JP2009232241A - 弾性波素子、フィルタ、通信装置、および弾性波素子の製造方法 - Google Patents

弾性波素子、フィルタ、通信装置、および弾性波素子の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】シリコンアルコキシド系SOGを弾性波素子に適用する場合に発生する課題に鑑みなされたものであり、製造性に優れ、かつ、フィルター特性も優れた弾性波素子を提供する。
【解決手段】基板4と、基板4上に形成された櫛歯電極2aを含む電極2と、電極2上に形成された誘電体層5とを備えた弾性波素子であって、少なくとも櫛歯電極2a間にSiO2膜6を備え、電極間のSiO2膜6は、SOG(Spin on Glass)で形成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、弾性波素子、フィルタに関する。また、そのような弾性波素子やフィルタを備えた通信装置に関する。また、弾性波素子の製造方法に関する。
弾性波を応用した装置の一つとして、弾性表面波(SAW:Surface Acoustic Wave)デバイスが以前より良く知られている。このSAWデバイスは、例えば携帯電話に代表される45MHz〜2GHzの周波数帯における無線信号を処理する各種回路、例えば送信バンドパスフィルタ、受信バンドパスフィルタ、局発フィルタ、アンテナ共用器、IFフィルタ、FM変調器等に用いられている。
温度特性を向上させるため、特許文献1においては、圧電基板上に圧電基板と温度特性の符号が異なるSiO2を成膜した弾性表面波素子が開示されている。
温度特性の改善および素子の小型化を実現させるため、ラブ波を利用する弾性波素子や、異なる媒質の境界を伝搬する境界波を用いる弾性境界波素子が、特許文献2、特許文献3、非特許文献1に開示されている。
図8は、特許文献2に記載のラブ波を利用した弾性波素子の平面図である。図9は、図8におけるY−Y部の断面図である。圧電基板104に電極102が形成され、電極102上に誘電体層105が形成されている。電極102は、櫛歯型電極102a、反射器102bと、櫛歯型電極102aと接続している端子部102cとから構成されている。櫛歯型電極102aおよび反射器102bは誘電体層105で覆われているが、端子部102cは誘電体層105で覆われていない。誘電体層105の厚さは、電極102よりも厚く、弾性表面波の波長をλとしたときに大凡0.3×λ程度である。この弾性波素子は、電極102の表面が厚い誘電体層105で覆われているので、信頼性が高いことも期待される。
図10A〜図10Dは、図8及び図9に示す弾性波素子の製造工程を示す。弾性波素子を製造する際は、まず図10Aに示すように圧電基板104上にレジスト106を形成する。レジスト106は、電極102に対応する位置に凹部106aを有するようにパターニングされる。次に、図10Bに示すように、圧電基板104上に金属膜107を形成する。金属膜107は、レジスト106及び凹部106a上に形成される。次に、図10Cに示すように、レジスト106及び凹部106a内の金属膜107を除去し、櫛歯電極102aを形成する。次に、図10Dに示すように、圧電基板104上にSiO2からなる誘電体層105を形成する。この時、誘電体層105が櫛歯電極102aを覆うように形成する。
しかしながら図10A〜図10Dに示す製法に基づき弾性波素子を製造すると、櫛歯電極102a上にSiO2からなる誘電体層105を形成した場合、一般的には、図10Dに示すように誘電体層105の表面上に電極102の形状を反映した凹凸105aが発生する。この凹凸105aがあると、電極102で励振されたラブ波の伝播損失が増大する。そのため、電極102上の誘電体層105の表面を平坦化することが必要である。
誘電体層105の表面を平坦化するプロセスとしては、特許文献4および非特許文献2に開示されている。特許文献4には、圧電基板上に形成された電極間に予めSiO2を形成し、リフトオフにて電極を埋める方法が開示されている。また、非特許文献2には、圧電基板上に電極を形成後、ポリシラザン系のSOG(Spin on Glass)を塗布焼成する方法が開示されている。
しかしながら、特許文献4では、工数が多く、また、電極と最初に形成したSiO2のとの間にボイドが発生し、ボイド起因で伝播損失が増大するという課題があった。
また、非特許文献2では、ボイドは発生しないが、ポリシラザン系SOGは一般に水と反応しやすく専用の設備が必要であった。また、一般にポリシラザンは40%程度収縮するため膜厚制御が難しいという課題もあった。さらに、ポリシラザン系のSOGでは、非特許文献2で開示されているように、焼成時にアンモニアと水素が発生するので、電極が腐食されないようにするために、保護膜を形成する必要があり、保護膜の電極上のカバレッジが課題もあった。
ポリシラザン系のSOGよりも取り扱いが容易で、焼成時にアンモニアなどの腐食ガスを出さないSOGとして、シリコンアルコキシド系のSOGがある。
特開2003−209458号公報 特開2004−112748号公報 特開平10−549008号公報 特許第3885824号公報 Masatsune Yamaguchi, Takashi Yamashita, Ken-ya Hashimoto, Tatsuya Omori, 「Highly Piezoelectric Boundary Waves in Si/SiO2/LiNbO3 Structure」, Proceeding of 1998 IEEE International Frequency Control Symposium,(米国), IEEE,1998年, p.484-488 (独)日本学術振興会発行 弾性波素子技術第150委員会 第103回研究会資料 p.15-20
しかしながら、シリコンアルコキシド系SOGは、ポリシラザン系SOGと比べて、クラック限界が低く(膜厚0.5μm)、表面弾性波に必要な1μm厚さ程度まで厚膜化できないという課題があった。
本発明の目的は、シリコンアルコキシド系SOGを弾性波素子に適用する場合に発生する課題に鑑みなされたものであり、製造性に優れ、かつ、フィルター特性も優れた弾性波素子、フィルタ、通信装置、および、弾性波素子の製造方法を提供することである。
本発明の弾性波素子は、圧電性を有する基板と、前記基板上に形成された櫛歯電極を含む電極と、前記電極上に形成された誘電体層とを備えた弾性波素子であって、少なくとも前記櫛歯電極間にSiO2膜を備え、前記電極間のSiO2膜は、SOG(Spin on Glass)で形成されているものである。
本発明の弾性波素子の製造方法は、圧電性を有する基板上に、櫛歯電極を含む電極を形成する工程と、少なくとも前記電極間にSOGを塗布し、乾燥し、焼成してSiO2膜を形成する工程と、前記電極及び前記SiO2膜上に、SiO2からなる誘電体層をドライプロセスで成膜する工程とを含むものである。
本発明によれば、取り扱いやすいシリコンアルコキシド系のSOGを用い、フィルター特性に優れたた弾性波素子の製造方法を提供することができる。
(実施の形態)
〔1.弾性波素子の構成〕
図1は、本実施の形態の弾性波素子の平面図である。図2は、図1におけるY−Y部分の断面である。図1及び図2に示すように、弾性波素子は、圧電基板4上に電極2が形成されている。電極2は、櫛歯電極2aと反射器2bと端子部2cとから構成されている。誘電体層5は、圧電基板4上において櫛歯電極2a及び反射器2bを覆うように形成されている。端子部2cは、誘電体層5に覆われず、露出するように形成されている。誘電体層5の厚さは、電極102よりも厚く、弾性表面波の波長をλとしたときに大凡0.3×λ程度である。
本実施の形態では、櫛歯電極2a及び反射器2bに形成されている凹部内に、SiO2膜6が形成されている。SiO2膜6は、シリコンアルコキシド系SOGを主成分とする材料で構成されている。また、SiO2膜6は、シリコンアルコキシド系SOGのクラック限界の膜厚である0.5μm以下の膜厚を有する。本実施の形態では、櫛歯電極2a及び反射器2bの厚さは140nmとしているため、SiO2膜6は櫛歯電極2a及び反射器2bにほぼ面一になるように形成されている。したがって、SiO2膜6は、櫛歯電極2a及び反射器2bとともに誘電体層5に覆われている。
本実施の形態の弾性波素子を製造するには、まず、圧電基板4上に電極2を形成後、シリコンアルコキシド系SOGからなるSiO2膜6を、後の焼成後に電極2間がほぼ満たされる程度までの厚さまで、塗布する。次に、SiO2膜6を焼成する。これにより、電極2間のみにSiO2膜6を形成することができる。その後、スパッタあるいはプラズマCVDなどのドライの成膜手法で、SiO2からなる誘電体層5を、所望の膜厚に成膜する。なお、詳しい製造方法については後述する。
以上のように、シリコンアルコキシド系のSOGで形成するSiO2膜6を、電極2の厚さが0.5μm未満である弾性波デバイスの電極の間に限定して形成することで、SiO2膜6の膜厚を0.5μm未満とすることができる。よって、SiO2膜6をSOGのクラック限界未満の膜厚で形成するので、SiO2膜6のクラックの発生を防止することができる。
また、SiO2膜6の上層に、SiO2からなる誘電体層5を所望の厚さまでドライの成膜手法で形成することにより、SiO2膜6の膜厚を精密に制御することができる。すなわち、シリコンアルコキシド系SOGで形成するSiO2膜6は、膜厚制御が困難であるため膜厚がばらつく可能性があるが、全体のSiO2膜(誘電体層5とSiO2膜6とを合わせたSiO2膜)の膜厚が所望の膜厚になるように誘電体層5を形成することで、SiO2膜6の膜厚のばらつきを相殺することができる。
図3は、FEMシミュレーションによって、下記の示すパラメータのモデルの周波数解析を行い、ラブ波の反共振時の応力変位分布を計算した結果である。シミュレーションで使用したパラメータにおいて、電極は、銅(Cu)で形成し、幅寸法0.5μm、厚さ寸法140nm、電極間の幅寸法0.5μmとした。SiO2膜は、厚さ寸法790nmとした。ここでいうSiO2膜は、図2における誘電体層5とSiO2膜6とを合わせたSiO2膜のことであり、その厚さ寸法とは圧電基板4の表面からの厚さ寸法である。基板は、LiNbO3の0度Y板を用いた。図3に示すように、ラブ波の場合、櫛歯電極で励振される表面波の変位分布は、電極、または、電極より上部のSiO2膜に集中していることがわかった。よって、SiO2膜の表面層側を膜質の良いドライで成膜するにより、膜質起因の伝播損失を防ぎ、フィルター特性を向上させることができる。
以上により、従来適用が困難であったシリコンアルコキシド系のSOGを用いて、温度特性に優れた弾性波デバイスを実現することができる。
図4A〜図4Gは、本実施の形態の弾性波素子の製造工程を示す。以下、本実施の形態の弾性波素子の製造方法について説明する。
まず、図4Aに示すように、圧電基板4上にレジスト11をパターニングする。レジスト11は、信越化学社製レジストSIPR−9684を用いたが、これには限定しない。
次に、図4Bに示すように、レジスト11の開口部11aに、電極2の基となる金属材料12を蒸着する。本実施の形態では、金属材料12は銅及びチタンを用い、銅、チタンの順に蒸着した。チタンは、銅電極表面の酸化防止のために蒸着した。
次に、図4Cに示すように、レジスト11を除去することで電極2が完成する。レジスト11の除去は、有機溶剤への浸漬および超音波洗浄、さらに、酸素アッシングを用いて除去した。なお、圧電基板4上に電極を形成する方法としては、上記方法以外に、圧電基板上に電極を全面に成膜し、その後、電極表面に電極パターンをレジストで形成後、レジストで保護した領域以外をエッチングする方法などがある。
次に、図4Dに示すように、圧電基板4の表面にシリコンアルコキシド系のSOG13を塗布する。シリコンアルコキシド系のSOGとしては、東京応化社製SOGであるOCD T7を用いたが、これには限定しない。
次に、図4Eに示すように、圧電基板4にSOG13を塗布後、80℃、150℃、200℃の各温度で各60秒乾燥させた後、窒素雰囲気にて400℃で約30分焼成した。これにより、SOGで形成されたSiO2膜6が形成される。
次に、図4Fに示すように、SiO2膜6の表面に紫外線を照射した。これにより、SiO2膜6の表面の残るSOGの有機成分の残渣が除去され,SiO2上に成膜する無機膜の密着性が向上する。
次に、図4Gに示すように、SiO2膜6の上層にSiO2からなる誘電体層5を形成した。誘電体層5は、SiH4系プラズマCVDにて、SiO2を所望の厚さに成膜することで形成した。なお、誘電体層5をプラズマCVDを用いて成膜する際は、テトラエトキシシラン(TEOS)、テトラメチルシラン(TMS)、あるいは、シラン(SiH4)を用いることが好ましい。特にSiH4系のSiO2は反応ガスに不純物の含有量が比較的少ないため、好ましい。また、誘電体層5の成膜法はプラズマCVDに限らず、熱CVDでもよい。熱CVDを用いて成膜する際は、テトラエトキシシラン(TEOS)及びオゾンを用いることが好ましい。また、誘電体層5は、電子サイクロン共鳴法(ECR)を用いてスパッタ成膜してもよい。
次に、端子部2c(図1参照)を露出させるために、誘電体層5の表面における端子部2cを形成する領域以外の領域に一般的なレジストを塗布し、露光現像により誘電体層5上に端子部2cのパターンを開口後、ドライエッチングにより開口部のSiO2を除去した。そのままでは、電極2のチタンが露出し導通が取りにくいので、電極開口上にのみ金(Au)をリフトオフ法により形成した。
以上の工程により、櫛歯電極間にシリコンアルコキシド系SOGからなるSiO2膜6を充填することで、誘電体層5の表面を平坦にすることができ、ラブ波の伝搬損失が少ない弾性波素子を製造することができる。また、ラブ波の伝播路である誘電体層5を、膜質の良いプラズマCVDで成膜したことにより、伝搬損失が少ない弾性波素子を製造することができる。
また、図1及び図2に示す弾性波素子を複数個接続することで、所定の周波数のみを通過させるバンドパスフィルタなどの各種フィルタを実現することができる。フィルタの実例としては、例えば複数の弾性波素子を梯子状に接続したラダー型フィルタがある。
〔2.デュープレクサの構成〕
携帯電話端末、PHS(Personal Handy-phone System)端末、無線LANシステムなどの移動体通信(高周波無線通信)には、デュープレクサが搭載されている。デュープレクサは、通信電波などの送信機能及び受信機能を持ち、送信信号と受信信号の周波数が異なる無線装置において用いられる。
図5は、本実施の形態の弾性波素子を備えたデュープレクサの構成を示す。デュープレクサ52は、位相整合回路53、受信フィルタ54、および送信フィルタ55を備えている。位相整合回路53は、送信フィルタ55から出力される送信信号が受信フィルタ54側に流れ込むのを防ぐために、受信フィルタ54のインピーダンスの位相を調整するための素子である。また、位相整合回路53には、アンテナ51が接続されている。受信フィルタ54は、アンテナ51を介して入力される受信信号のうち、所定の周波数帯域のみを通過させる帯域通過フィルタで構成されている。また、受信フィルタ54には、出力端子56が接続されている。送信フィルタ55は、入力端子57を介して入力される送信信号のうち、所定の周波数帯域のみを通過させる帯域通過フィルタで構成されている。また、送信フィルタ55には、入力端子57が接続されている。ここで、受信フィルタ54及び送信フィルタ55には、本実施の形態における弾性波素子が含まれている。
以上のように、本実施の形態の弾性波素子を受信フィルタ54及び送信フィルタ55に備えることで、伝搬損失が少なくフィルタ特性が優れたデュープレクサを実現することができる。
〔3.通信モジュールの構成〕
図6は、本実施の形態の弾性波素子または図5に示すデュープレクサを備えた通信モジュールの一例を示す。図6に示すように、デュープレクサ62は、受信フィルタ62aと送信フィルタ62bとを備えている。また、受信フィルタ62aには、例えばバランス出力に対応した受信端子63a及び63bが接続されている。また、送信フィルタ62bは、パワーアンプ64を介して送信端子65に接続している。ここで、受信フィルタ62a及び送信フィルタ62bには、本実施の形態における弾性波素子またはデュープレクサが含まれている。
受信動作を行う際、受信フィルタ62aは、アンテナ端子61を介して入力される受信信号のうち、所定の周波数帯域の信号のみを通過させ、受信端子63a及び63bから外部へ出力する。また、送信動作を行う際、送信フィルタ62bは、送信端子65から入力されてパワーアンプ64で増幅された送信信号のうち、所定の周波数帯域の信号のみを通過させ、アンテナ端子61から外部へ出力する。
以上のように本実施の形態の弾性波素子またはデュープレクサを、通信モジュールの受信フィルタ62a及び送信フィルタ62bに備えることで、伝搬損失が少なくフィルタ特性が優れた通信モジュールを実現することができる。
なお、図6に示す通信モジュールの構成は一例であり、他の形態の通信モジュールに本発明の弾性波素子を搭載しても、同様の効果が得られる。
〔4.通信装置の構成〕
図7は、本実施の形態の弾性波素子、デュープレクサ、または通信モジュールを備えた通信装置の一例として、携帯電話端末のRFブロックを示す。また、図7に示す構成は、GSM(Global System for Mobile Communications)通信方式及びW−CDMA(Wideband Code Divition Multiple Access)通信方式に対応した携帯電話端末の構成を示す。また、本実施の形態におけるGSM通信方式は、850MHz帯、950MHz帯、1.8GHz帯、1.9GHz帯に対応している。また、携帯電話端末は、図7に示す構成以外にマイクロホン、スピーカー、液晶ディスプレイなどを備えているが、本実施の形態における説明では不要であるため図示を省略した。ここで、受信フィルタ73a、77、78、79、80、および送信フィルタ73bには、本実施の形態における弾性波素子、デュープレクサが含まれている。
まず、アンテナ71を介して入力される受信信号は、その通信方式がW−CDMAかGSMかによってアンテナスイッチ回路72で、動作の対象とするLSIを選択する。入力される受信信号がW−CDMA通信方式に対応している場合は、受信信号をデュープレクサ73に出力するように切り換える。デュープレクサ73に入力される受信信号は、受信フィルタ73aで所定の周波数帯域に制限されて、バランス型の受信信号がLNA74に出力される。LNA74は、入力される受信信号を増幅し、LSI76に出力する。LSI76では、入力される受信信号に基づいて音声信号への復調処理を行ったり、携帯電話端末内の各部を動作制御する。
一方、信号を送信する場合は、LSI76は送信信号を生成する。生成された送信信号は、パワーアンプ75で増幅されて送信フィルタ73bに入力される。送信フィルタ73bは、入力される送信信号のうち所定の周波数帯域の信号のみを通過させる。送信フィルタ73bから出力される送信信号は、アンテナスイッチ回路72を介してアンテナ71から外部に出力される。
また、入力される受信信号がGSM通信方式に対応した信号である場合は、アンテナスイッチ回路72は、周波数帯域に応じて受信フィルタ77〜80のうちいずれか一つを選択し、受信信号を出力する。受信フィルタ77〜80のうちいずれか一つで帯域制限された受信信号は、LSI83に入力される。LSI83は、入力される受信信号に基づいて音声信号への復調処理を行ったり、携帯電話端末内の各部を動作制御する。一方、信号を送信する場合は、LSI83は送信信号を生成する。生成された送信信号は、パワーアンプ81または82で増幅されて、アンテナスイッチ回路72を介してアンテナ71から外部に出力される。
以上のように、本実施の形態の弾性波素子を通信装置に備えることで、伝搬損失が少なくフィルタ特性が優れた通信装置を実現することができる。
〔5.実施の形態の効果、他〕
本実施の形態によれば、電極2を構成している少なくとも櫛歯電極2a間にシリコンアルコキシド系SOGを主成分とする材料で形成されたSiO2膜6を充填したことにより、誘電体層5の表面を平坦化することができ、伝搬損失が少なくフィルタ特性が優れた弾性波素子を実現することができる。
また、シリコンアルコキシド系SOGからなるSiO2膜6は、電極2の厚さ未満(つまり0.5μm未満)としたことにより、SiO2膜6におけるクラックの発生を抑えることができる。
また、SiO2膜6は、シリコンアルコキシド系SOGで形成したことにより、ポリシラザン系のSOGよりも取り扱いが容易で、焼成時にアンモニアなどの腐食ガスを出さないという効果がある。
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明は係る特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
(付記1)
圧電性を有する基板と、
前記基板上に形成された櫛歯電極を含む電極と、
前記電極上に形成された誘電体層とを備えた弾性波素子であって、
少なくとも前記櫛歯電極間にSiO2膜を備え、
前記電極間のSiO2膜は、SOG(Spin on Glass)で形成されている、弾性波素子。
(付記2)
前記SiO2膜は、シリコンアルコキシド系のSOG(Spin on Glass)で構成されている、付記1記載の弾性波素子。
(付記3)
圧電性を有する基板上に、櫛歯電極を含む電極を形成する工程と、
少なくとも前記電極間にSOGを塗布し、乾燥し、焼成してSiO2膜を形成する工程と、
前記電極及び前記SiO2膜上に、SiO2からなる誘電体層をドライプロセスで成膜する工程とを含む、弾性波素子の製造方法。
(付記4)
前記電極間のSOGは、シリコンアルコキシド系の材料を主成分とする、付記3記載の弾性波素子の製造方法。
(付記5)
前記誘電体層は、スパッタ成膜により形成される、付記3記載の弾性波素子の製造方法。
(付記6)
前記誘電体層は、電子サイクロトロン共鳴法(ECR)を用いたスパッタ成膜法により形成される、付記5記載の弾性波素子の製造方法。
(付記7)
前記誘電体層は、化学気相蒸着法(CVD)を用いた成膜法により形成される、付記3記載の弾性波素子の製造方法。
(付記8)
前記誘電体層は、テトラエトキシシラン(TEOS)、テトラメチルシラン(TMS)、あるいは、シラン(SiH4)を用いたプラズマ化学気相蒸着法(プラズマCVD)により形成される、付記7記載の弾性波素子の製造方法。
(付記9)
前記誘電体層は、テトラエトキシシラン(TEOS)およびオゾンを用いた熱化学気相蒸着法(熱CVD)により形成される、付記8記載の弾性波素子の製造方法。
(付記10)
前記SOGの塗布工程において、
前記SOGを、その乾燥及び焼成後の膜厚が前記櫛歯電極の厚さに略等しくなるように、塗布する、付記3記載の弾性波素子の製造方法。
(付記11)
前記SOGの乾燥及び焼成後に、少なくとも前記SOGに紫外線照射を行う工程をさらに備えた、付記3記載の弾性波素子の製造方法。
(付記12)
付記1〜2のいずれかに記載の弾性波素子を備えた、フィルタ。
(付記13)
付記12に記載のフィルタを備えた、デュープレクサ。
(付記14)
付記12に記載のフィルタ、または付記13に記載のデュープレクサを備えた、通信モジュール。
(付記15)
付記14に記載の通信モジュールを備えた、通信装置。
本発明の弾性波素子、フィルタ、通信モジュール、および通信装置は、所定周波数の信号を受信または送信することができる機器に有用である。
実施の形態における弾性波素子の平面図 図1におけるY−Y部の断面図 実施の形態における弾性波素子の応力分布を示す特性図 実施の形態の弾性波素子の製造工程を示す断面図 実施の形態の弾性波素子の製造工程を示す断面図 実施の形態の弾性波素子の製造工程を示す断面図 実施の形態の弾性波素子の製造工程を示す断面図 実施の形態の弾性波素子の製造工程を示す断面図 実施の形態の弾性波素子の製造工程を示す断面図 実施の形態の弾性波素子の製造工程を示す断面図 デュープレクサのブロック図 通信モジュールのブロック図 通信装置のブロック図 従来の弾性波素子の平面図 図8におけるY−Y部の断面図 従来の弾性波素子の製造工程を示す断面図 従来の弾性波素子の製造工程を示す断面図 従来の弾性波素子の製造工程を示す断面図 従来の弾性波素子の製造工程を示す断面図
符号の説明
1 弾性波素子
2 電極
4 基板
5 誘電体層
6 SiO2膜

Claims (8)

  1. 圧電性を有する基板と、
    前記基板上に形成された櫛歯電極を含む電極と、
    前記電極上に形成された誘電体層とを備えた弾性波素子であって、
    少なくとも前記櫛歯電極間にSiO2膜を備え、
    前記電極間のSiO2膜は、SOG(Spin on Glass)で形成されている、弾性波素子。
  2. 前記SiO2膜は、シリコンアルコキシド系の材料を主成分とするSOGで構成されている、請求項1記載の弾性波素子。
  3. 圧電性を有する基板上に、櫛歯電極を含む電極を形成する工程と、
    少なくとも前記電極間にSOGを塗布し、乾燥し、焼成してSiO2膜を形成する工程と、
    前記電極及び前記SiO2膜上に、SiO2からなる誘電体層をドライプロセスで成膜する工程とを含む、弾性波素子の製造方法。
  4. 前記電極間に塗布されるSOGは、シリコンアルコキシド系の材料を主成分とする、請求項3記載の弾性波素子の製造方法。
  5. 前記SOGの塗布工程において、
    前記SOGを、その乾燥及び焼成後の膜厚が前記櫛歯電極の厚さに略等しくなるように、塗布する、請求項3記載の弾性波素子の製造方法。
  6. 前記SOGの乾燥及び焼成後に、少なくとも前記SOGに紫外線照射を行う工程をさらに備えた、請求項3記載の弾性波素子の製造方法。
  7. 請求項1〜2のいずれかに記載の弾性波素子を備えた、フィルタ。
  8. 請求項7に記載のフィルタを備えた、通信装置。
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