JP2009242928A - 誘導加熱装置及び誘導加熱方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】被熱処理部材を所望の位置に配置するとともに正確な熱処理を可能とする。
【解決手段】取付孔部73を有するワーク70が載置される台座12と、ワーク70の片面に向き合う片面側導電部21、及び該片面とは反対側の他面に向き合う他面側導電部22を有する誘導加熱コイル20と、片面側導電部21と前記片面との間に配置された銅板40と、ワーク70の一方側に配置されるとともに取付孔部73に挿入可能な被挿入部材53を有する第1固定部51、ワーク70の他方側に配置され被挿入部材53に対して接離可能であって被挿入部材53の先端が係合可能な受け部を有する第2固定部55を有し、一方側から被挿入部材53が取付孔部73を挿通して他方側において受け部材57に支持されることにより台座12にワークを固定する固定機構50と、を具備する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、金属部材を誘導加熱する誘導加熱装置及び誘導加熱方法に関する。
鋼板などの金属板を加熱する際に、この金属板に誘導加熱コイルを向き合わせて配置しておき、この誘導加熱コイルに高周波電力を供給しながら金属板を誘導加熱する誘導加熱方法が広く使用されている。この誘導加熱方法によれば、誘導加熱コイルに流れる交流電流によって生成される交番磁束が金属板を貫通して金属板内部に渦電流を誘導し、この渦電流によるジュール熱によって金属板が加熱される。
金属板の両面を取り囲むように誘導加熱コイルを配置してこの金属板を誘導加熱する場合、誘導加熱コイルのうち金属板の片面に向き合う片面側導電部に流れる交流電流に起因して金属板内部に誘導される渦電流の向きと、誘導加熱コイルのうち金属板の他面(片面とは反対側の面)に向き合う他面側導電部に流れる交流電流に起因して金属板内部に誘導される渦電流の向きとは、互いに逆向きとなる。
ところで、誘導加熱コイルに供給する高周波電力の周波数を高くするほど電流浸透深さは浅くなる。すなわち、高い周波数(例えば50kHz以上)の高周波電力を誘導加熱コイルに供給した場合、誘導加熱コイルのうち金属板の片面に向き合う片面側導電部に流れる交流電流に起因して誘導される渦電流は、金属板内部の片面及びその近傍(片面側部分)に多く流れる。一方、誘導加熱コイルのうち金属板の他面に向き合う他面側導電部に流れる交流電流に起因して誘導される渦電流は、金属板内部の他面及びその近傍(他面側部分)に多く流れる。
上記とは逆に、誘導加熱コイルに供給する高周波電力の周波数を低くするほど電流浸透深さは深くなる。すなわち、低い周波数(例えば25kHz以下)の高周波電力を誘導加熱コイルに供給した場合、上記した片面側導電部に流れる交流電流に起因して誘導される渦電流は、金属板内部の片面から深い部分まで流れる。一方、上記した他面側導電部に流れる交流電流に起因して誘導される渦電流は、金属板内部の他面から深い部分まで流れる。
以上からわかるように、薄い(例えば厚さ5mm以下)金属板の両面を取り囲むような誘導加熱コイルを配置してこの金属板を誘導加熱する場合、この誘導加熱コイルに低い周波数の高周波電力を供給したときは、金属板の片面に向き合う片面側導電部と他面に向き合う他面側導電部に流れる高周波電力に起因して誘導された渦電流が金属板の内部で打ち消し合う。このため、薄い金属板はほとんど加熱されない。従って、低い周波数の高周波電力を使用した誘導加熱方法で加熱できる金属板は比較的厚い金属板に限定される。
上述したように高い周波数の高周波電力を誘導加熱コイルに供給した場合は電流浸透深さが浅くなるので、薄い金属板であってもその内部では渦電流が打ち消し合わないこととなり、薄い金属板でも誘導加熱できる。しかし、約5mm以下の厚さの薄い金属板を誘導加熱する場合、誘導加熱コイルの電圧は数万ボルトとなる。このため、上記の誘導加熱方法で薄い金属板を誘導加熱する作業は、理論的には可能であっても実際には行われていない。
誘導加熱コイルの電圧が低くても薄い金属板を誘導加熱できる技術として、金属板が接触するロール面を導電体にしたデフレクタロールを用いて薄い金属板を誘導加熱する技術が提案されている。この技術では、デフレクタロールのロール面が加熱されてこの熱が金属板に伝導するので、周波数の比較的低い出力電圧の高周波電力を誘導加熱コイルに供給しても薄い金属板が誘導加熱される。
しかし、上記のデフレクタロールを用いる技術では、デフレクタロールが必須となり、金属板はこのデフレクタロールによって湾曲しながら搬送されるので、真っ直ぐに延びる薄い金属板を誘導加熱することはできない。また、この技術では、薄い金属板のうちデフレクタロールによって湾曲している部分の周囲に誘導加熱コイルを配置するので、誘導加熱装置が複雑なものとなる。
上記事情に鑑み、前記片面側導電部と前記片面との間に配置された導電性部材を備え周波数の比較的低い高周波電力を使用しても薄い金属板を容易に誘導加熱できる誘導加熱方法及び誘導加熱装置が提供されている(例えば、特許文献1参照)。
この誘導加熱装置は、所定の厚さ以下の金属板を誘導加熱する誘導加熱装置であって、金属板の片面に向き合う片面側導電部、及び該片面とは反対側の他面に向き合う他面側導電部を有する誘導加熱コイルと、前記片面側導電部と前記片面との間に配置された導電性部材とを備えている。
この誘導加熱装置においては、誘導加熱の際、誘導加熱装置を固定した状態で、加熱コイルの中央部分に、長い板状の金属板を加熱コイルに対して連続的に搬送している。すなわち金属板は加熱コイルの外側で支持されて連続的に加熱コイル内を通るように搬送される構成である。
特開2005−281778(P2005−281778A)公報
しかしながら、上記の技術は、被熱処理物である長い薄板が、例えば丸コイル等の加熱コイルの一方側から入り他方側へ抜け出るように搬送される際に連続的に熱処理を行うものである。したがって、コイルの外側にまで連続しない形状の部材には適用することが困難である。すなわち、台座に載置するのみでは電磁誘導力により、所望の位置に保持することが困難である。被熱処理部材の位置がずれると片面側がオーバーヒートしてしまう等により正確な熱処理を行うことが困難となる。
本発明は、上記事情に鑑み、被熱処理部材を所望の位置に配置するとともに正確な熱処理を可能とすることを目的とする。
本発明の一形態にかかる誘導加熱装置は、金属材で構成され孔部を有する被熱処理部材を誘導加熱する誘導加熱装置であって、前記被熱処理部材が載置される台座と、前記被熱処理部材の片面に向き合う片面側導電部、及び該片面とは反対側の他面に向き合う他面側導電部を有する誘導加熱コイルと、前記片面側導電部と前記片面との間に配置された導電性部材と、前記台座に支持され前記被熱処理部材の一方側に配置されるとともに前記孔部に挿入可能な被挿入部を有する第1固定部、及び前記台座に支持され前記被熱処理部材の他方側に配置され前記被挿入部と接離可能であって前記被挿入部の先端が係合可能な受け部を有する第2固定部を有し、前記一方側から前記被挿入部が前記孔部を挿通して前記他方側において前記受け部に支持されることにより前記台座に前記被熱処理部材を固定する固定部と、を具備したことを特徴とする。
本発明の一形態に係る誘導加熱方法は、金属材で構成され孔部を有する被熱処理部材を取り囲む誘導加熱コイルでこの被熱処理部材を誘導加熱する方法において、台座の一方側に、前記孔部に挿入可能な被挿入部を有する第1固定部を配置し、他方側に、前記被挿入部と接離可能であり、前記被挿入部の先端が係合可能な受け部を有する第2固定部を配置し、前記受け部と前記被挿入部とが離間した状態で、前記被熱処理部材を配置し、前記被挿入部と前記受け部とを近接させ、前記一方側から前記被挿入部が前記孔部を挿通して前記他方側において前記受け部に支持させることにより、前記台座に前記被熱処理部材を固定し、前記誘導加熱コイルのうち前記被熱処理部材の一方側に向き合う片面側導電部とこの片面との間に導電性部材を配置し、前記誘導加熱コイルに高周波電力を供給して前記被熱処理部材を誘導加熱することを特徴とする。
本発明によれば、被熱処理部材を所望の位置に配置でき、正確な熱処理が可能となる。
以下、本発明の第1実施形態について図1乃至図を参照して説明する。図1は、本実施形態の誘導加熱装置10を示す斜視図であり、図2は平面図、図3は側面図である。
誘導加熱装置10は、薄い鋼板部材70(被熱処理部材の一例であり、以下、ワーク70という。)の全体を誘導加熱するためのものである。
誘導加熱装置10は、中央部分に配置され、ワーク70を支持する台座12と、台座12及びワーク70を取り囲む誘導加熱コイル20と、高周波電源30と、ワーク70を固定する固定機構50と、誘導加熱後のワーク70を冷却する冷却水噴射式の冷却装置60と、を備えている。
ワーク70は、図4乃至図6に示すように、例えば3mm程度の厚さを有する薄い鋼板が所定のL字形状に湾曲形成されている。ワークの幅方向中心には厚さ方向に貫通する円形の取付孔部73が形成されている。また取付孔部の近傍及びワークの先端側に厚さ方向に貫通する円形の孔部74が複数設けられている。ワークは、取付孔部73において、後述する固定機構50によって台座12に固定される。
図1乃至図3に示される台座12は、例えばセラミック等の電気的絶縁性の材料から構成され、誘導加熱コイル20に囲まれる領域の下部に配置されている。台座12は被熱処理部材としてのワーク70の形状に応じた所定形状を成し、平面視において、Y方向における一方側の幅が広い広部13と他方側の幅の狭い狭部14を有して構成される。この広部13に先端側が載置され、狭部14に基端側が載置される。ここでは一例として台座12の上面が平面状である場合を示す。台座12は昇降可能であり、上方に位置する状態でワーク70が設置されるとともに、下方のコイル20の内部に配置された状態で誘導加熱処理が行われる。なお、図2では台座12が上昇して上方に位置する状態を示す。
固定機構50は、ワーク70の一方側と他方側に夫々配置された第1固定部51及び第2固定部55によって構成されている。
図7乃至図11に示されるように、第1固定部51は、台座12にねじ止め固定されて上方に延びる第1支持部材52と、この第1支持部材52に支持されて他方側に延びる被挿入部材(被挿入部)53とを備えて構成されている。
第1支持部材52はセラミクス系やジルコニア系の絶縁材からなり半円状の凹部を有し、この凹部同士を対向して配置される2つの板状部材52a,52bで構成される。この対向する2つの板状部材52a、52bの組み合わせによって、第1支持部材52は、円形状の支持孔52cとこれに連続するスリットを有する矩形の板状に構成されている。この円形状の支持孔52cに挿入固定されることにより被挿入部材53が支持される。
被挿入部材53は、セラミクス系やジルコニア系の絶縁材からなり、片面側から他面側へ向かう第1方向を軸方向とする大径部53a及び小径部53bを有する段差付の円筒状の部材からなる。被挿入部材53の基端側は支持孔52cに挿通され、凸部を構成する先端側の小径部53bが前記取付孔部73に挿通される。大径部53aと小径部53bの間の段差部分は、取付孔部73の周縁部に係合する第1支持縁53cを構成する。
図7及び図12乃至15に示されるように、第2固定部55は、ワーク70の他方側、すなわちここでは他面側に配置される。第2固定部55は、第2支持部材56と、この第2支持部材56に支持される受け部材57とを備える。
第2支持部材56は、真鋳製の板状部材であり、その基端側に形成された複数の取付孔を介して機構としてのエアーピストン58の可動軸58aに固定されている。第2支持部材56は、基端側が幅広く、先端側の幅が狭くなるように段差を有する形状であって、幅の狭い先端側すなわち上方の端部近傍には後述する受け部材57を固定するための固定孔56aが形成されている。
受け部材57は、例えば銅等の導電部材からなり、基端側の小径部分と先端側の大径部分とを備える二段形状の円筒状部材で構成されている。基端側の小径部分が固定孔56aに挿通支持されることにより受け部材57が第1方向を軸方向として支持されている。
先端側の端面には、基端側に凹む受け部57aが形成されている。受け部57aは円形状であり、被挿入部材53の先端が嵌るように構成されている。
受け部材57の基端側の端面は、シリンダ等で構成され台座12に支持される調整機構58により、軸方向すなわち図中X方向に移動可能である。調整機構58からの空圧によって、受け部材57の基端側が第一方向に押圧され、あるいは押圧力が解除される。この押圧力に伴って受け部材57が第1方向に往復移動可能である。近接状態を実線で、離間状態を破線で示す。
調整機構58による受け部材57の移動に伴って被挿入部材53の先端に対して受け部57aが接離可能である。受け部57aの周縁部分はワーク70の取付孔部73の周縁部を支持する第2支持縁57bを構成する。
被挿入部材53の先端と受け部57aとが離間した離間状態であって、台座12が上方に配置された状態で、取付孔部73に被挿入部材53を挿通し、受け部57aとの間にワーク70を配置する。この後、調整機構58により受け部材57を第1方向に移動させ、近接状態とすることにより被挿入部53の先端の凸部が受け部材57の受け部57aの凹み部分に係合される。
この近接状態では、被挿入部材53が一方側から取付孔部73に挿通され、その先端が前記他方側において前記受け部57aに支持されるとともに、前記第1支持縁53c及び第2支持縁57bによりワーク70の取付孔部73の周縁部の両面が挟持されることで台座12にワーク70が固定される。固定後、台座12が下降することにより誘導加熱コイル20の内部においてワーク70が保持される。
図1乃至図3に示されるように、誘導加熱コイル20は、2ターンの箱型コイルであって、電気的絶縁性の台座12の周りを取り囲む。誘導加熱コイル20は、ワーク70の片面W1に向き合ってその長さ方向に沿う第1方向(図中Y方向)に延びる片面側導電部21と、ワーク70の他面W2(片面W1とは反対側の面)に向き合ってその幅方向に延びる他面側導電部22とを備えている。この誘導加熱コイル20の内部には、誘導加熱コイル20を冷却するための冷却液が流れる冷却液路(図示せず)が形成されている。
片面側導電部21と他面側導電部22は第1接続導電部23によって電気的に接続されている。第1接続導電部23はワーク70の一端部W3から離れた位置で第1方向と交差する第2方向(図中X方向)に延びている。この第1接続導電部23の端部が他面側導電部22の一端部22aに電気的に接続されている。
他面側導電部22の他端部22bからは高周波電源30に接続された第2接続導電部24が折れ曲がって延びている。また、片面側導電部21の端部からは高周波電源30に接続された第3接続導電部25が折れ曲がって延びている。なお、第2接続導電部24と第3接続導電部25とは電気的絶縁部材31によって電気的に絶縁されている。
誘導加熱コイル20のうち、ワーク70の加熱に実質的に寄与する部分は片面側導電部21と他面側導電部22があるが、後述するように、片面側導電部21とワーク70の片面W1との間には、磁束減少部材及び導電性部材として機能する銅板40が配置されているので、片面側導電部21を流れる交流電流は、銅板40を介してワーク70の表層部を加熱することになる。
上述のように誘導加熱コイル20はワーク70を取り囲んでいるが、片面側導電部21とワーク70の片面W1との間には銅板40が配置されている。銅板40の幅と長さは、片面側導電部21の幅と長さとほぼ同じである。銅板40の内部には冷却液が流れる冷却液路が形成されており、銅板40の長手方向両端部には、この冷却液路に冷却液を供給して排出するための冷却液出入口42,42が形成されている。冷却液出入口42,42の一方から冷却液路に冷却液を供給し、他方から冷却液を排出することにより、銅板40は冷却される。なお、銅板40は電気的絶縁部材32を介して片面側導電部21に固定されている。
ここで、各部材の厚さや配置間隔の一例を挙げる。
片面側導電部21の厚さt1は10mmであり、電気的絶縁部材32の厚さt2は2mmであり、銅板40の厚さt3は10mmであり、ワーク70の厚さt4は3mmであり、他面側導電部の厚さt5は10mmである。また、銅板40からワーク70の片面W1までの距離L1は60mmであり、ワーク70の他面W2から他面側導電部22までの距離L2は70mmである。
冷却装置60は加熱コイルより下方において台座を包囲するように冷却ジャケットが配置されて構成される。
加熱終了後、台座12が図示しない昇降手段で冷却ジャケット位置に降下する。冷却ジャケットにワーク70が包囲された状態で冷却ジャケットが冷却水を噴射することにより、ワーク70が冷却される。
図16、図17に、誘導加熱後のワーク70の各部の硬さを示す。図中P1,P2,P3、P4,P5、P6,P7は、ワークにおける各部位を示し、対応する記号を図4に示している。図16、図17においては、製造の際のプレス処理によってバリが形成されていない方の湾曲外側面70aと、バリが形成される湾曲内側面70bと、厚さ方向の中央部70cにおける硬さを夫々示している。なお、硬さの測定荷重は5kgとした。硬さについては、高周波焼き入れ後の硬さは上限577HVの仕様を満足したことが判る。図16には、RHの向きに配置した場合、図17には、これと反対のLHの向きに配置した場合を示す。なお、図2に示す配置がRHの向きである。
また、いずれの場合においても高周波焼き入れ後の金属組織はマルテンサイト組織であった。
本実施形態の誘導加熱装置10によれば、ワークの片面に向き合う片面側導電部とこの方面との間には導電性の銅板40が配置されているので、片面側導電部に流れる交流電流に起因して生成された交番磁束は銅板40によって減衰する。このため、厚さ3mm程度のワーク70を容易に誘導加熱することが可能となる。
本実施形態によれば以下のような効果が得られる。すなわち、取付孔部73に被挿入部材53を挿通し、その先端を受け部57aの凹み部分に係合させて固定することにより、ワークへの固定機構50の接触部位を減らし、磁束への影響を防ぐことができる。したがって、箱型の誘導加熱コイル20の内部に配置される形状のワーク70を、容易、かつ、正確に保持することができる。
また、被挿入部材53を導電性の部材で構成することによりこの被挿入部材53が、銅板40と同様に減少部材として機能することにより被挿入部材53も均一に加熱されるので、保持具の熱処理特性への影響を低減できる。すなわち、熱処理部材の温度は治具に接触する部分と被接触部分とで温度むらが生じる場合があるが、本実施形態によれば、全体の均熱化が図れる。この結果、保持治具を加熱コイル内の磁束にさらされる(加熱される)部分に設置することが可能となる。また、被熱処理物の低(定)変形を確保することができるとともに、均等な硬さを確保することができる。
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。
上記した例では、薄い板材の誘導加熱に誘導加熱コイル20を使用したが、細い線状部材の全体を誘導加熱する際にも誘導加熱コイル20を適用できる。
また、被挿入部材53は、銅製としたが、これに代えて銅合金製、アルミニウム製、アルニミウム合金製、銀製、ステンレス製等、他の導電材を使用してもよい。
また、上記第1実施形態においては一方側と片面側を同じ側としたが、反対であってもよく、例えば、受け部を片面側に配置し、この受け部を導電部材で構成してもよい。この場合にも上記実施形態と同様の効果が得られる。
また、上記実施形態の例では台座12の上面は平面形状としたが、段差付の形状としてもよい。台座をワークの形状に沿うように形成し、段差部を適宜追加することにより同一の固定機構で複数種類の形状の被熱処理部材の処理が可能となる。
また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
本発明の第1実施形態にかかる誘導加熱装置を示す斜視図。 同誘導加熱装置の平面図。 同誘導加熱装置の平面図。 同実施形態にかかるワークの側面図 同ワークの平面図 同ワークの正面図 同実施形態に係る固定機構の側面図 同実施形態に係る第1支持部材の側面図 同第1支持部材の正面図 同実施形態にかかる被挿入部材の側面図 同被挿入部材の正面図 同実施形態に係る第2支持部材の側面図 同第2支持部材の平面図 同実施形態に係る受け部材の正面面図。 同実施形態に係る受け部材の側面図。 同実施形態におけるワークをRH方向に配置した際の硬さを示す表。 同実施形態におけるワークをLH方向に配置した際の硬さを示す表。
符号の説明
10…誘導加熱装置、12…台座、12…台座、20…誘導加熱コイル、21…片面側導電部、22…他面側導電部、23…第1の接続導電部、24…接続導電部、
25…接続導電部、31…電気的絶縁部材、30…高周波熱源、32…電気的絶縁部材、40…銅板、42…冷却液出入口、50…固定機構(固定部)、51…第1固定部、52…支持部材、52a.52b…板状部材、52c…支持孔、53…被挿入部材(被挿入部)、53a…大径部、53b…小径部、53c…支持縁、55…第2固定部、56…支持部材、56a…固定孔、57…受け部材(受け部)、57b…支持縁、58…エアーピストン(調整機構)、60…冷却装置、70…ワーク、73…取付孔部(孔部)、74…孔部。

Claims (9)

  1. 金属材で構成され孔部を有する被熱処理部材を誘導加熱する誘導加熱装置であって、
    前記被熱処理部材が載置される台座と、
    前記被熱処理部材の片面に向き合う片面側導電部、及び該片面とは反対側の他面に向き合う他面側導電部を有する誘導加熱コイルと、
    前記片面側導電部と前記片面との間に配置された導電性部材と、
    前記被熱処理部材の一方側に配置されるとともに前記孔部に挿入可能な被挿入部を有する第1固定部、及び前記被熱処理部材の他方側に配置され前記被挿入部と接離可能であって前記被挿入部の先端が係合可能な受け部を有する第2固定部を有し、前記一方側から前記被挿入部が前記孔部を挿通して前記他方側において前記受け部に支持されることにより前記台座に前記被熱処理部材を固定する固定部と、
    を具備したことを特徴とする誘導加熱装置。
  2. 前記第1固定部は、前記一方側から他方側へ向かう第1方向を軸方向とする大径部及び小径部を有する段差付の円筒状の部材からなり、前記段差部分が前記孔部の周縁部に係合して前記孔部の周縁部を支持する第1支持縁を構成するとともに、
    前記第2固定部は、前記第1方向を軸方向とする円柱状の部材の先端に受け部が形成されるとともに、前記受け部の周りに前記孔部の周縁部を支持する第2支持縁が構成され、
    近接状態において、前記被挿入部が前記一方側から前記孔部に挿通され、その先端が前記他方側において前記受け部に支持されるとともに、前記第1支持縁及び第2支持縁により前記被熱処理部材の前記孔部の周縁部が挟持されることで前記台座に前記被熱処理部材が固定されることを特徴とする請求項1記載の誘導加熱装置。
  3. 前記被挿入部及び前記受け部のうち、前記他面側に配置された部材は導電材で構成されたことを特徴とする請求項1または2記載の誘導加熱装置。
  4. 前記被挿入部及び前記受け部のうち、前記片面側に配置された部材は絶縁材で構成されたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか記載の誘導加熱装置。
  5. 前記導電性部材は、銅製、アルミニウム製、銀製、及びステンレス製のうちのいずれかであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の誘導加熱装置。
  6. 冷却液を噴射する冷却手段と、
    前記誘導加熱処理の後、前記被熱処理部材を、前記冷却手段の冷却位置に移動させる移動手段と、
    を備えたことを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の誘導加熱装置。
  7. 金属材で構成され孔部を有する被熱処理部材を取り囲む誘導加熱コイルでこの被熱処理部材を誘導加熱する方法において、
    台座の一方側に、前記孔部に挿入可能な被挿入部を有する第1固定部を配置し、
    他方側に、前記被挿入部と接離可能であり、前記被挿入部の先端が係合可能な受け部を有する第2固定部を配置し、
    前記受け部と前記被挿入部とが離間した状態で、前記被熱処理部材を配置し、
    前記被挿入部と前記受け部とを近接させ、前記一方側から前記被挿入部が前記孔部を挿通して前記他方側において前記受け部に支持させることにより、前記台座に前記被熱処理部材を固定し、
    前記誘導加熱コイルのうち前記被熱処理部材の一方側に向き合う片面側導電部とこの片面との間に導電性部材を配置し、
    前記誘導加熱コイルに高周波電力を供給して前記被熱処理部材を誘導加熱することを特徴とする誘導加熱方法。
  8. 前記導電性部材として、銅、アルミニウム、銀、及びステンレスのうちのいずれかで作製された、その内部に冷却液が流れる板状部材を使用することを特徴とする請求項7に記載の誘導加熱方法。
  9. 前記被熱処理部材を誘導加熱した後、前記被熱処理部材を冷却する工程を備えたことを特徴とする請求項7記載の誘導加熱方法。
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