JP2009241392A - 液体吐出ヘッド - Google Patents
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Abstract
【課題】逃がし溝を大気開放する連通口を封止する工程を簡略化すると共に、プレートの接着状態を良好にする。
【解決手段】アンダープレート83の長手方向両端部の接着面には、逃がし溝群40が形成されている。逃がし溝群40は、互いに連結されない6つの逃がし溝40a, 40b, 40c, 40d, 40e, 40fから構成されている。孔88に近い方の角部45に備えられたポッティング材50は、当該角部45に設けられた5つの連通口48a,48b,48c,48e,48fを全て封止している。孔88から遠い方の角部45に備えられたポッティング材50は、当該角部45に設けられた5つの連通口48a,48b, 48d, 48fを全て封止している。
【選択図】図6
【解決手段】アンダープレート83の長手方向両端部の接着面には、逃がし溝群40が形成されている。逃がし溝群40は、互いに連結されない6つの逃がし溝40a, 40b, 40c, 40d, 40e, 40fから構成されている。孔88に近い方の角部45に備えられたポッティング材50は、当該角部45に設けられた5つの連通口48a,48b,48c,48e,48fを全て封止している。孔88から遠い方の角部45に備えられたポッティング材50は、当該角部45に設けられた5つの連通口48a,48b, 48d, 48fを全て封止している。
【選択図】図6
Description
本発明は、複数枚のプレートが積層されて接着固定した液体吐出ヘッドに関する。
ノズルからインクを吐出するインクジェットヘッドとして、積層状の複数枚のプレートにより構成されているものがある。これらのプレートは接着剤で互いに接着されているが、プレートの接着時には、余分な接着剤がインク流路内に流入したり、局所的に過剰な接着剤が存在することによりプレートの接着状態が悪くなることがある。そこで従来、その接着剤のインク流路内への流入量を極力少なくしたり、局所的な接着剤の残留をなくすため、複数枚の金属プレートの接着面には、余分な接着剤を逃がす逃がし溝が形成されている。
例えば、特許文献1には、カバープレート30のノズルプレート31との接着面に、複数の連絡孔60を夫々囲う複数の環状逃がし溝30aが形成されている点が記載されている。これら複数の環状逃がし溝30aは、同じ接着面に形成された逃がし溝30c,30e,30f及び大気連通孔30gを介して、全て大気に連通している。従って、これらの逃がし溝によって、接着時の余分な接着剤を逃がすことができるようになっている。
また特許文献2には、複数のシートが積層された積層構造を有するインクジェットヘッドにおいて、複数のシートのうちの1つに、インク流路である孔群を包囲するように包囲溝61が形成されており、開口3bの外周には、開口3bに最も近接した位置の開口包囲溝62a、及び、開口包囲溝62aから順に相似形状に拡大された開口包囲溝62b,62c、とでなる開口包囲溝62が形成されている点が記載されている。従って、これらの溝によって、接着時の余分な接着剤を逃がすことができるようになっている。
特開2006−187967号公報
特開2005−22088号公報
しかしながら、特許文献1に記載のインクジェットヘッドにおいては、全ての逃がし溝が連結し大気連通孔30gに連通しているため、インクが、外部から接着面に侵入した場合や大気連通孔30gを通して接着面に侵入した場合、連結した溝を介してインクジェットヘッドのさらに内部に侵入することがあった。この問題を解決するために、例えば特許文献2のように、溝を互いに連結されない溝群に分けた場合、プレートの接着時に両プレート間に残留する気泡を排出するための大気連通孔を各溝群に対応するように設ける必要がある。さらに、プレートの接着後のインクの侵入を防ぐために大気連通孔の開口(連通口)を封止する封止部材を、各大気連通孔に対応するように設置する必要がある。そうすると、製造工程が煩雑になると共に、ヘッドの製造コストが高くなるという問題点が生じる。
特許文献2に記載のインクジェットヘッドにおいては、溝は、包囲溝61、開口包囲溝62a、62b、62cなどの溝群に分かれているが、いずれの溝群も大気に開放していない。従って、プレートの接着時に両プレート間に残留する気泡を排出不可能であり、プレートの接着状態の悪化につながる。この問題を解決するために、全ての溝群を大気に開放させた場合、上記と同様その大気開放した開口を封止するための封止部材を、各溝群に対応するように設置する必要がある。そうすると、製造工程が煩雑になると共に、ヘッドの製造コストが高くなるという問題点が生じる。
本発明の目的は、接着剤を逃がす複数の逃がし溝が形成されたプレートと当該プレートに接着されるプレートとの接着時に両プレート間に残留する気泡を排出可能な、複数の逃がし溝をそれぞれ大気開放する連通口を封止するための工程を簡略化することが可能であると共に、プレートの接着状態が良好である液体吐出ヘッドを提供することである。
本発明の液体吐出ヘッドは、接着剤を介して積層された複数のプレートからなり、内部に空間が形成された積層体を有し、前記積層体は、前記空間を画定する壁面の少なくとも一部をそれぞれ構成する第1プレートと、前記第1プレートに前記接着剤を介して積層された第2プレートとを含み、前記第1プレートには、前記第2プレートと接着する接着面に沿って、外から内部の前記空間に向かう一方向と交差する方向に延在し、且つ前記接着剤を逃がす互いに独立した複数の逃がし溝と、前記一方向と交差する方向の各端部からもう一方の端部に向かって凹む角部とが形成され、前記角部には、前記複数の逃がし溝がそれぞれ大気に開放する複数の連通口と、前記複数の連通口を全て封止する封止部材とが備えられている。
また、前記第1プレートの前記接着面には、前記第2プレートと対向する部分の外郭線のうち、前記空間に最も近い部分と前記空間から最も遠い部分との間に、前記角部と前記複数の逃がし溝とが配置されていることが好ましい。
上記の構成によると、第1プレートの接着面において、第2プレートと対向する部分の外郭線のうち、空間に最も近い部分と空間から最も遠い部分との間に、複数の逃がし溝が配置されていることによって、液体が、外郭線のうち空間から最も遠い部分の周辺から第1プレートと第2プレートとの間に侵入した場合でも、複数の逃がし溝が液体の侵入を段階的に阻止するため、侵入した液体がヘッドのさらに内部に侵入するのを防止することができる。従って、ヘッドのシール性が向上し、ヘッドの性能悪化を防ぐことが可能である。
また、前記第1プレートが厚さ方向に貫通する第1の孔を有し、前記第2プレートが厚さ方向に貫通すると共に前記第1の孔に連通した第2の孔を有しており、前記第1プレートの前記接着面には、前記外郭線のうち前記空間に最も近い部分と前記第1の孔の開口との間に、前記複数の逃がし溝のうちの2つ以上が配置されていることが好ましい。
上記の構成によると、第1プレートの接着面において、外郭線のうち空間に最も近い部分と第1の孔の開口との間に、複数の逃がし溝のうちの2つ以上が配置されていることによって、液体が、外郭線の空間に最も近い部分以外の周辺から第1プレートと第2プレートとの間に侵入した場合でも、2つ以上の逃がし溝が液体の侵入を段階的に阻止するため、侵入した液体がヘッドのさらに内部に侵入するのを防止することができる。また、液体が、第1の孔または第2の孔を通して第1プレートと第2プレートとの間に侵入した場合でも、2つ以上の逃がし溝が液体の侵入を段階的に阻止するため、侵入した液体がヘッドのさらに内部に侵入するのを防止することができる。従って、ヘッドのシール性が向上し、ヘッドの性能悪化を防ぐことが可能である。
また、前記外郭線の前記空間に最も近い部分と前記第1の孔の開口との間に配置された前記逃がし溝が、前記一方向と交差する方向の全長にわたっていることが好ましい。
上記の構成によると、逃がし溝が、外から内部の空間に向かう一方向と交差する方向の全長にわたっていることによって、侵入した液体がヘッドのさらに内部に侵入するのをさらに防止することができる。従って、ヘッドのシール性が一層向上し、ヘッドの性能悪化をさらに防ぐことが可能である。
また、前記複数の逃がし溝の前記連通口のそれぞれは、前記角部において他の前記連通口のうちの少なくとも1つと近接していてもよい。
上記の構成によると、複数の逃がし溝の連通口のそれぞれが、角部において、他の連通口のうちの少なくとも1つと近接していることによって、封止部材を塗布する範囲又は回数を減らすことができ、連通口を封止するための工程がさらに簡略化される。
また、本発明の液体吐出ヘッドは、液体が貯留された圧力室、及び、前記圧力室から連通し液体が吐出される吐出口を有する流路と、前記圧力室の容積を変化させ前記圧力室内の液体に前記吐出口から吐出するための吐出エネルギーを与えると共に前記空間に露出した表面を有する圧電素子とをさらに備えていてもよい。
上記の構成によると、第1プレートが、圧電素子の表面が露出した空間を画定する壁面の少なくとも一部を構成していることによって、液体が第1プレートと第2プレートとの間に侵入した場合でも、侵入した液体が圧電素子の表面に到達する事態を防止することができる。これにより、液体が付着して圧電素子が損傷するのを防止することができる。
また、前記複数のプレートは、平面視で略矩形の外形形状を有し、前記第1プレートは、前記一方向と交差する方向に関して両端部に形成され、前記一方向に延びる凹形状の切り欠き部を有し、前記角部が、前記一方向に関して、前記切り欠き部の少なくとも一方の端部に形成され、前記空間は、前記切り欠き部の凹形状の底部に開口する開口部を有し、前記開口部を覆うように前記切り欠き部と係合する板部材をさらに備え、前記板部材は、前記封止部材によって前記角部に固定されていてもよい。
上記の構成によると、開口部を覆うように切り欠き部と係合する板部材が、封止部材によって角部に固定されていることによって、封止部材は、板部材を角部に固定しつつ、角部に備えられた連通口を封止する役割を持っている。これにより、開口部や連通口から空間に液体が侵入するのを防止しつつ、板部材の固定と連通口の封止とを同一工程で行うことで、ヘッドの製造コストをさらに低減することができる。
上記の構成によると、複数の逃がし溝がそれぞれ大気に開放する複数の連通口が備えられているため、第1プレートと第2プレートとを接着する際に両プレート間に残留する気泡を逃がし溝を介して大気連通口から排出できる。また、両プレート間の余剰接着剤を確実に逃がし溝に入り込ませることができる。従って、第1プレートと第2プレートとの接着状態が良好となり、ヘッドの性能が向上する。さらに、複数の連通口が角部に備えられているため、連通口を封止するための工程が簡略化され、ヘッドの製造コストを低減することができる。また、角部に、複数の連通口を全て封止する封止部材が備えられていることによって、液体が連通口を通してヘッド内部に侵入するのを防止することができる。
本発明の好適な一実施の形態を、図1〜図9に基づいて以下に説明する。
図1は、本発明に係る液体吐出ヘッドの一実施形態であるインクジェットヘッドを含むインクジェットプリンタの全体的な構成を示す概略側面図である。図1に示すように、インクジェットプリンタ1は、4つのインクジェットヘッド100を有するカラーインクジェットプリンタである。このインクジェットプリンタ1においては、図中左方に給紙トレイ11が、図中右方に排紙トレイ12がそれぞれ配置されている。
インクジェットプリンタ1の内部には、給紙トレイ11から排紙トレイ12に向かって用紙Pが搬送される用紙搬送経路が形成されている。給紙トレイ11のすぐ下流側には、用紙を狭持搬送する一対の送りローラ5a、5bが配置されている。一対の送りローラ5a、5bは、用紙Pを給紙トレイ11から図中右方に送り出すためのものである。用紙搬送経路の中間部には、搬送機構13が設けられている。この搬送機構13は、2つのベルトローラ6、7と、両ローラ6、7の間に架け渡されるように巻回されたエンドレスの搬送ベルト8と、搬送ベルト8によって囲まれた領域内に配置されたプラテン15とを含む。プラテン15は、インクジェットヘッド100と対向する位置において搬送ベルト8が下方に撓まないように搬送ベルト8を支持するものである。ベルトローラ7と対向する位置には、ニップローラ24が配置されている。ニップローラ24は、給紙トレイ11から送りローラ5a、5bによって送り出された用紙Pを搬送ベルト8の外周面8aに押さえ付けるものである。
搬送モータがベルトローラ6を回転させることによって、搬送ベルト8が走行される。これにより、搬送ベルト8が、ニップローラ24によって外周面8aに押さえ付けられた用紙Pを粘着保持しつつ排紙トレイ12に向けて搬送する。なお、搬送ベルト8の表面には、弱粘着性のシリコン樹脂層が形成されている。
搬送ベルト8のすぐ下流側には、剥離プレート14が設けられている。剥離プレート14は、搬送ベルト8の外周面8aに粘着されている用紙Pを外周面8aから剥離して、図中右方の排紙トレイ12に向けて導くように構成されている。
4つのインクジェットヘッド100は、4色のインク(マゼンタ、イエロー、シアン、ブラック)に対応して、搬送方向に沿って4つ並べて固定されている。つまり、このインクジェットプリンタ1は、ライン式プリンタである。4つのインクジェットヘッド100は、その下端にヘッド本体60をそれぞれ有している。ヘッド本体60は、搬送方向に直交した方向に長尺な細長い直方体形状となっている。また、ヘッド本体60の底面が外周面8aに対向するインク吐出面2aとなっている。搬送ベルト8によって搬送される用紙Pが4つのヘッド本体60のすぐ下方を順に通過する際に、この用紙Pの上面すなわち印刷面に向けてインク吐出面60aから各色のインクが吐出されることで、用紙Pの印刷面に所望のカラー画像を形成できるようになっている。
各インクジェットヘッド100は、図2に示すように、主走査方向に長尺な形状であって、下側から順にヘッド本体60及びリザーバユニット90を有し、さらにリザーバユニット90上に配置された制御基板(図示せず)と、ヘッドカバー115とを有する。
リザーバユニット90は、上側から順に、樹脂製のフィルター部材70及び金属製のインク分配部材80を含む。フィルター部材70は樹脂で一体成形により作製されたものであって、その上面の長手方向一端には筒状突起71が設けられている(図3及び図4参照)。筒状突起71の内部には供給口71aが形成されており、筒状突起71にインク供給弁111の一端が取り付けられ、インクタンク等のインク供給源からのインクがインク供給チューブ(図示せず)及びインク供給弁111を介して供給口71aからフィルター部材70内に供給される。また、フィルター部材70の上面において供給口71aの近傍には、排出口73aを形成する筒状突起73が設けられており、筒状突起73にインク排出弁117の一端が取り付けられ、インク排出弁117及びインク排出チューブ(図示せず)を介して排出口73aから廃インクタンク(図示せず)へとヘッド内のインクが排出される。
ヘッドカバー115は、図2に示すように、下方に開口した略箱形形状であって、フィルター部材70及びフィルター部材70上の制御基板を覆うように、インク分配部材80上に配置されている。ヘッドカバー115の上面にはインク供給弁111及びインク排出弁117の他端が露出しており、インク供給弁111にはインク供給チューブ(図示せず)、インク排出弁117にはインク排出チューブ(図示せず)がそれぞれ接続される。図2及び図3に示すように、インク分配部材80には、副走査方向に関する両側面に、主走査方向に延びる凹形状の切り欠き部46が形成されている。これに対応して、ヘッドカバー115は、切り欠き部46が露出するように切り欠かれている。また、ヒートシンク150が、後述する空間84aが有する開口部84bを覆うように切り欠き部46と係合している。ここで、ヒートシンク150は、ヒートシンク150の周縁に沿って塗布されたポッティング材50によって、切り欠き部46に固定されている。
またインクジェットヘッド100は、ヘッドカバー115、インク分配部材80、及びヘッド本体60で囲まれた空間が密閉空間となるよう、各部材間の隙間がシール部材(図示せず)によって埋められている。なお、シール部材は、ポッティング材50と同様のポッティング材であってもよい。
フィルター部材70内には、図4に示すように、供給口71aから流出口72に至るインク流路が形成されている。供給口71aから供給されたインクは先ず第1の穴74に流入する。第1の穴74の下側はダンパー膜74aにより塞がれており、供給口71aからインクが供給されることにより生じる圧力の変動がダンパー膜74aによって吸収されるようになっている。第1の穴74に流入したインクは、フィルター75aを通って第2の穴75に流れ込み、さらに上側にダンパー膜76aが形成された空間76を通った後下降し、流出口72を通ってインク分配部材80内に流入する。
図5は、インク分配部材80の各構成部材の底面図である。インク分配部材80は、図5に示すように、いずれも金属製のアッパープレート81、リザーバプレート82、アンダープレート83、及びスペーサー84を有し、これら3枚の金属プレート81,82,83、及びスペーサー84を積層し且つ互いに接着固定することにより形成されている。これら3枚の金属プレート81,82,83、及びスペーサー84それぞれの幅方向に関する両端部には、インク分配部材80に形成された切り欠き部46によって、幅方向に凹んだ凹部46a,46b, 46c,46dが形成されている。
プレート81〜83はいずれも主走査方向に細長な略矩形状の平面を有すると共に、略同じ幅を有している。スペーサー84は、互いに隔離され配置された2つのL字型平板54a,54bと2つの細長な平板55a,55b、及び、これらを隔離することで形成された空間84aによって構成されている。よって、空間84aを画定する上壁面は、アンダープレート83によって構成されており、側壁面は、スペーサー84によって構成されている。また、空間84aは、スペーサー84全体の幅方向に関する両端部において、凹部46dに開口する、即ち、切り欠き部46の底部に開口する開口部84bを有する。アッパープレート81は、ヘッドカバー115を取り付けるため、及び、当該ヘッド100をプリンタ1内のホルダに固定するため、他の2枚のプレート82,83、及び、スペーサー84の長手方向より若干長く、且つ、幅方向中央を通る直線の両端付近に取り付け用の孔が形成されている。
アッパープレート81の中心には、流出口72から流出したインクが流入する流入孔89が厚み方向に貫通するように形成されている。プレートの幅方向に関して流入孔89の両側には、フィルター部材70との接続用のネジ穴85が厚み方向に貫通するように形成されている。アッパープレート81の幅方向中央を長手方向に通る直線上において、取り付け用の孔よりも流入孔89に僅かに近い位置には、プレート積層の際に使用される3つの位置決め穴41aが厚み方向に貫通するように形成されている。プレートの幅方向に関して位置決め穴41aの両側には、プレート積層の際にフィルター部材70の爪(図示せず)が引っ掛けられる引っ掛け穴47aが厚み方向に貫通するようにそれぞれ形成されている。
リザーバプレート82には、流入孔89から流入したインクをアンダープレート83に形成された各孔88へと分配するように、主インク室86及び主インク室86から分岐した分岐流路87に対応する穴が厚み方向に貫通するように形成されている。主インク室86は流入孔89に対向する部分を中心としてリザーバプレート82の長手方向の両側に延び、分岐流路87は主インク室86の両端からそれぞれ5つずつ形成されている。流入孔89から主インク室86の中央に流入したインクは、左右に分かれて各分岐流路87に流れ込む。主インク室86及び分岐流路87は、全体としてリザーバプレート82の中心に関して点対称に形成されている。プレートには、アッパープレート81の位置決め穴41aに対応する位置に、位置決め穴41aと同様の役割を持つ位置決め穴41bが形成されている。また、引っ掛け穴47aに対応する位置には、引っ掛け穴47aと同様の役割を持つと共に引っ掛け穴47aに連通した引っ掛け穴47bが形成されている。
アンダープレート83には、分岐流路87の各先端に対応する位置に、略楕円形の孔88が厚み方向に貫通するように形成されている。これらの孔88はアンダープレート83の中心に関して点対称に配置されており、後述するスペーサー84の孔58にそれぞれ連通している。また、アンダープレート83の両端部には、スペーサー84に接着される面(以下接着面と称することがある。)に逃がし溝群40が形成されている。逃がし溝群40については、後述する。さらにプレートには、位置決め穴41a,41bに対応する位置に、これらと同様の役割を持つ位置決め穴41cが形成されている。また、引っ掛け穴47a,47bに対応する位置には、これらと同様の役割を持つと共に引っ掛け穴47a,47bに連通した引っ掛け穴47cが形成されている。
スペーサー84は、4つの部分スペーサーから構成されている。このうち、2つのL字型平板54a,54bは、アンダープレート83の長手方向両端に対応する位置に、2つの細長な平板55a,55bは、アンダープレート83の中心付近の幅方向の端部に対応する位置に、それぞれ配置されている。L字型平板54a,54b及び平板55a,55bはそれぞれ、スペーサー84の中心に関して点対称となっている。そして、これらが配置されていない空間84a内において、流路ユニット4の上面にアクチュエータユニット21が貼り付けられている(図4及び図7参照)。
さらに、L字型平板54a,54bには、分岐流路87の各先端、及び、孔88に対応する位置であって、後述する流路ユニット4の各インク供給口105b(図7参照)にも対応する位置に、孔88と同形状の孔58が厚み方向に貫通するように形成されている。従って、各分岐流路87の先端から孔88内を通過し孔58内に流入したインクは、インク供給口105bを介して流路ユニット4に供給される。スペーサー84には、位置決め穴41a〜41cに対応する位置に、これらと同様の役割を持つ位置決め穴41dが形成されている。また、引っ掛け穴47a〜47cに対応する位置には、これらと同様の役割を持つと共に引っ掛け穴47a〜47cに連通した引っ掛け穴47dが形成されている。なお、連通した位置決め穴41a〜41dは、図示しない封止部材によって一体的に封止されているため、大気には開放していない。従って、インク分配部材80の外部からインクが侵入することはない。また、L字型平板54a,54bには、流路ユニット4に接着される面に、アンダープレート83の逃がし溝群40と同様の逃がし溝群が形成されているが、説明は省略する。
ここで、図6を参照しアンダープレート83の詳細について説明する。
図6は、図5の破線で囲まれた部分の拡大図である。アンダープレート83の長手方向両端部のスペーサー84との接着面には、塗布した接着剤を逃がすための補助溝43、及び、逃がし溝群40が形成されている。また、アンダープレート83の幅方向に関する各端部には、幅方向に凹んだ凹部46cによって、もう一方の端部に向かって凹む角部45が形成されている。角部45それぞれには、上述の塗布されたポッティング材50が備えられている。
補助溝43は、位置決め穴41cよりも空間84aに僅かに近い位置に複数形成されており、アンダープレート83の幅方向に沿って延在している。これら補助溝43は、接着剤塗布時に余剰接着剤を溝の内部に逃がすことによって、接着剤を均一に塗布可能にする役割を持っている。
逃がし溝群40は、アンダープレート83の接着面において、スペーサー84と対向する範囲の外郭線の、空間84aに最も近い部分と、最も遠い部分との間、より詳細には、補助溝43と当該外郭線の空間84aから最も遠い部分との間、に形成されており、互いに連結されない6つの逃がし溝40a, 40b, 40c, 40d, 40e, 40fから構成されている。逃がし溝40a〜40fは、補助溝43と同様に、接着剤塗布時に余剰接着剤を溝の内部に逃がすことによって、接着剤を均一に塗布可能にする役割を持っている。これらの逃がし溝は、加えて、それぞれの逃がし溝よりも空間84aから遠い位置から、アンダープレート83とスペーサー84との間にインクが侵入した場合に、侵入したインクがインクジェットヘッド100のさらに内部(特に、空間84a)に侵入するのを防止する役割を持っている。
逃がし溝40a,40bは、位置決め穴41cのうち空間84aに最も近い2つの間を通過するようにアンダープレート83の幅方向の全長にわたって形成されており、角部45それぞれで終端する。逃がし溝40a,40bはそれぞれ、その各角部45において、アンダープレート83の厚み方向及び長手方向に延在する側面に、大気開放する連通口48a,48bを有する。
逃がし溝40cは、逃がし溝40bと孔88の開口との間に形成されている。さらに逃がし溝40cは、孔88の開口の周縁の略半分に沿うように形成された部分、及び、位置決め穴41cのうち他の位置決め穴41cの間に位置するものを包囲するように形成された部分を有し、孔88に近い方の角部45で終端する。即ち、逃がし溝40cは、1つの末端を有する。逃がし溝40cは、孔88に近い方のその角部45において、アンダープレート83の厚み方向及び長手方向に延在する側面に、大気開放する連通口48cを有する。
逃がし溝40dは、逃がし溝40bよりも空間84aから遠い位置に形成されている。さらに逃がし溝40dは、孔88から遠い方の引っ掛け穴47cを包囲するように形成された部分を有し、孔88から遠い方の角部45で終端する。即ち、逃がし溝40dは、1つの末端を有する。逃がし溝40dは、その孔88から遠い方の角部45において、アンダープレート83の厚み方向及び長手方向に延在する側面に、大気開放する連通口48dを有する。
逃がし溝40eは、孔88よりも空間84aから遠い位置、及び、孔88に近い方の引っ掛け穴47cよりも空間84aから遠い位置を通過するように形成されている。さらに、逃がし溝40eは、孔88の開口の周縁の略半分に沿って形成された部分、及び、孔88に近い方の引っ掛け穴47cの開口の周縁の略半分に沿って形成された部分、及び、位置決め穴41cのうち空間84aから最も遠いものを包囲するように形成された部分を有し、孔88に近い方の角部45で終端する。即ち、逃がし溝40eは、1つの末端を有する。逃がし溝40eは、その孔88に近い方の角部45において、アンダープレート83の厚み方向及び幅方向に延在する側面に、大気開放する連通口48eを有する。
逃がし溝40fは、アンダープレート83の幅方向の全長にわたって形成されており、両方の角部45それぞれで終端する。逃がし溝40fの大部分は、逃がし溝40eよりも空間84aから遠い位置、及び、逃がし溝40dよりも空間84aから遠い位置を通過するように形成されている。さらに、逃がし溝40fは、位置決め穴41cのうち空間84aから最も遠い2つの間において、逃がし溝40cと逃がし溝40eとの間を通過するように形成された部分を有する。逃がし溝40fは、各角部45において、アンダープレート83の厚み方向及び幅方向に延在する側面に、大気開放する連通口48fを有する。
従って、孔88に近い方の角部45に備えられたポッティング材50は、当該角部45に設けられた5つの連通口48a,48b,48c,48e,48fを全て封止しており、孔88から遠い方の角部45に備えられたポッティング材50は、当該角部45に設けられた4つの連通口48a,48b, 48d, 48fを全て封止している。
ここで、各逃がし溝40a〜40fは、上述のように、接着剤塗布時の余剰接着剤を逃がしてその塗布厚を均一にする。さらに、アンダープレート83とスペーサー84とを接着するときに、両者間に挟み込んだ気泡や余剰接着剤を逃がして、場所に依らず良好に密着した接着状態にする。そのため、各逃がし溝40a〜40fは、余剰接着剤によって充填されておらず、部分的に空隙が存在する。空隙同士が互いに連通している場合もあれば、余剰接着剤によって空隙同士が分断されている場合もある。いずれにしても、長手方向に外部から空間84aに向かってインク(ミスト)が侵入する場合、空間84aに辿り着くまでに、インクは複数回逃がし溝を横切ることになる。その度に、インクは各逃がし溝の持つ空隙に捕獲されて、空間84aに到達できない。なお、各逃がし溝40a〜40fは、上述のように、幅方向両側に形成された角部45の少なくとも一方において、大気に開放する連通口48a〜48fを有している。さらに、2つの角部45は、共にポッティング材50によって封止されており、インクは連通口48a〜48fから内部に侵入できない。以上のように、プレート同士の接着後にも、接着剤の逃がし溝には空隙が存在し、この空隙が外部から侵入しようとするインク(ミスト)に対するトラップの働きをしている点に特徴がある。
以上説明した逃がし溝の配置形態とその機能に関しては、スペーサー84の流路ユニット4の上面4aとの接着面でも同様に成り立っている。
さらに、前述のように、ヒートシンク150が、4つのプレート81〜84に形成された凹部46a〜46dの内側に係合されている。ヒートシンク150の長手方向の端部は、ちょうど連通口48a〜48fが配置された角部に位置している。このとき、各プレート81〜84の厚み方向および幅方向に延在する側面は、ヒートシンク150の長手方向の端面に所定の間隙を介して対向する。この間隙内に、全ての連通口48a〜48fが開口している。ポッティング材50は、凹部46a〜46dのこの側面とヒートシンク150の端面が作る間隙内に塗布されており、連通口48a〜48fを封止するとともにヒートシンク150をリザーバユニット90に固定している。なお、ポッティング材50は、各凹部46a〜46dの角部だけではなく、ヒートシンク150の周囲を封止している。
本実施の形態では、ヒートシンク150の幅方向下端面は、流路ユニット4の上面4aに当接している。図2に示すように、ヒートシンク150の幅方向上端部は、ヘッドカバー115を外側にしてその下端部と重なっている。このとき、ヒートシンク150は、この重なり部分において、フィルター部材70とヘッドカバー115によって挟持されている。ポッティング材50は、ヒートシンク150と流路ユニット4との境界部に沿って配置されている。角部45のポッティング材50と併せて、インクは、リザーバユニット90の幅方向から空間84aに侵入できない構成となっている。
次に、図7〜9を参照し、ヘッド本体60について説明する。図7は、ヘッド本体60の平面図である。図8は、図7の一点鎖線で囲まれた領域の拡大図である。なお、図8では説明の都合上、アクチュエータユニット21の下方にあって破線で描くべき圧力室110、アパーチャ112及びノズル108を実線で描いている。図9は、図8に示IX−IX線に沿った部分断面図である。
図7に示すように、ヘッド本体60は、4つのアクチュエータユニット21が、流路ユニット4の上面4aに固定されている。図示されていないが、上面4aには、さらに4つの部分スペーサー54a、54b、55a、55bが各アクチュエータユニット21を避けるようにして接着されている。そのため、流路ユニット4の上面4aとアンダープレート83との間には、スペーサー84の厚み分の空間84aが形成されている。空間84aは、流路ユニット4の上面4a、スペーサー84の側壁及びアンダープレート83の下面によって画定された隙間で、インクジェットヘッド100の長手方向に延びている。4つのアクチュエータユニット21は、この空間84a内に配置されている。また、スペーサー84の厚みは、アクチュエータユニット21の厚み(高さ)より大きいので、アクチュエータユニット21の上面とアンダープレート83の下面との間には若干の隙間が残っている。従って、アクチュエータユニット21の表面は、空間84aに露出している。
図8に示すように、流路ユニット4は、インクが貯留された圧力室110等を含むインク流路が内部に形成されている。アクチュエータユニット21は、各圧力室110に対応した複数のアクチュエータを含んでおり、ドライバに駆動されることによって、圧力室110の容積を変化させ、圧力室110内のインクに選択的にノズル108から吐出するための吐出エネルギーを与える機能を有する。
流路ユニット4は、直方体形状となっている。流路ユニット4の上面4aには、インク分配部材80のスペーサー84の孔58に対応して、計10個のインク供給口105bが開口している。流路ユニット4の内部には、図7及び図8に示すように、インク供給口105bに連通するマニホールド流路105及びマニホールド流路105から分岐した副マニホールド流路105aが形成されている。流路ユニット4の下面には、多数のノズル108がマトリクス状に配置されたインク吐出面2aが形成されている。圧力室110も流路ユニット4におけるアクチュエータユニット21の固定面においてノズル108と同様マトリクス状に多数配列されている。
等間隔に流路ユニット4の長手方向に並ぶ圧力室110の列が、流路ユニット4の幅方向に互いに平行に16列配列されている。各圧力室列に含まれる圧力室110の数は、アクチュエータユニット21の外形形状(台形形状)に対応して、その長辺側から短辺側に向かって次第に少なくなるように配置されている。ノズル108も、これと同様の配置がされている。
図9に示すように、流路ユニット4は、ステンレス鋼など金属材料からなる9枚のプレート122〜130から構成されている。これらプレート122〜130は、主走査方向に長尺な矩形状の平面を有する。
これらプレート122〜130を互いに位置合わせしつつ積層することによって、プレート122〜130に形成された貫通孔が連結され、流路ユニット4内に、マニホールド流路105から副マニホールド流路105a、そして副マニホールド流路105aの出口から圧力室110を経てノズル108に至る多数の個別インク流路132が形成される。
次に、流路ユニット4におけるインクの流れについて説明する。リザーバユニット90からインク供給口105bを介して流路ユニット4内に供給されたインクは、マニホールド流路105から副マニホールド流路105aに分岐される。副マニホールド流路105a内のインクは、各個別インク流路132に流れ込み、絞りとして機能するアパーチャ112及び圧力室110を介してノズル108に至る。
以上説明した本実施の形態によると、次のような効果が得られる。
逃がし溝群40即ち逃がし溝40a〜40fがそれぞれ大気に開放する連通口48a〜48fが備えられているため、アンダープレート83とスペーサー84とを接着する際にアンダープレート83とスペーサー84との間に残留する気泡を逃がし溝40a〜40fを介して大気連通口48a〜48fから排出できる。また、アンダープレート83とスペーサー84と間の余剰接着剤を確実に逃がし溝40a〜40fに入り込ませることができる。従って、アンダープレート83とスペーサー84との接着状態が良好となり、ヘッド100の性能が向上する。さらに、連通口48a〜48fが角部45に備えられているため、連通口48a〜48fを封止するための工程が簡略化され、ヘッド100の製造コストを低減することができる。また、角部45それぞれに、5つの連通口48a,48b,48c,48e,48fを全て封止するポッティング材50、及び、4つの連通口48a,48b, 48d, 48fを全て封止するポッティング材50、がそれぞれ備えられていることによって、インクが連通口48a〜48fを通してヘッド100内部に侵入するのを防止することができる。
また、アンダープレート83の接着面において、スペーサー84と対向する部分の外郭線のうち、空間84aに最も近い部分と空間84aから最も遠い部分との間に、逃がし溝40a〜40fが配置されていることによって、インクが、外郭線のうち空間84aから最も遠い部分の周辺からアンダープレート83とスペーサー84との間に侵入した場合でも、逃がし溝40a〜40fがインクの侵入を段階的に阻止するため、侵入したインクがヘッド100のさらに内部に侵入するのを防止することができる。従って、ヘッド100のシール性が向上し、ヘッド100の性能悪化を防ぐことが可能である。
また、アンダープレート83の接着面において、スペーサー84と対向する範囲の外郭線のうち空間84aに最も近い部分と孔88の開口との間に、逃がし溝40a〜40cが配置されていることによって、インクが、外郭線の空間84aに最も近い部分以外の周辺からアンダープレート83とスペーサー84との間に侵入した場合でも、逃がし溝40a〜40cがインクの侵入を段階的に阻止するため、侵入したインクがヘッド100のさらに内部に侵入するのを防止することができる。また、インクが、孔88または孔58を通してアンダープレート83とスペーサー84との間に侵入した場合でも、逃がし溝40a〜40cがインクの侵入を段階的に阻止するため、侵入したインクがヘッド100のさらに内部に侵入するのを防止することができる。従って、ヘッド100のシール性が向上し、ヘッド100の性能悪化を防ぐことが可能である。
また、逃がし溝40a,40b,40fが、アンダープレート83の幅方向の全長にわたっていることによって、侵入したインクがヘッド100のさらに内部に侵入するのをさらに防止することができる。従って、ヘッド100のシール性が一層向上し、ヘッド100の性能悪化をさらに防ぐことが可能である。
また、連通口48a〜48fのそれぞれが、角部45において他の連通口のうちの少なくとも1つと近接していることによって、ポッティング材50を塗布する範囲又は回数を減らすことができ、連通口48a〜48fを封止するための工程がさらに簡略化される。
また、アンダープレート83が、アクチュエータユニット21の表面が露出した空間84aを画定する上壁面を構成していることによって、インクがアンダープレート83とスペーサー84との間に侵入した場合でも、侵入したインクがアクチュエータユニット21の表面に到達する事態を防止することができる。これにより、インクが付着してアクチュエータユニット21が損傷するのを防止することができる。
また、開口部84bを覆うように切り欠き部46と係合するヒートシンク150が、ポッティング材50によって角部45に固定されていることによって、ポッティング材50は、ヒートシンク150を角部45に固定しつつ、角部45に備えられた連通口48a〜48fを封止する役割を持っている。これにより、開口部84bや連通口48a〜48fから空間84aにインクが侵入するのを防止しつつ、ヒートシンク150の固定と連通口48a〜48fの封止とを同一工程で行うことで、ヘッド100の製造コストをさらに低減することができる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な変更が可能なものである。
例えば、上記実施形態では、逃がし溝群40は、6つの逃がし溝から構成されているが、逃がし溝の数は6つに限られない。加えて、逃がし溝40a〜40fの形状は、上記実施形態で述べたものでなくてもよい。例えば、逃がし溝40a,40b,40fのみだけでなく、全ての逃がし溝がアンダープレート83の幅方向の全長にわたっていてもよい。その場合は、ヘッド100のシール性が一層向上し、ヘッド100の性能悪化をさらに防ぐことが可能である。また、全ての逃がし溝がアンダープレート83の幅方向の全長にわたっていなくてもよい。
また、上記実施形態では、アンダープレート83の接着面において、スペーサー84と対向する範囲の外郭線の、空間84aに最も近い部分と孔88の開口との間に、3つの逃がし溝40a〜40cが配置されているが、配置される逃がし溝の数は3つ未満であってもよいし、4つ以上であってもよい。
1 インクジェットプリンタ
4 流路ユニット
21 アクチュエータユニット
40 逃がし溝群
45 角部
46 切り欠き部
50 ポッティング材
58 孔
60 ヘッド本体
71a 供給口
73a 排出口
83 アンダープレート
84 スペーサー
84a 空間
84b 開口部
88 孔
90 リザーバユニット
100 インクジェットヘッド
108 ノズル
110 圧力室
4 流路ユニット
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40 逃がし溝群
45 角部
46 切り欠き部
50 ポッティング材
58 孔
60 ヘッド本体
71a 供給口
73a 排出口
83 アンダープレート
84 スペーサー
84a 空間
84b 開口部
88 孔
90 リザーバユニット
100 インクジェットヘッド
108 ノズル
110 圧力室
Claims (7)
- 接着剤を介して積層された複数のプレートからなり、内部に空間が形成された積層体を有し、
前記積層体は、前記空間を画定する壁面の少なくとも一部をそれぞれ構成する第1プレートと、前記第1プレートに前記接着剤を介して積層された第2プレートとを含み、
前記第1プレートには、前記第2プレートと接着する接着面に沿って、外から内部の前記空間に向かう一方向と交差する方向に延在し、且つ前記接着剤を逃がす互いに独立した複数の逃がし溝と、前記一方向と交差する方向の各端部からもう一方の端部に向かって凹む角部とが形成され、
前記角部には、前記複数の逃がし溝がそれぞれ大気に開放する複数の連通口と、前記複数の連通口を全て封止する封止部材とが備えられていることを特徴とする液体吐出ヘッド。 - 前記第1プレートの前記接着面には、前記第2プレートと対向する部分の外郭線のうち、前記空間に最も近い部分と前記空間から最も遠い部分との間に、前記角部と前記複数の逃がし溝とが配置されていることを特徴とする請求項1に記載の液体吐出ヘッド。
- 前記第1プレートが厚さ方向に貫通する第1の孔を有し、
前記第2プレートが厚さ方向に貫通すると共に前記第1の孔に連通した第2の孔を有しており、
前記第1プレートの前記接着面には、前記外郭線のうち前記空間に最も近い部分と前記第1の孔の開口との間に、前記複数の逃がし溝のうちの2つ以上が配置されていることを特徴とする請求項2に記載の液滴吐出ヘッド。 - 前記外郭線の前記空間に最も近い部分と前記第1の孔の開口との間に配置された前記逃がし溝が、前記一方向と交差する方向の全長にわたっていることを特徴とする請求項3に記載の液体吐出ヘッド。
- 前記複数の逃がし溝の前記連通口のそれぞれは、前記角部において、他の前記連通口のうちの少なくとも1つと近接していることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッド。
- 液体が貯留された圧力室、及び、前記圧力室から連通し液体が吐出される吐出口を有する流路と、
前記圧力室の容積を変化させ前記圧力室内の液体に前記吐出口から吐出するための吐出エネルギーを与えると共に前記空間に露出した表面を有する圧電素子とをさらに備えていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッド。 - 前記複数のプレートは、平面視で略矩形の外形形状を有し、
前記第1プレートは、前記一方向と交差する方向に関して両端部に形成され、前記一方向に延びる凹形状の切り欠き部を有し、
前記角部が、前記一方向に関して、前記切り欠き部の少なくとも一方の端部に形成され、
前記空間は、前記切り欠き部の凹形状の底部に開口する開口部を有し、
前記開口部を覆うように前記切り欠き部と係合する板部材をさらに備え、
前記板部材は、前記封止部材によって前記角部に固定されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッド。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008090371A JP2009241392A (ja) | 2008-03-31 | 2008-03-31 | 液体吐出ヘッド |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2008090371A JP2009241392A (ja) | 2008-03-31 | 2008-03-31 | 液体吐出ヘッド |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2009241392A true JP2009241392A (ja) | 2009-10-22 |
Family
ID=41303880
Family Applications (1)
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JP2008090371A Pending JP2009241392A (ja) | 2008-03-31 | 2008-03-31 | 液体吐出ヘッド |
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JP (1) | JP2009241392A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013144436A (ja) * | 2011-12-15 | 2013-07-25 | Canon Inc | 液体吐出ヘッドの製造方法 |
JP2018015966A (ja) * | 2016-07-27 | 2018-02-01 | ブラザー工業株式会社 | 液体吐出ヘッド |
-
2008
- 2008-03-31 JP JP2008090371A patent/JP2009241392A/ja active Pending
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