
ポンプ組込型中間熱交換器61は、図2により詳細に示すように、一次主循環ポンプ5を内装可能な内部空間を有する筒状に形成された中間熱交換器4と、中間熱交換器4の内部空間内に内装され、中間熱交換器4の内周とポンプケーシング5aとの間に所定の空隙が形成されるように配置された一次主循環ポンプ5と、これらを収納するガードベッセル60とから主に構成されている。ガードベッセル60は、上蓋80によって密封されており、その内部には、中間熱交換器4と一次主循環ポンプ5との間の断熱性を高めるための不活性ガス70が充填される。
中間熱交換器4は、上部管板68a及び下部管板68bに接続された多数の伝熱管17を環状に配置してなり、下部管板68bは、所要の脚体31を介して第1固定部32に固定される。
これに対して、一次主循環ポンプ5は、ポンプケーシング5aと、その中央に配置されたポンプシャフト63とを有しており、ポンプシャフト63の下端にインペラ62が設けられ、ポンプケーシング5aの上部が、一次系ポンプ吐出側上部プレナム67になっている。ポンプシャフト63の上部は、ポンプケーシング5a及び上蓋80を貫通して、上蓋80の上方に達しており、上蓋80上に設置されたモータ64に連結されている。上蓋80は、第2固定部33に固定される。したがって、一次主循環ポンプ5及びガードベッセル60も、上蓋80を介して第2固定部33に固定されるされることになる。
一次冷却系配管3を通ってガードベッセル60の上部プレナム65内に流入した一次系冷却材15は、中間熱交換器4を構成する多数の伝熱管の内部を下降流として流れ、その間に二次冷却系配管6を通ってガードベッセル60内に導入された二次系冷却材16と完全対向流で熱交換し、ガードベッセル60の下部プレナム66から連結配管3dを介して一次主循環ポンプ5のインペラ62に吸い込まれ、冷却された一次系冷却材15が一次冷却系配管3を通って排出されてゆく。
このように、本例の高速増殖炉型原子力発電システムは、筒状に形成された中間熱交換器4と、中間熱交換器4の内部空間内に同心状に内装された一次主循環ポンプ5と、これらを一体に収納するガードベッセル60とからなるポンプ組込型中間熱交換器61を備えるので、中間熱交換器4及び一次主循環ポンプ5の設定スペースを小さくすることができ、原子力発電システムの省スペース化及びシステム構成の簡素化を図ることができる。また、中間熱交換器4と一次主循環ポンプ5との間に空隙を設けるので、一次主循環ポンプ5の駆動に伴う機械振動が中間熱交換器4に伝わりにくく、中間熱交換器4の耐久性を高めることができる。さらに、中間熱交換器4と一次主循環ポンプ5との間に空隙を設け、かつガードベッセル60内に熱伝導率の低い不活性ガス70を充填するので、一次主循環ポンプ5と中間熱交換器4とを熱的に遮断することができ、ポンプシャフト63の熱変形を防止することができる。加えて、中間熱交換器4を構成する細径の伝熱管を上部管板68aと下部管板68bとの間に配置するので、熱交換方式を、従来の中間熱交換器のように流体が伝熱管外をじぐざぐと流れる直交流方式ではなく、完全対向流方式にできるので、ガードベッセル60内へ設置した中間熱交換器4を構成する伝熱管内外において一次系及び二次系冷却材が高速で流れても、低圧損で流動振動も低減できる上に、熱交換性能が向上する。
なお、必要な交換熱量に見合う伝熱面積を確保するためには、このガードベッセル60内へ設置した中間熱交換器4を必要な長さでユニット化して、これを連結配管3dを介して一次主循環ポンプ5に直列に接続すれば良い。
図3に、従来技術に対する本発明による技術課題の回避フローを示す。図3の左側に従来技術のフロー、右側に本発明のフローを示す。まず、一次主循環ポンプ5と大型中間熱交換器4をケーシング隔壁73を介して合体させた場合、一次主循環ポンプ5は中間熱交換器5から軸方向及び周方向へ不均一な加熱を受けて、長尺のポンプシャフト63が熱変形する可能性がある。その結果、一次主循環ポンプ5のインペラ62はケーシングとかじり現象を発生する懸念がある。また、中間熱交換器4は一次主循環ポンプ5から回転時の機械振動を受けて伝熱管17のフレッティング磨耗を生じる可能性がある。その結果、伝熱管の減肉及び破損に至る懸念がある。
これに対して、本発明では、一次主循環ポンプ5と中間熱交換器4を同心状に、かつ環状に配置して、各機器を連結配管3dで接続し、これらをガードベッセル60内へ収納し、さらにこの空間内へ不活性ガス70を充填する。この場合、一次主循環ポンプ5は中間熱交換器4から軸方向及び周方向に関してほぼ均一な加熱を受けるため、ポンプシャフト63の熱変形を抑制することができる。即ち、不活性ガス70が断熱作用として働き、熱遮蔽効果が向上する。その結果、一次主循環ポンプ5のインペラ62はケーシングとのかじり現象を防止することが可能となる。また、中間熱交換器4は一次主循環ポンプ5と一体の壁で連結されていないので、一次主循環ポンプ5から回転時の機械振動があっても振動力を減衰させることができ、伝熱管17のフレッティング磨耗を抑制することができる。その結果、伝熱管の減肉及び破損を防止することが可能となる。
以上のことから、図20に示した開発課題の解決が可能となり、性能はもとより、信頼性を向上することができ、高速増殖炉型原子力発電システムのハード成立性をクリヤすることができる。
図4に、従来例に係る高速増殖炉型原子力発電システムの配管系統と本発明に係る高速増殖炉型原子力発電システムの配管系統との比較を示す。上図が従来例の配管系統、下図が本発明の配管系統である。従来例は、上図に示すように、3系統の配管系統を備えており、各配管系統毎に、一次冷却系配管3と、一次冷却系配管3に接続された外付けの中間熱交換器4と、原子力容器1内の一次系冷却材をホットレグ3a及びコールドレグ3bを介して循環させる一次主循環ポンプ5とを備えている。この中間熱交換器4の内部には、崩壊熱除去系熱交換器50が設置されている。
一方、本発明は、配管系統が2系統のみ備えられており、各系統毎に、一次冷却系配管3と、一次冷却系配管3内へ設置された崩壊熱除去系熱交換器50Aと、一次冷却系配管3に接続されたポンプ組込型中間熱交換器61とを備えている。ここで、一次主循環ポンプ5は中間熱交換器4と一体に表記されているが、一次冷却系配管3内に設置された原子力容器1内の一次系冷却材をホットレグ3a及びコールドレグ3bを介して循環させる機能を有する。
本発明に係る高速増殖炉型原子力発電システムの場合、従来例に比べて、ループ数が3から2へ減少した分だけ、1ループ当りの平均流速が増加することにより流体条件が厳しくなる。また、従来例よりも各機器のコンパクト化を追求した結果、2ループ系統でしかも中間熱交換器4、一次主循環ポンプ5、崩壊熱除去系熱交換器50の各機器を高性能でコンパクト化した点が優れている。
図5に、従来例に係る高速増殖炉型原子力発電システムの配管系統と本発明に係る高速増殖炉型原子力発電システムの配管系統との比較を示す。従来例1は中間熱交換器(IHX)と一次主循環ポンプとが分離して個別に一次系冷却配管に接続された高速増殖炉の配管系統、従来例2は合体された中間熱交換器及び一次主循環ポンプを用いた高速増殖炉の配管系統である。従来例1は、上述のように各機器及び系統が独立していて各々3系統からなる。一方、従来例2は、ループ数が2であり、中間熱交換器と一次主循環ポンプとが合体している。これに対して、本発明は、ループ数が同じく2であり、各ループの配管系統内に、崩壊熱除去系熱交換器(PRACS)50Aと、同心状に配置された一次主循環ポンプ5及び中間熱交換器4とが設けられている。
図6に、実施形態に係る中間熱交換器の一例を示す。この例では、中間熱交換器4内を複数のエッグ・クレート状(卵の仕切り形状)のスペーサ18にて仕切り、このスペーサ18にて仕切られた各空間内に伝熱管17を1本ずつ収納して、保持するようになっている。このように、エッグ・クレート状のスペーサ18を用いると、スペーサ18により各伝熱管17を少なくとも2点で支持できるため、荷重受け、圧損低減及び管束の流力弾性振動抑制の観点から、構成上最適である。
二次冷却系配管6を流れる低温かつ高圧の二次系冷却材16は、一次主循環ポンプ5の外側に環状に配置された伝熱管束からなる中間熱交換器4の胴体内へ流入して、伝熱管17内を流れる一次系冷却材15に対してほぼ対向に流れ、出口二次系配管6から流出される。一方、高温かつ低圧の一次系冷却材15は、ホットレグ3aの垂直部から一次冷却系配管3内に流入した後に、上部プレナム65を通って中間熱交換器4の伝熱管17内へ流入し、二次系冷却材16の流れ方向と対向流で流れる。そして、伝熱管17を出た一次系冷却材15は、下部プレナム66に集められて連結配管3dを介して、上向き垂直配管を上昇して一次主循環ポンプ5へ吸い込まれる。このように、本発明のポンプ組込型中間熱交換器61は、一次主循環ポンプ5の外周に配置した環状の中間熱交換器4が、複数の伝熱管17の中で対向流で熱交換をしながら、二次系へ容易に熱を伝えることができるので、一次冷却系の圧損を低減することができる。
なお、前記実施例においては、環状に配置した中間熱交換器4の伝熱管17内に一次系冷却材15を流し、伝熱管17の外側に二次系冷却材16を流したが、これとは逆に、伝熱管17内に二次系冷却材16を流し、伝熱管17の外側に一次系冷却材15を流すこともできる。この場合には、伝熱管17内が高圧になり、伝熱管17外が低圧となるため、伝熱管厚さを薄くできるなどの効果がある。
図7に、本発明に係る中間熱交換器4の熱交換方式と温度分布とを示す。図7(a)は環状に配置した中間熱交換器4内を原子炉容器1の炉心出口からの高温・低圧の一次系冷却材15と蒸気発生器8で冷却された低温・高圧の二次系冷却材16とを対向流方式で熱交換することを示し、図7(b)は流れ方向xに対する温度分布Tを示している。高温・低圧の一次系冷却材15は、中間系熱交換器4の入口から出口まで緩やかに温度低下するが、その一方で低温・高圧の二次系冷却材16は、環状に配置した中間熱交換器4の入口から出口まで緩やかに温度上昇する。このことから、本発明に係るポンプ組込型中間熱交換器61に備えられる中間熱交換器4は、2つの流体がきれいに完全対向流方式で熱交換する理想的な熱交換器となることがわかる。
図8に、本発明に係る中間熱交換器4の交換熱量と空間容積比との関係を示す。横軸は標準化交換熱量Q、縦軸は標準化空間容積比Vである。各々の基準値1.0には、従来例に係る高速増殖炉の中間熱交換器のサイズを用い、他の条件は新規の高速増殖炉を想定した条件で検討した。従来例に係る高速増殖炉の電気出力は約25万kW級、新規の高速増殖炉は150万kW級と約6倍大きい。なお、一次冷却系配管3の直径は約1.0mとし、この内部へ設置する伝熱管17は外径を25mm、本数を100本とした。
従来例に係る高速増殖炉は、冷却系統が3ループであるため、電気出力は小さいものの、3基の中間熱交換器4を備えている。これに対して、新規の高速増殖炉は、冷却系統が2ループであるため、これに備えられる中間熱交換器4の容積は、従来例に係る中間熱交換器を6倍スケールアップしたものよりもさらに1.5倍大きくなる。即ち、新規の高速増殖炉においては、従来例に係る高速増殖炉に比べて、単純計算で約9倍大きい中間熱交換器4が必要となる。そこで、図5に示した従来例1に係る熱交換器に代えて、本発明に係る中間熱交換器4を設置すると、中間熱交換器の空間容積を約40%も大幅に減少することができる。なお、縦軸の空間容積は、全ての中間熱交換器の合計で比較した。
図9に、熱交換器コンパクト指標による本発明に係る中間熱交換器4と従来例に係る外付け方式の中間熱交換器との比較を示す。この比較は、「日本機械学会論文集、Vol.65,No.631,P.1018、平成11年3月」に記載されたコンパクト化の定義と検討法に基づく。即ち、横軸は胴側レイノルズ数Re、縦軸は中間熱交換器の胴側コンパクト指標ηである。なお、横軸には液体金属特有の無次元数であるペクレ数Pe(=Re・Pr)を用いても良い。ここで、一般的なシェル・チューブ式熱交換器の場合、流体空間の大きな、しかも流体の流れが停留する死水域などの存在する胴側が律則となるため、熱交換器の性能やコンパクト化には、胴側流れに注目すれば良いと考える。
ここで、中間熱交換器コンパクト指標ηは次式に示すように、胴側熱伝達率hと圧力損失係数Kとの比を表し、ηが大きくなればなるほどコンパクトであることを示している。即ち、コンパクト指標ηは、伝熱促進構造により付加的に生じる圧力損失の増加に対する伝熱促進割合を無次元数で表した指標であり、具体的には損失係数fに対する伝熱係数Nuの向上比であり、次の(1)式で定義される。
Figure 0004769836
ここで、Colburnのjファクターは次の(2)式で表される。
Figure 0004769836
また、式(1)に用いる摩擦損失係数f′は、Colburn の定義に基づき、次の(3)式で定義した。
Figure 0004769836
ここで、Nu及びReは、次の(4)式の通りである。
Figure 0004769836
ただし、Qは熱交換量、Lは流路長さ、ΔTは温度差である。
上記の式(4)を式(2),(3)へ代入し、面積はA=πd /4、体積流量はV=vの関係を用いると、式(1)のηは次の(5)式のようになる。
Figure 0004769836
ただし、ΔPは圧力差である。
即ち、Q,V,ΔT,ΔP及び熱物性値の粘性係数μ、熱伝導率κ、プラントル数Prが一定の場合、式(5)よりη∝1/A の関係が得られ、ηは中間熱交換器のコンパクトさの指標を与え、ηが大きくなるほどコンパクトになることがわかる。したがって、ηが大きくなり1.0に漸近することは、圧力損失が小さく伝熱性能が大きくなり、熱交換器が非常にコンパクトになることを意味する。ここで、伝熱管に平滑管を用いるか、伝熱促進するために従来例で用いられているローフィン管などを用いるかは、上記のコンパクト指標を基に適切な管を決定すれば良いので、種々の管を採用する可能性がある。
比較として、従来例に係る熱交換器を併記する。図9から明らかなように、一般的な多管式熱交換器(水−水)、改良型対向流熱交換器(水−水)、及び従来より軽水炉で採用されている湿分分離加熱器(MSH)は、同じRe数で比較すると、η=0.1〜0.3であるのに対して、本発明の一次主循環ポンプと同心状でかつ一体化した中間熱交換器4はη=0.5となり、高性能化の上に大幅なコンパクト化が図れることがわかる。ちなみに、この時の条件の胴側レイノルズ数ReはRe>10での高レイノルズ数の範囲での値となる。
図10に、従来例に係る中間熱交換器と本発明に係る中間熱交換器4の熱交換方式の相違を示す。上図は従来例に係る中間熱交換器であり、流体が伝熱管17の間を直交流で横切る流れになっており、伝熱管17の下流側で温度境界層がはく離しやすく、比較的低流速でも胴側熱伝達率hが大きくなる。そして、はく離が生じることにより圧力損失が大きくなり、また熱交換器特有の伝熱管束間での流動振動の一種である流力弾性振動が大きくなりやすい。一方、下図は本発明に係る中間熱交換器4の場合であり、流体が伝熱管17の間を対向流で流れる。そして、伝熱管17とスペーサ18の近傍での温度境界層の薄膜化により、胴側熱伝達率hが管内側とほぼ同等か僅かに大きくなるが、スペーサ設置による縮流・拡大流損失はそれほど大きくなく、しかも伝熱管17の間での流力弾性振動も抑制される。したがって、熱交換器としての3大技術課題である伝熱性能、圧損、流力弾性振動を適切に満足する観点から見ると、本発明に係るポンプ組込型中間熱交換器の方が、従来のような直交流方式に比べて有効であることがわかる。
以下、本発明に係る高速増殖炉型原子力発電システムの他の実施例を図11乃至図16に基づいて説明する。
図11は中間熱交換器4内の伝熱管17を支持するスペーサ18に関するものであり、スペーサ18を薄い平板状の部材をもって構成したこと、当該薄い平板状の部材をもって構成されたスペーサ18の上流側及び下流側の端部を半円状、エッジ状、又は流線形状に形成したこと、並びにスペーサ18を細い円柱棒状の部材をもって構成したことを特徴とする。なお、薄い平板状の部材をもって構成されたスペーサ18の端部を半円状、エッジ状、又は流線形状に形成する加工は、冷却材の流れ方向に関して上流側及び下流側の端部の両方に施すこともできるし、上流側又は下流側のいずれか一方の端部にのみ施すこともできる。かかる構成によると、スペーサ流入側の縮流損失及びスペーサ流出側の拡大流損失を低減できるので、胴側流体の圧損の低下及び胴側流体力による流力弾性振動の抑制を図ることができる。
なお、図11のスペーサ18には、従来より用いられている三ツ葉型あるいは四ツ葉型のバッフル板を用いても、同様の伝熱管内と対向流の流れを形成することができる。この場合、従来の直交流となる切欠きバッフル板に比べて、少なくとも1つ以上の接点で、伝熱管とバッフル板を接触するため、伝熱管の構造・信頼性の面からも良好である。
図12の実施例は、中間熱交換器4の伝熱管17内を流れる冷却材の流れと胴側を流れる冷却材の流れが完全対向流とるように、胴側入口及び出口部の両者へ均一流入内筒管20a及び均一流出内筒管20bを設置したことを特徴とする。これにより、胴側出入口の均一流入出を形成し、有効伝熱管の面積を大きくし、また胴側ノズルから流入する直交流による伝熱管の流動振動を防止する効果が得られる。
図13の実施例は、中間熱交換器4の一次主循環ポンプケーシング外壁73へ対流抑制機構74を設置したことを特徴とする。これにより、各種運転条件に係る中間熱交換器4の温度分布や一次主循環ポンプケーシング外壁73の周方向及び軸方向に生じる温度不均一、即ち、一次主循環ポンプ5内部へ入熱する熱負荷の不均一性を抑制し、その結果として一次主循環ポンプ5への加熱条件をなるべく均一化することができる。つまり、大きな縦形の自然対流渦の形成を抑制して、小さく分割された自然対流渦として、ケーシング外側の熱伝達境界をほぼ均一にすることができる。これにより、一次主循環ポンプ5のポンプシャフト63が長尺であっても熱膨張に起因する熱変形を抑制することができ、インペラ62のかじり等を防止することができる。
図14の実施例は、ポンプ組込型中間熱交換器61の連結配管3dにエクスパンション21を設置したことを特徴とする。これにより、細径配管であっても、一次主循環ポンプ5の軸方向への熱伸びと中間熱交換器4の管束をカバーする胴側を構成する外管と伝熱管17の熱伸びの相違に基づく熱応力を生じやすい環状配置型中間熱交換器4の熱応力を緩和することができる。本方式は、一般的に直管式シェル・チューブ熱交換器でも用いられている。
図15の実施例は、ポンプ組込型中間熱交換器61の入口部内に少なくとも1つ以上の崩壊熱除去系熱交換器50を設置したことを特徴とする。例えば、ポンプ組込型中間熱交換器61の入口部内に2つの崩壊熱除去系熱交換器50を設置すれば、図15内に記載の原子炉内に設置した崩壊熱除去系熱交換器51を削除することも可能となり、原子炉容器1を従来よりもコンパクトにできる。また、ポンプ組込型中間熱交換器61の上部空間に崩壊熱除去系熱交換器50を有効にかつ適切に配置することができるため、これら構造もコンパクト化が図れる。これにより、必要な交換熱量に対応したシステムを構成しやすくなると共に、配管口径が一定の場合、各熱交換器内の管側及び胴側平均流速を低減できて、両側の圧損及び流動振動を抑制できる点で有効となる。なお、従来においては、通常大きな2基の中間熱交換器を設置して、この容器内で崩壊熱除去に必要な交換熱量に対応しているが、本実施例は、これに比べて中間熱交換器の容積をコンパクト化でき、その結果として一次冷却系機器及び配管系統の設置空間を非常に小さなものにできるというメリットがある。
図16の実施例は、ホットレグ配管3a内に少なくとも1つ以上の崩壊熱除去系熱交換器50Aを設置したことを特徴とする。なお、コールドレグ配管3b内に少なくとも1つ以上の崩壊熱除去系熱交換器を設置することもできる。例えば、ホットレグ配管3a内に2つの崩壊熱除去系熱交換器50Aを設置し、コールドレグ配管3b内に2つの崩壊熱除去系熱交換器を設置すれば、原子炉容器1内に設置した崩壊熱除去系熱交換器51を削除することも可能となり、一次冷却系配管3内へ設置した崩壊熱除去系熱交換器のみで崩壊熱を除去することができるため、原子炉容器1は従来よりもコンパクトになる。これにより、必要な交換熱量に対応したシステムを構成しやすくなると共に、配管口径が一定の場合、各熱交換器内の管側及び胴側平均流速を低減できて、両側の圧損及び流動振動を抑制できる点で有効となる。なお、従来においては、通常大きな2基の中間熱交換器を設置して、この容器内で崩壊熱除去に必要な交換熱量に対応しているが、本実施例は、これに比べて中間熱交換器の容積をよりコンパクト化でき、その結果として一次冷却系機器及び配管系統の設置空間を非常に小さなものにできるというメリットがある。
図11乃至図16に示した技術は、単独で本発明に係る高速増殖炉型原子力発電システムに適用することもできるし、1又は2以上の技術を組合わせて本発明に係る高速増殖炉型原子力発電システムに適用することもできる。これにより、高速増殖炉システムの簡素化が図れると共に、一次主循環ポンプ5と一体化した中間熱交換器4の更なる高性能化及び高信頼性化を図ることができる。
なお、本発明に係る配管内設置型の崩壊熱除去系熱交換器50Aは、既設の高速増殖炉型原子力発電システムに組み込んで、当該高速増殖炉型原子力発電システムに備えられた既存の中間熱交換器4と協同的に運用することもできる。即ち、既存の中間熱交換器4の上流側又は下流側のホットレグ3aあるいはコールドレグ3b配管内へ設置した崩壊熱除去系熱交換器50Aを追設して、既存の中間熱交換器4内で崩壊熱除去に必要な交換熱量の一部を配管内へ設置した崩壊熱除去系熱交換器50Aに代替させる。かかる構成によると、既存の高速増殖炉プラントの運転条件に応じて前記2つの中間熱交換器4と、配管内へ設置した崩壊熱除去系熱交換器50Aを併用できるので、さらに中間熱交換器4をコンパクト化させることができ、高速増殖炉プラントの安全性及び熱効率を向上させることが可能になる。
実施形態に係る高速増殖炉原子力発電システムの構成図である。 実施形態に係るポンプ組込型中間熱交換器の構成図である。 本発明による従来技術の課題回避フローを示す表図である。 実施形態に係る高速増殖炉原子力発電システムの配管系統を従来例と比較して示す配管系統図である。 実施形態に係る高速増殖炉原子力発電システムの配管系統を従来例と比較して示す表図である。 実施形態に係るポンプ組込型中間熱交換器の内部構造を示す図である。 実施形態に係るポンプ組込型中間熱交換器の熱交換方式と温度分布とを示す図である。 実施形態に係るポンプ組込型中間熱交換器の交換熱量と空間容積比を従来例の中間熱交換器と比較して示す図である。 熱交換器コンパクト指標による実施形態に係るポンプ組込型中間熱交換器の胴側レイノルズ数又は胴側ペクレ数を従来例の中間熱交換器と比較して示す図である。 実施形態に係るポンプ組込型中間熱交換器の熱交換方式を従来例に係る中間熱交換器の熱交換方式と比較して示す図である。 実施形態に係るポンプ組込型中間熱交換器に備えられるスペーサの各種の断面形状を例示する図である。 実施形態に係るポンプ組込型中間熱交換器の他の例を示す断面図である。 実施形態に係るポンプ組込型中間熱交換器のさらに他の例を示す断面図である。 実施形態に係るポンプ組込型中間熱交換器のさらに他の例を示す断面図である。 崩壊熱除去系熱交換器を備えた実施形態に係る高速増殖炉原子力発電システムの構成図である。 崩壊熱除去系熱交換器を備えた実施形態に係る高速増殖炉原子力発電システムの他の例を示す構成図である。 従来例に係る高速増殖炉原子力発電システムの構成図である。 従来例に係るポンプ組込型中間熱交換器の構成を示す構成図である。 従来例に係るポンプ組込型中間熱交換器の他の例を示す図である。 従来例に係る高速増殖炉原子力発電システムの課題を示す表図である。
符号の説明
1…原子炉容器、2…炉心、3…一次冷却系配管、3a…ホットレグ、3b…コールドレグ、3c…曲げ部、3d…連結配管、4…中間熱交換器、5…一次主循環ポンプ、6…二次冷却系配管、7…二次主循環ポンプ、8…蒸気発生器、9a…主蒸気系配管、9b…給復水系配管、10a…高圧タービン、10b…低圧タービン、11…発電機、12…復水器、13…給水ポンプ、14…給水加熱器、15…一次系冷却材、16…二次系冷却材、17…伝熱管、18…伝熱管支持スペーサ、19…連結機構、20a…均一流入内筒管、20b…均一流出内筒管、21…エクスパンション、50…崩壊熱除去系熱交換器(PRACS)、50A…ホットレグ配管内へ設置した崩壊熱除去系熱交換器、50B…コールドレグ配管内へ設置した崩壊熱除去系熱交換器、51…崩壊熱除去系熱交換器(DRACS)、52…崩壊熱除去系熱交換器(IRACS)、53…空気冷却器、54…崩壊熱除去系配管、54a…崩壊熱除去系入口ノズル、54b…崩壊熱除去系出口ノズル、55…崩壊熱除去系冷却材、60…ガードベッセル、61…ポンプ組込型中間熱交換器、62…インペラ、63…シャフト、64…モータ、65…一次系上部プレナム、66…一次系下部プレナム、67…一次系ポンプ吐出側上部プレナム、68a…上部管板、68b…下部管板、70…不活性ガス、71…ポンプ・中間熱交換器合体機構、72…サテライト方式ポンプ・中間熱交換器分離機構、73…ポンプケーシング隔壁、74…対流抑制機構、80…上蓋

Claims (16)

  1. 炉心を内包する原子炉容器と、
    前記原子炉容器に一次系冷却材を供給する一次冷却系配管と、
    前記一次系冷却材と二次系冷却材との間の熱交換を行う中間熱交換器と、
    前記一次系冷却材を強制循環する一次主循環ポンプと、
    前記中間熱交換器に前記二次系冷却材を循環する二次冷却系配管と、
    前記二次系冷却材を強制循環する二次主循環ポンプと、
    前記二次系冷却材の熱で水を蒸気にまで加熱する蒸気発生器と、
    前記蒸気発生器に付設された給復水・主蒸気系配管と、
    前記蒸気発生器にて発生した蒸気からエネルギーを回収する高圧タービン及び低圧タービンと、
    これら高圧タービン及び低圧タービンに連結された発電機と、
    前記低圧タービンから排出された蒸気を冷却して凝縮させる復水器とを備えた高速増殖炉型原子力発電システムにおいて、
    前記中間熱交換器は、前記一次主循環ポンプを内装可能な内部空間を有する筒状に形成して、前記中間熱交換器の下方に配置された第1固定部に固定し、前記一次主循環ポンプは、前記中間熱交換器の内周との間に空隙を設けた状態で前記中間熱交換器の前記内部空間内に内装して、前記中間熱交換器の上方に配置された第2固定部に固定したことを特徴とする高速増殖炉型原子力発電システム。
  2. 前記一次主循環ポンプ及び前記中間熱交換器は、ガードベッセル内に収納したことを特徴とする請求項1に記載の高速増殖炉型原子力発電システム。
  3. 前記ガードベッセル内に不活性ガスを充填したことを特徴とする請求項2に記載の高速増殖炉型原子力発電システム。
  4. 原子炉容器に対して複数ループの前記一次冷却系配管を有し、各ループを構成する前記一次冷却系配管の系統内に、少なくとも1つ以上の前記一次主循環ポンプ及び前記中間熱交換器を設置したことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の高速増殖炉型原子力発電システム。
  5. 前記中間熱交換器の冷却側に前記蒸気発生器からの二次系冷却材を供給し、前記中間熱交換器の被冷却側に前記原子炉容器からの一次系冷却材を供給することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の高速増殖炉型原子力発電システム。
  6. 前記中間熱交換器は、複数の伝熱管の集合からなる伝熱管束を内蔵しており、前記伝熱管内に被冷却側の一次系冷却材を流すと共に、当該伝熱管の外側に冷却側の二次系冷却材を流すことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の高速増殖炉型原子力発電システム。
  7. 前記中間熱交換器は、複数の伝熱管の集合からなる伝熱管束を内蔵しており、前記伝熱管内に冷却側の二次系冷却材を流すと共に、当該伝熱管の外側に被冷却側の一次系冷却材を流すことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の高速増殖炉型原子力発電システム。
  8. 前記複数の伝熱管を、前記伝熱管の外側を流れる冷却材の流れ方向に関して上流側の端部及び下流側の端部のいずれか一方が半円形、流線形又はエッジ状に形成された平板状のスペーサを用いて連結し、前記伝熱管束とすることを特徴とする請求項5乃至請求項7のいずれか1項に記載の高速増殖炉型原子力発電システム。
  9. 前記複数の伝熱管を、棒状のスペーサを用いて連結し、前記伝熱管束とすることを特徴とする請求項5乃至請求項7のいずれか1項に記載の高速増殖炉型原子力発電システム。
  10. 前記中間熱交換器の冷却材流入部及び冷却材流出部に、前記伝熱管の外側を流れる冷却材の圧損及び流動振動を低減するための均一流入内筒管及び均一流出内筒管を備えたことを特徴とする請求項5乃至請求項9のいずれか1項に記載の高速増殖炉型原子力発電システム。
  11. 前記一次主循環ポンプを構成するポンプケーシングの外側に、自然対流抑制機構を設置したことを特徴とする請求項1乃至請求項10のいずれか1項に記載の高速増殖炉型原子力発電システム。
  12. 前記中間熱交換器の入口プレナム内に、崩壊熱除去系配管を介して空気冷却器に接続された崩壊熱除去系熱交換器を設置したことを特徴とする請求項1乃至請求項11のいずれか1項に記載の高速増殖炉型原子力発電システム。
  13. 前記一次冷却系配管内に、前記崩壊熱除去系熱交換器を設置したことを特徴とする請求項12に記載の高速増殖炉型原子力発電システム。
  14. 前記一次主循環ポンプと前記中間熱交換器の連結配管部に、軸方向への熱伸び及び熱収縮を緩和するためのエクスパンション機構を備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項13のいずれか1項に記載の高速増殖炉型原子力発電システム。
  15. 炉心を内包する原子炉容器と、
    前記原子炉容器に一次系冷却材を供給する一次冷却系配管と、
    前記一次系冷却材と二次系冷却材との間の熱交換を行う中間熱交換器と、
    前記一次系冷却材を強制循環する一次主循環ポンプと、
    前記中間熱交換器に前記二次系冷却材を循環する二次冷却系配管と、
    前記二次系冷却材を強制循環する二次主循環ポンプと、
    前記二次系冷却材の熱で水を蒸気にまで加熱する蒸気発生器と、
    前記蒸気発生器に付設された給復水・主蒸気系配管と、
    前記蒸気発生器にて発生した蒸気からエネルギーを回収する高圧タービン及び低圧タービンと、
    これら高圧タービン及び低圧タービンに連結された発電機と、
    前記低圧タービンから排出された蒸気を冷却して凝縮させる復水器とを備え、
    前記中間熱交換器は、前記一次主循環ポンプを内装可能な内部空間を有する筒状に形成して、前記中間熱交換器の下方に配置された第1固定部に固定し、前記一次主循環ポンプは、前記中間熱交換器の内周との間に空隙を設けた状態で前記中間熱交換器の前記内部空間内に内装して、前記中間熱交換器の上方に配置された第2固定部に固定した高速増殖炉型原子力発電システムの運用方法において、
    前記一次主循環ポンプの外周に配置された前記中間熱交換器により、前記一次系冷却材と二次系冷却材との間の熱交換を行うことを特徴とする高速増殖炉型原子力発電システムの運用方法。
  16. 一次主循環ポンプを内装可能な内部空間を有する筒状に形成され、下方に配置された第1固定部に固定された中間熱交換器と、前記中間熱交換器の内周との間に空隙を設けた状態で前記中間熱交換器の前記内部空間内に内装され、上方に配置された第2固定部に固定された前記一次主循環ポンプとを備えたことを特徴とする高速増殖炉型原子力発電システムに用いられるポンプ組込型中間熱交換器。
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