JP4970331B2 - 型枠ピースの設置方法及びこの方法に使用する型枠ピース - Google Patents
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内型枠は複数個の型枠ピースにより形成される。図6に示すように、内型枠の型枠ピース40は、トンネル空洞部21の内周面33(図7参照)の周方向において隣接するように設置される型枠ピース40同士を繋ぐためのピース継手面47xが形成されたピース継手板45xを備えるとともに、トンネル空洞部21の内周面33のトンネル掘進方向において隣接するように設置される型枠ピース40;40同士を繋ぐためのリング継手面47yが形成されたリング継手板46xを備える。
ピース継手板45xには、互いに隣接する型枠ピース40のピース継手面47x同士がボルト及びナットによる締結によって密接状態に接合されるように、ピース継手板45xを貫通してボルトを通すためのボルト孔43xが形成される。同様に、リング継手板46xには、互いに隣接する型枠ピース40のリング継手面47y同士がボルト及びナットによる締結によって密接状態に接合されるように、リング継手板46xを貫通してボルトを通すためのボルト孔43yが形成される。
従って、トンネル空洞部21の内周面33の周方向において互いに隣接して設置される型枠ピース40のピース継手面47x同士を接触させた状態でボルト孔43xに図外のボルトを挿入し、ボルトの先端から図外のナットを締結していくことで、ピース継手面47x同士が密接状態に接合される。また、トンネル空洞部21の内周面33のトンネル掘進方向において互いに隣接して設置される型枠ピース40のリング継手面47y同士を接触させた状態でボルト孔43yに図外のボルトを挿入し、ボルトの先端からナットを締結していくことで、リング継手面47y同士が密接状態に接合される。
図7に示すように、トンネル空洞部21の内周面33を1周する分のいわゆる1リング分の内型枠30を形成するには、複数個の型枠ピース40を、トンネル空洞部21の内周面33との間に覆工部の厚さ分の間隔dを隔ててトンネル空洞部21の内周面33に沿って内周面33を1周するように設置していく。この場合、ピース継手面47x同士が密接状態に接合されるように、図外の内型枠組立装置によって1リング分の内型枠を組み立てていく。そして、掘削が進む毎に、掘削進行方向に向けてさらに1リング分の内型枠30を組み立てていく。この場合、型枠ピース40が、トンネル空洞部21の内周面33の周方向においてピース継手面47x同士が密着状態に接合されるように、かつ、トンネル空洞部21の内周面33の掘削進行方向において前回組み立てた1リング分の内型枠30のリング継手面47yと今回組み立てる内型枠30のリング継手面47yとが密着状態に接合されるように、内型枠組立装置によって1リング分の内型枠30を組み立てていく。
型枠ピース40は、所定数のリング分(例えば16リング分)の内型枠30を形成できる数分だけ用いられ、所定数のリング分の内型枠30を設置した後は、坑口22側に組み立てられた内型枠30の掘進進行方向後部に位置する1リング分の型枠ピース40を図外の内型枠脱型装置を用いて解体して取り外した後に、シールド掘進機を進行させ、取り外した1リング分の型枠ピース40を内型枠30の掘進方向先頭位置に盛り替えて使う。即ち、所定数のリング分の内型枠30を設置した後は、掘進する毎に、型枠ピース40を後方(坑口側)から前方(切羽側)に盛り替えて繰り返して使用する。
尚、図7に示すように、1リング分の内型枠30を形成する複数個の型枠ピースのうちの少なくとも1つの型枠ピースは、脱型用の型枠ピース39に形成される。K型枠ピースと呼ばれる脱型用の型枠ピース39は、トンネル空洞部21の内周面33に近い方に位置して型枠面39aとなる当該型枠面39a側のトンネル空洞部2の周方向の幅寸法bが、型枠面39aの反対側の面39b(トンネル空洞部2の中心2Cに近い方に位置した面)のトンネル空洞部2の周方向の幅寸法aよりも小さい。また、脱型用の型枠ピース39の周方向の両隣に設置される型枠ピースも専用の型枠ピース38が用いられる。1リング分の内型枠30を形成する脱型用の型枠ピース39及び型枠ピース38以外のA型枠ピースと呼ばれる型枠ピース40は、トンネル空洞部21の内周面33に近い方に位置して型枠面40sとなる当該型枠面40s側のトンネル空洞部2の周方向の幅寸法bが、型枠面40sの反対側の面40zのトンネル空洞部2の周方向の幅寸法aよりも大きい。そして、1リング分の内型枠30を組み立てるときは、脱型用の型枠ピース39を最後に取り付け、1リング分の内型枠30を解体する場合は、脱型用の型枠ピース39から取り外す。つまり、リング状に内型枠30を形成する場合は、A型枠ピースと呼ばれる型枠ピース40だけを用いて1リング分の内型枠30を組み立てようとしても、最後の型枠ピース40をトンネル空洞部2の中心2C側からトンネル空洞部21の内周面33の方向に向けて(つまり、トンネル空洞部21の断面円の径方向に向けて)組み付けることは不可能であるので、最後に組み付けて最初に取り外す型枠としてK型枠ピースと呼ばれる脱型用の型枠ピース39を用いることが必要となる。
そこで、本発明は、継手ボルトに問題が生じた場合でも型枠ピースの抜け落ちを防止できる型枠ピースの設置方法などを提供する。
上記型枠ピースの設置方法に使用する型枠ピースは、坑口側から切羽側に向けて螺旋を描くように設置されて型枠面がトンネル空洞部の内周面に対して所定間隔隔てて位置された場合において、掘削進行方向で互いに平行に対向する継手面と型枠面との境界線となる一対のそれぞれの辺が坑口側から切羽側に向けて描かれる螺旋線の一部を構成し、上記継手面がそれぞれの辺の辺縁より型枠面と直交する方向に延長して設けられ、かつ、型枠面がトンネル空洞部の内周面に沿った円弧面の一部を構成する形態に形成されたことを特徴とする。
上記型枠ピースの設置方法において、トンネル空洞部の内周面と内型枠との間に覆工部を形成するためにコンクリートを流し込むための接続配管を清掃する場合に、掘削進行方向の継手面が掘削進行方向と直交する継手面となるような清掃用型枠ピースを設置したことを特徴とする。
清掃用型枠ピースを設置したことにより、コンクリート充填空間に生コンクリートを充填するための接続配管の清掃作業を容易とできる。
図1乃至図4は最良の形態1を示す。図1(a)は坑口側から切羽側に向けて螺旋を描くようにトンネル空洞部の内周面に対して所定間隔隔てて設置された複数の型枠ピースを型枠ピースの型枠面側から見て示し、図1(b)はその型枠ピースの型枠面側から見た状態を拡大して示す。図2は螺旋を描くように設置された複数の型枠ピースをトンネル空洞部の切羽側から見て示す。図3は型枠ピースを用いた密閉型のシールド掘進機によるトンネル施工方法を示す。図4はコンクリート供給管と妻型枠に形成されたコンクリート打設口との関係を示す。
型枠面板41はトンネル空洞部21の内周面33に対して所定間隔隔てて設置される型枠面44を備える。
継手板42としては、ピース継手板45と螺旋継手板46とを備える。ピース継手板45は、トンネル空洞部21の内周面33の周方向Bで互いに隣接するように設置される螺旋型枠ピース40A同士を繋ぐためのピース継手面47aを備える。螺旋継手板46は、トンネル空洞部21の内周面33の掘削進行方向Aで互いに隣接するように設置される螺旋型枠ピース40A同士を繋ぐための螺旋継手面47bを備える。ボルト孔43として、ピース継手板45を貫通するボルト孔43aと螺旋継手板46を貫通するボルト孔43bとを備える。
従って、螺旋型枠ピース40Aは、ピース継手面47aが隣り合う螺旋型枠ピース40Aのピース継手面47aと接触している状態においては、これらピース継手面47a同士を結合するピース継手ボルト63aがボルト孔43aより脱落したり破断したとしても、ピース継手面47a同士の接触圧力によってトンネル空洞部21内に脱落することがない。
このように、螺旋軌跡に沿った湾曲面を持つ型枠面44を平面視した場合に型枠面44が矩形ではない平行四辺形の面により形成され、継手板42が平行四辺形の辺縁より型枠面44と直交する方向に延長して設けられた構成の螺旋型枠ピース40Aとすれば、同じ形状の螺旋型枠ピース40Aを使用することが可能となって、螺旋型枠ピース40Aの製造が容易となり、また、螺旋型枠ピース40Aの組み立ても同一作業とできるので、作業を容易とできる。
また、螺旋型枠ピース40Aの螺旋継手面47b同士が接触するように、螺旋型枠ピース40A同士を互いに隣接させて設置し、互いに隣接する螺旋型枠ピース40Aの螺旋継手面47bのボルト孔43bに螺旋継手ボルト63bが通されて螺旋継手ボルト63bの先端部にナット72が締結されることによって、螺旋継手面47b同士が密接状態となるように螺旋型枠ピース40A同士が繋がれる。
尚、図1に示すように、掘削進行方向Aで隣接する螺旋型枠ピース40Aのピース継手面47a同士はトンネル空洞部21の周方向Bに互いにずれるように設置されることが好ましい。
図3;4を参照して、シールド掘進機1の構造を説明する。シールド掘進機1は、前端に回転切削部2を有し、回転切削部2の後部には後方に延長する円筒状のテールプレート3を備える。テールプレート3の内側には複数の推進ジャッキ4とプレスジャッキ5と妻型枠7とが設けられる。妻型枠7は、プレスジャッキ5の後端5aに取付けられてテールプレート3の内周面3aに沿って前後に移動可能なようにリング筒状に形成されたプレス型枠である。つまり、妻型枠7は、テールプレート3の内周面3aと内型枠30の外周面34との間を塞いだ状態でプレスジャッキ5の伸縮で前後に移動可能な型枠であり、後述するコンクリート充填空間100を形成するとともにコンクリート充填空間100に流入した高流動性生コンクリート80を加圧するものである。8はシールド掘進機1の推進に伴って図外の牽引手段で牽引されるコンクリート供給装置である。このコンクリート供給装置8は例えば高流動性生コンクリート80を生成する1台のレミキサー81とこのレミキサー81に接続管82で繋がれた6台のコンクリートポンプ83とで構成される。
図5を参照し、最良の形態2による型枠ピースの設置方法を説明する。
図3に示した接続配管14aの一端開口部は図外の接続具で打設口9に着脱可能に接続されており、定期的に接続配管14aの一端開口部を打設口9より外して接続配管14aの管内を清掃する必要がある。しかしながら、最良の形態1のように、螺旋を描くように螺旋型枠ピース40Aを設置する場合、トンネル空洞部21の内側から見た場合に、図5(a)に示すように、螺旋型枠ピース40Aが妻型枠7の内側を覆ってしまう部分がでてくる。この場合、螺旋型枠ピース40Aの切羽側の螺旋継手面47bと妻型枠7との間の距離rが長くなってしまうと、切羽側から接続配管14aの図外の接続具まで作業員の手が届かなくなる場合がある。
そこで、図5(b)に示すように、接続配管14aを清掃する場合に、螺旋型枠ピース40Aの螺旋継手面47bに接続された場合に切羽側の継手面51が掘削進行方向Aと直交する継手面となるような清掃用型枠ピース50を設置して、清掃用型枠ピース50の切羽側の継手面51と妻型枠7と間の距離rが長くなってしまうことを防止する。これにより、切羽側から接続配管14aの接続具まで作業員の手が届きやすくなるので、清掃作業が容易となる。
尚、清掃用螺旋型枠ピース50としては、初期螺旋継手面形成用の螺旋型枠ピース40Zと同じような形状のものを用いればよい。
最良の形態2によれば、コンクリート充填空間100に生コンクリートを充填するための接続配管14aの清掃作業を容易とできる。
40A 螺旋型枠ピース(型枠ピース)、44 型枠面、
47b 螺旋継手面(掘削進行方向で互いに平行に対向する継手面)、
50 清掃用型枠ピース、90 一次覆工コンクリート(覆工部)。
Claims (3)
- 地山を掘削した掘削孔により形成されたトンネル空洞部の内周面との間に覆工部を形成するために内型枠を構成する1つ1つの型枠ピースの型枠面をトンネル空洞部の内周面に対して所定間隔隔てて設置していく場合に、坑口側から切羽側に向けて螺旋を描くように型枠ピースを1つずつ順番に設置したことを特徴とする型枠ピースの設置方法。
- 請求項1に記載の型枠ピースの設置方法に使用する型枠ピースであって、坑口側から切羽側に向けて螺旋を描くように設置されて型枠面がトンネル空洞部の内周面に対して所定間隔隔てて位置された場合において、掘削進行方向で互いに平行に対向する継手面と型枠面との境界線となる一対のそれぞれの辺が坑口側から切羽側に向けて描かれる螺旋線の一部を構成し、上記継手面がそれぞれの辺の辺縁より型枠面と直交する方向に延長して設けられ、かつ、型枠面がトンネル空洞部の内周面に沿った円弧面の一部を構成する形態に形成されたことを特徴とする型枠ピース。
- トンネル空洞部の内周面と内型枠との間に覆工部を形成するためにコンクリートを流し込むための接続配管を清掃する場合に、掘削進行方向の継手面が掘削進行方向と直交する継手面となるような清掃用型枠ピースを設置したことを特徴とする請求項1に記載の型枠ピースの設置方法。
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