JP2009243054A - 孔付き柱状管及び孔付き柱状管の音発生防止方法 - Google Patents

孔付き柱状管及び孔付き柱状管の音発生防止方法 Download PDF

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誠一 近藤
Kensho Wanibuchi
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Abstract

【課題】フィードバック発振音の発生を効果的に防止できる孔付き柱状管を提供する。
【解決手段】本発明に係る孔付き柱状管1は、管2の周壁に管の内外に貫通する複数の孔5を備え、一の孔5の中心線4の延長方向と他の孔5の中心線4の延長方向とが異なることを特徴とする。複数の孔の中心線が管の中心線と直交する面上に位置することや、複数の孔が管の延長方向及び周方向にずれて設けられたことも特徴とする。また、管の周壁に管の内外に貫通する複数の孔を備え、管の中心線と直交する1つの線を孔の中心線とする2つの孔を1対とした孔群を複数組備え、各孔群の孔の中心線の延長方向が互いに異なることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、フィードバック発振音の発生を効果的に防止可能な孔付き柱状管等に関する。
架線吊り、アンテナ素子、仮設枠組足場などに用いられる柱状管(パイプ)として、柱状管の周壁に管の内外に貫通する複数の孔を備えた構成の孔付き柱状管が知られている(例えば、特許文献1等参照)。
上記複数の孔は、柱状管の内側にめっきを塗布するためや、雨水抜き用、ボルト通し用などに利用される。柱状管は、鋼材、プラスチック、FRPなどの材料により形成される。
例えば図7に示すように、従来の孔付き柱状管1Aは、管2の周壁に管2の中心線3と直交する1つの線を中心線4とする2つの孔5;5を備える。孔5は、図8に示すように、周壁25の外面24と内面23とに貫通する。
特開平7−178858号公報
従来の孔付き柱状管1Aの場合、図8に示すように、風Fの方向が孔5の中心線4と交差(例えば直交)する方向である場合、風Fが管2から離れる孔縁(エッジ)Aにおいて風の渦F1が放出され、この渦F1が風の流れに乗って下流側の孔縁(エッジ)Bに衝突して音を発生させるとともに、ここで発生する圧力波F2が上流の孔縁Aに伝播して次の渦F1を作るという現象が周期的に繰り返されることによって、いわゆる、フィードバック発振音(風切り音)が発生する。従来、孔付き柱状管1Aでは、2つの孔5;5の中心線4が同じであるので、上述したように、例えば、2つ孔5;5の中心線4と交差する方向の風Fが吹くと、2つの孔5;5においてそれぞれフィードバック発振音が発生する。
そこで、本発明は、フィードバック発振音の発生を効果的に防止できる孔付き柱状管を提供する。
本発明に係る孔付き柱状管は、管の周壁に管の内外に貫通する複数の孔を備え、一の孔の中心線の延長方向と他の孔の中心線の延長方向とが異なることを特徴とする。
複数の孔の中心線が管の中心線と直交する面上に位置することも特徴とする。
複数の孔が管の延長方向及び周方向にずれて設けられたことも特徴とする。
本発明に係る孔付き柱状管は、管の周壁に管の内外に貫通する複数の孔を備え、管の中心線と直交する1つの線を孔の中心線とする2つの孔を1対とした孔群を複数組備え、各孔群の孔の中心線の延長方向が互いに異なることを特徴とする。
管の周方向において互いに隣り合う一方の孔の中心線と他方の孔の中心線との交差角度が60°以上であることも特徴とする。
本発明に係る孔付き柱状管の音発生防止方法は、管の周壁に管の内外に貫通した孔を備えた孔付き柱状管が設置場所に設置された状態において、上記孔の中心線が風上に向いていない場合に、中心線を風上に向けた新たな孔を形成したことを特徴とする。
本発明に係る孔付き柱状管によれば、一の孔の中心線の延長方向と他の孔の中心線の延長方向とが異なる構成としたので、一の孔の中心線と交差(例えば直交)する方向の風が他の孔を経由して管の内側に流入して一方の孔から管の外側に流出するので、この他の孔から一の孔を経由する気流が一の孔での周期的な渦の発生を防止するので、フィードバック発振音の発生を効果的に防止できる。
複数の孔の中心線が管の中心線と直交する面上に位置する構成とした場合でも、他の孔から一の孔を経由する気流が一の孔での周期的な渦の発生を防止するので、フィードバック発振音の発生を効果的に防止できる。
複数の孔が管の延長方向及び周方向にずれて設けられた構成とした場合でも、他の孔から一の孔を経由する気流が一の孔での周期的な渦の発生を防止するので、フィードバック発振音の発生を効果的に防止できる。
各孔群の孔の中心線の延長方向が互いに異なる構成とした場合でも、他の孔から一の孔を経由する気流が一の孔での周期的な渦の発生を防止するので、フィードバック発振音の発生を効果的に防止できる。
管の周方向において互いに隣り合う一方の孔の中心線と他方の孔の中心線との交差角度を60°以上とすれば、他の孔から一の孔を経由する気流が一の孔での周期的な渦の発生を防止できるので、フィードバック発振音の発生を防止できる。
本発明に係る孔付き柱状管の音発生防止方法によれば、風が新たな孔を経由して管の内側に流入して風上に向いていない孔から管の外側に流出するので、この新たな孔から風上に向いていない孔を経由する気流が風上に向いていない孔での周期的な渦の発生を防止するので、フィードバック発振音の発生を効果的に防止できる。
最良の形態1.
図1乃至図3に示すように、孔付き柱状管1は、端部閉塞又は端部開放の断面円形状に形成された管2であり、管2の周壁に管2の内外に貫通する複数の孔5を備える。そして、一の孔5の中心線4の延長方向と他の孔5の中心線4の延長方向とが異なる構成であって、例えば、以下に示すような構成の孔付き柱状管1とした。
図1のように、複数の孔5の中心線4が管2の中心線3と直交する面上に位置し、複数の孔5の中心線4が同じでないような複数の孔5を備えた構成の孔付き柱状管1とした。
図2に示すように、複数の孔が管2の延長方向にずれて設けられ、複数の孔5のうちの2つの孔5;5の中心10;10同士を繋ぐ連結線6の延長方向と管2の中心線3の延長方向とが異なるとともに、その複数の孔5の中心線4が同じでないような複数の孔5を備えた構成の孔付き柱状管1とした。即ち、複数の孔5が管2の延長方向及び周方向にずれて設けられた構成の孔付き柱状管1とした。
図3に示すように、図1と図2の構成とを組み合わせた孔付き柱状管1であって、複数の孔5の中心線4が管2の中心線3と直交する面上に位置し、その複数の孔5の中心線4が同じでないような孔群11が、管2の延長方向に所定間隔隔てて複数設けられ、この管2の延長方向に所定間隔隔てて設けられた複数の孔群11の各孔5が、管2の周方向にずれて設けられた構成の孔付き柱状管1とした。そして、1つの孔群11を構成する複数の孔5の中心線4同士の交差角度βを所定角度とし、かつ、管2の延長方向に所定間隔隔てて設けられた各孔群11の各孔5の中心線4同士の交差角度αを所定角度とした。管2の周方向にずれて設けられた各孔5の周方向のずれ量が、交差角度αで示される。例えば、図示のように、交差角度βを120°、交差角度αを30°とした。即ち、図3では、管2の周方向において互いに隣り合う一方の孔5の中心線4と他方の孔5の中心線4との交差角度αが30°である。
最良の形態1によれば、一の孔5の中心線4と交差(例えば直交)する方向の風が他の孔5を経由して管2の内側に流入して一方の孔5から管2の外側に流出するので、この他の孔5から一の孔5を経由する気流が一の孔5での周期的な渦の発生を防止し、フィードバック発振音の発生を効果的に防止できる。
特に図3に示した構成の孔付き柱状管1によれば、一の孔5に対する他の孔5の数が多くなるので、一の孔5での周期的な渦の発生防止効果が高く、フィードバック発振音の発生をより効果的に防止できる孔付き柱状管1を得ることができる。
最良の形態2.
図4乃至図6に示すように、孔付き柱状管1は、端部閉塞又は端部開放の断面円形状に形成された管2であり、管2の周壁に管2の内外に貫通するように設けられた複数の孔5が、管2の中心線3と直交する1つの線を中心線4とする2つの孔5;5を1対とした孔群21により形成される。この孔群21を複数備え、各孔群21の孔5の中心線4の延長方向が互いに異なる構成であって、例えば、以下に示すように、複数の孔群21が、管2の延長方向に所定間隔隔てて設けられ、1つの孔群21を構成する複数の孔5の中心線4同士の交差角度βを所定角度とし、かつ、管2の周方向において互いに隣り合う一方の孔5の中心線4と他方の孔5の中心線4との交差角度αを所定角度とした。
図4に示すように、管2の延長方向に所定間隔隔てて2個の孔群21が形成され、交差角度βを180°とし、交差角度αを90°とした構成の孔付き柱状管1とした。
図5に示すように、管2の延長方向に所定間隔隔てて4個の孔群21が形成され、交差角度βを180°とし、交差角度αを45°とした構成の孔付き柱状管1とした。
図6に示すように、管2の中心線3と直交する面上に2組の孔群21により形成された計4個の孔5の中心線4が位置された4個1組の二重孔群22が、管2の延長方向に所定間隔隔てて複数組設けられ、1つの二重孔群22を構成する複数の孔5の中心線4同士の交差角度βを所定角度とし、かつ、管2の周方向において互いに隣り合う一方の孔5の中心線4と他方の孔5の中心線4との交差角度αを所定角度とした孔付き柱状管1とした。例えば、図6に示すように、交差角度βを90°とし、交差角度αを22.5°とした。
最良の形態2によれば、一の孔群21の孔5;5の中心線4と直交する方向の風がその他の孔群21の孔5;5を経由して管2の内側に流入して一の孔群21の孔5;5から管2の外側に流出するので、この他の孔群21の孔5;5から一の孔群21の孔5;5を経由する気流が一の孔群21の孔5;5での周期的な渦の発生を防止するので、フィードバック発振音の発生を効果的に防止できる。
尚、図1;2に示したように、管2の周方向において互いに隣り合う2つの孔5;5のみを備える場合において、一方の孔5の中心線4と他方の孔5の中心線4との交差角度αを60°以上とすれば、一の孔5の中心線4と直交する方向の風が他の孔5を経由して管2の内側に流入しやすく、他の孔5から一の孔5を経由する気流を発生させることができるので、一の孔5での周期的な渦の発生を防止でき、フィードバック発振音の発生をより効果的に防止できる。
最良の形態3.
管2の周壁に管2の内外に貫通した1つ以上の孔5を備えた孔付き柱状管1が設置場所に設置された状態において、上記各孔5の中心線4が風上に向いていない場合に、中心線4を風上に向けた新たな孔5を形成することによって、風が新たな孔5を経由して管2の内側に流入して風上に向いていない孔5から管2の外側に流出するので、この新たな孔5から風上に向いていない孔5を経由する気流が風上に向いていない孔5での周期的な渦の発生を防止し、フィードバック発振音の発生を効果的に防止できる。
この場合、新たな孔5を形成する際に必要となる風上の決め方は、孔付き柱状管1を設置する場所において例えば1年間計測した風向きの統計に従って、一番多く測定された風向きの風上を風上と規定する。
尚、図1乃至図7の孔付き柱状管の斜視図においては、紙面の手前側から見えない紙面の奥側の孔5は点線で示すべきであるが、孔を明瞭に示すため、当該孔5を実線で示した。
管の断面形状や孔の形状は、円形以外でもよい。管や孔の大きさも特に限定されない。
尚、端部開放の断面円形状に形成された管2を用いる場合、フィードバック発振音の発生防止対象となる一の孔5と端部開口との間の距離が短くて、端部開口から流入して管2内を経由して一の孔5から管外に流出する風の流れが生じる場合には、当該風の流れによって一の孔5でのフィードバック発振音を防止できるので、本願構成を採用する必要がない。従って、端部開放の断面円形状に形成された管2を用いて本願発明を構成する場合は、フィードバック発振音の発生防止対象となる一の孔と端部開口との間の距離が長くて、端部開口から流入して管内を経由して一の孔から管外に流出する風の流れが生じない管2に対して本願発明を適用する。
孔付き柱状管の斜視図(最良の形態1)。 孔付き柱状管の斜視図(最良の形態1)。 孔付き柱状管の斜視図(最良の形態1)。 孔付き柱状管の斜視図(最良の形態2)。 孔付き柱状管の斜視図(最良の形態2)。 孔付き柱状管の斜視図(最良の形態2)。 孔付き柱状管の斜視図(従来)。 フィードバック発振音の発生原理を説明した図(従来)。
符号の説明
1 孔付き柱状管、2 管、3 管の中心線、4 孔の中心線、5 孔、21 孔群、α 交差角度。

Claims (6)

  1. 管の周壁に管の内外に貫通する複数の孔を備え、一の孔の中心線の延長方向と他の孔の中心線の延長方向とが異なることを特徴とする孔付き柱状管。
  2. 複数の孔の中心線が管の中心線と直交する面上に位置することを特徴とする請求項1に記載の孔付き柱状管。
  3. 複数の孔が管の延長方向及び周方向にずれて設けられたことを特徴とする請求項1に記載の孔付き柱状管。
  4. 管の周壁に管の内外に貫通する複数の孔を備え、管の中心線と直交する1つの線を孔の中心線とする2つの孔を1対とした孔群を複数組備え、各孔群の孔の中心線の延長方向が互いに異なることを特徴とする孔付き柱状管。
  5. 管の周方向において互いに隣り合う一方の孔の中心線と他方の孔の中心線との交差角度が60°以上であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の孔付き柱状管。
  6. 管の周壁に管の内外に貫通した孔を備えた孔付き柱状管が設置場所に設置された状態において、上記孔の中心線が風上に向いていない場合に、中心線を風上に向けた新たな孔を形成したことを特徴とする孔付き柱状管の音発生防止方法。
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