JP2009241416A - 積層体および感熱記録材料 - Google Patents

積層体および感熱記録材料 Download PDF

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Abstract

【課題】高い表面強度を有する積層体、また高い表面強度と良好な発色感度、良好なヘッドカスを得ることが出来る感熱記録材料を提供する。
【解決手段】支持体上に、有機顔料、硼砂を含有する下塗り層と、ポリビニルアルコールを含有する上塗り層とをこの順で有することを特徴とする積層体。また、支持体上に、有機顔料、硼砂を含有する下塗り層と、電子供与性の染料前駆体、電子受容性の顕色剤、及びポリビニルアルコールを含有する上塗り層とをこの順で有することを特徴とする感熱記録材料。また、前記感熱記録材料において、有機顔料が非発泡性有機中空顔料であり、電子受容性の顕色剤、電子供与性の染料前駆体、及び吸油性の無機顔料を上塗り層中に3〜40質量%を含有する感熱記録材料により達成される。
【選択図】なし

Description

本発明は積層体および感熱記録材料に関するものである。
感熱記録材料は、一般に、支持体上に、画質向上を目的として吸油性の無機顔料あるいは有機顔料を含むアンダーコート層が設けられ、その上に電子供与性の通常無色ないし淡色の染料前駆体と電子受容性の顕色剤とを主成分とする感熱記録層を設けたものであり、熱ヘッド、熱ペン、レーザー光等で加熱することにより、染料前駆体と顕色剤とが瞬時反応し記録画像が得られるもので、このような感熱記録材料は、比較的簡単な装置で記録が得られ、保守が容易なこと、騒音の発生がないこと等の利点があり、ファクシミリやコンピューターの端末機のみならず利用されている。
近年、感熱記録材料に施されるオフセット印刷において、顧客への高い訴求力、高生産性を目的としたオフセット印刷の多色化、高速化が指向されており、印刷媒体にはこの多色化、高速化に対応したさらなるオフセット印刷適性が求められている。
感熱記録材料には印字品位、発色感度を向上させることを主たる目的としてアンダーコート層が設けられるが(例えば、特許文献1参照)、このアンダーコート層に断熱効果の高い有機顔料を使用すると電子供与性染料、電子受容性顕色剤等の熱溶融成分が浸透しにくくなり、プリンターヘッドに溶融物が堆積し、印字品位を低下させてしまうヘッドカスが発生しやすくなる。
これを回避するために構造性顔料である焼成カオリン等を主成分として、更にその熱遮断性能やカス付着防止性能を損なわない様にバインダー量を少量に設定させたアンダーコート層が用いられる場合があるが、これはバルキーな塗層構造であるから、必然的に塗層強度が弱くなりオフセット印刷適性も期待できないものとなってしまう。
また感熱発色層の下に設けられるアンダーコート層に特定のバインダーを添加する方法についても検討が為されている(例えば、特許文献2参照)。
しかし、積層体、特にアンダーコート層、感熱記録層等複数層を積層してなる感熱記録材料においては、単一の層のみの表面強度を向上させても十分な表面強度を得ることが出来ず、十分なオフセット印刷適性を得ることが難しい。
また、印字品位を損なわない為に、感熱発色層の上に吸油性の無機顔料、バインダーを主たる成分とする保護層が設けられる場合があるが(例えば、特許文献3参照)、これは発色感度を低下させてしまう可能性が高くなってしまう。
このように高い発色感度を保ったまま、強い表面強度、良好なヘッドカス適性を有する感熱記録材料を得ることは困難なことであった。
特開平4−220393号公報 特開2005−103941号公報 特開平5−318928号公報
本発明は上記の従来技術が有する問題に鑑み、高い表面強度を有する積層体、およびこれに加えて良好な発色感度、良好なヘッドカス適性を有する感熱記録材料を提供することにある。
本発明者は上記課題を解決するため鋭意検討した結果、支持体上に、有機顔料、硼砂を含有する下塗り層と、ポリビニルアルコールを含有する上塗り層とをこの順で有する積層体により解決した。
また、支持体上に、有機顔料、硼砂を含有する下塗り層と、電子供与性の染料前駆体、電子受容性の顕色剤、及びポリビニルアルコールを含有する上塗り層とをこの順で形成することにより、高い表面強度、良好な発色感度、および良好なヘッドカス適性を有する感熱記録材料を提供することができることを見出した。
さらに、上記感熱記録材料において、有機顔料が非発泡性有機中空顔料であり、電子受容性の顕色剤、電子供与性の染料前駆体、及び吸油性の無機顔料を上塗り層中に3〜40質量%を含有することにより、さらに上記特性が向上することを見出した。
本発明によれば高い表面強度を有する積層体、およびこれに加えて良好な発色感度、良好なヘッドカス適性を有する感熱記録材料を提供することが出来る。
次に本発明を実施するための最良の形態を説明する。
本発明の積層体または感熱記録材料において、透気性紙支持体あるいは非透気性の支持体を用いることが出来る。本発明における非透気性支持体としては、合成紙、プラスチックフィルム、レジンコーテッド紙等を使用することができる。非透気性支持体には濡れ性を改良するために、コロナ処理等の処理をすることも出来る。透気性紙支持体としては、LBKP、NBKP等の化学パルプ、GP、PGW、RMP、TMP、CTMP、CMP、CGP等の機械パルプ、DIP等の古紙パルプ等の木材パルプと従来公知の填料を主成分として、バインダーおよびサイズ剤や定着剤、歩留まり向上剤、カチオン化剤、紙力増強剤等消泡剤、ピッチコントロール剤の各種添加剤を1種以上用いて混合し、長網抄紙機、円網抄紙機、ツインワイヤー抄紙機等の各種装置で製造された原紙であり、更に原紙に、澱粉、ポリビニルアルコールなどでのサイズプレスやアンカーコート層を設けた紙や、それらの上にコート層を設けたアート紙、コート紙、キャストコート紙などの塗工紙も含まれる。この様な紙および塗工紙に、そのまま本発明における下塗り層および上塗り層を設けても良いし、平坦化をコントロールする目的で、マシンカレンダー、TGカレンダー、ソフトカレンダーなどのカレンダー装置を使用しても良い。
本発明の積層体または感熱記録材料において、支持体上には少なくとも有機顔料および硼砂を含有する下塗り層が設けられるが、本発明に係る有機顔料としては、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネイト樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリメタクリル酸メチル、アイオノマー樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、スチレン共重合樹脂などの通常公知の有機顔料を用いることが出来る。特に感熱記録材料の下塗り層に使用する場合には、断熱性の高い有機顔料が望ましい。
断熱性の高い有機顔料としては、CO2、N2、NH3、O2等のガスを発生させる発泡剤と熱可塑性高分子を含有する層を形成する方法等があるが、発泡体を発泡させる工程が必要であり、また安定な品質を得るためのコントロールが難しい等の生産上の問題があるため、非発泡性の有機顔料特に中空構造を持つものが望ましい。
非発泡性の有機中空顔料の一例として、熱可塑性高分子物質を殻とし、内部に空気その他の気体を含有する特開平4−220393号公報、特開平4−241987号公報、特開平5−318927号公報等に記載の非発泡性の微小中空粒子、また特開平10−264536号公報に記載の熱可塑性高分子物質よりなる球状中空重合体粒子の一部を平面で裁断して得られるような開口部を有するお椀型状であるような微小粒子が挙げられる。
特開平5−318927号公報記載の有機顔料は、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジアクリレート等の重合性不飽和結合を一分子中に二つ以上有する単量体架橋性単量体混合物を、(メタ)アクリル酸エステル類、酢酸ビニル、ビニルエステル類、ビニルシアン化合物、ハロゲン化ビニル化合物、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等の芳香族ビニル化合物ビニル単量体と乳化重合することにより得られ、例えばグロスデール201−S(三井化学株式会社製)等の製品名で市販されている。
また、特開平10−264236号公報記載の熱可塑性高分子物質よりなる球状中空重合体粒子の一部を平面で裁断して得られるような開口部を有するお椀型状であるような微小粒子を得る方法の一例として、次の工程(1)〜(7)を含む多段重合法を挙げることが出来る。(1)酸性基含有単量体30〜65重量%およびこれと共重合可能な単量体70〜35重量%との単量体混合物を共重合することによって核重合体粒子を調製し、(2)上記該重合体粒子の存在下に、酸性基含有単量体10〜35重量%およびこれと共重合可能な単量体90〜65重量%との単量体混合物を共重合することによって、実質的に上記核重合体粒子を包囲する芯重合体を形成し(但し、ここで芯重合体粒子中における酸性基含有単量体の含有比率は、核重合体中における酸性基含有単量体の含有比率と等しいか、または、より小さい)、(3)上記核/芯重合体粒子の存在下に、酸性基含有単量体1〜12重量%およびこれと共重合可能な単量体99〜88重量%との単量体混合物を共重合することによって、実質的に上記芯重合体粒子を包囲する少なくとも1層の中間層重合体を形成し、(4)上記芯重合体粒子を包囲する中間層重合体が形成された重合体粒子の存在下に、芳香族ビニル単量体を単独で、または酸性基含有単量体0.5重量%以下およびこれと共重合可能な芳香族ビニル単量体99.5重量%以上とからなる単量体混合物を共重合することによって、実質的に上記中間層重合体を包囲する外層重合体を形成し、(5)得られた少なくとも4層構造を有する重合体粒子を含有する水性分散液に塩基を添加して該分散液のpHを7以上として重合体粒子内にボイドを形成し、 (6)次いで、所望により、この分散液のpHを7未満としたうえ、この水性分散液に芳香族ビニル単量体を単独で、または芳香族ビニル単量体90重量%以上およびこれと共重合可能な単量体10重量%以下とからなる単量体混合物を添加して、前記少なくとも4層構造を有する重合体粒子の存在下に、重合することによって外層重合体の周囲に最外層重合体を形成し、次いで(7)得られた重合体粒子の分散液を乾燥する。このような有機顔料は、例えばMH−8055(日本ゼオン株式会社製)の製品名で市販されており、入手が可能である。
熱可塑性高分子物質を殻とする微小中空粒子あるいはお椀型状であるような微小粒子の平均粒子外径は0.3〜20μmのものが使用できるが、1〜10μmのものが望ましい。平均粒子外径が1μmより小さいものは任意の中空度にするのが難しいなどの生産上の問題、またはコスト上の問題があり、逆に20μmより大きいものは塗布乾燥後の表面の平滑性が低下するため、サーマルヘッドとの密着性が低下し、ドット再現性が悪くなるとともに感度向上効果が低下する。従って、このような粒子分布は粒子径が前記範囲にあると同時に、バラツキの少ない分布ピークの均一なものが望ましい。
本発明の感熱記録材料に係る下塗り層には、感熱印字時の発色感度を落とさない程度に、吸油性無機顔料を使用することが出来る。この吸油性無機顔料としては、ケイソウ土、タルク、カオリン、焼成カオリン、重質炭酸カルシウム、沈降炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、二酸化チタン、硫酸バリウム、硫酸亜鉛、非晶質シリカ、非晶質ケイ酸カルシウム、コロイダルシリカ等が挙げられる。
感熱記録材料の下塗り層に無機顔料を併用する場合は、有機顔料/無機顔料の固形分比率が、5/95〜95/5部の範囲にあることが望ましい。有機顔料の量が5部を下回ると、発色感度の低下が著しく、また95部を上回ると、良好なヘッドカス適性を得るのが難しくなる。
下塗り層には良好な表面強度を得るためにバインダーを加えることが好ましい。バインダーとしては、無変性デンプン、酸化デンプン、リン酸エステル化デンプン、尿素変性リン酸エステル化デンプン、ヒドロキシエチル化デンプン、冷水可溶性デンプン、ピロデキストリン、無変性ポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコール、エポキシ変性ポリビニルアルコール、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、アクリル酸アミド/アクリロニトリル変性ポリビニルアルコール、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、カゼイン、アルギン酸ソーダ、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミドなどの水溶性高分子、アクリルアミド/アクリル酸エステル共重合体、アクリルアミド/アクリル酸エステル/メタクリル酸三元共重合体、ポリアクリル酸のアルカリ塩、ポリマレイン酸のアルカリ塩、スチレン/無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩、エチレン/無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩、イソブチレン/無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩などの水溶性樹脂、及びスチレン/ブタジエン共重合体、アクリロニトリル/ブタジエン共重合体、アクリル酸メチル/ブタジエン共重合体、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン三元共重合体、ポリ酢酸ビニル、酢酸ビニル/アクリル酸エステル共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体、ポリアクリル酸エステル、スチレン/アクリル酸エステル共重合体、ポリウレタンなどの水分散性樹脂が挙げられ、これらは単独或いは複数組み合わせて用いることが出来る。
下塗り層におけるバインダーの比率としては、下塗り層全固形分量の5〜50質量%の範囲にあることが望ましい。バインダーの比率が5質量%を下回ると良好な表面強度を得ることが難しくなり、50質量%を上回ると発色感度、ヘッドカス適性が低下する虞れがあって好ましくない。
本発明に係る下塗り層には硼砂が添加される必要がある。硼砂の添加量は特に限定されないが、下塗り塗層内全固形分量の0.1〜10質量%の範囲にあることが望ましい。硼砂の添加量が0.1質量%を下回ると、上塗り層のポリビニルアルコールを固化させることが難しく、十分な表面強度を得られない可能性が高い。また、10質量%を上回ると、ポリビニルアルコールを必要以上に固化させてしまい、十分な発色感度を得ることが出来なくなって好ましくない。
本発明に係る下塗り層は、水等を媒体とし、有機顔料、硼砂、及び必要によりバインダーや助剤とを共に混合攪拌して調製された下塗り層用塗液を、乾燥後の塗布量が1〜30g/m2、好ましくは2〜20g/m2程度となるように支持体上に塗布乾燥して形成される。下塗り層の塗工量が1g/m2より少ないと、支持体を十分に被覆できなくなり、結果として高い表面強度が得られなくなるばかりか、感熱記録材料の場合は良好な発色感度を得ることが出来なくなる。また、30g/m2を超えて塗工したとしても、表面強度の向上は期待出来ず、感熱記録材料の場合は発色感度へ及ぼす効果が少なくなる。下塗り層用塗液中に含有される助剤としては、公知の界面活性剤、着色染料、蛍光染料、滑剤、紫外線吸収剤等が挙げられる。
次に、本発明に係る上塗り層について詳細に説明する。
本発明に係る上塗り層に用いられるポリビニルアルコールとしては、無変性のポリビニルアルコールの他、カルボキシル基変性ポリビニルアルコール、スルホン酸基変性ポリビニルアルコール、リン酸基変性ポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコール、エポキシ変性ポリビニルアルコール、ジアセトン変性ポリビニルアルコール、及びアセトアセチル変性ポリビニルアルコール等が挙げられ、エチレン、長鎖アルキル基を有するビニルエーテル、(メタ)アクリルアミド等を共重合した変性ポリビニルアルコール等も使用でき、これらは単独或いは複数組み合わせて用いることが出来る。
本発明に係る上塗り層に用いられるポリビニルアルコールの重合度は特に制限はないが、通常100〜3,000の範囲から選ばれ、ケン化度は水溶性の範囲であれば特に制限はないが、通常70〜100モル%の範囲から選ばれる。
本発明に係る上塗り層中のポリビニルアルコールが、下塗り層中の硼砂と接触、固化することにより、上塗り層成分の下塗り層への浸透が抑えられると共に、良好な表面強度を得ることが可能になる。
本発明に係る上塗り層に用いられるバインダーとしては、上述のポリビニルアルコールの他、通常の塗工で用いられる種々のバインダーを併用して用いることも可能である。具体的には、デンプン類、ヒドロキシメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、カゼイン、アルギン酸ソーダ、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、アクリルアミド/アクリル酸エステル共重合体、アクリルアミド/アクリル酸エステル/メタクリル酸三元共重合体、ポリアクリル酸のアルカリ塩、ポリマレイン酸のアルカリ塩、スチレン/無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩、エチレン/無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩、イソブチレン/無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩などの水溶性バインダー、およびスチレン/ブタジエン共重合体、アクリロニトリル/ブタジエン共重合体、アクリル酸メチル/ブタジエン共重合体、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン三元共重合体、ポリ酢酸ビニル、酢酸ビニル/アクリル酸エステル共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体、ポリアクリル酸エステル、スチレン/アクリル酸エステル共重合体、ポリウレタン等の水分散性バインダーなどが挙げられるが、これに限定されるものではない。
本発明の感熱記録材料において、上塗り層たる感熱記録層には、主にヘッドカス発生軽減のために吸油性の無機顔料を添加することが望ましい。吸油性の無機顔料としては、ケイソウ土、タルク、カオリン、焼成カオリン、重質炭酸カルシウム、沈降炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、二酸化チタン、硫酸バリウム、硫酸亜鉛、非晶質シリカ、非晶質ケイ酸カルシウム、コロイダルシリカ等の無機顔料等が挙げられ、これらは上塗り層全固形分量の3〜40質量%添加されることが好ましい。吸油性無機顔料の比率が3質量%を下回ると十分なヘッドカス適性を出来なくなってしまい。また、40質量%を上回ると十分な表面強度が得られなくなって好ましくない。
本発明に係る上塗り層である感熱記録層に含まれる材料については、特に限定されるものではなく、感熱ヘッドによる印加エネルギーで呈色反応を生じるような組み合わせならいずれも使用可能である。例えば、無色ないし淡色の電子供与性の染料前駆体と電子受容性の顕色剤との組み合わせ、芳香族イソシアネート化合物とイミノ化合物との組み合わせ等がある。また、発色温度等の加熱条件の違いによって互いに異なる色調に発色する複数の電子供与性の染料前駆体と電子受容性の顕色剤との組み合わせでもよい。
本発明で使用される無色ないし淡色の電子供与性の染料前駆体としては、一般の感圧記録紙、感熱記録紙などに用いられる染料前駆体に代表されるが、特に制限されない。具体的な例として、
(1)トリアリールメタン系化合物:3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド(クリスタルバイオレットラクトン)、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(1,2−ジメチルインドール−3−イル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−フェニルインドール−3−イル)フタリド、3,3−ビス(1,2−ジメチルインドール−3−イル)−5−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(1,2−ジメチルインドール−3−イル)−6−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(9−エチルカルバゾール−3−イル)−5−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(2−フェニルインドール−3−イル)−5−ジメチルアミノフタリド、3−p−ジメチルアミノフェニル−3−(1−メチルピロール−2−イル)−6−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(1−n−ブチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3,3−ビス(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3,3−ビス(1−n−ヘキシル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド等、
(2)ジフェニルメタン系化合物:4,4′−ビス(ジメチルアミノフェニル)ベンズヒドリルベンジルエーテル、N−クロロフェニルロイコオーラミン、N−2,4,5−トリクロロフェニルロイコオーラミン等、
(3)キサンテン系化合物:ローダミンBアニリノラクタム、ローダミンB−p−クロロアニリノラクタム、3−ジエチルアミノ−7−ジベンジルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−オクチルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−フェニルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−メチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(3,4−ジクロロアニリノ)フルオラン、3−(ジ−n−ブチル)アミノ−7−(2−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(2−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(ジ−n−ブチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(ジ−n−ペンチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−トリル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピペリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−トリル)アミノ−6−メチル−7−フェネチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(4−ニトロアニリノ)フルオラン、3−(ジ−n−ブチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−メチル−N−プロピル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−イソアミル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−メチル−N−シクロヘキシル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−テトラヒドロフルフリル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(3−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−エチルカルボキシルフルオラン、3−ジエチルアミノ−6,8−ジエチルフルオラン、3−(N−エチル−N−イソプロピル)アミノベンゾ[a]フルオラン、3−ジブチルアミノ−ベンゾ[a]フルオラン、3−シクロヘキシルアミノ−6−クロロフルオラン、3−アニリノ−6−クロロフルオラン、3−(ジ−n−ブチル)アミノ−6−メチル−7−ブロモフルオラン、3−(N−エチル−N−p−トリル)アミノ−7−メチルフルオラン、3−(N−エチル−N−イソアミル)アミノ−7−フェノキシフルオラン、3−ジメチルアミノ−7−メチルフルオラン等、
(4)チアジン系化合物:ベンゾイルロイコメチレンブルー、p−ニトロベンゾイルロイコメチレンブルー等、
(5)スピロ系化合物:3−メチルスピロジナフトピラン、3−エチルスピロジナフトピラン、3,3′−ジクロロスピロジナフトピラン、3−ベンジルスピロジナフトピラン、3−メチルナフト−(3−メトキシベンゾ)スピロピラン、3−プロピルスピロベンゾピラン等を挙げることができる。またこれらの染料前駆体は必要に応じて単独、もしくは2種以上混合して使用することができる。
電子受容性の顕色剤としては、一般に酸性物質に代表され、特にフェノール誘導体、芳香族カルボン酸誘導体、N,N′−ジアリールチオ尿素誘導体、有機化合物の亜鉛塩などの多価金属塩等が使用される。
具体的には、4−ヒドロキシ−4′−イソプロポキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4′−n−プロポキシジフェニルスルホン、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン、2,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4′−メチルジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4′−メトキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4′−エトキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4′−n−ブトキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4′−ベンジルオキシジフェニルスルホン、ビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、3,4−ジヒドロキシジフェニルスルホン、3,4−ジヒドロキシ−4′−メチルジフェニルスルホン、3,4,4′−トリヒドロキシジフェニルスルホン、3,4,3′,4′−テトラヒドロキシジフェニルスルホン、2,3,4−トリヒドロキシジフェニルスルホン、3−フェニルスルホニル−4−ヒドロキシジフェニルスルホン、2,4−ビス(フェニルスルホニル)フェノール等のジフェニルスルホン誘導体、4−t−ブチルフェノール、2,2′−ジヒドロキシビフェニル、2,2′−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4′−エチレンビス(2−メチルフェノール)、4,4′−シクロヘキシリデンビス(2−イソプロピルフェノール)、p−フェニルフェノール、p−ヒドロキシアセトフェノン、1,1−ビス(p−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(p−ヒドロキシフェニル)ペンタン、1,1−ビス(p−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、1,1−ビス(p−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(p−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(p−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、1,1−ビス(p−ヒドロキシフェニル)−2−エチルヘキサン、2,2−ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(p−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,3−ビス〔2−(p−ヒドロキシフェニル)−2−プロピル〕ベンゼン、1,3−ビス〔2−(3,4−ジヒドロキシフェニル)−2−プロピル〕ベンゼン、1,4−ビス〔2−(p−ヒドロキシフェニル)−2−プロピル〕ベンゼン、4,4′−ヒドロキシジフェニルエーテル、3,3′−ジクロロ−4,4′−ヒドロキシジフェニルスルフィド、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸メチル、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸ブチル等のビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸エステル類、4,4′−チオビス(2−tert−ブチル−5−メチルフェノール)、4−ヒドロキシフタル酸ジメチル、安息香酸、p−ヒドロキシ安息香酸エチル、p−ヒドロキシ安息香酸プロピル、p−ヒドロキシ安息香酸ブチル、p−ヒドロキシ安息香酸ベンジル等のヒドロキシ安息香酸エステル等、没食子酸ベンジル、没食子酸ステアリル、N,N′−ジフェニルチオ尿素、4,4′−ビス〔3−(4−メチルフェニルスルホニル)ウレイド〕ジフェニルメタン、N−(4−メチルフェニルスルホニル)−N′−フェニル尿素、サリチルアニリド、5−クロロサリチルアニリド、サリチル酸、3−イソプロピルサリチル酸、3−シクロヘキシルサリチル酸、3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸、3,5−ジ−α−メチルベンジルサリチル酸、4−[2′−(4−メトキシフェノキシ)エチルオキシ]サリチル酸、3−(オクチルオキシカルボニルアミノ)サリチル酸あるいはこれらサリチル酸誘導体の金属塩、没食子酸アルキルエステル類、ノボラック型フェノール樹脂等のフェノール性化合物、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸等のナフトエ酸誘導体とこれらの金属塩、酒石酸、ショウ酸、ホウ酸、クエン酸、アテアリン酸等の有機酸或いはこれらの金属塩、N−(p−トルエンスルホニル)−N′−(3−p−トルエンスルホニルオキシフェニル)尿素、N−(4−ヒドロキシフェニル)−p−トルエンスルホンアミド、N−(4−ヒドロキシフェニル)ベンゼンスルホンアミド、N−(4−ヒドロキシフェニル)−1−ナフタレンスルホンアミド、N−(4−ヒドロキシフェニル)−2−ナフタレンスルホンアミド、N−(4−ヒドロキシナフチル)−p−トルエンスルホンアミド、N−(4−ヒドロキシナフチル)ベンゼンスルホンアミド、N−(4−ヒドロキシナフチル)−1−ナフタレンスルホンアミド、N−(4−ヒドロキシナフチル)−2−ナフタレンスルホンアミド、N−(3−ヒドロキシフェニル)−p−トルエンスルホンアミド、N−(3−ヒドロキシフェニル)ベンゼンスルホンアミド、N−(3−ヒドロキシフェニル)−1−ナフタレンスルホンアミド、N−(3−ヒドロキシフェニル)−2−ナフタレンスルホンアミド等公知の物質等が挙げることができ、これらは単独もしくは2種以上混合して使うことができる。
芳香族イソシアネート化合物は、常温で固体の無色または淡色の芳香族イソシアネート化合物であり、具体的には、2,6−ジクロロフェニルイソシアネート,p−クロロフェニルイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、1,3−ジメチルベンゼン−4,6−ジイソシアネート、1,4−ジメチルベンゼン−2,5−ジイソシアネート、1−エトキシベンゼン−2,4−ジイソシアネート、2,5−ジメトキシベンゼン−1,4−ジイソシアネート、2,5−ジエトキシベンゼン−1,4−ジイソシアネート、2,5−ジブトキシベンゼン−1,4−ジイソシアネート、アゾベンゼン−4,4′−ジイソシアネート、ジフェニルエーテル−4,4′−ジイソシアネート、ナフタリン−1,4−ジイソシアネート、ナフタリン−1,5−ジイソシアネート、ナフタリン−2,6−ジイソシアネート、ナフタリン−2,7−ジイソシアネート、3,3′−ジメチルビフェニル−4,4′−ジイソシアネート、3,3′−ジメトキシビフェニル−4,4′−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート、ジフェニルジメチルメタン−4,4′−ジイソシアネート、ベンゾフェノン−3,3′−ジイソシアネート、フルオレン−2,7−ジイソシアネート、アンスラキノン−2,6−ジイソシアネート、9−エチルカルバゾール−3,6−ジイソシアネート、ピレン−3,8−ジイソシアネート、ナフタレン−1,3,7−トリイソシアネート、ビフェニル−2,4,4′−トリイソシアネート、4,4′,4″−トリイソシアネート−2,5−ジメトキシトリフェニルアミン、p−ジメチルアミノフェニルイソシアネート、トリス(4−フェニルイソシアネート)チオフォスフェート等1種以上が用いられる。
これらの芳香族イソシアネート化合物は、必要に応じて、フェノール類、ラクタム類、オキシム類等との付加化合物である、所謂ブロックイソシアネートの形で用いてもよく、ジイソシアネートの2量体、例えば1−メチルベンゼン−2,4−ジイソシアネートの2量体、及び3量体であるイソシアヌレートの形で用いてもよく、また各種のポリオール等で付加したポリイソシアネートとして用いることも可能である。
イミノ化合物とは、常温で固体の無色または淡色の化合物であり、具体的には、3−イミノ−4,5,6,7−テトラクロロイソインドリン−1−オン、1,3−ジイミノ−4,5,6,7−テトラクロロイソインドリン、1,3−ジイミノイソインドリン、1,3−ジイミノベンズ(f)イソインドリン、1,3−ジイミノナフト(2,3−f)イソインドリン、1,3−ジイミノ−5−ニトロイソインドリン、1,3−ジイミノ−5−フェニルイソインドリン、1,3−ジイミノ−5−メトキシイソインドリン、1,3−ジイミノ−5−クロロイソインドリン、5−シアノ−1,3−ジイミノイソインドリン、5−アセトアミド−1,3−ジイミノイソインドリン、1,3−ジイミノ−5−(1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)−イソインドリン、5−(p−tert−ブチルフェノキシ)−1,3−ジイミノイソインドリン、5−(p−クミルフェノキシ)−1,3−ジイミノイソインドリン、5−イソブトキシ−1,3−ジイミノイソインドリン、1,3−ジイミノ−4,7−ジメトキシイソインドリン、4,7−ジエトキシ−1,3−ジイミノイソインドリン、4,5,6,7−テトラブロモ−1,3−ジイミノイソインドリン、4,5,6,7−テトラフルオロ−1,3−ジイミノイソインドリン、4,5,7−トリクロロ−1,3−ジイミノ−6−メチルメルカプトイソインドリン、1−イミノジフェン酸イミド、1−(シアノ−p−ニトロフェニルメチレン)−3−イミノイソインドリン、1−(シアノベンゾチアゾリル−2′−カルバモイルメチレン)−3−イミノイソインドリン、1−(シアノベンズイミダゾリル−2′−メチレン)−3−イミノイソインドリン、1−(シアノベンズイミダゾリル−2′−メチレン)−3−イミノ−4,5,6,7−テトラクロロイソインドリン、1−(シアノベンズイミダゾリル−2′−メチレン)−3−イミノ−5−メトキシイソインドリン、1−〔(1′−フェニル−3′−メチル−5−オキソ)−ピラゾリデン−4′〕−3−イミノイソインドリン、3−イミノ−1−スルホ安息香酸イミド、3−イミノ−1−スルホ−4,5,6,7−テトラクロロ安息香酸イミド、3−イミノ−1−スルホ−4,5,7−トリクロロ−6−メチルメルカプト安息香酸イミド、3−イミノ−2−メチル−4,5,6,7−テトラクロロイソインドリン−1−オン等が挙げられる。
また、発色温度などの加熱条件の違いによって互いに異なる色調に発色する複数の電子供与性の染料前駆体と電子受容性の顕色剤とを組み合わせた多色感熱記録層を形成することも出来る。ここで低温側と高温側で異なる色調を発色する多色感熱記録材料において、高温側で発色する電子供与性染料前駆体として、特開2003−159876号公報等に見られる、(1)ビニル単量体を重合して得られる発色調節層により被覆された樹脂被覆染料前駆体、或いは(2)ポリウレア、ポリウレタンより選ばれた少なくとも1種の高分子と染料前駆体からなる複合粒子を用いることもできる。
本発明の感熱記録材料は、その熱応答性を向上させるために、感熱記録層に熱可融性物質を含有させることができる。この場合、60〜180℃の融点を有するものが好ましく、特に、80〜140℃の融点を持つものがより好ましい。具体的には、ステアリン酸アミド、N−ヒドロキシメチルステアリン酸アミド、N−ステアリルステアリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、N−ステアリル尿素、β−ナフチルベンジルエーテル、m−ターフェニル、4−ベンジルビフェニル、2,2′−ビス(4−メトキシフェノキシ)ジエチルエーテル、α、α′−ジフェノキシキシレン、ビス(4−メトキシフェニル)エーテル、1,2−ビス(3−メチルフェノキシ)エタン、1,2−ジフェノキシエタン、アジピン酸ジフェニル、蓚酸ジベンジルエステル、蓚酸ビス(4−クロルベンジル)エステル、蓚酸ビス(4−メチルベンジル)エステル等の蓚酸ジエステル誘導体、ジフェニルスルホン等のスルホン化合物、テレフタル酸ジメチル、テレフタル酸ジベンジル、ベンゼンスルホン酸フェニルエステル、ビス(4−アリルオキシフェニル)スルホン、4−アセチルアセトフェノン、アセト酢酸アニリド類、脂肪酸アニリド類等公知の熱可融性物質が挙げられ、これらの化合物は単独或いは2種以上併用しても使用することができる。また、十分な熱応答性を得るためには、感熱記録層の総固形分中、熱可融性物質が5〜50質量%を占めることが好ましい。
本発明に係る上塗り層たる感熱記録層には、耐光性を向上させるために以下に示す公知の酸化防止剤を用いることができる。例えば、欧州特許出願公開第310551号明細書、独国特許出願公開第3435443号明細書、欧州特許出願公開第310552号明細書、特開平3−121449号公報、欧州特許出願公開第459416号明細書、特開平2−262654号公報、特開平2−71262号公報、特開昭63−163351号公報、アメリカ特許第4814262号、特開昭54−48535号公報、特開平5−61166号公報、特開平5−119449号公報、米国特許第4980275号明細書、特開昭63−113536号公報、特開昭62−262047号公報、欧州特許出願公開第223739号明細書、欧州特許出願公開第309402号明細書、欧州特許出願公開第309401号明細書等に記載のものが挙げられる。
更に既に感熱記録材料或いは感圧記録材料として公知の各種添加剤を用いることも有効である。これらの酸化防止剤の一部を示すならば、特開昭60−125470号公報、特開昭60−125471号公報、特開昭60−125472号公報、特開昭60−287485号公報、特開昭60−287486号公報、特開昭60−287487号公報、特開昭62−146680号公報、特開昭60−287488号公報、特開昭62−282885号公報、特開昭63−89877号公報、特開昭63−88380号公報、特開昭63−088381号公報、特開平01−239282号公報、特開平04−291685号公報、特開平04−291684号公報、特開平05−188687号公報、特開平05−188686号公報、特開平05−110490号公報、特開平05−1108437号公報、特開平05−170361号公報、特開昭63−203372号公報、特開昭63−224989号公報、特開昭63−267594号公報、特開昭63−182484号公報、特開昭60−107383号公報、特開昭60−107384号公報、特開昭61−160287号公報、特開昭61−185483号公報、特開昭61−211079号公報、特開昭63−251282号公報、特開昭63−051174号公報、特公昭48−043294号公報、特公昭48−033212号公報等に記載の化合物が挙げられる。
本発明に係る上塗り層は、ポリビニルアルコールとその他の層構成成分を別々に溶解または分散した後に混合するか、もしくはポリビニルアルコールを溶解するに当たってもしくは溶解後にその他の層構成成分を混合して溶解・分散し、下塗り層上に塗工、乾燥することにより得られる。また、本発明の感熱記録材料の場合は、本発明に係る上塗り層たる感熱発色層は、電子供与性の染料前駆体および電子受容性の顕色剤等の各発色成分と、バインダーとして少なくともポリビニルアルコールを混合し、更には助剤等を分散せしめて調整され、必要に応じてミキサー、アトライター、ボールミル、ロールミル等の混合・攪拌機によって十分混合攪拌された後、下塗り層上に塗工、乾燥することにより得られる。感熱発色層の層構成は、単一層であっても、多層であっても良いが、下塗り層と接触する層には少なくともポリビニルアルコールを含有する必要がある。上塗り層の塗工量は特に限定されるものではないが、一般には乾燥質量で0.1〜10g/m2、好ましくは3〜7g/m2の範囲である。
また、本発明に係る上塗り層のさらに上層には光沢発現層、あるいは溶剤バリア層等、種々の目的で一層以上の最上層を設けることも可能である。
本発明に係る上塗り層、下塗り層には、それぞれ塗布する場合に応じて、上記成分に加え、粘度調整のための増粘剤や水溶性高分子を添加することができる。増粘剤、水溶性高分子としては特に限定されず、通常公知の水溶性高分子が使用できる。例として、酸化澱粉、エーテル化デンプン、リン酸エステル化デンプン等のデンプン誘導体;カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体;カゼイン、ゼラチン、大豆蛋白、ポリビニルアルコール又はその誘導体;ポリビニルピロリドン等を挙げることができる。
また、本発明に係る上塗り層、下塗り層には、必要に応じて湿潤剤を添加することもできる。湿潤剤としてはグリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール、チオグリコール、ヘキシレングリコール等の多価アルコール、2−ピロリドン、ε−カプロラクタム等のラクタム類、尿素、チオ尿素等の尿素類が挙げられる。
さらに、本発明に係る下塗り層、上塗り層には、必要に応じて無機耐電防止剤、有機耐電防止剤、界面活性剤、硬膜剤、着色顔料、着色染料、紫外線吸収剤、酸化防止剤、分散剤、消泡剤、pH調整剤などの公知の各種添加剤を添加することもできる。
本発明に係る上塗り層、下塗り層の塗布方法は特に限定されず、公知の塗布方法を使用することができる。例えば、スライドリップ方式、カーテン方式等のプレメタリング方式、エクストルージョン方式、エアナイフ方式、ロールコーティング方式、ロッドバーコーティング方式等のアプリケーション・メタリング段階が分割している塗工方式が挙げられる。また、下塗り層および上塗り層を個別に塗工・乾燥しても良いし、下塗り層を塗工し、湿潤状態で上塗り層を塗工し、下塗り層および上塗り層を同時に乾燥しても良いし、下塗り層および上塗り層を同時に塗工・乾燥してもよい。
本発明において、支持体の裏面に種々の目的のために、バックコート層を設けても良いし、本発明に係る上塗り層及び下塗り層を積層することも出来る。また、公知のキャストコート法を用いて、光沢面を形成したりすることが出来る。
以下に本発明を実施例を挙げて説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。また、実施例に於いて示す「部」および「%」は特に明示しない限り質量部および質量%を示す。
〈支持体1〉
濾水度450mlCSFのLBKP70部、濾水度450mlCSFのNBKP30部から成るパルプ100部に、軽質炭酸カルシウム/重質炭酸カルシウム/タルクの比率が30/35/35の顔料5部、市販アルキルケテンダイマー0.1部、市販カチオン系アクリルアミド0.03部、市販カチオン化澱粉1.0部、硫酸バンド0.5部を調製後、長網抄紙機を用いて坪量66g/m2で抄造し、支持体1を得た。
〈下塗り層1〉
焼成カオリン〔商品名:アンシレックス、吸油量90ml/100g、エンゲルハード社製〕47.5部、固形分濃度27.5%の有機中空顔料分散液〔商品名:HP91、ロームアンドハース社製〕9.1部、固形分濃度50%のスチレン/ブタシエン系ラテックス10部、固形分濃度35%に溶解した尿素変性リン酸エステル化デンプン14.3部、硼砂0.065部および水119部からなる組成物を混合攪拌し、下塗り層1の塗液を得た。
〈下塗り層2〉
焼成カオリン〔商品名:アンシレックス、吸油量90ml/100g、エンゲルハード社製〕47.5部、固形分濃度27.5%の有機中空顔料分散液〔商品名:HP91、ロームアンドハース社製〕9.1部、固形分濃度50%のスチレン/ブタシエン系ラテックス10部、固形分濃度35%に溶解した尿素変性リン酸エステル化デンプン14.3部、硼砂6.7部および水59部からなる組成物を混合攪拌し、下塗り層2の塗液を得た。
〈下塗り層3〉
焼成カオリン〔商品名:アンシレックス、吸油量90ml/100g、エンゲルハード社製〕25部、固形分濃度27.5%の有機中空顔料分散液〔商品名:HP91、ロームアンドハース社製〕91部、固形分濃度50%のスチレン/ブタシエン系ラテックス10部、固形分濃度35%に溶解した尿素変性リン酸エステル化デンプン14.3部、硼砂0.065部および水60部からなる組成物を混合攪拌し、下塗り層3の塗液を得た。
〈下塗り層4〉
焼成カオリン〔商品名:アンシレックス、吸油量90ml/100g、エンゲルハード社製〕2.5部、固形分濃度27.5%の有機中空顔料分散液〔商品名:HP91、ロームアンドハース社製〕172.7部、固形分濃度50%のスチレン/ブタシエン系ラテックス10部、固形分濃度35%に溶解した尿素変性リン酸エステル化デンプン14.3部、硼砂0.065部および水0.63部からなる組成物を混合攪拌し、下塗り層4の塗液を得た。
〈下塗り層5〉
焼成カオリン〔商品名:アンシレックス、吸油量90ml/100g、エンゲルハード社製〕2.5部、固形分濃度27.5%の有機中空顔料分散液〔商品名:HP91、ロームアンドハース社製〕172.7部、固形分濃度50%のスチレン/ブタシエン系ラテックス10部、固形分濃度35%に溶解した尿素変性リン酸エステル化デンプン14.3部、硼砂6.7部および水16.1部からなる組成物を混合攪拌し、下塗り層5の塗液を得た。
〈下塗り層6〉
焼成カオリン〔商品名:アンシレックス、吸油量90ml/100g、エンゲルハード社製〕25部、固形分濃度46%の有機中空顔料分散液〔商品名:グロスデール201−S、三井化学社製〕54.3部、固形分濃度50%のスチレン/ブタシエン系ラテックス10部、固形分濃度35%に溶解した尿素変性リン酸エステル化デンプン14.3部、硼砂0.67部および水97.9部からなる組成物を混合攪拌し、下塗り層6の塗液を得た。
〈下塗り層7〉
焼成カオリン〔商品名:アンシレックス、吸油量90ml/100g、エンゲルハード社製〕25部、固形分濃度55%の開口部を有する有機椀型顔料分散液〔商品名:MH8055、日本ゼオン社製〕45.5部、固形分濃度50%のスチレン/ブタシエン系ラテックス10部、固形分濃度35%に溶解した尿素変性リン酸エステル化デンプン14.29部、硼砂0.67部および水106.8部からなる組成物を混合攪拌し、下塗り層7の塗液を得た。
〈下塗り層8〉
焼成カオリン〔商品名:アンシレックス、吸油量90ml/100g、エンゲルハード社製〕25部、固形分濃度27.5%の有機中空顔料分散液〔商品名:HP91、ロームアンドハース社製〕91部、固形分濃度50%のスチレン/ブタシエン系ラテックス2.7部、固形分濃度35%に溶解した尿素変性リン酸エステル化デンプン3.86部、硼砂0.67部および水54.76部からなる組成物を混合攪拌し、下塗り層8の塗液を得た。
〈下塗り層9〉
焼成カオリン〔商品名:アンシレックス、吸油量90ml/100g、エンゲルハード社製〕25部、固形分濃度27.5%の有機中空顔料分散液〔商品名:HP91、ロームアンドハース社製〕91部、固形分濃度50%のスチレン/ブタシエン系ラテックス10部、固形分濃度35%に溶解した尿素変性リン酸エステル化デンプン14.29部、硼砂0.67部および水61.37部からなる組成物を混合攪拌し、下塗り層9の塗液を得た。
〈下塗り層10〉
焼成カオリン〔商品名:アンシレックス、吸油量90ml/100g、エンゲルハード社製〕25部、固形分濃度27.5%の有機中空顔料分散液〔商品名:HP91、ロームアンドハース社製〕91部、固形分濃度50%のスチレン/ブタシエン系ラテックス52部、固形分濃度35%に溶解した尿素変性リン酸エステル化デンプン74.29部、硼砂0.67部および水99.37部からなる組成物を混合攪拌し、下塗り層10の塗液を得た。
〈下塗り層11〉
焼成カオリン〔商品名:アンシレックス、吸油量90ml/100g、エンゲルハード社製〕50部、91部、固形分濃度50%のスチレン/ブタシエン系ラテックス10部、固形分濃度35%に溶解した尿素変性リン酸エステル化デンプン14.29部、水125.7部からなる組成物を混合攪拌し、下塗り層11の塗液を得た。
〈下塗り層12〉
固形分濃度27.5%の有機中空顔料分散液〔商品名:HP91、ロームアンドハース社製〕181.8部、固形分濃度50%のスチレン/ブタシエン系ラテックス10部、固形分濃度35%に溶解した尿素変性リン酸エステル化デンプン14.29部、水8.18部からなる組成物を混合攪拌し、下塗り層12の塗液を得た。
〈下塗り層13〉
焼成カオリン〔商品名:アンシレックス、吸油量90ml/100g、エンゲルハード社製〕25部、固形分濃度27.5%の有機中空顔料分散液〔商品名:HP91、ロームアンドハース社製〕91部、固形分濃度50%のスチレン/ブタシエン系ラテックス10部、固形分濃度35%に溶解した尿素変性リン酸エステル化デンプン14.29部、水59.8部からなる組成物を混合攪拌し、下塗り層13の塗液を得た。
〈下塗り層14〉
焼成カオリン〔商品名:アンシレックス、吸油量90ml/100g、エンゲルハード社製〕25部、固形分濃度27.5%の有機中空顔料分散液〔商品名:HP91、ロームアンドハース社製〕91部、固形分濃度50%のスチレン/ブタシエン系ラテックス1.5部、固形分濃度35%に溶解した尿素変性リン酸エステル化デンプン2.14部、水52.1部からなる組成物を混合攪拌し、下塗り層14の塗液を得た。
〈下塗り層15〉
焼成カオリン〔商品名:アンシレックス、吸油量90ml/100g、エンゲルハード社製〕25部、固形分濃度27.5%の有機中空顔料分散液〔商品名:HP91、ロームアンドハース社製〕91部、固形分濃度50%のスチレン/ブタシエン系ラテックス60部、固形分濃度35%に溶解した尿素変性リン酸エステル化デンプン85.71部、水105部からなる組成物を混合攪拌し、下塗り層15の塗液を得た。
〈上塗り層電子供与性染料前駆体の分散液の作製〉
固形分濃度10%に溶解したポリビニルアルコール600部、染料前駆体〔商品名:ODB−2、山田化学社製〕600部、水830部を加え、サンドグラインダーで平均粒子径1μmまで磨砕し、固形分濃度32.5%の染料前駆体分散液を作製した。
〈上塗り層電子受容性顕色剤の分散液の作製〉
固形分濃度10%に溶解したポリビニルアルコール350部、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン〔ビスフェノールA:三菱化学社製〕437.5部、ベンジルオキシナフタレン350部、水844部を加え、サンドグラインダーで平均粒子径1μmまで磨砕し、固形分濃度41.5%の電子受容性顕色剤分散液を作製した。
〈上塗り層吸油性無機顔料分散液の作製〉
軽質炭酸カルシウム〔商品名:タマパール123、奥多摩工業社製〕525部、固形分濃度40%のポリカルボン酸系の分散剤〔商品名:ミクロゾールKE−511、互応化学社製〕9部、水788部を加え、ホモジナイザーにて分散することにより、固形分濃度40%の吸油性無機顔料分散体を作製した。
〈上塗り層ポリビニルアルコール水溶液1〉
重合度1000の完全鹸化無変性ポリビニルアルコール〔商品名:PVA110、クラレ株式会社製〕36部を冷水324部に添加し、90℃まで昇温、溶解した後、10%のポリビニルアルコール水溶液1を調製した。
〈上塗り層ポリビニルアルコール水溶液2〉
重合度2000の完全鹸化無変性ポリビニルアルコール〔商品名:PVA120、クラレ株式会社製〕36部を冷水324部に添加し、90℃まで昇温、溶解した後、10%のポリビニルアルコール水溶液2を調製した。
〈上塗り層ポリビニルアルコール水溶液3〉
重合度2400の完全鹸化無変性ポリビニルアルコール〔商品名:PVA124、クラレ株式会社製〕36部を冷水324部に添加し、90℃まで昇温、溶解した後、10%のポリビニルアルコール水溶液3を調製した。
〈上塗り層1〉
上で作製した固形分濃度40%の吸油性無機顔料分散液21.9部、固形分濃度41.5%の顕色剤分散液39.6部、固形分濃度10%のポリビニルアルコール水溶液1を30部、固形分濃度29%のメチロールアマイド分散液〔商品名:ハイドリンK808、中京油脂株式会社製〕3.45部、固形分濃度32.5%の染料前駆体分散液8.8部、水56.5部を混合撹拌し、固形分濃度20%で上塗り層中の顔料比率が27.1%の上塗り層塗液1を得た。
〈上塗り層2〉
上で作製した固形分濃度40%の吸油性無機顔料分散液1.88部、固形分濃度41.5%の顕色剤分散液39.6部、固形分濃度10%のポリビニルアルコール水溶液1を30部、固形分濃度29%のメチロールアマイド分散液〔商品名:ハイドリンK808、中京油脂株式会社製〕3.45部、固形分濃度32.5%の染料前駆体分散液8.8部、水36.5部を混合撹拌し、固形分濃度20%で上塗り層中の顔料比率が3.1%の上塗り層塗液2を得た。
〈上塗り層3〉
上で作製した固形分濃度40%の吸油性無機顔料分散液40部、固形分濃度41.5%の顕色剤分散液39.6部、固形分濃度10%のポリビニルアルコール水溶液1を30部、固形分濃度29%のメチロールアマイド分散液〔商品名:ハイドリンK808、中京油脂株式会社製〕3.45部、固形分濃度32.5%の染料前駆体分散液8.8部、水74.7部を混合撹拌し、固形分濃度20%で上塗り層中の顔料比率が40.4%の上塗り層塗液3を得た。
〈上塗り層4〉
上で作製した固形分濃度40%の吸油性無機顔料分散液21.9部、固形分濃度41.5%の顕色剤分散液39.6部、固形分濃度10%のポリビニルアルコール水溶液2を30部、固形分濃度29%のメチロールアマイド分散液〔商品名:ハイドリンK808、中京油脂株式会社製〕3.45部、固形分濃度32.5%の染料前駆体分散液8.8部、水56.5部を混合撹拌し、固形分濃度20%で上塗り層中の顔料比率が27.1%の上塗り層塗液4を得た。
〈上塗り層5〉
上で作製した固形分濃度40%の吸油性無機顔料分散液21.9部、固形分濃度41.5%の顕色剤分散液39.6部、固形分濃度10%のポリビニルアルコール水溶液3を30部、固形分濃度29%のメチロールアマイド分散液〔商品名:ハイドリンK808、中京油脂株式会社製〕3.45部、固形分濃度32.5%の染料前駆体分散液8.8部、水56.5部を混合撹拌し、固形分濃度20%で上塗り層中の顔料比率が27.1%の上塗り層塗液5を得た。
〈上塗り層6〉
上で作製した固形分濃度40%の吸油性無機顔料分散液0.88部、固形分濃度41.5%の顕色剤分散液39.6部、固形分濃度10%のポリビニルアルコール水溶液1を30部、固形分濃度29%のメチロールアマイド分散液〔商品名:ハイドリンK808、中京油脂株式会社製〕3.45部、固形分濃度32.5%の染料前駆体分散液8.8部、水35.5部を混合撹拌し、固形分濃度20%で上塗り層中の顔料比率が1.5%の上塗り層塗液6を得た。
〈上塗り層7〉
上で作製した固形分濃度40%の吸油性無機顔料分散液45部、固形分濃度41.5%の顕色剤分散液39.6部、固形分濃度10%のポリビニルアルコール水溶液1を30部、固形分濃度29%のメチロールアマイド分散液〔商品名:ハイドリンK808、中京油脂株式会社製〕3.45部、固形分濃度32.5%の染料前駆体分散液8.8部、水79.7部を混合撹拌し、固形分濃度20%で上塗り層中の顔料比率が43.3%の上塗り層塗液7を得た。
〈上塗り層8〉
上で作製した固形分濃度40%の吸油性無機顔料分散液21.9部、固形分濃度41.5%の顕色剤分散液39.6部、固形分濃度35%に溶解したリン酸エステル化デンプン溶解液〔商品名:MS4600、日本食品加工社製〕8.6部、固形分濃度29%のメチロールアマイド分散液〔商品名:ハイドリンK808、中京油脂株式会社製〕3.45部、固形分濃度32.5%の染料前駆体分散液8.8部、水77.9部を混合撹拌し、固形分濃度20%で上塗り層内顔料比率が27.1%の上塗り層塗液8を得た。
(感熱記録材料1)
上記支持体1の上に、下塗り層1を乾燥塗工量で8g/m2になるようにブレードコーターにて塗工、乾燥し、その上に上塗り層1を乾燥塗工量5g/m2になるようにロッドコーターで塗工、乾燥し、スーパーカレンダーにて平滑化処理を行い、感熱記録材料1を得た。
(感熱記録材料2)
上記支持体1の上に、下塗り層2を乾燥塗工量で8g/m2になるようにブレードコーターにて塗工、乾燥し、その上に上塗り層1を乾燥塗工量5g/m2になるようにロッドコーターで塗工、乾燥し、スーパーカレンダーにて平滑化処理を行い、感熱記録材料2を得た。
(感熱記録材料3)
上記支持体1の上に、下塗り層3を乾燥塗工量で8g/m2になるようにブレードコーターにて塗工、乾燥し、その上に上塗り層1を乾燥塗工量5g/m2になるようにロッドコーターで塗工、乾燥し、スーパーカレンダーにて平滑化処理を行い、感熱記録材料3を得た。
(感熱記録材料4)
上記支持体1の上に、下塗り層4を乾燥塗工量で8g/m2になるようにブレードコーターにて塗工、乾燥し、その上に上塗り層1を乾燥塗工量5g/m2になるようにロッドコーターで塗工、乾燥し、スーパーカレンダーにて平滑化処理を行い、感熱記録材料4を得た。
(感熱記録材料5)
上記支持体1の上に、下塗り層5を乾燥塗工量で8g/m2になるようにブレードコーターにて塗工、乾燥し、その上に上塗り層1を乾燥塗工量5g/m2になるようにロッドコーターで塗工、乾燥し、スーパーカレンダーにて平滑化処理を行い、感熱記録材料5を得た。
(感熱記録材料6)
上記支持体1の上に、下塗り層6を乾燥塗工量で8g/m2になるようにブレードコーターにて塗工、乾燥し、その上に上塗り層1を乾燥塗工量5g/m2になるようにロッドコーターで塗工、乾燥し、スーパーカレンダーにて平滑化処理を行い、感熱記録材料6を得た。
(感熱記録材料7)
上記支持体1の上に、下塗り層7を乾燥塗工量で8g/m2になるようにブレードコーターにて塗工、乾燥し、その上に上塗り層1を乾燥塗工量5g/m2になるようにロッドコーターで塗工し、スーパーカレンダーにて平滑化処理を行い、感熱記録材料7を得た。
(感熱記録材料8)
上記支持体1の上に、下塗り層8を乾燥塗工量で8g/m2になるようにブレードコーターにて塗工、乾燥し、その上に上塗り層1を乾燥塗工量5g/m2になるようにロッドコーターで塗工、乾燥し、スーパーカレンダーにて平滑化処理を行い、感熱記録材料8を得た。
(感熱記録材料9)
上記支持体1の上に、下塗り層9を乾燥塗工量で8g/m2になるようにブレードコーターにて塗工、乾燥し、その上に上塗り層1を乾燥塗工量5g/m2になるようにロッドコーターで塗工、乾燥し、スーパーカレンダーにて平滑化処理を行い、感熱記録材料9を得た。
(感熱記録材料10)
上記支持体1の上に、下塗り層10を乾燥塗工量で8g/m2になるようにブレードコーターにて塗工、乾燥し、その上に上塗り層1を乾燥塗工量5g/m2になるようにロッドコーターで塗工、乾燥し、スーパーカレンダーにて平滑化処理を行い、感熱記録材料10を得た。
(感熱記録材料11)
上記支持体1の上に、下塗り層3を乾燥塗工量で8g/m2になるようにブレードコーターにて塗工、乾燥し、その上に上塗り層2を乾燥塗工量5g/m2になるようにロッドコーターで塗工、乾燥し、スーパーカレンダーにて平滑化処理を行い、感熱記録材料11を得た。
(感熱記録材料12)
上記支持体1の上に、下塗り層3を乾燥塗工量で8g/m2になるようにブレードコーターにて塗工、乾燥し、その上に上塗り層3を乾燥塗工量5g/m2になるようにロッドコーターで塗工、乾燥し、スーパーカレンダーにて平滑化処理を行い、感熱記録材料12を得た。
(感熱記録材料13)
上記支持体1の上に、下塗り層3を乾燥塗工量で8g/m2になるようにブレードコーターにて塗工、乾燥し、その上に上塗り層4を乾燥塗工量5g/m2になるようにロッドコーターで塗工、乾燥し、スーパーカレンダーにて平滑化処理を行い、感熱記録材料13を得た。
(感熱記録材料14)
上記支持体1の上に、下塗り層3を乾燥塗工量で8g/m2になるようにブレードコーターにて塗工、乾燥し、その上に上塗り層5を乾燥塗工量5g/m2になるようにロッドコーターで塗工、乾燥し、スーパーカレンダーにて平滑化処理を行い、感熱記録材料14を得た。
(感熱記録材料15)
上記支持体1の上に、下塗り層3を乾燥塗工量で8g/m2になるようにブレードコーターにて塗工、乾燥し、その上に上塗り層6を乾燥塗工量5g/m2になるようにロッドコーターで塗工、乾燥し、スーパーカレンダーにて平滑化処理を行い、感熱記録材料15を得た。
(感熱記録材料16)
上記支持体1の上に、下塗り層3を乾燥塗工量で8g/m2になるようにブレードコーターにて塗工、乾燥し、その上に上塗り層7を乾燥塗工量5g/m2になるようにロッドコーターで塗工、乾燥し、スーパーカレンダーにて平滑化処理を行い、感熱記録材料16を得た。
(感熱記録材料17)
上記支持体1の上に、下塗り層11を乾燥塗工量で8g/m2になるようにブレードコーターにて塗工、乾燥し、その上に上塗り層1を乾燥塗工量5/gm2になるようにロッドコーターで塗工、乾燥し、スーパーカレンダーにて平滑化処理を行い、感熱記録材料17を得た。
(感熱記録材料18)
上記支持体1の上に、下塗り層12を乾燥塗工量で8gm2になるようにブレードコーターにて塗工、乾燥しその上に上塗り層1を乾燥塗工量5gm2になるようにロッドコーターで塗工し、スーパーカレンダーにて平滑化処理を行い、感熱記録材料18を得た。
(感熱記録材料19)
上記支持体1の上に、下塗り層13を乾燥塗工量で8g/m2になるようにブレードコーターにて塗工、乾燥し、その上に上塗り層1を乾燥塗工量5g/m2になるようにロッドコーターで塗工、乾燥し、スーパーカレンダーにて平滑化処理を行い、感熱記録材料19を得た。
(感熱記録材料20)
上記支持体1の上に、下塗り層14を乾燥塗工量で8g/m2になるようにブレードコーターにて塗工、乾燥し、その上に上塗り層1を乾燥塗工量5g/m2になるようにロッドコーターで塗工、乾燥し、スーパーカレンダーにて平滑化処理を行い、感熱記録材料20を得た。
(感熱記録材料21)
上記支持体1の上に、下塗り層15を乾燥塗工量で8g/m2になるようにブレードコーターにて塗工、乾燥し、その上に上塗り層1を乾燥塗工量5g/m2になるようにロッドコーターで塗工、乾燥し、スーパーカレンダーにて平滑化処理を行い、感熱記録材料21を得た。
(感熱記録材料22)
上記支持体1の上に、下塗り層3を乾燥塗工量で8g/m2になるようにブレードコーターにて塗工、乾燥し、その上に上塗り層8を乾燥塗工量5g/m2になるようにロッドコーターで塗工、乾燥し、スーパーカレンダーにて平滑化処理を行い、感熱記録材料22を得た。
〈表面強度評価方法〉
上記のように作製した感熱記録材料1〜22をRI試験器でタック値15のIGT社製インキを使用して回転数110rpmで表面強度の評価を目視で以下の4段階で目視で評価した。結果を表1に示す。○以上が許容範囲である。
◎:塗層向けが観察されない。
○:若干の塗層剥けが観察されるが、許容できる範囲である。
△:塗層剥けが観察され、許容できない範囲である。
×:塗層剥け記録材料全面に観察され、許容できない範囲である。
〈ヘッドカス評価方法〉
上記のように作製した感熱記録材料1〜22をEPSON社製感熱プリンターTM−T88IIにて22.5m印字を行い、印字ヘッドに付着したカスの量を目視で以下の4段階で評価した。結果を表1に示す。○以上が許容できる範囲である。
◎:印字ヘッドにヘッドカス観察されない。許容できる範囲である
○:印字ヘッドに若干のヘッドカスが観察されるが、許容できる範囲である。
△:印字ヘッドにヘッドカスが観察され、許容できない範囲である。
×:印字ヘッドに顕著にヘッドカスが観察され、許容できない範囲である
〈発色感度評価方法〉
上記のように作製した感熱記録材料1〜22を感熱プリンターMF−2で印字を行い、0.160mj/dotにおける発色濃度を濃度計(GretagMacbeth社製RD19にて測定した。結果を表1に示す。0.60以上が許容できる範囲である。
Figure 2009241416
上記結果から明らかなように、本発明の積層体は、支持体上に、有機顔料および硼砂を含有する下塗り層と、電子供与性の染料前駆体、電子受容性の顕色剤、及びポリビニルアルコールを含有する上塗り層とをこの順で有することにより、高い表面強度を有すると共に、良好な発色感度、良好なヘッドカス適性を有する感熱記録材料を得ることができる。特に、有機顔料が非発泡性有機中空顔料であって、電子受容性の顕色剤、電子供与性の染料前駆体、及び吸油性の無機顔料を上塗り層中に3〜40質量%含有すれば、高い表面強度、良好な発色感度、良好なヘッドカス適性がより向上した感熱記録材料を得ることができる。

Claims (3)

  1. 支持体上に、有機顔料、硼砂を含有する下塗り層と、ポリビニルアルコールを含有する上塗り層とをこの順で有することを特徴とする積層体。
  2. 支持体上に、有機顔料、硼砂を含有する下塗り層と、電子供与性の染料前駆体、電子受容性の顕色剤、及びポリビニルアルコールを含有する上塗り層とをこの順で有することを特徴とする感熱記録材料。
  3. 有機顔料が非発泡性有機中空顔料であり、電子受容性の顕色剤、電子供与性の染料前駆体、及び吸油性の無機顔料を上塗り層中に3〜40質量%含有する請求項2記載の感熱記録材料。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2020100502A1 (ja) * 2018-11-13 2020-05-22 王子ホールディングス株式会社 感熱記録体

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