JP2009243206A - 内型枠の回転ずれ修正用型枠ピース及び内型枠の回転ずれ修正方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】地山を掘削した掘削孔により形成されたトンネル空洞部21の内周面33に沿って設置されてトンネル空洞部の内周面との間に覆工部を形成するための内型枠30の型枠ピース40において、掘削進行方向に沿って隣り合う型枠ピース同士を結合する継手板に、正規の位置に形成されたボルト孔43bと、正規の位置に形成されたボルト孔43bより掘削孔の内周面33に沿った方向にずれた位置に設けられた調整用ボルト孔50とを備えた。
【選択図】図1
Description
内型枠は複数個の型枠ピースにより形成される。図5に示すように、内型枠の型枠ピース40は、トンネル空洞部21の内周面33(図6参照)の周方向において隣接するように設置される型枠ピース40;40同士を繋ぐためのピース継手面47aが形成されたピース継手板45を備えるとともに、トンネル空洞部21の内周面33の掘削進行方向において隣接するように設置される型枠ピース40;40同士を繋ぐためのリング継手面47bが形成されたリング継手板46を備える。
ピース継手板45には、トンネル空洞部21の内周面33の周方向において互いに隣接するピース継手面47a同士が図外のボルト及びナットによる締結によって密接状態に結合されるように、ピース継手板45を貫通してボルトを通すためのボルト孔43aが形成される。同様に、リング継手板46には、トンネル空洞部21の内周面33の掘削進行方向において隣接するリング継手面47b同士がボルト及びナットによる締結によって密接状態に結合されるように、リング継手板46を貫通してボルトを通すためのボルト孔43bが形成される。
従って、トンネル空洞部21の内周面33の周方向において互いに隣接して設置される型枠ピース40のピース継手面47a同士を接触させた状態でボルト孔43aに図外のボルトを挿入し、ボルトの先端からナットを締結していくことで、ピース継手面47a同士が密接状態に結合される。また、トンネル空洞部21の内周面33のトンネル掘削進行方向において互いに隣接して設置される型枠ピース40のリング継手面47b同士を接触させた状態でボルト孔43bに図外のボルトを挿入し、ボルトの先端からナットを締結していくことで、リング継手面47b同士が密接状態に結合される。
図6に示すように、複数個の型枠ピース40がトンネル空洞部21の内周面33に沿って1周するように設置されて形成される内型枠30を1リングと呼ぶ。つまり、1リングを形成するには、複数個の型枠ピース40を、トンネル空洞部21の内周面33との間に覆工部の厚さ分の間隔dを隔ててトンネル空洞部21の内周面33に沿って内周面33を1周するように設置していく。この場合、ピース継手面47a同士が密接状態に結合されるように、図外の内型枠組立装置によって1リング分の内型枠30を組み立てていく。そして、掘削が進んだ後、掘削進行方向に向けてさらに1リング分の内型枠30を組み立てていく。この場合、型枠ピース40が、トンネル空洞部21の内周面33の周方向においてピース継手面47a同士が密接状態に結合されるように、かつ、トンネル空洞部21の内周面33の掘削進行方向において1つ前に組み立てた1リングのリング継手面47bと今回組み立てる1リングを形成する型枠ピース40のリング継手面47bとが密接状態に結合されるように、内型枠組立装置によって1リング分の内型枠30を組み立てていく。
型枠ピース40は、所定数のリング分の内型枠30を形成できる数分だけ用いられ、所定数のリング分の内型枠30を設置した後は、坑口22側に組み立てられた内型枠30の掘削進行方向後部に位置する1リング分の型枠ピース40を図外の内型枠脱型装置を用いて解体して取り外した後に、シールド掘削機を進行させ、取り外した1リング分の型枠ピース40を内型枠30の掘削進行方向先頭位置に盛り替えて使う。即ち、所定数のリング分の内型枠30を設置した後は、掘削が進む毎に、型枠ピース40を後方(坑口側)から前方(切羽側)に盛り替えて繰り返して使用して内型枠30の掘削進行方向先頭位置に1リングを組み立てていく。つまり、掘削進行方向に向けて次々と1リングづつ組み立てていって内型枠30を形成する。
尚、図6に示すように、1リング分の内型枠30を形成する複数個の型枠ピース40のうちの少なくとも1つの型枠ピースは、脱型用の型枠ピース39に形成される。K型枠ピースと呼ばれる脱型用の型枠ピース39は、トンネル空洞部21の内周面33に近い方に位置して型枠面39aとなる当該型枠面39a側のトンネル空洞部21の周方向の幅寸法bが、型枠面39aの反対側の面39b(トンネル空洞部21の中心2Cに近い方に位置した面)のトンネル空洞部21の周方向の幅寸法aよりも小さい。また、脱型用の型枠ピース39の周方向の両隣に設置される型枠ピースも専用の型枠ピース38が用いられる。1リング分の内型枠30を形成する脱型用の型枠ピース39及び型枠ピース38以外のA型枠ピースと呼ばれる型枠ピース40は、トンネル空洞部21の内周面33に近い方に位置して型枠面40sとなる当該型枠面40s側のトンネル空洞部21の周方向の幅寸法bが、型枠面40sの反対側の面40zのトンネル空洞部21の周方向の幅寸法aよりも大きい。そして、1リングを組み立てるときは、脱型用の型枠ピース39を最後に取り付け、1リングを解体する場合は、脱型用の型枠ピース39から取り外す。つまり、A型枠ピースと呼ばれる型枠ピース40だけを用いて1リングを組み立てようとしても、最後の型枠ピース40をトンネル空洞部21の中心2C側からトンネル空洞部21の内周面33の方向に向けて(つまり、トンネル空洞部21の断面円の径方向に向けて)組み付けることは不可能であるので、最後に組み付けて最初に取り外す型枠ピースとしてK型枠ピースと呼ばれる脱型用の型枠ピース39を用いる。
1リング分の内型枠30を形成する型枠ピース40のうち、図6に示すように、トンネル空洞部21の内周面33の下側周面に沿うように設置される型枠ピース40の内面44aには、搬送台車65を掘削進行方向に移動させるためのレール66が取付けられている。搬送台車65には、図外のレミキサーとコンクリートポンプとで構成されるコンクリート供給装置が搭載される。
そこで、本発明は、内型枠の回転ずれを修正可能とした内型枠の回転ずれ修正用型枠ピース及びこの回転ずれ修正用型枠ピースを用いた内型枠の回転ずれ修正方法を提供する。
本発明に係る内型枠の回転ずれ修正用型枠ピースは、地山を掘削した掘削孔により形成されたトンネル空洞部の内周面に沿って設置されてトンネル空洞部の内周面との間に覆工部を形成するための内型枠の型枠ピースにおいて、掘削進行方向に沿って隣り合う型枠ピース同士を結合するボルトを通すためのボルト孔が、正規の位置ではなく正規の位置よりも掘削孔の内周面に沿った方向にずれた位置に設けられた調整用ボルト孔により形成されたことを特徴とする。
調整用ボルト孔は、掘削孔の内周面に沿った方向において正規の位置の両側に設けられたことも特徴とする。
本発明に係る内型枠の回転ずれ修正方法は、複数の型枠ピースが掘削孔の内周面に沿って内周面の内側を1周するように設置されて形成される1リング分の内型枠が掘削進行方向に向けて複数個形成される毎に、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の回転ずれ修正用型枠ピースを用いて、1つ前に形成されたリングの型枠ピースの正規のボルト孔と新たなリングを形成する回転ずれ修正用型枠ピースの調整用ボルト孔とにボルトを通してナットで締結することによって、1つ前のリングの掘削進行方向前方に1つ前のリングよりも掘削孔の内周面に沿った方向の回転ずれの少ない新たなリングを組み立てることを特徴とする。
正規の位置に形成されたボルト孔と調整用ボルト孔とを備えた回転ずれ修正用型枠ピースによれば、正規の位置に形成されたボルト孔の隣に調整用ボルト孔を形成するだけで回転ずれ修正用型枠ピースを製造できるので、製造容易で、かつ、調整用ボルト孔の形成位置精度の高い調整用ボルト孔を備えた修正用型枠ピースを得ることができる。
ボルト孔が、正規の位置ではなく正規の位置よりも掘削孔の内周面に沿った方向にずれた位置に設けられた調整用ボルト孔のみにより形成された修正用型枠ピースの場合、ボルト孔の数を少なくでき、修正用型枠ピースの強度低下を少なくできる。
調整用ボルト孔が、掘削孔の内周面に沿った方向において正規の位置の両側に設けられた修正用型枠ピースの場合、正規の位置に形成されたボルト孔の隣に調整用ボルト孔を形成するだけで回転ずれ修正用型枠ピースを製造でき、また、内型枠がトンネル空洞部の内周面の周方向のいずれの方向に回転ずれを起こしたとしても、正規の位置に形成されたボルト孔を基準としてどの調整用ボルト孔を使用すれば良いかを判断しやすく、作業性が向上する。
図1乃至図4は最良の形態1を示し、図1はトンネル施工における内型枠の回転ずれ修正方法の概略を示し、図2は型枠ピースと回転ずれ修正用型枠ピースとの結合方法を示し、図3は型枠ピースと回転ずれ修正用型枠ピースとを用いた密閉型のシールド掘削機によるトンネル施工方法を示し、図4はコンクリート供給管と妻型枠に形成されたコンクリート打設口との関係を示す。
型枠面板41は、トンネル空洞部21の内周面33と対向する型枠面44を備える。継手板42は、ピース継手板45とリング継手板46とを備える。ピース継手板45は、トンネル空洞部21の内周面33の周方向で互いに隣接するように設置される型枠ピース40を繋ぐためのピース継手面47aを備える。リング継手板46は、トンネル空洞部21の内周面33の掘削進行方向Aで互いに隣接するように設置される型枠ピース40同士を繋ぐためのリング継手面47bを備える。
まず、シールド掘削機1の構造を説明する。シールド掘削機1は、前端に回転切削部2を有し、回転切削部2の後部には後方に延長する円筒状のテールプレート3を備える。テールプレート3の内側には複数の推進ジャッキ4とプレスジャッキ5と妻型枠7とが設けられる。妻型枠7は、プレスジャッキ5の後端5aに取付けられてテールプレート3の内周面3aに沿って前後に移動可能なようにリング筒状に形成されたプレス型枠である。つまり、妻型枠7は、テールプレート3の内周面3aと内型枠30の外周面34との間を塞いだ状態でプレスジャッキ5の伸縮で前後に移動可能な型枠であり、後述するコンクリート充填空間100を形成するとともにコンクリート充填空間100に流入した高流動性生コンクリート80を加圧するものである。8はシールド掘削機1の推進に伴って図外の牽引手段で牽引されるコンクリート供給装置である。コンクリート供給装置8は搬送台車65に搭載される。搬送台車65は、シールド掘削機1により牽引され、搬送台車65の下部に設けられた車輪67が、内型枠30を形成するようにトンネル空洞部21の内周面33の下側に設置される型枠ピース40や修正用型枠ピース40Aの内面44aに設けられたレール66上を滑走することによって、掘削進行方向Aに移動する。このコンクリート供給装置8は例えば高流動性生コンクリート80を生成する1台のレミキサー81とこのレミキサー81に接続管82で繋がれた6台のコンクリートポンプ83とで構成される。
正規のボルト孔43bと調整用ボルト孔50とを備えた修正用型枠ピースにおいて、調整用ボルト孔50が調整用ボルト孔50の両隣でなく一方の隣に設けられているだけでもよい。この場合でも、正規の位置に形成されたボルト孔の隣に調整用ボルト孔を形成するだけで回転ずれ修正用型枠ピースを製造できるので、製造容易で、かつ、調整用ボルト孔の形成位置精度の高い調整用ボルト孔を備えた修正用型枠ピースを得ることができる。
リング継手板46に正規のボルト孔43bを備えずに調整用ボルト孔50のみを備えた修正用型枠ピースを用いてもよい。この修正用型枠ピースの場合、ボルト孔の数を少なくでき、修正用型枠ピースの強度低下を少なくできる。
43b ボルト孔、46 継手板、50 調整用ボルト孔、63 ボルト、
72 ナット、40A 回転ずれ修正用型枠ピース。
Claims (4)
- 地山を掘削した掘削孔により形成されたトンネル空洞部の内周面に沿って設置されてトンネル空洞部の内周面との間に覆工部を形成するための内型枠の型枠ピースにおいて、掘削進行方向に沿って隣り合う型枠ピース同士を結合する継手板に、正規の位置に形成されたボルト孔と、正規の位置に形成されたボルト孔より掘削孔の内周面に沿った方向にずれた位置に設けられた調整用ボルト孔とを備えたことを特徴とする内型枠の回転ずれ修正用型枠ピース。
- 地山を掘削した掘削孔により形成されたトンネル空洞部の内周面に沿って設置されてトンネル空洞部の内周面との間に覆工部を形成するための内型枠の型枠ピースにおいて、掘削進行方向に沿って隣り合う型枠ピース同士を結合するボルトを通すためのボルト孔が、正規の位置ではなく正規の位置よりも掘削孔の内周面に沿った方向にずれた位置に設けられた調整用ボルト孔により形成されたことを特徴とする内型枠の回転ずれ修正用型枠ピース。
- 調整用ボルト孔は、掘削孔の内周面に沿った方向において正規の位置の両側に設けられたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の内型枠の回転ずれ修正用型枠ピース。
- 複数の型枠ピースが掘削孔の内周面に沿って内周面の内側を1周するように設置されて形成される1リング分の内型枠が掘削進行方向に向けて複数個形成される毎に、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の回転ずれ修正用型枠ピースを用いて、1つ前に形成されたリングの型枠ピースの正規のボルト孔と新たなリングを形成する回転ずれ修正用型枠ピースの調整用ボルト孔とにボルトを通してナットで締結することによって、1つ前のリングの掘削進行方向前方に1つ前のリングよりも掘削孔の内周面に沿った方向の回転ずれの少ない新たなリングを組み立てることを特徴とする内型枠の回転ずれ修正方法。
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