JP2009240975A - 水処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 被処理水に含まれる濁質等を凝集させる際の撹拌時間が短く且つ清澄な処理水を得ることができる水処理方法を提供する。
【解決手段】水中で膨潤し実質的に水に溶解しないカチオン性ポリマーからなる粒子を被処理水に添加するポリマー粒子添加工程と、該ポリマー粒子添加工程の後に被処理水を10秒以下で撹拌する撹拌工程と、該撹拌工程の後の被処理水を固液分離処理する固液分離処理工程を有する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、工業用水、市水、河川水、湖沼水、井水などの被処理水の処理方法に関する。
工業用水、市水、河川水、湖沼水、井水などの被処理水を処理する方法として、被処理水に無機凝集剤や高分子凝集剤を添加した後、被処理水を撹拌して被処理水に含まれる濁質等を無機凝集剤等に吸着させて濁質等を凝集させて凝集物を形成した後、この凝集物を精密濾過膜(MF膜)、限外濾過膜(UF膜)、逆浸透膜(RO膜)等の膜に通水する膜分離処理や沈殿処理、加圧浮上処理、砂ろ過処理等の固液分離処理する方法がある(例えば、特許文献1等参照)。
このような水処理方法で、より清澄な処理水を得るためには、凝集物を粗大化し強固にすることが必要である。そして、凝集物の粗大化や強度には、無機凝集剤等を添加した後の撹拌時間や撹拌強度が大きく影響を及ぼす。例えば、撹拌時間が短い場合は、濁質等の凝集が不十分となり凝集物が粗大化せず、強度も弱いため、後段の固液分離処理で凝集物が捕獲できず、処理水に濁質等が残留し清澄にならない。また、固液分離処理として膜分離処理を行う場合、膜を汚染するという問題も生じる。例えば、被処理水がフミン酸・フルボ酸系有機物、藻類等が生産する糖などの生物代謝物や、界面活性剤等の合成化学物質など、膜を汚染する膜汚染物質を含む場合に、凝集が不十分となり膜を汚染するという問題が特に顕著になる。
したがって、清澄な処理水を得るために、通常撹拌は長時間、具体的には5〜15分間程度でGT値が300000以上となるようにして行われている。ここで、例えばラインミキサーを用いて撹拌を行う場合、長時間撹拌するためにはラインを長くすることが必要なので、設備の設置面積が大きくなってしまう。しかしながら、設備の小型化が求められているため、撹拌時間は短いほうが望ましい。なお、ラインミキサーに限らず、その他の撹拌機を用いた場合でも、処理時間の短縮等の観点から、撹拌時間は短いほうが望ましい。
特開平11−77062号公報
本発明は上述した事情に鑑み、被処理水に含まれる濁質等を凝集させる際の撹拌時間が短く且つ清澄な処理水を得ることができる水処理方法を提供することを目的とする。
本発明者は上記目的を達成するために鋭意検討した結果、水中で膨潤し実質的に水に溶解しないカチオン性ポリマーからなる粒子を被処理水に添加した後、被処理水を10秒以下で撹拌し、その後固液分離処理する水処理方法とすることにより、上記目的が達成されることを見いだし、本発明を完成させた。
即ち、本発明の水処理方法は、水中で膨潤し実質的に水に溶解しないカチオン性ポリマーからなる粒子を被処理水に添加するポリマー粒子添加工程と、該ポリマー粒子添加工程の後に被処理水を10秒以下で撹拌する撹拌工程と、該撹拌工程の後の被処理水を固液分離処理する固液分離処理工程を有することを特徴とする。
前記水中で膨潤し実質的に水に溶解しないカチオン性ポリマーからなる粒子を添加する前の被処理水の濁度が0.1〜30度であり、前記固液分離処理した後の被処理水の濁度が0.0〜1.0度であってもよい。
また、前記撹拌工程でのGT値が100000〜300000であることが好ましい。
そして、前記ポリマー粒子添加工程の前に、被処理水に無機凝集剤を添加する無機凝集剤添加工程を有することが好ましい。
本発明の水処理方法によれば、被処理水を凝集処理する際の撹拌時間が10秒以下と短いにも関わらず濁質等を十分凝集させることができ、固液分離処理により濁質等が低く清澄な処理水を得ることができる。そして、撹拌時間が短いので、ラインミキサーを撹拌機として用いた場合でも、設置面積は比較的小さく、水処理装置の小型化を図ることができる。また、膜汚染物質も十分凝集させることができるので、固液分離処理として膜分離処理した場合に膜の分離性能の劣化を抑制することができ、継続して清澄な処理水を得ることができる。
以下、本発明を実施形態に基づいて詳細に説明する。
本発明の水処理方法は、水中で膨潤し実質的に水に溶解しないカチオン性ポリマーからなる粒子を被処理水に添加するポリマー粒子添加工程と、該ポリマー粒子添加工程の後に被処理水を10秒以下で撹拌する撹拌工程と、該撹拌工程の後の被処理水を固液分離処理する固液分離処理工程を有するものである。
まず、水中で膨潤し実質的に水に溶解しないカチオン性ポリマーからなる粒子を被処理水に添加する(ポリマー粒子添加工程)。
被処理水としては、例えば、濁質、フミン酸・フルボ酸系有機物、藻類等が生産する糖などの生物代謝物、又は、界面活性剤等の合成化学物質などを含む水、具体的には、工業用水、市水、河川水、湖沼水、井水などが挙げられる。なお、フミン酸・フルボ酸系有機物、藻類等が生産する糖などの生物代謝物、又は、界面活性剤等の合成化学物質などは、後段で膜分離処理を行う場合には膜を汚染する物質(膜汚染物質)となる。ここで、フミン酸・フルボ酸系有機物、藻類等が生産する糖などの生物代謝物、又は、界面活性剤等の合成化学物質などは、通常の高分子凝集剤や無機凝集剤では凝集が不完全となり被処理水から除去し難い。しかし、本発明においては、水中で膨潤し実質的に水に溶解しないカチオン性ポリマーからなる粒子(以下「膨潤性ポリマー粒子」と記載する場合がある)を添加することにより、良好に凝集させることができる。
そして、本発明においては、被処理水(原水)として濁度(濁質(SS)の量)が0.1〜30度の水を用いても、清澄な水、例えば濁度が0.0〜1.0度の処理水を得ることができる。なお、本明細書において、濁度はカオリン標準液を用いた透過光測定方法により求めた値である。
この被処理水に添加する粒子を構成する水中で膨潤し実質的に水に溶解しないカチオン性ポリマーは、例えば、一級アミン、二級アミン、三級アミンおよびそれらの酸塩、四級アンモニウム基などの官能基を有するカチオン性モノマーと、実質的に水に溶解しないようにするための架橋剤モノマーとの共重合体である。カチオン性モノマーの具体例としては、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートの酸塩もしくはその4級アンモニウム塩、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドの酸塩もしくはその4級アンモニウム塩、ジアリルジメチルアンモニウムクロリド等が挙げられる。架橋剤モノマーとしては、メチレンビスアクリルアミドなどのジビニルモノマーが挙げられる。また、上記カチオン性モノマーと共重合可能なアニオン性またはノニオン性モノマーとの共重合体としてもよい。共重合させるアニオン性モノマーの具体例としては、(メタ)アクリル酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸およびそれらのアルカリ金属塩等が挙げられるが、その含有量は、共重合体がカチオン性ポリマーとしての性質を損なわない程度に少量である必要がある。ノニオン性モノマーとしては、(メタ)アクリルアミド、Nイソプロピルアクリルアミド、Nメチル(NNジメチル)アクリルアミド、アクリロニトリル、スチレン、メチルもしくはエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。各モノマーは1種でも複数種でもよい。なお、ジビニルモノマー等の架橋剤モノマー量は、全モノマーに対して0.0001〜0.1モル%必要であり、この量によって、膨潤性ポリマー粒子の膨潤度や水中での粒子径が調整できる。そして、膨潤性ポリマー粒子としては、例えば、アコジェルC(三井サイテック株式会社製)が市販されている。また、WA20(三菱化学社製)等のアニオン交換樹脂を、膨潤性ポリマー粒子として用いてもよい。また、膨潤性ポリマー粒子の平均粒子径は特に限定されないが、逆相エマルション液体やサスペンション状の分散液体中での平均粒子径、すなわち、水で膨潤していない状態の平均粒子径は100μm以下であることが好ましく、さらに好ましくは0.1〜10μmである。これは、粒子が小さい程、被処理水中に含まれる濁質等の吸着効果が高くなるが、小さすぎると固液分離が困難になるためである。
上記水中で膨潤し実質的に水に溶解しないカチオン性ポリマーからなる粒子を被処理水に添加する形態に特に限定はなく、例えば、粒子そのままでもよく、また、水中に分散した状態や、逆相エマルション液体やサスペンション状の分散液体の形態で添加してもよい。何れにしても、被処理水に膨潤性ポリマー粒子を添加することによって、被処理水が膨潤性ポリマー粒子と接触して、後段の撹拌工程を経て被処理水中に含まれる濁質等が膨潤性ポリマー粒子に吸着して凝集するようにすればよい。
また、2種以上の膨潤性ポリマー粒子を被処理水に添加してもよい。なお、膨潤性ポリマー粒子を構成するカチオン性ポリマーは水中で膨潤し実質的に水に溶解しないため、膨潤性ポリマー粒子も、通常の高分子凝集剤とは異なり、水中で膨潤し実質的に水に溶解しない。「実質的に水に溶解しない」とは、水溶性の程度が水中でカチオン性ポリマーからなる粒子として存在できる程度であればよく、具体的には、例えば、30℃での水への溶解性が0.1g/L以下程度であればよい。また、この粒子の水中での膨潤度は、水で膨潤していない時の粒子径に対して水中での粒子径は10〜200倍程度である。
ここで、逆相エマルション液体の形態としたカチオン性ポリマーからなる粒子について以下に詳細に説明するが、この形態に限定されるものではない。なお、特殊なものではなく、ごく一般的な逆相(W/O)エマルションポリマーである。
逆相エマルション液体は、上記カチオン性ポリマー、水、炭化水素液体及び界面活性剤を含有する。そして、各成分の質量比(%)は、カチオン性ポリマー:水:炭化水素液体:界面活性剤=20〜40:20〜40:20〜40:2〜20で、カチオン性ポリマーと水との合計質量が、カチオン性ポリマーと水と炭化水素液体と界面活性剤との全体質量に対して40〜60質量%とすることが好ましい。
炭化水素液体としては、イソヘキサンなどのイソパラフィン、n−ヘキサン、ケロシン、鉱物油などの脂肪族系の炭化水素液体が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
また、界面活性剤としては、例えば、HLB(親水親油バランス)が7〜10で、炭素数10〜20の高級脂肪族アルコールのポリオキシエチレンエーテル、もしくは、炭素数10〜22の高級脂肪酸のポリオキシエチレンエステルが挙げられる。前者の例としては、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコールなどのポリオキシエチレン(EO付加モル数=3〜10)エーテルが挙げられる。後者の例としては、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸などのポリオキシエチレン(EO付加モル数=3〜10)エステルが挙げられる。
なお、逆相エマルション液体は、カチオン性ポリマーの原料であるカチオン性モノマーや架橋剤モノマーと、水、炭化水素液体、界面活性剤を混合してモノマーを重合(乳化重合又は懸濁重合)することにより得られるが、これに限定されるものではなく、例えば、各種モノマーを溶液重合した後、ホモジナイザーなどで粉砕し、その後、界面活性剤などの分散剤と共に炭化水素液体に添加することによっても得られる。
膨潤性ポリマー粒子を被処理水に添加する際には、粒子の表面積が大きいことが好ましい。したがって、上記逆相エマルション液体やサスペンション状の分散液体の形態である粒子を、撹拌下の水に添加して粒子を膨潤させた状態にした後、被処理水に添加することが好ましい。
膨潤性ポリマー粒子を被処理水に添加する量に特に制限は無いが、被処理水中に含まれる濁質や膜汚染物質の総量に対して、1〜50質量%程度とすることが好ましい。
また、ポリマー粒子添加工程と同時又は前段に、被処理水に無機凝集剤を添加する工程を設けてもよい(無機凝集剤添加工程)。濁質等の凝集剤として無機凝集剤を添加することにより、濁質等が凝集しやすくなり、濁質等の除去効果が増大する。
これらの工程で添加する無機凝集剤は特に限定はなく、例えば、硫酸バンド、ポリ塩化アルミニウム等のアルミニウム塩、塩化第二鉄、硫酸第一鉄等の鉄塩などが挙げられる。また、無機凝集剤の添加量にも特に限定はなく、処理する被処理水の性状に応じて調整すればよいが、被処理水に対して概ねアルミニウム又は鉄換算で0.5〜10mg/Lである。また、被処理水の性状にもよるが、無機凝集剤としてポリ塩化アルミニウム(PAC)を用いた場合、膨潤性ポリマー粒子及び無機凝集剤を添加した被処理水のpHを、pH5.0〜7.0程度とすると、凝集が最適となる。
ポリマー粒子添加工程の後、被処理水を撹拌する(撹拌工程)。これにより、濁質等を膨潤性ポリマー粒子に完全に吸着させて濁質等を凝集させて凝集物を形成する。本発明の水処理方法では、撹拌時間は10秒以下である。撹拌時間の下限は凝集物を形成することができれば特に限定されないが、例えば0.1〜10秒、好ましくは1〜5秒である。
ポリマー粒子添加工程で添加する水中で膨潤し実質的に水に溶解しないカチオン性ポリマーからなる粒子への濁質や膜汚染物質の吸着が早く凝集物を形成する速度が速いためか、本発明においては、10秒以下という短時間の撹拌で十分凝集することができ、粗大で強固な凝集物を形成することができる。したがって、後段の固液分離処理工程において、凝集物がすり抜けることがなく、濁質や膜汚染物質等を凝集物として除去することができるので、濁度等が低く清澄な処理水を得ることができる。
このように、撹拌時間が10秒と短いので、撹拌機としてラインミキサー(配管混合機)を用いても、ラインは短いため設備の設置面積は比較的小さく、水処理装置の小型化を図ることができる。撹拌機としては、上述したラインミキサーの他、渦流ポンプ等を挙げることができる。なお、従来ラインミキサーを用いている水処理方法もあるが、撹拌時間が短い場合、例えば濁度0.0〜1.0度の清澄な処理水は得られず、得られる処理水の清澄さと、短時間の撹拌とは両立できていなかった。
また、撹拌工程の撹拌強度の指標となるGT値は100000〜300000であることが好ましい。ここで、GT値は、下記で定義される値である。
GT値:G値とT値の乗数
G値:撹拌翼のエネルギー消費率ε(erg/cm・sec)を水の粘性係数μで除した値の平方根であり、単位はS−1(1/sec)。 G=√(ε/μ)
T値:撹拌時間(sec)
ポリマー粒子添加工程の前後に無機凝集剤添加工程を設ける場合には、それぞれの工程の後に、攪拌工程を設けてもよい。なお、無機凝集剤添加工程の後に設ける攪拌工程は、上述したものと同様の方法を採用できる。
撹拌工程の後、被処理水を固液分離処理する(固液分離処理工程)。固液分離処理としては、撹拌工程で生成した濁質等の凝集物を被処理水から除去することができれば特に限定はないが、沈殿処理、砂ろ過処理、加圧浮上処理や、膜分離処理等が挙げられる。
沈殿処理や加圧浮上処理は、無機凝集剤等を被処理水に添加後、カセイソーダ、消石灰や硫酸などでpH調整を行い、最後に有機系高分子凝集剤にて懸濁物をフロック化する。また必要に応じて有機凝結剤を併用することもできる。有機凝結剤は特に限定はなく、例えば、ポリエチレンイミン、エチレンジアミンエピクロルヒドリン重縮合物、ポリアルキレンポリアミン、ジアリルジメチルアンモニウムクロリドやジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートの四級アンモニウム塩を構成モノマーとする重合体等、通常水処理で使用されるカチオン性有機系ポリマーが挙げられる。また、有機凝結剤の添加量にも特に限定はなく、被処理水の性状に応じて調整すればよいが、被処理水に対して概ね固形分で0.01〜10mg/Lである。そして、有機系高分子凝集剤も特に限定はなく、水処理で通常使用される高分子凝集剤を用いることができる。例えば、ポリ(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸と(メタ)アクリルアミドの共重合物、及び、それらのアルカリ金属塩等のアニオン系の有機系高分子凝集剤、ポリ(メタ)アクリルアミド等のノニオン系の有機系高分子凝集剤、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートもしくはその4級アンモニウム塩、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドもしくはその4級アンモニウム塩等のカチオン性モノマーからなるホモポリマー、及び、それらカチオン性モノマーと共重合可能なノニオン性モノマーとの共重合体等のカチオン系の有機系高分子凝集剤が挙げられる。また、有機系高分子凝集剤の添加量にも特に限定はなく、処理水の性状に応じて調整すればよいが、被処理水に対して概ね固形分で0.01〜10mg/Lである。
膜分離処理としては、精密濾過膜(MF膜)、限外濾過膜(UF膜)、ナノ濾過膜(NF膜)、又は、逆浸透膜(RO膜)等が挙げられる。ここで、例えば、固液分離処理として膜分離処理を行う場合、被処理水である工業用水、市水、河川水、湖沼水、井水などは、通常フミン酸・フルボ酸系有機物、藻類等が生産する糖などの生物代謝物や、界面活性剤等の合成化学物質などの膜汚染物質を含むため、膜分離処理をすると、膜汚染物質が膜表面に吸着して膜分離性能が劣化してしまうという問題がある。本発明においては、膜分離処理の前に、膨潤性ポリマー粒子を添加するため、該粒子に膜汚染物質が吸着して凝集した後に膜分離処理をすることになる。したがって、生物代謝物などの膜汚染物質の溶存有機物濃度が低い水を膜分離処理することができるので、膜汚染物質の膜への吸着を低減でき、膜の分離性能の劣化を抑制でき、継続して清澄な処理水を得ることができる。
これらの固液分離処理は、単独で一段以上用いてもよく、また、沈澱処理、砂ろ過処理や加圧浮上処理後に、膜分離処理を行うなど、各種の固液分離処理を組み合わせてもよい。
また、膜分離処理の後に、イオン交換処理等の脱イオン処理をさらに有していてもよい。これにより、純水や超純水を得ることができる。そして、脱炭酸処理や、活性炭処理等、被処理水の精製処理をさらに行ってもよい。
また、必要に応じて、凝結剤、殺菌剤、消臭剤、消泡剤、防食剤などを添加してもよい。さらに、必要に応じて、紫外線照射、オゾン処理、生物処理などを併用してもよい。
以上述べたように、本発明の水処理方法によれば、被処理水を凝集処理する際の撹拌時間が10秒以下と短く、例えばGT値は100000〜300000程度と低いにも関わらず濁質等を十分凝集させることができ、固液分離処理により濁質等が低く、清澄な処理水を得ることができる。そして、撹拌時間が短いので、ラインミキサーを撹拌機として用いた場合でも、設置面積は比較的小さく、水処理装置の小型化を図ることができる。また、膜汚染物質も十分凝集させることができるので、固液分離処理として膜分離処理した場合に膜の分離性能の劣化を抑制することができ、継続して清澄な処理水を得ることができる。
この水処理方法を用いた水処理装置の一例を図1の概略系統図に示す。図1に示すように、水処理装置1は、被処理水(原水)を貯留する原水槽11と、被処理水を送液するポンプと、無機凝集剤が保持される無機凝集剤槽12から被処理水に無機凝集剤を導入するポンプ等からなる無機凝集剤導入手段13と、膨潤性ポリマー粒子が保持される膨潤性ポリマー粒子槽14から被処理水に膨潤性ポリマー粒子を導入するポンプ等からなる膨潤性ポリマー粒子導入手段15と、無機凝集剤及び膨潤性ポリマー粒子が導入された被処理水を撹拌して濁質等を凝集させるラインミキサー16とを有する。そして、ラインミキサー16の下流側には、砂ろ過装置21及びMF膜を有する膜分離処理装置22が順に設けられている。なお、原水槽11、ラインミキサー16、砂ろ過装置21及び膜分離処理装置22は、パイプによって順に接続されており、ラインミキサー16は、ラインミキサー16に被処理水を導入するパイプと同じ口径のパイプと、このパイプの中に配置された撹拌翼によって構成されている。
このような水処理装置1では、まず、工業用水、市水、河川水、湖沼水、井水などの被処理水(原水)が、原水槽11に導入される。次いで、原水槽11に導入された被処理水は、ポンプによりラインミキサー16へ送液される。そして、ラインミキサー16へと送液されるパイプ内に、無機凝集剤槽12に保持された無機凝集剤が、無機凝集剤導入手段13によりに注入されて被処理水に添加される。次に、ラインミキサー16へと送液されるパイプ内に、膨潤性ポリマー粒子槽14に保持された膨潤性ポリマー粒子が、膨潤性ポリマー粒子導入手段15により注入されて被処理水に添加される。そして、無機凝集剤及び膨潤性ポリマー粒子が添加された被処理水は、ラインミキサー16により0.1〜10秒程度撹拌される。これにより、被処理水が含有する濁質や膜汚染物質が膨潤性ポリマー粒子や無機凝集剤に吸着して凝集し、凝集物が形成される。次に、凝集物が形成された被処理水は、砂ろ過装置21、及び、MF膜を有する膜分離処理装置22により固液分離処理されて、凝集物が除去され、清澄な処理水が得られる。
本発明においては、被処理水を凝集処理する際の撹拌時間が10秒以下と短いにも関わらず濁質等を十分凝集させることができ、固液分離処理により濁質等が低く、清澄な処理水を得ることができる。そして、撹拌時間が短いため、ラインの短いラインミキサー16を撹拌機として用いることができるので、水処理装置1の小型化を図ることができる。また、膜汚染物質も十分凝集させることができるので、MF膜の分離性能の劣化を抑制することができ、継続して清澄な処理水を得ることができる。
なお、図1に示す水処理装置では、膨潤性ポリマー粒子導入手段15の上流側に無機凝集剤導入手段13を設けたが、無機凝集剤導入手段13は設けなくてもよく、また、無機凝集剤導入手段13を膨潤性ポリマー粒子導入手段15の後段で設けてもよい。そして、膨潤性ポリマー粒子導入手段15が無機凝集剤導入手段13を兼ねるようにしてもよい。また、ラインミキサー16を撹拌機として用いたが、渦流ポンプ等その他の撹拌機を用いてもよい。また、膜分離処理装置22としてMF膜を示したが、UF膜、RO膜、又は、NF膜等でもよい。
以下、本発明を実施例及び比較例に基づいてさらに詳述するが、本発明はこの実施例により何ら限定されるものではない。
(実施例1)
フミン質や生物代謝物を含有し、カオリン標準液を用いた透過光測定方法による濁度が0.8〜10.8度、波長260nmでの吸光度(E260:有機物濃度指標)が0.157〜0.300で変動する工業用水を被処理水(原水)とし、図1に示す原水槽・ラインミキサー・砂ろ過装置・MF膜(0.45μm、酢酸セルロール製)を有する膜分離処理装置からなる水処理装置を用い、ラインミキサーの前段のパイプに順にポリ塩化アルミニウム(PAC)及び膨潤性ポリマー粒子(アコジェルC、三井サイテック社製)を導入し、19日間水処理を行った。なお、PACは、被処理水に対して30mg/Lとなる量を添加し、また、アコジェルCは被処理水に対して4mg/Lとなる量添加した。また、被処理水がラインミキサーで撹拌される時間は4秒であり、この撹拌の際のGT値は200000であった。
水処理を行った19日の間、砂ろ過した後の被処理水についてTOC濃度及び濁度を求め、また、MF膜で処理した後の被処理水についてMFF値を求めた。結果を表1に示す。なお、TOC濃度は湿式酸化赤外吸収法により、濁度はカオリン標準液を用いた透過光測定方法により求めた。また、MFF値は、目皿外径40mm、目皿上高さ100mmのブフナーロートと、直径47mmの微細孔0.45μmのメンブレンフィルター(ミリポア社)を用いて、目皿上の空間が常に水で満たされた状態で濾過し、濾過量が500mlとなるまでの時間T1(秒)と、濾過量が1,000mlとなるまでの時間T2(秒)を測定し、下記[数1]から求めた。なお、MFF値が小さいほど、測定された被処理水が清澄であることを示す。
Figure 2009240975
(実施例2)
撹拌機のGT値をそれぞれ10000〜1000000にした以外は実施例1と同様の操作を行った。なお、G値は20000で一定にし、撹拌時間を変化させた。GT値に対するMFF値の平均値をプロットした図を図2に示す。
(比較例1)
アコジェルCを添加しなかった以外は、実施例1と同様の操作を行った。
(比較例2)
ラインミキサーのかわりに撹拌機を有する凝集槽を設けた水処理装置を用いた以外は、実施例1と同様の操作を行った。なお、被処理水が凝集槽で撹拌される時間は800秒であり、この凝集槽での撹拌の際のGT値は800000であった。また、凝集槽を設置したことにより、水処理装置の設置面積は倍以上となった。
この結果、実施例1では、砂ろ過後の被処理水のTOC濃度及び濁度を低い値で維持することができた。したがって、撹拌時間が短いにも関わらず、膨潤性ポリマー粒子により濁質の凝集が良好に行われ続けたことが確認された。
さらに、実施例1では、MF膜処理後の被処理水のMFF値も低い値で維持することができ、継続して清澄な処理水が得られたことが確認された。なお、19日間通水後もMF膜は汚染していなかった。
そして、撹拌時間が長くなりGT値が高くなった比較例2と同程度のTOC濃度、濁度及びMFF値の処理水が、実施例1でも得られていた。したがって、実施例1は、撹拌時間が短くても濁質等の凝集が十分なされたことが確認された。なお、このことは、図2の結果からも分かる。
一方、膨潤性ポリマー粒子を添加しなかった比較例1では、砂ろ過後の被処理水のTOC濃度及び濁度は、実施例1と比較して顕著に高く、また、MF膜処理後の被処理水のMFF値は実施例1と比較して高くなる場合があった。したがって、膨潤性ポリマー粒子を添加しない場合は、4秒、GT値200000の撹拌では濁質等の凝集が不十分となり、MF膜処理後の処理水として清澄なものを継続して得ることができないことが確認された。また、MF膜も汚染していた。
Figure 2009240975
本発明の水処理方法を用いた水処理装置の一例を示す概略系統図である。 GT値とMFF値との関係を示す図である。
符号の説明
1 水処理装置
11 原水槽
12 無機凝集剤槽
13 無機凝集剤導入手段
14 膨潤性ポリマー粒子槽
15 膨潤性ポリマー粒子導入手段
16 ラインミキサー
21 砂ろ過装置
22 膜分離処理装置

Claims (4)

  1. 水中で膨潤し実質的に水に溶解しないカチオン性ポリマーからなる粒子を被処理水に添加するポリマー粒子添加工程と、該ポリマー粒子添加工程の後に被処理水を10秒以下で撹拌する撹拌工程と、該撹拌工程の後の被処理水を固液分離処理する固液分離処理工程を有することを特徴とする水処理方法。
  2. 前記水中で膨潤し実質的に水に溶解しないカチオン性ポリマーからなる粒子を添加する前の被処理水の濁度が0.1〜30度であり、前記固液分離処理した後の被処理水の濁度が0.0〜1.0度であることを特徴とする請求項1に記載の水処理方法。
  3. 前記撹拌工程でのGT値が100000〜300000であることを特徴とする請求項1又は2に記載の水処理方法。
  4. 前記ポリマー粒子添加工程の前に、被処理水に無機凝集剤を添加する無機凝集剤添加工程を有することを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の水処理方法。
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