JP2009243923A - 流量センサ及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】被計測流体が通過するオリフィスを有するダイアフラムが設けられた枠部を備えて構成される流量センサにおいて、被計測流体の漏れを抑えるようにする。
【解決手段】流量センサ1は、開口部14を有する配線シート11と、開口部14の周囲において配線シート11にフリップチップ実装された半導体チップ2と、半導体チップ2の内側において半導体チップ2と一体に設けられ、オリフィス5を有したダイアフラム4と、ダイアフラム4に形成された抵抗体6,7と、半導体チップ2と配線シート11の接合部を被覆したパラキシリレン系樹脂による被膜21と、を備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、流量センサ及びその製造方法に関し、特にダイアフラム式の流量センサ及びその製造方法に関する。
従来、液体の流量を測定するために、各種の流量センサが開発されている。例えば、特許文献1に記載されているように、流量センサは圧力センサを応用したものであり、圧力センサ(14)を構成するダイアフラム(16)及び抵抗体(R1、R2、R3、R4)が用いられる。つまり、ダイアフラム(16)に形成されたオリフィス(16a)を流体が通過するときに、オリフィス(16a)の前後の差圧によってダイアフラム(16)に歪みが生じ、その歪みが抵抗体(R1、R2、R3、R4)によって電圧信号に変換される。そのため、抵抗体(R1、R2、R3、R4)の電圧の出力が流量や圧力に換算される。
また、例えば、特許文献2に記載された流量センサでは、半導体チップ(10)にダイアフラム(12)が設けられ、ダイアフラム(12)に圧力センサ(14)が設けられ、ダイアフラム(12)にオリフィス(16)が設けられている。この流量センサでは、オリフィス(16)の前後で生じた差圧が圧力センサ(14)によって電圧に変換され、その電圧から圧力や流量に換算される。
米国特許第6253605号明細書 特開昭63−236923号公報
ところで、流量センサで変換された電圧の信号を入出力するために、流量センサを回路基板に実装する必要がある。実装方法としては、ワイヤボンディング法や絶縁性ペースト実装法等がある。ワイヤボンディング法により流量センサを実装した後に、電気的接触部を封止するので、その実装部分が大きくなってしまうという問題がある。一方、絶縁性ペースト実装法では、流量センサの実装と電気的接触部の絶縁封止を同時に行うので、実装部分が大きくなるという問題は殆どない。ところが、この場合には絶縁接着剤が対象物の流体に接触することになり、この絶縁接着剤が対象物の流体に対して耐性を持っていない場合、その絶縁接着剤から流体が漏れてしまうことがある。
そこで、本発明は、被計測流体が通過するオリフィスを有するダイアフラムが設けられた枠部を備えて構成される流量センサにおいて、被計測流体の漏れを抑えるようにすることを課題とする。
以上の課題を解決するために、請求項1に係る発明によれば、
一面上に形成された配線部と開口部とを有する基板と、
前記基板の一面上において、前記開口部の周囲に接合された枠部と、
前記枠部の内側において前記枠部と一体に設けられ、被計測流体が通過するオリフィスを有したダイアフラムと、
前記ダイアフラム上に形成された複数のピエゾ抵抗体と、
少なくとも前記枠部と前記基板との接合部を被覆するパラキシリレン系樹脂被膜と、を備えることを特徴とする流量センサが提供される。
請求項2に係る発明によれば、
前記枠部は、前記各ピエゾ抵抗体に接続された電極を有し、
前記接合部は、前記電極と前記配線部の一端とを電気的に接合する電気的接合部と、少なくとも前記枠部と前記基板の一面との間隙に設けられて、前記電気的接合部の周囲を覆う絶縁性接着剤と、を有し、
前記パラキシリレン系樹脂被膜は、前記絶縁性接着剤の周囲を覆うことを特徴とする請求項1に記載の流量センサが提供される。
請求項3に係る発明によれば、
前記パラキシリレン系樹脂被膜は、更に、前記枠部、前記各ピエゾ抵抗体を含む前記ダイアフラム及び前記基板の外周部を被覆していることを特徴とする請求項1又は2に記載の流量センサが提供される。
請求項4に係る発明によれば、
前記パラキシリレン系樹脂被膜の膜厚が0.2〜1.0μmであることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の流量センサが提供される。
請求項5に係る発明によれば、
前記枠部及び前記ダイアフラムは、シリコン基板からなることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の流量センサが提供される。
請求項6に係る発明によれば、
前記基板は、可撓性を有するフレキシブル基板であることを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の流量センサが提供される。
請求項7に係る発明によれば、
枠部と、該枠部の内側において該枠部と一体に設けられ、被計測流体が通過するオリフィスを有するとともに複数のピエゾ抵抗体が形成されたダイアフラムとを形成し、
一面上に形成された配線部と開口部を有する基板の、前記基板の一面上において、前記開口部の周囲に前記枠部を接合し、
少なくとも前記枠部と前記基板の接合部を被覆するパラキシリレン系樹脂被膜を成膜する、ことを特徴とする流量センサの製造方法が提供される。
請求項8に係る発明によれば、
前記パラキシリレン系樹脂被膜を成膜する工程は、前記枠部、前記各ピエゾ抵抗体を含む前記ダイアフラム及び前記基板の外周部を被覆する工程を含むことを特徴とする請求項7に記載の流量センサの製造方法が提供される。
請求項9に係る発明によれば、
前記パラキシリレン系樹脂被膜を成膜する工程は、前記パラキシリレン系樹脂被膜の膜厚を0.2〜1.0μmにする、ことを特徴とする請求項7乃至8の何れかに記載の流量センサの製造方法が提供される。
本発明によれば、被計測流体が通過するオリフィスを有するダイアフラムが設けられた枠部を備えて構成される流量センサにおいて、少なくとも枠部と基板との接合部をパラキシリレン系樹脂被膜によって被覆することにより、被計測流体がオリフィス以外の部分から漏れることを防止することができて、信頼性を向上させることができるとともに、正確な流量検出を行うことができる。
以下に、本発明を実施するための好ましい形態について図面を用いて説明する。但し、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
図1は、流量センサ1を示した分解斜視図であり、図2は、流量センサ1の主要部を示した縦断面図である。
半導体チップ2は、シリコンといった半導体基板からなるものである。半導体チップ2が枠部である。つまり、半導体チップ2が枠状に形成され、半導体チップ2の内側にダイアフラム4が設けられ、半導体チップ2とダイアフラム4が一体となっている。ダイアフラム4もシリコンといった半導体基板からなる。
ダイアフラム4の中央部を流体(被計測流体)が通過するオリフィス5が貫通している。オリフィス5の周囲であってダイアフラム4には、4つのピエゾ抵抗体6〜9(図2ではピエゾ抵抗体6、7を図示)が形成されている。図3に示すように、これらピエゾ抵抗体6〜9によってホイートストンブリッジ回路10が構成されている。
このホイートストンブリッジ回路10においては、出力電圧Voutは次式により求められる。
Vout = {R6/(R6+R7) − R9/(R8+R9)}・Vin …(1)
ここで、R6、R7、R8、R9はそれぞれピエゾ抵抗体6〜9の抵抗体、Vinは入力電圧である。流量センサ1の出力電圧は、流体がオリフィス5を通過したときに発生する差圧に応じてオリフィス5が変形することに伴って各ピエゾ抵抗体6〜9の抵抗値が変化し、各ピエゾ抵抗体6〜9の抵抗値が変化したことによって、このホイートストンブリッジ回路10によって生じる出力電圧Voutに、各部の配線抵抗やピエゾ抵抗体6〜9に残留する歪み等による、オリフィス5に発生する差圧に依存しないオフセット電圧Voffsetを加えた電圧となる。なお、以下の説明において、流量センサ1の出力電圧は、このホイートストンブリッジ回路10によって生じる出力電圧Voutを指すものとする。
図1〜2に示すように、半導体チップ2は、例えばフリップチップ実装法によって可撓性の配線シート11等からなるフレキシブル基板(Flexible PrintedCircuit:FPC)に実装されている。配線シート11はポリイミドをシート状に形成したものであり、配線シート11に回路配線12が形成されている。配線シート11の端部13には、開口部14が形成されており、回路配線12が開口部14の周囲にも形成されている。開口部14は半導体チップ2よりも小さく、半導体チップ2が開口部14の周囲において配線シート11に搭載され、開口部14がダイアフラム4によって覆われている。
なお、本実施形態においては、可撓性の配線シート11を、半導体チップ2を搭載する基板としたが、これに限るものではなく、可撓性のない配線基板をベースとしてもよい。すなわち、配線シート11の代わりに、開口部を有した配線基板に半導体チップ2がフリップチップ実装法により実装されていてもよい。
配線シート11の回路配線12が形成された面には、ポリイミドからなるカバーシート16が貼着されている。カバーシート16によって回路配線12が覆われている。カバーシート16の端部には開口部17が形成されている。この開口部17は開口部14及び半導体チップ2よりも大きく、開口部14が開口部17の内側に位置し、更に半導体チップ2は開口部17の内側において配線シート11に搭載されている。
半導体チップ2の実装部分について詳細に説明する。図2においては、半導体チップ2がスタッドバンプ18及び絶縁接着剤19によって配線シート11にフリップチップ実装されている。具体的には、ダイアフラム4及び開口部14の周囲において、半導体チップ2と配線シート11との間にAuのスタッドバンプ18が挟持されている。スタッドバンプ18によって半導体チップ2に形成された電極(ピエゾ抵抗体6〜9の何れか1つ又は複数に接続された電極)と回路配線12が接合されて、電気的に接触している。更に、ダイアフラム4及び開口部14の周囲において、半導体チップ2と配線シート11との間に絶縁接着剤19が挟持されている。絶縁接着剤19はアンダーフィルも兼ねており、スタッドバンプ18が絶縁接着剤19によって包み込まれている。絶縁接着剤19は熱硬化性樹脂であり、スタッドバンプ18が半導体チップ2と配線シート11との間に挟まれて熱圧着されるのと同時に、その熱によって絶縁接着剤19が硬化する。
図2においては、半導体チップ2と配線シート11の接合は、フリップチップ実装の中でも、スタッドバンプ18及び絶縁接着剤19を用いたNCP(Non Conductive Paste)実装法によるものである。そのため、絶縁接着剤19は、熱硬化前、ペースト状の絶縁材である。一方、絶縁接着剤19が、NCF(Non Conductive Film)実装法によるものであってもよい。つまり、絶縁接着剤19は、熱硬化前、フィルム状の絶縁材であってもよい。
また、図4に示すように、半導体チップ2と配線シート11の接合が、フリップチップ実装の中でも、異方性導電接着剤20を用いたACP(Anisotropic Conductive Paste)実装法又はACF(Anisotropic Conductive Film)実装法によるものであってもよい。具体的には、ダイアフラム4及び開口部14の周囲において、半導体チップ2と配線シート11との間に異方性導電接着剤20が挟持され、異方性導電接着剤20によって半導体チップ2と配線シート11が接合されている。異方性導電接着剤20は熱硬化性樹脂に導電性微粒子(例えば、金属微粒子)を分散させたものである。接合時には、シート状又はペースト状の異方性導電接着剤20が半導体チップ2と配線シート11との間に挟まれて熱圧着されると、その熱によって異方性導電接着剤20が硬化し、更に、圧力により厚み方向の導電性が異方性導電接着剤20に生じる。なお、異方性導電接着剤20は、異方性導電性ペースト(ACP)又は異方性導電性フィルム(ACF)が硬化したものである。
配線シート11の半導体チップ2が実装された面に対する反対側の面には、補強シート31が接着剤33によって接着されている。補強シート31は、例えばポリイミドからなり、補強シート31が枠状に設けられ、補強シート31に開口部32が形成されている。補強シート31の開口部32が配線シート11の開口部14に重なるようにして、補強シート31が配線シート11に接着されている。この補強シート31によって半導体チップ2が支えられている。
本実施形態の流量センサ1においては、流量センサ1をなす構成部材の全体が被膜21によって覆われている。すなわち、半導体チップ2及びダイアフラム4は、被膜21によって覆われている。この被膜21は、半導体チップ2及びダイアフラム4に加えて、半導体チップ2と配線シート11の接合部(図2の場合、絶縁接着剤19であり、図4の場合、異方性導電接着剤20である。)も被覆し、更に、半導体チップ2及び接合部の周囲において配線シート11、カバーシート16及び補強シート31も被覆している。
被膜21は、パラキシリレン系樹脂からなるものである。パラキシリレン系樹脂としては、パリレン(登録商標)があり、例えば、ポリモノクロロパラキシレン(パリレンC)、ポリパラキシレン(パリレンN)がある。被膜21の膜厚は0.2〜1.0μmであることが好ましい。
被膜21の材料となるパリレンは、安定な結晶性ポリマーであって、水蒸気・ガスに対してバリア性、耐薬品性、耐熱性に優れている。パリレンCの水蒸気(湿度90%、37度)に対するバリア性は0.08(g・mm)(m2・d)であり、エポキシ(0.71〜0.94)やポリウレタン(17,717)と比較して優れている。被膜21は、蒸着法により成膜されたものである。
半導体チップ2と配線シート11の接合部が被膜21によって被覆されているので、この部分における止水性が非常に高くなっている。その接合部だけでなく、その周辺において半導体チップ2、ダイアフラム4、配線シート11等も被膜21によって被覆されているので、流れる流体の漏れを確実に防止することができる。特に、半導体チップ2と配線シート11の接合部がメタノールに対して低い耐性であっても、被膜21がメタノールに対して高い耐性を持つので、この流量センサ1は、メタノールの流量を測定するのに適している。
次に、流量センサ1の製造方法について説明する。
まず、配線シート11の一方の面にカバーシート16を貼着し、他方の面であって端部13に補強シート31を接着剤33によって接着する。
一方、小片状の半導体部材をエッチング加工することによって、凹部3を形成する。半導体部材に凹部3を形成することで、ダイアフラム4が形成され、ダイアフラム4の周囲に枠状の半導体チップ2が形成される。そして、ダイアフラム4にピエゾ抵抗体6〜9を形成する。次いで、半導体チップ2のパッド部にスタットバンプ18を形成し、配線シート11のパッド部に熱硬化性の絶縁接着剤19を塗布する。そして、ダイアフラム4で配線シート11の開口部14を覆い、配線シート11に塗布した絶縁接着剤19にスタットバンプ18を埋め込み、配線シート11に半導体チップ2を重ねる。そして、配線シート11及び半導体チップ2を加熱し、これらを互いに押しつけて加圧する。そうすると、スタッドバンプ18が配線シート11のパッド部に接合し、絶縁接着剤19が硬化する。絶縁接着剤19が硬化することによってスタッドバンプ18の電気的な接続とパッド部の封止が完了する。
そして、原料ダイマー(パラキシレン)を加熱蒸発させ、半導体チップ2、ダイアフラム4、接合部、配線シート11、カバーシート16及び補強シート31に蒸着して重合することで、被膜21を成膜する。被膜21を成膜するに際しては、その膜厚を0.2〜1.0μmにする。以上により、流量センサ1が完成する。
次に、図5の断面図を用いて、流量センサ1の取付構造の一例について説明する。
半導体チップ2の周囲において、カバーシート16、配線シート11及び補強シート31がシール101,102の間に挟持されている。シール101,102はリング状に形成されており、シール101の内側に半導体チップ2が存する。
半導体チップ2の周囲において、シール101、カバーシート16、配線シート11、補強シート31及びシール102がリング部材103,104の間に挟持されている。リング部材103の内側に半導体チップ2が存する。
シール101,102、リング部材103,104及び半導体チップ2等がハウジング105,106に装着され、ハウジング105,106の間にリング部材103、シール101、カバーシート16、配線シート11、補強シート31がシール102、リング部材103が挟持されている。ハウジング105とリング部材103との間にリング状の止水材107が挟まれ、ハウジング106とリング部材104との間にリング状の止水材108が挟まれている。止水材107,108は弾性部材からなり、例えばゴム材料やフッ素樹脂材料(例えば、テフロン(登録商標))から形成され、ハウジング105とリング部材103との間に挟まれて圧縮されている。
ハウジング106には、内部空間に通じるアウトレットポート110が形成されている。ハウジング105には、内部空間に通じる孔109が形成され、孔109がカバー111によって覆われている。カバー111には、流路となる凹部112が形成され、この凹部112がハウジング105側に向いて、凹部112と孔109が通じ、カバー111がハウジング105に取り付けられている。
ハウジング106には、内部空間の周囲において、インレットポート114が形成され、ハウジング105には、孔113が形成され、孔113とインレットポート114が通じ、更に孔113が凹部112に通じている。インレットポート114及び孔113の周囲において、リング状のゴム止水材115がハウジング105とハウジング106との間に挟持され、ゴム止水材115が圧縮されている。
この取付構造においては、流体(主に液体)がインレットポート114に流れ込む。流体がインレットポート114、孔113、凹部112、孔109を通って、ハウジング105の内部空間に流れ込む。ハウジング105の内部空間105に流れ込んだ流体(被計測流体)はダイアフラム4のオリフィス5を通ってハウジング106の内部空間に流れ込み、アウトレットポート110を通って外部に流れ出る。
このように流体が流れている際に、オリフィス5で発生する差圧が出力電圧Voutに換算される。オリフィス5で発生する差圧Δpと流体の流量Qの関係は次式(2)で表される。
Δp = 8π・η・L/A2 + 1/(2μ2)・ρ/A2・Q2 …(2)
ここで、ρは質量密度、ηは[動粘度×質量密度]、Lは[オリフィス半径+ダイアフラムの膜厚]、Aはオリフィス面積、μは係数である。
よって、流体の流量Qに対応して出力電圧Voutとして検知することができる。
次に、本実施形態におけるパラキシリレン系樹脂によるコーティングを行って、被膜21を有する流量センサ1の出力電圧の特性について説明する。
図6は、被膜21が無い状態の流量センサ1において、60wt%のメタノール水溶液を流し、流す流量を時間的に変化させたときの流量センサの出力電圧の時間変化を示したものである。流量変化に対応して出力電圧の値は増減しなければならないが、図9に示すように、流量と流量センサの出力電圧の相関がとれていないことがわかる。これは、絶縁接着剤19が60wt%のメタノール水溶液に対して耐性を持っておらず、絶縁接着剤19からの漏れが発生しているためと考えられる。これに対し、後述するように、本実施形態における、パラキシリレン系樹脂によるコーティングを行って、被膜21を有する流量センサ1をメタノール含有流体に用いた場合には、流量変化に対応した出力電圧が得られることが確認された。
図7は、被膜21を有する流量センサ1について、被計測流体を60wt%のメタノール水溶液とし、オリフィス5の直径が80μmであり、被膜21の膜厚が0.2μmであるときの、流量センサ1の出力電圧と流量の関係についての実測値である。 図8は、被膜21を有する流量センサ1について、被計測流体を60wt%のメタノール水溶液とし、オリフィス5の直径が80μmであり、被膜21の膜厚が1.0μmであるときの、流量センサ1の出力電圧と流量の関係についての実測値である。図7、図8でわかるように、流量センサ1に被膜を有する場合でも、流量に対して、出力電圧が一義的に決まることが確認できる。
また、メタノールに対する耐久性の評価では、被膜21が無い場合には、被計測流体としてメタノール水溶液を用いたとき、流体を流し始めて評価を開始してから7時間後に接触不良が発生し、センサ出力として電圧値を得られなくなった。一方、被膜21が有る場合には、評価開始から100時間経過しても接触不良が生じず、センサ出力として電圧値を得られた。従って、被膜21がNCP接合部で発生する接触不良を抑える効果が得られることが確認され、被膜21が有る場合は、被膜21が無い場合よりも、耐久性が良いことが実験の結果わかった。
以上のように、配線シート11等によるフレキシブル基板をパラキシリレン系樹脂によってコーティングして、全体を覆う被膜21を設けることによって、被計測流体としてメタノール又はメタノール水溶液を用いた場合に、NCP接合部での接触不良の発生を防止して、信頼性を向上させることができる。
また本実施形態として、メタノールを含有する液体を被計測流体として用いているが、これに限らず、その他の液体でもパラキシリレン系樹脂が耐性を有するものであれば、それらの液体の流量センサに適用できる。
流量センサを分解して示した分解斜視図である。 流量センサの主要部を示した縦断面図である。 ホイートストンブリッジ回路を示した回路図である。 流量センサの要部断面の別例を示した断面図である。 流量センサの取付構造の一例の断面を示した断面図である。 パラキシリレン系樹脂による被膜が無い流量センサにおいて、流量を時間的に変化させたときの、流量センサの出力電圧の時間変化を示したグラフである。 本実施形態の流量センサにおいて、パラキシリレン系樹脂による被膜の膜厚が0.2μmであるときの、流量と出力電圧の関係を示したグラフである。 本実施形態の流量センサにおいて、パラキシリレン系樹脂による被膜の膜厚が1.0μmであるときの、流量と出力電圧の関係を示したグラフである。
符号の説明
1 流量センサ
2 半導体チップ
4 ダイアフラム
5 オリフィス
11 配線シート
18 スタッドバンプ
19 絶縁接着剤
20 異方性導電接着剤
21 被膜

Claims (9)

  1. 一面上に形成された配線部と開口部とを有する基板と、
    前記基板の一面上において、前記開口部の周囲に接合された枠部と、
    前記枠部の内側において前記枠部と一体に設けられ、被計測流体が通過するオリフィスを有したダイアフラムと、
    前記ダイアフラム上に形成された複数のピエゾ抵抗体と、
    少なくとも前記枠部と前記基板との接合部を被覆するパラキシリレン系樹脂被膜と、を備えることを特徴とする流量センサ。
  2. 前記枠部は、前記各ピエゾ抵抗体に接続された電極を有し、
    前記接合部は、前記電極と前記配線部の一端とを電気的に接合する電気的接合部と、少なくとも前記枠部と前記基板の一面との間隙に設けられて、前記電気的接合部の周囲を覆う絶縁性接着剤と、を有し、
    前記パラキシリレン系樹脂被膜は、前記絶縁性接着剤の周囲を覆うことを特徴とする請求項1に記載の流量センサ。
  3. 前記パラキシリレン系樹脂被膜は、更に、前記枠部、前記各ピエゾ抵抗体を含む前記ダイアフラム及び前記基板の外周部を被覆していることを特徴とする請求項1又は2に記載の流量センサ。
  4. 前記パラキシリレン系樹脂被膜の膜厚が0.2〜1.0μmであることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の流量センサ。
  5. 前記枠部及び前記ダイアフラムは、シリコン基板からなることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の流量センサ。
  6. 前記基板は、可撓性を有するフレキシブル基板であることを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の流量センサ。
  7. 枠部と、該枠部の内側において該枠部と一体に設けられ、被計測流体が通過するオリフィスを有するとともに複数のピエゾ抵抗体が形成されたダイアフラムとを形成し、
    一面上に形成された配線部と開口部を有する基板の、前記基板の一面上において、前記開口部の周囲に前記枠部を接合し、
    少なくとも前記枠部と前記基板の接合部を被覆するパラキシリレン系樹脂被膜を成膜する、ことを特徴とする流量センサの製造方法。
  8. 前記パラキシリレン系樹脂被膜を成膜する工程は、前記枠部、前記各ピエゾ抵抗体を含む前記ダイアフラム及び前記基板の外周部を被覆する工程を含むことを特徴とする請求項7に記載の流量センサの製造方法。
  9. 前記パラキシリレン系樹脂被膜を成膜する工程は、前記パラキシリレン系樹脂被膜の膜厚を0.2〜1.0μmにする、ことを特徴とする請求項7乃至8の何れかに記載の流量センサの製造方法。
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