JP2009238044A - 接客支援システム - Google Patents
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Abstract
【課題】顧客の停滞状態が検出された場合において、迅速に店員が接客することができることを支援するための接客支援システムを提供する。
【解決手段】顧客移動局10および店員移動局11の位置を移動局ごとに算出する位置検出部56と、顧客移動局10の位置を顧客の位置とするとともに顧客の移動履歴に基づいて顧客の停滞状態を検出する顧客状態検出部66と、複数の店員移動局11の位置を複数の店員のそれぞれの位置であるとして、複数の店員の位置を記憶する店員データベース部60と、顧客状態検出部66によって停滞状態が検出された顧客が存在する場合に、店員データベース部60に記憶された情報に基づいて顧客の位置との距離が短い順に店員を抽出する店員抽出部68と、店員抽出部68によって抽出された店員が接客を要する旨の情報を出力装置89により音声もしくは光学的表示の少なくとも1つにより報知する報知部76とを含む。
【選択図】図6
【解決手段】顧客移動局10および店員移動局11の位置を移動局ごとに算出する位置検出部56と、顧客移動局10の位置を顧客の位置とするとともに顧客の移動履歴に基づいて顧客の停滞状態を検出する顧客状態検出部66と、複数の店員移動局11の位置を複数の店員のそれぞれの位置であるとして、複数の店員の位置を記憶する店員データベース部60と、顧客状態検出部66によって停滞状態が検出された顧客が存在する場合に、店員データベース部60に記憶された情報に基づいて顧客の位置との距離が短い順に店員を抽出する店員抽出部68と、店員抽出部68によって抽出された店員が接客を要する旨の情報を出力装置89により音声もしくは光学的表示の少なくとも1つにより報知する報知部76とを含む。
【選択図】図6
Description
本発明は、顧客に対する接客の有無を店員に報知するための接客支援システムに関するものであり、特に、顧客の位置を検出することにより、該顧客が停滞状態であるか否かを判断するとともに、複数の店員のいずれが接客を行なうべきかについての情報を提供することのできる接客支援システムに関するものである。
顧客が商品を購入しようとする場合、売り場において同種類の異なる商品を比較して何れの商品を購入するかを迷ったり、あるいは購入するか否かを迷ったりすることがある。かかる場合においては、迷っている顧客に対し店員が迅速に対応することにより、顧客に必要な情報を提供することなどにより、購入の促進を行なうことができる。
特許文献1には、スーパーマーケット等の店員の個別の対応が難しい場面において、購入検討商品の購入の躊躇を示す状態を検出した場合に、該購入検討商品の値引きが可能か否かを判断し、値引きが可能とされた場合には顧客に対し該値引きについての情報を出力することにより、商品の購入を促進することができる販売処理方法が開示されている。前記特許文献1に開示の方法によれば、購入検討商品の購入の躊躇は、購入検討商品の購入意思の取消、あるいは購入検討商品の選択が一定時間行なわれないことなどに基づいて判断される。
特許文献1の方法によれば、購入検討商品についての値引き情報が提供されるが、顧客によっては商品についての説明を必要とする場合があり、かかる場合においては依然として店員が接客をする必要がある。
本発明は以上の事情を背景としてなされたものであり、その目的とするところは、顧客の停滞状態が検出された場合において、該顧客に迅速に店員が接客することができることを支援するための接客支援システムを提供することにある。
かかる課題を解決するための請求項1にかかる発明の要旨とするところは、(a)顧客に対する接客の必要の有無を店員に報知するための接客支援システムであって、(b)前記顧客および複数の店員にそれぞれ伴って移動させられる複数の移動局と、(c)既知の位置に設置され、該移動局と電波の送受信を行なう複数の基地局と、(d)該複数の基地局とデータ通信可能に接続されたサーバとを有し、(e)該サーバが前記複数の移動局の位置を移動局ごとに算出する位置検出部と、(f)該位置検出部によって検出される移動局の位置のうち、前記顧客に伴って移動させられる顧客移動局の位置を前記顧客の位置とするとともに該顧客の位置の履歴である移動履歴に基づいて顧客の停滞状態を検出する顧客状態検出部と、(g)該位置検出部によって検出される移動局の位置のうち、前記複数の店員のそれぞれに伴って移動させられる店員移動局の位置を該複数の店員のそれぞれの位置であるとするとともに、該複数の店員のそれぞれの位置の履歴である移動履歴に基づいて該複数の店員が接客中であるか否かを該複数の店員のそれぞれについて判定する接客中判定部と、(h)該接客中判定部によって判定された前記複数の店員のそれぞれが接客中であるか否かについての情報を前記複数の店員ごとに記憶する店員データベース部と、(i)前記顧客状態検出部によって停滞状態が検出された顧客が存在する場合には、該店員データベース部に記憶された情報に基づいて、前記接客中判定部によって接客中でないと判定された店員を抽出する店員抽出部と、(j)該店員抽出部によって抽出された店員が接客を要する旨の情報を、出力装置により報知のための出力を行なう報知部とを含むことを特徴とする。
好適には、請求項2にかかる発明の要旨とするところは、前記顧客状態検出部は、前記顧客の移動履歴において該顧客の所定時間における移動量が予め定められた移動量判定値を下回ったことに基づいて、該顧客の停滞状態を検出することを特徴とする。
また好適には、請求項3にかかる発明の要旨とするところは、前記顧客状態検出部は、前記顧客の移動履歴において該顧客が同一の地点を予め定められた回数判定値を上回る回数だけ通過したことに基づいて、該顧客の停滞状態を検出することを特徴とする。
また好適には、請求項4にかかる発明の要旨とするところは、前記顧客状態検出部は、前記顧客の移動履歴において該顧客が予め定められた時間判定値を上回った時間だけ停止したことに基づいて、該顧客の停滞状態を検出することを特徴とする。
また、請求項5にかかる発明の要旨とするところは、(a)前記サーバは、前記複数の店員のそれぞれについて、該複数の店員の移動履歴に基づいて、前記複数の店員のそれぞれの位置の検出の直前の予め定められた所定時間区間における移動量を繁忙度として算出する店員繁忙度算出部を含み、(b)前記店員データベース部は、該店員繁忙度算出部によって算出された前記複数の店員のそれぞれの繁忙度に関する情報を前記複数の店員ごとに記憶し、(c)前記店員抽出部は、前記店員データベース部に記憶された前記繁忙度の低い順に店員を抽出することを特徴とする。
また、請求項6にかかる発明の要旨とするところは、(a)前記サーバは、複数の商品の種類についての情報と、該商品が陳列される位置についての情報とを対応づけて記憶する商品配列データベース部と、(b)該商品配列データベース部に記憶された情報と、前記顧客状態検出部により前記顧客の停滞状態が検出された場合に該顧客状態検出部により前記顧客の位置とされた停滞位置の情報とに基づいて、前記停滞位置に近接して配列された商品を識別する停滞箇所配列商品識別部とを含み、(c)前記店員データベース部は、前記複数の店員のそれぞれが担当する商品の種類についての情報を前記複数の店員ごとに記憶し、(d)前記店員抽出部は、前記購入予定商品識別部により識別された商品と前記店員データベース部に記録された担当する商品とが一致する店員を優先して抽出することを特徴とする。
また、請求項7にかかる発明の要旨とするところは、(a)前記店員データベース部は、前記複数の店員の位置についての情報を該複数の店員ごとに記憶し、(b)前記店員抽出部は、前記店員データベース部に記憶された情報に基づいて、前記顧客の位置との距離が短い順に店員を抽出することを特徴とする。
また、請求項8にかかる発明の要旨とするところは、(a)前記サーバは、前記顧客状態検出部により検出される前記顧客の停滞状態が継続した時間である停滞時間を計測する停滞時間計測部を含み、(b)前記店員抽出部は、該停滞時間計測部によって計測される前記停滞時間が予め定められた継続時間判定値を上回る場合には、前記複数の店員のうち既に抽出された店員を除いた店員を対象として再度の抽出を行なうことを特徴とする。
また、請求項9にかかる発明の要旨とするところは、(a)前記サーバは、前記顧客状態検出部により前記顧客の停滞状態が継続して検出された場合に、該顧客の停滞状態が継続した停滞時間を計測する停滞時間計測部を含み、(b)前記報知部は、前記出力装置により該停滞時間計測部によって計測される前記停滞時間を表示することを特徴とする。
請求項1にかかる接客支援システムによれば、前記位置検出部により、前記顧客および前記複数の店員のそれぞれに伴って移動させられる顧客移動局および店員移動局の位置がそれぞれ算出され、前記顧客状態検出部により、前記顧客の移動履歴に基づいて顧客の停滞状態が検出され、前記接客中判定部においては、前記複数の店員の移動履歴に基づいて該複数の店員が接客中であるかが該複数の店員のそれぞれについて判定され、前記店員データベース部においては、該接客中判定部によって判定された前記複数の店員のそれぞれが接客中であるか否かについての情報が店員ごとに記憶され、前記店員抽出部により、前記顧客状態検出部によって停滞状態が検出された顧客が存在する場合には、前記店員データベース部に記憶された情報に基づいて、該店員データベース部に記憶された情報に基づいて、前記接客中判定部によって接客中でないと判定された店員が抽出され、前記報知部により、前記店員抽出部によって抽出された店員が接客を要する旨の情報が、出力装置により例えば音声もしくは光学的表示などにより報知されるので、前記顧客の停滞状態が検出された場合は該顧客が商品の購入を検討あるいは躊躇していることが予測されるとして、該顧客に対する接客を行なう必要がある旨を接客中でない店員に報知することができる。
請求項2にかかる接客支援システムによれば、前記顧客状態検出部は、前記顧客の移動履歴において該顧客の所定時間における移動量が予め定められた移動量判定値を下回ったことに基づいて、該顧客の停滞状態を検出するので、顧客の移動履歴から顧客の停滞状態が検出でき、前記顧客停滞状態が検出される場合に、該顧客に対する接客を行なう必要がある旨を該顧客との位置が最も近い店員に報知することができる。
請求項3にかかる接客支援システムによれば、前記顧客状態検出部は、前記顧客の移動履歴において該顧客が同一の地点を予め定められた回数判定値を上回る回数だけ通過したことに基づいて、該顧客の停滞状態を検出するので、顧客の移動履歴から顧客の停滞状態が検出でき、前記顧客の停滞状態が検出される場合に、該顧客に対する接客を行なう必要がある旨を該顧客との位置が最も近い店員に報知することができる。
請求項4にかかる接客支援システムによれば、前記顧客状態検出部は、前記顧客の移動履歴において該顧客が予め定められた時間判定値を上回った時間だけ停止したことに基づいて、該顧客の停滞状態を検出するので、顧客の移動履歴から顧客の停滞状態が検出でき、前記顧客の停滞状態が検出される場合に、該顧客に対する接客を行なう必要がある旨を該顧客との位置が最も近い店員に報知することができる。
請求項5にかかる接客支援システムによれば、前記店員繁忙度算出部により、前記複数の店員のそれぞれについて、該複数の店員の移動履歴に基づいて前記複数の店員のそれぞれの位置の検出の直前の予め定められた所定時間区間における移動量が繁忙度として算出され、前記店員データベース部においては、該店員繁忙度算出部によって算出された前記複数の店員のそれぞれの繁忙度に関する情報を前記複数の店員ごとに記憶され、前記店員抽出部により、前記店員データベース部に記憶された前記繁忙度の低い順に店員が抽出されるので、前記顧客の商品の購入に躊躇する状態が検出される場合に、該顧客に対する接客を行なう必要がある旨を繁忙度の低い順に店員に報知することができる。
請求項6にかかる接客支援システムによれば、前記商品配列データベース部には、複数の商品の種類についての情報と、該商品が陳列(配列)される位置についての情報とが対応づけて記憶され、前記停滞箇所配列商品識別部によって、該商品配列データベース部に記憶された情報と、前記顧客状態検出部により前記顧客の停滞状態が検出された場合に前記顧客状態検出部により前記顧客の位置とされた停滞位置についての情報とに基づいて、前記停滞位置に近接して配列された商品が識別され、前記店員データベース部においては、前記複数の店員のそれぞれが担当する商品の種類についての情報が前記複数の店員ごとに記憶され、前記店員抽出部は、前記停滞箇所配列商品識別部により識別された商品と前記店員データベース部に記録された担当する商品とが一致する店員が優先して抽出されるので、前記顧客の停滞状態が検出される場合に、前記停滞位置に近接して配列された商品を顧客が購入を検討している商品である可能性が高いとして、該顧客に対する接客を行なう必要がある旨を該商品を担当する店員に報知することができる。
請求項7にかかる接客支援システムによれば、前記店員データベース部において、前記複数の店員の位置についての情報が該複数の店員ごとに記憶され、前記店員抽出部により、前記店員データベース部に記憶された情報に基づいて、前記顧客の位置との距離が短い順に店員が抽出されるので、前記顧客の商品の購入に躊躇する状態が検出される場合に、該顧客との距離が短い位置にいる店員から順に接客を行なう必要がある旨を報知することができる。
請求項8にかかる接客支援システムによれば、前記停滞時間計測部により、前記顧客状態検出部により検出される前記顧客の停滞状態が継続した時間である停滞時間が計測され、前記店員抽出部により、該停滞時間計測部によって計測される前記停滞時間が予め定められた継続時間判定値を上回る場合には、前記複数の店員のうち既に抽出された店員を除いた店員を対象として再度の抽出が行なわれるので、前記顧客の停滞状態が所定の継続時間判定値を超えて継続して検出される場合に、該顧客に対する接客を行なう必要がある旨を既に抽出された店員以外の店員から抽出された店員に報知することができる。
請求項9にかかる接客支援システムによれば、前記停滞時間計測部により、前記顧客状態検出部により前記顧客の停滞状態が継続して検出された場合に、該顧客の停滞状態が継続した停滞時間が計測され、前記報知部により、前記出力装置により前記停滞時間計測部によって計測される前記停滞時間が表示されるので、前記顧客の停滞状態が継続して検出される場合に、前記停滞時間についての情報を抽出された店員に報知することができる。
好適には、前記接客中判定部は、前記位置検出部によって検出される前記顧客に付随する移動局の位置と、前記複数の店員の何れか一の店員に付随する移動局の位置との距離が、予め定められた所定の接客中判定距離よりも小さい状態が予め定められた所定の接客中判定時間よりも長い時間だけ連続したことに基づいて、前記一の店員は接客中であると判定する。このようにすれば、位置検出部によって検出可能な店員の位置と顧客の位置に基づいて、前記複数の店員のそれぞれが接客中であるか否かを判断することができる。
以下、本発明の一実施例について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、本発明の接客支援システム6の一例を説明する図である。図1に示すように、接客支援システム6は、例えば顧客によって保持されるなどしてその顧客に伴って移動させられる顧客移動局10と、例えば複数の店員のそれぞれによって保持されるなどしてそれら店員のそれぞれに伴って移動させられる店員移動局11と、それら顧客移動局10および店員移動局11から送信される顧客移動局10および店員移動局11の位置の検出のための電波を受信する既知の位置に設置された複数の基地局12と、顧客移動局10および店員移動局11の位置の算出に必要な演算を行なうための測位サーバ14A、および接客支援に必要となる演算を行なうための接客支援サーバ14Bとを含んで構成される。なお、測位サーバ14Aおよび接客支援サーバ14Bとを区別しない場合、サーバ14という。サーバ14と前記複数の基地局12とは通信ケーブル20により情報交換可能に接続されている。
顧客移動局10は例えば顧客の数に相当する数だけ存在し、図1の接客支援システム6の例においては、第1顧客移動局10A、および第2顧客移動局10Bを含む。なお、第1顧客移動局10A、および第2顧客移動局10Bを区別しない場合、顧客移動局10という。また、店員移動局11は接客を行なう店員の数に相当する数だけ存在し、図1の接客支援システム6の例においては、第1店員移動局11A、第2店員移動局11B、第3店員移動局11Cを含む。なお、第1店員移動局11A、乃至第3店員移動局11Cを区別しない場合、店員移動局11という。また、基地局12は、後述するように、顧客移動局10および店員移動局11の位置を算出(測位)するために必要な数を上回る数だけ設置されており、図1の接客支援システム6の例においては、第1基地局12A乃至第4基地局12Dの4つの基地局を含む。すなわち、基地局12の数は4つに限られない。なお、第1基地局12A乃至第4基地局12Dを区別しない場合、基地局12という。
また、顧客支援システム6が適用される売り場領域8には、商品陳列棚などによりそれぞれ異なる種類の商品が配列される第1商品陳列エリア16A、第2商品陳列エリア16B、第3商品陳列エリア16C、第4商品陳列エリア16Dが設けられている。なお、商品陳列エリアの数は4つに限られない。また、前記第1商品陳列エリア16A乃至第4商品陳列エリア16Dを区別しない場合、商品陳列エリア16という。なお、売り場領域8においては、例えば図1に示す様に座標系が定義され、この売り場領域8における移動局10や基地局12の位置や、後述する商品陳列エリア16などの領域の位置などは例えばこの図1に示す様な共通する座標を用いて表される。
図2は顧客移動局10の有する機能の概要を説明するブロック図である。顧客移動局10は、アンテナ26、移動局無線部22、電子制御装置23などを有して構成される。電子制御装置23は例えばCPU、RAM、ROM、入出力インタフェース等を備えた所謂マイクロコンピュータを含んで構成されており、CPUはRAMの一時記憶機能を利用しつつ予めROMに記憶されたプログラムに従って信号処理を行なうことにより、後述する移動局制御部24における処理などを実行するようになっている。
移動局無線部22は、いわゆる無線通信機能を実現するものであって、アンテナ26を用いて電波の送受信を行なう。例えば移動局無線部22は、前記基地局12に対し相関値を算出するための拡散符号を含む電波を送信する。また、基地局12より送信される、顧客移動局10の作動に関する指令を含む電波を受信する。移動局無線部22は、所定の周波数の搬送波を発生する発振器、電波により送信する信号に基づいて前記搬送波を変調し、またデジタル変調などを行なう変調器、前記変調された搬送波を所定の出力に増幅する送信アンプなどを有する。さらに、移動局無線部22は、アンテナ26によって受信された受信波を増幅する受信アンプ、受信波から所定の周波数成分のみを取り出すフィルタ、デジタル復調や検波器などによる復調を行なう復調器などによって実現される受信機能を含む。このとき、移動局無線部22が行なう無線通信は例えばいわゆるデジタル通信が好適に用いられるので、移動局無線部22はそのデジタル通信に必要となる変調あるいは復調のための機構を含む。
ここで、顧客移動局10の移動局無線部22が送信する電波は、例えば電波に含まれる信号波のヘッダ部分に個々の顧客移動局10を識別するための符号を含める、あるいは個々の顧客移動局10により異なる拡散符号を送信するなど、予め定めた方法により送信される。そのため、その電波を受信した移動局12は前記予め定めた方法に従ってその受信した電波を解析することにより、受信した電波が何れの顧客移動局10から送信されたものであるかを識別することができる。
また、アンテナ26は、前述の移動局無線部22が電波を送受信する際に用いられるものであって、送受信する電波の周波数に適したものが用いられる。また、顧客移動局10からの距離が同じ場合にアンテナ26からの距離が同じ基地局12において顧客移動局10からの方向に関わらず電波を受信できるように、アンテナ26は少なくとも電波の伝搬方向に関して無指向性であるアンテナが好適に用いられる。
移動局制御部24は、前記電子制御装置23により実現されるものであって、移動局無線部22の制御を行なう。具体的には例えば、移動局制御部24は移動局無線部22に対して送信または受信の切り替え、搬送波周波数の設定、送信アンプにおける出力の設定を行なう。これらの制御における設定値の決定は基地局12との通信の結果により、例えば、前記基地局12から送信される指令に基づいて決定される。移動局制御部24はまた、前記基地局12からの顧客移動局10の制御作動に関する指令を、移動局無線部22において受信され、復号された基地局12からの電波の内容を解析することにより解析する。また移動局制御部24は、顧客移動局10が電波によって送信する拡散符号を、例えば図示しない記憶手段から記憶された拡散符号を読み出すことにより、あるいは所定の生成方法、例えば予め定められた原始多項式に基づいて生成することにより決定する。
図3は店員移動局11の有する機能の概要を説明するブロック図である。店員移動局11は、アンテナ86、移動局無線部82、電子制御装置83、出力部89などを有して構成される。このうち、アンテナ86、移動局無線部82、電子制御装置83、は、それぞれ前述の顧客移動局10のアンテナ26、移動局無線部22、電子制御装置23と同様の作動を行なうものであるので、説明を省略する。
なお、店員移動局11の移動局無線部82が送信する電波は、前述の顧客移動局10の移動局無線部22が送信する電波と同様に、例えば電波に含まれる信号波のヘッダ部分に個々の店員移動局11を識別するための符号を含める、あるいは個々の店員移動局11により異なる拡散符号を送信するなど、予め定めた方法により送信されるが、このとき、前記店員移動局11を識別するための符号あるいは個々の店員移動局11により異なる拡散符号は、前記顧客移動局10における符号とも異なるものとされる。そのため、その電波を受信した移動局12は前記予め定めた方法に従ってその受信した電波を解析することにより、受信した電波が何れの店員移動局11から送信されたものであるかを識別することができ、店員移動局11と顧客移動局10とを区別することができる。
出力制御部88は、前記電子制御装置83により実現されるものであって、店員移動局11に設けられた出力部89に対し所定の出力を実行させる。この所定の出力は例えば、後述するサーバ14から送信される情報などである。
出力部89は、例えばスピーカや、液晶ディスプレイなどの出力装置を含んで構成され、音声、音、光学表示の少なくとも1つを出力するものである。この出力部89は、前述の出力制御部88によって制御されることにより、所定の出力を実行する。移動局無線部22の制御を行なう。
図4は、基地局12の有する機能の一例の概要を説明するブロック図である。基地局12は、アンテナ36、基地局無線部32、電子制御装置33、時計40、通信インタフェース42などを含んで構成される。また、電子制御装置33は、例えばCPU、RAM、ROM、入出力インタフェース等を備えた所謂マイクロコンピュータを含んで構成されており、CPUはRAMの一時記憶機能を利用しつつ予めROMに記憶されたプログラムに従って信号処理を行なうことにより、受信時刻検出部38、基地局制御部34などにおける処理を実行するようになっている。
基地局無線部32は、いわゆる無線通信機能を実現するものであって、アンテナ36を用いて電波の送受信を行なう。基地局無線部32は、前記顧客移動局10および店員移動局11の作動を制御する指令を含む電波を送信する。また、基地局無線部32は、顧客移動局10および店員移動局11によって送信される電波を受信し、その内容を必要に応じて後述する受信時刻検出部38などに渡し処理を実行させる。すなわち、基地局無線部32は、所定の周波数の搬送波を発生する発振器、電波により送信する信号に基づいて前記搬送波を変調し、またデジタル変調などを行なう変調器、前記変調された搬送波を所定の出力に増幅する送信アンプなどを有し、また、アンテナ36によって受信された受信波を増幅する受信アンプ、受信波から所定の周波数成分のみを取り出すフィルタ、デジタル復調や検波器などによる復調を行なう復調器などによって実現される。このとき、基地局無線部32が行なう無線通信は例えばいわゆるデジタル通信が好適に用いられるので、基地局無線部32はそのデジタル通信に必要となる変調あるいは復調のための機構を含む。
また、アンテナ36は、前述の基地局無線部32が電波を送受信する際に用いられるものであって、送受信する電波の周波数に適したものが用いられる。また、顧客移動局10および店員移動局11の位置、すなわち基地局12から見た顧客移動局10および店員移動局11の方向に関わらず基地局12からの距離が同じ位置に顧客移動局10および店員移動局11が存在する場合には電波を受信できるように、アンテナ36は少なくとも電波の伝搬方向に関して無指向性であるアンテナが好適に用いられる。
基地局制御部34および受信時刻検出部38は前記電子制御装置33によって実現される。このうち、基地局制御部34は前記基地局無線部32の制御を行なう。具体的には例えば、基地局制御部34は基地局無線部32に対して送信または受信の切り替え、搬送波周波数の設定、送信アンプの出力の設定などを行なう。これらの制御における設定値の決定は後述のサーバ14あるいは顧客移動局10および店員移動局11との通信の結果により決定される。また基地局制御部34は受信時刻検出部38に対しては、受信時刻検出実行の制御および受信時刻検出結果出力の要求および取得を制御する。また基地局制御部34は、基地局無線部32において受信され復号される、顧客移動局10および店員移動局11により送信される電波の内容を解析する。同様に基地局制御部34は、後述する通信インタフェース42において受信されたサーバ14からの送信内容を解析し、基地局12の制御作動に関する指令を取り出す。さらに、基地局制御部34は、後述する通信インタフェース42や基地局無線部32を介して、他の機器に対し必要な情報を送信する。
受信時刻検出部38は、顧客移動局10および店員移動局11から送信される電波に含まれる拡散符号と、その拡散符号のレプリカ符号との相関値を算出する。具体的には、予め顧客移動局10もしくは店員移動局11が送信する拡散符号と同一のレプリカ符号を受信時刻検出部38が有しておき、そのレプリカ符号と、受信された顧客移動局10および店員移動局11からの電波から取り出された拡散符号(受信符号)とをマッチドフィルタに入力することにより、両者の相関値を得ることができる。この相関値のピークを示す時刻が電波の受信時刻となる。したがって相関値のピークを示す時刻を後述の時計40より得ることにより受信時刻が検出される。
時計40は、時刻を計測するものであって、例えば受信時刻検出部38が受信時刻を検出する際などに参照される。各基地局12は各々の時計を有しており、それらの時刻は予め同期されている。
通信インタフェース42は、通信ケーブル20により接続された他の基地局12とサーバ14などとの情報通信を行なう。具体的には、基地局12の同期時刻検出部38によって検出される電波の受信時刻や、顧客移動局10および店員移動局11から送信される電波に含まれる情報が基地局12からサーバ14に送信されるほか、サーバ14から送信される基地局12の作動に関する指令などが受信される。
図5は、サーバ14、の構成の概要を説明する図である。図5に示す様に、サーバ14はCPUに対応し、必要な演算処理を行なう電子制御装置48、RAM、ROM、あるいはハードディスクなどに対応し、前記電子制御装置48などの指示に応じて情報を読み出し可能に記憶する記憶装置50、入出力インタフェース52、およびその入出力インタフェース52に接続され、サーバ14に対するユーザからの入力操作を受け付けるキーボードやマウスなどの入力装置53、サーバ14による作動結果などを表示するためのディスプレイ表示装置などの表示を行なう出力装置54、通信インタフェース46等を備えた所謂コンピュータを含んで構成されており、CPUはRAMの一時記憶機能を利用しつつ予めROMに記憶されたプログラムに従って信号処理を行なうことができる。
通信インタフェース46は、例えば通信ケーブル20により他の基地局12や他のサーバ14、あるいは共有機器16との情報通信を行なう。通信インタフェース48は、例えばサーバ14から基地局12に対し、基地局12の制御作動に関する指令や、後述する測位部56によって算出される顧客移動局10および店員移動局11の位置に関する情報を送信し、また、基地局12から送信される情報、例えば基地局12における電波の受信時刻に関する情報を受信する。この基地局12における電波の受信時刻は、顧客移動局10および店員移動局11から送信される拡散符号の受信時刻として受信時刻検出部38によって検出される。
図6は、サーバ14の電子制御装置48が有する機能の概要を説明する機能ブロック線図である。なお、図6において、測位サーバ14Aの電子制御装置48Aの有する機能は一点鎖線で、接客支援サーバ14Bの電子制御装置48Bの有する機能は破線でそれぞれ囲まれている。図6における機能は例えば、前記図5のサーバ14において所定のプログラムが実行されることにより実現される。測位部56は、4つの基地局12において検出された顧客移動局10および店員移動局11からの電波の受信時刻の時間差に基づいて顧客移動局10および店員移動局11の位置の算出を行なう(例えば後に詳述するTDOA(Time Difference of Arrival)方式により位置の算出を行なう)。移動局の座標を(x、y)とし、第1基地局12Aの位置を表す座標が(xB1,yB1)、第2基地局12Bの座標が(xB2,yB2)、第3基地局12Cの座標が(xB3,yB3)、第4基地局12Dの座標が(xB4,yB4)であるとき、移動局の位置は以下の(1)式により表される。ここで、これらの基地局12や顧客移動局10あるいは店員移動局11の座標は、例えば図1に示す様に定義された座標系により表わされる。
(xB1−x)2+(yB1−y)2={c×(Tr1−Ts)}2
(xB2−x)2+(yB2−y)2={c×(Tr2−Ts)}2
(xB3−x)2+(yB3−y)2={c×(Tr3−Ts)}2
(xB4−x)2+(yB4−y)2={c×(Tr4−Ts)}2…(1)
ここで、Tr1乃至Tr4(sec)はそれぞれ、第1基地局12A乃至第4基地局12Dにおける電波の受信時刻、Tsは顧客移動局10あるいは店員移動局11での電波の送信時刻であり、例えば顧客移動局10あるいは店員移動局11から基地局12に対し電波により送信され、これを基地局12が受信することにより得られる。すなわち、前記(1)式の各式の右辺における(Tri−Ts)(i=1,2,…)は、顧客移動局10あるいは店員移動局11から基地局12iへの電波の伝搬時間を表しており、c×(Tri−Ts)は、顧客移動局10あるいは店員移動局11と基地局12iとの距離を表している。(1)式はx、y、Tsを未知数とした連立方程式となる。(1)式よりTsを消去すると以下の(2)式となる.
この(2)式を解くことにより未知数x、yが得られる。具体的にはニュートン法などの求解法を使用することにより(2)式の解、すなわち顧客移動局10あるいは店員移動局11の位置を算出する。そして、顧客移動局10あるいは店員移動局11はその顧客移動局10あるいは店員移動局11を保持する使用者と共に移動させられるので、算出された顧客移動局10あるいは店員移動局11の位置はそれぞれ顧客あるいは店員の位置でもある。なお、測位部56と、顧客移動局10および店員移動局11、基地局12などからなる位置検出システムが位置検出部に対応する。なお、前記(1)式および(2)式に示す様に、顧客移動局10および店員移動局11が2次元平面を移動する場合には、少なくとも3局の基地局12によって顧客移動局10あるいは店員移動局11からの電波を受信する必要がある。
(xB1−x)2+(yB1−y)2={c×(Tr1−Ts)}2
(xB2−x)2+(yB2−y)2={c×(Tr2−Ts)}2
(xB3−x)2+(yB3−y)2={c×(Tr3−Ts)}2
(xB4−x)2+(yB4−y)2={c×(Tr4−Ts)}2…(1)
ここで、Tr1乃至Tr4(sec)はそれぞれ、第1基地局12A乃至第4基地局12Dにおける電波の受信時刻、Tsは顧客移動局10あるいは店員移動局11での電波の送信時刻であり、例えば顧客移動局10あるいは店員移動局11から基地局12に対し電波により送信され、これを基地局12が受信することにより得られる。すなわち、前記(1)式の各式の右辺における(Tri−Ts)(i=1,2,…)は、顧客移動局10あるいは店員移動局11から基地局12iへの電波の伝搬時間を表しており、c×(Tri−Ts)は、顧客移動局10あるいは店員移動局11と基地局12iとの距離を表している。(1)式はx、y、Tsを未知数とした連立方程式となる。(1)式よりTsを消去すると以下の(2)式となる.
図7は、前記(1)式の関係を図示したものである。図7においては、説明のため、前述の図1とは異なる基地局12の配置とされている。図7のr1乃至r4は第1基地局12A乃至第4基地局12Dのそれぞれと移動局10との距離を表しており、前記(1)式の各式の右辺の平方根に対応するものである。すなわち、(1)式の解の算出は、図7における第1基地局12Aを中心とする半径r1の円、第2基地局12Bを中心とする半径r2の円、第3基地局12Cを中心とする半径r3の円、第4基地局12Dを中心とする半径r4の円の交点を算出するものである。一方、前記(1)式が前記(2)式のように変形されることにより、(2)式はTsを含まないものとなるので、移動局10での電波の送信時刻を必要とすることなく移動局10の位置の算出を行なうことができる。
ここで、前述のように複数の顧客移動局10および店員移動局11が送信する電波は相互に識別可能なものであるので、測位部56は、顧客移動局10および店員移動局11の位置をそれぞれを識別可能に算出する。また、測位部56は前記顧客移動局10および店員移動局11のそれぞれについて、顧客移動局10および店員移動局11を保持して移動する移動者と関連付けて記憶するので、位置が算出された顧客移動局10および店員移動局11が何れの顧客あるいは店員使用者の位置であるかを算出することができる。具体的には、測位部56は、店員移動局11が送信する店員移動局11を識別するための符号と店員とを関連付ける情報を予め有しておき、算出される店員移動局11の位置がいずれの店員の位置であるかを特定することができる。
移動履歴生成部58は、前記測位部56により例えば予め定められた所定の間隔により算出される顧客移動局10および店員移動局11の位置の履歴を、それぞれ顧客および店員の移動履歴として生成する。具体的には例えば、図1における破線96および97はそれぞれ顧客および店員の移動履歴を表わしている。
図8は、この移動履歴生成部58による移動履歴の生成を説明する図である。図8において、点P1、P2、およびP3は、それぞれ時刻t1、t2、およびt3において前記測位部56において算出された顧客移動局10あるいは店員移動局11の位置を表わしている。移動履歴生成部58は、図8に示すように、点P1、P2、P3を順に例えば直線で結んだ線を顧客あるいは店員の移動履歴96あるいは97として生成する。ここで、点P1からP3の移動距離は、P1とP2との距離のd12およびP2とP3との距離d23との和によって表わされる。
接客中判定部62は、移動履歴生成部58によって生成される顧客の移動履歴と店員の移動履歴とを比較し、店員が接客中であるか否かを判定する。この判定は、例えば、店員と顧客とが予め定められた所定の間隔より短い間隔にある状態が予め設定された接客判定時間を上回った場合に、接客中であると判断する。すなわち、顧客と店員とが前記所定の間隔より短い間隔で停止していたり、あるいは顧客と店員とが前記所定の間隔より短い間隔を保ったまま移動している場合には、前記顧客と店員との間で接客が行なわれているとして、その店員は接客中であると判定する。接客中判定部62は、例えば個々の顧客について、それぞれ接客中の店員が存在するか否かの判定を行なう。
図9は、この接客中判定部62による判定を説明する図であって、例えば顧客移動局10の位置を中心として、前記所定の間隔RTHの円の内側に店員移動局11が前記接客判定時間を上回って存在する場合には、その円の内側にある店員移動局11を保持する店員が、その円の中心にある顧客移動局10を保持する顧客の接客を行なっていると判定する。前記所定の間隔RTHは、例えば数メートルなどのように接客が行なわれると判断することができる店員と顧客との距離の値として予め定められる値である。
店員繁忙度算出部64は、前記移動履歴生成部58によって生成される店員の移動履歴に基づいて、店員のそれぞれの繁忙度を算出する。この店員の繁忙度は、具体的には例えば測位時までの所定時間区間における店員の移動距離であって、店員繁忙度算出部64は、前記移動履歴生成部58によって生成される店員の移動履歴97において、その所定時間区間に対応する移動履歴を抽出し、例えば前述の図8で説明したように、その距離を算出する。店員繁忙度算出部64は、例えば全ての店員のそれぞれについて、前記繁忙度の算出を行なう。
店員データベース部60は例えば前記接客支援サーバ14Bの記憶装置50によって実現されるものであって、店員データベース部60には、複数の店員のそれぞれについて、店員移動局11のそれぞれを識別するための符号であって、店員移動局11から送信される店員移動局IDと、その店員移動局11を所持する店員名、その位置、接客中であるか否か、繁忙度についての情報を記憶する。ここで、店員の位置についての情報は前記測位部56あるいは前記移動履歴生成部58によって算出され、接客中であるか否かについての情報は前記接客中判定部62によって判定され、繁忙度についての情報は前記店員繁忙度算出部64によって算出されるものが用いられる。
また、店員データベース部60は、予め入力されるなどして得られた情報として、店員のそれぞれの担当する分野および担当する商品についての情報を記憶する。なお、前記分野には前記商品の上位カテゴリを表わす分類が用いられる。
図10は、店員データベース部60に記憶される情報の一例を説明する図である。図10に示すように、店員データベース部60には店員ごとに、その担当分野、担当商品、接客中である(○)か否(×)か、繁忙度、すなわち前記所定区間における移動履歴の距離についての情報が記憶されている。例えば、店員移動局IDが0001の店員移動局11を所持する店員Aは、その担当分野は家電、担当商品はテレビ・ビデオであり、現在接客中であり、また、繁忙度は0.0であることが記憶されている。
図6に戻って、顧客状態検出部66は、前記移動履歴生成部58によって生成された顧客の移動履歴96に基づいて、顧客が停滞状態にあるか否かを検出する。具体的には、顧客状態検出部68は、(1)顧客の移動履歴96においてその顧客の所定時間における移動量が予め定められた移動量判定値を下回ったこと、より具体的には、顧客の所定時間における移動量が、前記所定時間の直前の所定時間区間における移動量の半分以下となったこと、(2)顧客の移動履歴96においてその顧客が同一の地点を予め定められた回数判定値を上回る回数(例えば3回)だけ通過したこと、(3)顧客の移動履歴96においてその顧客が予め定められた時間判定値(例えば5分)を上回った時間だけ停止したことの少なくとも1つが満たされた場合に、その顧客が停滞状態にあると判断する。なお、顧客が停止しているか否かは、前記予め定められた時間判定値における移動量が顧客が停止していると見なすことができる所定のしきい値(例えば1m)未満であることなどによって判断する。この停滞状態は、顧客が商品の購入を検討、あるいは購入を躊躇していると推定される状態である。
商品配列データベース部72は、例えば前記接客支援サーバ14Bの記憶装置50によって実現されるものであって、売り場領域8に複数設けられた商品陳列エリア16(図1参照)のそれぞれの位置と、それらの商品陳列エリア16において配列されている商品についての情報を読み出し可能に記憶する。
図11は、商品配列データベース部72に記憶される情報の一例を説明する図である。図11に示すように、商品配列データベース部72には、商品陳列エリアに対し、また、図11においては省略されているが、例えば図1のマップのような形式、あるいは座標を用いて表現された情報により、それぞれの商品陳列エリア16の位置についての情報が記憶されている。その商品陳列エリアに配列されている販売商品の名称がそれぞれ記憶されている。例えば、第1商品陳列エリア16Aには、パソコンが販売されていることが記憶されている。
停滞箇所配列商品識別部74は、前記顧客状態検出部66により顧客の停滞状態が検出された場合に、その顧客の位置と前記商品配列データベース部72に記憶された情報とに基づいて、顧客の位置に対応する商品を識別する。具体的には、停滞箇所配列商品識別部74は前記顧客状態検出部66により顧客の停滞状態が検出された際の顧客の位置を移動履歴生成部58などから読み出し、前記商品配列データベース部72に記憶された情報からその位置に最も近い商品陳列エリア16を選択し、前記選択された商品陳列エリア16に陳列される商品についての情報を読み出す。この停滞箇所配列商品識別部74は、顧客が購入を検討あるいは躊躇している商品を特定する作動に対応する。
具体的な例を図1などを用いて説明する。図1において、第2顧客移動局10Bを保持する顧客の移動履歴が移動履歴生成部58によって生成され、移動履歴96Bによって表わされている。顧客状態検出部66は、その顧客の移動履歴96Bにおいて同じ箇所98を3回通過したことを検出し、顧客が停滞状態にあることを検出する。停滞箇所配列商品識別部74は、前記商品配列データベース部72に記憶された情報から前記停滞状態が検出された位置98に最も近い商品陳列エリア16である第2商品陳列エリア16Bを選択し、その第2商品陳列エリア16Bに陳列される商品はパソコンであることを読み出す。
停滞時間計測部78は、前記顧客状態検出部66により顧客の停滞状態が検出された場合に、その顧客の停滞状態が継続している時間である停滞時間を計測する。すなわち、この停滞時間は、顧客の停滞状態が継続している時間である。
店員抽出部68は、前記顧客状態検出部66によって顧客の停滞状態が検出された場合に、その顧客の位置と、前記店員データベース部60に記憶された情報、停滞箇所配列商品識別部74によって識別された商品についての情報、停滞時間計測部78によって計測される前記停滞時間についての情報とに基づいて、店員が接客を行なう必要があるか否かの判断を行なうとともに、接客を行なう必要があると判断された場合において、接客を行なうべき店員を抽出する。
店員抽出部68は、まず、前記顧客状態検出部66によって停滞状態にある顧客が検出された場合に、前記接客中判定部62によってその停滞状態にある顧客に対し接客を行なっている店員が既にいるか否かに基づいて、店員が接客を行なう必要があるか否かを判断する。すなわち、接客中判定部62によって前記停滞状態にある顧客に対し既に接客を行なっている店員がいると判定された場合には、既に接客が行なわれており、接客を行なう店員を抽出を行なう必要はないと判断する。
店員抽出部68は、接客を行なう店員を抽出する必要があると判断した場合には、停滞状態が検出された顧客の位置と、複数の店員のそれぞれの位置とに基づいて、前記顧客と前記複数の店員のそれぞれとの距離を算出する。この距離は、例えば店員が実際に通行可能な経路のうち、最も短い経路の距離が算出される。詳細な説明は省略するが前記経路の距離の算出には周知のA*(エースター)などのアルゴリズムが用いられ前記顧客と前記複数の店員のそれぞれとの距離が算出される。そして、算出された距離に応じて、前記複数の店員を複数の区分に分ける。具体的には例えば、顧客との距離が10m以内の位置にある店員、顧客との距離が10mを超え20m以内の位置にある店員、顧客との距離が20mを超え30m以内の位置にある店員、顧客との距離が30mを超える位置にある店員、の4つに区分する。
続いて、店員抽出部68は、前記停滞状態が検出された顧客との距離に応じて区分されたそれぞれの店員について、繁忙度に基づいてさらに小区分に分ける。具体的には例えば、繁忙度、すなわち測位時までの所定時間区間における店員の移動距離が3m以内である店員、繁忙度が3mを超え6m以内である店員、繁忙度が6mを超え9m以内である店員、繁忙度が9mを超える店員の4つに区分する。このとき、この小区分は、前記顧客との距離による区分のそれぞれにおいて同じであっても異なってもよい。具体的には、前記顧客との距離に応じた4つの区分のそれぞれについて繁忙度に応じて4つの小区分にわけてもよいし、顧客との距離が10m以内の位置にある店員、客との距離が10mを超え20m以内の位置にある店員の区分については、それぞれ前記4つの小区分に区分を行なう一方、顧客との距離が30m以内の位置にある店員の区分については、繁忙度が5m以内である店員、繁忙度が10m以内である店員、繁忙度が10mを超える店員の3つの小区分に区分してもよい。また、前記顧客との距離の区分により、接客を行なう店員として抽出されない区分については、繁忙度に基づいて区分を行なう必要はない。具体的には、顧客との距離が30mを超える位置にある店員の区分は接客を行なう店員として抽出されない場合には、この区分については繁忙度に基づいて小区分に区分しない。このようにして、店員抽出部68は、前記複数の店員のそれぞれを、前記停滞状態が検出された顧客との距離と、前記繁忙度のそれぞれに基づいて区分される小区分のいずれかに振り分ける。
一方、店員抽出部68は、前記停滞状態が検出された顧客との距離と前記繁忙度とのそれぞれに基づいて区分される小区分のそれぞれについて、優先度を設定する。店員抽出部68はこの優先度の値の小さい、すなわち優先度の高い区分に属する店員から順に前記停滞状態が検出された顧客の接客を行なう店員を抽出する。具体的には、例えば前記顧客との距離が遠くなるほど、また、前記繁忙度の値が大きくなるほど優先度が低くなるように優先度が設定される。
図12は、店員抽出部68による優先度の設定の一例を説明する図である。図12に示すように、前記停滞状態が検出された顧客との距離と前記繁忙度とのそれぞれに基づいて区分される小区分のそれぞれについて1乃至4の優先度が設定されており、その優先度は、繁忙度が小さい程、また、停滞状態が検出された顧客との距離が小さいほど優先度が高くなるように設定されている。このことは、前記店員抽出部68が、前記顧客との距離が短い順に店員を抽出するとともに、前記繁忙度の低い順に店員を抽出することを表わしている。
店員抽出部68はまた、前記停滞箇所配列商品識別部74において識別された商品についての情報と、前記店員データベース部60に記憶された前記複数の店員のそれぞれの担当分野および担当商品についての情報とに基づいて、前記停滞状態が検出された顧客の接客を行なう店員を抽出する。例えば、前記停滞状態が検出された顧客との距離と前記繁忙度とのそれぞれに基づいて行なわれた小区分に複数の店員が含まれる場合において、店員抽出部68は、(1)前記停滞箇所配列商品識別部74において識別された商品と同一の商品を担当する店員、(2)前記停滞箇所配列商品識別部74において識別された商品が含まれる分野を担当する店員、(3)それらの何れでもない店員の順に店員が抽出されるように、前記停滞箇所配列商品識別部74において識別された商品と同一の商品を担当する店員を優先して抽出する。
店員抽出データベース部70は、店員抽出部68により以上のように決定された店員の抽出の順序についての情報を読み出し可能に記憶する。図13は、この店員抽出データベース部70に記憶される情報の一例を説明する図である。図13に示すように、前記複数の店員のそれぞれについて、その店員が属する前記小区分に設定された優先度についての情報と、前記停滞箇所配列商品識別部74において識別された商品の属する分野とその店員が担当する分野とが一致するかについての情報、および、前記停滞箇所配列商品識別部74において識別された商品とその店員が担当する商品とが一致するかについての情報が記憶されている。
店員抽出部68は、例えば図13のように店員抽出データベース部70に記憶された情報に基づいて、優先度の高い店員から順に店員の抽出を行なう。また、優先度が同じ店員が複数存在する場合には、前記停滞箇所配列商品識別部74において識別された商品とその店員が担当する商品とが一致する店員を優先して抽出し、続いて、前記停滞箇所配列商品識別部74において識別された商品の属する分野とその店員が担当する分野とが一致する店員を抽出し、その後、それらのいずれでもない店員を抽出する。
また、店員抽出部68は、前記停滞時間計測部78によって計測される停滞時間が前記所定の継続時間判定値を上回る場合には、店員抽出部68により抽出された店員により接客が行なわれていないとして、既に店員抽出部68により抽出された店員を抽出の対象から除外して、再度停滞状態が検出された顧客の接客を行なう店員の抽出を行なう。具体的には、店員抽出部68は、前記店員抽出データベース部70に記憶された情報に基づいて、前記複数の店員のうちから、既に抽出された店員を除外した後に、最も優先度の高い店員を抽出する。また、優先度が同じ店員が複数存在する場合には、前記停滞箇所配列商品識別部74において識別された商品とその店員が担当する商品とが一致する店員を優先して抽出し、続いて、前記停滞箇所配列商品識別部74において識別された商品の属する分野とその店員が担当する分野とが一致する店員を抽出し、その後、それらのいずれでもない店員を抽出する。
報知部76は、店員抽出部68により停滞状態が検出された顧客の接客を行なう店員が抽出された場合に、抽出された店員によって保持される店員移動局11の出力部89に所定の出力を行なわせる。この所定の出力は、前記報知部76によって行なわれた出力のための指令(コマンド)が、通信ケーブル20を介して接客支援サーバ14Bからいずれかの基地局12(好適には報知する店員移動局11の位置に最寄りの位置となる基地局12)に送信され、更にその基地局12から前記店員移動局11に無線により送信されることによって前記店員移動局11に伝えられ、店員移動局11の出力制御部88によってこの指令に応じて前記出力部89の作動が制御されることによって行なわれる。この出力により、抽出された店員に抽出されたことが報知される。
報知部78はまた、前記停滞時間計測部78によって計測される停滞時間についての情報を、例えば接客支援サーバ14Bの表示装置54などに表示する。このようにすれば、店員は長時間停滞状態にある、すなわち、停滞状態にあるにもかかわらず接客の行なわれていない顧客が存在することを、その停滞時間により知ることができる。
図14は、本実施例の接客支援システム6の制御作動の一例を説明するフローチャートである。まずステップ(以下「ステップ」を省略する。)SA1においては、顧客移動局10および店員移動局11の位置を算出するための測位ルーチンが行なわれる。
図15はこの測位ルーチンにおける制御作動の一例を説明するフローチャートであって、顧客移動局10または店員移動局11、基地局12、測位サーバ14Aのそれぞれの作動を表わしたものである。この測位ルーチンが前記顧客移動局10および店員移動局11のそれぞれについて実行されることにより、顧客移動局10および店員移動局11のそれぞれの位置が算出される。まず、ステップ(以下「ステップ」を省略する。)SB1においてはサーバ14から各基地局12のそれぞれに対し、顧客移動局10または店員移動局11の測位を実行するための指令が行なわれる。この指令は、(1)複数の基地局12のいずれか1つに対し、顧客移動局10または店員移動局11に測位のための電波を送信させるための指令を基地局12の基地局無線部32から顧客移動局10または店員移動局11に送信させる指令と、(2)複数の基地局12のそれぞれに対し、顧客移動局10または店員移動局11から送信される測位の為の電波を受信し、受信時刻を検出し、検出した受信時刻をサーバ14に送信させる指令とを含む。このうち、前記(1)の指令は、サーバ14は無線通信のための電波の送受信などについての機能を有していないために、サーバ14から顧客移動局10または店員移動局11への指令はいずれかの基地局12の有する基地局無線部32を介して行なわれることによるものであって、前記いずれか1つの基地局12は、例えば、最寄りに位置する基地局12とされる。
SB2においては、各基地局12において、サーバ14からのSB1の指令が受信されたか否かが待機される。サーバ14からのSB1の指令が受信される場合には、本ステップの判断が肯定され、続くSB3が実行される。一方サーバ14からのSB1の指令が受信されない場合には、本ステップの判断が否定され、繰り返しSB1が実行されて、サーバ14からのSB1の指令が受信されるまで待機が行なわれる。
SB3は、SB2の判断が肯定された場合に実行されるステップであって、SB2で受信されたサーバ14からの指令が実行される。具体的には、前記(1)の指令を受信した基地局12においては、顧客移動局10または店員移動局11に測位のための電波を送信させるための指令が無線により顧客移動局10または店員移動局11に対して送信される。また、前記(2)の指令を受信した基地局12においては、顧客移動局10または店員移動局11から送信される測位のための電波の受信が行なわれる。
SB4においては、顧客移動局10または店員移動局11において、測位のための電波の送信を行なうための指令(SB3)が受信されたか否かが待機される。顧客移動局10または店員移動局11において測位のための電波の送信を行なうための指令が受信された場合には本ステップの判断が肯定され、続くSB5が実行される。一方、測位のための電波の送信を行なうための指令が受信されない場合には本ステップの判断が否定され、繰り返しSB4が実行されて、測位のための電波の送信を行なうための指令が受信されるまで待機が行なわれる。
顧客移動局10または店員移動局11の移動局無線部22などに対応するSB5においては、顧客移動局10または店員移動局11から測位のための電波の送信が行なわれる。この測位のための電波には、受信時刻を検出するための拡散符号が含まれる。
各基地局12の基地局無線部32などに対応するSB6においては、顧客移動局10または店員移動局11から送信される測位のための電波が受信されたか否かが判断される。顧客移動局10または店員移動局11から送信される電波が受信された場合においては、本判断は肯定され、続くSB9が実行される。一方、顧客移動局10または店員移動局11から送信される電波が受信されない場合、本ステップの判断が否定され、続くSB7が実行される。
SB7においては、移動局からの電波の受信を開始してからの経過時間が予め設定されたタイムアウト時間を超えたか否かが判断される。そして、経過時間が前記タイムアウト時間を超えた場合には本ステップの判断が肯定され、SB8が実行される。また、経過時間が前記タイムアウト時間を超えていない場合には本ステップの判断は否定され、引き続き顧客移動局10または店員移動局11からの電波の受信が行なわれる。
SB7の判断が肯定された場合に実行されるSB8においては、SB7の判断が肯定された基地局については、顧客移動局10または店員移動局11からの電波を受信することができなかったとして、エラー処理が行なわれる。具体的には例えば、サーバ14に対し、顧客移動局10または店員移動局11からの電波を受信しなかった旨の情報が送信される。
受信時刻検出部38に対応するSB9においては、SB6において受信が行なわれた顧客移動局10または店員移動局11からの測位のための電波に含まれている拡散符号と、予め各基地局が有している前記拡散符号のレプリカ符号との相関値が算出され、その相関値がピークとなった時刻が顧客移動局10または店員移動局11からの電波の受信時刻として検出される。
SB10においては、各基地局12においてSB9で検出された顧客移動局10または店員移動局11からの電波の受信時刻についての情報がサーバ14に送信される。
SB11においては、各基地局12における顧客移動局10または店員移動局11からの電波の受信時刻についての情報が、予め定められた所定数以上の数の基地局12から送信され、サーバ14に受信されたか否かが判断される。この所定数は、続くSB14において顧客移動局10または店員移動局11の位置の算出を行なうために必要となる数であって、例えば顧客移動局10または店員移動局11の移動が3次元空間である場合には4つであり、2次元平面である場合や、3次元空間であっても顧客移動局10または店員移動局11の高さについての情報を図示しない高さ検出手段などにより得ることが可能な場合には3つである。前記所定数以上の数の基地局12から受信時刻についての情報が受信された場合には、本ステップの判断は肯定され、続くSB14が実行される。一方、前記所定数以上の数の基地局12から受信時刻についての情報が受信されない場合には、本ステップの判断が否定され、続くSB12が実行される。
SB12においては、SB1の指令を行なってからの経過時間が予め設定されたタイムアウト時間を超えたか否かが判断される。そして、経過時間が前記タイムアウト時間を超えた場合には本ステップの判断が肯定され、SB13が実行される。また、経過時間が前記タイムアウト時間を超えていない場合には本ステップの判断は否定され、引き続き基地局12からの受信時刻についての情報の受信が行なわれる。
SB12の判断が肯定された場合に実行されるSB13においては、顧客移動局10または店員移動局11の位置の算出を行なうために必要な数の基地局12から、顧客移動局10または店員移動局11からの電波の受信時刻を受信することができなかったとして、エラー処理が行なわれる。具体的には例えば、顧客移動局10または店員移動局11の位置の算出に失敗した旨の情報が記録される。
測位サーバ14Aの測位部56に対応するSB14においては、SB11で受信された各基地局12における顧客移動局10または店員移動局11からの電波の受信時刻についての情報に基づいて、顧客移動局10または店員移動局11の位置の算出が実行される。具体的には、前記各基地局12における顧客移動局10または店員移動局11からの電波の受信時刻についての情報と、予め既知である各基地局12の位置に関する情報に基づいて前記(2)式を解くことにより、顧客移動局10または店員移動局11の位置が算出される。このように算出された顧客移動局10または店員移動局11の位置についての情報は、接客支援サーバ14に送信され、その時間変化である移動履歴が生成される。
図14に戻って、顧客状態検出部66に対応するSA2においては、顧客移動局10を保持する顧客が停滞状態であるか否かを検出する顧客状態検出ルーチンが実行される。この顧客状態検出ルーチンは、顧客移動局10が複数ある場合には、それぞれの顧客移動局10について実行される。
図16は、この顧客状態検出ルーチンにおける制御作動の一例を説明するフローチャートである。まず、ステップ(以下「ステップ」を省略する。)SC1においては、前記測位ルーチンによって算出される顧客の位置の時間変化である移動履歴96が読み出される。
続いて、SC2においては、SC1で読み出された顧客の移動履歴96においてその顧客の所定時間における移動量が予め定められた移動量判定値を下回ったか否か、具体的には、顧客の所定時間(例えば現時点から1分前までの1分間)における移動量が、前記所定時間の直前の所定時間区間(例えば現時点より1分前から2分前までの1分間)における移動量の半分以下となったか否かが判断される。そして、例えば現時点から1分前までの1分間における顧客の移動量が、現時点より1分前から2分前までの1分間における移動量の半分以下となった場合には、本ステップの判断が肯定され、SC6が実行される。一方、現時点から1分前までの1分間における移動量が、現時点より1分前から2分前までの1分間における移動量の半分以下とならなかった場合には、本ステップの判断が否定され、SC3が実行される。
SC3においては、SC1で読み出された顧客の移動履歴96において、そのその顧客が予め定められた時間判定値(例えば5分)を上回った時間だけ停止しているか否かが判断される。具体的には、前記予め定められた時間判定値における移動量が顧客が停止していると見なすことができる所定のしきい値(例えば1m)未満である場合にはその顧客は停止していると判断される。そして、顧客が停止していると判断される場合には、本ステップの判断は肯定され、SC6が実行される。一方、顧客が停止していないと判断される場合には、本ステップの判断は否定され、SC4が実行される。
SC4においては、SC1で読み出された顧客の移動履歴96において、その顧客が同一の地点を予め定められた回数判定値を上回る回数(例えば3回)だけ通過したか否かが判断される。そして、顧客が同一の地点を例えば3回以上通過した場合には、本ステップの判断が肯定され、SC6が実行される。一方、顧客が同一の地点を例えば3回以上通過していない場合には、本ステップの判断が否定され、SC5が実行される。
SC5は、SC2乃至SC4の判断が何れも否定された場合に実行されるステップであって、顧客は停滞状態にないとの判断が行なわれる。例えば、停滞状態であることを示すフラグがオフとされ、図14のフローチャートに戻る。
SC6は、SC2乃至SC4の判断の少なくともいずれか1つが肯定された場合に実行されるステップであって、顧客が停滞状態であるとの判断が行なわれる。例えば停滞状態であることを示すフラグがオンとされ、図14のフローチャートに戻る。
図14に戻って、SA3においては、前記停滞状態であることを示すフラグの状態に基づいて、停滞状態にあることが検出された顧客が存在したか否かが判断される。停滞状態にあることが検出された顧客が存在する場合には、本ステップの判断は肯定され、SC4以降が実行される。一方、停滞状態にあることが検出された顧客が存在しない場合には、本ステップの判断は否定され、本フローチャートが最初から再度実行される。
停滞時間計測部78などに対応するSA4においては、顧客の停滞状態が検出されてからの経過時間である停滞時間が計測される。また、例えば接客支援サーバ14Bの表示装置54などにその計測される停滞時間についての情報が表示される。
停滞箇所配列商品識別部74に対応するSA5においては、SA3において停滞状態が検出された顧客の停滞位置98についての情報と、前記商品配列データベース部72に記憶された商品陳列エリア16のそれぞれにおいて陳列される商品についての情報とに基づいて、前記停滞位置に最も近い前記商品陳列エリア16において陳列されている商品が、顧客が商品の購入を検討もしくは躊躇している商品であるとして識別される。
店員繁忙度算出部64に対応するSA6においては、前記複数の店員のそれぞれについて、繁忙度、すなわちSA1において位置が検出される直前の所定時間区間における店員の移動距離(移動量)が算出される。この繁忙度の算出は、SA1において算出される店員の位置の履歴である移動履歴97において、前記所定時間区間に対応する移動履歴を抽出し、その距離を算出することにより行なわれる。算出された繁忙度についての情報は、店員データベース部60に記憶される。
接客中判定部62に対応するSA7においては、前記複数の店員のそれぞれについて、接客中であるか否かの判定が行なわれる。この判定は、SA1において位置が算出される顧客の位置の履歴である移動履歴86と店員の位置の履歴である97と比較し、店員と顧客とが予め定められた所定の間隔より短い間隔にある状態が予め設定された接客判定時間を上回ったか否かに基づいて行なわれる。算出された接客中であるか否かについての情報は、店員データベース部60に記憶される。
店員抽出部68などに対応するSA8においては、前記停滞状態が検出された顧客を接客する店員を抽出する店員抽出データベース生成ルーチンが実行される。図17は、この店員抽出データベース生成ルーチンにおける作動の一例を説明するフローチャートである。このフローチャートは前記複数の店員のそれぞれについて実行される。
まず、接客中判定部62に対応するステップ(以下「ステップ」を省略する。)SD1においては、各店員についてSA7において行なわれ店員データベース部60に記憶された店員が接客中であるか否かについての情報に基づいて、店員が接客中であるか否かが判断される。この判断は行なわれる。そして、店員が接客中である場合には、本ステップの判断が肯定され、SD21が実行される。一方、店員が接客中でない場合には、本ステップの判断が否定され、SD2が実行される。
SD2においては、SA3において停滞状態が検出された顧客の位置と、店員の位置との距離を算出する。この距離は、例えば店員が実際に通行可能な経路のうち、最も短い経路の距離が算出される。具体的には、前記顧客の位置と前記店員の位置とを結ぶ直線上に前記商品陳列エリア16などが存在する場合には、その商品陳列エリア16を避けた経路の距離が算出される。
SD3乃至SD5においては、SD2で算出された顧客の位置と店員の位置との距離に応じた区分のいずれに該当するかが判断される。すなわち、店員と前記顧客との距離が10m以内の場合、SD3の判断が肯定され、SD6が実行される。店員と前記顧客との距離が10mを超え20m以内の場合、SD3の判断が否定された後SD4の判断が肯定され、SD9が実行される。また、店員と前記顧客との距離が20mを超え30m以内の場合、SD3およびSD4の判断が否定された後SD5の判断が肯定され、SD12が実行される。一方、店員と前記顧客との距離が30mを超える場合、SD3乃至SD5の判断が全て否定され、SD22が実行される。
SD3の判断が肯定される場合、すなわち、店員と前記顧客との距離が10m以内の場合に実行されるSD6乃至SD8は、店員繁忙度算出部64および店員抽出部68に対応する。SD6乃至SD8においては、SA6において算出された店員の繁忙度、すなわち、測位時までの所定時間区間における店員の移動量に応じて更に区分のいずれに該当するかが判断される。具体的には、前記移動量が3m以内である場合には、SD6の判断が肯定されSD14が実行される。前記移動量が3mを超え6m以内である場合には、SD6の判断が否定された後SD7の判断が肯定されSD16が実行される。前記移動量が6mを超え9m以内である場合には、SD6およびSD7の判断が否定された後SD8の判断が肯定されSD18が実行される。また、前記移動量が9mを超える場合には、SD6乃至SD8の判断がいずれも否定された後SD22が実行される。
SD4の判断が肯定される場合、すなわち、店員と前記顧客との距離が10mを超え20m以内の場合に実行されるSD9乃至SD11は、前記SD6乃至SD8と同様に店員繁忙度算出部64および店員抽出部68に対応する。SD9乃至SD11においては、SA6において算出された店員の繁忙度、すなわち、測位時までの所定時間区間における店員の移動量に応じて更に区分のいずれに該当するかが判断される。具体的には、前記移動量が3m以内である場合には、SD9の判断が肯定されSD16が実行される。前記移動量が3mを超え6m以内である場合には、SD9の判断が否定された後SD10の判断が肯定されSD18が実行される。前記移動量が6mを超え9m以内である場合には、SD9およびSD10の判断が否定された後SD11の判断が肯定されSD20が実行される。また、前記移動量が9mを超える場合には、SD9乃至SD11の判断がいずれも否定された後SD22が実行される。
SD5の判断が肯定される場合、すなわち、店員と前記顧客との距離が20mを超え30m以内の場合に実行されるSD12およびSD13は、前記SD6乃至SD8と同様に店員繁忙度算出部64および店員抽出部68に対応する。SD12乃至SD13においては、SA6において算出された店員の繁忙度、すなわち、測位時までの所定時間区間における店員の移動量に応じて更に区分のいずれに該当するかが判断される。具体的には、前記移動量が5m以内である場合には、SD12の判断が肯定されSD18が実行される。前記移動量が5mを超え10m以内である場合には、SD12の判断が否定された後SD13の判断が肯定されSD20が実行される。また、前記移動量が10mを超える場合には、SD12乃至SD13の判断がいずれも否定された後SD22が実行される。
SD14においては、優先度1の区分に店員が属することとされる。また、続く停滞箇所配列商品識別部74および店員抽出部68に対応するSD15においては、SA3において停滞状態が検出された顧客の位置に対応する商品が識別されるとともに、その識別された商品と店員の担当商品が一致するか、また、前記識別された商品の属する分野と店員の担当分野が一致するかが判断される。
SD16においては、優先度2の区分に店員が属することとされる。また、続く停滞箇所配列商品識別部74および店員抽出部68に対応するSD17においては、SD15と同様に、SA3において停滞状態が検出された顧客の位置に対応する商品が識別されるとともに、その識別された商品と店員の担当商品が一致するか、また、前記識別された商品の属する分野と店員の担当分野が一致するかが判断される。
SD18においては、優先度3の区分に店員が属することとされる。また、続く停滞箇所配列商品識別部74および店員抽出部68に対応するSD19においては、SD15と同様に、SA3において停滞状態が検出された顧客の位置に対応する商品が識別されるとともに、その識別された商品と店員の担当商品が一致するか、また、前記識別された商品の属する分野と店員の担当分野が一致するかが判断される。
SD20においては、優先度4の区分に店員が属することとされる。また、続く停滞箇所配列商品識別部74および店員抽出部68に対応するSD21においては、SD15と同様に、SA3において停滞状態が検出された顧客の位置に対応する商品が識別されるとともに、その識別された商品と店員の担当商品が一致するか、また、前記識別された商品の属する分野と店員の担当分野が一致するかが判断される。
SD1の判断の肯定された場合、すなわち既に接客を行なっている場合や、SD5の判断が否定された場合、すなわち、SA3において停滞状態が検出された顧客の位置との距離が30m以上離れている場合などに実行されるSD22においては、SA3において停滞状態が検出された顧客の接客を行なう店員としては抽出の対象外とされる。
このようにして、この店員抽出データベース生成ルーチンが店員のそれぞれについて実行されることにより、前記店員のそれぞれは優先度1乃至4もしくは抽出の対象外のいずれかに区分されるとともに、SA3において停滞状態が検出された顧客の位置に対応する商品として識別される商品と店員の担当商品が一致するか、および前記識別された商品の属する分野と店員の担当分野が一致するかの判断が行なわれ、店員抽出データベース部70に記憶される。
図14に戻って、店員抽出部68に対応するSA9においては、前記SA8において生成され、店員抽出データベース部70に記憶された情報に基づいて店員の抽出が行なわれるとともに、店員が抽出されたか否かが判断される。この店員の抽出は、前記SA8において設定された優先度が最も高い店員が抽出される。なお、優先度が等しい店員が複数存在する場合には、(1)前記停滞箇所配列商品識別部74において識別された商品と同一の商品を担当する店員、(2)前記停滞箇所配列商品識別部74において識別された商品が含まれる分野を担当する店員、(3)それらの何れでもない店員の順に店員が抽出される。従って、本ステップの判断は肯定され、SA10以降が実行される。一方、例えば、前記SA8の店員抽出データベース生成ルーチンにおいて、全ての店員が抽出の対象外とされる場合など、店員の抽出を行なうことができない場合には、本ステップの判断が否定され、SA6に戻って、再度店員の抽出のための作動が繰り返し実行される。
報知部76に対応するSA10においては、SA9で抽出された店員の店員移動局11の出力部89による所定の出力が行なわれ、その店員に対し、抽出された旨が報知される。
位置検出部56に対応するSA11は、SA4において計測が開始される停滞時間、すなわち停滞状態の開始からの経過時間が前記継続時間判定値を経過した後に実行される。SA11においては、再度顧客移動局10および店員移動局11の位置が算出される。この位置の算出はSA1と同様の手順により行なわれる。SA11による測位は、続くSA12において接客中であるかの判断を行なうのに十分な時間だけ繰り返される。この継続時間判定値は、例えば店員が接客を行なうために移動するのに十分な時間として設定される。
接客中判定部62などに対応するSA12においては、SA10において報知を受けた店員がSA3で停滞状態が検出された顧客の接客を行なっているか否かについて、SA11において算出された顧客移動局10および店員移動局11の位置についての情報に基づいて判断される。この接客中であるかの判断は、例えば、店員と顧客とが予め定められた所定の間隔より短い間隔にある状態が予め設定された接客判定時間を上回ったか否かに基づいて判断が行なわれる。そして、SA10において報知を受けた店員がSA3で停滞状態が検出された顧客の接客を行なっている場合には、本ステップの判断は肯定され、停滞状態が検出された顧客に対する接客を行なわれたとして、接客支援の一連の作動を終了し、再度SA1から本フローチャートがくり返し実行される。一方、SA10において報知を受けた店員がSA3で停滞状態が検出された顧客の接客を行なっていない場合には、SA13が実行される。
SA12の判断が否定された場合、すなわちSA10において報知を受けた店員がSA3で停滞状態が検出された顧客の接客を行なっていない場合に実行されるSA13においては、SA8において生成され、店員抽出データベース部70に記憶された情報に基づいて、別の店員の抽出が行なわれる。具体的には、前記複数の店員のうち、既に抽出された店員を除いた店員のうち、前記優先度が最も高い店員が抽出される。なお、優先度が等しい店員が複数存在する場合には、前記SA9と同様に、(1)前記停滞箇所配列商品識別部74において識別された商品と同一の商品を担当する店員、(2)前記停滞箇所配列商品識別部74において識別された商品が含まれる分野を担当する店員、(3)それらの何れでもない店員の順に店員が抽出される。このように別の店員が抽出された後、SA7以降が再度実行される。
前述の実施例の接客支援システム6によれば、前記位置検出部56(SA1)により、前記顧客および前記複数の店員のそれぞれに伴って移動させられる複数の顧客移動局10および店員移動局10の位置がそれぞれ算出され、前記顧客状態検出部66(SA2)により、前記顧客の移動履歴96に基づいて顧客の停滞状態が検出され、前記接客中判定部62(SA7)により、前記複数の店員のそれぞれが接客中であるか否かが前記複数の店員のそれぞれについて判定され、前記店員データベース部60においては、該接客中判定部62によって判定された前記複数の店員のそれぞれが接客中であるか否かについての情報が前記複数の店員ごとに記憶され、前記店員抽出部68(SA8、SA9)により、前記顧客状態検出部66によって停滞状態が検出された顧客が存在する場合には、前記店員データベース部60に記憶された情報に基づいて、接客中でない店員が抽出され、前記報知部76により、前記店員抽出部68によって抽出された店員が接客を要する旨の情報および前記顧客の位置についての情報が、出力部89により音声もしくは光学的表示の少なくとも1つにより報知されるので、前記顧客の停滞状態が検出された場合は該顧客が商品の購入を検討あるいは躊躇していることが予測されるとして、該顧客に対する接客を行なう必要がある旨を接客中でない店員に報知することができる。
前述の実施例の接客支援システム6によれば、前記顧客状態検出部66(SA2)は、前記顧客の移動履歴96において該顧客の所定時間における移動量が予め定められた移動量判定値を下回ったことに基づいて、該顧客の停滞状態を検出するので、顧客の移動履歴96から顧客の停滞状態が検出でき、前記顧客停滞状態が検出される場合に、該顧客に対する接客を行なう必要がある旨を該顧客との距離が短い店員に報知することができる。
前述の実施例の接客支援システム6によれば、前記顧客状態検出部66(SA2)は、前記顧客の移動履歴96において該顧客が同一の地点を予め定められた回数判定値を上回る回数だけ通過したことに基づいて、該顧客の停滞状態を検出するので、顧客の移動履歴96から顧客の停滞状態が検出でき、前記顧客の停滞状態が検出される場合に、該顧客に対する接客を行なう必要がある旨を該顧客との位置が最も近い店員に報知することができる。
前述の実施例の接客支援システム6によれば、前記顧客状態検出部66(SA2)は、前記顧客の移動履歴96において該顧客が予め定められた時間判定値を上回った時間だけ停止したことに基づいて、該顧客の停滞状態を検出するので、顧客の移動履歴96から顧客の停滞状態が検出でき、前記顧客の停滞状態が検出される場合に、該顧客に対する接客を行なう必要がある旨を該顧客との位置が最も近い店員に報知することができる。
前述の実施例の接客支援システム6によれば、前記店員繁忙度算出部64(SA6)により、前記複数の店員のそれぞれについて、該複数の店員の移動履歴97に基づいて前記複数の店員のそれぞれの位置の検出の直前の予め定められた所定時間区間における移動量が繁忙度として算出され、前記店員データベース部60においては、該店員繁忙度算出部64によって算出された前記複数の店員のそれぞれの繁忙度に関する情報を前記複数の店員ごとに記憶され、前記店員抽出部68により、前記店員データベース部60に記憶された前記繁忙度の低い順に店員が抽出されるので、前記顧客の商品の購入に躊躇する状態が検出される場合に、該顧客に対する接客を行なう必要がある旨を繁忙度の低い順に店員に報知することができる。
前述の実施例の接客支援システム6によれば、前記商品配列データベース部72には、複数の商品の種類についての情報と、該商品が陳列される位置についての情報とが対応づけて記憶され、前記停滞箇所配列商品識別部74(SA5)によって、該商品配列データベース部72に記憶された情報と、前記顧客状態検出部66により前記顧客の停滞状態が検出された場合に前記顧客状態検出部66により前記顧客の位置とされた停滞位置についての情報とに基づいて、前記停滞位置に近接して配列された商品が識別され、前記店員データベース部60においては、前記複数の店員のそれぞれが担当する商品の種類についての情報が前記複数の店員ごとに記憶され、前記店員抽出部68(SA8、SA9)は、前記停滞箇所配列商品識別部74により識別された商品と前記店員データベース部60に記録された担当する商品とが一致する店員が優先して抽出されるので、前記顧客の停滞状態が検出される場合に、前記停滞位置に近接して配列された商品を顧客が購入を検討している商品である可能性が高いとして、該顧客に対する接客を行なう必要がある旨を該商品を担当する店員に報知することができる。
前述の実施例の接客支援システム6によれば、前記店員データベース部60においては、該複数の店員のそれぞれの位置についての情報が店員ごとに記憶され、前記店員抽出部68(SA8、SA9)により、前記店員データベース部60に記憶された情報に基づいて、前記顧客の位置との距離が短い順に店員が抽出されるので、前記顧客の商品の購入に躊躇する状態が検出される場合に、該顧客に対する接客を行なう必要がある旨を該顧客との距離が短い店員に報知することができる。
前述の実施例の接客支援システム6によれば、前記停滞時間計測部78(SA4)により、前記顧客状態検出部66(SA2)により検出される前記顧客の停滞状態が継続した時間である停滞時間が計測され、前記店員抽出部により、該停滞時間計測部によって計測される前記停滞時間が予め定められた継続時間判定値を上回る場合には、前記複数の店員のうち既に抽出された店員を除いた店員を対象として再度の抽出が行なわれるので、前記顧客の停滞状態が所定の継続時間判定値を超えて継続して検出される場合に、該顧客に対する接客を行なう必要がある旨を既に抽出された店員以外の店員から抽出された店員に報知することができる。
前述の実施例の接客支援システム6によれば、前記停滞時間計測部78(SA4)により、前記顧客状態検出部66(SA2)により前記顧客の停滞状態が継続して検出された場合に、該顧客の停滞状態が継続した停滞時間が計測され、前記報知部76により、前記接客支援サーバ14Bの出力装置54などにより前記停滞時間計測部78によって計測される前記停滞時間が表示されるので、前記顧客の停滞状態が継続して検出される場合に、前記停滞時間についての情報を抽出された店員に報知することができる。
前述の実施例の接客支援システム6によれば、前記接客中判定部62(SA7)は、前記位置検出部56(SA1)によって検出される前記顧客に付随する顧客移動局10の位置と、前記複数の店員の何れか一の店員に付随する店員移動局11の位置との距離が、予め定められた所定の接客中判定距離RTHよりも小さい状態が予め定められた所定の接客中判定時間よりも長い時間だけ連続したことに基づいて、前記一の店員は接客中であると判定する。このようにすれば、位置検出部56によって検出可能な店員の位置と顧客の位置に基づいて、前記複数の店員のそれぞれが接客中であるか否かを判断することができる。
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はその他の態様においても適用される。
例えば、前述の実施例においては、測位部56は、移動局10が送信する電波を複数の基地局12によって受信し、その複数の基地局12における受信結果としての受信時刻に基づいて移動局10の位置の算出を行なったが、かかる態様に限られず、例えば移動局10が所定の出力により送信する電波を複数の基地局12で受信し、その受信強度を受信結果として検出し、検出された電波の受信強度および、予め記憶された電波の受信強度と電波の伝搬距離との関係に基づいて、移動局10と前記複数の基地局12のそれぞれとの距離を算出し、移動局10の位置の算出を行なってもよい。
また、前述の実施例においては、測位のための電波は移動局10から送信され複数の基地局12によって受信され、測位部56はその複数の基地局12におけるそれぞれの受信結果に基づいて移動局10の位置の算出を行なったが、このような態様に限られない。例えば前記複数の基地局12のそれぞれから移動局10に対して送信される測位のための電波を、前記移動局10がそれぞれ受信して受信結果を算出し、その受信結果に基づいて測位部56が移動局10の位置の算出を行なうこともできる。
また、多数の基地局12を例えば格子状に配置しておき、移動局10から送信される電波を前記多数の基地局12により受信してその受信強度を測定し、測位部56は、移動局10からの電波を最も受信強度が強く受信した基地局12の位置を移動局10の位置とするいわゆるゾーン検知と呼ばれる手法によって移動局10の位置を測定することもできる。この場合、前記格子状に配置される基地局12は、移動局10の位置の算出を行なう際に必要とされる測位精度に基づいてその配置間隔が決定される。
また、前述の実施例においては、サーバ14と基地局12とは通信ケーブル20によって情報通信可能に接続されたが、この通信は有線通信に限らず、無線通信であってもよい。
また、前述の実施例においては、店員が抽出された旨の出力は抽出された店員によって保持される店員移動局11の出力部89によって出力が行なわれ、また、停滞時間計測部78によって計測される停滞時間についての情報は接客支援サーバ14Bの表示装置54によって行なわれるものとされたが、このような態様に限られない。すなわち、いずれの情報とも抽出された店員によって保持される店員移動局11の出力部89によって出力が行なわれてもよいし、接客支援サーバ14Bの表示装置54によって行なわれてもよい。
また、前述の実施例においては、店員移動局11は出力制御部88および出力部89を有するものとされたが、このように限られず、店員が抽出された旨の出力は店員移動局11とは別の装置として設けられてもよい。この場合、店員移動局11と顧客移動局10とは同じ構成のものとすることができる。
また、前述の実施例においては、店員と顧客との距離は店員が移動可能な経路の距離とされたが、このような態様に限られず、直線距離であってもよい。
また、前述の実施例においては、店員抽出部68によって店員が抽出された後(SA9)、接客が行なわれていないと判断された場合に(SA12)、既に生成された店員抽出データベース部70に記憶された情報に基づいて別の店員が抽出されたが(SA13)、このような態様に限られず、再度店員抽出データベース部の生成を行なってもよい。すなわち、図14のフローチャートにおいて、SA12の判断が否定された場合に、SA8に戻って再度実行してもよい。
また、前述の実施例においては、顧客が1人の場合について説明したが、顧客が複数人存在する場合においても、例えば、図14のフローチャートを並行して実行するなどにより、同様に実行可能である。
なお、前述の実施例においては、顧客状態検出部66は、(1)顧客の移動履歴96においてその顧客の所定時間における移動量が予め定められた移動量判定値を下回ったこと、より具体的には、顧客の所定時間における移動量が、前記所定時間の直前の所定時間区間における移動量の半分以下となったこと、(2)顧客の移動履歴96においてその顧客が同一の地点を予め定められた回数判定値を上回る回数(例えば3回)だけ通過したこと、(3)顧客の移動履歴96においてその顧客が予め定められた時間判定値(例えば5分)を上回った時間だけ停止したことの少なくとも1つが満たされた場合に、その顧客が停滞状態にあると判断したが、このような態様に限られず、これら(1)乃至(3)のいずれか1つについてのみの判断を行い、その要件が満たされた場合に顧客が停滞状態にあると判断してもよい。
また、前述の実施例においては、店員抽出部68は、店員と停滞状態にある顧客との距離、店員が接客中であるか否か、店員の繁忙度、停滞状態にある顧客に対応する商品と店員の担当する商品もしくはその商品の属する分野のそれぞれを考慮して店員の抽出を行なったが、このような態様に限られない。すなわち、少なくとも店員と停滞状態にある顧客との距離を考慮し、この距離が短い順に店員の抽出を行なうことによって一定の効果が得られる。
また、前述の実施例においては、顧客の停滞状態の継続時間である停滞時間を計測する停滞時間計測部78が設けられ、停滞時間が前記所定の継続時間判定値を上回る場合には、店員抽出部68により抽出された店員により接客が行なわれていないとして再度の店員の抽出が行なわれるとともに、停滞時間についての情報が報知部76を介して表示装置54、98に表示されたが、かかる構成は必須ではない。すなわち、停滞時間計測部78を有さない接客支援システム6であって、一定の効果を生ずることができる。
また、前述の実施例は、報知部76は、抽出された店員に対し抽出された旨を報知するとともに、前記停滞時間についての情報を表示するなどしたが、このような態様に限られず、例えば停滞している顧客の位置についての情報を加えて表示するようにしてもよい。この停滞している顧客の位置ついての情報は、前記顧客状態検出部66などから得ることができる。このようにすれば、抽出され、報知を受けた店員は、いずれの位置に顧客が停滞しているかを、その店員が接客すべき店員として抽出されたこととともに知ることができるので、前記停滞状態にある顧客の位置へ容易に移動することができる。
また、前述の実施例においては、接客中判定部62は店員が接客中であるか否かの判定を顧客の移動履歴96と店員の移動履歴97とに基づいて行なったが、このような態様に限られない。例えば次のような態様で判定が行なわれてもよい。すなわち、接客中判定部62においては、前記複数の店員のそれぞれが接客中であるか非接客中であるかを記憶しておく。一方、店員移動局11には押しボタン型のスイッチなどが設けられ、店員が接客を開始および終了する際にそのスイッチが店員により操作されることにより、前記店員移動局11から無線によりそのスイッチが操作された旨の信号が前記基地局12に送信され、更に基地局12から通信ケーブル20を介して接客支援サーバ14Bに送信される。前記接客中判定部62はその信号を受信し、スイッチが操作された店員移動局11を保持する店員について、接客中であるか非接客中であるかが切り替わったとして記憶を更新する。このようにすれば、前記複数の店員のそれぞれが接客中であるか非接客中であるかのの判定を顧客の移動履歴96と店員の移動履歴97を用いることなく行なうことができる。
また、前述の実施例においては、店員抽出部68(SA9)は、店員の抽出を行なうとともに、店員が抽出されたか否かが判断された。そして、店員が抽出されなかった場合(SA9が否定)においては、全ての店員が抽出の対象外とされる場合など、店員の抽出を行なうことができない場合であるとして、SA6に戻って図14のフローチャートが再度実行されるものとされた。これに加えてSA9の判断が否定された場合において、店員が抽出されなかった理由が、(1)店員の抽出を行なう必要がない場合であったか、(2)店員の抽出を行なうことができなかったかの判断をさらに行い、これによって続けて行なわれるステップを異なるものとしてもよい。具体的には前記(1)に該当すると判断された場合には、SA9の判断が否定された後にSA1が実行される一方、前記(2)に該当すると判断された場合には、SA6が実行されるものとしてもよい。なお、店員の抽出を行なう必要がない場合とは、例えば、停滞状態が検出された顧客について既にいずれかの店員が接客を行なっていることが検出された場合などが該当する。
なお、上述したのはあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。
6:接客支援システム
10:顧客移動局(移動局)
11:店員移動局(移動局)
12:基地局
14A:測位サーバ(サーバ)
14B:接客支援サーバ(サーバ)
56:位置検出部
58:顧客状態検出部
60:店員データベース部
62:接客中判定部
64:店員繁忙度算出部
68:店員抽出部
72:商品配列データベース部
74:停滞箇所配列商品識別部
76:報知部
78:停滞時間計測部
10:顧客移動局(移動局)
11:店員移動局(移動局)
12:基地局
14A:測位サーバ(サーバ)
14B:接客支援サーバ(サーバ)
56:位置検出部
58:顧客状態検出部
60:店員データベース部
62:接客中判定部
64:店員繁忙度算出部
68:店員抽出部
72:商品配列データベース部
74:停滞箇所配列商品識別部
76:報知部
78:停滞時間計測部
Claims (9)
- 顧客に対する接客の必要の有無を店員に報知するための接客支援システムであって、
前記顧客および複数の店員にそれぞれ伴って移動させられる複数の移動局と、
既知の位置に設置され、該移動局と電波の送受信を行なう複数の基地局と、
該複数の基地局とデータ通信可能に接続されたサーバとを有し、
該サーバが
前記複数の移動局の位置を移動局ごとに算出する位置検出部と、
該位置検出部によって検出される移動局の位置のうち、前記顧客に伴って移動させられる顧客移動局の位置を前記顧客の位置とするとともに該顧客の位置の履歴である移動履歴に基づいて顧客の停滞状態を検出する顧客状態検出部と、
該位置検出部によって検出される移動局の位置のうち、前記複数の店員のそれぞれに伴って移動させられる店員移動局の位置を該複数の店員のそれぞれの位置であるとするとともに、該複数の店員のそれぞれの位置の履歴である移動履歴に基づいて該複数の店員が接客中であるか否かを該複数の店員のそれぞれについて判定する接客中判定部と、
該接客中判定部によって判定された前記複数の店員のそれぞれが接客中であるか否かについての情報を前記複数の店員ごとに記憶する店員データベース部と、
前記顧客状態検出部によって停滞状態が検出された顧客が存在する場合には、該店員データベース部に記憶された情報に基づいて、前記接客中判定部によって接客中でないと判定された店員を抽出する店員抽出部と、
該店員抽出部によって抽出された店員が接客を要する旨の情報を、出力装置により報知のための出力を行なう報知部と
を含むことを特徴とする接客支援システム。 - 前記顧客状態検出部は、前記顧客の移動履歴において該顧客の所定時間における移動量が予め定められた移動量判定値を下回ったことに基づいて、該顧客の停滞状態を検出すること
を特徴とする請求項1に記載の接客支援システム。 - 前記顧客状態検出部は、前記顧客の移動履歴において該顧客が同一の地点を予め定められた回数判定値を上回る回数だけ通過したことに基づいて、該顧客の停滞状態を検出すること
を特徴とする請求項1または2に記載の接客支援システム。 - 前記顧客状態検出部は、前記顧客の移動履歴において該顧客が予め定められた時間判定値を上回った時間だけ停止したことに基づいて、該顧客の停滞状態を検出すること
を特徴とする請求項1乃至3のいずれか1に記載の接客支援システム。 - 前記サーバは、前記複数の店員のそれぞれについて、該複数の店員の移動履歴に基づいて、前記複数の店員のそれぞれの位置の検出の直前の予め定められた所定時間区間における移動量を繁忙度として算出する店員繁忙度算出部を含み、
前記店員データベース部は、該店員繁忙度算出部によって算出された前記複数の店員のそれぞれの繁忙度に関する情報を前記複数の店員ごとに記憶し、
前記店員抽出部は、前記店員データベース部に記憶された前記繁忙度の低い順に店員を抽出すること
を特徴とする請求項1乃至4のいずれか1に記載の接客支援システム。 - 前記サーバは、複数の商品の種類についての情報と、該商品が配列される位置についての情報とを対応づけて記憶する商品配列データベース部と、
該商品配列データベース部に記憶された情報と、前記顧客状態検出部により前記顧客の停滞状態が検出された場合に該顧客状態検出部により前記顧客の位置とされた停滞位置の情報とに基づいて、前記停滞位置に近接して配列された商品を識別する停滞箇所配列商品識別部とを含み、
前記店員データベース部は、前記複数の店員のそれぞれが担当する商品の種類についての情報を前記複数の店員ごとに記憶し、
前記店員抽出部は、前記購入予定商品識別部により識別された商品と前記店員データベース部に記録された担当する商品とが一致する店員を優先して抽出すること
を特徴とする請求項1乃至5のいずれか1に記載の接客支援システム。 - 前記店員データベース部は、前記複数の店員の位置についての情報を該複数の店員ごとに記憶し、
前記店員抽出部は、前記店員データベース部に記憶された情報に基づいて、前記顧客の位置との距離が短い順に店員を抽出すること
を特徴とする請求項1乃至6のいずれか1に記載の接客支援システム。 - 前記サーバは、前記顧客状態検出部により検出される前記顧客の停滞状態が継続した時間である停滞時間を計測する停滞時間計測部を含み、
前記店員抽出部は、該停滞時間計測部によって計測される前記停滞時間が予め定められた継続時間判定値を上回る場合には、前記複数の店員のうち既に抽出された店員を除いた店員を対象として再度の抽出を行なうこと
を特徴とする請求項1乃至7のいずれか1に記載の接客支援システム。 - 前記サーバは、前記顧客状態検出部により前記顧客の停滞状態であることが継続して検出された場合に、該顧客の停滞状態が継続した停滞時間を計測する停滞時間計測部を含み、
前記報知部は、前記出力装置により該停滞時間計測部によって計測される前記停滞時間を表示すること
を特徴とする請求項1乃至8のいずれか1に記載の接客支援システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2008085022A JP2009238044A (ja) | 2008-03-27 | 2008-03-27 | 接客支援システム |
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JP2008085022A JP2009238044A (ja) | 2008-03-27 | 2008-03-27 | 接客支援システム |
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- 2008-03-27 JP JP2008085022A patent/JP2009238044A/ja active Pending
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