JP2009231880A - 画像処理装置および画像処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】画像データが、画質補正を適用すべき種類の画像であるか適用すべきでない種類の画像であるかを判断するのが困難であり、誤って画質補正を適用して却って画質を落としていた。
【解決手段】複数の色成分によって表された画像データを取得する画像データ取得部と、上記取得された画像データが、色相の異なる複数種類のモノトーン画像の何れかに該当するか否かを、上記色成分間の比較結果に基づいて判定する画像データ判定部とを備える画像処理装置とした。
【選択図】図3

Description

本発明は、画像処理装置および画像処理方法に関する。
デジタルスチルカメラ(DSC)による撮影等で生成されたカラー画像データに対し、ユーザは、市販のレタッチソフトの機能を用いたり、DSCが搭載するフィルタ機能を用いることにより、白黒の濃淡で表現されたモノクロ画像や、褐色傾向の色相の濃淡で表されたいわゆるセピア調の画像(セピア調画像)や、青色傾向の色相の濃淡で表されたいわゆるクール調の画像(クール調画像)などに変換することが可能である。また、ユーザは、このように色相を自己の好みに応じて変換した画像データを、プリンタによって印刷したりモニタに出力することで、出力結果を楽しむことができる。
また、ファクシミリ受信画像がカラーページであるかモノクロページであるかを、画像管理レコードの属性フィールドにカラーページであることを示す属性値とモノクロページであることを示す属性値とのいずれが設定されているかに応じて判断する、ファクシミリ装置が知られている(特許文献1参照。)。
特開2004‐32255号公報
ここで、出力(印刷や表示)の対象となる画像データを扱うコンピュータやプリンタ等においては、画像データに対し、特定色(例えば、肌色など。)の補正や明るさ補正やコントラスト補正や彩度補正などの各種補正(以下、まとめて画質補正と呼ぶ。)を自動的に実行し、画質を向上させた上で出力に供することが可能である。
しかし、画像データが上述したようなモノクロ画像やセピア調画像やクール調画像などに変換されている場合には、その後に上記画質補正を適用してしまうと、当該変換の効果が薄れた(モノクロ調やセピア調やクール調ではなくなった)画像が最終的に出力されてしまうことがあり、ユーザが望む画像が得られなかった。従って、画像データが、上述したようなモノクロ画像やセピア調画像やクール調画像などであるか否かを的確に判定する技術が望まれていた。なお上記文献1は、画像管理レコードの属性フィールドに設定された属性値に応じ、受信画像がカラーページであるかモノクロページであるかを判断するに過ぎず、それ以外の判断に対応した技術ではなかった。
本発明は上記課題に鑑みてなされたもので、特定の複数種類の画像と、それ以外の種類の画像とを精度よくかつ少ない負担で判別することができ、その結果、画像に対する所定の処理の適用・不適用の分岐を誤らせず、常に最適な出力結果を生じさせることが可能な画像処理装置および画像処理方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の画像処理装置は、複数の色成分によって表された画像データを取得する画像データ取得部と、上記取得された画像データが、色相の異なる複数種類のモノトーン画像の何れかに該当するか否かを、上記色成分間の比較結果に基づいて判定する画像データ判定部とを備える構成としている。
本発明によれば、色成分間の比較結果が所定の条件を満たすか否かの判定を行なうだけで、上記画像データが、色相の異なる複数種類のモノトーン画像の何れかに該当するか或いはいずれにも該当しないかを、正確に判定することができる。
上記画像データ判定部は、上記画像データを構成する画素毎に色成分間の比率を求めるとともに、当該比率の画素間におけるばらつきが所定の値より小さい場合に、上記画像データが色相の異なる複数種類のモノトーン画像の何れかに該当すると判定してもよい。当該構成によれば、上記比率の画素間におけるばらつきが所定の値より小さいか否かを判定するだけで、上記画像データが、色相の異なる複数種類のモノトーン画像の何れかに該当するかいずれにも該当しないかを判定することができる。
上記画像データ判定部は、上記画像データを構成する画素毎に色成分間の差を求めるとともに、当該差の画素間におけるばらつきが所定の値より小さい場合に、上記画像データが色相の異なる複数種類のモノトーン画像の何れかに該当すると判定してもよい。当該構成によれば、上記差の画素間におけるばらつきが所定の値より小さいか否かを判定するだけで、上記画像データが、色相の異なる複数種類のモノトーン画像の何れかに該当するかいずれにも該当しないかを判定することができる。
なお画像処理装置は、上記比率に基づく判定と差に基づく判定との何れか一方のみを実行してもよいし、上記比率に基づく判定と差に基づく判定との両方を実行し、どちらか一方において所定の値より小さいと判定をすれば、画像データが色相の異なる複数種類のモノトーン画像の何れかに該当するとしてもよい。或いは、画像処理装置は、上記比率の画素間におけるばらつきが所定の値より小さく、かつ上記差の画素間におけるばらつきが所定の値より小さい場合に、上記画像データが色相の異なる複数種類のモノトーン画像の何れかに該当すると判定してもよい。
上記画像データ判定部は、上記取得された画像データから所定の抽出率に基づいて画素を抽出し、当該抽出した画素から得られる色成分を用いて上記判定を行なうとしてもよい。当該構成によれば、画像データが有する画素のうち上記抽出された画素の色成分を用いて判定が行なわれるため、判定に要する処理負担および処理時間が低減される。
上記画像データ判定部は、上記取得された画像データから顔画像の検出を行なうとともに、顔画像が検出された場合には、顔画像以外の領域よりも顔画像の領域から多く画素を抽出するとしてもよい。当該構成によれば、画像データ上において元々略単一の色相で表されている可能性の高い背景(顔画像の背景)色の影響を少なくした上で、上記判定を行なうことができるため、より正確に、画像データが色相の異なる複数種類のモノトーン画像の何れかに該当するか否かを判定できる。
上記画像データ取得部は、画像データに対する縮小処理を実行し、当該縮小処理後の画像データを取得し、上記画像データ判定部は、上記縮小処理後の画像データの色成分を用いて上記判定を行なうとしてもよい。当該構成によれば、画像データ判定部には縮小画像にかかるデータが供されるため、判定に要する処理負担および処理時間が低減される。
本発明の技術的思想は、上述した画像処理装置の発明以外にも、上述した画像処理装置が備える各部が行なう各処理工程を備えた画像処理方法の発明や、上述した画像処理装置が備える各部に対応した機能をコンピュータに実行させる画像処理プログラムの発明としても捉えることができる。また、上述した画像処理装置を兼ねる印刷装置の発明や、上述した画像処理装置を兼ねるDSCの発明をも把握可能である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
図1は、本発明の画像処理装置の一例としてのプリンタ10の構成を、概略的に示している。プリンタ10は、記録メディア(例えば、メモリカードMC等)から取得した画像データに基づき画像を印刷する、いわゆるダイレクトプリントに対応したカラーインクジェットプリンタである。プリンタ10は、プリンタ10の各部を制御するCPU11と、例えばROMやRAMによって構成された内部メモリ12と、ボタンやタッチパネルにより構成された操作部14と、液晶ディスプレイにより構成された表示部15と、プリンタエンジン16と、カードインターフェース(カードI/F)17と、PCやサーバやデジタルスチルカメラ等の外部機器との情報のやり取りのためのI/F部13とを備えている。プリンタ10の各構成要素は、バスを介して互いに接続されている。
プリンタエンジン16は、印刷データに基づき印刷を行う印刷機構である。カードI/F17は、カードスロット172に挿入されたメモリカードMCとの間でデータのやり取りを行うためのI/Fである。メモリカードMCには画像データが格納されており、プリンタ10は、カードI/F17を介してメモリカードMCに格納された画像データを取得することができる。画像データ提供のための記録メディアとしてはメモリカードMC以外にも種々の媒体を用いることができる。プリンタ10は、I/F部13を介してPCやサーバ等とケーブルで接続し、当該PCやサーバ等から印刷データを入力することもできる。
内部メモリ12には、画像判定補正部20と、表示処理部31と、印刷処理部32とが格納されている。画像判定補正部20は、所定のオペレーティングシステムの下で、後述する除外判定や画質補正等を実行するためのコンピュータプログラム(画像処理プログラム)である。表示処理部31は、表示部15を制御して、表示部15に処理メニューやメッセージを表示させるディスプレイドライバである。印刷処理部32は、画像データから印刷データを生成し、プリンタエンジン16を制御して、印刷データに基づく画像の印刷を実行するためのコンピュータプログラムである。CPU11は、内部メモリ12から、これらのプログラムを読み出して実行することにより、これら各部の機能を実現する。
画像判定補正部20は、プログラムモジュールとして、画像データ取得部21と、サンプリング部22と、除外判定部23と、補正実行部24と、顔領域検出部25とを含んでいる。サンプリング部22および除外判定部23は、特許請求の範囲に言う画像データ判定部に該当する。これら各部の機能については後述する。内部メモリ12には、判定用しきい値Th等の各種データが予め格納されている。プリンタ10は、印刷機能以外にも、コピー機能やスキャナ機能など多種の機能を備えたいわゆる複合機であってもよい。
図2は、画像処理装置(プリンタ10)が、主に画像判定補正部20や印刷処理部32の機能に従って実行する処理の一例を、フローチャートにより示している。
ステップS(以下、ステップの表記は省略。)100では、画像データ取得部21が、画像処理の対象となる画像(対象画像)を表した画像データDを、メモリカードMC等、所定の記録メディアから取得する。むろん、画像データ取得部21は、プリンタ10がハードディスクドライブ(HDD)を有していれば、当該HDDに保存されている画像データDを取得してもよいし、I/F部13を介してPCやサーバやDSC等から画像データDを取得してもよい。ユーザが表示部15に表示されたユーザインターフェース(UI)画面を参照して操作部14を操作することにより、対象画像としての画像データDが指定される。
画像データDは、複数の画素からなるビットマップデータであり、それぞれの画素は、R,G,B(レッド,グリーン,ブルー。複数の色成分の一種。)各チャネルの階調(例えば、0〜255の256階調)の組み合わせで表現されている。画像データDは、記録メディア等に記録されている段階で圧縮されていてもよいし、他の色空間で各画素の色が表現されていてもよい。これらの場合、画像データ取得部21は、画像データDの展開や色空間の変換を実行してRGBビットマップデータとしての画像データDを取得する。なお本実施形態では、画像データ取得部21は、画像データDの縮小画像も取得する。つまり、オリジナルの画像サイズのままで後述する除外判定を行なった場合には処理負担が大きいため、画像データ取得部21は、上記取得した画像データDについて画素数を減らすなどして画像サイズを縮小し、縮小後の画像データを取得する。画像データ取得部21は、例えば、QVGA(Quarter Video Graphics Array)サイズ(320画素×240画素)に縮小した画像を取得する。
S110では、サンプリング部22が、画像データDの縮小画像から所定の抽出率に基づいて画素を抽出(サンプリング)する。本実施形態では、画像データDの縮小画像から更に画素を抽出することにより、後述の除外判定に用いる画素数を低減し、処理負担の軽減を図っている。サンプリング部22は、例えば、縮小画像の全体からほぼ満遍なく、画素を一定の抽出率で抽出するものとする。
S120では、除外判定部23が、画像データDが補正実行部24による画質補正の対象から除外される画像(除外画像)に該当するか否かの判定(除外判定)を行なう。具体的には、除外判定部23は、画像データDが、色相の異なる複数種類のモノトーン画像の何れかに該当するか否かを判定し、画像データDが当該モノトーン画像の何れかに該当するものであれば、除外画像であると判定する。色相の異なる複数種類のモノトーン画像には、例えば、上述のモノクロ画像や、セピア調画像や、クール調画像等が含まれる。画像判定補正部20は、除外判定部23が、画像データDは除外画像に該当すると判断した場合にはS140に進み、画像データDは除外画像に該当しないと判断した場合にはS130に進む。
図3は、S120の除外判定の詳細の一例をフローチャートにより示している。概略的には、除外判定部23は、上記抽出された画素毎のRGB間の差がいずれの画素においても略一定であったり、画素毎のRGB間の比率がいずれの画素においても略一定である場合に、画像データDは所定の複数種類のモノトーン画像の何れかに該当すると判定する。
S121では、除外判定部23は、サンプリング部22によって抽出された画素毎に、1つの画素を構成するRGB間の差、すなわち|R−G|、|R−B|、|B−G|を求める。かかるRGB間の差は色成分間の比較結果の一種である。
S122では、除外判定部23は、上記抽出された画素間における|R−G|のばらつき、|R−B|のばらつき、|B−G|のばらつき、をそれぞれ求める。
具体的には、除外判定部23は、下記式(1)〜(3)に基づいて、|R−G|の分散VRG 2、|R−B|の分散VRB 2、|B−G|の分散VBG 2を求める。
Figure 2009231880

Figure 2009231880

Figure 2009231880
nは、サンプリング部22に抽出された画素の数である。xiは、抽出されたn個の画素中のi番目の画素にかかる|R−G|であり、mRGは、xiの平均値である。同様に、yiは、抽出されたn個の画素中のi番目の画素にかかる|R−B|であり、mRBは、yiの平均値である。ziは、抽出されたn個の画素中のi番目の画素にかかる|B−G|であり、mBGは、ziの平均値である。除外判定部23は、分散VRG 2,VRB 2,VBG 2それぞれの平方根、すなわち標準偏差VRG,VRB,VBGを求め、この標準偏差VRGを|R−G|のばらつき、標準偏差VRBを|R−B|のばらつき、標準偏差VBGを|B−G|のばらつきとする。
S123では、除外判定部23は、内部メモリ12から判定用しきい値Thを読み出し、VRG<ThかつVRB<ThかつVBG<Th、が成立するか否か判断し、成立する場合にはS140(図2)に進む。すなわち除外判定部23は、標準偏差VRG,VRB,VBGのいずれもが、判定用しきい値Thよりも小さい場合には、画像データDの画素毎の|R−G|、|R−B|、|B−G|は、いずれの画素においても略一定であると判断できるため、画像データDは所定のモノトーン画像のいずれかに該当する(除外画像に該当する)とみなす。除外判定部23は、S123において、VRG<ThかつVRB<ThかつVBG<Th、が成立しないと判断した場合にはS124に進み、更なる除外判定を続ける。
S124では、除外判定部23は、サンプリング部22によって抽出された画素毎に、1つの画素を構成するRGB間の比率、すなわちR/(R+G+B)、G/(R+G+B)、B/(R+G+B)を求める。かかるRGB間の比率は色成分間の比較結果の一種である。
S125では、除外判定部23は、上記抽出された画素間における、R/(R+G+B)のばらつき、G/(R+G+B)のばらつき、B/(R+G+B)のばらつき、をそれぞれ求める。つまり除外判定部23は、S122で|R−G|、|R−B|、|B−G|それぞれの分散を求めたように、R/(R+G+B)の分散VR 2、G/(R+G+B)の分散VG 2、B/(R+G+B)の分散VB 2をそれぞれ求める。そして、除外判定部23は、標準偏差VRを、上記抽出された画素間におけるR/(R+G+B)のばらつきとし、同様に、標準偏差VGをG/(R+G+B)のばらつきとし、標準偏差VBをB/(R+G+B)のばらつきとする。
S126では、除外判定部23は、内部メモリ12から判定用しきい値Thを読み出し、VR<ThかつVG<ThかつVB<Th、が成立するか否か判断し、成立する場合にはS140(図2)に進む。すなわち除外判定部23は、標準偏差VR,VG,VBのいずれもが、判定用しきい値Thよりも小さい場合には、画像データDの画素毎のR:G:Bの関係は、いずれの画素においても略一定であると判断できるため、画像データDは所定のモノトーン画像のいずれかに該当する(除外画像に該当する)とみなす。なお、判定用しきい値Thは、S123において用いる値とS126において用いる値とで同じであってもよいし異なる値が用意されていてもよい。また、除外判定部23は、標準偏差としきい値Thとを比較するのではなく、分散と所定の判定用しきい値とを比較することによりS123,S126の判断を行なうとしてもよい。除外判定部23は、S126において、VR<ThかつVG<ThかつVB<Th、が成立しないと判断した場合には、画像データDは所定のモノトーン画像のいずれにも該当しない(除外画像に該当しない)とみなし、S130に進む。
図4は、あるカラー画像からサンプリングした複数の画素のRGB(RGBの階調値)を解析して得られた、RGB間の差や、RGB間の比率などを示している。
図5は、当該カラー画像をモノクロ画像に変換し、当該モノクロ画像からサンプリングした複数の画素のRGBを解析して得られた、RGB間の差や、RGB間の比率などを示している。
図6は、当該カラー画像をセピア調画像に変換し、当該セピア調画像からサンプリングした複数の画素のRGBを解析して得られた、RGB間の差や、RGB間の比率などを示している。
図7は、当該カラー画像をクール調画像に変換し、当該クール調画像からサンプリングした複数の画素のRGBを解析して得られた、RGB間の差や、RGB間の比率などを示している。
図4に示すように、上記カラー画像では、|R−G|、|R−B|、|B−G|それぞれの標準偏差は、VRG=25.9、VRB=45.6、VBG=25.0、というようにある程度大きな値となっている。一方、図5に示すように、モノクロ画像では、全ての画素において|R−G|、|R−B|、|B−G|が0であるため、標準偏差VRG,VRB,VBGはいずれも0である。また図6に示すように、セピア調画像では、|R−G|と|R−B|と|B−G|との関係は、画素間において一致まではしていないもののある程度の類似性を有している。そのため、標準偏差VRG=7.9、VRB=14.5、VBG=6.6というように、ある程度小さな値となっている。従って、例えば図4に示したようなカラー画像の標準偏差VRG,VRB,VBGより小さく、かつ、図5,6に示したようなモノクロ画像の標準偏差VRG,VRB,VBGおよびセピア調画像の標準偏差VRG,VRB,VBGより大きい判定用しきい値Thを、S123において用いれば、モノクロ画像およびセピア調画像を高い確率で画質補正の対象から除外することができる。
また図4に示すように、上記カラー画像では、R/(R+G+B)、G/(R+G+B)、B/(R+G+B)それぞれの標準偏差は、VR=7.3、VG=2.4、VB=6.2、となっている。一方、図5に示すように、モノクロ画像では、全ての画素においてR/(R+G+B)とG/(R+G+B)とB/(R+G+B)とが、1:1:1の関係にあるため、標準偏差VR,VG,VBはいずれも0である。また図6に示すように、セピア調画像では、R/(R+G+B)とG/(R+G+B)とB/(R+G+B)との関係が、画素間において一致まではしていないもののある程度の類似性を有している。そのため、標準偏差VR=2.2、VG=0.1、VB=2.1というようにある程度小さい値となっている。また図7に示すように、クール調画像でも、R/(R+G+B)とG/(R+G+B)とB/(R+G+B)との関係は、画素間においてある程度の類似性を有している。そのため、標準偏差VR=1.8、VG=0.7、VB=1.6というようにある程度小さい値となっている。従って、例えば図4に示したようなカラー画像の標準偏差VR,VG,VBより小さく、かつ図5〜7に示したようなモノクロ画像の標準偏差VR,VG,VBおよび、セピア調画像の標準偏差VR,VG,VBおよび、クール調画像の標準偏差R,VG,VBより大きい判定用しきい値Thを、上記S126において用いれば、モノクロ画像、セピア調画像およびクール調画像を高い確率で画質補正の対象から除外できる。
S130では、補正実行部24は、S100で取得された画像データDを対象として画質補正を行なう。つまりS120において、画像データDが除外画像に該当しないと判定された場合に、画像データDに対する画質補正が行われる。画質補正とは、既に述べたように、特定色の補正や明るさ補正やコントラスト補正や彩度補正など、画像の見栄えを向上させるような補正が該当するが、ここでは説明を省略する。
S140では、印刷処理部32が、プリンタエンジン16を制御して、対象画像の印刷を行う。すなわち印刷処理部32は、画質補正が施された後の画像データDまたは画質補正の対象から除外された画像データDに、解像度変換処理や色変換処理やハーフトーン処理など必要な各処理を施して印刷データを生成する。生成された印刷データは、印刷処理部32からプリンタエンジン16に供給され、プリンタエンジン16は印刷データに基づいた印刷を実行する。これにより、対象画像の印刷が完了する。
なおS120における処理は、図3に示した順序に限られない。除外判定部23は、RGB間の差のばらつきに基づいて画像データDを除外画像と判定する処理(S121〜S123の処理)よりも、RGB間の比率のばらつきに基づいて画像データDを除外画像と判定する処理(S124〜S126の処理。)を先に実行し、除外画像であると判定しなかった場合に、S121〜123の処理を実行してもよい。いずれにしても、S121〜S123の処理と、S124〜S126の処理とのどちらかで除外画像と判定された画像データDに対しては画質補正が行われない。そのため、モノクロ画像や、セピア調画像や、クール調画像等、多くの種類のモノトーン画像を画質補正の対象から外すことができる。
あるいは除外判定部23は、S120をより高速化するために、S121〜S123の処理と、S124〜S126の処理との何れか一方のみしか行なわないとしてもよい。特に、色成分間の差を求める計算は、色成分間の比率を求める計算よりも短時間で実行可能であるため、高速化を最も重視するならば、S120において、S121〜S123の処理のみを行なうとしてもよい。
図8は、S120における処理であって図3とは異なる例を示している。図8は、S123,S126における分岐が図3と異なるだけであり、各ステップにおける処理自体は図3と同じである。除外判定部23は、図8に示すように、S123において“Yes”の判定をした場合にS124に進み、S126において“Yes”の判定をした場合にS140に進むとしてもよい。一方、除外判定部23は、S123またはS126において“No”の判定をした場合にはS130に進むとしてもよい。つまり図8の例によれば、RGB間の差のばらつきに基づく判定と、RGB間の比率のばらつきに基づく判定とのいずれにおいても、ばらつきが判定用しきい値Thよりも小さくなければ、除外画像に該当すると判定されない。そのため、ある程度限定された所定の種類にかかるモノトーン画像(モノクロ画像およびセピア調画像)だけを画質補正の対象から外すことができる。
このように本実施形態によれば、プリンタ10は、対象画像を表す画像データDについて、色成分間の差の画素間におけるばらつきが判定用しきい値Thより小さいか否かの判定や、色成分間の比率の画素間におけるばらつきが判定用しきい値Thより小さいか否かの判定に基づいて、色相の異なる所定の複数種類のモノトーン画像のいずれかに該当するか否か判定する。そして、画像データDがかかる複数種類のモノトーン画像のいずれかに該当すると判定した場合には、画質補正の対象から除外する。従って、モノクロ画像や、セピア調画像や、あるいはクール調画像など、ユーザが意図してその色を加工したモノトーン画像について、画質補正を適用することで却って画像の色相が崩れてしまうことを防ぎ、ユーザが意図したままの色相で出力することができる。
画質補正の対象から除外すべき画像は一種類だけではないが、本実施形態によれば、S120の処理を行なうだけで、画像データDが画質補正の対象から除外すべき画像であるか否かを一括して判定できる。つまり、画像データDが、モノクロ画像であるか否か、セピア調画像であるか否か、といったように、画質補正の対象から除外すべきモノトーン画像の種類毎に、画像データDがその種類に該当するか否かを一々判定する必要がなく、処理が非常に高速化される。さらに、上述したように、画像データ取得部21が画像データDの縮小画像を取得したり、サンプリング部22が縮小画像から画素を抽出することにより、上記各種ばらつきの算出対象となる画素が限定されるため、S120の処理がより高速化される。
上記では、サンプリング部22が縮小画像から画素を抽出する際に、画像の全領域からほぼ満遍なく抽出すると説明した。しかし、画像上の特定の領域からより多めに画素を抽出するようにしてもよい。例えば、S100とS110との間のタイミングにおいて、顔領域検出部25が、画像データD(または画像データDの縮小画像)から顔領域を検出するとしてもよい。例えば、顔領域検出部25は、複数の顔画像の顔テンプレート14bを利用したいわゆるパターンマッチングによって縮小画像から顔領域を検出する。パターンマッチングを行うにあたっては、縮小画像において矩形状の比較領域を設定し、比較領域の位置と大きさと回転角度を変えながら、比較領域内の画像と各顔テンプレート14bの画像との類似性を評価する。そして、類似性が一定の基準を満足する比較領域を顔領域と判定する。縮小画像の全体に比較領域を移動させることにより、画像データD内に存在する単数または複数の顔を検出できる。
図9は、顔領域検出部25が画像データDの縮小画像から顔領域として検出した比較領域CAを示している。顔領域が検出された場合、S110では、サンプリング部22は、顔領域からより多くの画素を抽出する。例えば、サンプリング22は、縮小画像上の領域を、顔領域と顔領域以外の領域(背景領域と呼ぶ。)とに分けた場合に、背景領域から抽出する画素よりも多くの画素を顔領域から抽出するようにする。あるいは、サンプリング部22は、顔領域だけから画素を抽出するとしてもよい。画像データDが上記のようなモノトーン画像ではない通常のカラー画像である場合でも、背景領域の色は、例えば室内の壁の色のように、単一色であることも考えられる。このように背景領域が単一色である場合、背景領域の画素においてはRGB間の比率や差はどの画素も略一定となる。そのため、画像全体から満遍なく画素をサンプリングしてしまうと、S120では、かかる背景領域の画素の影響を受けて、実際には画像データDがモノトーン画像でないにも拘らず除外画像であると判定してしまう恐れがある。そこで上記のように、画像に顔領域が存在する場合には顔領域から多くの画素を抽出することにより、背景領域の画素の影響による誤判定(モノトーン画像でない画像を除外画像であると判定してしまうこと。)を防止する。
顔領域検出部25によって顔領域が検出されなかった場合は、サンプリング部22は上述したように画像の全体からほぼ満遍なく画素を一定の抽出率で抽出する。また、顔領域検出部25が画像から複数の顔領域を検出した場合には、サンプリング部22は、当該複数の顔領域のうち最小の領域を特定し、当該特定した顔領域から画素を抽出するとしてもよい。顔領域のうち最小の領域から画素を抽出すれば、抽出画素数がより少なくなり、S120の処理がより高速化する。
本実施形態では、プリンタ10による処理を説明したが、上述した画像判定補正部20による処理(S100〜S130)は、PCやDSCなど、プリンタ以外の各種ハードウェアにおいても行なうことが可能である。
画像処理装置としてのプリンタの概略構成を示すブロック図である。 プリンタが実行する処理を示すフローチャートである。 除外判定の詳細を示すフローチャートである。 カラー画像の各画素における色成分間の差や比率を示す図である。 モノクロ画像の各画素における色成分間の差や比率を示す図である。 セピア調画像の各画素における色成分間の差や比率を示す図である。 クール調画像の各画素における色成分間の差や比率を示す図である。 除外判定の詳細の他の例を示すフローチャートである。 縮小画像において顔領域を検出する様子を示す図である。
符号の説明
10…プリンタ、11…CPU、12…内部メモリ、14b…顔テンプレート、16…プリンタエンジン、17…カードI/F、20…画像判定補正部、21…画像データ取得部、22…サンプリング部、23…除外判定部、24…補正実行部、25…顔領域検出部、32…印刷処理部、172…カードスロット

Claims (8)

  1. 複数の色成分によって表された画像データを取得する画像データ取得部と、
    上記取得された画像データが、色相の異なる複数種類のモノトーン画像の何れかに該当するか否かを、上記色成分間の比較結果に基づいて判定する画像データ判定部とを備えることを特徴とする画像処理装置。
  2. 上記画像データ判定部は、上記画像データを構成する画素毎に色成分間の比率を求めるとともに、当該比率の画素間におけるばらつきが所定の値より小さい場合に、上記画像データが色相の異なる複数種類のモノトーン画像の何れかに該当すると判定することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 上記画像データ判定部は、上記画像データを構成する画素毎に色成分間の差を求めるとともに、当該差の画素間におけるばらつきが所定の値より小さい場合に、上記画像データが色相の異なる複数種類のモノトーン画像の何れかに該当すると判定することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  4. 上記画像データ判定部は、上記画像データを構成する画素毎に色成分間の比率を求めるとともに当該比率の画素間におけるばらつきが所定の値より小さく、かつ、上記画素毎に色成分間の差を求めるとともに当該差の画素間におけるばらつきが所定の値より小さい場合に、上記画像データが色相の異なる複数種類のモノトーン画像の何れかに該当すると判定することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  5. 上記画像データ判定部は、上記取得された画像データから所定の抽出率に基づいて画素を抽出し、当該抽出した画素から得られる色成分を用いて上記判定を行なうことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の画像処理装置。
  6. 上記画像データ判定部は、上記取得された画像データから顔画像の検出を行なうとともに、顔画像が検出された場合には、顔画像以外の領域よりも顔画像の領域から多く画素を抽出することを特徴とする請求項5に記載の画像処理装置。
  7. 上記画像データ取得部は、画像データに対する縮小処理を実行し、当該縮小処理後の画像データを取得し、上記画像データ判定部は、上記縮小処理後の画像データの色成分を用いて上記判定を行なうことを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかに記載の画像処理装置。
  8. 複数の色成分によって表された画像データを取得する画像データ取得工程と、
    上記取得された画像データが、色相の異なる複数種類のモノトーン画像の何れかに該当するか否かを、上記色成分間の比較結果に基づいて判定する画像データ判定工程とを備えることを特徴とする画像処理方法。
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