JP2009237356A - 光学部品、バックライトユニット及び表示装置 - Google Patents

光学部品、バックライトユニット及び表示装置 Download PDF

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友洋 中込
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武史 古屋
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Abstract

【課題】画面にランプイメージを殆ど生じることなく明るい表示が可能な薄型の表示装置を実現するのに有利な技術を提供する。
【解決手段】光学部品52は、透明樹脂と前記透明樹脂中に分布した複数の空孔とを含んだ拡散層26と、一方の主面が前記拡散層26の一方の主面に接着剤層若しくは粘着剤層を介して接合されているか又は直接に接合され、多層構造を有している光透過層23と、一方の主面が前記光透過層の他方の主面に接合され、他方の主面にレンズ又はプリズムを各々が構成している複数の凸部が設けられたレリーフ層28とを含んだ拡散透過層とを具備し、前記拡散層26の厚さT1及び線膨張係数α1と前記光透過層23からその前記拡散層26に最も近く位置した1層を除いてなる構造の厚さT2及び線膨張係数α2とは所定の関係を満足している。
【選択図】 図1

Description

本発明は、表示技術に関する。
特許文献1には、液晶表示装置のバックライトユニットにおいて使用する光学部品が記載されている。この光学部品は、各々がレンズを構成している複数の凸部が前面に設けられた光学機能層と、その背面と向き合った拡散層と、それらの間に介在した反射層とを含んでいる。反射層には、レンズの中央部に対応した位置に開口が設けられている。
この光学部品の拡散層を照明すると、拡散層は散乱光を放出する。この散乱光のうち、レンズの中央部に向けて進行する光は光学機能層に入射し、レンズの周縁部に向けて進行する光は反射層によって反射される。反射層によって反射された散乱光は、拡散層によって更に散乱されることなどによって進行方向を変化させ、最終的には光学機能層に入射する。光学機能層に入射した散乱光は、レンズによって広がり角を制御されて、光学機能層から射出される。
これから明らかなように、反射層は、レンズの周縁部への散乱光の入射を抑制する。それゆえ、この光学部品は、レンズの周縁部と空気層との界面での反射に起因して広角側へ出射する光が少ない。また、上記の通り、反射層が反射した光は、最終的にはレンズの中央部に入射する。従って、この光学部品を使用すると、所望の指向性と高い光利用効率とを達成することができる。
ところで、大型の液晶表示装置の多くは、光源として複数の冷陰極管又はLED(light-emitting diode)を含んだ直下型バックライトユニットを使用している。直下型バックライトユニットを使用すると、画面全体に亘って明るい表示が可能である。
直下型バックライトユニットを使用した場合、光源の配列に対応した輝度ムラを生じ易い。即ち、直下型バックライトユニットを使用した場合、画面にランプイメージが現れ易い。そのため、直下型バックライトユニットでは、エッジ型バックライトユニットで使用しているものと比較して、拡散能がより高い拡散層を使用している。
拡散層は、通常、透明材料とその中に分布した複数の透明粒子とからなる。このような拡散層は、例えば厚くすることにより、直下型バックライトユニットでの使用に十分な拡散能を達成する。
しかしながら、この拡散層は、厚くすると全光線透過率が低下する。即ち、画面にランプイメージを生じることなしに明るい表示を行うことは難しい。
加えて、液晶表示装置は、薄型化の傾向にある。そのため、バックライトユニットには、これに使用される光学部品の薄型化と部品間の距離の短縮とが要求されている。
特開2007−213035号公報
本発明の目的は、画面にランプイメージを殆ど生じることなく明るい表示が可能な薄型の表示装置を実現するのに有利な技術を提供することにある。
本発明の第1側面によると、透明樹脂と前記透明樹脂中に分布した複数の空孔とを含んだ拡散層と、一方の主面が前記拡散層の一方の主面に接着剤層若しくは粘着剤層を介して接合されているか又は直接に接合され、多層構造を有している光透過層と、一方の主面が前記光透過層の他方の主面に接合され、他方の主面にレンズ又はプリズムを各々が構成している複数の凸部が設けられたレリーフ層とを含んだ拡散透過層とを具備し、前記拡散層の厚さT1及び線膨張係数α1と前記光透過層からその前記拡散層に最も近く位置した1層を除いてなる構造の厚さT2及び線膨張係数α2とは、下記不等式(1)及び(2)に示す関係を満足しているか、又は、下記不等式(3)及び(4)に示す関係を満足していることを特徴とする光学部品が提供される。
0.8×T1≦T2≦1.2×T1 …(1)
|α1−α2|≦1.5×10-4cm/cm/℃ …(2)
1.2×T1<T2≦2.0×T1 …(3)
|α1−α2|≦1.0×10-4cm/cm/℃ …(4)
本発明の第2側面によると、第1側面に係る光学部品と、前記光学部品を前記拡散透過層側から照明する光源とを具備したことを特徴とするバックライトユニットが提供される。
本発明の第3側面によると、第2側面に係るバックライトユニットと、前記光学部品を間に挟んで前記光源と向き合った表示パネルとを具備したことを特徴とする表示装置が提供される。
本発明によると、画面にランプイメージを殆ど生じることなく明るい表示が可能な薄型の表示装置を実現するのに有利な技術が提供される。
以下、本発明の態様について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、同様又は類似した機能を発揮する構成要素には全ての図面を通じて同一の参照符号を付し、重複する説明は省略する。
図1は、本発明の第1態様に係る表示装置を概略的に示す断面図である。
図1に示す表示装置70は、透過型液晶表示装置である。この表示装置70は、表示パネル35とバックライトユニット55とを含んでいる。表示装置70は、拡散フィルム、プリズムシート及び偏光分離反射シートなどの他の部品を更に含んでいてもよい。
表示パネル35は、液晶パネル32と偏光板(偏光フィルム)31及び33とを含んでいる。液晶パネル32は、例えば、一対のガラス基板と、それらの間に挟持された液晶層とを含んでいる。偏光板31及び33は、液晶パネル32の前面及び背面にそれぞれ貼り付けられている。
なお、「前面」は観察者側の面であり、「背面」はその裏面である。また、「前方」は背面側から前面側への方向であり、「後方」は前面側から背面側への方向である。
表示パネル35は、複数の画素を含んでいる。各画素は、これに書き込まれる映像信号に応じて透過率が変化する。表示パネル35は、例えば、その背面を白色光で一様に照明した状態で画素の透過率を制御することにより、任意の画像を表示する。
表示パネル35は、本態様では透過型表示パネルであるが、半透過型表示パネルであってもよい。即ち、表示装置70は、半透過型液晶表示装置であってもよい。
或いは、液晶パネル32を含んだ表示パネル35の代わりに、他の表示パネルを使用してもよい。例えば、光透過性の着色パターンによって静止画像を表示する表示パネルを使用してもよい。
バックライトユニット55は、表示パネル35の背面側に設置されている。バックライトユニット55は、バックライト本体45と光学部品52とを含んでいる。
バックライト本体45は、複数の光源41と反射層43と図示しない支持体とを含んでいる。光源41と反射層43とは、支持体に支持されている。
光源41としては、例えば、線光源を用いることができる。線光源としては、例えば、蛍光灯又は冷陰極管(CCFL)を使用することができる。光源41として、点光源を用いてもよい。点光源としては、例えば、LEDを使用することができる。
反射層43は、光源41を間に挟んで表示パネル35と向き合っている。典型的には、反射層43は、樋形状を有している。反射層43は、光反射性のフィルム又はシート、例えば白色のフィルム又はシートである。反射層43は、金属板などの支持体上に形成された層であってもよい。
バックライト本体45では、光源41は、ほぼ全方位に光を放出する。反射層43は、光源41が後方に放出した光を前方Fへ反射する。そして、反射層43は、図1に示すような樋形状を有している場合には、光源41が側方に放出した光を前方Fへ反射する。従って、バックライト本体45は、光源41が放出した光のほぼ全てを前方Fへ進行させる。
光学部品52は、光源41と表示パネル35との間に介在している。光学部品52は、拡散部材25とマスク層22と光学機能層1とを含んでいる。拡散部材25と光学機能層1とは、マスク層22を間に挟んで一体化されている。
拡散部材25は、拡散透過層と拡散層26とを含んでいる。
拡散透過層は、光透過層23とレリーフ層28とを含んでいる。
光透過層23は、レリーフ層28を間に挟んで光源41と向き合っている。光透過層23は、光透過性を有している層である。
光透過層23は、典型的には、全光線透過率が拡散層26の全光線透過率と等しいか又はそれよりも大きい。光透過層23の全光線透過率は、例えば80%以上である。全光線透過率が十分に大きければ、光透過層23が前方(観察者側)Fへ射出する光の輝度が不十分となることがない。なお、全光線透過率は、日本工業規格JIS K7361−1に準拠した測定値である。
光透過層23は、拡散層26と比較して拡散能が小さい。光透過層23のヘイズ値は、例えば95%以下である。ヘイズ値が大きい場合、レリーフ層28によって生じる光拡散効果が小さい。なお、ヘイズ値は、日本工業規格JIS K7136に準拠した測定値である。
光透過層23は、多層構造を有している。具体的には、光透過層23は、第1光透過層231と第2光透過層232とを含んでいる。第1光透過層231は、第2光透過層232と拡散層26との間に介在している。光透過層231及び232は、異なる材料からなる。
光透過層23を構成している各層の材料としては、例えば、熱可塑性樹脂などの透明樹脂を使用することができる。そのような樹脂としては、例えば、ポリカーボネート樹脂、アクリル系樹脂、アクリルニトリル−スチレン共重合体、フッ素系アクリル樹脂、シリコーン系アクリル樹脂、エポキシアクリレート樹脂、ポリスチレン樹脂、シクロオレフィンポリマー、メチルスチレン樹脂、フルオレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート又はポリプロピレンを使用することができる。
光透過層23を構成している複数の層は、例えば、多層押出法により一体成形することによって得ることができる。或いは、光透過層23を構成している複数の層は、押出法又は射出成型等によって個々の層を形成し、それらを一体化することにより得ることができる。
光透過層23を構成している各層は、無延伸であってもよく、一軸又は二軸に延伸されていてもよい。また、光透過層23は、単層構造を有していてもよく、多層構造を有していてもよい。
光透過層23を構成している各層は、上記の樹脂に加え、光拡散粒子を更に含んでいてもよい。但し、光拡散粒子を含有させると、レリーフ層28によって生じる光拡散効果が小さくなる。従って、典型的には、光透過層23を構成している各層には、光拡散粒子を含有させない。
光透過層23を構成している層の屈折率差は、0.1以下であると好ましい。この屈折率差が小さい場合、光透過層23が含んでいる層間の界面における反射が少ない。
レリーフ層28は、光透過層23の背面23aに支持されている。例えば、レリーフ層28は、接着剤層又は粘着剤層を介して光透過層23の背面23aに貼り付けられている。
レリーフ層28は、光透過性基材281と、その背面上で配列した複数の凸部282とを含んでいる。
光透過性基材281は、単層構造を有している。光透過性基材281は、例えば、ポリエチレンテレフタレートなどの透明樹脂からなる。光透過性基材281の材料は、光透過層23を構成している層の何れかの材料と同一であってもよく、それら材料とは異なっていてもよい。
凸部282は、典型的には、一定のピッチで配列している。凸部282の各々は、光学素子としてレンズ又はプリズムを構成している。凸部282は、光透過性基材281の背面上で、一方向に配列していてもよく、複数方向に配列していてもよい。前者の場合、凸部282の各々は、例えば、レンチキュラ若しくはシリンドリカルレンズ又は三角プリズムである。後者の場合、凸部282の各々は、例えば、光透過性基材281の背面に垂直な対称軸を有しているレンズ又は角錐状のプリズムである。
これら凸部282は、例えば、複数のレンズを1次元又は2次元的に配列してなるレンズアレイを形成している。凸部282は、複数のプリズムを1次元又は2次元的に配列してなるプリズムアレイを形成していてもよい。
これら凸部282は、形状が同一であってもよく、異なっていてもよい。後者の場合、一部の凸部282がレンズであり、残りの凸部282がプリズムであってもよい。或いは、全ての凸部282がレンズであり、一部の凸部282と残りの凸部282とで形状が異なっていてもよい。或いは、全ての凸部282がプリズムであり、一部の凸部282と残りの凸部282とで形状が異なっていてもよい。ここでは、一例として、凸部282は、形状が互いに等しいレンチキュラであり、一次元的に配列しているとする。
凸部282は、例えば、光透過性基材281の背面上に、紫外線硬化樹脂などの放射線硬化樹脂を塗布し、この塗膜に型押ししながら紫外線などの放射線を照射することにより得られる。或いは、凸部282は、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、シクロオレフィンポリマー及びアクリルニトリルスチレン共重合体などの熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂を用いた射出成形法又は熱プレス成形法によって形成することもできる。凸部282の材料は、光透過性基材281の材料と同一であってもよく、異なっていてもよい。
拡散層26は、光透過層23及びレリーフ層28を間に挟んで光源41と向き合っている。拡散層26の背面26aは、光透過層23の前面23bと直接に又は図示しない接着剤層若しくは粘着剤層を介して接合されている。
拡散層26は、透明樹脂と、この透明樹脂中に分布した複数の空孔とを含んでいる。これら空孔は、例えば、拡散層26中でほぼ一様に分布している。
透明樹脂は、例えば熱可塑性樹脂である。この熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、シクロヘキサンジメタノール共重合ポリエステル樹脂、イソフタル酸共重合ポリエステル樹脂、スピログリコール共重合ポリエステル樹脂及びフルオレン共重合ポリエステル樹脂などのポリエステル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン及び脂環式オレフィン共重合樹脂などのポリオレフィン樹脂、ポリメチルメタクリレートなどのアクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリアミド、ポリエーテル、ポリエステルアミド、ポリエーテルエステル、ポリ塩化ビニル、シクロオレフィンポリマー、これらを成分とする共重合体、又はこれら樹脂の混合物を使用することができる。
空孔は、例えば、熱可塑性樹脂とこれに分散させた粒子とを含んだ層を形成し、この層を適度に加熱しながら1軸又は2軸延伸することにより得られる。即ち、この層を適度に加熱しながら延伸することにより、熱可塑性樹脂と粒子との間に隙間を生じさせ、この隙間を空孔として利用することができる。
熱可塑性樹脂に分散させる粒子としては、例えば、酸化チタン及び硫酸バリウムなどの無機粒子を使用することができる。或いは、延伸時に熱可塑性樹脂と比較して十分に硬質であれば、熱可塑性樹脂に分散させる粒子として、この熱可塑性樹脂に対して非相溶性の樹脂粒子を使用してもよい。この樹脂粒子の材料としては、例えば、アクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリアミド又はポリエーテルを使用することができる。
拡散層26の全光線透過率は、例えば、40%乃至80%の範囲内にある。全光線透過率が小さすぎると、前方Fへ光を十分に射出させることができない。全光線透過率が大きすぎると、十分な拡散能が得られず、それゆえ、均一な面内輝度を達成できない。
拡散層26のヘイズ値は、例えば98%以上である。ヘイズ値が小さい場合、十分な拡散能が得られず、それゆえ、均一な面内輝度を達成できない。
透明樹脂中に空孔の代わりに無機物又は有機物からなる粒子を分布させた場合、上述した光学的性能を達成するには、拡散層の厚さを例えば0.1mm乃至5mmの範囲内とする必要がある。空気などの気体は無機物及び有機物と比較して屈折率が小さいので、上記の拡散層26によると、同等の光学的性能をより小さな膜厚で達成できる。
透明材料中に分布させる複数の領域として空孔を用いた場合、拡散層26の厚さは、例えば25μm乃至500μmの範囲内とする。拡散層26が薄すぎる場合、拡散層26の腰が弱く、皺を発生し易い。拡散層26が十分に薄ければ、これをロール状に巻くことができ、また、スリットを容易に形成できる。
ところで、本発明者らは、この拡散層26は、優れた拡散性能を達成する反面で、熱を加えると収縮することを見出している。これは、延伸処理を施して空孔を形成していることに起因していると考えられる。
この表示装置70では、光学部品52は光源41によって加熱されるので、拡散層26の収縮を生じ得る。拡散層26が光源41によって加熱されて収縮すると、光学部品52に反りを生じ、その結果、表示パネル35又は光源41が破壊される可能性がある。
そこで、この光学部品52では、拡散層26と光透過層23とに以下の設計を採用している。即ち、拡散層26の厚さ及び線膨張係数を、それぞれT1及びα1とする。また、光透過層23からその拡散層26に最も近く位置した1層を除いてなる構造、この例では光透過層232の厚さ及び線膨張係数を、それぞれT2及びα2とする。そして、厚さT1及びT2と線膨張係数α1及びα2が下記不等式(1)及び(2)に示す関係を満足するか又は下記不等式(3)及び(4)に示す関係を満足するように、拡散層26と光透過層23を設計する。
0.8×T1≦T2≦1.2×T1 …(1)
|α1−α2|≦1.5×10-4cm/cm/℃ …(2)
1.2×T1<T2≦2.0×T1 …(3)
|α1−α2|≦1.0×10-4cm/cm/℃ …(4)
この設計を採用すると、拡散層26が光源41によって加熱されて収縮したとしても、光学部品52が大きく反るのを防止できる。それゆえ、表示パネル35又は光源41が破壊されるのを防止することができる。
なお、なお、線膨張係数α1及びα2は、日本工業規格JIS K7197に従って測定することにより得られる値である。線膨張係数α1は、例えば、拡散層26に使用する透明樹脂の種類、延伸倍率又は添加する粒子の量によって制御できる。また、線膨張係数α2は、光透過層232に使用する材料の種類によって制御できる。
光透過層232と拡散層26との線膨張係数の差は、1.0×10-5cm/cm/℃以下であることが好ましい。また、光透過層232と拡散層26との厚さの差は、50μm以下であると好ましい。線膨張係数の差及び/又は厚さの差を小さくすると、光学部品52の反りを更に抑制できる。
ここで、拡散部材25について、更に詳しく説明する。
図2は、拡散部材における光の経路を示す断面図である。なお、図2において、参照符号28aは凸部282の頂部を示し、参照符号28bは凸部282の側面又は傾斜面28bを示し、参照符号28cは凸部282の底面を示している。そして、参照符号30は、側面28bと凸部282の底面との接合位置を示している。
上記の通り、バックライト本体45は、光源41が放出した光のほぼ全てを前方Fへ進行させる。前方Fへ進行する光Hは、レンズを構成している凸部282に入射する。これらレンズの焦点が光透過性基材281の背面と光透過層23の前面23bとの間に位置している場合、レンズに入射した光は、図2に矢印Lで示すように光透過性基材281及び光透過層23内で集束及び発散して、拡散層26に入射する。従って、光透過層23及びレリーフ層28を省略した場合と比較して、拡散層26に対してより均一に及び/又はより多様な方向から光を入射させることができる。それゆえ、拡散層26を薄くした場合であっても、光強度の面内ばらつきを生じ難く、また、観察角度依存性が過剰に大きくなることがない。特に、以下に数式を用いて説明する構成を採用すると、拡散層26を薄くすることに伴う光強度の面内ばらつき及び観察角度依存性増大を更に生じ難くすることができる。
即ち、凸部282のうち1方向に配列したものの頂部28aを通り、それら凸部282の配列方向と光透過層23の厚さ方向とに平行な断面に着目する。図2に示す断面は、そのような断面の1つである。そして、この断面において、凸部282の各々の側面28bがその底面28cとの接合位置30で先の底面に対して為す角度、即ち、接合位置30における凸部282の接線lが凸部282の底面28cに対して為す角度をθとし、それら凸部282のピッチをPとする。これら角度θ及びピッチPと光透過層23の厚さT及び屈折率nとが下記不等式に示す関係を満足するように、レリーフ層28及び光透過層23を設計する。
Figure 2009237356
この設計を採用すると、レンズの焦点から光透過性基材28の背面までの距離は、レンズの焦点から光透過層23の前面23bまでの距離と比較してより短くなる。それゆえ、例えば、レリーフ層28の背面に向けて垂直方向から光Hを平行ビームとして照射すると、各レンズに入射した光ビームは、拡径して拡散層26に入射する。その結果、或るレンズを透過した光ビームとその隣のレンズを透過した光ビームとは、拡散層26の背面26a上で部分的に重なり合う。それゆえ、この構成を採用すると、拡散層26を薄くすることに伴う光強度の面内ばらつきと観察角度依存性の増大とを更に生じ難くすることができる。
このように、レリーフ層28及び光透過層23を設けると、拡散層26を薄くした場合であっても、光強度の面内ばらつきと観察角度依存性とが過剰に大きくなるのを十分に防止できる。そして、この効果は、拡散透過層を薄くした場合であっても、レリーフ層28と光透過層23とに適当な設計を採用することにより得ることができる。
また、レリーフ層28と光透過層23とからなる拡散透過層は、拡散部材25の全光線透過率に殆ど影響を及ぼさない。例えば、拡散透過層を追加することに伴う拡散部材25の全光線透過率の減少は数%である。この値は、拡散層26を薄くすることに伴う全光線透過率の増加と比較して小さい。
この拡散部材25において、ピッチPは任意である。但し、ピッチPが大きすぎる場合には、上記不等式に示す関係を満足させるために、厚さTを大きくしなくてはならない。製造効率及び製造コストなどを考慮すると、厚さTが大きいことは好ましくない。ピッチPは、例えば0.5mm以下とし、好ましくは0.2mm以下とする。
光学機能層1は、マスク層22を間に挟んで拡散層26と向き合っている。光学機能層1は、光透過層17と複数の凸部16とを含んでいる。
光透過層17は、光透過性を有している層である。光透過層17の背面17a及び前面17bは、ほぼ平坦である。
光透過層17の材料としては、例えば、熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂を使用することができる。熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂としては、例えば、ポリスチレン、ポリカーボネート、メタクリル−スチレン共重合体、アクリロニトリル−スチレン共重合体又はポリエチレンテレフタレートを使用することができる。
凸部16は、光透過層17に支持されている。具体的には、凸部16は、光透過層17の前面17b上で配列している。典型的には、凸部16は一定のピッチで配列している。凸部16は、光学機能層1の前面にレリーフ構造を形成している。
凸部16の各々は、光学素子としてレンズ又はプリズムを構成している。凸部16は、光透過層17の前面17b上で、一方向に配列していてもよく、複数方向に配列していてもよい。前者の場合、凸部16の各々は、例えば、レンチキュラ若しくはシリンドリカルレンズ又は三角プリズムである。後者の場合、凸部16の各々は、例えば、光透過層17の前面17bに垂直な対称軸を有しているレンズ又は角錐状のプリズムである。
これら凸部16は、例えば、複数のレンズを1次元又は2次元的に配列してなるレンズアレイを形成している。これら凸部16は、複数のプリズムを1次元又は2次元的に配列してなるプリズムアレイを形成していてもよい。
これら凸部16は、形状が同一であってもよく、異なっていてもよい。後者の場合、一部の凸部16がレンズであり、残りの凸部16がプリズムであってもよい。或いは、全ての凸部がレンズであり、一部の凸部と残りの凸部とで形状が異なっていてもよい。或いは、全ての凸部がプリズムであり、一部の凸部と残りの凸部とで形状が異なっていてもよい。ここでは、一例として、凸部16は、形状が互いに等しいレンチキュラであり、一次元的に配列しているとする。
凸部16は、例えば、凸部282について説明したのと同様の方法により形成することができる。凸部16の材料は、光透過層17の材料と同一であってもよく、異なっていてもよい。
マスク層22は、光学機能層1と拡散層16との間に介在している。マスク層22は、凸部16の頂部16aに対応した位置と、凸部16の側面又は傾斜面16bのうち頂部16aに隣接した領域に対応した位置とで開口している。マスク層22は、光学機能層1と拡散層16との間であってその開口に対応した位置に空隙部を形成している。マスク層22は、拡散部材25が前方へ射出する光のうち、凸部16の頂部16a及びその近傍へ向けて進行する光を透過させ、凸部16間の谷部13へ向けて進行する光を反射又は吸収する。
マスク層22の材料としては、例えば遮光性の材料を使用することができる。遮光性の材料としては、金属反射性の材料又は白色材料を使用することが好ましい。こうすると、マスク層22によって反射された光は、拡散層26によって更に散乱されることなどによって進行方向を変化させ、最終的には光学機能層1に入射する。
マスク層22は、例えば、光学機能層1上に形成することができる。例えば凸部16がレンズを構成している場合、光学機能層1を前面側から照明すると、光透過層17の背面17a上では、凸部16の配列に対応した光強度分布を生じる。例えば、この光強度分布をフォトリソグラフィに利用すれば、フォトマスクを使用することなしにマスク層22を形成することができる。
なお、光学機能層1と拡散部材25とは、例えば、両面テープを介してそれらの縁同士を貼り合せることによって一体化することができる。或いは、光学機能層1と拡散部材25とは、接着剤を使用して貼り合せてもよい。
この光学部品52では、上記の通り、拡散部材25は、薄くした場合であっても、高い拡散能と高い全光線透過率とを達成する。そして、光学機能層1及びマスク層22は、光学部品52の全光線透過率に殆ど影響を及ぼすことなしに、光を更に拡散させると共に、光の広がり角を制御する。
それゆえ、この液晶表示装置70では、光学部品52が表示パネル35へ向けて射出する光Kの強度分布を均一とし且つその広がり角を最適化することができる。従って、上述した技術を採用すると、画面にランプイメージを殆ど生じることなく明るい表示が可能な薄型の表示装置を実現することが可能となる。
なお、両面にレンズアレイ又はプリズムアレイを設けた光学部品は、モアレ干渉縞を生じることがある。しかしながら、上述した光学部品52では、前面側のレンズ又はプリズムと背面側のレンズ又はプリズムとの間に拡散層26が介在しているので、上記の理由でモアレ干渉縞が生じることはない。
また、上記の通り、この表示装置70では、光学部品52の反りに起因した表示パネル35の破壊を生じ難い。従って、光学部品52と光源41との距離を短くすることや、光学部品52と表示パネル35との距離を短くすることが可能である。それゆえ、この光学部品52の使用は、表示装置70の薄型化に有利である。
図1では光透過層23に2層構造を採用しているが、光透過層23には3層以上の多層構造を採用してもよい。
図3は、図1に示す表示装置の一変形例を概略的に示す断面図である。この表示装置70は、光透過層23に以下の構成を採用したこと以外は、図1及び図2を参照しながら説明した表示装置70と同様である。即ち、この表示装置70では、光透過層23は、3層構造を有している。具体的には、光透過層23は、第1光透過層231及び第2光透過層232に加え、第3光透過層233を更に含んでいる。光透過層233は、光透過層231及び232間に介在している。
光透過層233は、例えば、光透過層233は、光透過層23の光学的特性を変更するのに利用することができる。或いは、光透過層233は、厚さT2及び/又は線膨張係数α2の制御に利用することができる。
この液晶表示装置70が含んでいるバックライトユニット55では、以下の構成を採用してもよい。
図4は、バックライトユニットに採用可能な構造の一例を概略的に示す平面図である。図4に示すバックライトユニット55では、光源41として線光源を使用し、凸部282はレンチキュラを構成している。なお、図4において、mはレンチキュラの長さ方向を示し、nは光源の長さ方向を示している。
図4に示す構造では、レンチキュラの長さ方向mは、光源41の長さ方向nに対して僅かに傾いている。方向mが方向nに対して為す角度θ41を過剰に大きくすると、ランプイメージが生じるのを抑制する効果が小さくなる。角度θ41は、例えば20°以下とする。
角度θ41が十分に小さければ、ランプイメージが生じるのを抑制する効果に角度θ41が及ぼす影響は殆どない。即ち、現実的には、光源41と拡散部材25との位置合わせは不要である。それゆえ、この光学部品52を使用すると、製造効率を向上させると共に、製造コストを低減することができる。
次に、本発明の第2態様について説明する。
図5は、本発明の第2態様に係る表示装置を概略的に示す断面図である。図6は、図5に示す表示装置が含んでいる光学機能層を概略的に示す斜視図である。
この表示装置70は、以下の構成を採用したこと以外は図1及び図2を参照しながら説明した表示装置70と同様である。即ち、この表示装置70では、凸部16は、その頂部16aにV字溝4が設けられたレンチキュラを構成している。そして、この表示装置70では、マスク層22を設ける代わりに、光学機能層1及び拡散層26の周縁部間にスペーサ29を介在させてそれらの間に空隙部14を設け、拡散層26の前面26b上に複数の凸部19を配置している。なお、凸部16の各々は、レンチキュラ以外のレンズを構成していてもよく、プリズムを構成していてもよい。
V字溝4の長さ方向は、レンチキュラの長さ方向と平行である。凸部16が2次元アレイを形成している場合、凸部16の少なくとも1つには複数のV字溝4を互いに交差するように設けてもよい。また、凸部16に設ける溝は、V字溝4でなくてもよい。例えば、凸部16には、V字溝の代わりにU字溝を設けてもよい。
スペーサ29は、光学機能層1及び拡散層26を互いから離間させて、それらの間に空隙部14を形成する役割を果たしている。加えて、スペーサ29は、光学機能層1及び拡散層26を互いに対して固定するための部品又はその一部としての役割を果たしている。
ここでは、スペーサ29は枠状部のみからなるが、スペーサ29は、枠状部内に位置した1つ以上の柱状部を更に含んでいてもよい。或いは、スペーサ29として、複数の柱状部を使用してもよい。或いは、スペーサ29は、格子状であってもよい。
凸部19の各々は、レンズ又はプリズムを構成している。典型的には、凸部19は、拡散層26の前面26b上で一定のピッチで配列している。
凸部19は、拡散層26の前面26b上で、一方向に配列していてもよく、複数方向に配列していてもよい。前者の場合、凸部19の各々は、例えば、レンチキュラ若しくはシリンドリカルレンズ又は三角プリズムである。後者の場合、凸部19の各々は、例えば、拡散層26の前背面26bに垂直な対称軸を有しているレンズ又は角錐状のプリズムである。
これら凸部19は、例えば、複数のレンズを1次元又は2次元的に配列してなるレンズアレイを形成している。これら凸部19は、複数のプリズムを1次元又は2次元的に配列してなるプリズムアレイを形成していてもよい。
これら凸部19は、形状が同一であってもよく、異なっていてもよい。後者の場合、一部の凸部19がレンズであり、残りの凸部19がプリズムであってもよい。或いは、全ての凸部がレンズであり、一部の凸部と残りの凸部とで形状が異なっていてもよい。或いは、全ての凸部がプリズムであり、一部の凸部と残りの凸部とで形状が異なっていてもよい。ここでは、一例として、凸部19は、形状が互いに等しいレンチキュラであり、一次元的に配列しているとする。
この表示装置70では、上記の通り、凸部16の頂部16aに溝4を設けている。それゆえ、溝4の側壁と空気層との界面における全反射を生じ、その結果、光のリサイクルを生じる。従って、このように溝4を設けると、溝4を省略した場合と比較してより高い輝度上昇効果を得ることができる。
そして、凸部16の頂部16aに溝4を設けると、光強度スペクトルのサイドローブが小さくなる。加えて、凸部16の頂部16aに溝4を設けると、観察方向を広角側に変化させたときに生じる急激な輝度低下(カットオフ)を緩和させることができる。
また、この表示装置70では、上記の通り、光学機能層1と拡散層26との間に空隙部14を設け、拡散層26の前面26b上に凸部19を配置している。凸部19は、屈折率が小さい空隙部14と隣接しているので、拡散及び集光に関する設計の自由度が大きい。そして、この表示装置70において、厚さT1及びT2と線膨張係数α1及びα2とは、上述した関係を満足している。
従って、本態様においても、第1態様と同様に、画面にランプイメージを殆ど生じることなく明るい表示が可能な薄型の表示装置を実現することが可能となる。そして、この表示装置70が含んでいる光学部品52によると、例えば、1以上の光学利得を達成することができる。
なお、光学利得は、物体の拡散性を示す指標の1つである。光学利得は、物体に特定の光を照射したときの輝度を、完全拡散する拡散体に先の光を照射したときの輝度を1とした相対値として表した値である。測定対象物の拡散性が方向依存性を有している場合、方位毎に光学利得を求めることにより、その物体の拡散特性が得られる。或る方向についての光学利得が1以上であるということは、測定対象物がその方向に光を集める効果を持つことを意味し、その値が大きいほど集光効果が大きいことを示している。
<例1>
図1に示す表示装置70を、以下の方法により製造した。
まず、ポリエチレンテレフタレートのチップと、これに対して非相溶な熱可塑性樹脂であるポリ−4−メチルペンテン−1のチップと、分散剤である分子量4000のポリエチレングリコールとを混合し、この混合物を180℃で3時間の真空乾燥に供した。その後、これを押出機に供給し、常法により285℃で溶融させてTダイ複合口金内に導入し、溶融体シートを得た。得られた溶融体シートは、表面温度が25℃に保たれた冷却ドラム上に密着させながら冷却固化して未延伸フィルムとした。
続いて、この未延伸フィルムを98℃に加熱されたロール群を用いて長手方向に延伸し、その後、25℃のロール群で冷却して、一軸延伸フィルムとした。
次に、この一軸延伸フィルムをクリップで保持しながらテンターに導き、105℃の加熱雰囲気下で長手方向に垂直な方向に延伸した。次いで、これを幅方向に弛緩させてテンター内で220℃の熱処理に供し、その後、均一に除冷した。最後に、これを巻き取り、厚さが50μmの拡散層26を得た。
なお、ここでは、ポリ−4−メチルペンテン−1の添加量と延伸の倍率とを変化させることによって、線膨張係数α1が異なる複数の拡散層26を形成した。
次に、ポリカーボネートとポリエチレンテレフタレートとを用いた多層押出しにより、ポリカーボネートからなる第1光透過層231とポリエチレンテレフタレートからなる第2光透過層232とを含んだ光透過層23を形成した。ここでは、第1光透過層231の厚さを500μmとし、第2光透過層232の厚さTを25μm乃至115μmの範囲内で異ならしめた複数の光透過層23を形成した。なお、第1光透過層231の線膨張係数は7.0×10-5cm/cm/℃であり、第2光透過層232の線膨張係数α2は3.0×10-5cm/cm/℃である。
次いで、ポリエチレンテレフタレートからなる厚さが50μmの光透過性基材281上に光硬化性のアクリル樹脂を塗布し、塗膜に金型を押し当て、各々がシリンドリカルレンズを構成している凸部282を形成した。図2に示す凸部282のピッチPは100μmとし、角度θは50°とした。このようにして、複数のレリーフ層28を形成した。
その後、レリーフ層28の平坦面と第2光透過層232の表面とを粘着剤を介して接合させた。以上のようにして、厚さが725μm乃至815μmの範囲内で異なる複数の拡散部材25を得た。
次に、これら拡散部材25の各々と、平坦面上にマスク層22が形成された光学機能層1とを、拡散層26が光学機能層1と向き合うように粘着剤を介して貼り合わせた。以上のようにして、線膨張係数α1及び厚さTが異なる複数の光学部品52を得た。これら光学部品52の全光線透過率は、50%乃至60%の範囲内にあった。
次いで、これら光学部品52を用いて複数の液晶表示装置70を得た。なお、各直下型バックライトユニット45において、光学部品52と冷陰極管41との距離は3mmとした。また、表示パネル35と光学部品52との間の距離は60mmとした。
これら液晶表示装置70の各々に白色画像を表示させ、正面側からランプイメージが見えるかどうか確認した。その結果、何れの液晶表示装置70についてもランプイメージが見えることはなかった。
<参考例1>
本例では、以下の構成を採用したこと以外は例1で説明したのと同様の液晶表示装置を製造した。
即ち、本例では、透明樹脂中に空孔を分布させた拡散層26の代わりに、透明樹脂に光拡散粒子を分布させた拡散層26を使用した。光透過層23とレリーフ層28とからなる拡散透過層には、単層構造を採用した。そして、多層押出し法により、拡散層26と拡散透過層との積層構造を形成した。
ここでは、拡散層26の透明樹脂及び拡散透過層の材料として、メチルメタクリレート・スチレンを使用した。凸部282は、熱エンボスにより形成した。図2に示すピッチPは100μmとし、角度θは50°とした。また、拡散層26の厚さは1.8mmとし、拡散透過層の厚さは0.2mmとした。即ち、拡散部材25の厚さは2mmとした。なお、この拡散透過層の全光線透過率は99%以上であり、ヘイズ値は1%未満であり、屈折率は1.5であった。また、厚さが1.8mmの拡散層26は、一般的に用いられる拡散板と同等の光学的性能を有している。
この拡散部材25を使用したこと以外は例1で説明したのと同様の光学部品52を製造した。この光学部品52の全光線透過率は、50%乃至60%の範囲内にあった。続いて、この光学部品52を使用したこと以外は例1で説明したのと同様の液晶表示装置70を製造した。その後、この液晶表示装置70に白色画像を表示させ、正面側からランプイメージが見えるかどうか確認したところ、ランプイメージが見えることはなかった。
<例2>
本例では、図1に示す液晶表示装置70を以下の方法により製造した。
即ち、例1で製造した拡散部材25の各々を、37型の画面に対応した寸法に切断した。各拡散部材25及び平坦面にマスク層22が形成された厚さが2mmの光学機能層1の周縁部同士を、両面テープを介して貼り合わせた。これにより、複数の光学部品52を得た。ここでは、両面テープの幅は5mmとし、両面テープは画像表示領域の外側にのみ位置させた。これら光学部品52の全光線透過率は、50%乃至60%の範囲内にあった。
次に、これら光学部品52を用いたこと以外は例1において説明したのと同様の方法により複数の液晶表示装置70を得た。なお、これら液晶表示装置70は、その画面が上向きになるように設置した状態で、光学部品52が光源41側に撓むことはなかった。
次いで、これら液晶表示装置70の各々に白色画像を表示させ、正面側からランプイメージが見えるかどうか確認した。その結果、何れの液晶表示装置70についてもランプイメージが見えることはなかった。
また、これら表示装置70の各々に白色画像を表示させ、駆動条件を一定としたまま、画面の全領域に亘って垂直方向の輝度を測定した。そして、このようにして得られた輝度分布データから、画面のうち冷陰極管に対応した領域における平均輝度を算出し、この平均輝度に対する輝度の分散σ2を求めた。その結果、何れの表示装置70についても、標準偏差σは1%以下であった。
次に、これら表示装置70の各々を環境試験に供して、光学部品52に生じる反りの大きさを測定した。
具体的には、各表示装置70を、温度が80℃の環境中に500時間放置した。その後、表示装置70から光学部品52を取り出し、この光学部品52を凸に反った面が下方を向くように水平面上に載置した。そして、先の水平面から光学部品52の下面の4隅までの距離を測定し、それらの平均値を反り量とした。なお、ここでは、表示パネル35と光学部品52との間の距離を60mmとしたため、60mmの反り量を判定基準とした。その結果を、以下の表1及び2に示す。
Figure 2009237356
Figure 2009237356
表1及び2において、「NG」は反り量が60mmを超えたことを示し、「OK」は反り量が60mm以下であったことを示している。また、「T2/T1」は光透過層232の厚さT2と拡散層26の厚さT1との比を示し、「|α1−α2|」は拡散層の線膨張係数α1と光透過層232の線膨張係数α2との差の絶対値を示している。
表1及び2に示すように、比T2/T1が0.8乃至1.2の範囲内にあり且つ絶対値|α1−α2|が1.5×10-4cm/cm/℃以下である場合及び比T2/T1が1.2乃至2.0の範囲内にあり且つ絶対値|α1−α2|が1.0×10-4cm/cm/℃以下である場合に、小さな反り量を達成することができた。
本発明の第1態様に係る表示装置を概略的に示す断面図。 拡散部材における光の経路を示す断面図。 図1に示す表示装置の一変形例を概略的に示す断面図。 バックライトユニットに採用可能な構造の一例を概略的に示す平面図。 本発明の第2態様に係る表示装置を概略的に示す断面図。 図4に示す表示装置が含んでいる光学機能層を概略的に示す斜視図。
符号の説明
1…光学機能層、4…溝、13…谷部、14…空隙部、16…凸部、16a…頂部、16b…傾斜面、17…光透過層、17a…背面、17b…前面、19…凸部、22…マスク層、23…光透過層、23a…背面、23b…前面、25…拡散部材、26…拡散層、26a…背面、26b…前面、28…レリーフ層、28a…頂部、28b…傾斜面、28c…底面、29…スペーサ、30…接合位置、31…偏光板、32…液晶パネル、33…偏光板、35…表示パネル、41…光源、43…反射層、45…バックライト本体、52…光学部品、55…バックライトユニット、70…表示装置、231…光透過層、232…光透過層、233…光透過層、281…光透過性基材、282…凸部。

Claims (10)

  1. 透明樹脂と前記透明樹脂中に分布した複数の空孔とを含んだ拡散層と、
    一方の主面が前記拡散層の一方の主面に接着剤層若しくは粘着剤層を介して接合されているか又は直接に接合され、多層構造を有している光透過層と、一方の主面が前記光透過層の他方の主面に接合され、他方の主面にレンズ又はプリズムを各々が構成している複数の凸部が設けられたレリーフ層とを含んだ拡散透過層とを具備し、
    前記拡散層の厚さT1及び線膨張係数α1と前記光透過層からその前記拡散層に最も近く位置した1層を除いてなる構造の厚さT2及び線膨張係数α2とは、下記不等式(1)及び(2)に示す関係を満足しているか、又は、下記不等式(3)及び(4)に示す関係を満足していることを特徴とする光学部品。
    0.8×T1≦T2≦1.2×T1 …(1)
    |α1−α2|≦1.5×10-4cm/cm/℃ …(2)
    1.2×T1<T2≦2.0×T1 …(3)
    |α1−α2|≦1.0×10-4cm/cm/℃ …(4)
  2. 前記透明樹脂は熱可塑性樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の光学部品。
  3. 前記拡散層は延伸されていることを特徴とする請求項2に記載の光学部品。
  4. 前記拡散層は、前記複数の空孔にそれぞれ隣接して位置し、各々が前記透明樹脂とは異なる材料からなる複数の粒子を更に含んだことを特徴とする請求項3に記載の光学部品。
  5. 前記複数の凸部のうち1方向に配列したものの頂部を通り且つそれら凸部の配列方向と前記光透過層の厚さ方向とに平行な断面において、それら凸部の各々の側面がその底面との接合位置で前記底面に対して為す角度θ及びそれら凸部のピッチPと、前記底面と前記拡散層とに挟まれた部分の厚さT及び屈折率nとは、下記不等式に示す関係を満足していることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の光学部品。
    Figure 2009237356
  6. 一方の主面にレンズ又はプリズムを各々が構成している複数の凸部が設けられ、他方の主面の少なくとも一部が空隙部を間に挟んで前記拡散層の他方の主面と向き合った光学機能層を更に具備したことを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の光学部品。
  7. 複数の開口が設けられ、前記拡散層と前記光学機能層との間に介在して前記複数の開口の位置に前記空隙部を形成しているマスク層を更に具備したことを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載の光学部品。
  8. 前記拡散層と前記光学機能層との間に介在して、それらの間に前記空隙部を形成しているスペーサと、
    前記拡散層の前記光学機能層と向き合った主面に支持され、レンズ又はプリズムを各々が構成している複数の凸部と
    を更に具備したことを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載の光学部品。
  9. 請求項1乃至8の何れか1項に記載の光学部品と、
    前記光学部品を前記拡散透過層側から照明する光源と
    を具備したことを特徴とするバックライトユニット。
  10. 請求項9に記載のバックライトユニットと、前記光学部品を間に挟んで前記光源と向き合った表示パネルとを具備したことを特徴とする表示装置。
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