JP2009235988A - 流体圧力回転装置 - Google Patents

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Akihiro Takemae
昭宏 竹前
Yasuhiko Maruyama
泰彦 丸山
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Abstract

【課題】ベーンをシリンダの内周面へ当接させる付勢力を、適切且つ制御可能に得ることができる流体圧力回転装置を提供すること。
【解決手段】シリンダ10の中心軸に対して偏心された回転軸21を中心に回転するローター20を有し、そのローター20に放射状に設けられた各ローター溝22内でラジアル方向へ移動可能に組み込まれてシリンダの内周面11に接する複数のベーン30を有する流体圧力回転装置であって、ベーン30をシリンダの内周面11へ圧接させるようにローター20のラジアル方向外方へ押圧可能に、各ローター溝22の内底に開口する連通路23と、その連通路23に接続されて圧力流体を各ローター溝22内へ供給する圧力流体供給部40とを備えるベーンの押圧機構が設けられている。
【選択図】図1

Description

本発明は、ベーン型の空気圧モータ、負圧や正圧を発生する空気圧発生装置等の空気圧装置や、水ポンプ等の液体圧装置として用いられる流体圧力回転装置に関する。
ベーン型の流体圧力回転装置にあっては、シリンダと、そのシリンダ内で偏心された回転軸を中心に回転するローターと、ローター溝に組み込まれてシリンダの内周面に接する複数のベーンとを基本的な構成要素としている。
従来、そのベーンをシリンダの内周面へ当接させる付勢力は、ローターの回転による遠心力や圧縮バネの弾発力によって生じさせていた。例えば、本出願人によって先に開示されている真空ポンプでは、ベーンがローターの回転による遠心力によって付勢される(特許文献1参照)。なお、空気圧モータにあっては、ベーンがシリンダの内周面へ適切に当接されることで、給気される圧縮空気の圧力を適切に受けることが可能になる。それにより、回転推力を得ることができる。
特開2001−289167号公報(第1頁、第1図)
従来の遠心力のみに頼る方法は、例えば空気圧モータにおいてベーンがローター溝等に張り付いた場合、推力が得られず、回転不良になってしまう。
また、ベーンを圧縮バネで押し出す方式は、常時シリンダの内周面に予圧がかかってしまうため、ベーンの寿命が低下しやすい。そして、圧縮バネを組み込んだベーンの特別な押し出し機構が必要となる。
流体圧力回転装置に関して解決しようとする問題点は、ベーンをシリンダの内周面へ当接させる従来の付勢手段では、信頼性を向上させることが難しく、付勢力の制御が難しい点にある。
そこで本発明の目的は、ベーンをシリンダの内周面へ当接させる付勢力を、適切且つ制御可能に得ることができる流体圧力回転装置を提供することにある。
本発明は、上記目的を達成するために次の構成を備える。
本発明にかかる流体圧力回転装置の一形態によれば、シリンダ内で該シリンダの中心軸に対して偏心された回転軸を中心に回転するローターを有し、該ローターに放射状に設けられた各ローター溝内でラジアル方向へ移動可能に組み込まれて前記シリンダの内周面に接する複数のベーンを有する流体圧力回転装置であって、前記ベーンを前記シリンダの内周面へ圧接させるように前記ローターのラジアル方向外方へ押圧可能に、前記各ローター溝の内底に開口する連通路と、該連通路に接続されて圧力流体を前記各ローター溝内へ供給する圧力流体供給部とを備えるベーンの押圧機構が設けられていることを特徴とする。
また、本発明にかかる流体圧力回転装置の一形態によれば、前記ローターが回転起動して安定的な回転となった後は、前記圧力流体供給部による圧力流体の供給を停止する圧力流体供給部の制御部を備えることを特徴とすることができる。
また、本発明にかかるベーン型エアーモータの一形態によれば、上記の流体圧力回転装置の構成を備え、前記シリンダに開口された給気口と掃気口との間に、該シリンダ内の空気を排気する排気口が開口され、前記ベーンが4枚備えられて前記ローターの円周等分位置に配され、該4枚のベーンが回転中において、前記シリンダ内を、前記給気口とのみ連通する空間、前記排気口とのみ連通する空間、前記掃気口とのみ連通する空間、及び外部と連通しない空間に仕切ることができることを特徴とする。
本発明にかかる流体圧力回転装置によれば、ベーンをシリンダの内周面へ当接させる付勢力を、適切且つ制御可能に得ることができるという特別有利な効果を奏する。
以下、本発明にかかる流体圧力回転装置について最良の形態例を添付図面(図1〜3)に基づいて詳細に説明する。この形態例は、流体圧力回転装置の一例としてのベーン型エアーモータ(空気圧回転装置)になっている。
図1は本発明に係るベーン型エアーモータの形態例を示す断面図である。図2は図1のベーン型エアーモータのローター回転位置が異なる状態を示す断面図であり、図3は図2の中央縦断面図である。
10はシリンダである。ハウジングに円筒状に設けられた部分である。
20はローターであり、シリンダ10内で、そのシリンダ10の中心軸に対して偏心された回転軸21を中心に回転する。このローター20は、回転軸21と回転不能に一体的に設けられている(図3参照)。なお、21aは回転軸の出力側部であり、カップリングで連結されて駆動力を伝達する出力軸となっている。
30はベーンであり、複数が組み込まれている。このベーン30は、ローター20に放射状に設けられた各ローター溝22内でラジアル方向(半径方向)へ移動可能に組み込まれてシリンダの内周面11に接する。本形態例のベーン30は、長方形の板状であって一辺(外側の長辺)がシリンダの内周面11に線接触する形態になっている。
23は連通路であり、ベーン30をシリンダの内周面11へ圧接させるようにローター20のラジアル方向外方へ押圧可能に、各ローター溝22の内底22aに開口している。
40は空圧供給部であり、連通路23に接続されて圧縮空気を各ローター溝22内へ供給する。この空圧供給部40と連通路23とによってベーンの押圧機構が構成されている。(圧縮空気は圧力流体の一例であり、空圧供給部40は圧力流体供給部の一例である。)これによれば、シール性を向上でき、回転性能を向上できる。
なお、空圧供給部40は、例えばコンプレッサー装置やバルブを備えるユニットである。
本形態例の連通路23は、回転軸21の一方の軸受部16によって軸受された側の端部中心部からローター20の中心部まで連続的に穿設された状態に設けられ、そのローター20の中心部で各ローター溝22へ連通するように分岐された形態になっている。
これによれば、ローター20を駆動するために給気する圧縮空気の一部を利用し、ベーン30を、ローター溝22から飛び出すように押圧してシリンダの内周面11へ押圧できる。圧縮バネのように組み込まれる機械要素を要せず、基本的に圧縮空気の一部を利用するための連通路23を設けるだけで、比較的簡単に構成できる。また、連通路23については、従来の構造の回転軸21やローター20に追加して加工するだけで設けることができ、比較的簡単に製造できる。
41は空圧供給部の制御部であり、ローター20が回転起動して安定的な回転となった後は、空圧供給部40による圧縮空気の供給を停止するように制御することができる。
なお、ローター20の回転状況を検出するセンサーや、起動後の時間を検出するタイマー等を用いることで、圧縮空気の供給を停止する時期を適宜に設定すればよい。そのセンサーやタイマーを含む制御装置については、既存の技術を適宜に用いればよい。
これによれば、ローター20の起動時のみに押圧力が作用してベーン30を押し出し、回転速度が所要値を超えるなど所要の条件が満足した後は、従来と同様に遠心力を利用するハイブリット方式とすることができる。なお、使用条件に応じて、ベーン30へ常に押圧力(予圧)がかかる方式であってもよい。
また、図1〜3に示したベーン型エアーモータ(空気圧回転装置)は、以上に説明した流体圧力回転装置の構成を備えると共に、以下の構成を備える。
12は給気口であり、14は掃気口である。
13は排気口であり、シリンダ10に開口された給気口12と掃気口14との間に、そのシリンダ10内の空気を排気するように開口されている。
また、ベーン30が4枚備えられてローター20の円周等分位置に配され、その4枚のベーン30が回転中において、シリンダ10内を、給気口12とのみ連通する空間10a、排気口13とのみ連通する空間10b、掃気口14とのみ連通する空間10c、及び外部と連通しない空間10dに仕切ることができる。
なお、ベーン型エアーモータとしての構成については、これに限定されるものではなく、給気口12と掃気口14が、サイドプレート15、15に開口されていてもよいし、ローター20に連通・開口されていてもよい。また、排気口13の形状や開口位置も適宜選択的に設定すればよい。
次に、以上の構成を備えるベーン型エアーモータの作動状態について説明する。
停止時は、仮に図1に示すような状態で停止しているものとする。このとき、既に各ベーン30がシリンダの内周面11へ十分に接触するように、飛び出しているか否かは不明である。
運転を開始すると、図3に示したポート17より圧縮空気が、回転軸21の一端側から連通路23を通じて各ローター溝22内へ加給され、各ベーン30をラジアル方向へ押し出す。これによって図1に示すように、ベーン30(A)は、給気口12から供給される圧縮空気を適切に受圧でき、低圧部である排気口13に向かって反時計回り(矢印参照)に回転を始める。これにより、エアーモータとして好適に始動できる。
次に、図2に示すように、ベーン30(A)が排気口13を過ぎ、次のベーン30(B)が受圧工程に入る。このとき、ベーン30(A)は排気を終わり、掃気工程に入るが、シリンダの内周面11に沿ってローター溝22に収納されていく。
以上の動作を繰り返すことで、ローター20が回転され、駆動力を出力できる。
なお、給気と掃気を反対にすることで、回転方向を反転できる(図2の矢印参照)。
以上に説明した構成は、エアーモータの他に、ベーン型真空ポンプ等の他の空気圧装置や水ポンプ等の液体圧装置にも好適に応用できるのは勿論である。他の空気圧装置や水ポンプ等の液体圧装置についても、各ベーン30とシリンダの内周面11とのシール性を高め、性能を向上できる。
以上、本発明につき好適な形態例を挙げて種々説明してきたが、本発明はこの形態例に限定されるものではなく、発明の精神を逸脱しない範囲内で多くの改変を施し得るのは勿論のことである。
本発明に係る流体圧力回転装置の形態例を示す断面図である。 図1の流体圧力回転装置のローター回転位置が異なる断面図である。 図2の中央縦断面図である。
符号の説明
10 シリンダ
11 シリンダの内周面
12 給気口
13 排気口
14 掃気口
15 サイドプレート
16 軸受部
20 ローター
21 回転軸
22 ローター溝
23 連通路
30 ベーン
40 空圧供給部
41 空圧供給部の制御装置

Claims (3)

  1. シリンダ内で該シリンダの中心軸に対して偏心された回転軸を中心に回転するローターを有し、該ローターに放射状に設けられた各ローター溝内でラジアル方向へ移動可能に組み込まれて前記シリンダの内周面に接する複数のベーンを有する流体圧力回転装置であって、
    前記ベーンを前記シリンダの内周面へ圧接させるように前記ローターのラジアル方向外方へ押圧可能に、前記各ローター溝の内底に開口する連通路と、該連通路に接続されて圧力流体を前記各ローター溝内へ供給する圧力流体供給部とを備えるベーンの押圧機構が設けられていることを特徴とする流体圧力回転装置。
  2. 前記ローターが回転起動して安定的な回転となった後は、前記圧力流体供給部による圧力流体の供給を停止する圧力流体供給部の制御部を備えることを特徴とする請求項1記載の流体圧力回転装置。
  3. 請求項1又は2記載の流体圧力回転装置の構成を備え、
    前記シリンダに開口された給気口と掃気口との間に、該シリンダ内の空気を排気する排気口が開口され、
    前記ベーンが4枚備えられて前記ローターの円周等分位置に配され、該4枚のベーンが回転中において、前記シリンダ内を、前記給気口とのみ連通する空間、前記排気口とのみ連通する空間、前記掃気口とのみ連通する空間、及び外部と連通しない空間に仕切ることができることを特徴とするベーン型エアーモータ。
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