JP2009235551A - 高炉原料の加熱乾燥ホッパーおよびその温度調整方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】加熱乾燥ホッパー1の上部に配設される投入口4から高炉原料2を投入し、加熱乾燥ホッパーの下部に配設されるフィーダー12を用いて高炉原料を排出し、フィーダーの下方に配設される篩分け機13を用いて高炉原料の篩分けを行なう一方で、加熱乾燥ホッパーの下部側壁に配設される送気配管6から加熱乾燥ホッパー内に高温ガスを供給し、加熱乾燥ホッパーの上部側壁に配設される排気配管9から加熱乾燥ホッパー内の雰囲気ガスを吸引して排ガスとして排出しながら、排気配管に配設される温度計10で排ガスの温度を測定し、温度計の測定値に基づいてバイパス流量調整弁16の開度を調整して高温ガスの供給量を制御することによって、排ガスの温度を大気温度以上に維持する。
【選択図】図1
Description
そのため、炉内の燃焼ガスの流れを適正な状態に維持する技術が種々検討されている。たとえば、高炉原料を炉頂から装入するときに、高炉原料の粒度に応じて適正な炉内位置に堆積させる技術が実用化されている。しかしながら高炉原料に粉状の粒子が混入すると、炉内で高炉原料の間に生じる隙間に粉状の粒子が充満して、燃焼ガスの流れを阻害する。つまり、高炉原料を適正な炉内位置に堆積させる精緻な装置や方法を開発しても、高炉原料に粉状の粒子が混入すると、炉内における燃焼ガスの流れを適正な状態に維持することが困難になる。
高炉原料は、様々な経路をたどってホッパーに貯留される。高炉原料のうち、焼結鉱やコークスは、製造設備(すなわち焼結機,コークス炉)から粒度調整を経て、直接ホッパーへ送給される、あるいは一旦屋外の保管場所(いわゆるヤード)に保管された後、あらためて回収してホッパーへ送給される。鉄鉱石は、荷揚げ場からヤードに搬入して保管された後、あらためて回収してホッパーへ送給される。
たとえば特許文献1には、熱処理炉等から発生するガスの廃熱を回収し、その熱量を利用して秤量前に高炉原料を乾燥する技術が開示されている。この技術は、高炉原料の含水率を低減して秤量を行なうことによって、秤量の精度を向上することを目的としたものである。
また、高炉原料の乾燥を行なうホッパーから排出されるガスを集塵機に導入して除塵する場合、ホッパーから排出されるガスは湿度が高いので、そのガスの温度が大気温度より低い場合には、結露による集塵機のバグ詰まりを引き起こす。
加熱乾燥ホッパー1内に貯留される高炉原料2には、加熱乾燥ホッパー1へ搬送する際の振動や加熱乾燥ホッパー1の投入口4から投入するときの衝撃によって高炉原料2が崩壊して生じた粉状原料3が混入している。さらに高炉原料2には水分が含まれているので、その水分によって粉状原料3が高炉原料2に付着している。
高温ガスの種類や加熱源は特に限定しない。ただし、高温ガスとして空気を加熱して使用することが、コスト削減の観点から好ましい。また加熱源は、製鉄プラントで発生する各種の廃熱を利用することが、省エネルギーの観点から好ましい。勿論、専用の加熱機を設置しても良い。本発明では、高炉原料2に含まれる水分を蒸発させるために高温ガスを加熱乾燥ホッパー1内に供給するので、300℃以下程度に加熱した高温ガスを使用すれば十分に効果を発揮する。製鉄プラントにおける加熱乾燥ホッパー1(すなわち貯鉱槽,貯骸槽)には、焼結機が周辺に設置されており、その焼結機のクーラーの廃熱で加熱された空気(いわゆるクーラー排ガス)を利用すると、その送風経路を短縮できるので好適である。
加熱乾燥ホッパー1の上部側壁には排気配管9が設けられ、加熱乾燥ホッパー1内の雰囲気ガスを排気ガスとして排出する。その結果、加熱乾燥ホッパー1内が負圧になるので、高炉原料2や粉状原料3が投入口4から放出されるのを防止できる。ただし、排気配管9から排出される排気ガスには粉状原料3が混入しているので、排気ガスを集塵機(図示せず)へ導入して集塵処理を施す。
図1には送気配管6に流量調整弁11を配設する例を示したが、元管8に流量調整弁11を配設しても良い。ただし高温ガスの供給量を精度良く調整するためには、各送気配管6に流量調整弁11を配設することが好ましい。
加熱乾燥ホッパー1の下部にはフィーダー12が配設されており、そのフィーダー12から高炉原料2と粉状原料3が排出(いわゆる切り出し)される。
さらに、フィーダー12の下方には篩分け機13が配設されており、その篩分け機13によって高炉原料2と粉状原料3とを分別する。高炉原料2に含まれる水分は蒸発しているので、高炉原料2と粉状原料3を容易に分別できる。しかも高炉原料2や粉状原料3が篩分け機13の網に付着せず、網の目詰まりは発生しない。また、高温ガスの温度を上記した範囲に維持することによって、網の耐用性が向上する。その結果、長時間にわたって安定して篩分けを行なうことが可能である。
高炉原料2は、篩分け機13から計量槽15に供給された後、所定量を計量されて高炉に装入される。この高炉原料2には粉状原料3が混入していないので、高炉内の燃焼ガスの流れを適正な状態に維持できる。
投入口4から投入された焼結鉱の含水率は2質量%であったので、送気配管6の先端の送気口7から高温ガスを供給量40000m3〔標準状態〕/時で供給し、水分を蒸発させて含水率をゼロとした。鉄鉱石の含水率は5質量%であったので、送気配管6の先端の送気口7から高温ガスを供給量140000m3〔標準状態〕/時で供給し、水分を蒸発させて含水率をゼロとした。なお、高温ガスの供給量は、各加熱乾燥ホッパー1ごとに4本の送気配管6から供給される合計量を示す。
また、高温ガスを加熱乾燥ホッパー1内に供給する一方で、排気配管9から加熱乾燥ホッパー1内の雰囲気ガスを排気ガスとして排出した。排気配管9には温度計10を配設して排気ガスの温度を測定した。そして、その温度の測定値に応じてバイパス配管17に設置されるバイパス流量調整弁16の開度を制御して、高温ガスの供給量を調整し、排気ガスの温度を50〜60℃の範囲内に維持した。なお、加熱乾燥ホッパー1内に供給する高温ガスの流量を調整する流量調整弁11は各送気配管6に配設し、高温ガスを均等に分配するよう調整した。排気ガスは、集塵機へ導入して粉状原料3を除去した後、煙突から大気中へ放散した。
以上に説明したように本発明を適用して、加熱乾燥ホッパー1(合計8槽)を4ケ月継続して稼動した。その期間中に篩分け機13の網の目詰まりは発生せず、また高炉原料2や粉状原料3の漏出も認められず、安定して加熱乾燥ホッパー1を稼動できた。しかも集塵機のバグ詰まりは発生しなかった。
高炉原料2は、篩分け機13から計量槽15に供給した後、所定量を計量して高炉に装入した。この高炉原料2には粉状原料3が混入していないので、高炉内の高温空気や燃焼ガスの流れを適正な状態に維持できた。
2 高炉原料
3 粉状原料
4 投入口
5 蓋
6 送気配管
7 送気口
8 元管
9 排気配管
10 温度計
11 流量調整弁
12 フィーダー
13 篩分け機
14 ベルトコンベア
15 計量槽
16 バイパス流量調整弁
17 バイパス配管
Claims (2)
- 高炉原料を加熱乾燥しつつ貯留する加熱乾燥ホッパーであって、前記ホッパーの上部に配設されて前記高炉原料の投入経路となる投入口と、前記投入口に開閉可能に取付けられる蓋と、前記加熱乾燥ホッパーの下部に配設されて前記高炉原料を排出するフィーダーと、前記加熱乾燥ホッパーの下部側壁に配設されて前記加熱乾燥ホッパー内に高温ガスを供給する送気配管と、前記フィーダーの下方に配設されて前記高炉原料の篩分けを行なう篩分け機と、前記加熱乾燥ホッパーの上部側壁に配設されて前記加熱乾燥ホッパー内の雰囲気ガスを吸引して排ガスとして排出する排気配管と、前記排気配管に配設されて前記排ガスの温度を測定する温度計と、前記加熱乾燥ホッパー内に供給する前記高温ガスの供給量を調整する流量調整弁と、前記排気配管に前記高温ガスを直接供給するバイパス配管と、前記温度計の測定値に基づいて前記排気配管に供給される前記高温ガスの供給量を調整するバイパス流量調整弁と、を有することを特徴とする高炉原料の加熱乾燥ホッパー。
- 高炉原料を加熱乾燥しつつ貯留する加熱乾燥ホッパーの温度調整方法において、前記加熱乾燥ホッパーの上部に配設される投入口から前記高炉原料を投入し、前記加熱乾燥ホッパーの下部に配設されるフィーダーを用いて前記高炉原料を排出し、前記フィーダーの下方に配設される篩分け機を用いて前記高炉原料の篩分けを行なう一方で、前記加熱乾燥ホッパーの下部側壁に配設される送気配管から前記加熱乾燥ホッパー内に高温ガスを供給し、前記加熱乾燥ホッパーの上部側壁に配設される排気配管から前記加熱乾燥ホッパー内の雰囲気ガスを吸引して排ガスとして排出しながら、前記排気配管に配設される温度計で前記排ガスの温度を測定し、前記温度計の測定値に基づいてバイパス配管に設置されたバイパス流量調整弁の開度を調整して前記高温ガスの供給量を制御することによって、前記排ガスの温度を大気温度以上に維持することを特徴とする高炉原料の加熱乾燥ホッパーの温度調整方法。
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