JP2009231675A - 半導体集積回路の設計方法、半導体集積回路の設計プログラム、及び半導体集積回路の設計支援装置 - Google Patents

半導体集積回路の設計方法、半導体集積回路の設計プログラム、及び半導体集積回路の設計支援装置 Download PDF

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Abstract

【課題】多くの種類のキャパシタセルを準備せずに、ノイズ低減に必要な容量を半導体集積回路に追加する。
【解決手段】本発明による半導体集積回路の設計支援装置は、DRC部と、修正部とを具備する。DRC部は、キャパシタセルにおける内部配線のレイアウト情報と、設計対象の半導体集積回路における信号配線のレイアウト情報とを参照してデザインルールチェック(DRC)を行う。修正部は、DRC部がエラーと判定した場合、内部配線のレイアウト情報を半導体集積回路における信号配線のレイアウト情報に統合する。又、修正部は、統合されたレイアウト情報から、内部配線におけるエラー箇所を削除する。
【選択図】図8

Description

本発明は、半導体集積回路のレイアウト設計を行うための設計方法、設計プログラム、及び設計支援装置に関する。
微細プロセスで高速動作するLSI(Large System Integrated Circuit)の設計を行う場合、LSIの電源端子を結ぶ配線(電源ライン)に発生するノイズを考慮したレイアウトを設計することが重要である。この場合、キャパシタが持つ充放電機能を利用して電源ラインに発生するノイズを吸収するキャパシタセルを電源ラインに接続するように配置することは有効である。
LSI設計では論理回路のレイアウトに基づき電源解析ツールを用いて電源ラインに発生するノイズを低減するのに必要なキャパシタ量が求められる。そして、必要容量分を満たすようにキャパシタセルがレイアウトツールによって挿入される。例えば、レイアウト設計フェーズにおいて、半導体集積回路に加えるキャパシタ量を決定する方法が、特開2002−288253(特許文献1参照)に記載されている。特許文献1に記載の方法では、集積回路のレイアウト上のパワーグリッドが複数の領域に分割され、領域毎に必要なキャパシタ量が決定される。
キャパシタセルを配置する際、配置配線密度の高い領域では、キャパシタセル内の配線とLSIの既配線が干渉することにより十分なキャパシタセルを配置できない場合がある。このような場合、設計完了後に配置配線密度を低くするようにLSIのレイアウトを変更するなどの後戻りが生じたり、配置配線領域の周辺に余分なスペースを確保する等でチップサイズの増大を招く恐れがある。
このため、配置配線密度や配線構造を考慮してセルを配置することが求められる。特開2006−49782には、配線情報や配線構造に基づいて、エリアパッドセルや配線パタンセルを配置するレイアウト方法が記載されている(特許文献2参照)。これにより、セル境界部や内部配線部のピンやコンタクトによりセル同士及び他の配線パタンとの接続を確保しながらデザインルールを満たすようなレイアウトデザインを生成することができる。
又、配線パタンの異なるキャパシタセルを予め複数準備し、LSIの配線状況に応じてキャパシタセルを置きかえることで既配線との干渉を起こさないようにする手法が考えられる(例えば、特開2005−276970(特許文献3)参照)。
しかし、これらの関連技術では、LSIの配線状況をある程度予測して、場合によっては同じ大きさで複数の配線パタンを持つセルなど、多くのキャパシタセルを事前に準備する必要がある。
特開2002−288253 特開2006−49782 特開2005−276970
本発明の目的は、多くの種類のキャパシタセルを準備せずに、ノイズ低減に必要な容量値に応じたキャパシタセルを半導体集積回路に配置することにある。
本発明による半導体集積回路の設計方法は、キャパシタセルにおける内部配線のレイアウト情報と、設計対象の半導体集積回路における信号配線のレイアウト情報とを参照してデザインルールチェック(DRC)を行うステップと、DRCを行うステップにおいてエラーと判定された場合、内部配線のレイアウト情報を信号配線のレイアウト情報に統合するステップと、統合されたレイアウト情報から、内部配線におけるエラー箇所を削除するステップと、を具備する。
又、本発明による半導体集積回路の設計方法は、コンピュータによって実行される設計プログラムによって実現されることが好ましい。
本発明による半導体集積回路の設計支援装置は、DRC部と、修正部とを具備する。DRC部は、キャパシタセルにおける内部配線のレイアウト情報と、設計対象の半導体集積回路における信号配線のレイアウト情報とを参照してデザインルールチェック(DRC)を行う。修正部は、DRC部がエラーと判定した場合、内部配線のレイアウト情報を半導体集積回路における信号配線のレイアウト情報に統合する。又、修正部は、統合されたレイアウト情報から、内部配線におけるエラー箇所を削除する。
以上のように、本発明では、キャパシタセル内のレイアウトを半導体集積回路のレイアウトに統合してエラー箇所を削除するため、容量値を変更したキャパシタセルを多く用意することなく、半導体集積回路に容量を追加することができる。
本発明によれば、多くの種類のキャパシタセルを準備せずに、ノイズ低減に必要な容量を半導体集積回路に追加することができる。
以下、添付図面を参照して、本発明による半導体集積回路の設計方法の実施の形態を説明する。図面において同一、又は類似の参照符号は、同一、類似、又は等価な構成要素を示している。
(構成)
図1から図11、及び図13を参照して、本発明による半導体集積回路の設計支援装置10の実施の形態における構成を説明する。図1は、本発明による設計支援装置10の実施の形態における構成図である。設計支援装置1010は、バス16を介して相互に接続されるCPU11と、RAM12と、記憶装置13と、入力装置14と、出力装置15とを具備する。記憶装置13はハードディスクやメモリ等に例示される外部記憶装置である。又、入力装置14は、キーボードやマウス等のユーザによって操作されることで、各種データをCPU11や記憶装置13に出力する。出力装置15は、モニタやプリンタに例示され、CPU11から出力される半導体装置のレイアウト結果をユーザに対し視認可能に出力する。
記憶装置13は、LSI(Large System Integrated Circuit)レイアウト情報201、設計規則202、キャパシタセル情報203、物理ライブラリ情報204、設計プログラム100を格納している。CPU11は、入力装置14からの入力に応答して、記憶装置13内の設計プログラム100を実行し、セルの配置処理やレイアウトの変更(修正)処理を行う。この際、記憶装置13からの各種データやプログラムはRAM12に一時格納され、CPU11は、RAM12内のデータを用いて各種処理を実行する。
LSIレイアウト情報201は、レイアウトフェーズにおいて論理回路が配置されたLSIのレイアウトを示す情報である。LSIレイアウト情報201は、図13に示すようなLSI配線1(一般信号配線50、電源配線51、GND配線52)の配線構造(例えばレイアウト座標)に関する情報や、LSIに配置されたマクロセルの配置構造(例えばセルの位置)に関する情報が含まれる。
設計規則202は、設計対象となる半導体集積回路(LSI)に必要な容量値(キャパシタ量)と、それを計算するための情報である。
物理ライブラリ情報204は、キャパシタセル2のレイアウトに関する情報を含む。図2にキャパシタセル2のレイアウトの一例を示す。尚、簡単のため、ここでは、メタル層以外の構成要素については説明を割愛する。図2を参照して、キャパシタセル2は、セル内に配置されるトランジスタのゲート(図示なし)に接続されるVDD(電源)端子61と、図示しないドレイン(拡散層)に接続されるGND(接地)端子62を有する。VDD端子61は同一層(XY平面)に設けられたメタル配線(内部配線63)、及び図示しないコンタクトを介して、Z方向下層に設けられたゲートに接続される。GND端子62は同一層(XY平面)に設けられたメタル配線(内部配線63)、及び図示しないコンタクトを介して、Z方向下層に設けられたドレインに接続される。このような構成によりキャパシタセル2は、内部配線63の幅や長さにより一意に決定される固定量の配線容量を有する。
本発明では、キャパシタセル2をLSIに配置する際、キャパシタセル2内の内部配線を削除する場合がある。しかし、内部配線63には、キャパシタセル2から削除されることで、キャパシタセルとしての機能(所定量以上の容量値)が失われてしまう内部配線63aがある。物理ライブラリ情報204には、このような内部配線63aを削除することを禁止することが規定される。又、キャパシタセル2は、削除された場合、容量値が削減されるが、所定量以上の容量値が確保される(キャパシタセルとしての機能は失われない)内部配線63bを有しても良い。この場合、物理ライブラリ情報204には、どの配線が削除可能な内部配線63bであるかを規定する情報が含まれる。
又、異なるセルサイズや容量値の複数のキャパシタセル2を含む物理ライブラリ情報204が用意されることが好ましい。例えば、図2に示すキャパシタセル2(C1)と異なるセルサイズや容量値のキャパシタセル2(C2、C3、C4)が用意される(図3参照)。本一例で示すキャパシタセル2の容量値は、C1、C2、C3、C4の順に減少する。又、削除可能な内部配線63bの数は、C1、C2、C3の順で減少し、キャパシタセルC4は、削除可能な内部配線63bを含まない。
物理ライブラリ情報204は、代替セル3のレイアウトに関する情報を更に含む。代替セル3は、内部配線63を持たない他は対応するキャパシタセル2と同サイズ、同端子をもつセルである。代替セル3は、キャパシタセル2の設計が行われる際、当該キャパシタセル2に対応して作成されることが好ましい。図4は、図2に示すキャパシタセル2(C1)に対応して作成された代替セル3(D1)のレイアウトを示す図である。代替セル3(D1)のレイアウトは、キャパシタセル2(C1)のレイアウトから、内部配線63を削除することで生成される。
代替セル3は、削除可能な内部配線63bを有するキャパシタセル2に対応して用意される。すなわち、削除可能な内部配線63bが設けられないキャパシタセル2(例えばキャパシタセル2(C4))に対応する代替セル3は用意されない。このため、本一例では、図4に示される代替セル3(D1)の他に、キャパシタセル2(C2、C3)に対応する代替セル3(D2、D3)が用意される(図5参照)。
キャパシタセル情報203は、キャパシタセル2のセルサイズや容量値、キャパシタセル2と代替セル3との対応関係を規定した情報を含む。図6は、キャパシタセル情報203に含まれる情報を示す図である。図6を参照して、キャパシタセル情報203には、用意されたキャパシタセル2毎のセルサイズ、対応する代替セル名が設定されている。例えば、キャパシタセル情報203には、キャパシタセル2(C1)に関して、セルサイズが“4”、対応する代替セル3が“D1”であることが設定される。
又、キャパシタセル情報203には、VDD端子61、GND端子62に接続する内部配線毎に削除可能な上限値が設定されている。上限値についてはキャパシタセルの設計時(物理ライブラリ204作成時)に、キャパシタセル自身の周波数特性(充放電に必要な時間)の影響や、VDD端子61、GND端子62に繋がらない内部配線(浮き配線)がないようにするなどの観点で決定される。図6を参照して、例えば、キャパシタセル情報203には、キャパシタセル2(C1)に関して、VDD端子61に接続する内部配線63bのうちで削除可能な上限数が“2”、GND端子62に接続する内部配線63bのうちで削除可能な上限数が“1”であることが設定される。
更に、キャパシタセル情報203には、キャパシタセル2から内部配線63bを削除した時の容量値が削除配線数毎に設定されている。例えば、キャパシタセル2(C1)から内部配線63bを削除しない場合は40[pF]、内部配線63bを1本削除で38[pF]、2本削除で36[pF]、3本削除で34[pF]となることがキャパシタセル情報203に記録されている。
設計プログラム100は、CPU11によって実行されることで、図7に示すキャパシタ量算出部101、図8に示す仮配置部102、DRC(Design Rule Check)部103、修正部104、容量判定部105の各機能を実現する。図7を参照して、キャパシタ量算出部101は、LSIレイアウト情報201と設計規則202とを参照して、設計対象のLSIのノイズ低減に必要な容量値(キャパシタ量205)を算出する。キャパシタ量205の算出方法は、特許文献1などの公知例に示される技術を用いることにより、LSI内を縦横に通過する電源配線の間隔(パワー・グリッド)等によって決められた領域毎にノイズ低減に必要な容量値(キャパシタ量205)が計算される。
図8を参照して、仮配置部102は、キャパシタセル情報203、DRC結果207、及び容量判定結果208に基づいて、物理ライブラリ情報203内からキャパシタセル2を選択してLSI上に仮配置する。図9は、仮配置部102の機能を示す機能ブロック図である。図9を参照して、仮配置部102は、キャパシタセル選択部21、空き領域検索部22、キャパシタセル仮配置部23を備える。キャパシタセル選択部21は、キャパシタセル情報203を参照して、セルサイズ(セル容量)の大きい順にキャパシタセル2を選択する。空き領域検索部22は、LSIレイアウト情報201を参照して、LSI上において、キャパシタセル選択部21によって選択されたキャパシタセル2が配置可能な空き領域53を検索する。この際、空き領域53がLSI上にない場合、キャパシタセル選択部21は、次にセルサイズの小さなキャパシタセル2を選択する。一方、キャパシタセル2が配置可能な空き領域53が検索された場合、キャパシタセル仮配置部23は、選択されたキャパシタセル2を検索された空き領域53に仮配置する。この際、キャパシタセル仮配置部23は、LSIレイアウト情報201と、物理ライブラリ情報204から抽出したキャパシタセル2のレイアウト情報を用いて仮配置を行う。キャパシタセル2が仮配置されたLSIのレイアウト情報は、仮配置後レイアウト情報206として仮配置部102から出力される。
空き領域検索部22は、入力されるDRC結果207が、削除不可能な内部配線63aにDRCエラーがあることを示す場合や、削除可能な配線数が規定値以上であることを示す場合、キャパシタセル2が配置可能な他の空き領域を検索する。あるいは、容量判定結果208が、挿入したキャパシタセル2による容量値がノイズ低減に必要な容量値を満たしていないことを示す場合、空き領域検索部22は、キャパシタセル2が配置可能な他の空き領域を検索する。
DRC部103は、仮配置部102によって仮配置されたキャパシタセル2内の端子や内部配線63がLSI内の一般信号配線10等とショートや、スペーシングエラー(最小間隔違反)などのDRCエラーを起こしていないかを調査する。又、DRCエラーを起こしている場合、DRC部103は、さらに内部配線63が削除可能であるかどうかを判定する。図10は、DRC部103の機能を示す機能ブロック図である。図10を参照して、DRC部103は、DRC部31、削除可否判定部32、削除数判定部33を備える。DRC部31は、仮配置後レイアウト情報206を参照して、VDD端子61、GND端子62、内部配線63と、これらと同一配線層に設けられた一般信号配線10との交差や離隔距離に対してDRC(デザインルールチェック)を行う。削除可否判定部32は、DRCエラー箇所を示す情報と物理ライブラリ情報204とに基づいてDRCエラーを起こしている内部配線が、削除可能か否かを判定する。又、削除数判定部33は、DRCエラー箇所を示す情報とキャパシタセル情報203とに基づいて、DRCエラーを起こしている数とキャパシタセル情報203で規定された削除可能数とを比較して、削除する内部配線の数を決定する。DRC部103は、DRCエラーか否かを示す情報、内部配線の削除可否を示す情報、及び、内部配線が削除可能な場合にはその削除数を示す情報をDRC結果107として出力する。
修正部104は、DRC結果107に基づいたセルを空き領域53に配置し、必要に応じてLSIのレイアウトを修正する。図11は、修正部104の機能を示す機能ブロック図である。図11を参照して、修正部104は、キャパシタセル配置部41、代替セル配置部42、レイアウト修正部43を備える。修正部104は、DRCエラーが検出されないことを示すDRC結果207に応じて、仮配置されたキャパシタセル2を空き領域53に配置してLSIレイアウト情報201を更新する。代替セル配置部42は、DRCエラーが検出され、削除可能な配線数が規定数以下であることを示すDRC結果207に応じて、キャパシタセル2に対応する代替セル3を物理ライブラリ情報204から抽出し、空き領域53に配置する。レイアウト修正部43は、DRCエラーが検出され、削除可能な配線数が規定数以下であることを示すDRC結果207に応じて、キャパシタセル2の内部配線63をLSIレイアウト情報201に統合(マージ)する。又、レイアウト修正部43は、代替セル3の配置後、DRCエラー箇所となる内部配線63bに対応する配線成分を削除し、LSIレイアウト情報201を更新する。修正部104は、レイアウト修正、あるいはキャパシタセル2の追加によって更新されたLSIレイアウト情報201を配置後レイアウト情報208として出力する。
容量判定部105は、配置後レイアウト情報208を参照して、追加されたキャパシタセル2及び修正されたレイアウトによるキャパシタ量を合計した追加キャパシタ量が、予め算出されたノイズの低減に必要なキャパシタ量205より大きいかを判定する。容量判定部105は、追加キャパシタ量がキャパシタ量205を満たすか否かを示す容量判定結果209を出力する。
尚、LSIレイアウト情報201、設計規則202、キャパシタセル情報203、物理ライブラリ情報204、キャパシタ量205、仮配置後レイアウト情報206、DRC結果207、配置後レイアウト情報208、容量判定結果209のそれぞれは、出力装置15から視認可能に出力されることが好ましい。設計者(ユーザ)は、出力装置15から出力(表示)される各種情報によって、設計の指標を得ることができる。
(動作)
次に、図12から図18を参照して、本発明による設計支援装置10の動作の詳細を説明する。図12は、本発明による設計支援装置10の動作を示すフロー図である。図13から図18は、図12に示すフローの各段階におけるLSIレイアウト修正に係る状態遷移を示す概念図である。以下では、レイアウト設計後のLSIにノイズ低減に必要な所定量の容量を追加する動作について説明する。ここでは、設計支援装置10によって、予めノイズ低減に必要な容量値であるキャパシタ量205が算出されているものとする。
先ず、配線設計後のLSIレイアウト1のLSIレイアウト情報201、キャパシタセル情報203、物理ライブラリ情報204が入力されると、仮配置部102は、キャパシタセル情報203に基づき、未選択のキャパシタセル2の中で最もセルサイズの大きなキャパシタセル2を選択する(ステップS101、S102)。上述のキャパシタセル2(C1、C2、C3、C4)が用意されている場合、セルサイズの大きいキャパシタセル2(C1)が最初に選択される。
次に、仮配置部102は、LSIレイアウト情報201を参照し、選択したキャパシタセル2が配置可能な空き領域53を検索する(ステップS103)。この際、キャパシタセル2を配置可能な空き領域53が発見されない場合、ステップS101に移行する(ステップS104No)。キャパシタセル情報203に未選択のキャパシタセル2に関する情報が記録されている場合(ステップS101No)、仮配置部102は、次にセルサイズの大きなキャパシタセル2を選択する(ステップS102)。例えば、キャパシタセル2(C1)が選択済みで、キャパシタセル2(C2、C3、C4)が未選択である場合、次にセルサイズの大きいキャパシタセル2(C2)が選択される。一方、キャパシタセル情報203に記録された全てのキャパシタセルが選択済みである場合、LSIに対する容量追加処理を終了する(ステップS101Yes)。
ステップS103において、空き領域53が検索された場合(ステップS104Yes)、仮配置部102は、選択したキャパシタセル2を図14に示すように仮配置する(ステップS105)。
DRC部103は、LSIレイアウト情報201と物理ライブラリ情報204とを参照してDRCを行い、仮配置されたキャパシタセル2の内部配線63が、一般信号線50に対して接触、あるいは最小間隔違反を起こしていないかを調査する(ステップS106)。ステップS106のDRCにおいて、DRCエラーが検出されない場合(ステップS107No)、修正部104は、仮配置したキャパシタセル2を空き領域53に配置し、LSIのレイアウトを変更する(ステップS108)。
一方、ステップS106のDRCにおいて、DRCエラーが検出された場合、DRC部103は、DRCエラー箇所となる内部配線が削除可能か判定する(ステップS109、S110)。ここで、DRCエラーの一例を説明する。図13を参照して、空き領域53における一般信号線50は、VDD配線51及びGND配線52と同一層(XY面)に設けられた信号線50bと、VDD配線51及びGND配線52のZ軸方向上層に設けられた信号線50aとを備える。信号線50aと信号線50bとは、図示しないVIAによって接続されている。図15を参照して、仮配置されたキャパシタセル2の内部配線63は、VDD配線51、GND配線52、及び信号線50bと同一層(XY面)となる。このため、図15に示す仮配置の一例では、内部配線63bと信号線50bがショートしているため、DRC部103は、当該ショート箇所をDRCエラー箇所として検出する。
DRC部103は、DRCエラーを検出すると(ステップS107Yes)、DRCエラーの発生箇所(例えばショート箇所)を有する内部配線の削除可否を判定する(ステップS109)。この際、DRC部103は、物理ライブラリ情報204を参照して、DRCエラーとして検出された内部配線63が削除可能かを判定する。図15に示す一例では、DRCエラー箇所が、削除可能に設定された内部配線63bであるので、削除可能と判定する(ステップS109Yes)。
DRCエラー箇所が削除可能であると判定した場合、DRC部103は、DRCエラー箇所を有する内部配線63bの数を計数し、その数が、キャパシタセル情報203に規定された削除上限数を満たしているかを判定する(ステップS110)。図15に示す一例では、仮配置されたキャパシタセル2(C1)においてVDD端子61に接続された内部配線63bのうち1本が信号配線50bにショートしている。又、図6に示すキャパシタセル情報203を参照すると、キャパシタセル2(C1)における削除可能上限数は、VDD端子61側で2本である。DRC部103は、DRCエラー箇所を有する内部配線63bの数“1”が削除可能上限数“2”より小さいため、DRCエラーとなる内部配線63bを削除することを決定する。この場合、DRC部103は、削除する内部配線63bを指定する情報、及びその削除数をDRC結果207として出力する。
一方、ステップS109又はS110の処理において、DRCエラーとなる内部配線が削除不可能であると判定された場合、仮配置部102は、LSIの他の領域内を検索して、キャパシタセル2が配置可能な他の空き領域53を検索する(ステップS103)。
ステップS109及びS110の処理において、内部配線63bの削除が決定されると、修正部104は、図16に示すように仮配置されたキャパシタセル2の内部配線63をLSI配線1に統合(マージ)し、LSIレイアウト情報201を更新する(ステップS111)。例えば、修正部104は、内部配線63をLSI内のVDD配線51、GND配線52として複製してLSI配線1に追加することで、LSIレイアウト情報201を更新する。これにより、内部配線63は、VDD配線51又はGND配線52の一部となる。
内部配線63の統合によりLSIレイアウト情報201が更新されると、修正部104は、図17に示すように、仮配置されたキャパシタセル2に対応する代替セル3を、当該キャパシタセル2に替えて配置する(ステップS112)。この際、代替セル3は、ステップS111の処理において統合された内部配線63が設けられた領域(空き領域53)上に配置される。
代替セル3が配置されると、修正部104は内部配線63が統合されたLSI配線1から、DRCエラーを起こしている内部配線63bを削除してLSIレイアウト情報201を更新する(ステップS113)。例えば、図18に示すように、ステップS111において修正されたLSI配線1におけるVDD配線51、GND配線52から、DRCエラー箇所が検出された内部配線63に対応する成分が削除される。
ステップS108又はステップS113においてLSIレイアウト情報201が更新されると、容量判定部105は、キャパシタセル2又は代替セル3が配置された空き領域53における容量値を加算する(ステップS114)。加算される容量値は、ステップS101からステップS115の処理を繰り返すことで修正されたレイアウトによって決定する。ステップS108においてキャパシタセル2が配置される場合、キャパシタセル2の容量値が加算される。例えば、キャパシタセル2(C1)が配置された場合、削除された配線成分は0であるため、図6に示すように加算される容量値は40[pF]となる。同様にキャパシタセル2(C2)が配置された場合は、30[pF]が加算される。又、ステップS112において代替セル3が配置される場合、ステップS113において削除された配線数によって加算される容量値が決まる。例えば、代替セル3(D1)が配置され、ステップS113において1本の配線成分が削除された場合、図6に示すように加算される容量値は38[pF]となる。同様に、代替セル3(D2)が配置され、2本削除された場合は、26[pF]が加算される。
尚、本一例では、ステップS114において加算される容量値を、配置する代替セル3、及び削除されるセル内部配線63bに対応する配線成分数に応じて求めているが、これに限らない。前述したようにキャパシタセル2内の配線容量は、その配線の幅、長さにより一意に決定される。このため、加算される容量値を、以下の式で求めても良い。すなわち、
加算される容量値=(削除線分数を0としたときのキャパシタセル2の容量値)−(削除される内部配線63bに対応する配線成分の総面積×単位面積あたりの配線容量値)
ただし、単位面積あたりの配線容量値は定数値として物理ライブラリ情報204から取得される。
容量判定部105は、予め算出されたキャパシタ量205とステップS114で算出した総容量値(追加キャパシタ量)とを比較して、追加キャパシタ量がLSIにおけるノイズ低減に必要な総容量を満足したかどうかを判定する(ステップS115)。ステップS115において、追加キャパシタ量がキャパシタ量205に満たない場合、ステップS103に移行し、他の空き領域の検索が行われる。一方、ステップS115において、追加キャパシタ量がキャパシタ量205以上である場合、LSIに対する容量追加処理を終了する。
本発明による設計支援装置10は、追加する総容量値(追加キャパシタ量)が、ノイズ低減に必要な容量値(キャパシタ量205)を越えるまで、上述のステップS101からステップS115の処理を繰り返す。これにより、ノイズ低減に必要な容量をLSIに追加することができる。又、本発明によれば、数多くのキャパシタセルを用意せずとも、LSIに配置済みの配線による制約を回避して容量を追加することができる。例えば、従来技術では、LSI上に配置済みの信号配線との接触を避けるために複数種のレイアウトのキャパシタセルを用意する必要があった。本発明によれば、既存の信号線と接触した配線を削除してキャパシタセルを配置するため、配置場所や設計規則(デザインルール)に応じてレイアウトが変更された多くのキャパシタセルを用意する必要がない。
又、本発明による設計支援装置10は、セルサイズ(容量値)を変更した複数のキャパシタセル2を用意し、それぞれが配置可能な空き領域53を検索して配置している。このため、用意したキャパシタセル2を無駄なくLSIの空き領域に配置することができ、効率的に容量をLSIに追加することができる。更に、本発明では、追加した総容量(追加キャパシタ)と、必要となる容量値(キャパシタ量205)とを比較しながら、キャパシタセル2の追加が行われる。これにより、LSIにおけるノイズの低減に必要な容量を追加することができる。
本発明によるキャパシタセル2のそれぞれには、削除可能な内部配線63bと、その配線数が規定されている。すなわち、キャパシタセル2や代替セル3のセルサイズに応じた容量値の最低値が設定される。このため、追加するキャパシタセル2や代替セル3のセルサイズに応じた容量が保障される。例えば、削除可能な配線数が設定されていない場合、大きなセルサイズのキャパシタセル2を配置しても追加する容量が少ない、もしくは追加する容量がなくなる恐れがある。しかし、本発明では、キャパシタセル2又は代替セル3毎に、追加可能な容量値の最低値が設定されているため、大きなサイズのキャパシタセル2又は代替セル3が配置可能であるが、追加する容量値が小さくなる場合には、小さなサイズのキャパシタセル2又は代替セル3が配置され得る。このため、空き領域53に効率良く容量を追加することができる。
以上のように、本発明によれば、従来手法より多くの容量を挿入することが可能となり、容量の不足による設計後戻りやチップサイズの増大を防ぐことができる。又、予めキャパシタセルの種類を多く準備しなくともノイズ低減のために必要な容量をLSIに追加することができる。
以上、本発明の実施例を詳述してきたが、具体的な構成は上記実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の変更があっても本発明に含まれる。
図1は、本発明による設計支援装置の実施の形態における構成を示す図である。 図2は、本発明によるキャパシタセルのレイアウトの一例を示す平面図である。 図3は、本発明によるキャパシタセルのレイアウトの一例を示す平面図である。 図4は、本発明による代替セルのレイアウトの一例を示す平面図である。 図5は、本発明による代替セルのレイアウトの一例を示す平面図である。 図6は、本発明によるキャパシタセル情報に含まれる情報を示す図である。 図7は、キャパシタ量を算出する場合の設計支援装置の構成を示す図である。 図8は、容量を追加する場合の設計支援装置の構成を示す図である。 図9は、本発明に係る仮配置部の構成を示す機能ブロック図である。 図10は、本発明に係るDRC部の構成を示す機能ブロック図である。 図11は、本発明に係る修正部の構成を示す機能ブロック図である。 図12は、本発明による設計支援装置の実施の形態における動作を示すフロー図である。 図13は、本発明に係るLSI配線のレイアウト構造の一例と、空き領域の一例を示す概念図である。 図14は、空き領域にキャパシタセルを配置する一例を示す概念図である。 図15は、DRCエラーの一例を示す概念図である。 図16は、内部配線のLSI配線への統合の一例を示す概念図である。 図17は、代替セルを配置する一例を示す概念図である。 図18は、容量を追加されたレイアウト修正後のLSI配線の一例を示す概念図である。
符号の説明
10:設計支援装置
11:CPU
12:RAM
13:記憶装置
14:入力装置
15:出力装置
100:設計プログラム
101:キャパシタ量算出部
102:仮配置部
103:DRC部
104:修正部
105:容量判定部
201:LSIレイアウト情報
202:設計規則
203:キャパシタセル情報
204:物理ライブラリ情報
205:キャパシタ量

Claims (13)

  1. コンピュータによって実行される半導体集積回路の設計方法において、
    キャパシタセルにおける内部配線のレイアウト情報と、前記半導体集積回路における信号配線のレイアウト情報とを参照してデザインルールチェック(DRC)を行うステップと、
    前記DRCを行うステップにおいてエラーと判定された場合、
    前記内部配線のレイアウト情報を前記信号配線のレイアウト情報に統合するステップと、
    前記統合されたレイアウト情報から、前記内部配線におけるエラー箇所を削除するステップと、
    を具備する
    半導体集積回路の設計方法。
  2. 請求項1に記載の半導体集積回路の設計方法において、
    前記内部配線は、前記キャパシタセルにおける電源端子及び前記電源端子に接続され、
    前記キャパシタセルから前記内部配線が削除された代替セルを用意するステップを更に具備し、
    前記統合ステップは、
    前記半導体集積回路に前記キャパシタセルを仮配置するステップと、
    前記キャパシタセルの内部配線のレイアウト情報を前記キャパシタセルが仮配置された領域における信号線のレイアウト情報に統合するステップと、
    を備え、
    前記エラー箇所を削除するステップは、
    前記仮配置されたキャパシタセルを前記代替セルに置換するステップと、
    前記代替セルが配置された領域におけるレイアウト情報から前記エラー箇所に対応するレイアウト情報を削除するステップと、
    を備える
    半導体集積回路の設計方法。
  3. 請求項1に記載の半導体集積回路の設計方法において、
    前記キャパシタセルにおいて削除可能な内部配線を規定したセル情報を用意するステップと、
    前記DRCを行うステップにおいてエラーと判定された場合、前記セル情報を参照して前記エラー箇所の削除可否を判定するステップと、
    を更に具備する
    半導体集積回路の設計方法。
  4. 請求項3に記載の半導体集積回路の設計方法において、
    前記セル情報には、前記キャパシタセルにおいて削除可能な内部配線数が規定され、
    前記削除可否判定において削除可能と判定された内部配線数と、前記セル情報に規定された削除可能な内部配線数とを比較して、前記エラー箇所の削除数を決定する
    半導体集積回路の設計方法。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載の半導体集積回路の設計方法において、
    前記DRCステップにおいてエラーなしと判定された場合、前記キャパシタセルを前記DRCを行った領域に配置するステップを更に具備する
    半導体集積回路の設計方法。
  6. 請求項1から5のいずれか1項に記載の半導体集積回路の設計方法において、
    前記半導体集積回路に追加された容量値を加算するステップと、
    前記加算された容量値と、予め設定された所定の容量値とを比較するステップと、
    を具備し、
    前記加算された容量値が前記所定の容量値を越えるまで、前記半導体集積回路に容量を追加する
    半導体集積回路の設計方法。
  7. 請求項1から6のいずれか1項に記載の半導体集積回路の設計方法をコンピュータに実行させる設計プログラム。
  8. キャパシタセルにおける内部配線のレイアウト情報と、設計対象の半導体集積回路における信号配線のレイアウト情報とを参照してデザインルールチェック(DRC)を行うDRC部と、
    前記DRC部がエラーと判定した場合、内部配線のレイアウト情報を前記信号配線のレイアウト情報に統合する修正部と、
    を具備し、
    前記修正部は、前記統合されたレイアウト情報から、前記内部配線におけるエラー箇所を削除する
    半導体集積回路の設計支援装置。
  9. 請求項8に記載の半導体集積回路の設計支援装置において、
    前記内部配線は、前記キャパシタセルにおける電源端子及び前記電源端子に接続され、
    前記キャパシタセルから前記内部配線が削除された代替セルに関するレイアウト情報が記録される記憶装置と、
    前記半導体集積回路に前記キャパシタセルを仮配置する仮配置部と、
    を更に具備し、
    前記修正部は、
    前記キャパシタセルの内部配線のレイアウト情報を前記キャパシタセルが仮配置された領域における信号線のレイアウト情報に統合するレイアウト修正部と、
    前記仮配置されたキャパシタセルを前記代替セルに置換する代替セル配置部と、
    を備え、
    前記レイアウト修正部は、前記代替セルが配置された領域におけるレイアウト情報から前記エラー箇所に対応するレイアウト情報を削除する
    半導体集積回路の設計支援装置。
  10. 請求項8に記載の半導体集積回路の設計支援装置において、
    前記キャパシタセルにおいて削除可能な内部配線を規定したセル情報が記録される記憶装置と、
    前記DRC部において、エラーと判定した場合、前記セル情報を参照して前記エラー箇所の削除可否を判定する削除可否判定部と
    を更に具備する
    半導体集積回路の設計支援装置。
  11. 請求項10に記載の半導体集積回路の設計支援装置において、
    前記セル情報には、前記キャパシタセルにおいて削除可能な内部配線数が規定され、
    前記削除可否判定において削除可能と判定された内部配線数と、前記セル情報に規定された削除可能な内部配線数とを比較して、前記エラー箇所の削除数を決定する削除数判定部を更に具備する
    半導体集積回路の設計支援装置。
  12. 請求項8から11のいずれか1項に記載の半導体集積回路の設計支援装置において、
    前記DRC部においてエラーなしと判定された場合、前記キャパシタセルを、前記DRCを行った領域に配置するキャパシタセル配置部を更に具備する
    半導体集積回路の設計支援装置。
  13. 請求項8から12のいずれか1項に記載の半導体集積回路の設計支援装置において、
    前記半導体集積回路に追加された容量値を加算し、前記加算された容量値と、予め設定された所定の容量値とを比較する容量判定部を更に具備し、
    前記修正部は、前記加算された容量値が前記所定の容量値を越えるまで、前記半導体集積回路に容量を追加する
    半導体集積回路の設計支援装置。
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