JP3564779B2 - キャビティの共鳴音発生防止装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、キャビティの共鳴音と該共鳴音の発生原因である異常な圧力変動を防止するためのキャビティの共鳴音発生防止装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図27に示すように、ボイラ蒸気管の安全弁管台、或いは蒸気をブローするブロー管又は検査孔等のための枝管等は、一般に主管1に対して直角に交差するようにキャビティ2を形成している。
【0003】
このようなキャビティ2を有する主管1に流体3を流すと、キャビティ2の存在によって大きな共鳴音(騒音)を発生することがしばしば起こっている。こうした共鳴音は、一般に1〜数KHzの可聴域にあり、耳障りで大きな騒音問題となっている。
【0004】
キャビティ2による共鳴音は、キャビティ2と主管1内面に沿って流れる流体3によって生じる自励音であり、この自励音は、キャビティ2の開口部4を流れる流体にできる渦によって生じる励振周波数により笛吹きの原理に類似した現象を促して、前記励振周波数とキャビティの気柱共鳴周波数とが一致した時に共振状態となることによって大きな異音を発生するものと考えられる。
【0005】
また、上記共鳴音の発生は、キャビティ2内の流体の異常な圧力変動に依っているものと考えられる。この圧力変動が大きくなると、その振動エネルギーによってキャビティ2に接続されるバルブや計測機器等に対する損傷或いは誤動作等といった悪影響を生じることになる。
【0006】
従来、上記したようなキャビティ2による共鳴音及びその原因となっている圧力変動の発生を防止するために、図27に示すように主管1内面とキャビティ2の開口部4との隅部を切り欠いてレジューサ形状5にすることが考えられている。
【0007】
また、図28に示すようにキャビティ2の途中にキャビティ2と直交するように枝管6を設けることによって、キャビティ2による共鳴音の発生を防止することが行われている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前記従来装置の前者においては、充分な共鳴音の防止効果が確認されておらず、また後者においては、キャビティ2内の流体3と主管1内を流れる流体3との界面にできる渦によって生じる励振周波数が、キャビティ2の気柱共鳴周波数と一致しないように、枝管6によって気柱共鳴周波数をずらすことにより共鳴音の発生を防止するようにした方式であるため、主管1およびキャビティ2の径の変化や流体3の流速が変化した場合には、その都度枝管6の設計寸法や配置位置等を変更する必要があり、しかもそのための試作作業が非常に大変なものとなる等の問題を有していた。
【0009】
本発明は、斯かる実情に鑑みてなしたもので、簡単な構成でしかも広い範囲の周波数に対して共鳴音発生防止効果を発揮し得るキャビティの共鳴音発生防止装置を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
【0011】
【0012】
本発明は、主管に交差するように形成されたキャビティを有する主管内面における前記キャビティの上流側位置に、キャビティの設置位置と周方向同一位置において主管内に向けて突出する凸部を設けたことを特徴とするキャビティの共鳴音発生防止装置、に係るものである。
【0013】
本発明は、主管に交差するように形成されたキャビティを有する主管内面における前記キャビティの上流側位置に、主管の内周方向に所要の間隔を有して主管内に向けて突出する複数の凸部を設けたことを特徴とするキャビティの共鳴音発生防止装置、に係るものである。
【0014】
本発明は、複数の凸部が千鳥状に配置されていることを特徴とするキャビティの共鳴音発生防止装置、に係るものである。
【0015】
本発明は、凸部がキャビティの内径の約20%〜70%の直径を有する円柱状をなし、且つ凸部の突出高さが前記キャビティの内径の約20%以上であり、前記凸部がキャビティの内径の約5倍以内の間隔を有してキャビティより上流側位置に設置されていることを特徴とするキャビティの共鳴音発生防止装置、に係るものである。
【0016】
【作用】
【0017】
【0018】
第1の手段では、主管に交差するように形成されたキャビティを有する主管内面における前記キャビティの上流側位置に、キャビティの設置位置と周方向同一位置において主管内に向けて突出する凸部を設けているので、凸部によって生じるカルマン渦により、キャビティ内の流体と主管内を流れる流体との界面にできる渦によって生じる励振周波数を効果的に乱すことができ、これによりキャビティ内の流体も乱れて、キャビティの持つ気柱共鳴周波数との共鳴の発生が無くなり、よってキャビティによる共鳴音の発生が広い周波数の範囲で防止される。
【0019】
第2の手段では、主管に交差するように形成されたキャビティを有する主管内面における前記キャビティの上流側位置に、主管の内周方向に所要の間隔を有して複数の凸部を設けているので、複数の凸部から生じるカルマン渦により、前記キャビティ内の流体と主管内を流れる流体との界面に発生する励振周波数が複雑に乱され、これによりキャビティによる共鳴音の発生が更に確実に防止される。
【0020】
第3の手段では、複数の凸部を千鳥状に配置するようにしているので、複数の凸部から生じるカルマン渦が更に複雑になって、キャビティ内の流体と主管内を流れる流体との界面における渦によって生じる励振周波数が更に複雑に乱され、これによりキャビティによる共鳴音の発生が更に確実に防止される。
【0021】
第4の手段では、凸部がキャビティの内径の約20%〜70%の直径を有する円柱状をなし、且つ凸部の突出高さが前記キャビティの内径の約20%以上であり、更に凸部がキャビティの内径の約5倍以内の間隔を有してキャビティより上流側位置に設置するようにしているので、凸部によるカルマン渦によってキャビティ内の流体と主管内を流れる流体との界面にできる渦によって生じる励振周波数を効果的に乱すことができる。
【0022】
上記各手段によりキャビティによる共鳴音の発生を防止することができるので、前記共鳴音発生の原因となっている異常な圧力変動の発生も防止することができ、よってキャビティに接続されるバルブや計測機器等の安全性を高めることができる。
【0023】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ説明する。
【0024】
【0025】
【0026】
【0027】
【0028】
【0029】
【0030】
【0031】
【0032】
図1及び図2は本発明の一実施例を示したもので、主管1に交差するように形成されたキャビティ2を有する主管1内面における前記キャビティ2の上流側位置に、キャビティ2の設置位置と周方向同一位置(同一線S上)において、主管1内に向けて突出する凸部10を設けている。
【0033】
また、凸部10がキャビティ2の内径Dの約20%〜70%の直径dを有する円柱状をなし、且つ凸部10の突出高さL2が前記キャビティ2の内径Dの約20%以上となるように形成されており、このような形状を有する凸部10を、キャビティ2の内径Dの約5倍以内の間隔L3を有してキャビティ2の主管1上流側位置に設置している。
【0034】
また、前記凸部10は図示した円柱状以外に多角柱形状としても略同等の効果を奏することができる。
【0035】
上記実施例では、主管1に交差するように形成されたキャビティ2を有する主管1内面における前記キャビティ2の上流側位置に、キャビティ2の設置位置と周方向同一位置において主管1内に向けて突出する凸部10を設けているので、凸部10によって生じるカルマン渦11により、キャビティ2内の流体と主管1内を流れる流体との界面における渦Sによって生じる励振周波数を防止するように前記凸部10によって流体の流れに乱れをつくることができ、これによりキャビティ2内の流体も乱れることになり、キャビティ2の持つ気柱共鳴周波数との共鳴の発生が無くなり、よってキャビティ2による共鳴音の発生が広い範囲の周波数において防止される。
【0036】
この時、凸部10がキャビティ2の内径Dの約20%〜70%の直径dを有する円柱状をなし、且つ凸部10の突出高さL2が前記キャビティ2の内径Dの約20%以上であり、前記凸部10がキャビティ2の内径Dの約5倍以内の間隔L3を有してキャビティ2より上流側位置に設置していることにより、前記キャビティ2内の流体と主管1内を流れる流体3との界面における渦Sによって生じる励振周波数を前記凸部10によるカルマン渦11によって更に効果的に防止して、キャビティ2内の流体3の乱れも確実に保持することができ、キャビティ2による共鳴音の発生防止効果を更に高め得る。
【0037】
即ち、図3は、無対策では主管流速Vが35〜40m/sにおいて騒音レベルのピーク(共鳴音)を生じていたキャビティ2を有する主管1に、前記凸部10を備えるようにした場合における騒音レベルの状態を、キャビティ2の内径D=25mmにおいて凸部10の直径d及び突出高さL2を種々変化させた場合について調べた結果を示している。
【0038】
図3から、凸部10の直径dはキャビティ2の内径D=25mmより大きい(図3では28mm)と騒音レベルが増大することから、凸部10の直径dはキャビティ2の内径Dより小さくする必要があり、また直径dが小さすぎても効果が期待できなくなるので前記凸部10の直径dはキャビティ2の内径Dの20〜70%、好ましくはキャビティ2の内径Dの約50%とする。
【0039】
また、凸部10の突出高さL2は、図3からキャビティ2の内径Dの20%以上とすることにより騒音レベルを大幅に小さくできることが分かった。但し、突出高さL2を余り高くしてしまうと主管1内を流れる流体3に悪影響を及ぼすことが考えられるので、突出高さL2はできるだけ低く押えるようにすることが好ましい。
【0040】
また、前記凸部10を設置する位置は、該凸部10によって生じるカルマン渦11がキャビティ2に到達せずに消去して静圧が回復してしまうことがない範囲とする必要があり、この点について調べたところ、凸部10はキャビティ2の内径Dの約5倍以内の間隔L3を有してキャビティ2より上流側位置に設置すると良いことが分かった。
【0041】
図4はキャビティ2の内径Dが39mm、凸部10の直径dが28mm、主管流速Vが40m/sのときに、キャビティ2と凸部10の間隔L3が150mmと65mmの場合について、凸部10の突出高さL2を種々変えたときの騒音レベルを示したものである。図4の場合においても騒音レベルを低減できることが明らかであり、またL3=150mmのように間隔L3が長い場合には突出高さL2を高く(図4では60mm以上)すれば良いことが明らかである。
【0042】
図5は前記凸部10をキャビティ2の上流に備えた本発明(丸印)と無対策(三角印)の場合において、主管1の流体3の流速Vを変化させた時の騒音レベル(破線)と周波数(実線)の変化について見た一例を示すもので、図示するように無対策においてはIのように非常に大きな騒音レベルのピークPが発生していたものを本発明によればIIのように騒音レベルを小さく押え込むことができる。この時、主管流速Vを高めていくと、無対策の場合III及び本発明IVの何れの場合も周波数が段階的に高くなって行くことが分かった。
【0043】
また、図6、図7は前記凸部10をキャビティ2に備えた本発明と、無対策の場合における周波数と騒音レベルとの関係を比較して示したものであり、この時の凸部10の直径dが22mm、突出高さL2が5mm、間隔L3が114mm、主管流速Vが40m/sの場合を示しており、図6の無対策の場合には大きな騒音レベルのピークPが発生しているのに対して、図7の本発明においては騒音レベルのピークの発生がなく、これより共鳴音の発生が防止されたことが明らかである。
【0044】
図8、図9及び図10、図11は、夫々本発明の他の実施例を示したもので、図8、図9では主管1に交差するように形成されたキャビティ2を有する主管1の内面における前記キャビティ2の上流側(図2のL3=123mmと同様)位置に、主管1の内周方向に間隔を隔てて主管1の中心Oを向くように2個の凸部12a,12bを形成した場合を示している。図示の場合、キャビティ2の内径D=40mm、凸部の直径d=16mm、突出高さL2=30mm、凸部の挟み角θ1=32゜とした例を示している。図中15は凸部12a,12bの取付け具である。
【0045】
また図10及び図11は、キャビティ2を有する主管1の内面における前記キャビティ2の上流側位置に、主管1の内周方向に等しい間隔を隔てて主管1の中心Oを向くように3個の凸部13a,13b,13cを形成した場合を示している。図示の場合、凸部13a,13b,13c相互の角度θ2を夫々32゜とした例を示し、その他は前記図8、図9と同様としている。
【0046】
また図12及び図13は、本発明の更に他の実施例を示したもので、キャビティ2を有する主管1の内面における前記キャビティ2の上流側位置に、主管1の内周方向に所要の間隔を有して2個の凸部14a,14bを挟み角θ3=44゜で形成し、更に該凸部14a,14bの上流側位置における前記凸部14a,14bとの間の位置に、1個の凸部13cを形成することにより千鳥状の配置としている。
【0047】
上記各実施例の構成について、図8、図9の装置の側面図を例に取って示している図14に示すように、キャビティ2を形成する管台の底部に測定装置16を設置して音圧レベル、圧力変動の大きさ、圧力変動幅、開口部4における流速変動スペクトルを測定した。
【0048】
図15は前記図8〜図13の実施例と無対策の場合における主管1内の流体3の流速を変化した時の音圧レベルの計測結果を示したもので、図8、図9の直列3本の例I(丸印)と、図10、図11の直列2本の例II(×印)と、図12、図13の千鳥3本の例III(四角印)と、無対策IV(三角印)の場合を比較して示している。
【0049】
図15から明らかなように、無対策IVにおいては非常に大きな音圧レベルが発生しているのに対して、前記各実施例においては、I,II,IIIに示すように、騒音レベルを広い周波数域において小さく押え込むことができる。これにより、共鳴音による騒音を大幅な低減を図ることができる。
【0050】
図16は圧力変動の大きさξ=g・Δp/a・γ・U(g:重力加速度、Δp:圧力変動幅、a:音速流体γ:ガス比重量、U:主管内平均流速)を調べた場合の一例を示したもので、図15と同一の符号を付した付したものは、同じ意味を表している。
【0051】
図16から明らかなように、無対策IVにおいては圧力変動の大きさが非常に大きくなっているのに対して、前記本発明の各実施例においては、I,II,IIIに示すように、圧力変動の大きさが小さくなっている。
【0052】
図17、図18は、従来の無対策の場合における圧力変動幅ΔPを調べたものであって、図17は流体3の平均流速Uを約44m/sとした場合、図18は流体3の平均流速Uを約85m/sとした場合を示し、また図19、図20は、前記図10、図11の直列3本の凸部13a,13b,13cを備えた場合において、前記無対策と同じ流体3の平均流速U約44m/s、85m/sにして圧力変動幅ΔPを調べたものである。
【0053】
図17と図19の比較、図18と図20の比較から明らかなように、無対策(図17、図18)では非常に大きな圧力変動幅を生じていたものが、本発明(図19、図20)では圧力変動幅が非常小さくなっている。
【0054】
図21、図22、図23は、従来の無対策の場合における流速変動スペクトルを調べたものであって、図21は流体3の平均流速Uを約55m/sとした場合、図22は流体3の平均流速Uを約70m/sとした場合、図23は流体3の平均流速Uを約85m/sとした場合を示し、また図24、図25、図26は、前記図10、図11の直列3本の凸部13a,13b,13cを備えた場合において、前記無対策と同じ流体3の平均流速U約55m/s、70m/s、85m/sにして流速変動スペクトルを調べたものである。
【0055】
図21と図24の比較、図22と図25の比較、図23と図26の比較から明らかなように、無対策(図21、図22、図23)では強力なスペクトルのピークPが発生していたのに対して、本発明(図24、図25、図26)ではスペクトルのピークが全く見られなくなった。
【0056】
前記した図16〜図26の結果から、本発明によれば、無対策に対してキャビティ2における圧力変動を大幅に減少させることができ、従ってその振動エネルギーによってキャビティ2に接続されるバルブや計測機器等に対する損傷或いは誤動作等といった問題の発生を防止することができる。
【0057】
尚、本発明は上記実施例にのみ限定されるものではなく、凸部の設置数、設置位置、大きさ、形状等は本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更することができる。
【0058】
【発明の効果】
【0059】
【0060】
請求項1の発明では、主管に交差するように形成されたキャビティを有する主管内面における前記キャビティの上流側位置に、キャビティの設置位置と周方向同一位置において主管内に向けて突出する凸部を設けているので、凸部によって生じるカルマン渦により、キャビティ内の流体と主管内を流れる流体との界面にできる渦によって生じる励振周波数を効果的に乱すことができ、これによりキャビティ内の流体も乱れて、キャビティの持つ気柱共鳴周波数との共鳴の発生が無くなり、よってキャビティによる共鳴音の発生が広い周波数の範囲で防止される。
【0061】
請求項2の発明では、主管に交差するように形成されたキャビティを有する主管内面における前記キャビティの上流側位置に、主管の内周方向に所要の間隔を有して複数の凸部を設けているので、複数の凸部から生じるカルマン渦により、前記キャビティ内の流体と主管内を流れる流体との界面に発生する励振周波数が複雑に乱され、これによりキャビティによる共鳴音の発生が更に確実に防止される。
【0062】
請求項3の発明では、複数の凸部を千鳥状に配置するようにしているので、複数の凸部から生じるカルマン渦が更に複雑になって、キャビティ内の流体と主管内を流れる流体との界面における渦によって生じる励振周波数が更に複雑に乱され、これによりキャビティによる共鳴音の発生が更に確実に防止される。
【0063】
請求項4の発明では、凸部がキャビティの内径の約20%〜70%の直径を有する円柱状をなし、且つ凸部の突出高さが前記キャビティの内径の約20%以上であり、更に凸部がキャビティの内径の約5倍以内の間隔を有してキャビティより上流側位置に設置するようにしているので、凸部によるカルマン渦によってキャビティ内の流体と主管内を流れる流体との界面にできる渦によって生じる励振周波数を効果的に乱すことができる。
【0064】
また、前記各発明により、キャビティによる共鳴音の発生を防止することができるので、前記共鳴音発生の原因となっている異常な圧力変動の発生も防止することができ、よってキャビティに接続されるバルブや計測機器等の安全性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す切断側面図である。
【図2】図1のII−II方向の切断平面図である。
【図3】凸部を備えた本発明における凸部の直径を種々変化させた場合について、主管流速を変化した時の騒音レベルを示すグラフである。
【図4】キャビティと凸部との間隔が異なる場合の、凸部の突出高さを変化した時の騒音レベルを示すグラフである。
【図5】凸部を備えた本発明と無対策の場合における主管流速を変化した時の騒音レベルと周波数の関係を示すグラフである。
【図6】無対策の時の周波数と騒音レベルの関係を示すグラフである。
【図7】凸部を備えた時の周波数と騒音レベルの関係を示すグラフである。
【図8】本発明の他の実施例を示す切断正面図である。
【図9】図8の切断平面図である。
【図10】本発明の更に他の実施例を示す切断正面図である。
【図11】図10の切断平面図である。
【図12】本発明の更に他の実施例を示す切断正面図である。
【図13】図12の切断平面図である。
【図14】キャビティの音圧レベル、圧力変動の大きさ、圧力変動幅、開口部における流速変動スペクトルを測定する例を示す側面図である。
【図15】図8、図9の装置と、図10、図11の装置と、図12、図13の装置との場合と、従来の無対策の場合とについて音圧レベルを測定した結果を示す線図である。
【図16】図8、図9の装置と、図10、図11の装置と、図12、図13の装置との場合と、従来の無対策の場合とについて圧力変動の大きさを測定した結果を示す線図である。
【図17】従来の無対策の場合において平均流速が約44m/sのときの圧力変動幅を測定した結果の線図である。
【図18】従来の無対策の場合において平均流速が約85m/sのときの圧力変動幅を測定した結果の線図である。
【図19】図10、図11の装置において平均流速が約44m/sのときの圧力変動幅を測定した結果の線図である。
【図20】図10、図11の装置において平均流速が約85m/sのときの圧力変動幅を測定した結果の線図である。
【図21】従来の無対策の場合において平均流速が約55m/sのときの流速変動スペクトルを測定した結果の線図である。
【図22】従来の無対策の場合において平均流速が約70m/sのときの流速変動スペクトルを測定した結果の線図である。
【図23】従来の無対策の場合において平均流速が約85m/sのときの流速変動スペクトルを測定した結果の線図である。
【図24】図8、図9の装置において平均流速が約55m/sのときの流速変動スペクトルを測定した結果の線図である。
【図25】図8、図9の装置において平均流速が約70m/sのときの流速変動スペクトルを測定した結果の線図である。
【図26】図8、図9の装置において平均流速が約85m/sのときの流速変動スペクトルを測定した結果の線図である。
【図27】従来装置の一例を示す切断側面図である。
【図28】従来装置の他の例を示す切断側面図である。
【符号の説明】
1 主管
2 キャビティ
10 凸部
12a 凸部
12b 凸部
13a 凸部
13b 凸部
13c 凸部
14a 凸部
14b 凸部
14c 凸部
D キャビティの内径
d 凸部の直径
L2 凸部の突出高さ
L3 キャビティと凸部の間隔
Claims (4)
- 主管に交差するように形成されたキャビティを有する主管内面における前記キャビティの上流側位置に、キャビティの設置位置と周方向同一位置において主管内に向けて突出する凸部を設けたことを特徴とするキャビティの共鳴音発生防止装置。
- 主管に交差するように形成されたキャビティを有する主管内面における前記キャビティの上流側位置に、主管の内周方向に所要の間隔を有して主管内に向けて突出する複数の凸部を設けたことを特徴とするキャビティの共鳴音発生防止装置。
- 複数の凸部が千鳥状に配置されていることを特徴とする請求項2に記載のキャビティの共鳴音発生防止装置。
- 凸部がキャビティの内径の約20%〜70%の直径を有する円柱状をなし、且つ凸部の突出高さが前記キャビティの内径の約20%以上であり、前記凸部がキャビティの内径の約5倍以内の間隔を有してキャビティより上流側位置に設置されていることを特徴とする請求項1又は2又は3に記載のキャビティの共鳴音発生防止装置。
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