JP2009238517A - 発光装置及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】EL層での発光が効率良く外部に取り出されるとともに、隣接画素間の干渉が抑制される発光装置及びその製造方法を提供する。
【解決手段】支持基板12上に、下部電極14と、少なくとも発光層を含むエレクトロルミネッセンス層16と、上部電極18と、封止基板26とを順に有し、前記エレクトロルミネッセンス層から発せられる光を前記上部電極側から取り出す発光装置であって、前記封止基板と前記支持基板との間の空間に不活性流体28が充填されているとともに、前記上部電極上に前記封止基板に向けて柱状に延出する光導波路部材22が配置していることを特徴とする発光装置10。
【選択図】図1

Description

本発明は、発光装置及びその製造方法に関する。
近年、一対の電極間に有機又は無機のエレクトロルミネッセンス(EL)層を設けた発光装置が提案されている。液晶を表示素子とする装置ではバックライトが必要であるが、有機EL層又は無機EL層を利用した発光装置は自発光型であるため、例えば、発光色がR(赤)、G(緑)、B(青)に対応したEL層をそれぞれパターニングすることで薄型の表示装置とすることができる。
しかし、EL層を用いた発光装置では、一般的にEL層の屈折率が高く、また、EL層での発光を外部に取り出す側に設けられている基板によって光が反射されるなどの理由で、光を外部に取り出しにくいという問題がある。
光取り出し効率の向上のため、例えば、光を取り出す側の基板に多数の貫通孔を設け、貫通孔を屈折率の高い媒体で埋めることにより基板内に柱状の光導波路を設けた発光装置が開示されている(特許文献1参照)。
また、封止基板側から光を取り出す、いわゆるトップエミッション型の発光装置として、上部電極上に、EL層からの光を散乱させるための半球状のビードを多数設けた表示装置が開示されている(特許文献2参照)。
特開2006−278115号公報 特開2007−128879号公報
特許文献1に開示されている装置では、基板に微小な貫通孔を多数設け、これらの孔を高屈折率媒体で埋めて光導波路を形成するため、製造が煩雑で製造コストが著しく上昇するおそれがある。また、光導波路を設けた封止基板を用いても、光導波路と発光素子との間の距離が大きくなって、発光素子と光導波路との間で光の導波や反射が発生し、光取り出しのロスや、隣接画素間で干渉(クロストーク)するおそれがある。
一方、特許文献2に開示されている装置では、光散乱面(ビード)と光取り出し面(封止基板)との距離が大きくなり易く、隣接画素間で干渉するおそれがある。
本発明は、EL層での発光が効率良く外部に取り出されるとともに、隣接画素間の干渉が抑制される発光装置及びその製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明では以下の発光装置及びその製造方法が提供される。
<1> 支持基板上に、下部電極と、少なくとも発光層を含むエレクトロルミネッセンス層と、上部電極と、封止基板とを順に有し、前記エレクトロルミネッセンス層から発せられる光を前記上部電極側から取り出す発光装置であって、
前記封止基板と前記支持基板との間の空間に不活性流体が充填されているとともに、前記上部電極上に前記封止基板に向けて柱状に延出する光導波路部材が配置していることを特徴とする発光装置。
<2> 前記光導波路部材の柱状部のアスペクト比(高さ/幅)が、2より大きいことを特徴とする<1>に記載の発光装置。
<3> 前記光導波路部材の底面と前記発光層との間の距離が、10μm以下であることを特徴とする<1>又は<2>に記載の発光装置。
<4> 前記光導波路部材の柱状部の先端と前記封止基板との間の距離が、100μm以下であることを特徴とする<1>〜<3>のいずれかに記載の発光装置。
<5> 前記光導波路部材の柱状部の幅が、1μm〜100μmであることを特徴とする<1>〜<4>のいずれかに記載の発光装置。
<6> 前記光導波路部材の柱状部の屈折率が、1.5〜2.5の範囲であることを特徴とする<1>〜<5>のいずれかに記載の発光装置。
<7> 前記光導波路部材の柱状部が互いに離間して前記上部電極上に配置しており、隣接する柱状部の間に前記不活性流体が介在していることを特徴とする<1>〜<6>のいずれかに記載の発光装置。
<8> 前記光導波路部材の柱状部が、前記下部電極と、前記エレクトロルミネッセンス層と、前記上部電極とが重なって構成される発光領域の30%以上を占める領域に設けられていることを特徴とする<1>〜<7>のいずれかに記載の発光装置。
<9> 前記光導波路部材の柱状部の先端が凸状であることを特徴とする<1>〜<8>のいずれか一項に記載の発光装置。
<10> 前記光導波路部材が、アルカリ金属ハロゲン化物で形成されていることを特徴とする<1>〜<9>のいずれかに記載の発光装置。
<11> 前記上部電極と前記光導波路部材との間にバッファ層が設けられていることを特徴とする<1>〜<10>のいずれかに記載の発光装置。
<12> 前記光導波路部材の柱状部の先端と前記封止基板との間に接着層が設けられていることを特徴とする<1>〜<11>のいずれかに記載の発光装置。
<13> 支持基板上に下部電極を形成する工程と、
前記下部電極上にエレクトロルミネッセンス層を形成する工程と、
前記エレクトロルミネッセンス層上に上部電極を形成する工程と、
前記上部電極上に柱状に延出する光導波路部材を気相堆積によって形成する工程と、
前記光導波路部材の上に封止基板を設けて封止するとともに、該封止基板と前記支持基板との間の空間に不活性流体を充填する工程と、
を含むことを特徴とする発光装置の製造方法。
<14> 前記下部電極と、前記エレクトロルミネッセンス層と、前記上部電極を、気相堆積で形成することを特徴とする<13>に記載の発光装置の製造方法。
EL層での発光が効率良く外部に取り出されるとともに、隣接画素間の干渉が抑制される発光装置及びその製造方法が提供される。
以下、添付の図面を参照しながら、本発明に係る発光装置及びその製造方法について説明する。
図1は、本発明に係る発光装置の構成の一例を概略的に示している。この発光装置10は、支持基板12上に、下部電極14と、少なくとも発光層を含むエレクトロルミネッセンス(EL)層16と、上部電極18とを順に有し、EL層16から発せられる光を上部電極18側から取り出す、トップエミッション型の発光装置10である。さらに、この装置10では、封止基板26と支持基板12との間の空間に不活性流体28が充填されているとともに、上部電極18上に封止基板26に向けて柱状に延出する光導波路部材22が配置している。
このような構成の発光装置10では、上部電極18上に光導波路部材22が設けられているため、光導波路部材22とEL層16との距離が近く、EL層16からの発光が光導波路部材22内に取り込まれ易い。また、光導波路部材22内に取り込まれたEL層16からの光は、それぞれ光導波路として機能する各柱状体22a内を光取り出し面となる封止基板26の付近まで伝搬する。従って、EL層16で発せられる光が効率的に外部に取り出されるとともに、隣接画素間での干渉が抑制されることになる。
以下、発光装置10の各構成部材と製造方法について、有機EL素子を例に説明する。
<支持基板>
支持基板12は、その上に形成される有機エレクトロルミネッセンス素子20と光導波路部材22を支持することができる強度を有するものであれば特に限定されず、公知のものを使用することができる。例えば、ジルコニア安定化酸化イットリウム(YSZ)、ガラス等の無機材料、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリアリレート、ポリイミド、ポリシクロオレフィン、ノルボルネン樹脂、ポリ(クロロトリフルオロエチレン)等の有機材料が挙げられる。
支持基板12としてガラスを用いる場合、ガラスからの溶出イオンを少なくするため、無アルカリガラスを用いることが好ましい。ソーダライムガラスを用いる場合には、シリカなどのバリアコートを施したものを使用することが好ましい。
有機材料からなる支持基板12を用いる場合には、耐熱性、寸法安定性、耐溶剤性、電気絶縁性、及び加工性に優れていることが好ましい。特にプラスチック製の支持基板12を用いる場合には、水分や酸素の透過を抑制するため、支持基板12の片面又は両面に透湿防止層又はガスバリア層を設けることが好ましい。透湿防止層又はガスバリア層の材料としては、窒化珪素、酸化珪素、酸窒化珪素、酸化アルミニウムなどの無機物、これら無機物とアクリル系樹脂などの有機物との積層体を好適に用いることができる。透湿防止層又はガスバリア層は、例えば、高周波スパッタリング法などにより形成することができる。
また、熱可塑性の支持基板を用いる場合には、更に必要に応じて、ハードコート層、アンダーコート層などを設けてもよい。
支持基板12の形状、構造、大きさ等については特に制限はなく、有機EL素子20の用途、目的等に応じて適宜選択することができる。一般的には、支持基板12の形状としては、取り扱い性、有機EL素子20の形成容易性等の観点から、板状であることが好ましい。支持基板12の構造は、単層構造であってもよいし、積層構造であってもよい。また、支持基板12は、単一部材で構成されていてもよいし、2つ以上の部材で構成されていてもよい。
なお、本発明に係る発光装置10はトップエミッションタイプであり、支持基板12側から発光を取り出す必要がないため、例えば、ステンレス、Fe、Al、Ni、Co、Cuやこれらの合金等の金属基板やシリコン基板を用いてもよい。金属製の支持基板であれば、厚みが薄くても、強度が高く、大気中の水分や酸素に対して高いガスバリア性を有するものとなる。なお、金属製の支持基板を用いる場合には、支持基板12と下部電極14との間に電気絶縁性を確保するための絶縁膜を設ければよい。
<有機EL素子>
有機EL素子20は、上下の電極18,14間に、少なくとも発光層を含む有機EL層16が配置された構成を有する。上下の電極18,14のうち一方を陽極とし、他方を陰極とするが、本発明に係る発光装置10は、EL層16から発せられる光を上部電極18側から取り出すため、少なくとも上部電極18は光透過性を有するように形成する。例えば以下のような層構成を採用することができるが、以下の層構成に限定されず、目的等に応じて適宜決めればよい。
・陽極/発光層/陰極
・陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極
・陽極/正孔輸送層/発光層/ブロック層/電子輸送層/陰極
・陽極/正孔輸送層/発光層/ブロック層/電子輸送層/電子注入層/陰極
・陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/ブロック層/電子輸送層/陰極
・陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/ブロック層/電子輸送層/電子注入層/陰極
・陽極/正孔輸送層/ブロック層/発光層/電子輸送層/陰極
・陽極/正孔輸送層/ブロック層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極
・陽極/正孔注入層/正孔輸送層/ブロック層/発光層/電子輸送層/陰極
・陽極/正孔注入層/正孔輸送層/ブロック層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極
−陽極−
陽極は、有機EL層16に正孔を供給する電極としての機能を有するものであれば、その形状、構造、大きさ等については特に制限はなく、有機EL素子20の用途、目的等に応じて公知の電極材料から適宜選択することができる。
陽極を構成する材料としては、例えば、金属、合金、金属酸化物、導電性化合物、又はこれらの混合物が好適に挙げられる。具体例として、アンチモンやフッ素等をドープした酸化錫(ATO、FTO)、酸化錫、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化インジウム錫(ITO)、酸化亜鉛インジウム(IZO)等の導電性金属酸化物、金、銀、クロム、ニッケル等の金属、さらにこれらの金属と導電性金属酸化物との混合物又は積層物、ヨウ化銅、硫化銅などの無機導電性物質、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロールなどの有機導電性材料、及びこれらとITOとの積層物などが挙げられる。
本発明の発光装置10では、EL層16から発せられる光を上部電極18側から取り出すため、上部電極18を陽極をとする場合は、光透過性が高い材料により構成することが好ましい。上記材料の中で好ましいのは導電性金属酸化物であり、特に、生産性、高導電性、透明性等の点からはITOが好ましい。
陽極を形成する方法としては、例えば、印刷方式、コーティング方式等の湿式方式、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の物理的方式、CVD、プラズマCVD法等の化学的方式が挙げられ、陽極を構成する材料との適性等を考慮して適宜選択すればよい。例えば、陽極材料としてITOを用いる場合には、直流又は高周波スパッタ法、真空蒸着法、イオンプレーティング法等に従って陽極を形成することができる。
陽極を形成する位置は、有機EL素子20の用途、目的等に応じて適宜選択することができ、下部電極14とする場合は支持基板12上に、あるいは上部電極18とする場合は有機EL層16上に、全体に形成してもよいし、一部に形成してもよい。
陽極を形成する際のパターニングは、フォトリソグラフィーなどによる化学的エッチングによって行ってもよいし、レーザーなどによる物理的エッチングによって行ってもよい。また、マスクを重ねて真空蒸着やスパッタ等を行ってもよいし、リフトオフ法や印刷法によって行ってもよい。
陽極の厚みは、陽極を構成する材料等に応じて適宜選択すればよいが、通常は10nm〜50μm程度であり、50nm〜20μmが好ましい。
また、陽極の抵抗値は、有機EL層16に確実に正孔を供給するために、10Ω/□以下が好ましく、10Ω/□以下がより好ましい。
上部電極18の光透過率は60%以上が好ましく、70%以上がより好ましい。透明陽極については、沢田豊監修「透明電極膜の新展開」シーエムシー刊(1999)に詳述があり、ここに記載されている事項を本発明でも適用することができる。例えば、耐熱性の低いプラスチック製の支持基板を用いる場合は、ITO又はIZOを使用し、150℃以下の低温で成膜した透明陽極が好ましい。
−陰極−
陰極は、通常、有機EL層16に電子を注入する電極としての機能を有し、その形状、構造、大きさ等については特に制限はなく、有機EL素子20の用途、目的等に応じて公知の電極材料の中から適宜選択することができる。陰極を構成する材料としては、例えば、金属、合金、金属酸化物、電気伝導性化合物、これらの混合物などが挙げられる。具体例としてアルカリ金属(たとえば、Li、Na、K、Cs等)、アルカリ土類金属(たとえばMg、Ca等)、金、銀、鉛、アルミニウム、ナトリウム−カリウム合金、リチウム−アルミニウム合金、マグネシウム−銀合金、インジウム、イッテルビウム等の希土類金属、などが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいが、安定性と電子注入性とを両立させる観点から、2種以上を好適に併用することができる。
これらの中でも、陰極を構成する材料としては、電子注入性の点で、アルカリ金属やアルカリ土類金属が好ましく、保存安定性に優れる点でアルミニウムを主体とする材料が好ましい。アルミニウムを主体とする材料とは、アルミニウム単独、アルミニウムと0.01〜10質量%のアルカリ金属又はアルカリ土類金属との合金若しくはこれらの混合物(例えば、リチウム−アルミニウム合金、マグネシウム−アルミニウム合金など)をいう。なお、陰極の材料については、例えば、特開平2−15595号公報及び特開平5−121172号公報に詳述されており、これらの公報に記載の材料は本発明においても適用することができる。
陰極の形成方法については特に制限はなく、公知の方法に従って形成することができる。例えば、印刷方式、コーティング方式等の湿式方式、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の物理的方式、CVD法、プラズマCVD法等の化学的方式などの中から、陰極を構成する材料との適性を考慮して適宜選択した方法に従って形成することができる。例えば、陰極の材料として金属等を選択する場合には、その1種又は2種以上を同時に又は順次、スパッタ法等に従って陰極を形成することができる。
陰極の厚みは、陰極を構成する材料や光の取り出し方向に応じて適宜選択すればよく、通常は1nm〜5μm程度である。
陰極を形成するに際してのパターニングは、フォトリソグラフィーなどによる化学的エッチングによって行ってもよいし、レーザーなどによる物理的エッチングによって行ってもよい。また、マスクを重ねて真空蒸着やスパッタ等によって行ってもよいし、リフトオフ法や印刷法によって行ってもよい。
陰極の形成位置は特に制限はなく、下部電極14とする場合は支持基板12上に、あるいは上部電極18とする場合は有機EL層16上に、全体に形成されていてもよく、その一部に形成されていてもよい。
陰極と有機EL層16との間に、アルカリ金属又はアルカリ土類金属のフッ化物、酸化物等による誘電体層を0.1〜5nmの厚みで形成してもよい。この誘電体層は、一種の電子注入層と解することもできる。誘電体層は、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等により形成することができる。
−有機EL層−
有機EL層16は、上下の電極(陽極及び陰極)18,14の間に挟まれ、少なくとも発光層を含む構成とする。下部電極14と、有機EL層16と、上部電極18とが重なっている領域が発光することになる。従って、例えば、R、G、Bの画素が支持基板12上の縦横に配列するように、各色に対応した発光層をパターニングすることでフルカラー表示させることができる。
有機EL層16を構成する発光層以外の層としては、前述したように、正孔輸送層、電子輸送層、電荷ブロック層、正孔注入層、電子注入層等の各層が挙げられる。好ましい層構成として、例えば、陽極側から、正孔輸送層、発光層、電子輸送層の順に積層されている態様が挙げられ、さらに、例えば正孔輸送層と発光層との間、又は、発光層と電子輸送層との間に、電荷ブロック層等を有していてもよい。陽極と正孔輸送層との間に正孔注入層を有してもよく、陰極と電子輸送層との間には電子注入層を有してもよい。また、各層は複数の二次層に分かれていてもよい。このような有機EL層16を構成する各層は、蒸着法やスパッタ法等の乾式製膜法、転写法、印刷法等いずれによっても形成することができる。
<光導波路部材>
光導波路部材22は上部電極18上に配置しており、上部電極18から封止基板26に向けて延出する複数の柱状部22aと支持部22bとを有している。
光導波路部材22の形状は、有機EL層16で生じた光を取り込み、柱状部22a内に閉じ込めて先端まで伝搬させ、伝搬した光を先端から放出するものであればよい。強度、形成容易性、光の伝搬、画素サイズとの比率等の観点から、各柱状部22aの高さ(h)は好ましくは5μm〜500μmの範囲、より好ましくは10μm〜200μmの範囲であり、柱状部22aの幅(w)は好ましくは1μm〜100μmの範囲、より好ましくは5μm〜20μmである。また、光取り出し効率の向上及び隣接画素間での干渉防止のため、柱状部22aのアスペクト比(高さ/幅)は2より大きいことが好ましく、10より大きいことがより好ましい。
光導波路部材22の柱状部22aの先端は、凸状であることが好ましい。例えば、図1に示されるように、柱状部22aの先端が半球状であれば、光導波路部材22の先端まで導かれた光が反射されずに、封止基板26(光取り出し面)に向けて放射され易い。従って、光取り出し効率をより確実に向上させることができる。
また、光導波路部材22の柱状部22aが互いに離間して上部電極18上に配置しており、隣接する柱状部22aの間に光導波路部材22よりも屈折率が低い不活性流体28が介在していることが好ましい。光導波路部材22と不活性流体28の屈折率差は、0.2以上が好ましく、0.3以上がより好ましい。光導波路部材22の柱状部22aが離間しており、その間の空間に不活性流体28、例えばアルゴン、窒素等の不活性ガス、あるいは、パラフィン類、流動パラフィン類、パーフルオロアルカンやパーフルオロアミン、パーフルオロエーテル等のフッ素系溶剤、塩素系溶剤、シリコーンオイル類等の不活性液体が介在していれば、光導波路部材22内に取り込んだ光が、隣接する柱状部22a同士で干渉することをより確実に防ぐことができる。
なお、画素内における光導波路部材22の柱状部22aの配置の仕方は特に限定されず、例えば、図2に示すように、発光領域(画素領域)30に、複数の柱状部22aがランダムに配置していてもよいし、図3や図4に示すように規則的に配列させることで、画素30内における柱状部22aの密度をより高くして光取り出し効率を一層向上させてもよい。また、図5(A)〜(C)に示すように、横断面が六角形32a、矩形32b、三角形32c、あるいは他の多角形となる柱状部が、規則的にあるいは不規則に配置していてもよい。
光導波路部材22は、その柱状部22aが上部電極18上に配置するように形成すればよいが、通常は、下部電極14と、有機EL層16と、上部電極18とが重なる発光領域30に対して光導波路部材22の柱状部22aが占める領域が大きいほど光取り出し効率の向上を図ることができる。具体的には、光導波路部材22の柱状部22aが、発光領域30の30%以上を占めるように形成されていれば、有機EL層16から発せられた光のほとんどが光導波路部材22に取り込まれ、柱状部22aを通って封止基板26側へと導かれるため、光取り出し効率を確実に向上させることができる。
ただし、前記したように、隣接する柱状部22aは適度に離間して不活性流体28が介在していることで干渉を効果的に防ぐことができるため、発光領域において導波路部材の柱状部22aが占める面積は、発光領域の95%以下となることが好ましい。
有機EL層16で生じた光を光導波路部材22に取り込み易くするため、光導波路部材22の底面と発光層との間の距離は、好ましくは10μm以下であり、より好ましくは1μm以下である。光導波路部材22の底面と発光層との間の距離は、発光層と光導波路部材22との間に介在する発光層以外の有機層及び上部電極18の厚みによって調整すればよい。
一方、柱状部22aの先端から放出された光は封止基板26を経て外部に取り出されるが、柱状部22aの先端と封止基板26との距離が大きすぎると、光取り出しのロスや隣接画素間で干渉(クロストーク)が大きくなるおそれがある。そのため、光導波路部材22の柱状部22aの先端と封止基板26との間の距離は、100μm以下とすることが好ましく、より好ましくは50μm以下である。光導波路部材22の柱状部22aの先端と封止基板26との間の距離は、光導波路部材22の高さ、封止基板26を支持基板12に固定する際に用いる封止部材24の厚み、封止部材24に分散するスペーサー粒子、光導波路部材22と封止基板26の間に配置する接着層の厚さなどによって調整することができる。
また、光導波路部材22の屈折率は、有機EL層16からの光を取り込んで封止基板26に向けて先端まで導くことができれば限定されないが、有機EL層16からの光を光導波路部材22内に閉じ込めて先端まで伝搬できるように、有機EL層16の屈折率と同等以上とすることが好ましい。有機EL層16の材質にもよるが、有機EL層16の屈折率は、通常、1.6程度である。従って、光導波路部材22の柱状部22aの屈折率は1.5〜2.5の範囲であることが好ましい。
光導波路部材22の材質は、有機EL層16からの光を取り込んで先端まで伝搬することができれば限定されないが、屈折率が上記範囲(1.5〜2.5)となる材料によって形成することが好ましい。好ましい材料として、アルカリ金属やアルカリ土類金属のハロゲン化物、リン酸塩、ホウ酸塩などの無機物などが挙げられ、特に、光透過性、屈折率、形成容易性等の観点から、CsI、CsBr、RbBr等のアルカリ金属ハロゲン化物が好ましい。
例えば、上部電極18上に、電子線蒸着によってアルカリ金属ハロゲン化物からなる複数の柱状体を、互いに間隙を有するように光取り出し方向に向けて略垂直に成長させる。これにより、上部電極18上に、光透過性及び屈折率が高い柱状結晶を形成することができる。このとき、真空度、蒸着速度、基板温度などの蒸着条件を適宜選択することで、柱状体の直径や先端形状を変化させることが可能である。例えば、図8及び図9に示すように、CsIを結晶成長せることで、先端が円錐状、回転楕円状、角錐状等の凸状となった柱状体を密に形成させることができる。
なお、光導波路部材22をアルカリ金属ハロゲン化物で形成すれば、吸湿性を有するため、有機EL層16の劣化を抑制する機能も有するものとなる。
上部電極18と光導波路部材22との間にバッファ層を設けてもよい。例えば、上部電極18を金属膜で形成し、光導波路部材22を樹脂で形成する場合、十分な接着力が得られない場合がある。また、上部電極18と光導波路部材22が接触していると、それらの材質によっては、一方が他方に悪影響を及ぼして劣化を促進してしまうこともあり得る。そこで上部電極18上に、例えば窒化珪素、硫化亜鉛などのバッファ層を設け、バッファ層を介して光導波路部材22を形成すれば、接着性の向上や、劣化の防止を図ることができる。また、窒化珪素、硫化亜鉛などバッファ層であれば、屈折率が高く、光取り出し効率の向上にも寄与することになる。
バッファ層は、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、CVD法などの気相堆積によって10nm〜500nm程度の厚みで形成すればよい。
下部電極14、有機EL層16、上部電極18、光導波路部材22を、それぞれ気相堆積で形成すれば、製造段階において、大気中の水分や酸素によって有機EL層16や光導波路部材22が劣化することを効果的に抑制することができる。図6は、それぞれ専用の工程を行う複数の室51〜63を備えた有機EL素子製造システム50の構成の一例を示している。複数の蒸着室を設け、それぞれ下部電極14、有機EL層16、上部電極18、光導波路部材22のいずれかを気相堆積によって形成すれば、支持基板12の導入から封止基板26による封止までの工程を気密槽内で完結することができる。このような製造システム50を用いれば、水分や酸素などによる素子寿命に影響を与えずに発光装置10を連続的に製造することができ、製造プロセス上有利である。なお、蒸着室や封止室の他には、封止前の検査室などを設けてもよい。
光導波路部材22の形成方法は特に限定されず、例えば、型押し(インプリント)によっても好適に形成することができる。図7は、型押しによって光導波路部材22を形成する方法の一例を示している。まず、形成すべき光導波路部材の形状に応じた凹凸パターン38を有する型36を用意する。パターニング用の型36は、ガラス、金属、シリコン、樹脂等を用いて作製することができ、例えばフォトリソグラフィによって所望の凹凸パターン38を形成すればよい。
型36を用意した後、上部電極18上に硬化性樹脂(UV硬化性樹脂、熱硬化性樹脂など)を塗布して未硬化の樹脂層34を形成する(図7(A))。次いで、未硬化の樹脂層34に型36のパターン面を押し付け、樹脂層34に応じてUV照射又は加熱を施して硬化させる(図7(B))。硬化後、型36を引き離すことで上部電極18上に、型36の凹凸パターン38が反映された柱状部34aを有する光導波路部材34が形成される(図7(C))。硬化性樹脂のほかに、熱可塑性樹脂を塗布して樹脂層を形成した後、加熱した型36のパターン面を押し付けてもよい。
型押しによって形成する光導波路部材22に好ましい材料として、ポリスチレン系樹脂、ポリシラン系樹脂などの高屈折率を有する有機物、酸化チタンなどの高屈折率微粒子を樹脂中に分散したコンポジット材料などが挙げられる。
<封止基板等>
光導波路部材22を形成した後、有機EL素子20及び光導波路部材22が大気中の水分や酸素によって劣化されることを抑制するため封止する。
封止基板26は、光透過性を有するとともに、酸素や水分に対するバリア性が高いものを使用する。好ましくは、ガラス基板又はバリア層を設けた樹脂フィルムを用いることができる。封止基板26の厚みは、光透過性、強度、軽量化などの観点から、好ましくは0.05〜2mmである。
樹脂フィルム製の封止基板26としては、PET、PEN、PES等、支持基板12と同様の材質を用いることができる。また、バリア層の厚みは、その材質や要求されるバリア性に応じて決めればよいが、通常は100nm〜5μm、より好ましくは1μm〜5μmである。
支持基板12上に封止基板26を固定するとともに通気を防止する封止部材24としては、接着剤が好ましく、エポキシ樹脂等の光硬化型接着剤や熱硬化型接着剤を用いることができ、例えば熱硬化性の接着シートを用いることもできる。
また、光導波路部材22の柱状部22aの先端と封止基板26との間に接着層を設けてもよい。例えば、光導波路部材22をアルカリ金属ハロゲン化物の結晶成長によって形成し、その柱状部22aの幅(太さ)がμmオーダーである場合、光導波路部材22は細くて脆いものとなる。そこで、例えば、光導波路部材22の柱状部22aの先端、又は封止基板26の光導波路部材22と対向する面に接着剤を塗布して貼り合わせれば、外部からの衝撃等によって光導波路部材22が破壊することを効果的に防ぐことができる。
このような接着層は、光透過性を有し、封止基板26と同等以下の屈折率を有するものが好ましく、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、アクリル系樹脂などが挙げられる。
封止の際、封止基板26と支持基板12との間の空間には、気体又は液体の不活性流体28を充填する。不活性ガスとして、例えばアルゴン、窒素等が挙げられる。また、不活性液体として、例えば、パラフィン類、流動パラフィン類、パーフルオロアルカンやパーフルオロアミン、パーフルオロエーテル等のフッ素系溶剤、塩素系溶剤、シリコーンオイル類が挙げられる。
上下の電極18,14にそれぞれ外部の配線(不図示)を接続し、直流(必要に応じて交流成分を含んでもよい)電圧(通常2ボルト〜15ボルト)、又は直流電流を印加することにより、両極間に挟まれた領域の有機EL層16を発光させることができる。なお、駆動方法については、特開平2−148687号、同6−301355号、同5−29080号、同7−134558号、同8−234685号、同8−241047号の各公報、特許第2784615号、米国特許5828429号、同6023308号の各明細書、等に記載の駆動方法を適用することができる。
以上のような工程を経て、本発明に係るトップエミッションタイプの発光装置10が製造される。この装置10では、有機EL層16からの発光が光導波路部材22に入射して光導波路部材22内を伝搬し、封止基板26付近の先端から放射される。そのため、光取り出しのロスが抑えられて光取り出し効率が向上するとともにクロストークが効果的に抑制される。
実施例1
1.有機EL素子の作製
支持基板(材質:ガラス、20mm角)上に、Ag陽極を15nmの厚さで2mm幅のストライプ状に形成した。陽極を形成した支持基板を、有機層を形成する領域が露出するマスク(開口部:5mm角)を介して、真空蒸着装置内の基板ホルダーに設置した後、装置内を排気して、5×10−5Paの真空度とした。陽極上に、正孔注入層として2−TNATAと2−TNATAに対してF4−TCNQを1.0質量%となるように共蒸着を行い、100nmの厚さに形成した。次いで正孔輸送層としてNPDを10nmの厚さに形成した。正孔輸送層を形成した後、CBPとCBPに対してIr(ppy)を5質量%となるように共蒸着を行い、30nm厚さに発光層を形成した。次いで、電子輸送層としてBAlqを40nmの厚さで形成した。電子輸送層上に、さらにLiF膜を1nmの厚さで積層し、次いでAlとAl上に形成したITOからなる陰極とをそれぞれ15nmと100nmの厚さで、陽極に交差するよう2mm幅のストライプ状に形成した。これによって、2mm角の有機EL素子の画素を作製した。
2.光導波路部材の作製
上記で得られたITOを上部電極とする有機EL素子の上に、CsIを200μmの厚さに真空蒸着した。
(1)CsI蒸着源の作製
CsI粉末75g(純度:4N)をジルコニア製粉末成形用ダイス(内径35mm)に入れ、粉末金型プレス成型機にて50MPaの圧力で加圧し、タブレット(直径:35mm、厚み:20mm)に成形した。次いで、このタブレットに真空乾燥機にて温度200℃で2時間の真空乾燥処理を施し、含水量が0.3質量%のCsI蒸着源とした。
(2)光導波路部材の形成
前記有機EL素子を、前記有機EL素子の画素領域が露出するマスク(開口部:5mm角)を介して、蒸着装置内の基板ホルダーに設置した。上記CsI蒸着源を装置内の所定位置に配置した後、装置内を排気して1×10−3Paの真空度とした。有機EL素子の蒸着面とは反対側に位置した基板加熱ヒーターで有機EL素子を100℃に加熱した。蒸着源に電子銃で加速電圧4.0kVの電子線を照射してCsIを堆積させた。このときエミッション電流を調整して、10μm/分の速度で200μmの厚さになるまで蒸着した。蒸着終了後、装置内を大気圧に戻し、装置内からCsIを堆積させた有機EL素子を取り出した。有機EL素子の上部電極上には、CsIの柱状結晶がほぼ垂直方向に密に林立した構造の蒸着膜(厚さ:200μm)が形成されていた。蒸着膜を走査型電子顕微鏡で観察、測定したところ、柱状結晶の平均直径約5μm、平均アスペクト比30、画素面積に対する占有率75%であった。
3.封止基板の接着
上記CsIからなる光導波路部材を形成した有機EL素子を、窒素雰囲気に置換したグローブボックス内に移動し、封止基板を取り付けた。封止基板として厚さ1mmで10mm角のガラス基板を用いた。有機EL素子の支持基板上の画素の周囲にガラススペーサー(直径:300μm)を分散した感光性エポキシ樹脂を塗布した後、封止基板を押し付け、UVランプを用いてエポキシ樹脂を硬化させ、本発明の有機EL装置を得た。
4.有機ELパネルの評価
作製された有機EL装置の封止基板より陽極と陰極に電源に接続し、2.5mA/cmの駆動電流で駆動させ、有機EL装置正面よりコニカミノルタ製輝度計CS−1000型にてELスペクトルのピーク強度を測定した。
実施例2
光導波路部材の作製において、蒸着材料をCsBrに変更したこと以外は実施例1と同様にして、本発明に従う有機EL装置を作製した。
実施例3
光導波路部材の作製において、蒸着材料をRbBrに変更したこと以外は実施例1と同様にして、本発明に従う有機EL装置を作製した。
実施例4
光導波路部材の作製において、CsIの蒸着時の真空度をArガスの導入により0.5Paに制御しながら実施したこと以外は実施例1と同様にして、本発明に従う有機EL装置を作製した。
実施例5
光導波路部材の作製において、CsIの蒸着時の蒸着速度を2μm/分に変更したこと以外は実施例1と同様にして、本発明に従う有機EL装置を作製した。
実施例6
封止基板の接着において、有機EL素子の画素領域に対向する封止基板上に、アクリル系接着剤(屈折率:1.4)を塗布・乾燥して20μmの接着層を形成した後、スペーサーを含まない感光性エポキシ樹脂で有機EL素子と封止基板とを接着したこと以外は実施例1と同様にして、本発明に従う有機EL装置を作製した。このとき、光導波路部材の先端は、ほとんどが接着層に接触していることを確認した。
実施例7
封止基板の接着において、接着層を形成せずに封止基板を接着したこと以外は実施例6と同様にして、本発明に従う有機EL装置を作製した。このとき、光導波路部材の先端の一部が、封止基板に接触していることを確認した。
実施例8
封止基板の接着において、感光性エポキシ樹脂に分散したスペーサーの直径を400μmに変更したこと以外は実施例1と同様にして、本発明に従う有機EL装置を作製した。
実施例9
有機EL素子の作製において、ITO陰極上にさらにZnS層(厚さ:50nm)をスパッタ法を用いて形成したこと以外は実施例1と同様にして、本発明に従う有機EL装置を作製した。
比較例
実施例1で作製した有機EL素子に光導波路部材を作製せずに封止基板を接着した有機EL装置を作製した。
各実施例で得られた有機EL装置の光導波路部材の形状等を表1に、有機EL装置の光学特性等を表2に、それぞれ示した。なお、表2におけるピーク強度は、比較例の有機EL装置のピーク強度を1としたときの各実施例の有機EL装置のピーク強度である。
各実施例の有機EL装置は、比較例の有機EL装置に比べて、ピーク強度が著しく向上した。ピーク強度は、光導波部材の屈折率が高い方が大きく、先端形状が凸状の方が大きい。発光層と光導波路部材の距離や光導波路部材と封止基板の距離が大きくなると発光が広がって見えやすい。
また、封止基板と光導波路部材の間に接着層を介在させることで光導波路部材の耐衝撃性が向上した。
以上、本発明について説明したが、本発明は上記実施形態及び実施例に限定されるものではない。
例えば、本発明に係る発光装置は、画像形成装置などの光源として用いてもよいし、発光層をRGBにパターニングすることにより画素を形成して表示装置としてもよい。また、上記実施形態では、EL層として有機EL層を形成する場合について説明したが、本発明は、ZnS:Mn、BaAl:Euなどの発光層と、発光層と少なくとも一方の電極との間にTiO、Ta、BaTiOなどの誘電体層とを含む無機EL層を形成した発光装置にも適用してもよい。
本発明に係る有機EL発光装置の一例を示す概略平面図である。 発光領域における光導波路部材の配置の一例を示す概略図である。 発光領域における光導波路部材の配置の他の例を示す概略図である。 発光領域における光導波路部材の配置の他の例を示す概略図である。 光導波路部材の断面形状の他の例を示す概略図である。(A)六角形 (B)四角形 (C)三角形 有機EL素子製造システムの構成の一例を示す概略図である。 光導波路部材をインプリント法によって形成する方法の一例を示す図である。 CsIを結晶成長させて形成した柱状体を斜め上方から観察したSEM画像である。 CsIを結晶成長させて形成した柱状体を横方向から観察したSEM画像である。
符号の説明
10 発光装置
12 支持基板
14 下部電極
16 エレクトロルミネッセンス層
18 上部電極
20 有機エレクトロルミネッセンス素子
22 光導波路部材
22a 柱状部
24 封止部材
26 封止基板
28 不活性流体
36 型
38 凹凸パターン
50 有機EL素子製造システム

Claims (14)

  1. 支持基板上に、下部電極と、少なくとも発光層を含むエレクトロルミネッセンス層と、上部電極と、封止基板とを順に有し、前記エレクトロルミネッセンス層から発せられる光を前記上部電極側から取り出す発光装置であって、
    前記封止基板と前記支持基板との間の空間に不活性流体が充填されているとともに、前記上部電極上に前記封止基板に向けて柱状に延出する光導波路部材が配置していることを特徴とする発光装置。
  2. 前記光導波路部材の柱状部のアスペクト比(高さ/幅)が、2より大きいことを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
  3. 前記光導波路部材の底面と前記発光層との間の距離が10μm以下であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の発光装置。
  4. 前記光導波路部材の柱状部の先端と前記封止基板との間の距離が、100μm以下であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の発光装置。
  5. 前記光導波路部材の柱状部の幅が、1μm〜100μmであることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の発光装置。
  6. 前記光導波路部材の柱状部の屈折率が、1.5〜2.5の範囲であることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の発光装置。
  7. 前記光導波路部材の柱状部が互いに離間して前記上部電極上に配置しており、隣接する柱状部の間に前記不活性流体が介在していることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の発光装置。
  8. 前記光導波路部材の柱状部が、前記下部電極と、前記エレクトロルミネッセンス層と、前記上部電極とが重なって構成される発光領域の30%以上を占める領域に設けられていることを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載の発光装置。
  9. 前記光導波路部材の柱状部の先端が凸状であることを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれか一項に記載の発光装置。
  10. 前記光導波路部材が、アルカリ金属ハロゲン化物で形成されていることを特徴とする請求項1〜請求項9のいずれか一項に記載の発光装置。
  11. 前記上部電極と前記光導波路部材との間にバッファ層が設けられていることを特徴とする請求項1〜請求項10のいずれか一項に記載の発光装置。
  12. 前記光導波路部材の柱状部の先端と前記封止基板との間に接着層が設けられていることを特徴とする請求項1〜請求項11のいずれか一項に記載の発光装置。
  13. 支持基板上に下部電極を形成する工程と、
    前記下部電極上にエレクトロルミネッセンス層を形成する工程と、
    前記エレクトロルミネッセンス層上に上部電極を形成する工程と、
    前記上部電極上に柱状に延出する光導波路部材を気相堆積によって形成する工程と、
    前記光導波路部材の上に封止基板を設けて封止するとともに、該封止基板と前記支持基板との間の空間に不活性流体を充填する工程と、
    を含むことを特徴とする発光装置の製造方法。
  14. 前記下部電極と、前記エレクトロルミネッセンス層と、前記上部電極を、気相堆積で形成することを特徴とする請求項13に記載の発光装置の製造方法。
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