JP2009231686A - 表示装置の製造方法および表示装置、ならびに薄膜トランジスタの製造方法および薄膜トランジスタ - Google Patents

表示装置の製造方法および表示装置、ならびに薄膜トランジスタの製造方法および薄膜トランジスタ Download PDF

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Abstract

【課題】ゲート電極の電極幅を広げることで寄生容量を増加させることなく、チャネル領域におけるチャネル長方向の結晶性が均一化された薄膜トランジスタを得ることが可能で、これにより薄膜トランジスタに接続された発光素子の輝度ムラが防止された表示特性の良好な表示装置の製造方法を提供する。
【解決手段】ガラス基板1上にゲート電極14aを形成する工程と、ゲート電極14を覆う状態でガラス基板1上にゲート絶縁膜31および非晶質の半導体薄膜32をこの順に成膜する工程と、少なくともゲート電極14a上方における半導体薄膜32に対して、ゲート電極14aの延設方向にレーザ光Lhを走査させながら照射することにより、半導体薄膜32を結晶化させる工程とを含んでガラス基板1上に複数の薄膜トランジスタを形成し、さらにこのガラス基板1上に、各薄膜トランジスタに接続された複数の発光素子を形成する表示装置の製造方法。
【選択図】図3

Description

本発明は表示装置の製造方法および表示装置、ならびに薄膜トランジスタの製造方法および薄膜トランジスタに関し、特には有機電界発光素子を備えたアクティブマトリックス駆動の表示装置の製造方法およびその構成、ならびにこの表示装置に好適に用いられる薄膜トランジスタの製造方法および薄膜トランジスタに関する。
有機電界発光素子とこれに接続された画素回路とを基板上に配列形成してなるアクティブマトリックス駆動の表示装置においては、画素回路を構成する薄膜トランジスタ(thin film transistor:TFT)の電流量によって有機電界発光素子の輝度が決定される。このため輝度ムラが抑えられた表示特性良好な表示装置を得るためには、薄膜トランジスタの特性ばらつきを抑えることが重要である。
薄膜トランジスタのチャネル領域を多結晶シリコンで構成する場合、チャネル領域内に存在する結晶粒の大きさが不均一なためトランジスタ特性がばらつきやすい。そこで、チャネル領域を構成する半導体薄膜を結晶粒の大きさが不均一にならない程度に微結晶化する方法として、固体レーザを用いて非晶質薄膜を微結晶化する結晶化アニールが行われている。
図18には、上記結晶化アニール工程を説明するための薄膜トランジスタ基板のレイアウト図を示す。また図19には薄膜トランジスタ基板における2表示画素分のレイアウト図を示す。これらの図に示すように、中・小型の表示パネルの製造工程では、1枚のガラス基板1に対して、例えば2枚の表示パネル2が配置される。この場合、ガラス基板1の長辺対して、表示パネル2の短辺が平行に配置される。また各表示パネル2内には、表示パネルと略相似形の表示領域2aが設定され、各表示領域2a内には平面矩形形状の副画素aが配列形成される。これらの副画素aは、表示領域2aの短辺方向yに対して、各副画素aの長辺を平行にして配置される。さらにこれらの副画素aは、これらの短辺方向に配列された赤(R)、緑(G)、青(B)の3つの副画素aを1組とした略正方形の表示画素Aを構成している。また、隣接する副画素aのレイアウトを反転して配置する事で電源線12の一部を共通化する事ができ、表示画素内の配線間隔を広げる事ができ製造工程におけるダストの混入等によるショートの発生、ひいては表示画素の不良発生を抑え、歩留りの向上を図る事ができる。特に有機電界発光素子を駆動する画素回路は素子数が多く、配線間隔を広げる事は重要である。
また各表示パネル2における表示領域2a内には、表示領域2aの長辺方向xに沿って走査線11および電源線12が配線され、これと垂直に信号線13が配線され、これらの各交差部に対応して副画素aが配置されている。各副画素a内には、信号線13と平行に延設されたゲート電極14を備えた薄膜トランジスタTr1’,Tr2’、さらには容量素子Csが配置されている。また、例えば走査線11方向に隣接配置された副画素aのレイアウトを反転させることで、2つの副画素aで電源線12の一部が共通化されている。
以上のような薄膜トランジスタ基板を作製する場合の結晶化アニール工程は、先ず図20に示すように、ガラス基板1上の各表示領域2aに、第1金属パターン21からなるゲート電極14を形成し、さらに第1金属パターン21からなる他の配線部分、例えば信号線13の一部や容量素子Csの下部電極を形成する。次に、これらの第1金属パターン21を覆う状態で、ゲート絶縁膜31、非晶質の半導体薄膜32を成膜し、さらにここでの図示を省略したバッファ層や光熱変換層を必要に応じて成膜する。次に、これらの層を介して、半導体薄膜32に対してレーザ光Lhを走査させながら照射する。これにより、レーザ光Lhの照射部に対応する半導体薄膜32部分を微結晶化させた半導体薄膜32Aとする。
この際、レーザ光Lhの走査方向v(−v)は、表示領域2aの長辺方向xに対して平行、つまり図18に示すように基板1の短辺に対して平行としている。レーザ光Lhの走査方向を表示領域2aの短軸方向yに平行、つまり基板1の長辺に対して平行とするとレーザ光Lhの走査距離が長くレーザ光Lhのエネルギーばらつきが発生し、均一な結晶が得られない。よって前述したとおりレーザ光Lhの走査方向v(−v)は、表示領域2aの長辺方向xに対して平行、つまり図18に示すように基板1の短辺に対して平行とする事で、より均一な結晶が得られるようにしている。またこれにより、図19に示した構成例においては、薄膜トランジスタTr1’,Tr2’のチャネル長方向がレーザ光Lhの走査方向v(−v)となる。
そして、以上のような結晶化アニール工程の後には、図21に示すように、ゲート電極14を覆う形状に微結晶化させた半導体薄膜32Aをパターニングし、さらにゲート電極14上に重ねてエッチングストッパ層33を形成する。次に、エッチングストッパ層33上で分離された状態で半導体薄膜32A上に重ねるようにn型半導体薄膜からなるソース/ドレイン34sd(断面図のみに図示)を形成し、さらに第2金属パターン22からなるソース電極/ドレイン電極22sdを形成して薄膜トランジスタTr1’,Tr2’を得る。またこれと共に第2金属パターン22からなる他の配線部分、例えば図19の走査線11、電源線12、容量素子Csの上部電極等を形成する。
ところで、上述した固体レーザを用いた結晶化アニールは、エキシマレーザを用いた結晶化アニールと比較して、半導体薄膜の結晶化に必要な熱量を供給した場合の熱拡散長が長くなる。このため、半導体薄膜32の下層に設けたゲート電極14による熱伝導の影響が顕著であり、半導体薄膜32の結晶性に影響が及ぼされている。具体的には、ゲート電極14を挟んでレーザ光の走査方向v(−v)の上流側では、レーザ光照射によってゲート電極が十分に加熱される前に半導体薄膜32の結晶化が行われるため、結晶性が疎になる。これに対して、ゲート電極14を挟んでレーザ光の走査方向v(−v)の下流側では、レーザ光照射によってゲート電極14が十分に加熱された状態で半導体薄膜32の結晶化が行われるため、結晶性が密になる。
したがって図19に示したレイアウトの薄膜トランジスタTr1’,Tr2’では、半導体薄膜のチャネル領域におけるチャネル長方向の端部で結晶性に疎密が発生することになる。そしてこのようなチャネル領域におけるチャネル長方向での結晶性の疎密は、薄膜トランジスタのオン電流に大きな影響を及し、結晶性が疎な側(すなわち走査方向の上流側)がドレインであればオン電流は大きくなり、同側がソースであればオン電流は小さくなる。これは、下記表1にも明らかである。この表1には、薄膜トランジスタを形成する際に、結晶化アニールの際のレーザ光の走査方向v(−v)を、薄膜トランジスタTr1’,Tr2’のソース側上流とした場合と、ドレイン側上流とした場合とで反転させて形成した薄膜トランジスタのオン電流の値を示す。各オン電流の値は、図22に示すように、基板の表示パネル2上に分散して設定した各位置1〜12に作製した薄膜トランジスタに関する値である。各薄膜トランジスタのゲート幅Wとゲート長Lは、W/L=20/8である。
Figure 2009231686
このため図19に示したように、隣接する副画素aのレイアウトが反転している構成であれば、隣接する表示画素内の同一色の副画素aの薄膜トランジスタTr1’,Tr2’のレイアウトが反転するため、同一色の副画素a間の薄膜トランジスタTr1’,Tr2に上述したチャネル長方向の端部での結晶性の疎密に起因するトランジスタ特性、例えばオン電流に差が生じる。この結果、隣接する表示画素内の同一色の副画素a間では薄膜トランジスタTr1’,Tr2’に接続された発光素子の輝度差が生じ、結果として隣接する表示画素間の輝度差が輝度ムラとして視認されてしまう。
また、例えば結晶化アニール工程の短縮を目的として、1列目の副画素a列に対して走査方向vでレーザ照射した後に、2列目の副画素a列に対して走査方向−vでレーザ照射するような、レーザ光の走査の往復において異なる列の副画素aに対してレーザ照射を行う場合がある。このような場合であれば、列毎に薄膜トランジスタの特性差が生じ、これに接続された発光素子の輝度差が生じる事になる。
そこで、図21に示したように、薄膜トランジスタTr1’,Tr2’のゲート電極14を、チャネル長方向に延設し(つまりゲート電極14を幅方向に太らせ)、この延設した部分ΔLs、ΔLdを伝熱部材とする構成が提案されている。このような構成とすることにより、上述した結晶化アニール工程においては、ゲート電極14による熱伝導の影響を、ゲート電極14と重なるチャネル領域に対して均一化させ、チャネル領域の結晶性を均一に行うことが可能であるとしている(下記特許文献1参照)。
特開2007−35964号公報
ところが、このような構成では、図21に示したように、ゲート電極14を延設したことにより、ゲート電極14−ソース電極/ドレイン電極22sd間の寄生容量Cgd,Cgsが増加する。このような寄生容量Cgd,Cgsの増加は、この薄膜トランジスタTr1’,Tr2’を有する画素回路によって駆動される発光素子の表示特性を低下させるとともに、発光素子を駆動するための駆動電圧の上昇および消費電力の上昇を招いている。
そこで本発明は、ゲート電極の電極幅を広げることで寄生容量を増加させることなく、チャネル領域におけるチャネル長方向の結晶性が均一化された薄膜トランジスタを得ることが可能で、これにより薄膜トランジスタに接続された発光素子の輝度ムラが防止された表示特性の良好な表示装置の製造方法を提供すること、さらにはこのような製造方法によって得られた表示装置を提供することを目的とする。
このような目的を達成するための本発明の表示装置の製造方法、および薄膜トランジスタの製造方法は、次のような工程を行う。先ず、基板上にゲート電極を形成する。次に、ゲート電極を覆う状態で、ゲート絶縁膜および非晶質の半導体薄膜をこの順に成膜する。その後、少なくともゲート電極上方における半導体薄膜に対して、当該ゲート電極の延設方向にエネルギー線を走査させながら照射することで、半導体薄膜を結晶化させる。そして、表示装置の製造においては、このようにして形成された薄膜トランジスタに接続される発光素子を形成する。
このような製造方法では、エネルギー線照射による半導体薄膜の結晶化の際に、ゲート電極の延設方向にエネルギー線を走査させながら照射するため、ゲート長方向(つまりゲート電極の線幅方向)の両端側の半導体薄膜部分においては、ゲート電極による熱伝導の影響がほぼ均等になる。これにより、ゲート電極上部の半導体薄膜部分(すなわちチャネル領域)の結晶性は、ゲート長方向の両端において均一化される。
また本発明は、このような製造方法によって得られた薄膜トランジスタを発光素子に接続させた表示装置、および薄膜トランジスタでもあり、ゲート電極上における半導体薄膜部分は、当該ゲート電極の延設方向におけるチャネル領域の両端側の結晶性が異なることを特徴としている。
以上説明したように本発明によれば、ゲート電極の延設方向をエネルギー線の走査方向に規定することでゲート電極上部の半導体薄膜部分(すなわちチャネル領域)の結晶性をゲート長方向の両端において均一化することができるため、ゲート電極の幅を広げることで寄生容量を増加させることなく、チャネル領域におけるチャネル長方向の結晶性が均一化され、特性差が抑えられた薄膜トランジスタ得る事が可能である。この結果、この薄膜トランジスタに接続された発光素子の輝度ムラが防止された表示特性の良好な表示装置を得ることができる。
以下本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。ここでは、表示装置の製造方法として、薄膜トランジスタに発光素子を接続されたアクティブマトリックス型の表示装置の製造手順を、薄膜トランジスタの製造工程から順に説明する。尚、図18〜図21を用いて説明した従来の構成と同一の構成要素には同一の符号を付して説明を行う。
<第1実施形態>
図1および図2を用いて第1実施形態の製造方法を実施するための薄膜トランジスタ基板のレイアウトを説明する。
図1に示すように、平面矩形形状のガラス基板1を用意する。そして、このガラス基板1に対して、例えば2枚の表示パネル2の形成領域を設定する。この際、1枚のガラス基板1に対して、効率よく2枚の表示パネル2を配置できるように、ガラス基板1の長辺に対して、表示パネル2の短辺を平行に配置する。そして、各表示パネル2内には、各表示パネル2と略相似形で平面矩形形状の表示領域2aを設定する。表示領域2a内には、平面矩形形状の副画素aを配列する。これらの副画素aは、表示領域2aの短辺方向yに対して、各副画素aの長辺を平行にして配置される。さらにこれらの副画素aは、これらの短辺方向に配列された赤(R)、緑(G)、青(B)の3つの副画素aを1組とした略正方形の表示画素を構成している。以上までは、従来と同様のレイアウトである。
また、図2に示すように、各表示領域2a内には、表示領域2aの長辺方向xに沿って走査線11および電源線12が配線され、これと垂直に信号線13が配線され、これらの各交差部に対応して副画素aが配置されている。各副画素a内には、ゲート電極14aを備えた薄膜トランジスタTr1,Tr2、さらには容量素子Csが配置されている。ここで薄膜トランジスタTr1,Tr2は、そのチャネル長方向が副画素aの長辺と平行となるように、すなわち表示領域2aの短辺方向yと平行となるようにパターン形成されているところが、従来構成とは異なるところである。
以上のようなレイアウトの薄膜トランジスタ基板を作製する場合、次の手順を行う。
先ず、図3の平面図、および図4(1)の断面図(図3の平面図のA−A’断面図に相当する)に示すように、ガラス基板1上の各表示領域2aに、第1金属パターン21からなるゲート電極14aを形成し、さらに第1金属パターン21からなる他の配線部分、例えば信号線13の一部および容量素子Csの下部電極部分を形成する。この際、ゲート電極14aは、表示領域2aの長辺方向xと平行となるようにパターニングする。そして、ここで形成する薄膜トランジスタ(Tr1,Tr2)におけるチャネルの幅の両側において、これよりも長くゲート電極14aがパターン形成されることが好ましい。また信号線13の一部は、表示領域2aの短辺方向yと平行となるようにパターニングする。
このような、ゲート電極14aを含む第1金属パターン21は、例えばスパッタ法により成膜したモリブデン(Mo)膜を、レジストパターンをマスクにしてパターンエッチングすることによって形成する。尚、第1金属パター21は、モリブデン(Mo)により構成されているとは限らず、後の熱工程において変質しにくい高融点の金属であればよい。
次に、これらの第1金属パターン21を覆う状態で、例えば酸化シリコンや窒化シリコンを用いたゲート絶縁膜31を成膜し、さらに続けて非晶質シリコンからなる半導体薄膜32を成膜する。
その後、図4(2)に示すように、半導体薄膜32上を覆う状態で、酸化シリコンや窒化シリコンを用いたバッファ層41を成膜し、さらに続けてモリブデン(Mo)を用いた光熱変換層42をこの順に成膜する。尚、この光熱変換層42は、後述するレーザ光などのエネルギー線を吸収し、光エネルギーを熱エネルギーに変換するためのものである。したがって、この光熱変換層42としては、次に行う結晶化アニールの際に使用するレーザ光(エネルギー線)の吸収率が高いこと、バッファ層41や半導体薄膜32への熱拡散速度が低いこと、後の結晶化の際に生じる熱によっても変質しにくい高融点の材料であること、などの条件を満たせばどのような材料であってもよく、例えば他に炭素(C)などを用いるようにしてもよい。
以上の後、図4(3)に示すように、光熱変換層42およびバッファ層41を介して半導体薄膜32に間接的にレーザ光Lhを照射し、この半導体薄膜32に加熱処理を施す。この際、固体レーザを発信源としたレーザ光Lhを照射する。これにより半導体薄膜32におけるレーザ光Lhの照射部をナノメートルオーダーの結晶粒に結晶化させた微結晶シリコン薄膜32Aとする。尚、レーザ光Lhの走査方向v(−v)と垂直方向の照射幅は、トランジスタTr1,Tr2の形成部を覆う程度であることとする。そして、ここでのレーザ光Lhの照射は、図2を用いて説明したように配置形成される薄膜トランジスタTr1,Tr2の形成位置に対応する部分のみに、すなわちゲート電極14aの上方を含む領域に対して選択的に照射すれば良い。
そして特に、このレーザ光Lhの照射においては、ゲート電極14aの延設方向、すなわち薄膜トランジスタTr1,Tr2のチャネル長方向に対して垂直な走査方向v(-v)にレーザ光Lhが走査されるようにすることが重要である。このため、ここでは、レーザ光Lhの走査方向v(-v)を、ガラス基板1の短辺に対して平行、すなわち表示領域2aの長辺方向xに対して平行とする。これにより、レーザ光Lhの走査距離が長いことによるレーザ光Lhのエネルギーばらつきを防止し、より均一な結晶が得られるようにしている。
その後、図4(4)に示すように、半導体薄膜32A上の光熱変換層42およびバッファ層41をエッチングにより除去する。
次に、図5(1)に示すように、半導体薄膜32A上においてゲート電極14aに重なる位置に、絶縁性のストッパ層33をパターン形成する。ここでは図21を用いて説明した従来構成のように、ゲート電極14aの線幅を拡大する必要がないため、ゲート電極14aをマスクにした裏面露光を適用してストッパ層33をパターン形成しても良い。
次いで、図5(2)に示すように、ストッパ層33を覆う状態で、例えばn型の不純物を含有するシリコンからなるn型半導体層34を成膜する。
その後、図5(3)に示すように、n型半導体層34と半導体薄膜32Aとを、ゲート電極14aを覆う島状にパターニングする。
しかる後、図5(4)に示すように、n型半導体層34を覆う金属膜を形成してこれをパターニングすることにより、第2金属パターン22からなるソース電極/ドレイン電極22sdを形成する。このソース電極/ドレイン電極22sdは、ストッパ層33上において分割された状態となっている。また、n型半導体層34も、ストッパ層33上で分離するようにパターニングし、このn型半導体層34からなるソース/ドレイン34sdを形成する。これにより、微結晶性の半導体薄膜32Aによってチャネル領域chが構成され、このチャネル領域chに接するソース/ドレイン34sdにソース電極/ドレイン電極22sdが接続された薄膜トランジスタTr1,Tr2を得る。また、ソース電極/ドレイン電極22sdの形成と同じ工程で、第2金属パターン22からなる他の配線部分、例えば図2に示した走査線11、電源線12、容量素子Csの上部電極、信号線13の一部分等を形成する。
以上のようにして、図2に示したように、ガラス基板1上に設定した各表示領域2aに走査線11、電源線12、および信号線13を形成し、さらに各副画素aに薄膜トランジスタTr1,Tr2および容量素子Csを形成した画素駆動回路を形成する。これにより、薄膜トランジスタ基板(駆動基板)を得る。尚、以上説明したプロセスと同一プロセスを適用して、ここでの図示を省略した表示領域の周辺に設けられる周辺駆動回路を構成する他の素子および配線を形成する。周辺駆動回路としては、例えば表示領域2aの長辺方向xに沿って信号線駆動回路が設けられ、短辺方向yに沿って走査線駆動回路が設けられる。
次にこの薄膜トランジスタ基板の上部に発光素子を形成する工程を説明する。図7はアクティブマトリックス方式の有機EL表示装置の1画素分の断面構成を示す図である。
この図に示すように、以上の回路(薄膜トランジスタTr2のみ図示)が形成されたガラス基板1上を覆う状態で、パッシベーション膜51を成膜し、この上部に平坦化絶縁膜52を形成する。この平坦化絶縁膜52には、薄膜トランジスタTr2のソース電極/ドレイン電極22sdの一方に達する接続孔52aを形成する。次に、接続孔52aを介してソース電極/ドレイン電極22sdに接続された下部電極53を、平坦化絶縁膜52上にパターン形成する。この下部電極53は、有機電界発光素子ELの陽極(または陰極)として用いられるものであり、画素毎にパターン形成されていることとする。
次に、下部電極53の中央部分を広く露出して周縁を覆う状態で絶縁性パターン54を形成する。この絶縁性パターン54の開口部分が画素開口となる。
その後、絶縁性パターン54から露出した下部電極53を覆う状態で、有機材料を用いて構成される発光機能層55を形成する。この発光機能層55は、少なくとも有機発光層を備えており、例えば陽極側から正孔注入層、正孔輸送層、有機発光層、電子輸送層などを必要に応じて積層成膜して形成する。
次に、発光機能層55を覆う状態で、上部電極56を形成する。この上部電極56は、有機電界発光素子ELの陰極(または陽極)として用いられるものであり、全画素に共通の電極として形成されていることとする。
以上により、平坦化絶縁膜52上に、下部電極53と上部電極56との間に有機発光層を含む発光機能層55を挟持してなる有機電界発光素子ELを形成する。この有機電界発光素子ELは、下部電極53において薄膜トランジスタTr2に接続された構成となっている。
次に、ガラス基板1の有機電界発光素子EL形成面側に封止基板57を対向配置し、接着性の封止剤58を介してガラス基板1と封止基板57とを貼合せ、表示装置59を完成させる。
このような構成の表示装置59では、各副画素aにおいてスイッチング用の薄膜トランジスタTr1を介して信号線13から書き込まれた映像信号が保持容量Csに保持され、保持された信号量に応じた電流が駆動用の薄膜トランジスタTr2から有機電界発光素子ELに供給され、この電流値に応じた輝度で有機電界発光素子ELが発光する。
以上説明した第1実施形態の製造方法によれば、例えば図3に示すように、レーザ光Lh照射による半導体薄膜32の結晶化の際に、レーザ光Lhの走査方向v(−v)をゲート電極14aの延設方向としている。これにより、ゲート長方向(つまりゲート電極14aの線幅方向)の両端側の半導体薄膜32部分においては、ゲート電極14aによる熱伝導の影響がほぼ均等になる。したがって、ゲート電極14a上部の半導体薄膜32A部分(すなわちチャネル領域)の結晶性は、ゲート長方向(ゲート電極14aの線幅方向)の両端において均一化される。
したがって、ゲート電極14aの幅を広げることで寄生容量を増加させることなく、チャネル領域におけるチャネル長方向の結晶性が均一化されてオン電流のばらつきが抑えられた薄膜トランジスタTr1,Tr2を得ることができる。この結果、この薄膜トランジスタTr1,Tr2に接続された有機電界発光素子ELの輝度ムラが防止された表示特性の良好な表示装置59を得ることができる。
つまり、従来構成として図21に示したように、ゲート電極14の線幅を拡張することで、この拡張部を伝熱部となるようにした場合、下記式(1)に示す駆動トランジスタTr2のソース電位の上昇分でΔVsに対するゲート電位の上昇分ΔVgの比率を考える。
Figure 2009231686
ここで、図7に示す画素回路の等価回路を参照し、式(1)において、Csは容量素子Csの容量であり、Cdは薄膜トランジスタTr1におけるゲート−ドレイン間容量であり、Cgdは薄膜トランジスタTr2におけるゲート−ドレイン間容量であり、Cgdは薄膜トランジスタTr2におけるゲート−ドレイン間容量であり、Cgsは薄膜トランジスタTr2におけるゲート−ソース間容量である。尚、図7の等価回路は、図2に示した副画素aの画素回路の等価回路である。
上記比率(以下ブートストラップ比:Gbstと記す)は、この式(1)から明らかなように、容量Csの容量値Csおよび駆動トランジスタのゲートに付く寄生容量Cgs,Cgd,Cdによって決まり、これらの容量値で特にTr1のCd,Tr2のCgdが小さければブートストラップ比Gbstが大きくなる。
そして、ブートストラップ比Gbstが小さいと、必要電流が確保できず輝度落ち、輝度ムラが生じ画質が劣化する。すなわち、ブートストラップ動作において、ブートストラップ比Gbstが小さいと、ソース電位Vsの上昇分ΔVsに対してゲート電位Vgの上昇分ΔVgが小さくなるために、ゲート−ソース間電圧Vgsが縮まり、書き込みトランジスタによる書き込みによって容量Csに保持した信号電圧Vsigよりも小さくなる。すると、有機EL素子に流す駆動電流Idsとして必要な電流、即ち書き込みトランジスタによって書き込んだ映像信号の信号電圧Vsigに対応した電流を確保できないために、輝度が低下し、それに伴って輝度ムラが生じて画質の劣化を招くのである。
しかしながら、第1実施形態の製造方法とすることにより、ゲート電極14aの幅を広げることで寄生容量Cgd、Cgsを増加させることなく、つまりGbstの低下が抑えられて、消費電力の増加を防止する事ができる。また、チャネル領域におけるチャネル長方向の結晶性が均一化されてオン電流のばらつきが抑えられるのである。
そしてこのような第1実施形態の製造方法によって得られた薄膜トランジスタTr1,Tr2および表示装置59は、ゲート電極14a上における半導体薄膜32A部分の結晶性が、ゲート電極14aの延設方向におけるチャネル領域ch端部で異なるものになる。このような結晶性の相違は、例えばラマン分光法によって確認することが可能である。
そして、薄膜トランジスタTr1,Tr2におけるチャネル領域chの幅の両側において、これよりも十分に長くゲート電極14aがパターン形成されている場合には、結晶性の異なる部分をチャネル領域chから十分に離れた位置とすることができる。したがって、半導体薄膜32A部分の結晶性が、ゲート電極14aの延設方向におけるチャネル領域ch端部で異なるものであっても、このような結晶性の相違が薄膜トランジスタTr1,Tr2に影響することを完全に防止することができる。
<第2実施形態>
図8は、第1実施形態の変形例としての第2実施形態を説明するためのレイアウト図である。この図を用いて説明する第2実施形態と先の第1実施形態との異なるところは、走査線11の延設方向に隣接配置された副画素a,aのレイアウトを信号線13に対して反転させているところにある。これにより、2つの副画素a,aで、電源線12の一部を共有しており、製造手順の構成は第1実施形態と同様である。
このような第2実施形態のレイアウトであっても、上述した第1実施形態と同様の製造手順で薄膜トランジスタおよび表示装置を作製することにより、同様の効果を得ることが可能である。
<第3実施形態>
図9および図10を用いて第3実施形態の製造方法を実施するための薄膜トランジスタ基板のレイアウトを説明する。
図9に示すように、平面矩形形状のガラス基板1を用意する。そして、このガラス基板1に対して、例えば表示パネル2が2枚分の形成領域を設定する。この際、1枚のガラス基板1に対して、効率よく2枚の表示パネル2を配置できるように、ガラス基板1の長辺方向yに対して、表示パネル2の短辺を平行に配置する。そして、各表示パネル2における表示領域2a内には、平面矩形形状の副画素aを設定する。そして本第3実施形態では、これらの副画素aの短辺が、表示領域2aの短辺方向yに平行に配置されているところが特徴的である。尚、副画素aは、これらの短辺方向に配列された赤(R)、緑(G)、青(B)の3つの副画素aを1組とした略正方形の表示画素を構成することは従来と同様である。
また、図10に示すように、各表示領域2a内には、表示領域2aの短辺方向yに沿って走査線11および電源線12が配線され、これと垂直に信号線13が配線され、これらの各交差部に対応して副画素aが配置されている。各副画素a内には、ゲート電極14aを備えた薄膜トランジスタTr1,Tr2、さらには容量素子Csが配置されている。ここで薄膜トランジスタTr1,Tr2は、そのチャネル長方向が副画素aの短辺と平行となるように、すなわち表示領域2aの短辺方向yと平行となるようにパターン形成されているところが、第1実施形態及び第2実施形態と同様に、従来構成とは異なるところである。
以上のようなレイアウトの薄膜トランジスタ基板を作製する場合、次の手順を行う。
先ず、図11の平面図、および前出した図4(1)の断面図(図11の平面図のA−A’断面図に相当する)に示すように、ガラス基板1上の各表示領域2aに、第1金属パターン21からなるゲート電極14aを形成し、さらに第1金属パターン21からなる他の配線部分、例えば信号線13の一部および容量素子Csの下部電極部分を形成する。この際、ゲート電極14aは、表示領域2aの長辺方向xと平行となるようにパターニングする。また信号線13の一部も、ガラス基板1の短辺方向xと平行となるようにパターニングする。また信号線13の一部は、表示領域2aの長辺方向xと平行となるようにパターニングする。
このような、ゲート電極14aを含む第1金属パターン21の形成は、第1実施形態と同様に、例えばスパッタ法により成膜したモリブデン(Mo)膜をレジストパターンをマスクにしてパターンエッチングすることによって行う。尚、第1金属パター21は、モリブデン(Mo)により構成されているとは限らず、後の熱工程において変質しにくい高融点の金属であればよい。
次に、第1実施形態と同様に、これらの第1金属パターン21を覆う状態で、例えば酸化シリコンや窒化シリコンを用いたゲート絶縁膜31を成膜し、さらに続けて非晶質シリコンからなる半導体薄膜32を成膜する。
その後、図4(2)に示すように、第1実施形態と同様に、半導体薄膜32上を覆う状態で、酸化シリコンや窒化シリコンを用いたバッファ層41を成膜し、さらに続けてモリブデン(Mo)を用いた光熱変換層42をこの順に成膜する。尚、この光熱変換層42は、後述するレーザ光などのエネルギー線を吸収し、光エネルギーを熱エネルギーに変換するためのものである。したがって、この光熱変換層42としては、次に行う結晶化アニールの際に使用するレーザ光(エネルギー線)の吸収率が高いこと、バッファ層41や半導体薄膜32への熱拡散速度が低いこと、後の結晶化の際に生じる熱によっても変質しにくい高融点の材料であること、などの条件を満たせばどのような材料であってもよく、例えば他に炭素(C)などを用いるようにしてもよい。
以上の後、図4(3)に示すように、第1実施形態と同様に、光熱変換層42およびバッファ層41を介して半導体薄膜32に間接的にレーザ光Lhを照射し、この半導体薄膜32に加熱処理を施す。この際、固体レーザを発信源としたレーザ光Lhを照射する。これにより半導体薄膜32におけるレーザ光Lhの照射部をナノメートルオーダーの結晶粒に結晶化させた微結晶シリコン薄膜32Aとする。尚、ここでのレーザ光Lhの照射は、図10を用いて説明したように配置形成される薄膜トランジスタTr1,Tr2の形成位置に対応する部分のみに、すなわちゲート電極14aの上方を含む領域に対して選択的に照射すれば良い。
そして特に、このレーザ光Lhの照射においては、ゲート電極14aの延設方向、すなわち薄膜トランジスタTr1,Tr2のチャネル長方向に対して垂直な走査方向v(-v)にレーザ光Lhが走査されるようにすることが重要である。このため、ここでは、レーザ光Lhの走査方向v(-v)を、ガラス基板1の短辺に対して平行、すなわち表示領域2aの長辺方向xに対して平行とする。これにより、レーザ光Lhの走査距離が長いことによるレーザ光Lhのエネルギーばらつきを防止し、より均一な結晶が得られるようにしている。
その後、図4(4)に示すように、第1実施形態と同様に、半導体薄膜32A上の光熱変換層42およびバッファ層41をエッチングにより除去する。
次に、図5(1)に示すように、第1実施形態と同様に、半導体薄膜32A上においてゲート電極14aに重なる位置に、絶縁性のストッパ層33をパターン形成する。
次いで、図5(2)に示すように、ストッパ層33を覆う状態で、例えばn型の不純物を含有するシリコンからなるn型半導体層34を成膜する。
その後、図5(3)に示すように、n型半導体層34と半導体薄膜32Aとを、ゲート電極14aを覆う島状にパターニングする。
しかる後、図5(4)に示すように、n型半導体層34を覆う金属膜を形成してこれをパターニングすることにより、第2金属パターン22からなるソース電極/ドレイン電極22sdを形成する。このソース電極/ドレイン電極22sdは、ストッパ層33上において分割された状態となっている。また、n型半導体層34も、ストッパ層33上で分離するようにパターニングし、このn型半導体層34からなるソース/ドレイン34sdを形成する。これにより、微結晶性の半導体薄膜Aによってチャネル領域chが構成され、このチャネル領域chに接するソース/ドレイン34sdにソース電極/ドレイン電極22sdが接続された薄膜トランジスタTr1,Tr2を得る。また、ソース電極/ドレイン電極22sdの形成と同じ工程で、第2金属パターン22からなる他の配線部分、例えば図10に示した走査線11、電源線12、容量素子Csの上部電極、信号線13の一部分等を形成する。
以上のようにして、図10に示したように、ガラス基板1上に設定した各表示領域2aに走査線11、電源線12、および信号線13を形成し、さらに各副画素aに薄膜トランジスタTr1,Tr2および容量素子Csを形成した画素回路を形成する。これにより、薄膜トランジスタ基板(駆動基板)を得る。尚、以上説明したプロセスと同一プロセスを適用して、ここでの図示を省略した表示領域の周辺に設けられる周辺駆動回路を構成する他の素子および配線を形成する。周辺駆動回路としては、例えば表示領域2aの長辺方向xに沿って走査線駆動回路が設けられ、短辺方向yに沿って信号線駆動回路が設けられる。
次にこの薄膜トランジスタ基板の上部に発光素子を形成する。発光素子の形成は、第1実施形態において図7を用いて説明したと同様である。
すなわち図7に示すように、以上の回路(薄膜トランジスタTrのみ図示)が形成されたガラス基板1上を覆う状態で、パッシベーション膜51を成膜し、この上部に平坦化絶縁膜52を形成する。この平坦化絶縁膜52には、薄膜トランジスタTr2のソース電極/ドレイン電極22sdの一方に達する接続孔52aを形成する。次に、接続孔52aを介してソース電極/ドレイン電極22sdに接続された下部電極53を、平坦化絶縁膜52上にパターン形成する。この下部電極53は、有機電界発光素子ELの陽極(または陰極)として用いられるものであり、画素毎にパターン形成されていることとする。
次に、下部電極53の中央部分を広く露出して周縁を覆う状態で絶縁性パターン54を形成する。この絶縁性パターン54の開口部分が画素開口となる。
その後、絶縁性パターン54から露出した下部電極53を覆う状態で、有機材料を用いて構成される発光機能層55を形成する。この発光機能層55は、少なくとも有機発光層を備えており、例えば陽極側から正孔注入層、正孔輸送層、有機発光層、電子輸送層などを必要に応じて積層成膜して形成する。
次に、発光機能層55を覆う状態で、上部電極56を形成する。この上部電極56は、有機電界発光素子ELの陰極(または陽極)として用いられるものであり、全画素に共通の電極として形成されていることとする。
以上により、平坦化絶縁膜52上に、下部電極53と上部電極56との間に有機発光層を含む発光機能層55を挟持してなる有機電界発光素子ELを形成する。この有機電界発光素子ELは、下部電極53において薄膜トランジスタTr2に接続された構成となっている。
次に、ガラス基板1の有機電界発光素子EL形成面側に封止基板57を対向配置し、接着性の封止剤58を介してガラス基板1と封止基板57とを貼合せ、表示装置59を完成させる。
このような構成の表示装置59では、各副画素aにおいてスイッチング用の薄膜トランジスタTr1を介して信号線13から書き込まれた映像信号が保持容量Csに保持され、保持された信号量に応じた電流が駆動用の薄膜トランジスタTr2から有機電界発光素子ELに供給され、この電流値に応じた輝度で有機電界発光素子ELが発光する。
以上説明した第3実施形態の製造方法によれば、例えば図11に示すように、レーザ光Lh照射による半導体薄膜32の結晶化の際に、レーザ光Lhの走査方向v(−v)をゲート電極14aの延設方向としている。これにより、ゲート長方向(つまりゲート電極14aの線幅方向)の両端側の半導体薄膜32部分においては、ゲート電極14aによる熱伝導の影響がほぼ均等になる。したがって、ゲート電極14a上部の半導体薄膜32A部分(すなわちチャネル領域)の結晶性は、ゲート長方向(ゲート電極14aの線幅方向)の両端において均一化される。
したがって、ゲート電極の幅を広げることで寄生容量を増加させることなく、チャネル領域におけるチャネル長方向の結晶性が均一化されると共にオン電流のばらつきが抑えられた薄膜トランジスタTr1,Tr2を得ることができる。この結果、この薄膜トランジスタTr1,Tr2に接続された有機電界発光素子ELの輝度ムラが防止された表示特性の良好な表示装置59を得ることができる。
そしてこのような第3実施形態の製造方法によって得られた薄膜トランジスタTr1,Tr2および表示装置59は、ゲート電極14a上における半導体薄膜32A部分の結晶性が、ゲート電極14aの延設方向におけるチャネル領域ch端部で異なるものになる。このような結晶性の相違は、例えばラマン分光法によって確認することが可能である。
そして、薄膜トランジスタTr1,Tr2におけるチャネル領域chの幅の両側において、これよりも十分に長くゲート電極14aがパターン形成されている場合には、結晶性の異なる部分をチャネル領域chから十分に離れた位置とすることができる。したがって、半導体薄膜32A部分の結晶性が、ゲート電極14aの延設方向におけるチャネル領域ch端部で異なるものであっても、このような結晶性の相違が薄膜トランジスタTr1,Tr2に影響することを完全に防止することができる。
<第4実施形態>
図12は、第3実施形態の変形例としての第4実施形態を説明するためのレイアウト図である。この図を用いて説明する第4実施形態が、先の第3実施形態との異なるところは、走査線11方向に隣接配置された副画素a,aのレイアウトを信号線13に対して反転させているところにある。これにより、2つの副画素a,aで、電源線12の一部を共有しており、製造手順の構成は第3実施形態と同様である。
このような第4実施形態のレイアウトであっても、上述した第3実施形態と同様の製造手順で薄膜トランジスタおよび表示装置を作製することにより、同様の効果を得ることが可能である。
<適用例>
以上説明した本発明に係る製造方法によって得られる表示装置は、図13〜図17に示す様々な電子機器、例えば、デジタルカメラ、ノート型パーソナルコンピュータ、携帯電話等の携帯端末装置、ビデオカメラなど、電子機器に入力された映像信号、若しくは、電子機器内で生成した映像信号を、画像若しくは映像として表示するあらゆる分野の電子機器の表示装置に適用することが可能である。以下に、本発明が適用される電子機器の一例について説明する。
図13は、本発明が適用されるテレビを示す斜視図である。本適用例に係るテレビは、フロントパネル102やフィルターガラス103等から構成される映像表示画面部101を含み、その映像表示画面部101として本発明に係る表示装置を用いることにより作成される。
図14は、本発明が適用されるデジタルカメラを示す図であり、(A)は表側から見た斜視図、(B)は裏側から見た斜視図である。本適用例に係るデジタルカメラは、フラッシュ用の発光部111、表示部112、メニュースイッチ113、シャッターボタン114等を含み、その表示部112として本発明に係る表示装置を用いることにより作製される。
図15は、本発明が適用されるノート型パーソナルコンピュータを示す斜視図である。本適用例に係るノート型パーソナルコンピュータは、本体121に、文字等を入力するとき操作されるキーボード122、画像を表示する表示部123等を含み、その表示部123として本発明に係る表示装置を用いることにより作製される。
図17は、本発明が適用されるビデオカメラを示す斜視図である。本適用例に係るビデオカメラは、本体部131、前方を向いた側面に被写体撮影用のレンズ132、撮影時のスタート/ストップスイッチ133、表示部134等を含み、その表示部134として本発明に係る表示装置を用いることにより作製される。
図18は、本発明が適用される携帯端末装置、例えば携帯電話機を示す図であり、(A)は開いた状態での正面図、(B)はその側面図、(C)は閉じた状態での正面図、(D)は左側面図、(E)は右側面図、(F)は上面図、(G)は下面図である。本適用例に係る携帯電話機は、上側筐体141、下側筐体142、連結部(ここではヒンジ部)143、ディスプレイ144、サブディスプレイ145、ピクチャーライト146、カメラ147等を含み、そのディスプレイ144やサブディスプレイ145として本発明に係る表示装置を用いることにより作製される。
第1実施形態を説明するための基板上のレイアウト図である。 第1実施形態を説明するための3画素分のレイアウト図である。 第1実施形態の製造工程の一部を説明するための3画素分の平面工程図である。 第1実施形態および第3実施形態の製造工程を説明するための断面工程図(その1)である。 第1実施形態および第3実施形態の製造工程を説明するための断面工程図(その2)である。 図2の画素回路の等価回路図である。 第1実施形態および第3実施形態の発光素子の製造工程を説明するための断面である。 第2実施形態の特徴部を説明するための3画素分のレイアウト図である。 第3実施形態を説明するための基板上のレイアウト図である。 第3実施形態を説明するための3画素分のレイアウト図である。 第3実施形態の製造工程の一部を説明するための3画素分の平面工程図である。 第4実施形態の特徴部を説明するための3画素分のレイアウト図である。 本発明が適用されるテレビを示す斜視図である。 本発明が適用されるデジタルカメラを示す図であり、(A)は表側から見た斜視図、(B)は裏側から見た斜視図である。 本発明が適用されるノート型パーソナルコンピュータを示す斜視図である。 本発明が適用されるビデオカメラを示す斜視図である。 本発明が適用される携帯端末装置、例えば携帯電話機を示す図であり、(A)は開いた状態での正面図、(B)はその側面図、(C)は閉じた状態での正面図、(D)は左側面図、(E)は右側面図、(F)は上面図、(G)は下面図である。 従来の表示装置の製造における結晶化アニール工程を説明するための薄膜トランジスタ基板のレイアウト図である。 従来の表示装置の製造における結晶化アニール工程を説明するための3画素分のレイアウト図である。 従来の表示装置の製造工程の一部を説明するための3画素分の平面工程図である。 従来の表示装置の製造工程を説明するための平面図および断面図である。 オン電流の値を測定した基板上の位置と薄膜トランジスタに対するレーザ光の走査方向を説明する図である。
符号の説明
1…ガラス基板(基板)、2a…表示領域、11…走査線、13…信号線、14a…ゲート電極、31…ゲート絶縁膜、32…(非晶質の)半導体薄膜、59…表示装置、EL…有機電界発光素子、Lh…レーザ光(エネルギー線)、Tr1,Tr2…薄膜トランジスタ,x…長辺方向、y…短辺方向

Claims (9)

  1. 基板上にゲート電極を形成する工程と、
    前記ゲート電極を覆う状態で前記基板上にゲート絶縁膜および非晶質の半導体薄膜をこの順に成膜する工程と、
    少なくとも前記ゲート電極上方における前記半導体薄膜に対して、当該ゲート電極の延設方向にエネルギー線を走査させながら照射することにより、当該半導体薄膜を結晶化させる工程と、
    前記ゲート電極、ゲート絶縁膜、および結晶化された半導体薄膜を用いた薄膜トランジスタに接続された発光素子を前記基板上に形成する工程と
    を有する表示装置の製造方法。
  2. 請求項1記載の表示装置の製造方法において、
    前記薄膜トランジスタおよび前記発光素子が配置される表示領域の長辺に対して、前記ゲート電極を平行にパターン形成する
    表示装置の製造方法。
  3. 請求項2記載の表示装置の製造方法において、
    前記表示領域の長辺に対して、走査線を平行にパターン形成し、かつ信号線を垂直にパターン形成する
    表示装置の製造方法。
  4. 請求項1記載の表示装置の製造方法において、
    前記薄膜トランジスタおよび前記発光素子が配置される表示領域の長辺に対して、前記ゲート電極を平行にパターン形成し、
    前記表示領域の短辺に対して、走査線を平行にパターン形成し、かつ信号線を垂直にパターン形成する
    表示装置の製造方法。
  5. 請求項1記載の表示装置の製造方法において、
    前記ゲート電極は、モリブデンを用いて形成される
    表示装置の製造方法。
  6. 請求項1記載の表示装置の製造方法において、
    前記エネルギー線は、固体レーザから照射されたレーザ光である
    表示装置の製造方法。
  7. ゲート電極上にゲート絶縁膜を介して設けられた半導体薄膜部分の結晶性が、当該ゲート電極の延設方向におけるチャネル領域の両端側で異なる薄膜トランジスタと、
    前記各薄膜トランジスタに接続された複数の発光素子と
    を備えた表示装置。
  8. 基板上にゲート電極を形成する工程と、
    前記ゲート電極を覆う状態で前記基板上にゲート絶縁膜および非晶質の半導体薄膜をこの順に成膜する工程と、
    少なくとも前記ゲート電極上方における前記半導体薄膜に対して、当該ゲート電極の延設方向にエネルギー線を走査させながら照射することにより、当該半導体薄膜を結晶化させる工程と
    を有する薄膜トランジスタの製造方法。
  9. ゲート電極と、
    前記ゲート電極を覆うゲート絶縁膜と、
    前記ゲート電極上におけるチャネル領域の両端側で結晶性が異なる状態で前記ゲート絶縁膜上に設けられた半導体薄膜と
    を備えた薄膜トランジスタ。
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