JP2009241374A - 易接着性ポリエステルフィルムおよびフイルムロ−ル - Google Patents

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Abstract

【課題】易接着層に含有される粒子径と粒子によるフィルムの面積占有率を規定することにより、高透明、高品質なキズの少ない、特に光学用途に好ましく用いられる易接着性ポリエステルフィルムを得るとともに、空気抜けの良いポリエステルフィルムロールを提供する。
【解決手段】ポリエステルフィルムの両面に易接着層(A層およびB層)が設けられた易接着性ポリエステルフィルムであって、一方の易接着層(A層)が粒子Aを含有し、もう一方の易接着層(B層)が粒子Aおよび粒子Bを含有し、易接着層(B層)における粒子Aの平均粒子径Daと粒子Bの平均粒子径がDa<Dbなる関係を満たし、かつB層表面における粒子Aの面積占有率Faと粒子Bの面積占有率Fbが0.3%≦Fb≦Fa≦1.4%なる関係を満たす易接着性ポリエステルフィルム。
【選択図】なし

Description

本発明は、ポリエステルフィルムの表面に粒子を含有した易接着性が付与されてなる層を積層した易接着性ポリエステルフィルムと空気抜けがよいフィルムロールに関し、さらに詳しくはキズが少ない光学用途に適したものに関する。
ポリエステルフィルムは、透明性、寸法安定性、機械的特性、耐熱性、電気的特性、耐薬品性などに優れ、包装材料、電気絶縁材料、金属蒸着材料、製版材料、磁気記録材料、表示材料、転写材料、窓貼り材料などの多くの用途で使用されている。特に最近では、透明タッチパネル用、液晶表示装置に用いられるプリズムシート用のベースフィルム、LCD、PDP等のいわゆるフラットディスプレイの前面パネルガラス表面貼り付け用に、帯電防止、反射防止、電磁波シールド等の機能層を設けた保護フィルムのベースフィルム用などの各種光学用途に広く用いられているが、これら機能フィルムに加工する際やディスプレイとして最終製品に仕上げた後に一般消費者が使用する際にポリエステルフィルムは傷が付きやすく、外観や光学的特性が損なわれやすいという欠点があり、表面に傷が入るのを防止するため、耐擦過性に優れたハードコート層をフィルム面に設けて使われている。そのハードコート層との密着性を高めるため、フィルム基材上にハードコート層との易接着層を設けるのが一般的に知られている。
易接着層を設けたフィルムは、ロール状に巻き取り、一旦巻き取ったロールを必要に応じて、巻き返しながら所望の幅にスリットされ、もう一度、巻き取り、出荷される。フィルムの易滑性が十分でないと、巻き取り工程中にフィルムにシワを発生させてしまう為、易接着層に粒子を含有することが一般的に知られている。また、巻き取り工程、製品の保管時、運搬時、製品の二次加工時において、フィルム表面の粒子が支持体となり、フィルムの製造機器やフィルムどうしによる擦過を防止していた。しかし、粒子の添加はフィルムの透明度を悪化させるおそれがあり、特に光学用途では基材とするフィルムの両面に易接着層を積層した耐擦過性とヘイズ値の低いフィルムが開発されてきた。
特開2007−254653号 公報 特開2000−272003号 公報
しかしながら、巻き取り工程から長時間経過した後のフィルムロールは、フィルムロールから徐々に空気が抜け、フィルムどうしの擦過によってキズが入る等の問題が発生することがあった。また、フィルムの巻き取り工程において一度入り込んだ空気が抜けにくいと、そのままフィルムロールとして保管した場合、長時間経過した後のフィルムロールは、その空気により平面性を阻害され、光学用途としては用いられにくい干渉斑が発生しやすくなる傾向にある。
近年、特に光学用途では、透明度の高いフィルムが要求されているが、上述の問題点が改善されていない為、易滑性を充足しながらも、傷が少なく、空気抜けのよい高品質なフィルムを得るということに至らずにいた。
本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので、高透明、高品質なキズの少ない、特に光学用途に好ましく用いられる易接着性ポリエステルフィルムを得るとともに、空気抜けの良い易接着性ポリエステルフィルムロールを提供することにある。
本発明は、かかる課題を解決するために、次のような手段を採用するものである。すなわち、本発明の易接着性ポリエステルフィルムは、ポリエステルフィルムの両面に易接着層(A層およびB層)が設けられた易接着性ポリエステルフィルムであって、一方の易接着層(A層)が粒子Aを含有し、もう一方の易接着層(B層)が粒子Aおよび粒子Bを含有し、易接着層(B層)における粒子Aの平均粒子径Daと粒子Bの平均粒子径がDa<Dbなる関係を満たし、かつB層表面における粒子Aの面積占有率Faと粒子Bの面積占有率Fbが0.3%≦Fb≦Fa≦1.4%なる関係を満たす易接着性ポリエステルフィルムである。
さらに好ましい形態としては、
(1)易接着性ポリエステルフィルムのヘイズ値が1.5%以下であること。
(2)粒子Aの平均粒子径Daが120nm以上400nm以下であり、かつ粒子Bの平均粒子径Dbが30nm以上180nm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の易接着性ポリエステルフィルム。
(3)基材となるポリエステルフィルムが実質的に粒子を含有しないこと。
(4)光学ディスプレイ用フィルムとして使用されること。
(5)易接着性ポリエステルフィルムを巻き取ってなる易接着性ポリエステルフィルムロールである。
本発明の易接着性ポリエステルフィルムは、本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので、易接着層に含有される粒子径と粒子によるフィルムの面積占有率を規定することにより、高透明、高品質なキズの少ない、特に光学用途に好ましく用いられる易接着性ポリエステルフィルムを得るとともに、空気抜けの良いポリエステルフィルムロールを得ることができる。
本発明で用いられる基材となるポリエステルフィルムを構成するポリエステルとは、ジオールとジカルボン酸とから縮重合により得られるポリエステルであり、ジカルボン酸は、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸およびセバチン酸などで代表されるものであり、また、ジオールは、エチレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコールおよびシクロヘキサンジメタノールなどで代表されるものである。
かかるポリエステルとしては、具体的には例えば、ポリメチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリテトラメチレンテレフタレート、ポリエチレン−p−オキシベンゾエート、ポリ−1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート、およびポリエチレン−2,6−ナフタレートなどが挙げられる。もちろん、これらのポリエステルは、ホモポリマであってもコポリマであってもよく、共重合成分としては、例えば、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコールおよびポリアルキレングリコールなどのジオール成分や、アジピン酸、セバチン酸、フタル酸、イソフタル酸および2,6−ナフタテンジカルボン酸などのジカルボン酸成分が挙げられる。
本発明の場合、透明性、機械的強度などの観点から、特に、ポリエチレンテレフタレートとポリエチレン−2,6−ナフタレートが好ましく用いられる。
また、このポリエステルの中には、必要に応じ各種の添加剤、例えば、酸化防止剤、帯電防止剤、結晶核剤などが添加されていてもよい。
本発明の易接着性ポリエステルフィルムの基材となるポリエステルフィルムは単層であっても2層以上からなる多層フィルムであってもよい。
本発明の易接着層(A層およびB層)とは、上述の基材となるポリエステルフィルムの両側に積層されてなる層であり、ハードコート層などの加工層との密着性を付与させるものである。具体的には、A層/ポリエステルフィルム/B層の順に積層される。また、積層方法としては、共押出、コーティング、ラミネートなどがあるが、中でも本発明の高透明度を達成する為に薄膜化することから、コーティングによる積層が好ましい。
易接着性を付与する樹脂としては、特に限定されるものではないが、たとえば、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、オレフィン系樹脂、フッ素系樹脂、ビニル系樹脂、塩素系樹脂、スチレン系樹脂、各種グラフト系樹脂、エポキシ系樹脂、シリコーン系樹脂などを使用することができ、これらの樹脂の混合物を使用することもできる。これらポリエステル樹脂を水系塗液として用いる場合には、水溶性あるいは水分散性のポリエステル樹脂が用いられるが、このような水溶性化あるいは水分散化のためには、スルホン酸塩基を含む化合物や、カルボン酸塩基を含む化合物を共重合させることが好ましい。
また、本発明の易接着層には、さらに接着性を向上させるために、樹脂に各種の架橋剤を併用することができる。
架橋剤樹脂としては、メラミン系、エポキシ系、オキサゾリン系樹脂が一般に用いられる。本発明の易接着層に含有される粒子としては、無機系粒子や有機系粒子を挙げることができるが、易滑性や耐ブロッキング性が向上するので、無機粒子がより好ましい。この無機粒子としては、シリカ、アルミナ、カオリン、タルク、マイカ、炭酸カルシウム、チタンなどを用いることができる。
上記の無機粒子および有機粒子は表面処理されていてもよい。表面処理剤としては、例えば、界面活性剤、分散剤としての高分子、シランカップリング剤、チタンカップリング剤などが挙げられる。

ここで粒子を含有する目的は、工程でのフィルム搬送におけるロール等の接触によるキズ防止であり、含有する粒子は出来るだけ多く、面全体を覆う方がよいが、その各粒子による面積占有率が1.4%を越えると光散乱が多くなり、光学用部材フィルムとして用いる際は、低ヘイズの透明性を維持できなくなる。そのため、それぞれの易接着層に異なる平均粒子径を持つ2つの粒子を含有させる。平均粒子径の大きい方である粒子による表面の面積占有率が低ければ、その粒子が含有されている易接着層の光散乱には大きく寄与せず、低ヘイズを維持することが出来る。また、小さい平均粒子径を有する粒子を一方の易接着層に含有することで、フィルムの擦過によるキズを防止することが可能となる。本発明の易接着性ポリエステルフィルムは、平均粒子径とその粒子による面積占有率が、Da<Dbかつ0.3%≦Fb≦Fa≦1.4%の範囲である。つまりFa+Fb≦2.8の範囲であれば、低ヘイズの透明性を維持することができる。また、その面積占有率Fa、Fbがそれぞれ0.3%を下回ると粒子浮上効果によるキズ防止ができなくなる。含有する粒子の粒子径も同じ要素を持ち、平均粒子径が30nm未満では粒子浮上効果によるキズ防止が不完全であり、400nmを越えると低ヘイズを維持できなくなる。特に30nm未満では易接着層の厚みも15nm程度以下にする必要があり、後加工での接着力不足も問題となってくる。片面を異なる粒子による2粒子径にする理由は、これは巻き取り工程においてフィルムをロール状に巻き取る際に、両面が同じ粒子径ではフィルム層間の隙間がなくなり空気抜けが悪くなり、シワ等の巻き取り問題を発生させる。また、ロール上で長時間保管した際にはフィルム層間の空気抜けが悪いことより、フィルムの平面性が阻害され、ロール上で干渉ムラが顕著となり光学用フィルムとしては使用できなくなる。片面を異なる粒子の2粒子系にすることにより、巻層体のフィルム層間に隙間を作ることになり、この部分より空気抜けが促進される。粒子径の差は1.5倍から2倍が好ましいが、各種検討の結果、小さい方の粒径として30nm〜180nm、大きい方の粒径として120nm〜400nmが好ましい。また、粒子の量に関しては、搬送系で接するロールからの浮上効果を考え、一般的に小さい粒子ほど多くする必要があるが、その粒子による面積占有率において、小さい粒子による面積占有率は大きい粒子の面積占有率と同等、またはそれ以上であればフィルム層間の空気抜けが良いことを見出した。以上、これらを鋭意検討した結果、両面の易接着層に含有される同一粒子の平均粒子径Da(nm)の粒子による面積占有率がFa(%)で、片方の易接着層にもう一種の粒子が含有され、その平均粒子径Db(nm)の粒子による面積占有率がFb(%)であって、片面易接着層の2粒子に対し平均粒子径とその粒子による面積占有率が、Da<Dbかつ0.3%≦Fb≦Fa≦1.4%を満たすとき、キズが少なく低ヘイズで透明性を維持し、シワや干渉ムラのない良好な光学フィルムロールを得ることが出来た。
本発明で用いられる易接着層の総厚みは、特に限定されるものではなく適宜選択されるが、機械的強度、ハンドリング性などの点から、通常20〜500nmが好ましく、透明性を求められる用途、特には光学用途として用いる際には50nm〜150nmが更に好ましい。20nm未満では積層膜に接着性を施した場合に十分な接着性が得られない可能性があり、500nmより大きいとブロッキングや削れの問題が生じる可能性がある。
本発明の易接着性ポリエステルフィルムの総厚みは、100μm〜300μmである。好ましくは、110μm〜250μm、さらに好ましくは125μm〜200μmである。
本発明の易接着層には本発明の効果が損なわれない範囲内で、各種の添加剤、例えば、酸化防止剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、顔料、染料、充填剤、帯電防止剤、核剤などが配合されていてもよい。
本発明において、光学用途に用いられる場合は、易接着性ポリエステルフィルムのヘイズ値が1.5%以下であることが好ましく、より好ましくは1.0%以下、さらに好ましくは0.9%以下である。光学用途に用いる場合は、ヘイズ値を低減させる目的で、基材となるポリエステルフィルムに実質的に粒子を含有しないことが好ましい。
本発明の易接着ポリエステルフィルムは、延伸して用いることが望ましい。延伸方法としては、長手方向に延伸した後、幅方向に延伸する逐次二軸延伸方法や、長手方向、幅方向をほぼ同時に延伸する同時二軸延伸方法などの技術が用いられる。
次に、本発明の易接着性ポリエステルフィルムの製造方法について説明するが、これに限定されるものではない。
まず、実質的に粒子を含有しないポリエステル樹脂を押出機に供給する。押出機内において、融点以上に加熱溶融された樹脂は、溶融状態でフィルタ、ギアポンプ等を連結する加熱されたパイプ中を通り異物を除去される。押出機よりダイに送られた樹脂はダイで目的の形状に成形された後、吐出される。この吐出の際の樹脂温度は、通常、使用するポリエステルの融解終了温度以上である。ダイから吐出されたシート状の溶融樹脂は、キャスティングドラム上で冷却固化され、静電印加密着法により未延伸シートを得る。
その未延伸シートを加熱ロール群で加熱し、長手方向に2〜5倍、好ましくは2.5〜4.5倍、さらに好ましくは3〜4倍に1段もしくは2段以上の多段で延伸する(MD延伸)。延伸温度はTg〜(Tg+60)℃、より好ましくは(Tg+5)〜(Tg+55)℃、さらに好ましくは(Tg+10)〜(Tg+50)℃の範囲である。その後20〜50℃の冷却ロール群で冷却する。
次に、このフィルムの両面に易接着層(A層およびB層)を塗布する。塗布する方法としては、特に定めはないが、例えば、リバースコート法、グラビアコート法、ロッドコート法、バーコート法、マイヤーバーコート法、ダイコート法、スプレーコート法などを用いることができる。
次に、塗布に続く幅方向の延伸方法としては、例えば、テンターを用いる方法が一般的である。このフィルムの両端部をクリップで把持して、テンターに導き、幅方向の延伸を行う(TD延伸)。延伸温度はTg〜(Tg+80)℃が好ましく、より好ましくは(Tg+10)〜(Tg+70)℃、さらに好ましくは(Tg+20)〜(Tg+60)℃の範囲である。延伸倍率は、2.0〜6.0倍が好ましく、より好ましくは3.0〜5.0倍、さらに好ましくは3.5〜4.5倍の範囲である。
本発明においては、易接着層を塗布する前に、基材フィルムの表面(上記例の場合では、一軸延伸フィルム)にコロナ放電処理などを施し、該基材フィルム表面の濡れ張力を、好ましくは47mN/m以上、より好ましくは50mN/m以上とするのが、易接着層と基材フィルムとの接着性をさらに向上出来るため好ましい。
次に、この延伸フィルムを緊張下または幅方向に弛緩しながら熱固定する。
さらに、このフィルムを40〜180℃の温度ゾーンで幅方向に弛緩しながら冷却するのが好ましい。弛緩率は、幅方向の熱収縮率を低下させる観点から1〜10%であることが好ましく、より好ましくは2〜8%、さらに好ましくは3〜7%の範囲である。
さらに、フィルムを室温まで、必要ならば、長手および幅方向に弛緩処理を施しながら、フィルムを冷やして巻き取り、目的とする易接着性ポリエステルフィルム及びフィルムロールを得る。
[粒子の面積占有率および粒子個数]
易接着性ポリエステルフィルムの試料表面において任意の1点を定める。
次いで、該点から2辺を共有する5μm以上の正方形または矩形状の切片サンプルを得る。該切片サンプルのB層表面を(株)キーエンス製VE−7800型走査型電子顕微鏡(SEM)により2000〜10000倍にて5μm四方の正方形の面積部位を観察した写真を5試料ずつ採取し、B層表面を撮影した写真を画像解析式粒度分布測定ソフト(Macview)を使用し、粒子Aと粒子Bのそれぞれの平均粒径、粒子個数Fa、Fbと面積占有率Fa、Fbを算出し、平均を求めた。
[易接着性ポリエステルフィルムの総厚み]
マイクロメーターM-30(ソニー(株)製)を用いて易接着性ポリエステルフィルムの厚みを測定した。
[キズの測定]
一定巻長さのフィルムロール表層よりシート状サンプル(製品幅×1〜3m長)を採取し、フィルム表面Aに、暗室において斜光の状態下で、長手および幅方向について存在するか否かをキズの最大長径が100μm以下のものを目視観察により個数を確認した。
[ヘイズ値]
スガ試験器製、ヘイズメーターを使用し、JIS K 7105(1981/03/01制定)に従って測定した。
[空気抜け測定]
フィルムロールの巻硬度を用いて判断した。フィルムロールの巻硬度は、PROCEQ社のPAROtester D形を用いフィルムロールの幅方向10点を測定し、その硬度差Rが小さいほど空気抜けが良好であると判断した。硬度はフィルムロール5本について測定し、各測定Rの平均値をRxとした。
・ :Rx≦150
・ :150<Rx≦250
・ :250<Rx≦350
× :Rx>350
[塗布液a]塗布液1000Lに対しアクリル系樹脂:85.7Kg、界面活性剤:3.0Kg、粒子濃度が40%である平均粒子径80nmシリカ粒子:3.7Kg、メラミン系架橋剤:10.5Kg
[塗布液b]塗布液aに粒子濃度が40%である平均粒子径140nmシリカ粒子:1.1Kgを追加した。
[塗布液c]塗布液aのシリカ粒子を2.2Kgとした。
[塗布液d]塗布液aに粒子濃度が40%である平均粒子径140nmシリカ粒子:2.2Kgを追加した。
[塗布液e]塗布液1000Lに対しポリエステル系樹脂:85.7Kg、界面活性剤:3.0Kg、粒子濃度が40%である平均粒子径140nmシリカ粒子:2.2Kg、メラミン系架橋剤:10.5Kg
[塗布液f]塗布液eに粒子濃度が20%である平均粒子径400nmシリカ粒子:10Kgを添加した。
[塗布液g]塗布液eの平均粒子径140nmシリカ粒子に代えて、粒子濃度が30%である平均粒子径30nmシリカ粒子:1.3Kgを添加した。
[塗布液h]塗布液eに粒子濃度が40%である平均粒子径140nmシリカ粒子:2.2Kgを追加した。
[塗布液i]塗布液eの平均粒子径140nmシリカ粒子に代えて、粒子濃度が40%である平均粒子径80nmシリカ粒子:1.0Kgを添加した。
[塗布液j]塗布液iに粒子濃度が40%である平均粒子径140nmシリカ粒子:1.1Kgを添加した。
[塗布液k]塗布液eに粒子濃度が20%である平均粒子径500nmシリカ粒子:1.3Kgを添加した。
実施例1
ポリエチレンテレフタレートを溶融時に、溶融樹脂の異物除去用濾材として濾過粒子サイズ(初期濾過効率:95%)15μmのステンレススチール製焼結濾材を用い、濾過したポリマーを押出機より280℃で溶融押出し、静電印可された20℃のキャストドラム上にキャストし無延伸シートとした後、これを80℃で予熱し、この温度にてロール延伸で長手方向に3.0倍延伸した。この後、塗布液aをフィルム片面にコート膜厚が6μm、塗布液bをそのフィルムの反対面にコート膜厚が6μmになるよう制御し塗布した。その後、110℃で幅方向に3.6倍延伸し、220℃で熱処理した。これにより、易接着厚みがそれぞれ65nmの積層膜が各面に形成されたポリエチレンテレフタレートフィルムを基材とする125μm厚さの易接着性ポリエステルフィルムを得た。
実施例2
実施例1の塗布液a、bに代えて、塗布液c、塗布液dを用い、コート膜厚がそれぞれ6μmになるように制御し塗布したこと以外は実施例1と同様にして、易接着厚みがそれぞれ65nmの積層膜が各面に形成されたポリエチレンテレフタレートフィルムを基材とする125μm厚さの易接着性ポリエステルフィルムを得た。
実施例3
実施例1の塗布液a、bに代えて、塗布液e、塗布液fを用い、コート膜厚がそれぞれ6μmになるように制御し塗布したこと以外は実施例1と同様にして、易接着厚みがそれぞれ65nmの積層膜が各面に形成されたポリエチレンテレフタレートフィルムを基材とする125μm厚さの易接着性ポリエステルフィルムを得た。
実施例4
実施例1の塗布液a、bに代えて、塗布液e、塗布液fを用い、コート膜厚がそれぞれ2μmになるように制御し塗布したこと以外は実施例1と同様にして、易接着厚みがそれぞれ20nmの積層膜が各面に形成されたポリエチレンテレフタレートフィルムを基材とする125μm厚さの易接着性ポリエステルフィルムを得た。
比較例1
実施例1の塗布液a、bに代えて、両面とも塗布液aを用い、コート膜厚が6μmになるように制御し塗布したこと以外は実施例1と同様にして、易接着厚みが65nmの積層膜が各面に形成されたポリエチレンテレフタレートフィルムを基材とする125μm厚さの易接着性ポリエステルフィルムを得た。
比較例2
実施例1の塗布液a、bに代えて、塗布液i、塗布液jを用い、コート膜厚がそれぞれ6μmになるように制御し塗布したこと以外は実施例1と同様にして、易接着厚みがそれぞれ65nmの積層膜が各面に形成されたポリエチレンテレフタレートフィルムを基材とする125μm厚さの易接着性ポリエステルフィルムを得た。
比較例3
実施例1の塗布液a、bに代えて、塗布液e、塗布液kを用い、コート膜厚がそれぞれ6μmになるように制御し塗布したこと以外は実施例1と同様にして、易接着厚みがそれぞれ65nmの積層膜が各面に形成されたポリエチレンテレフタレートフィルムを基材とする125μm厚さの易接着性ポリエステルフィルムを得た。
実施例1〜4、比較例1〜3から得られた易接着性ポリエステルフィルムの特性を表1に表す。
Figure 2009241374
本発明の易接着性ポリエステルフィルムは、走行性、巻き取り性、耐擦過性、高透明性に優れ、フィルムロールとした際に空気抜けがよく、このフィルムは特に各種光学用途に広く用いられる。

Claims (6)

  1. ポリエステルフィルムの両面に易接着層(A層およびB層)が設けられた易接着性ポリエステルフィルムであって、一方の易接着層(A層)が粒子Aを含有し、もう一方の易接着層(B層)が粒子Aおよび粒子Bを含有し、易接着層(B層)における粒子Aの平均粒子径Daと粒子Bの平均粒子径がDa<Dbなる関係を満たし、かつB層表面における粒子Aの面積占有率Faと粒子Bの面積占有率Fbが0.3%≦Fb≦Fa≦1.4%なる関係を満たす易接着性ポリエステルフィルム。
  2. ヘイズ値が1.5%以下である請求項1に記載の易接着性ポリエステルフィルム。
  3. 粒子Aの平均粒子径Daが120nm以上400nm以下であり、かつ粒子Bの平均粒子径Dbが30nm以上180nm以下である請求項1または2に記載の易接着性ポリエステルフィルム。
  4. ポリエステルフィルムが実質的に粒子を含有しない請求項1〜3のいずれかに記載の易接着性ポリエステルフィルム。
  5. 光学ディスプレイ用フィルムとして使用される請求項1〜4のいずれかに記載の易接着性ポリエステルフィルム。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の易接着性ポリエステルフィルムを巻き取ってなる易接着性ポリエステルフィルムロール。
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