JP2009240348A - 血液ポンプ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】レーザ装置や超音波診断装置(ドプラ変位の利用)のような大掛かりな装置を必要としないで、血栓を検出することが可能な血栓検出機能付の血液ポンプ装置を提供する。
【解決手段】血液ポンプ2の入口と出口に接続された第1及び第2の接続管3,4に第1及び第2の超音波トランスデューサ7,8を設け、これらの部位を通過する血栓からの反射波(エコー)を表す第1及び第2の受信RF信号を得る。第1及び第2の受信RF信号は、コントローラ5の第1及び第2の送受信部25a,25bに送られ、その後、第1及び第2の信号処理部26a,26bによって検波、対数圧縮される。そして、第1及び第2の血栓計数部27a,27bによって所定の閾値を超える血栓数をそれぞれ計測し、その計測結果に基づいて、血液ポンプで血栓が生じているか否かを判断部28が判断する。
【選択図】図2

Description

本発明は、体外循環用及び人工心臓用として用いられる血液ポンプ装置に関し、特に、血液中に存在する血栓の量を測定可能とした血栓検出機能付の血液ポンプ装置に関する。
心臓の機能を代行する装置としての人工心臓は、主に血液を循環させる血液ポンプとその動作を制御する制御装置から構成される。ここでは、血液ポンプとその制御装置を含めて血液ポンプ装置ということとする。人工心臓用の血液ポンプが故障したり、装置自体が頻繁に異常動作を行ったりするようになると、人命を損なうことにもなるので、そのようなことが起こらないように細心の注意をはらうことが重要である。
特に、血液の中に血栓(血液の固まり。比較的小さな血栓は、10〜50μm程度の大きさを持つ)が生じると、これが、心筋梗塞や脳梗塞の原因となる場合がある。例えば、加齢等により、血管壁の滑らかさがなくなると、血管自体が硬化し、血管壁がはがれてくる。これが、血液中に入り、血栓となって血液と共に体内を循環することになる。もちろん、正常な人であっても、小さな血栓は生じているが、このような血栓は、体内を循環する過程で消滅し、人体に対して特に悪影響を与えていない。
しかし、心臓疾患者にとっては、血液中に存在する血栓の影響は、正常者に比べてより大きなものとなる。特に、体外循環用あるいは人工心臓用として用いられる血液ポンプでは、血液ポンプ内及び血液ポンプの入口、出口に接続されたコンディット(接続管)の部分で、血栓が生じることが起こりうる。もちろん、上述したように、血液ポンプやコンディット以外の部分、つまり実際の血管内で生じた血栓が血液ポンプとコンディットを通過する過程において、血液ポンプ内あるいはコンディット内にトラップ(残留)される場合も考えられえる。
血栓は、末梢の細い血管をつまらせる原因ともなるので、このような血栓が生じた場合には、血栓溶解剤を服用していち早く取り除くことが重要になってくる。
なぜなら、血栓が血管を閉塞すると、閉塞した血管の部位の機能不全が起こる。特に脳の血管の場合は脳梗塞を生じ、心臓の場合は心筋梗塞につながってくるため、患者に大きなダメージを与えることになる。また、血液ポンプ内部に血栓が残留した場合はポンプの機能不全を引き起こすことにもなりかねない。
このような現状に対し、血管内にできた血栓をレーザ光または発光ダイオード光によって計測する血栓計測装置が提案されている(特許文献1を参照)。
この特許文献1に記載の技術は、血液層にレーザ光または発光ダイオード光をパルス光として照射し、このパルス光の各パルスに対する反射光または透過光の光量を計測して、その計測データから血液中の血栓を計測するものである。
また、他の血栓測定法としては、体表面から超音波を照射し、この超音波のドプラ変位を用いて、例えば脳血管中の血栓を検出する技術も提案されている(特許文献2を参照)。この特許文献2に記載の技術は、血栓映像化機能を有する超音波診断装置であり、脳血管内の血栓と相関がある瞬時ピークを映像化するモードを備えている。
すなわち、まず、生体の表面(あるいは体腔内)に当接されたプローブから超音波ビームを発生させ、これを電子的にスキャンする。そして、体内の血栓等から反射された反射波を検出するのである。この検出は、受信信号に基づいて断層画像と二次元ドプラ画像を形成することによって行われる。つまり、断層画像とドプラ画像を合成する中で、瞬時ピークを目立つように色付けやハイライト表示を行うのである。
このように、合成画像の中で瞬時ピークが明瞭になるように、表示することにより、この表示画像から、瞬時ピークの発生場所やこの挙動を把握することができる。
一方、脳内の血管を流れる血流のエコー信号に基づいてパワースペクトラムを表示することもできる。ここで、パワースペクトラムとは、横軸を時間軸、縦軸を速度軸としたグラフであって、このパワースペクトラムから、ドプラ成分のパワーに相当する輝度が検出される。ここでドプラ成分のパワーは、血流の速度に関係する。あくまでも血液の流速から血流量を測り、それに基づいて、パワースペクトラムを得ている。輝度を表わす縦軸を速度軸というのは、血栓の移動速度を考慮しているからである。つまり、全ての瞬時ピークを画像化するのではなく、血栓の移動速度を考慮して、所定の速度条件を満たす瞬時ピークのみを特定するのである。
このようなパワースペクトラムで観測される高輝度の部分は、一般にHITS(High Intensity Transient Signal;瞬時ピーク)と呼ばれている。臨床上、HITSの発生頻度の多い人ほど脳梗塞を起こしやすいと言われている。HITSと脳梗塞の相関関係があるということである。
超音波のエコー信号からドプラ変位した信号を得るには、単純な超音波による画像診断装置と異なり、受信信号に対して所定の処理を行う必要が生じる。特許文献2に記載されている技術では、まず、受信信号が直交変換器に入力される。そして、この直交変換器において、受信信号に対して90度位相が異なる参照信号が混合され、受信信号が複素信号に変換される。
この複素信号は、ウォールモーションフィルタと呼ばれるフィルタに供給され、ここで、心臓壁等の低速運動体からの巨大なエコー信号が除かれる。つまり、ウォールモーションフィルタは、低速運動体からの大きな反射波を除去する高域通過フィルタなのである。この大きな反射波が除去された複素信号は、自己相関器に送られ、複素信号に対して周知の自己相関演算が行われる。ここで、流速の分解能を考慮すると、超音波プローブから発せられる超音波の周波数は5〜10MHz程度が適当である。
特開2002−345787号公報 特開2001−137242号公報
しかしながら、特許文献1に記載されているような、レーザ光または発光ダイオード光を用いた血栓計測装置は、装置が大型になり、血液ポンプに装着して携行することは不可能である。これは、第1にレーザ光を発生するレーザ装置が必要なことが挙げられる。なお、特許文献1では、発光ダイオード光でも良いと記載されているが、一定の波長の光線を当てるためには、基本的にレーザ光が最適であると考えられる。
第2に、血液の飽和濃度により、照射したレーザ光の透過度が異なるため、透過光の違いが飽和濃度の差によるものか、血栓によるものか、データからは区別がつかないという問題が生じる。これらの問題を解決するために、1)信号波形のパターン認識による検出処理手段、2)信号処理を伴う検出処理手段、が必要となり、このための高性能なデータ処理部(デジタル信号処理)が必要とされる。
また、特許文献2に記載の技術のように、体表から超音波のドプラ効果を用いて血管中の血栓を検出する場合も、微弱な超音波エコーのドプラ信号を検出するための装置が大型になり、埋込型の血液ポンプに装着して携行することは困難である。これは、前述のウォールモーションフィルタと自己相関器がデジタル信号処理にて実現されていること等から、微弱なドプラ変位をとらえるための回路規模が大きくなってしまうからである。
また、この超音波診断装置に用いられる超音波周波数は5〜10MHzと考えられ、血液及び体組織中の超音波の速度を1500m/secとすると、波長が150〜300μmになる。これでは、血液中に存在している50μm以下の血栓を検出することができない。
本発明は、上述の問題点を解決するためになされたものであり、レーザ装置を用いたり、ドプラ成分を検出する超音波診断装置のような大掛かりな装置を必要としないで、血栓を検出することが可能な血栓検出機能付の血液ポンプ装置を提供することを目的とする。
本発明の血液ポンプ装置は、体外循環用あるいは埋込型の人工心臓用に有効に用いられるものである。
上記課題を解決し、本発明の目的を達成するため、本発明は、血液ポンプとコントローラをケーブル接続した血液ポンプ装置であって、血液ポンプは、血液流入ポートと血液流出ポートを有している。第1の接続管は、血液流入ポートに接続されており、第2の接続管は、血液流出ポートに接続されている。第1及び第2の接続管の外周部には、それぞれ第1及び第2の超音波トランスデューサが取り付けられている。第1の超音波トランスデューサは、第1の接続管内を通る血液に対して超音波を送信し、その反射波を受信して電気信号に変換する。第2の超音波トランスデューサは、第2の接続管内を通る血液に対して超音波を送信し、その反射波を受信して電気信号に変換する。
また、コントローラは、第1及び第2の超音波トランスデューサによって得た各電気信号を受信して、それぞれ第1のRF信号及び第2のRF信号に変換する第1の送受信部及び第2の送受信部と、第1のRF信号及び第2のRF信号を検波し、対数圧縮して第1の検波/対数圧縮信号及び第2の検波/対数圧縮信号を得る第1の信号処理部及び第2の信号処理部と、第1の検波/対数圧縮信号及び第2の検波/対数圧縮信号の出力値を所定の閾値と比較し、その閾値を超えた出力値の数を血栓数として計数する第1の血栓計数部及び第2の血栓計数部と、第1及び第2の血栓計数部で計数された血栓数を比較する判断部と、を備えたことを特徴としている。
本発明によれば、30〜50MHzの高い周波数の超音波トランスデューサを第1の接続管と第2の接続管に設置しているので、ドプラ変位を用いることなく、血栓からの反射波の検波出力を得ることができる。すなわち、本発明では、超音波の散乱体である血栓の検出を血液ポンプの第1の接続管と第2の接続管で行っている。そして、所定のレベル以上の反射強度を持つ散乱体(血栓)が、単位時間あたりに何個通過したかを検出する。
測定部位を通過した血栓の数により、以下のことがわかる。
ア)血液ポンプの入口と出口で、同程度のカウント数なら、血液ポンプ内で、血液ポンプの故障や経年変化に起因する血栓は生じていないことがわかる。
イ)血液ポンプの入口に比較して出口のカウント数が多ければ、血液ポンプに起因する血栓が生じていると想定される。
ウ)血液ポンプの入口に比較して出口のカウント数が少なければ、血液ポンプ以外の原因で血栓が発生していることが想定され、かつ、その血栓が血液ポンプ内に残留していると想定される。
いずれにしても、血液ポンプの入口と出口で血栓の数をカウントすることにより、そのカウント値が異常値(閾値以上)になった場合には、血栓溶解剤や血管拡張剤の投与を促す警告を発することができる。なお、血栓溶解剤を服用しすぎると、ちょっとした怪我などでも血液が凝固しにくくなるという問題が生じ、血管拡張剤を服用しすぎると、貧血状態になるという問題が生じる。したがって、これらの薬の服用には、細心の注意をはらうことが必要であり、このためにも、特に心疾患患者においては、血液中の血栓の状態を正確に把握することが必要になる。
ここで、30〜50MHzという比較的高い周波数の超音波を用いるのは、波長を短くして空間分解能をあげるためである。つまり、超音波の波長は30〜50μmになるので、比較的小さな血栓を検出することが可能となるのである。
また、超音波トランスデューサを体表ではなく血液流入ポートと血液流出ポートに設置することで、血液中の血栓とトランスデューサとの距離を小さくし超音波の減衰を小さくすることができる。これによりドプラ変位を利用する必要はなくなり、直接、血栓からのエコーを高いSN比で検出できるので、後段の処理は検波、対数圧縮の信号処理のみでよいという利点がある。したがって、特許文献2に記載のもののように、直交検波器、ウォールモーションフィルタ、自己相関器は不要となるので、送受信部を含めても、血栓検出部を携行可能な大きさにすることができる。
本発明によれば、大掛かりな装置や信号処理回路等を必要としないで、体外循環用あるいは人工心臓のいずれにも適用可能な血栓検出機能を持つ血液ポンプ装置を提供することができる。
以下、図1〜図5に基づいて、本発明の実施の形態例の構成と動作について説明する。
図1は、本発明の血液ポンプ装置の第1の実施の形態を示す埋込型左心補助人工心臓血液ポンプ装置の全体構成を示している。図1に示す人工心臓血液ポンプ装置1は、血液ポンプ2と、第1及び第2の接続管3,4と、携帯型のコントローラ5と、ケーブル6と、後述する第1及び第2の超音波トランスデューサ7,8とを備えている。
血液ポンプ2及び接続管3,4は、体内に埋め込まれている。血液ポンプ2は、血液が流入される血液流入ポート(入口)と、血液が流出される血液流出ポート(出口)を有している。血液ポンプ2の血液流入ポートは、第1の接続管3によって心臓の左心室に接続されており、血液流出ポートは、第2の接続管4によって大動脈に接続されている。このように接続することにより、左心室から吐出される血液が血液ポンプ2内に流入し、血液ポンプ2の助けを借りて、大動脈に流出するようになる。いわば、血液ポンプ2及び接続管3,4の働きは、左心室と大動脈間の血液バイパスを設けることによって、心臓の機能が低下した患者の血流を確保することにあるといえる。
コントローラ5は、例えば図示しないベルトによって、体外に携帯される。このコントローラ5には、電力供給源としてのバッテリ11,12が接続されている。ケーブル6は、血液ポンプ2とコントローラ5を電気的に接続している。そのため、ケーブル6の一部は、体内に挿入されている。
図2は、コントローラ5の構成及び第1及び第2の超音波トランスデューサ7,8を説明する説明図である。
上述したように、血液ポンプ2の血液流入ポートと血液流出ポートには、それぞれ第1及び第2の接続管3,4が接続されている。血液ポンプ2には、接続管3を経由して左心室から吐出した血液が流入する。そして、血液ポンプ2から流出する血液は、接続管4を経由して大動脈に送出されるようになっている。
接続管3の外周部には、第1の超音波トランスデューサ7が取り付けられており、接続管4には、第2の超音波トランスデューサ8が取り付けられている。これら2つの超音波トランスデューサ7,8は、それぞれ血液流入ポート及び血液流出ポートの近傍に配置されており、図1に示すケーブル6を介してコントローラ5と電気的に接続されている。
ここで、超音波トランスデューサ7,8について説明しておく。超音波トランスデューサとは、簡単に言えば、電気信号から超音波への変換と、その逆の変換、すなわち超音波から電気信号への変換を行う変換器(センサ)である。ここで用いられる超音波トランスデューサも、その構造自体は通常の超音波トランスデューサと同じものであり、圧電材料、バッキング材、音響整合層、音響レンズとから構成される。
通常、超音波プローブあるいは超音波トランスデューサといわれるものは、対象物に超音波を与え、その反射波のドプラ効果から流速を測定して、流速を介して血栓の位置や量を測定している。
本実施形態例では、流速と無関係に血栓の位置と量を計測できる点に特徴がある。すなわち、本実施形態例では、通常の超音波診断装置のようなドプラ変位を使わない。本実施形態例では、血液ポンプ2の接続管3,4に超音波トランスデューサ7,8をそれぞれ取り付けるので、測定対象である血液中の血栓と超音波トランスデューサの距離が極めて近い位置になる。このため、超音波の周波数を通常より高くしても、超音波の減衰を小さくすることができ、超音波を血栓に照射することができる。
本実施の形態では、超音波トランスデューサ7,8から送信する超音波の周波数を30〜50MHzに設定しており、通常の周波数5〜10MHzと比べると、3〜10倍の周波数としている。これにより、超音波の波長が30〜50μm(血液及び体組織中の超音波の音速は1500m/sec)となり、比較的小さな血栓を見つけることができる。また、本実施の形態では、接続管3,4の半径を5mm程度に設定している。そのため、通常の超音波診断装置で行う体表からの送受信と比べて超音波の減衰を小さくすることができ、容易に血栓のエコーを検出することができる。
コントローラ5には、プロセッサ21と、血液ポンプ2のインペラを回転させるモータ駆動回路22と、インペラを血液ポンプ2内で、磁気的に浮上させる磁気浮上制御回路23が設けられている。プロセッサ21には、メモリ装置24が接続されており、メモリ装置24との間でさまざまなデータ等のやり取りが行われる。メモリ装置24には、例えば、血液ポンプ2の稼動状態の監視結果及び血液ポンプ2の稼動条件等が保存される。
更に、コントローラ5は、第1及び第2の超音波トランスデューサ7,8に接続される第1及び第2の送受信部25a,25bと、これら送受信部25a,25bからの信号を受信して処理する第1及び第2の信号処理部26a,26bと、信号処理部26a,26bからの信号を受けて、超音波トランスデューサ7,8で検出した血液中の血栓を計数する第1及び第2の血栓計数部27a,27bを備えている。血栓計数部27a,27bからの出力は、判断部28に供給され、ここで所定の判断が行われる。そして、判断部28による判断結果は、報知部の一具体例を示す表示部29に表示されるようになっている。
表示部29としては、例えば、液晶ディスプレイや有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等を挙げることができるが、LED(Light Emitting Diode)等のランプを点灯及び消灯するものであってもよい。
次に、図2、図3に基づいて、本発明の実施形態例の動作を説明する。
図3(a)は、超音波トランスデューサ7,8の配置を示す説明図である。ここでは、超音波トランスデューサ1個で送受信を兼用する場合を示している。
上述したように、超音波トランスデューサ7,8としては、圧電振動子31をバッキング材32と音響整合層33とで挟んだものが用いられる。なお、音響整合層33と接続管3,4との間に音響レンズを介在させるようにしてもよい。
各送受信部25a,25b(図2を参照)は、コントローラ5のプロセッサ21から供給される送信タイミング信号に基づいて、超音波トランスデューサ7,8に駆動信号を送信する。各超音波トランスデューサ7,8は、送受信部25a,25bから駆動信号が供給されると、接続管3,4内を流れる血液に対して超音波を送信する。
各超音波トランスデューサ7,8bによって超音波が送信されると、接続管3,4の壁と血液中の血球や血栓によりそれぞれ超音波の反射波(エコー)が発せられる。各超音波トランスデューサ7,8は、それぞれ超音波の反射波(エコー)を受信し、これを電気信号に変換して第1及び第2の送受信部25a,25bに送信する。第1及び第2の送受信部25a,25bは、超音波トランスデューサ7,8から供給された電気信号を第1及び第2の受信RF(Radio Frequency)信号に変換する。
図3(b)は、図2の送受信部25a,25bでそれぞれ変換される第1及び第2の受信RF信号である。
図3(b)に示すように、第1及び第2の受信RF信号では、超音波を送信したときの送信ノイズが検出され、その後、超音波トランスデューサ7,8を配置した側の壁からのエコー36aが検出される。続いて、接続管3,4内の血液流とともに存在する血栓34からのエコー37を検出し、最後に、超音波トランスデューサ7,8より遠い側のポートの壁で反射するエコー36bを検出する。
通常、接続管3,4の壁から反射されるエコー36a,36bの振幅を「1」とすれば、血栓34によって反射されるエコー37の振幅は、「0.1」以上である。しかし、この寸法でそれぞれのエコー36a,36b,37を図示すると、エコー37が非常に小さくなる。そのため、本例では、エコー36a,36bの振幅「1」に対してエコー37を「0.5」程度の振幅で表し、エコー37を模式的に目立たせている。
各送受信部25a,25bは、変換した第1及び第2の受信RF信号を、それぞれ第1及び第2の信号処理部26a,26bに送信する。そして、各信号処理部26a,26bは、供給された第1及び第2の受信RF信号に対して検波及び対数圧縮を行う。図3(c)は、各信号処理部26a,26bによって検波及び対数圧縮された第1及び第2の検波/対数圧縮信号を示している。
ここで、何故対数圧縮が必要であるかについて触れると、通常、超音波のエコーから得られる受信RF信号は、きわめて小さい振幅から極めて大きい振幅まで、その高低差が大きい。このため、小さい信号を検出しようとしてゲインをあげると、大きい信号はレンジを振り切ってしまうという問題が生じる。そこで、振幅の小さい信号に対しては、比較的強調度を上げて、振幅の大きい信号は強調度を弱くしている。これが対数圧縮する理由である。
各信号処理部26a,26b(図2を参照)で検波及び対数圧縮された図3(c)に示す第1及び第2の検波/対数圧縮信号は、それぞれ第1及び第2の血栓計数部27a,27bに送られる。血栓計数部27a,27bでは、文字通り血栓の数がカウントされるのであるが、ここでカウントされる血栓は、ある閾値を超えた血栓である。つまり、図3(c)に示す検波/対数圧縮信号において、血球や血栓34によって反射されるエコー37(図3(b)を参照)に対応する出力38が、予め定められた所定の閾値を超えた場合のみ、血栓の数としてカウントするようにする。
なぜなら、検波/対数圧縮信号の出力38は、血栓の大きさが大きいほど大きい値となるが、その値がある閾値以下の血栓は、血流中にあってもあまり問題にはならないためである。また、出力38が所定の閾値を超えた場合のみ、血栓の数としてカウントすることは、血栓34と、血栓34よりも非常に小さい血球とを区別するためでもある。例えば、正常な人でも、小さな血栓は相当数存在しているが、それが生活に影響を与えてはいない。どの程度の大きさ以上の血栓をカウントするかは、本装置を使用する人によってきめ細かく設定することが必要である。そして、カウントの内容により、血栓溶解剤の服用を増やすか、あるいは血管拡張剤を服用させるかといった、治療方針が決定される。
このため、第1及び第2の血栓計数部27a,27bでは、本装置を使用する人に応じて決定された閾値を超えた場合にのみ、血栓が超音波トランスデューサ7,8の設置場所を通過したと判定するのである。
図2に示す判断部28は、第1の血栓計数部27aと第2の血栓計数部27bの計数結果を比較して、血液ポンプ2の入口と出口とで、血栓の数がどのように変化したかを判定する。
例えば、第1の血栓計数部27aが、所定の計測時間T1内に閾値を超える血栓を「100」カウントしたとする。そして、所定の計測時間T1の開始から所定のズレ時間TLが経過した後に、第2の血栓計数部27bが、所定の計測時間T1と同じ長さである所定の計測時間T2内に閾値を超える血栓を「150」カウントしたとする。
ここで、所定のズレ時間TLとは、血流が第1の超音波トランスデューサ6に対応する位置を通過してから血液ポンプ2を経て第2の超音波トランスデューサ7に対応する位置を通過するまでに要する時間である。
このように、血栓計数部27aの計数結果が、血栓計数部27bの計数結果よりも多い場合、血液ポンプ2の血液流入ポートを通過する血栓の数が、血液流出ポートを通過する血栓の数よりも多いことになる。そのため、判断部28は、血液ポンプ2内において、何らかの異常があり、血栓が発生していると判断する。
一方、第1の血栓計数部27aが、所定の計測時間T1内に閾値を超える血栓を「150」カウントしたとする。そして、所定の計測時間T1の開始から所定のズレ時間TLが経過した後、第2の血栓計数部27bが、所定の計測時間T2内に閾値を超える血栓を「100」カウントしたとする。
この場合、血液ポンプ2の血液流入ポートを通過する血栓の数が、血液流出ポートを通過する血栓の数よりも少ないことになる。そのため、判断部28は、血液ポンプ2内に血栓が残留していると判断する。
また、第1の血栓計数部27aと第2の血栓計数部27bの計数結果が略同じであれば、判断部28は、血液ポンプ2内での血栓の発生はなく、かつ血栓の残留もないと判断する。
判断部28で判断された結果は、表示部29によって表示される。例えば、判断部28が血液ポンプ2内に血栓が残留していると判断した場合には、「血液ポンプ内に血栓が残留しています。血栓溶解剤を投与してください。」というメッセージが表示される。
なお、表示部29における表示に代えて、音声により、警告メッセージを発生することも可能である。
また、判断部28は、血栓計数部27aの計数結果、あるいは血栓計数部27bの計数結果が所定の値を超えたか否かを判定する。この所定の値は、血栓計数部27a,27bに係る閾値と同様に、本装置を使用する人に応じて決定される。
第1の血栓計数部27a、あるいは第2の血栓計数部27bの計数結果が所定の値を超えた場合、判断部28は、血栓溶解剤、あるいは血管拡張剤の投与が必要であると判断する。
一方、第1の血栓計数部27a、あるいは第2の血栓計数部27bの計数結果が所定の値を超えていない場合、判断部28は、血栓溶解剤、あるいは血管拡張剤を投与する必要がないと判断する。
このように、判断部28が血栓溶解剤、あるいは血管拡張剤の投与が必要であると判断すると、血栓溶解剤、血管拡張剤の投与を促す警告を発するようにする。例えば、「血栓溶解剤、血管拡張剤の投与が必要です。」というメッセージ表示部29に表示する。なお、血栓溶解剤、血管拡張剤の投与を促す警告は、音声によって発するようにしてもよい。
これにより、末梢の細い血管をつまらせることを防止することができるとともに、血栓溶解剤、血管拡張剤の投与量を適量にすることができ、血栓の悪影響と投与による副作用の両方を防止できる。
本実施の形態では、第1及び第2の接続管3,4を、一定の厚みを有する円管としたが、接続管3,4の超音波トランスデューサ7,8が取り付けられる部分の厚みを、その他の部分厚みよりも薄くしてもよい。このように形成することで、超音波トランスデューサ7,8から送信される超音波の減衰をより小さくすることができ、血栓が小さくてもそのエコーを確実に検出することができる。
図4は、本発明の血液ポンプ装置の第2の実施の形態を説明する説明図である。
本発明の血液ポンプ装置の第2の実施の形態は、図1〜図3を用いて説明した血液ポンプ装置の第1の実施の形態と同様な構成を有しており、異なるところは、第1及び第2の超音波トランスデューサを複数設けたところである。
図4では、8個の超音波トランスデューサ41a〜41hと、8個の送受信部42a〜42hと、これら送受信部42a〜42hから送信された受信RF信号を合成する加算器43を示している。
図4と対応する図2の構成は、第1の超音波トランスデューサ7と第1の送受信部25a、または第2の超音波トランスデューサ8と第2の送受信部25bである。つまり、本実施の形態では、第1及び第2の超音波トランスデューサをそれぞれ8個設けており、そのうちの一方の組を図4に示している。
図2及び図3に示すように、人工心臓血液ポンプ装置1では、第1及び第2の接続管3,4に、それぞれ1個の超音波トランスデューサ7,8を取り付けた。このような構成では、超音波トランスデューサ7,8によって得られる第1及び第2の受信RF信号の振幅値が小さくなってしまう場合が考えられる。そこで、第1及び第2の超音波トランスデューサを複数設けることにより、第1及び第2の受信RF信号のSN比を向上させて、その振幅値を大きくする。
図4に示すように、8個の超音波トランスデューサ41a〜41hは、円筒からなる接続管44の周方向に等間隔に配置されている。そのため、超音波トランスデューサ41aと超音波トランスデューサ41eは、接続管44の軸心を挟んで対向されている。同様に、超音波トランスデューサ41bと超音波トランスデューサ41f、超音波トランスデューサ41cと超音波トランスデューサ41g、超音波トランスデューサ41dと超音波トランスデューサ41hがそれぞれ接続管44の軸心を挟んで対向されている。
8個の超音波トランスデューサ41a〜41hは、それぞれ8個の送受信部42a〜42hに接続されている。8個の送受信部42a〜42hは、それぞれ送信チャンネル(送信CH1〜8)と受信チャンネル(受信CH1〜8)を有している。各送信チャンネルは、それぞれトランスデューサ41a〜41hとプロセッサ(図2を参照)に接続され、各受信チャンネルは、それぞれトランスデューサ41a〜41hと加算器43に接続されている。
次に、図4に基づいて、8個の超音波トランスデューサ41a〜41hを設けた場合の動作を説明する。
送受信部42a〜42hの送信チャンネル(送信CH1〜8)は、コントローラ5のプロセッサ(図示せず)から供給される送信タイミング信号1〜8(各々、送信CH1〜8)に基づいて、超音波トランスデューサ41a〜42hに駆動信号を送信する。
送受信部42a〜42hの送信チャンネル(送信CH1〜8)から超音波トランスデューサ41a〜41hに駆動信号が供給されると、超音波トランスデューサ41a〜41hは、接続管44内を流れる血液に対して超音波を送信する。そして、図3で説明したとおり、各超音波トランスデューサ41a〜41hにおいて、超音波エコーが検出され、これが電気信号(受信RF信号)に変換される。各超音波トランスデューサ41a〜41hで得られた受信RF信号は、送受信部42a〜42hの受信チャンネル(受信CH1〜8)を介して加算器43に送信される。加算器43は、送受信部42a〜42hの受信チャンネル(受信CH1〜8)から供給された各受信RF信号を合成する。
ここで、超音波トランスデューサ41aと超音波トランスデューサ41eは、超音波を送信する方向が反対である。したがって、自身の送信した超音波による超音波エコーが、対面に配置されている超音波トランスデューサから送信された超音波による干渉を受けることが考えられる。この点については、超音波トランスデューサ41aの受信期間内に、超音波トランスデューサ41eからの超音波を受信しないように、超音波トランスデューサ41eによる超音波の送信を遅らせることで解決することができる。
以下で、具体的な数字を示して説明する。なお、計算を簡単にするために、超音波トランスデューサが配置されている箇所の接続管の内壁を、送受信面とする。
血液中での音速は1500m/secである。一般的に、接続管の半径は、5mm程度に設定されているため、ここでは、計算が簡単になるように、接続管44の半径を4.5mmとする。
図4に示す第2の実施の形態では、超音波トランスデューサ41aの送受信範囲(検知範囲)は、設置されている壁面から接続管44の中心までの4.5mmでよい。これは、中心より対面側までの範囲は超音波トランスデューサ41eが受け持つためである。したがって、超音波トランスデューサ41aの受信期間は、
4.5×10−3×2/1500
=6×10−6[sec]
=6[μs]
となる。
実際には、中心よりわずかに対面側までのデータを得るようにして、超音波エコーの取りこぼしがないようにするため、受信期間を6.125[μs]とする。したがって、送受信範囲(検知範囲)は、
1500×6.125×10−6/2
=4.59375×10−3[m]
=4.59375[mm]
となる。
6.125[μs]の受信期間に、超音波トランスデューサ41eからの超音波が、送受信範囲内に入らないようにするには、超音波トランスデューサ41eの送信を遅らせればよい。この超音波トランスデューサ41eの送信を遅らせる時間は、
6.125×10−6−(4.5×10−3×2−4.59375×10−3)/1500
=6.125×10−6−2.9375×10−6
=3.1875×10−6[sec]
=3.1875[μs]
となる。つまり、超音波トランスデューサ41eの送信を3.1875[μs]以上、遅らせればよい。
ここでは、余裕をみて3.2[μs]遅らせることにする。その場合、超音波トランスデューサ40aが超音波を送信してから、受信期間である6.125[μs]経過した時点における、超音波トランスデューサ41eが超音波を送信してから経過した時間は、
6.125−3.2
=2.925[μs]
となる。
これにより、超音波トランスデューサ41eから送信された超音波は、
1500×2.925×10−6
=4.3875[mm]
の位置までしか伝搬していないことになる。したがって、
4.5>(4.59375−4.5)+4.3875
により、超音波トランスデューサ41eから送信された超音波は、超音波トランスデューサ41aの送受信範囲外に位置することになる。
このようにして得られた超音波トランスデューサ41aと超音波トランスデューサ41eの受信信号を加算するには、送信の基点を一致させる必要がある。そのため、超音波トランスデューサ41aの受信信号を3.2[μs]遅らせて超音波トランスデューサ41eの受信信号に加算する。この遅延は、一般的な遅延素子、またはインダクタとキャパシタによる遅延回路によって実現できる。
次に、超音波の送信のタイミングを3.2[μs]遅らせたことによる、血栓の位置の違いを見積もる。本発明の血液ポンプでは、標準で5[L/min]の流量に設定されている。このときの接続管44内の流速分布は、いわゆるハーゲン・ポアズイユの法則に従うと放物線状になり、その最大流速Umaxは、流量をQとして、接続管44の半径をrとすると、
Umax=2Q/(πr
で表される。これにより、流量が5[L/min]、接続管44の半径が4.5mmのとき、最大流速Umaxは、
Umax=2×(0.005/60)/(π×0.0045)
=2.62[m/sec]
となる。
したがって、流量が5[L/min]の場合において、3.2[μs]の期間に血栓が移動する距離は、
2.62×3.2×10−6
=8.384×10−6[m]
=8.384[μm]
となる。これは、超音波の波長30〜50[μm]のおよそ1/4以下であるため、移動する距離を無視して血栓からの超音波エコーを超音波トランスデューサ41a,41eによって受信することができることになる。
以上のことは、超音波トランスデューサ41b,41fと、超音波トランスデューサ41c,41gと、超音波トランスデューサ41d,41hについても同様のことが言える。したがって、超音波トランスデューサ41a,41b,41c,41dについては、同時に超音波を送信し、受信期間(上の例で言うと6.125[μs])に各々得られた受信信号を加算する。加算して得られた信号を信号s1とする。
次に、それらよりも所定の時間(上の例で言うと3.2[μs])遅らせて、超音波トランスデューサ41e,41f,41g,41hから超音波を送信し、受信期間(上の例で言うと6.125μs)に各々得られた受信信号を加算する。加算して得られた信号を信号s2とする。そして、信号s1を3.2[μs]遅らせた信号と信号s2を加算することで加算後の受信出力Voが得られる。
このような送信タイミングの制御は、送受信部42a〜42hの送信チャンネル(送信CH1〜8)によって行われる。また、遅延を含めた加算については加算器43によって行われる。加算器43で合成された受信RF信号は、信号処理部(図2を参照)に送信される。これ以降の信号の処理は、第1の実施の形態(図2および図3を参照)と同じであるので、その説明は割愛する。
このように、第1及び第2の超音波トランスデューサを複数用意することで、送受信面積を増やしSN比を向上させることができる。具体的には、得られた受信信号を加算することで等価的に送受信面積を増やすようにする、これによりSN比を向上させた受信RF信号を得ることができる。
なお、図4に示すように血栓34が接続管44の中心にある場合でなくとも、すなわち、管壁と管の中心の問にあった場合であっても、血栓34は、隣接する2つ以上の超音波トランスデューサの検知範囲内に入る。そのため、血栓34からの超音波エコーを受信することができ、血栓を検出することができる。
また、第1の実施の形態(図3を参照)では、検知範囲が1本の音線上であるが、第2の実施の形態では、検知範囲を接続管44の全領域にすることができる。しかも、全領域を短い時間で調べることができる。つまり、第1の実施の形態では、対面の管壁までを1個の超音波トランスデューサで調べるため、受信期間は、
4.5×10−3×2×2/1500
=12×10−6[sec]
=12[μs]
である。
これに対し、第2の実施の形態における受信期間は、
6.125+3.2
=9.325[μs]
となる。
なお、流量が少ない場合は、管の全領域を調べるために必要な時間が長くてもかまわない。そのため、超音波トランスデューサを1個ずつ順番に送受信して管の全領域をスキャンしてもよい。この場合は、送受信チャンネルの回路を簡単にすることができる。
さらに、変形として、隣接する複数個の超音波トランスデューサを同時に送受信させる構成としてもよい。
例えば、隣接する2個の超音波トランスデューサを同時に送受信させる場合は、超音波トランスデューサ41a,41bを同時に送受信させ、次に、超音波トランスデューサ41b,41cを同時に送受信させる。そして、超音波トランスデューサ41c,41dを同時に送受信させる。このようして、管の全領域をスキャンする。
このような構成においても、同時に送受信するCH数分だけ送受信面積を増加させることができるので、SN比を向上させた受信RF信号を得ることができる。
次に、図5に基づいて、本発明の血液ポンプ装置を体外循環型の人工心肺装置に適用した例について説明する。人工心肺装置は、心臓手術などのときに、一時的に心臓と肺の機能を代行させる装置である。図5に示す血液ポンプ装置は、第1の実施の形態として説明した人工心臓血液ポンプ装置1であり、適用する対象を体外循環型の人工心肺装置としたものである。そのため、図5に示す血液ポンプ装置には、図2と同じ符号を付けて重複する説明を省略する。
図5に示すように、人工心肺装置50は、術野(手術時における人体の切開の部位)より血液を回収する血液回収ポンプ51と、貯血槽52と、人工肺53と、血液フィルタ54と、血液ポンプ装置1を備えている。生体60からの静脈血は、貯血槽52に一時的に貯留され、人工肺53に送り込まれる。
人工肺53は、貯血槽52から送られた血液中の二酸化炭素(CO)を酸素(O)と交換する。また、人工肺53内には、熱交換器53aが設けられており、この熱交換器53aによって人工肺53内にある血液の温度調節(体温調整)が行われる。このようにして、体外に導かれた静脈血が人工肺53で酸素を含んだ動脈血となって血液ポンプ装置1の血液ポンプ2に供給される。血液ポンプ2は、図2で説明したものと同じ動作をするポンプであり、この血液ポンプ2から送液される動脈血は、血液フィルタ54を介して生体60に送られる。
血液ポンプ2の血液流入ポート及び血液流出ポートに接続された接続管3,4には、図2で示した実施形態例と同様に、第1及び第2の超音波トランスデューサ7,8が設けられている。第1及び第2の超音波トランスデューサ7,8で得られる第1及び第2の受信RF信号は、コントローラ5の送受信部25a,25bに送られる。これ以降の信号の処理は、図2、図3で説明したとおりであるので、重複する説明を省略する。そして、コントローラ5による信号の処理により、人工肺53から送られる血液中、あるいは血液ポンプ2から排出(流出)される血液中に血栓があるかどうかが検出される。
以上、本発明の血液ポンプ装置を、人工心臓用と体外循環型人工心肺装置に適用した実施形態例について説明した。なお、本発明は、必ずしも上記実施形態例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の応用例、変形例を含むものである。
本発明の血液ポンプ装置の第1の実施の形態の構成を示す構成図である。 本発明の血液ポンプ装置の第1の実施の形態に係るコントローラの構成及び第1及び第2の超音波トランスデューサを説明する説明図である。 超音波トランスデューサの配置関係(a)と、受信RF信号(b)、及び検波/対数圧縮信号(c)を示した図である。 本発明の血液ポンプ装置の第2の実施の形態を説明するものであり、第1及び第2の超音波トランスデューサを複数個用いて構成した例を示す説明図である。 本発明の血液ポンプ装置を人工心肺装置に適用した例を示す構成図である。
符号の説明
1・・・人工心臓血液ポンプ装置(血液ポンプ装置)、 2・・・血液ポンプ、 3・・・第1の接続管、 4・・・第2の接続管、 5・・・コントローラ、 6・・・ケーブル、 7・・・第1の超音波トランスデューサ、 8・・・第2の超音波トランスデューサ、 11,12・・バッテリ、 21・・・プロセッサ、 25a・・・第1の送受信部、 25b・・・第2の送受信部、 26a・・・第1の信号処理部、 26a・・・第2の信号処理部、 27a・・・第1の血栓計数部、 27b・・・第2の血栓計数部、 28・・・判断部、 29・・・表示部(報知部)

Claims (7)

  1. 血液が流入される血液流入ポートと、血液が流出される血液流出ポートを有する血液ポンプと、
    前記血液流入ポートに接続された第1の接続管と、
    前記血液流出ポートに接続された第2の接続管と、
    前記第1の接続管の外周部に配置され、前記第1の接続管内を通る血液に対して超音波を送信し、その反射波を受信して電気信号に変換する第1の超音波トランスデューサと
    前記第2の接続管の外周部に配置され、前記第2の接続管内を通る血液に対して超音波を送信し、その反射波を受信して電気信号に変換する第2の超音波トランスデューサと、
    前記第1の超音波トランスデューサによって得た電気信号を受信して第1のRF信号に変換する第1の送受信部と、前記第2の超音波トランスデューサによって得た電気信号を受信して第2のRF信号に変換する第2の送受信部と、前記第1の送受信部から供給される前記第1のRF信号を検波し、対数圧縮して第1の検波/対数圧縮信号を得る第1の信号処理部と、前記第2の送受信部から供給される前記第2のRF信号を検波し、対数圧縮して第2の検波/対数圧縮信号を得る第2の信号処理部と、前記第1の信号処理部から供給される前記第1の検波/対数圧縮信号の出力値を所定の閾値と比較し、該閾値を超えた出力値の数を血栓数として計数する第1の血栓計数部と、前記第2の信号処理部から供給される前記第2の検波/対数圧縮信号の出力値を前記所定の閾値と比較し、該閾値を超えた出力値の数を血栓数として計数する第2の血栓計数部と、第1の血栓計数部によって計数された血栓数と前記第2の血栓計数部により計数された血栓数を比較する判断部と、を含むコントローラと、
    から構成される血液ポンプ装置。
  2. 前記判断部は、前記第1の血栓計数部によって計数された血栓数と前記第2の血栓計数部によって計数された血栓数の差に基づいて、前記血液ポンプで血栓が生じているか否かを判断する請求項1に記載の血液ポンプ装置。
  3. 前記判断部は、前記第1の血栓計数部によって計数された血栓数、あるいは前記第2の血栓計数部によって計数された血栓数が所定の値よりも多いか否かを判断する、請求項1に記載の血液ポンプ装置。
  4. 更に、前記判断部による判断結果を報知する報知部を備える、請求項1乃至3に記載の血液ポンプ装置。
  5. 前記報知部は、前記第1の血栓計数部によって計数された血栓数、あるいは前記第2の血栓計数部によって計数された血栓数が所定の値よりも多かった場合に警告を発する、請求項4に記載の血液ポンプ装置。
  6. 前記第1の超音波トランスデューサ及び前記第2の超音波トランスデューサの周波数は、30〜50MHzである、請求項1に記載の血液ポンプ装置。
  7. 前記血液ポンプは、体内に埋め込まれる、請求項1に記載の血液ポンプ装置。
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