JP2009240598A - ベルトループ用テープ供給装置 - Google Patents

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翔 武文
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Abstract

【課題】ベルトループ用テープの折り返し状態が不良状態であるベルトループ用テープを随時排除し、常に折り返し状態が正常状態であるベルトループ用テープを供給するベルトループ用テープ供給装置を提供。
【解決手段】ベルトループ用テープ供給装置1は、一対の二股フォーク部材5a,5aにより、長手方向両端部を裏面中央側へ対向させて折返したベルトループ用テープTを保持し、ミシン本体4の縫製位置へ搬送する搬送手段5と、ベルトループ用テープを縫製位置へ搬送する経路上の撮像位置で長手方向両端部を折り返したベルトループ用テープTの平面の実画像を形成可能に配設された撮像手段8と、長手方向両端部を適正に折り返したベルトループ用テープTの平面の実画像を基準画像として記憶する記憶部8ab及び実画像を基準画像と比較し、供給されるベルトループ用テープTの長手方向両端部の折返し状態を判定する状態判定手段8bとを備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、ベルトループ用テープを縫製物に縫い付けるミシンに配設されたベルトループ用テープ供給装置に関する。
一般に、ジーンズなどの腰部にあるベルトを通すためのベルトループを形成するベルトループ縫いミシンには、ベルトループの材料となるベルトループ用テープを所定長に切断して長手方向両端部を裏面中央側に折り返し、ミシン本体の縫製位置へ搬送するベルトループ用テープ供給装置が配設されている。
図6のような従来のベルトループ用テープ供給装置1は、テープ送り出し台2の上面において、ロール状態から繰り出し方向(矢印A方向)に繰り出されるベルトループ用テープTを下方から支持するための支持手段3及び所定長に切断されたベルトループ用テープTの長手方向両端部を裏面中央側に折り返してミシン本体4の縫製位置へ搬送するための搬送手段5などを備えている。
前記支持手段3は、前記テープ送り出し台2の終端部に隣接して水平に固定配置された一対の受け板3a,3a、前記受け板3a,3aに立設された一対の当たり片3e,3eを備えている。また、前記受け板3a,3aの上方には、一対の圧縮コイルばね3d,3dがそれぞれ鉛直方向に延在するように配設され、当該圧縮コイルばね3d,3dの上方には、取付部材3c,3cを介して、エアシリンダ3b,3bの出力軸が連結され、前記エアシリンダ3b,3bはそれぞれ鉛直方向に延在するように配設されている。前記取付部材3c,3cの側部には、案内棒3f,3fの基端部が取り付けられ、案内棒3f,3fの先端部は斜め下方向に延出している。また、前記各受け板3a,3aには、U字状の空隙部分が形成されており、当該空隙部分には、前記各案内棒3f,3fが挿通するようになっている。
また、前記搬送手段5は、それぞれの先端部が二股状に形成された一対の二股フォーク部材5a,5aを備え、前記一対の二股フォーク部材5a,5aの基端部に連結された図示しないモータやカム機構により前記一対の二股フォーク部材5a,5aを駆動しながら、所定長に切断されたベルトループ用テープTの長手方向両端部を裏面中央側に折り返した後、そのまま、図6における矢印Bの方向である搬送方向に移動して、ミシン本体4の縫製位置に搬送するようになっている。
このような構成を備えたベルトループ用テープ供給装置1においては、以下のような一連の動作を繰り返す。
まず、ベルトループ用テープTが繰り出し方向に所定長繰り出され、前記受け板3a,3aにより下方から支持される。次に、エアシリンダ3b,3bの駆動により、案内棒3f,3fが下降するとともにベルトループ用テープTの側辺に当接することによって、ベルトループ用テープTが当たり片3e,3eの方向に寄せられる。これにより、受け板3a,3aの上面において、ベルトループ用テープTが位置決めされる。その後、位置決めされたベルトループ用テープTの上面に圧縮コイルばね3d,3dが下降することによって、ベルトループ用テープTを保持する。次いで、支持手段3の後方に退避している一対の二股フォーク部材5a,5aが、搬送方向に前進して、二股フォーク部材5a,5aの先端部のフォーク間にベルトループ用テープTの長手方向両端部を保持する。次に、前記テープ送り出し台2の終端部近傍においてベルトループ用テープTが切断される。その後、一対の二股フォーク部材5a,5aが互いに外方に270度回転することにより、ベルトループ用テープTの長手方向両端部が裏面中央側に180度折り返される。そして、支持手段3のエアシリンダ3b,3bの駆動により、案内棒3f,3fおよび圧縮コイルばね3d,3dが上昇した後、二股フォーク部材5a,5aがミシン本体4の縫製位置まで移動し、長手方向両端部が折り返された状態のベルトループ用テープTが搬送される。
このような従来のベルトループ用テープ供給装置1においては、一対の二股フォーク部材5a,5aによりベルトループ用テープTの長手方向両端部を裏面中央側に折り返される際に、下方に折り返される部分である、折り返し部分が上方のベルトループ用テープTと折り重ならずに位置ずれしてしまう、いわゆるドッグイヤーが生じるという問題があった。
従来、このようなドッグイヤーの発生を防止するため、一対の折り返しガイドを設け、長手方向両端部を折り返す際にベルトループ用テープを所定の位置に規制するように構成したベルトループ用テープ供給装置などが提案されている(特許文献1)。
特開2000−167282号公報
しかしながら、上記のようなドッグイヤーを防止するように構成されたベルトループ用テープ供給装置においても、使用されるベルトループ用テープTの材質や厚さなどによっては、ドッグイヤーを完全に防止することはできなかった。また、従来のベルトループ用テープ供給装置においては、ドッグイヤーなどの折り返し状態の不良状態を直接検出する機構は設けられていなかった。したがって、ドッグイヤーなどの折り返し状態の不良状態が生じた場合であっても、検出されずにそのまま縫製物に縫製され、折り返し状態が不良状態であるベルトループが形成されてしまう、という問題があった。
そこで、本発明はこのような点に鑑み、折り返し状態が不良状態であるベルトループ用テープを確実に排除することが可能なベルトループ用テープ供給装置を提供することを目的としている。
前述した目的を達成するため、請求項1に記載のベルトループ用テープ供給装置は、ベルトループ用テープの長手方向に離間させて並列配置される一対の保持部材により長手方向両端部を裏面中央側へ対向させて折り返したベルトループ用テープを保持し、前記両端部を折り返す位置からミシンの縫製位置へ搬送するベルトループ用テープ供給装置において、前記保持部材が前記ベルトループ用テープを前記縫製位置へ搬送する経路上の撮像位置において、長手方向両端部を折り返したベルトループ用テープの平面視における実画像を形成可能に配設された撮像手段と、長手方向両端部を適正に折り返したベルトループ用テープの平面視における実画像を基準画像として記憶する記憶部、および、実画像を前記基準画像と比較して、供給されるベルトループ用テープの長手方向両端部の折り返し状態を判定する判定部を有する状態判定手段とを備えることを特徴とする。
そして、このような構成のベルトループ用テープ供給装置によれば、前記撮像位置において、撮像手段によりベルトループ用テープの平面視における実画像を形成し、前記状態判定手段の判定部が、記憶部に記憶されている長手方向両端部を適正に折り返したベルトループ用テープの基準画像と比較することによって、供給されるベルトループ用テープの長手方向両端部の折り返し状態を判定することが可能である。
また、請求項2に記載のベルトループ用テープ供給装置は、請求項1に記載のベルトループ用テープ供給装置であって、前記判定部は、前記実画像および基準画像のベルトループ用テープの平面視における面積をそれぞれ比較し、その差が許容範囲内であるか否かにより、供給されるベルトループ用テープの長手方向両端部の折り返し状態を判定することを特徴とする。
このような構成のベルトループ用テープ供給装置によれば、前記判定部が、前記撮像手段により形成されたベルトループ用テープの平面視における実画像の面積と、前記記憶部に記憶されている基準画像の面積とを比較することによって、供給されるベルトループ用テープの長手方向両端部の折り返し状態を判定することが可能である。
請求項3に記載のベルトループ用テープ供給装置は、請求項1に記載のベルトループ用テープ供給装置であって、前記制御手段は、状態判定手段の判定部において長手方向両端部の折り返し状態が不良状態であると判定されると、前記保持部材を前記撮像位置から縫製位置へ移動させずに、前記撮像位置から退避経路を介して前記待機位置へ移動させるように前記搬送手段の駆動を制御することを特徴とする。
このような構成のベルトループ用テープ供給装置によれば、状態判定手段の判定部において折り返し状態が不良状態であると判定されると、前記制御手段は、前記保持部材を前記撮像位置から退避経路を介して前記待機位置へ移動するように駆動制御することによって、折り返し状態が不良状態であるベルトループ用テープの前記縫製位置への搬送を防止し、常に折り返し状態が正常状態であるベルトループ用テープを搬送することが可能である。
請求項4に記載のベルトループ用テープ供給装置は、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のベルトループ用テープ供給装置であって、状態判定手段において長手方向両端部の折り返し状態が不良状態であると判定されたベルトループ用テープを排除する排除手段を備えることを特徴とする。
このような構成のベルトループ用テープ供給装置によれば、前記状態判定手段の判定部において折り返し状態が不良状態であると判定されると、前記排除手段によりベルトループ用テープを排除することによって、折り返し状態が不良状態であるベルトループ用テープの前記縫製位置への搬送を防止し、常に折り返し状態が正常状態であるベルトループ用テープを搬送することが可能である。
本発明のベルトループ用テープ供給装置によれば、長手方向両端部が折り返されたベルトループ用テープをミシンの縫製位置に搬送する経路上において、ベルトループ用テープの折り返し状態を直接検出し、ドッグイヤーなどの不良状態を検出することができる。また、折り返し状態が不良状態である場合、前記搬送手段や前記排除手段を駆動制御することにより、折り返し状態が不良状態であるベルトループ用テープの供給を防止することができる。これにより、常に折り込み状態が正常状態であるベルトループ用テープを縫製位置へ搬送し、常に正常なベルトループを形成することが可能である。
以下、本発明のベルトループ用テープ供給装置を実施形態により説明する。なお、本発明に係るミシンは、ベルトループを形成するベルトループ用テープを被縫製物に縫い付けるミシンとしての基本構成を備えたものとする。
図1及び図2において本発明の実施形態のベルトループ用テープ供給装置を説明する。なお、図6に示した従来のベルトループ用テープ供給装置の構成と対応する構成については、図面中に同一の符号を付す。
本実施形態のベルトループ用テープ供給装置1は、繰り出し手段6、図示しない引き出し手段、切断手段7、支持手段3、図示しない排除手段、搬送手段5、撮像手段8、状態判定手段8b、制御手段9などから構成されている。
前記繰り出し手段6は、ミシン本体4の側部に配設されたテープ送り出し台2の上部においてベルトループ用テープTを繰り出すもので、繰り出しローラ6a、当該繰り出しローラ6aを駆動するための繰り出しモータ6bなどを備えている。繰り出しローラ6aは、外周面全体に送り歯が形成された歯車状であり、図1および図2における矢印Aの方向であるベルトループ用テープTの繰り出し方向と直交するようにして水平に配設された図示しない回転軸の一端部に取り付けられている。繰り出しローラ6aの下方には、繰り出しモータ6bが配設されており、当該繰り出しモータ6bの出力軸には、図示しない駆動用歯付きベルトプーリが嵌着されている。また、前記回転軸の他端部には従動用ベルトプーリが嵌着されており、前記従動用ベルトプーリと前記駆動用歯付ベルトプーリとの間にはタイミングベルトが掛け渡されており、前記繰り出しモータ6bの回転が繰り出しローラ6aに伝達されるようになっている。
前記引き出し手段は、図2における前進位置であるテープ送り出し台2の終端部近傍において、ベルトループ用テープTの先端部を挟持し、繰り出し方向に引き出すもので、固定アームと可動アームとからなる把持アーム10a、前記可動アームの回動を駆動するための把持アーム用モータ10b、把持アーム10aの基端部に水平に連結された図示しない駆動ロッド、前記駆動ロッドを往復駆動するための図示しないエアシリンダなどを備えている。前記可動アームは、前記固定アームの上部に平行に配置され、把持アーム用モータ10bの駆動により、基端部を支点として回動し、前記固定アームに接離可能となっている。これにより、前記可動アームと前記固定アームとの間にベルトループ用テープTを挟持することが可能となっている。また、前記エアシリンダを駆動するための把持アーム用電磁弁10cは、後述する制御手段9により駆動制御されるようになっている。
なお、この引き出し手段は、図2における後退位置であるテープ送り出し台2の終端部から離間した位置から前進して、図2における把持位置であるテープ送り出し台2の終端部近傍において、ベルトループ用テープTの先端部を前記把持アームにより挟持し、そのまま繰り出し方向に移動する。これにより、繰り出しローラ6aと把持アーム10aとの間に所定長のベルトループ用テープTが掛け渡された状態(図2に示す状態)になる。
前記切断手段7は、可動刃7a、図示しない固定刃、前記可動刃7aを上下方向に駆動するための図示しないエアシリンダなどから構成されている。可動刃7aは、テープ送り出し台2の終端部近傍の上方に配置され、可動刃7aの上方に連結された前記エアシリンダの上下駆動により、上下動するようになっている。前記固定刃は、テープ送り出し台2の下方であって、可動刃7aに対向する位置に配置されており、この固定刃と下降してくる可動刃7aにより、ベルトループ用テープTを切断するようになっている。前記エアシリンダを駆動するための切断用電磁弁7bは、制御手段9により、所定のタイミングで駆動制御されるようになっている。
前記搬送手段5は、ベルトループ用テープTに長手方向に離間させて並列配置されている一対の保持部材として、二股フォーク部材5a,5aを備え、これらの二股フォーク部材5a,5aは、モータやカム機構により駆動されながら、所定長に切断されたベルトループ用テープTの長手方向両端部を裏面中央側に折り返してミシン本体4の縫製位置に搬送するものである。前記一対の二股フォーク部材5a,5aの基端部には、搬送用モータ5b、前記カム機構を駆動する図示しないエアシリンダを備え、二股フォーク部材5a,5aを図1および図2における矢印Bの方向である搬送方向および逆方向に往復駆動するとともに、回転駆動するようになっている。搬送用モータ5b、および、前記エアシリンダを駆動するための搬送用電磁弁5cは、制御手段9に接続されており、一対の二股フォーク部材5a,5aは以下のような動作を行うように駆動制御されている。
まず、繰り出しローラ6aと把持アーム10aとの間に掛け渡されたベルトループ用テープTが支持手段3により位置決めされて保持された後、搬送用モータ5bの駆動により一対の二股フォーク部材5a,5aが前進して、各二股フォーク部材5a,5aのフォーク間にベルトループ用テープTの長手方向両端部(図2に示す折り返し位置の近傍)を保持する。次いで、切断手段7によってベルトループ用テープTが所定長に切断された後、搬送用電磁弁5cの駆動により、各二股フォーク部材5a,5aがそれぞれ外方向に270度回転し、ベルトループ用テープTの長手方向両端部を裏面中央側へ対向させて180度折り返す。さらに、一対の二股フォーク部材5a,5aは、各二股フォーク部材5a,5aにベルトループ用テープTを巻き付けた状態で、折り返し位置から搬送方向に前進して、ミシン本体の縫製位置よりも手前(図2に示す撮像位置)で一時的に待機するように駆動制御されている。
なお、前記撮像位置においては、二股フォーク部材5a,5aがベルトループ用テープTを折り返した状態で待機している間に、後述する撮像手段8aがベルトループ用テープTの長手方向両端部が折り返された実画像を形成し、この実画像に基づいて後述する状態判定手段8bの判定部が折り返し状態を判定するように制御されている。このとき、折り返し状態が正常状態と判定された場合には、二股フォーク部材5a,5aは撮像位置からさらに前進して、ミシン本体4の縫製位置にベルトループ用テープTを搬送した後、搬送方向と逆方向に後退して、待機位置に移動するように駆動制御されている。また、前記状態判定手段8bの判定部により折り返し状態が不良状態であると判定された場合は、二股フォーク部材5a,5aは撮像位置から退避経路を介して待機位置へ後退するように駆動制御されている。なお、前記退避経路は、撮像位置において状態判定手段8bの判定部により折り返し状態が正常状態と判定された場合に、二股フォーク部材5a,5aが待機位置から縫製位置まで移動する経路と同じであってもよい。
前記支持手段3は、前記テープ送り出し台2の終端部に隣接して水平に配設された平板状の一対の受け板3a,3aを備え、前記繰り出しローラ6aと前記把持アームとの間に掛け渡された状態(図2に示す状態)のベルトループ用テープTを前記一対の受け板3a,3aの上面により下方から支持するようになっている。また、前記各受け板3aの上方には、出力軸を下方に向けて鉛直方向に延在するように配設された一対のエアシリンダ3b,3b、前記各エアシリンダ3bの出力軸に取付部材3cを介して鉛直方向にそれぞれ延在する取り付けられた一対の圧縮コイルばね3d,3dが取り付けられており、前記一対のエアシリンダ3b,3bによって前記一対の圧縮コイルばね3d,3dが下降すると、ベルトループ用テープTが前記各受け板3aの上面に圧接されるようになっている。前記エアシリンダ3b,3bを駆動する支持用電磁弁3gは、制御手段9により制御されるようになっている。さらに、前記支持手段3は、前記各受け板3aのミシン本体4と反対側の上面に立設された平板状の一対の当たり片3e,3e、前記取付部材3cの側部の前記各当たり片3eと対向する位置に取り付けられ、斜め下方に延出した一対の案内棒3f,3fを備えている。そして、前記エアシリンダ3b,3bにより前記各案内棒3f,3fが下降すると、前記各案内棒3f,3fの側部にベルトループ用テープTの側辺が当接されることにより、ベルトループ用テープTが当たり片3e,3eに寄せられて位置決めされるようになっている。
前記排除手段は、状態判定手段8bの判定部により折り返し状態が不良状態であると判定されたベルトループ用テープTを二股フォーク部材5a,5aの先端部から排除するものである。本実施形態においては、前記排除手段として、一対の二股フォーク部材5a,5aが撮像位置から待機位置まで後退する際に経由する退避経路上であって、並列配置されている一対の二股フォーク部材5a,5aの間に、鉛直方向に配設された長尺な係止部材(図示せず)を備えている。これにより、ベルトループ用テープTの折り返し状態の不良状態が検出され、二股フォーク部材5a,5aが退避経路を介して後退する途中で、ベルトループ用テープTの長手方向における中途部が前記係止部材に係止されることにより、ベルトループ用テープTが排除されるようになっている。
なお、前記排除手段は上記のような構成のものに限定されない。たとえば、前記退避経路の下方であって、並列配置されている一対の二股フォーク部材5a,5aの中間位置において、鉛直方向に配設された長尺な係止部材、前記係持部材の下方部に接続されたエアシリンダを備えていてもよい。そして、前記エアシリンダを駆動するための図示しない電磁弁が制御手段9に接続されており、二股フォーク部材5a,5aが撮像位置から退避経路を介して後退する途中に、前記係止部材の上端部が前記退避経路よりも上方に突出するように駆動制御されていてもよい。
また、前記排除手段は撮像位置近傍に配設されていてもよい。たとえば、前記排除手段として、撮像位置の下方に鉛直方向に延在するように配設された上端部が屈曲された棒状体の係止部材、前記係持部材の下端部に接続されたエアシリンダを備えていてもよい。そして、状態判定手段8bの判定部が折込状態の不良状態を判定すると、前記係止部材が上方に突出して、上端部にベルトループ用テープTの長手方向中央部を係止した後、再び撮像位置の下方に移動し、ベルトループ用テープTを排除するように駆動制御されていてもよい。
前記撮像手段8は、長手方向両端部を折り返したベルトループ用テープTの平面視における画像を撮像位置において形成するもので、本実施形態では撮像手段としてCCDカメラ8を備えている。前記CCDカメラ8は、照射光を投光する図示しない投光部、反射光を受光する図示しないCCDイメージセンサ、図示しないレンズなどから構成されている。前記CCDイメージセンサは、複数の受光素子が二次元に配列し、白黒の複数の階調で反射光を感知するものとする。なお、撮像手段として、CCDカメラ8の代わりにCMOSイメージセンサが内蔵されたCMOSカメラを用いてもよく、画素数は測定対象に応じて変更してもよい。CCDカメラ8は、図1に示すように、撮像位置において待機している一対の二股フォーク部材5a,5aの先端部近傍、および、長手方向両端部が折り返されているベルトループ用テープTに視野を合わせるようにして、ミシンアーム4aの側部に取り付けられている取付部材8cの筒状部8caに挿通させることにより固定されている。なお、CCDカメラ8の取付箇所や取付方法は上記のようなものに限定されない。
CCDカメラ8は、画像処理を行う画像処理部8aと接続されており、この画像処理部8aは、CCDカメラ8により形成された長手方向両端部が折り返されているベルトループ用テープTおよび二股フォーク部材5a,5aの先端部の画像をもとに、後述するような二値化、面積計算などの画像処理を行う。
前記状態判定手段8bは、長手方向両端部が折り返されたベルトループ用テープTの折り返し状態を判定するもので、適正に折り返されたベルトループ用テープTの平面視における面積を記憶する記憶部8abと、長手方向両端部が折り返されたベルトループ用テープTの折り返し状態を判定する判定部とからなる。記憶部8abは、縫製前に予め画像処理部8aにより計算された適正な折り返し状態のベルトループ用テープTの面積を記憶することが可能となっている。この面積は、CPU9aによる折り返し状態の判定の際に判定値として用いられる。また、前記判定部として後述するCPU9aを備えている。
以下に、本実施形態のベルトループ用テープ供給装置1の制御回路について、図3により説明する。図3は、本実施形態のベルトループ用テープ供給装置1の要部と制御手段9との関係を示すブロック図である。本実施形態の制御回路は、制御手段9、I/Oインターフェイス9cを介して制御手段9に接続されている、繰り出しモータ6b、把持アーム用モータ10a、把持アーム用電磁弁10b、搬送用モータ5b、搬送用電磁弁5c、切断用電磁弁7b、支持用電磁弁3g、画像処理部8aに内蔵された記憶部8abなどから構成されている。
前記制御手段9は、CPU9aと、RAM9baおよびROM9bbからなる記憶部9bとを備えており、前記記憶部9bに格納されている制御プログラムや制御データなどに基づいて、ベルトループ用テープ供給装置1の各機構の駆動を制御するようになっている。
CPU9aは、後述するように、画像処理部8aにより計算されたベルトループ用テープTの面積と、記憶部8abに記憶されている適正に折り返されたベルトループ用テープTの平面視における面積とを比較することにより、ベルトループ用テープTの折り返し状態を判定し、正常状態、不良状態のいずれの状態であるかを判定するようになっている。
以下に、画像処理部8aによる画像処理の方法について、図4(A),(B)により説明する。図4(A),(B)は、二股フォーク部材5a,5aが撮像位置に待機している際にCCDカメラ8により形成されたベルトループ用テープTの画像を示している。図4(A)は、ベルトループ用テープTの折り返し状態が正常状態である場合の画像を示し、図4(B)は端部にドッグイヤーが生じ、折り返し状態が不良状態である場合の実画像を示す。なお、以下の画像処理の方法は、使用されるベルトループ用テープTが二股フォーク部材5a,5aより明度が低い場合を示す。
画像処理部8aは、CCDカメラ8が検出した画像の複数の階調の中から、しきい値となる階調を設定して二値化を行う。これにより、図4に示すように、ベルトループ用テープTに対応する画素が黒、それ以外の部分が白に変換されたとする。この場合、画像処理部8aは黒の画素数をカウントすることで、折り返されたベルトループ用テープTのみの面積を計算する。
なお、上記の画像処理の方法は、縫製に使われるベルトループ用テープTの生地の明度によって変更可能であるものとする。例えば、上記の場合とは逆に、使用されるベルトループ用テープTが二股フォーク部材5a,5aの先端部よりも明度が高い場合には、元の画像を二値化した後、白の画素数をカウントすることにより、ベルトループ用テープTの面積を計算するようにしてもよい。
また、ベルトループ用テープTと二股フォーク部材5a,5aの先端部の明度にほとんど差がない場合は、二股フォーク部材5a,5aの先端部およびベルトループ用テープTの面積を計算するようにしてもよい。この場合、判定値縫製前に行われる判定値を設定する処理においては、画像処理部8aが、二股フォーク部材5a,5aの先端部および長手方向両端部を適正に折り返したベルトループ用テープTの基準画像の平面視における面積を計算して、記憶部8abに記憶させ、この面積を判定値として用いる。
さらに、CPU9aによる折り返し状態の判定方法としては、上記のように画像処理部8aが計算した面積を比較して判定するものに限定されず、たとえば、画像の外形状などに基づいて出力されたデータを比較することにより判定してもよい。
以下に、上記のような構成を備えるベルトループ用テープ供給装置1における制御について、図5のフローチャートにより説明する。
ステップST1において、ベルトループ用テープTの供給に先立って、CPU9aが折り返し状態を判定する際に用いる判定値を設定する処理が行われる。
まず、通常通りの供給動作を開始し、CCDカメラ8が、撮像位置に待機している二股フォーク部材5a,5aの先端部、および、適正に折り返されているベルトループ用テープTの基準画像を形成する。このとき、図1(A)に示すように、ベルトループ用テープTは適正に折り返されているものとする。次いで、画像処理部8aが形成された基準画像をもとに、ベルトループ用テープTの面積を計算する。そして、記憶部8abは、画像処理部8aにより計算された適正な折り返し状態のベルトループ用テープTの面積(以下、面積(A)とする。)を判定値として記憶する。
次に、ステップST2において、繰り出しモータ6bの駆動によってベルトループ用テープTが繰り出し方向に繰り出され、ベルトループ用テープTの先端部が、図2における切断位置であるテープ送り出し台2の終端部近傍から把持位置まで繰り出される。それと同時に、所定のタイミングで把持アーム用モータ10bの駆動により、把持アーム10aが後退位置から前進し、把持位置まで移動する。
次に、把持位置に到達した把持アーム10aが、前記エアシリンダの駆動により、ベルトループ用テープTの先端部を狭持し、把持アーム用モータ10aの駆動により、そのまま後退位置に後退する。これにより、繰り出しローラ6aと把持アーム10aとの間に所定長のベルトループ用テープTが掛け渡された状態になる。これと同時に、一対の受け板3a,3aがこの掛け渡されたベルトループ用テープTを下方から支持する。次に、エアシリンダ3b,3bの駆動により、案内棒3f,3fが下降して受け板3a,3aの前記空隙部分に嵌入し、案内棒3f,3fがベルトループ用テープTの側辺に当接され、当たり片に寄せられて位置決めされる。次いで、下降してくる圧縮コイルばね3d,3dにより、一対の受け板3a,3aの上面に位置決めされているベルトループ用テープTが保持される。
次に、ステップST3において、搬送用モータ5bの駆動により、待機位置に退避している一対の二股フォーク部材5a,5aが搬送方向に前進して、各二股フォーク部材5a,5aのフォーク間にベルトループ用テープTの折り返し位置近傍を保持する。
そして、ステップST4で、切断位置において切断用電磁弁7bを介して可動刃7aを下降させることにより、ベルトループ用テープTが所定長に切断される。
次いで、ステップST5において、二股フォーク部材5a,5aのフォーク間にベルトループ用テープTを保持した状態で、搬送用電磁弁5cを介した回転駆動により各二股フォーク部材5a,5aがそれぞれ外方に270度回転し、ベルトループ用テープTの長手方向両側部を裏面中央側に対向させて180度折り返す。
そして、ステップST6において、搬送用モータ5bの駆動により、各二股フォーク部材5a,5aにベルトループ用テープTを巻き付けた状態で、一対の二股フォーク部材5a,5aが撮像位置に前進した後、一時的に待機する。
次いで、ステップST7で、CCDカメラ8により、撮像位置に待機しているベルトループ用テープTと一対の二股フォーク部材5a,5aの先端部の画像を形成し、画像処理部8aの画像処理により、上述したように、ベルトループ用テープTの面積(以下、面積(B)とする。)を計算する。
次いで、ステップST8において、CPU9aは、画像処理部8aにより出力された面積(B)と、上記のステップST1において予め記憶部8abに記憶されている折り返し状態が正常状態であるベルトループ用テープTの面積(A)とを比較し、折り返し状態が正常状態、不良状態のいずれの状態であるかを判定する。なお、予めある程度の誤差を考慮し、誤差として許容される面積(C)が予め設定されている。そして、画像処理部8aにより計算された面積(B)が、折り返し状態が正常状態である場合の許容範囲を含んだ面積(A+C)よりも大きい場合(B>A+C,ステップST8のYes)は不良状態と判定し、それ以外の場合(ステップST8のNo)は、正常状態と判定する。
ステップST8において、折り返し状態が不良状態であると判定した場合(ステップST8のYes)は、ステップST9に移行し、撮像位置に待機している一対の二股フォーク部材5a,5aは、搬送用モータ5bの駆動により、退避経路を介して、搬送方向と逆方向に後退し、待機位置に移動する。それと同時に、退避経路上において、二股フォーク部材5a,5aに保持されているベルトループ用テープTの長手方向における中途部が前記係止部材に係止され、ベルトループ用テープTが二股フォーク部材5a,5aの先端部から排除される。また、搬送用電磁弁5cを介した回転駆動により、各二股フォーク部材5a,5aがそれぞれ内方向に270度回転し、初期状態に戻る。
そして、ステップST2に戻り、次のベルトループ用テープTの搬送を開始するため、上記と同様に繰り出し動作と引き出し動作を行い、次いで、ステップST3から順に、上記と同様の一連の動作を行う。
また、ステップST8において、折り返し状態が正常状態であると判定した場合(ステップST8のNo)は、ステップST10に移行し、搬送用モータ5bの駆動により、撮像位置に待機している一対の二股フォーク部材5a,5aがベルトループ用テープTを巻き付けた状態で縫製位置まで前進し、折り返された状態のベルトループ用テープTが搬送される。そして、ミシンアーム4aから一対の布押え4aa,4aaが下降して、搬送されたベルトループ用テープTがミシン本体4の縫製位置に保持される。
次に、ステップST10で、搬送用モータ5bの駆動により、縫製位置にある一対の二股フォーク部材5a,5aが待機位置に後退する。これにより、一対の二股フォーク部材5a,5aの先端部からベルトループ用テープTが引き抜かれる。次いで、ミシンアーム4aの2本の縫い針4ab,4abが下降して、ベルトループ用テープTの縫製が行われる。また、搬送用電磁弁5cを介した回転駆動により、各二股フォーク部材5a,5aがそれぞれ内方に270度回転し、初期状態に戻る。
そして、ステップST2に戻り、次のベルトループ用テープTの搬送を開始するため、上記と同様に繰り出し動作と引き出し動作を行い、次いで、ステップST3から順に、上記と同様の一連の動作を行う。
以上のような本実施形態のベルトループ用テープ供給装置1によれば、二股フォーク部材5a,5aにより長手方向両端部が折り返されて、撮像位置に待機しているベルトループ用テープTの画像をCCDカメラ8により形成して、画像処理部8aにより計算されたベルトループ用テープTの面積から折り返し状態の判定を行うことによって、ドッグイヤーなどの折り返し状態の不良状態を検出することが可能である。また、ベルトループ用テープTの折り返し状態が不良状態である場合には、撮像位置に待機している二股フォーク部材5a,5aを退避経路を介して待機位置まで後退させると同時に、前記排除手段により折曲げ状態が不良状態であるベルトループ用テープTを排除することによって、常に折り返し状態が正常状態であるベルトループ用テープTを搬送することが可能である。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、必要に応じて種々変更できるものとする。
本発明に係るベルトループ用テープ供給装置の実施形態を示す要部の斜視図 図1のベルトループ用テープ供給装置の要部を上方から見た概略図 本実施形態のベルトループ用テープ供給装置の要部と制御手段との関係を示すブロック図 CCDカメラにより形成されたベルトループ用テープ近傍の画像を示し、(A)は折り返し状態が正常状態である場合、(B)は折り返し状態が不良状態である場合を示す。 本実施形態のベルトループ用テープ供給装置の制御処理のフローチャート 従来のベルトループ用テープ供給装置の要部を示す斜視図
符号の説明
1 ベルトループ用テープ供給装置
2 テープ送り出し台
3 支持手段
3a 受け板
3b エアシリンダ
3c 取付部材
3d 圧縮コイルばね
3e 当たり片
3f 案内棒
3g 支持用電磁弁
4 ミシン本体
4a ミシンアーム
4aa 布押え
4ab 縫い針
5 搬送手段
5a 二股フォーク部材(保持部材)
5b 搬送用モータ
5c 搬送用電磁弁
6 繰り出し手段
6a 繰り出しローラ
6b 繰り出しモータ
7 切断手段
7a 可動刃
7b 切断用電磁弁
8 CCDカメラ(撮像手段)
8a 画像処理部
8ab 記憶部
8b 状態判定手段
8c 取付部材
8ca 筒状部
9 制御手段
9a CPU
9b 記憶部
9ba RAM
9bb ROM
9c I/Oインターフェイス
10a 把持アーム
10b 把持アーム用モータ
10c 把持アーム用電磁弁
T ベルトループ用テープ
A 繰り出し方向
B 搬送方向

Claims (4)

  1. ベルトループ用テープの長手方向に離間させて並列配置される一対の保持部材により長手方向両端部を裏面中央側へ対向させて折り返したベルトループ用テープを保持し、前記両端部を折り返す位置からミシンの縫製位置へ搬送するベルトループ用テープ供給装置において、
    前記保持部材が前記ベルトループ用テープを前記縫製位置へ搬送する経路上の撮像位置において、長手方向両端部を折り返したベルトループ用テープの平面視における実画像を形成可能に配設された撮像手段と、
    長手方向両端部を適正に折り返したベルトループ用テープの平面視における実画像を基準画像として記憶する記憶部、および、実画像を前記基準画像と比較して、供給されるベルトループ用テープの長手方向両端部の折り返し状態を判定する判定部を有する状態判定手段と、
    を備えることを特徴とするベルトループ用テープ供給装置。
  2. 前記判定部は、前記実画像および基準画像のベルトループ用テープの平面視における面積をそれぞれ比較し、その差が許容範囲内であるか否かにより、供給されるベルトループ用テープの長手方向両端部の折り返し状態を判定することを特徴とする請求項1に記載のベルトループ用テープ供給装置。
  3. 前記制御手段は、状態判定手段の判定部において長手方向両端部の折り返し状態が不良状態であると判定されると、前記二股フォーク部材を前記撮像位置から縫製位置へ移動させずに、前記撮像位置から退避経路を介して前記待機位置へ移動させるように前記搬送手段の駆動を制御することを特徴とする請求項1に記載のベルトループ用テープ供給装置。
  4. 状態判定手段において長手方向両端部の折り返し状態が不良状態であると判定されたベルトループ用テープを排除する排除手段を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のベルトループ用テープ供給装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2018171342A (ja) * 2017-03-31 2018-11-08 ブラザー工業株式会社 マスタ画像生成システム及び縫製システム

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