本発明は、鉛バッテリー活性化装置に関する。
現在、自動車に搭載されるバッテリー(二次電池)の多くは、陽極に二酸化鉛、陰極に鉛、電解液に希硫酸を用いた鉛バッテリー(鉛蓄電池)である。この鉛バッテリーは、環境負荷物質であり人体に有害な鉛や希硫酸を用いていることから、代替バッテリーの実用化に向けた研究がなされているが、既存の鉛バッテリーの性能やコストに及ばず、既存の鉛バッテリーが現有市場の大半を占めているのが現状である。
鉛バッテリーは、充放電を繰り返すことにより、徐々に蓄電容量が低下して寿命が尽きる。鉛バッテリーの蓄電容量低下の主な原因としては、充放電を繰り返すことによって陽極の二酸化鉛が脱落する不具合や、放電によって絶縁物質である硫酸鉛(PbSO4)が生成され、硫酸鉛が陰極板表面に付着して硫酸鉛皮膜が形成されることで陰極板の表面積が小さくなるサルフェーション(Sulfation)が知られている。このサルフェーションが進行すると鉛バッテリーの蓄電容量が著しく劣化して使用不能となり、最終的に鉛バッテリーを廃棄処分しなければならなくなる。上述のように、鉛バッテリーは環境負荷物質であり人体に有害な鉛や希硫酸を含んでいることから、適正な(適法な)廃棄処分が行われなければならず、鉛バッテリーの廃棄に際しては慎重な対応が求められている。
そこで、蓄電容量が著しく劣化して使用不能となった鉛バッテリーの硫酸鉛皮膜を除去して、再度充電処理を施す鉛バッテリーの再生装置(特許文献1、2)や、自動車に搭載された鉛バッテリーの硫酸鉛皮膜を除去する鉛バッテリーの硫酸鉛皮膜除去装置(特許文献3、4)の実用化が検討されており、既に文献公知となっている。
特許第3564458号公報
特開2007−213843号公報
特許第3902212号公報
特許第3974644号公報
しかしながら、特許文献1、2記載の鉛バッテリーの再生装置は、直流電流を出力する直流電源回路を備え、所定のパルス電流を通電させる鉛バッテリーの再生装置というものであり、鉛バッテリーの蓄電容量が著しく劣化して使用不能となって自動車から取り外された鉛バッテリーを再生することを目的としており、不具合が発生した後処理に関するものであるから、不具合防止の観点からは好ましいとは言えない。また、鉛バッテリーの再生装置自体が大掛かりとなってしまい、自動車に搭載できる装置ではない。いっぽう、特許文献3、4記載の鉛バッテリーの硫酸鉛皮膜除去装置は、鉛バッテリーから電力供給を受けて、所定のパルス電流を通電させる鉛バッテリーの硫酸鉛皮膜除去装置というものであり、自動車に搭載可能な装置であると考えられる。
しかしながら、特許文献3、4記載の鉛バッテリーの硫酸鉛皮膜除去装置は、鉛バッテリーの寿命延長(延命)の観点からは必ずしも好ましいものとは言えない。つまり、自動車のエンジンが掛かっている状態では、オルタネータから供給される電流によって鉛バッテリーの電圧は所定範囲内に保たれるが、自動車のエンジン停止後は、鉛バッテリーの硫酸鉛皮膜除去装置が鉛バッテリーから電力供給を受けて稼動するため、鉛バッテリーの蓄電容量を消費することとなり、鉛バッテリーの硫酸鉛皮膜除去装置の稼動時間が長くなるに従い、鉛バッテリーの電圧低下をもたらす不具合が生じる。
また、自動車に搭載される鉛バッテリーとしては、大別すると、公称電圧12VDC(電源電圧13.5V)のバッテリーと、公称電圧24VDC(電源電圧27V)のバッテリーがあるが、それぞれ、陰極板のサイズが異なることから上記サルフェーションに効果的なパルス電流の繰返し周期や駆動周波数が異なる。このため、それぞれの鉛バッテリーの電源電圧に対応させたパルス電流を電源電圧の種別毎に通電させることが好ましい。その反面、繰返し周期や駆動周波数が適正でないパルス電流を電源電圧の種別が異なる鉛バッテリーに通電させると、かえって鉛バッテリーを痛めるという弊害が生じる。つまり例えば、電源電圧27Vの鉛バッテリー用に調整されたパルス電流を誤って電源電圧13.5Vの鉛バッテリーに通電させるとパワーが強すぎて鉛バッテリーを痛めてしまう事態となる。また例えば、電源電圧13.5Vの鉛バッテリー用に調整されたパルス電流を誤って電源電圧27Vの鉛バッテリーに通電させるとパワーが弱すぎて鉛バッテリーのサルフェーションに対する効果がほとんど得られない。この点、従来の特許文献1から4記載の装置では、鉛バッテリーの電源電圧の種別を考慮しておらず、鉛バッテリーの電源電圧の種別に個別対応させた装置であるとは言い難いものである。
そこで本発明の目的は、自動車に搭載された鉛バッテリーの活性化装置であって、鉛バッテリーの蓄電容量の消費を抑え、鉛バッテリーの電源電圧の種別に個別対応させた鉛バッテリーの活性化装置を提供することを目的とする。
本発明の鉛バッテリーの活性化装置は、自動車に搭載された鉛バッテリーの陽極端子に電気接続されて当該陽極端子からの電流が順方向電流である場合にのみ制御回路に電気接続する整流ダイオードと、整流ダイオードを介して供給される上記鉛バッテリーからの電力により作動する制御回路と、上記鉛バッテリーの陰極端子に電気接続されて上記鉛バッテリーの電源電圧に対応する駆動周波数及び/又は繰返し周期のパルス電流を上記鉛バッテリーに通電するパルス発生回路と、上記鉛バッテリーの電源電圧に対応して表示する表示素子からなり、上記鉛バッテリーの電源電圧が所定電圧範囲外である場合に上記制御回路がパルス発生回路を作動させず、上記鉛バッテリーの電源電圧が所定電圧範囲内であって上記制御回路に予め設定された基準電圧を超えている場合に上記制御回路がパルス発生回路と表示素子を作動させることを特徴とする。
本発明によれば、上記整流ダイオードが自動車に搭載された鉛バッテリーの陽極端子に電気接続されて当該陽極端子からの電流が順方向電流である場合にのみ制御回路に電気接続されるため、仮に上記整流ダイオードが自動車に搭載された鉛バッテリーの陰極端子に逆接続されたとしても、上記制御回路が通電されずに保護される。上記鉛バッテリーの電源電圧が所定電圧範囲外である場合に上記制御回路がパルス発生回路を作動させないため、仮に鉛バッテリーの電源電圧の種別と異なる組み合わせの鉛バッテリーの活性化装置が電気接続されたとしても、上記パルス発生回路が作動せず、鉛バッテリーを痛めることがない。上記鉛バッテリーの電源電圧が所定電圧範囲内であって上記制御回路に予め設定された基準電圧を超えている場合に、上記制御回路が上記パルス発生回路を作動させ、上記鉛バッテリーの電源電圧に対応する駆動周波数及び/又は繰返し周期のパルス電流が上記鉛バッテリーに通電されるとともに、上記制御回路が上記表示素子を作動させ、上記鉛バッテリーの電源電圧に対応して表示させる。したがって、サルフェーションに効果的なパルス電流が上記鉛バッテリーに通電されるとともに、上記鉛バッテリーの電源電圧の種別と一致する組み合わせの鉛バッテリーの活性化装置が電気接続されたことの識別ができる。
本発明は、前記鉛バッテリーの電源電圧が所定電圧範囲内であって上記制御回路に予め設定された基準電圧以下の場合に所定時間だけ上記制御回路がパルス発生回路と表示素子を作動させることを特徴とする。
本発明によれば、前記鉛バッテリーの電源電圧が所定電圧範囲内であって上記制御回路に予め設定された基準電圧以下の場合に、所定時間だけ上記制御回路がパルス発生回路と表示素子を作動させることで、例えば自動車のエンジン停止後の鉛バッテリーの蓄電容量の消費を抑えることができる。ここで、上記所定時間とは、数分間程度を意味しており、より具体的には2分間から4分間程度である。
本発明は、前記表示素子がLED素子であり、前記制御回路が前記LED素子を特定の表示パターンで一定時間発光表示させてから、前記LED素子を前記電源電圧に対応する表示パターンで発光表示させることを特徴とする。
前記表示素子としては、LED素子やLCD素子が挙げられる。前記表示素子をLED素子とすることで、消費電力を最小限に抑えつつ、外が薄暗い状態でもはっきりと表示が識別できる。前記制御回路が作動開始すると、前記LED素子を特定の表示パターンで一定時間発光表示させてから、前記LED素子を前記電源電圧に対応する表示パターンで発光表示させることで、鉛バッテリーの電源電圧の種別と一致する組み合わせの鉛バッテリーの活性化装置が電気接続されたことの識別が一目瞭然である。
本発明は、前記制御回路が、前記電源電圧の低下に応じて前記パルス電流の繰返し周期を長くすることを特徴とする。本発明によれば、前記電源電圧の低下に応じて前記パルス電流の繰返し周期を長くすることで、前記鉛バッテリーからの電力消費を抑えることができる。
本発明は、前記パルス電流の駆動周波数が3kHzから5kHzであることを特徴とする。本発明は、前記電源電圧が27Vの場合に前記パルス電流の駆動周波数が3.7kHzであり、前記電源電圧が13.5Vの場合に前記パルス電流の駆動周波数が4kHzであることが好ましい。前記パルス電流の駆動周波数が高すぎると陰極板への駆動電圧が低下してサルフェーションに対する効果がほとんど得られず、逆に前記パルス電流の駆動周波数が低すぎると陰極板への駆動電圧が上昇して陰極板を痛める可能性があるからである。例えば、前記電源電圧が27Vの場合に前記パルス電流の駆動周波数が3.7kHzとして、前記電源電圧が13.5Vの場合に前記パルス電流の駆動周波数が4kHzとすることで、鉛バッテリーの電源電圧の種別とピンポイントで一致する組み合わせの鉛バッテリーの活性化装置となる。
本発明によれば、上記鉛バッテリーの電源電圧が所定電圧範囲外である場合に上記制御回路がパルス発生回路を作動させないため、仮に鉛バッテリーの電源電圧の種別と異なる組み合わせの鉛バッテリーの活性化装置が電気接続されたとしても、上記パルス発生回路が作動せず、鉛バッテリーを痛めることがない。上記鉛バッテリーの電源電圧が所定電圧範囲内であって上記制御回路に予め設定された基準電圧を超えている場合に、上記制御回路が上記パルス発生回路を作動させ、上記鉛バッテリーの電源電圧に対応する駆動周波数及び/又は繰返し周期のパルス電流が上記鉛バッテリーに通電されるとともに、上記制御回路が上記表示素子を作動させ、上記鉛バッテリーの電源電圧に対応して表示させる。したがって、サルフェーションに効果的なパルス電流が上記鉛バッテリーに通電されるとともに、上記鉛バッテリーの電源電圧の種別と一致する組み合わせの鉛バッテリーの活性化装置が電気接続されたことの識別ができる。前記鉛バッテリーの電源電圧が所定電圧範囲内であって上記制御回路に予め設定された基準電圧以下の場合に、所定時間だけ上記制御回路がパルス発生回路と表示素子を作動させることで、例えば自動車のエンジン停止後の鉛バッテリーの蓄電容量の消費を抑えることができる。
本発明によれば、前記表示素子がLED素子であり、前記制御回路が前記LED素子を特定の表示パターンで一定時間発光表示させてから、前記LED素子を前記電源電圧に対応する表示パターンで発光表示させることで、鉛バッテリーの電源電圧の種別と一致する組み合わせの鉛バッテリーの活性化装置が電気接続されたことの識別が一目瞭然である。上記鉛バッテリーの電源電圧が上記制御回路に予め設定入力された設定電圧の範囲内であるか、及び/又は自動車のエンジン停止後から所定時間だけ上記制御回路が作動するため、鉛バッテリーの蓄電容量の消費を抑えることができる。
本発明によれば、前記電源電圧の低下に応じて前記パルス電流の繰返し周期を長くすることで、前記鉛バッテリーからの電力消費を抑えることができる。前記パルス電流の駆動周波数が高すぎると陰極板への駆動電圧が低下してサルフェーションに対する効果がほとんど得られず、逆に前記パルス電流の駆動周波数が低すぎると陰極板への駆動電圧が上昇して陰極板を痛める可能性があるからである。例えば、前記電源電圧が27Vの場合に前記パルス電流の駆動周波数が3.7kHzとして、前記電源電圧が13.5Vの場合に前記パルス電流の駆動周波数が4kHzとすることで、鉛バッテリーの電源電圧の種別とピンポイントで一致する組み合わせの鉛バッテリーの活性化装置となる。これら本発明により、鉛バッテリーの蓄電容量の消費を抑えつつ、鉛バッテリーの電源電圧の種別に個別対応させた鉛バッテリーの活性化装置が実現する。
以下、本発明を適用した具体的な実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
(本発明の実施形態)
図1は本発明の一実施形態の鉛バッテリーの活性化装置1の構造を模式的に示すブロック図である。本実施形態の鉛バッテリーの活性化装置1は、自動車に搭載された鉛バッテリー100の陽極端子101と陰極端子102との間に電気接続されて使用される。本実施形態の鉛バッテリーの活性化装置1は、保護回路2と、保護回路2を介して供給される鉛バッテリー100の電力により作動する制御回路3と、制御回路3により制御されるパルス発生回路4と表示素子5からなる。保護回路2は、PTCサーミスタ21と整流ダイオード22と電圧レギュレータ23からなる。図1の矢印は、電流(電気信号)の流れを示している。
図1に示す鉛バッテリー100の陽極端子101から陰極端子102までの電流(電気信号)の流れの順に本実施形態の鉛バッテリー活性化装置1の回路構成を以下に説明する。まず、鉛バッテリー100の陽極端子101は、PTCサーミスタ21に接続される。PTCサーミスタ21は、温度が一定値よりも上昇すると抵抗値が増大する素子であり、鉛バッテリー100や鉛バッテリーの活性化装置1の温度が一定値よりも上昇した場合に回路を遮断して保護する。PTCサーミスタ21としては、ポリマー系のPTCサーミスタ(ポリスイッチ)やセラミック系のPTCサーミスタを使用するが、温度ヒューズを代用してもよい。PTCサーミスタ21は、整流ダイオード22に接続される。整流ダイオード22は、順方向の電流のみを通電する素子であり、仮に陰極端子102側に逆接続した場合に、回路を遮断して保護する。整流ダイオード22は、電圧レギュレータ23に接続される。電圧レギュレータ23は、制御回路3に所定範囲の電圧を供給する素子であり、所定範囲を超える電圧から制御回路3を保護する。
制御回路3は、制御用IC(プログラマブルIC)であり、詳細は後述するが、上記鉛バッテリー100の電源電圧Eが所定電圧範囲外である場合にパルス発生回路5を作動させず、上記鉛バッテリー100の電源電圧Eが所定電圧範囲内であって制御回路3に予め設定された基準電圧E3を超えている場合にパルス発生回路5と表示素子4を作動させる。
パルス発生回路4は、鉛バッテリー100の陰極端子102に電気接続され、制御回路3からの制御信号によって鉛バッテリー100の電源電圧Eに対応する駆動周波数Fのパルス電流を上記鉛バッテリー100に通電するか、又は鉛バッテリー100の電源電圧Eに対応する繰返し周期Cのパルス電流を上記鉛バッテリー100に通電するか、或いはその両方を行う。鉛バッテリー100に通電されるパルス電流の駆動周波数Fとしては、3kHzから5kHzが好ましく、鉛バッテリー100に通電されるパルス電流の繰返し周期Cとしては、0.5秒から1.5秒が好ましい。そして、制御回路3は、鉛バッテリー100の電源電圧Eが低い場合には、パルス電流の繰返し周期Cを長くして、バッテリーセーブモードとなり、鉛バッテリー100からの電力消費を抑える。
表示素子5は、LED素子であり、制御回路3からの制御信号によって上記鉛バッテリー100の電源電圧Eに対応する表示パターンで発光表示する。
図2は、鉛バッテリー100の電源電圧Eの推移を模式的に示すグラフである。図2の縦軸は電源電圧Eを示し、図2の横軸は推移時間Tを示している。図2に示すグラフに基づき、制御回路3の動作を以下に説明する。まず、時間T1にて自動車のエンジンが始動すると、自動車のオルタネータが作動して自動車に搭載された鉛バッテリー100に充電開始するため、鉛バッテリー100の電源電圧Eが上昇する。制御回路3は、鉛バッテリー100の電源電圧Eが制御回路3に予め設定された基準電圧E3を超えるのを検知して(E3<E)、パルス発生回路5と表示素子4を作動させる。したがって、鉛バッテリーの活性化装置1は、オルタネータから電力を供給されることとなり、鉛バッテリー100の蓄電容量を消費しない。そして、オルタネータからの充電によって鉛バッテリー100の電源電圧Eがさらに上昇する。制御回路3は、鉛バッテリー100の電源電圧Eが制御回路3に予め設定された上限電圧E4以上になるのを検知して(E4≦E)、パルス発生回路5の作動を停止する。したがって、鉛バッテリー100が予め設定された上限電圧E4以上で活性化されず、過剰な活性化が防止される。
時間T2にて自動車のエンジンが停止すると、自動車のオルタネータが停止して自動車に搭載された鉛バッテリー100の充電が停止するため、鉛バッテリー100の電源電圧Eが下降する。制御回路3は、鉛バッテリー100の電源電圧Eが制御回路3に予め設定された基準電圧E3以下になるのを検知して(E≦E3)、制御回路3に内蔵されたタイマーが作動して所定時間T3の間だけパルス発生回路5と表示素子4を作動させる。また、制御回路3は、鉛バッテリー100の電源電圧Eが制御回路3に予め設定された下限電圧E2以下になるのを検知して(E≦E2)、パルス発生回路5の繰返し周期Cを長くする。そして、所定時間T3が経過すると、パルス発生回路5と表示素子4の作動を停止する。したがって、鉛バッテリー100の蓄電容量の消費を抑えることができる。
図3は、パルス発生回路4から鉛バッテリー100に通電されるパルス電流のパルス波形を例示するパルス波形図である。パルス発生回路4は、昇圧コイルとコンデンサの組み合わせからなり(図示せず)、上記鉛バッテリー100の電源電圧Eに対応する駆動周波数F、波数n、駆動電圧Vp、繰返し周期Cのパルス電流を鉛バッテリー100に通電する。図3(a)は、矩形波の場合のパルス波形図であり、図3(b)は、鋸歯状波(三角波)の場合のパルス波形図である。
図4は、本実施形態の鉛バッテリー活性化装置1を鉛バッテリー100に取り付けた状態を模式的に示す斜視図である。図4(a)は、表示素子5がLED素子の場合を示しており、図4(b)は、表示素子5がLCD素子の場合を示している。鉛バッテリー活性化装置1からは、2本の被服電線が出ており、赤色の被服電線を鉛バッテリー100の陽極端子101に巻き付ける等により電気接続して、青色の被服電線を鉛バッテリー100の陰極端子102に巻き付ける等により電気接続する。鉛バッテリー活性化装置1は、両面テープ等の取付手段により鉛バッテリー100に取り付けられる。鉛バッテリー活性化装置1の筐体は、耐熱プラスチックで形成される。
(本発明の実施例1)
本発明の鉛バッテリーの活性化装置1を公称電圧12VDC(電源電圧13.5V)の鉛バッテリー100に適用した一実施例を、図2に示すグラフに基づき、以下に説明する。まず、本発明の鉛バッテリーの活性化装置1の赤色の被服電線を鉛バッテリー100の陽極端子101に電気接続して、青色の被服電線を鉛バッテリー100の陰極端子102に電気接続すると、LED素子5が約5秒間、高速点滅して、接続状態が正常であることが視認できる。次に、鉛バッテリー100の電源電圧Eが上昇して(時間T1)、制御回路3に予め設定された基準電圧E3=13.5Vを超えると(13.5<E)、制御回路3がパルス発生回路5と表示素子4を作動させる。パルス発生回路5から駆動周波数F=4.04kHz、波数n=290〜300、繰返し周期C=0.55秒のパルス電流が鉛バッテリー100に通電される。鉛バッテリー100の電源電圧Eが制御回路3に予め設定された上限電圧E4=13.7V以上になると(13.7≦E)、制御回路3がパルス発生回路5の作動を停止する。次に、鉛バッテリー100の電源電圧Eが下降して制御回路3に予め設定された基準電圧E3=13.5V以下になると(E≦13.5)、制御回路3に内蔵されたタイマーが作動して所定時間T3=2〜4分間だけパルス発生回路5と表示素子4を作動させて、パルス発生回路5と表示素子4の作動を停止する。ここで、電源電圧Eが下降して制御回路3に予め設定された下限電圧E2=13.15V以下になるのを検知して(E≦13.15)、パルス発生回路5の繰返し周期C=1.00秒に長くする。そして、所定時間T3=2〜4分間が経過すると、パルス発生回路5の作動を停止する。
LED素子5は、鉛バッテリー100への電気接続とほぼ同時に、約5秒間、高速点滅する。その後、鉛バッテリー100の電源電圧Eが13.7V以上になると(13.7≦E)1秒間に500m秒の点灯を1回繰り返し、鉛バッテリー100の電源電圧Eが13.16V以上で13.7V未満になると(13.16≦E<13.7)1秒間に10m秒の点灯を3回繰り返し、鉛バッテリー100の電源電圧Eが12.75V以上で13.16V未満になると(12.75≦E<13.16)1秒間に10m秒の点灯を2回繰り返し、鉛バッテリー100の電源電圧Eが12.75V未満になると(E<12.75)1秒間に10m秒の点灯を1回繰り返す。
本発明の鉛バッテリーの活性化装置1を適用した公称電圧12VDCの鉛バッテリー100と従来の鉛バッテリー100とを比較するため、両者を同じ条件で繰り返し充放電させて寿命加速試験を行ったところ、本発明の鉛バッテリーの活性化装置1を適用した鉛バッテリー100は、従来の鉛バッテリーの寿命に対して、設定された下限電圧E2=13.15V以下になるまでに約2倍の時間、稼動することを確認した。
(本発明の実施例2)
本発明の鉛バッテリーの活性化装置1を公称電圧24VDC(電源電圧27V)の鉛バッテリー100に適用した一実施例を、図2に示すグラフに基づき、以下に説明する。まず、本発明の鉛バッテリーの活性化装置1を鉛バッテリー100に電気接続すると、LED素子5が約5秒間、点灯して、接続状態が正常であることが視認できる。次に、鉛バッテリー100の電源電圧Eが上昇して(時間T1)、制御回路3に予め設定された基準電圧E3=27.0Vを超えると(27.0<E)、制御回路3がパルス発生回路5と表示素子4を作動させる。パルス発生回路5から駆動周波数F=3.7kHz、波数n=260〜270、繰返し周期C=0.55秒のパルス電流が鉛バッテリー100に通電される。鉛バッテリー100の電源電圧Eが制御回路3に予め設定された上限電圧E4=27.73V以上になると(27.73≦E)、制御回路3がパルス発生回路5の作動を停止する。次に、鉛バッテリー100の電源電圧Eが下降して制御回路3に予め設定された基準電圧E3=27.0V以下になると(E≦27.0)、制御回路3に内蔵されたタイマーが作動して所定時間T3=2〜4分間だけパルス発生回路5と表示素子4を作動させて、パルス発生回路5と表示素子4の作動を停止する。ここで、電源電圧Eが下降して制御回路3に予め設定された下限電圧E2=26.49V以下になるのを検知して(E≦26.49V)、パルス発生回路5の繰返し周期C=1.00秒に長くする。そして、所定時間T3=2〜4分間が経過すると、パルス発生回路5の作動を停止する。
LED素子5は、鉛バッテリー100への電気接続とほぼ同時に、約5秒間、点灯する。その後、鉛バッテリー100の電源電圧Eが27.73V以上になると(27.73≦E)1秒間に500m秒間点灯し、鉛バッテリー100の電源電圧Eが26.50V以上で27.72V未満になると(26.50≦E<27.72)1秒間に10m秒の点灯を3回繰り返し、鉛バッテリー100の電源電圧Eが25.70V以上で26.50V未満になると(25.70≦E<26.50)1秒間に10m秒の点灯を2回繰り返し、鉛バッテリー100の電源電圧Eが25.70V未満になると(E<25.70)1秒間に10m秒の点灯を1回繰り返す。
本発明の鉛バッテリーの活性化装置1を適用した公称電圧24VDCの鉛バッテリー100と従来の鉛バッテリー100とを比較するため、両者を同じ条件で繰り返し充放電させて寿命加速試験を行ったところ、本発明の鉛バッテリーの活性化装置1を適用した鉛バッテリー100は、従来の鉛バッテリーの寿命に対して、設定された下限電圧E2=26.49V以下になるまでに約2倍の時間、稼動することを確認した。
以上、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではない。例えば自動車のエンジンが停止した際の鉛バッテリー100の電源電圧Eの大きさに応じて、制御回路3に内蔵されたタイマーが作動する所定時間T3の長さを調節することができる。つまり、例えば自動車のエンジンが停止した際の鉛バッテリー100の電源電圧Eの大きさが制御回路3に予め設定された下限電圧E2を下回る場合には、速やかにパルス発生回路5の作動を停止する。このように、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能であることは言うまでもない。
本発明を適用した一実施形態の鉛バッテリーの活性化装置の構造を模式的に示すブロック図である。
鉛バッテリーの電源電圧の推移を模式的に示すグラフである。
本発明を適用した一実施形態の鉛バッテリーの活性化装置のパルス発生回路からのパルス波形を例示するパルス波形図である。
本発明を適用した一実施形態の鉛バッテリーの活性化装置を鉛バッテリーに取り付けた状態を模式的に示す斜視図である。
符号の説明
1 鉛バッテリーの活性化装置、
2 保護回路、
3 制御回路(制御用IC)、
4 パルス発生回路、
5 表示素子(LED素子)、
100 鉛バッテリー
本発明は、鉛バッテリー活性化装置に関する。
現在、自動車に搭載されるバッテリー(二次電池)の多くは、陽極に二酸化鉛、陰極に鉛、電解液に希硫酸を用いた鉛バッテリー(鉛蓄電池)である。この鉛バッテリーは、環境負荷物質であり人体に有害な鉛や希硫酸を用いていることから、代替バッテリーの実用化に向けた研究がなされているが、既存の鉛バッテリーの性能やコストに及ばず、既存の鉛バッテリーが現有市場の大半を占めているのが現状である。
鉛バッテリーは、充放電を繰り返すことにより、徐々に蓄電容量が低下して寿命が尽きる。鉛バッテリーの蓄電容量低下の主な原因としては、充放電を繰り返すことによって陽極の二酸化鉛が脱落する不具合や、放電によって絶縁物質である硫酸鉛(PbSO4)が生成され、硫酸鉛が陰極板表面に付着して硫酸鉛皮膜が形成されることで陰極板の表面積が小さくなるサルフェーション(Sulfation)が知られている。このサルフェーションが進行すると鉛バッテリーの蓄電容量が著しく劣化して使用不能となり、最終的に鉛バッテリーを廃棄処分しなければならなくなる。上述のように、鉛バッテリーは環境負荷物質であり人体に有害な鉛や希硫酸を含んでいることから、適正な(適法な)廃棄処分が行われなければならず、鉛バッテリーの廃棄に際しては慎重な対応が求められている。
そこで、蓄電容量が著しく劣化して使用不能となった鉛バッテリーの硫酸鉛皮膜を除去して、再度充電処理を施す鉛バッテリーの再生装置(特許文献1、2)や、自動車に搭載された鉛バッテリーの硫酸鉛皮膜を除去する鉛バッテリーの硫酸鉛皮膜除去装置(特許文献3、4)の実用化が検討されており、既に文献公知となっている。
特許第3564458号公報
特開2007−213843号公報
特許第3902212号公報
特許第3974644号公報
しかしながら、特許文献1、2記載の鉛バッテリーの再生装置は、直流電流を出力する直流電源回路を備え、所定のパルス電流を通電させる鉛バッテリーの再生装置というものであり、鉛バッテリーの蓄電容量が著しく劣化して使用不能となって自動車から取り外された鉛バッテリーを再生することを目的としており、不具合が発生した後処理に関するものであるから、不具合防止の観点からは好ましいとは言えない。また、鉛バッテリーの再生装置自体が大掛かりとなってしまい、自動車に搭載できる装置ではない。いっぽう、特許文献3、4記載の鉛バッテリーの硫酸鉛皮膜除去装置は、鉛バッテリーから電力供給を受けて、所定のパルス電流を通電させる鉛バッテリーの硫酸鉛皮膜除去装置というものであり、自動車に搭載可能な装置であると考えられる。
しかしながら、特許文献3、4記載の鉛バッテリーの硫酸鉛皮膜除去装置は、鉛バッテリーの寿命延長(延命)の観点からは必ずしも好ましいものとは言えない。つまり、自動車のエンジンが掛かっている状態では、オルタネータから供給される電流によって鉛バッテリーの電圧は所定範囲内に保たれるが、自動車のエンジン停止後は、鉛バッテリーの硫酸鉛皮膜除去装置が鉛バッテリーから電力供給を受けて稼動するため、鉛バッテリーの蓄電容量を消費することとなり、鉛バッテリーの硫酸鉛皮膜除去装置の稼動時間が長くなるに従い、鉛バッテリーの電圧低下をもたらす不具合が生じる。
また、自動車に搭載される鉛バッテリーとしては、大別すると、公称電圧12VDC(電源電圧13.5V)のバッテリーと、公称電圧24VDC(電源電圧27V)のバッテリーがあるが、それぞれ、陰極板のサイズが異なることから上記サルフェーションに効果的なパルス電流の繰返し周期や駆動周波数が異なる。このため、それぞれの鉛バッテリーの電源電圧に対応させたパルス電流を電源電圧の種別毎に通電させることが好ましい。その反面、繰返し周期や駆動周波数が適正でないパルス電流を電源電圧の種別が異なる鉛バッテリーに通電させると、かえって鉛バッテリーを痛めるという弊害が生じる。つまり例えば、電源電圧27Vの鉛バッテリー用に調整されたパルス電流を誤って電源電圧13.5Vの鉛バッテリーに通電させるとパワーが強すぎて鉛バッテリーを痛めてしまう事態となる。また例えば、電源電圧13.5Vの鉛バッテリー用に調整されたパルス電流を誤って電源電圧27Vの鉛バッテリーに通電させるとパワーが弱すぎて鉛バッテリーのサルフェーションに対する効果がほとんど得られない。この点、従来の特許文献1から4記載の装置では、鉛バッテリーの電源電圧の種別を考慮しておらず、鉛バッテリーの電源電圧の種別に個別対応させた装置であるとは言い難いものである。
そこで本発明の目的は、自動車に搭載された鉛バッテリーの活性化装置であって、鉛バッテリーの蓄電容量の消費を抑え、鉛バッテリーの電源電圧の種別に個別対応させた鉛バッテリーの活性化装置を提供することを目的とする。
本発明の鉛バッテリーの活性化装置は、自動車に搭載された鉛バッテリーの陽極端子に電気接続されて当該陽極端子からの電流が順方向電流である場合にのみ制御回路に電気接続する整流ダイオードと、整流ダイオードを介して供給される鉛バッテリーからの電力により作動する制御回路と、鉛バッテリーの陰極端子に電気接続されて制御回路からの制御信号によってパルス電流を鉛バッテリーに通電するパルス発生回路と、制御回路からの制御信号によって作動する表示素子からなり、上記鉛バッテリーの電源電圧が制御回路に予め設定された所定電圧範囲外である場合に制御回路がパルス発生回路を作動させず、上記鉛バッテリーの電源電圧が制御回路に予め設定された所定電圧範囲内であって制御回路に予め設定された基準電圧を超えている場合に制御回路がパルス発生回路と表示素子を作動させて上記鉛バッテリーの電源電圧が制御回路に予め設定された所定電圧範囲を超えるとパルス発生回路と表示素子を作動停止させ、上記鉛バッテリーの電源電圧が制御回路に予め設定された所定電圧範囲内であって制御回路に予め設定された基準電圧以下の場合に制御回路がパルス発生回路と表示素子を作動させて所定時間が経過するとパルス発生回路と表示素子を作動停止させることを特徴とする。
本発明によれば、上記整流ダイオードが自動車に搭載された鉛バッテリーの陽極端子に電気接続されて当該陽極端子からの電流が順方向電流である場合にのみ制御回路に電気接続されるため、仮に上記整流ダイオードが自動車に搭載された鉛バッテリーの陰極端子に逆接続されたとしても、上記制御回路が通電されずに保護される。上記鉛バッテリーの電源電圧が制御回路に予め設定された所定電圧範囲外である場合に上記制御回路がパルス発生回路を作動させないため、仮に鉛バッテリーの電源電圧の種別と異なる組み合わせの鉛バッテリーの活性化装置が電気接続されたとしても、上記パルス発生回路が作動せず、鉛バッテリーを痛めることがない。上記鉛バッテリーの電源電圧が制御回路に予め設定された所定電圧範囲内であって制御回路に予め設定された基準電圧を超えている場合に、制御回路がパルス発生回路を作動させて制御回路に予め設定された駆動周波数及び繰返し周期のパルス電流が鉛バッテリーに通電されるとともに、制御回路が表示素子を作動させて制御回路に予め設定された表示パターンで表示素子を表示させる。したがって、サルフェーションに効果的なパルス電流が鉛バッテリーに通電されるとともに、鉛バッテリーの電源電圧の種別と一致する組み合わせの鉛バッテリーの活性化装置が電気接続されたことの識別ができる。
本発明によれば、上記鉛バッテリーの電源電圧が制御回路に予め設定された所定電圧範囲内であって制御回路に予め設定された基準電圧以下の場合に、所定時間だけ制御回路がパルス発生回路と表示素子を作動させることで、例えば自動車のエンジン停止後の鉛バッテリーの蓄電容量の消費を抑えることができる。ここで、上記所定時間とは、数分間程度を意味しており、より具体的には2分間から4分間程度である。
本発明は、前記表示素子がLED素子であって、前記制御回路が作動開始するときにLED素子を高速点滅で一定時間発光表示させて、その後、前記制御回路からの制御信号によって鉛バッテリーの電源電圧の低下に応じてLED素子の点滅間隔を長くさせるとともにパルス電流の繰返し周期を長くさせることを特徴とする。
前記表示素子としては、LED素子やLCD素子が挙げられる。本発明によれば、前記表示素子をLED素子として発光表示させることで、消費電力を最小限に抑えつつ、外が薄暗い状態でもはっきりと表示が識別できる。前記制御回路が作動開始すると、LED素子を高速点滅で一定時間発光表示させてから、鉛バッテリーの電源電圧の低下に応じてLED素子の点滅間隔を長くさせることで、鉛バッテリーの電源電圧の種別と一致する組み合わせの鉛バッテリーの活性化装置が電気接続されたことの識別が一目瞭然である。本発明によれば、前記電源電圧の低下に応じて前記パルス電流の繰返し周期を長くすることで、前記鉛バッテリーからの電力消費を抑えることができる。
本発明は、前記制御回路に予め設定された基準電圧が27.0Vの場合にパルス電流の駆動周波数が3.7kHzに設定され、前記鉛バッテリーの電源電圧が27.0Vを越えると制御回路がパルス電流の繰返し周期を0.55秒とし、前記鉛バッテリーの電源電圧が27.0V以下になると制御回路がパルス電流の繰返し周期を1.00秒とするものであり、前記制御回路に予め設定された基準電圧が13.5Vの場合にパルス電流の駆動周波数が4.04kHzに設定され、前記鉛バッテリーの電源電圧が13.5Vを越えると制御回路がパルス電流の繰返し周期を0.55秒とし、前記鉛バッテリーの電源電圧が13.5V以下になると制御回路がパルス電流の繰返し周期を1.00秒とすることを特徴とすることを特徴とする。
前記パルス電流の駆動周波数が高すぎると陰極板への駆動電圧が低下してサルフェーションに対する効果がほとんど得られず、逆に前記パルス電流の駆動周波数が低すぎると陰極板への駆動電圧が上昇して陰極板を痛める可能性がある。本発明によれば、例えば、前記電源電圧が27Vの場合に前記パルス電流の駆動周波数が3.7kHzとして、前記電源電圧が13.5Vの場合に前記パルス電流の駆動周波数が4.04kHzとすることで、鉛バッテリーの電源電圧の種別とピンポイントで一致する組み合わせの鉛バッテリーの活性化装置となる。
本発明によれば、上記整流ダイオードが自動車に搭載された鉛バッテリーの陽極端子に電気接続されて当該陽極端子からの電流が順方向電流である場合にのみ制御回路に電気接続されるため、仮に上記整流ダイオードが自動車に搭載された鉛バッテリーの陰極端子に逆接続されたとしても、上記制御回路が通電されずに保護される。上記鉛バッテリーの電源電圧が制御回路に予め設定された所定電圧範囲外である場合に上記制御回路がパルス発生回路を作動させないため、仮に鉛バッテリーの電源電圧の種別と異なる組み合わせの鉛バッテリーの活性化装置が電気接続されたとしても、上記パルス発生回路が作動せず、鉛バッテリーを痛めることがない。上記鉛バッテリーの電源電圧が制御回路に予め設定された所定電圧範囲内であって制御回路に予め設定された基準電圧を超えている場合に、制御回路がパルス発生回路を作動させて制御回路に予め設定された駆動周波数及び繰返し周期のパルス電流が鉛バッテリーに通電されるとともに、制御回路が表示素子を作動させて制御回路に予め設定された表示パターンで表示素子を表示させる。したがって、サルフェーションに効果的なパルス電流が鉛バッテリーに通電されるとともに、鉛バッテリーの電源電圧の種別と一致する組み合わせの鉛バッテリーの活性化装置が電気接続されたことの識別ができる。本発明によれば、上記鉛バッテリーの電源電圧が制御回路に予め設定された所定電圧範囲内であって制御回路に予め設定された基準電圧以下の場合に、所定時間だけ制御回路がパルス発生回路と表示素子を作動させることで、例えば自動車のエンジン停止後の鉛バッテリーの蓄電容量の消費を抑えることができる。
本発明によれば、前記表示素子をLED素子として発光表示させることで、消費電力を最小限に抑えつつ、外が薄暗い状態でもはっきりと表示が識別できる。前記制御回路が作動開始すると、LED素子を高速点滅で一定時間発光表示させてから、鉛バッテリーの電源電圧の低下に応じてLED素子の点滅間隔を長くさせることで、鉛バッテリーの電源電圧の種別と一致する組み合わせの鉛バッテリーの活性化装置が電気接続されたことの識別が一目瞭然である。本発明によれば、前記電源電圧の低下に応じて前記パルス電流の繰返し周期を長くすることで、前記鉛バッテリーからの電力消費を抑えることができる。
本発明によれば、前記電源電圧の低下に応じて前記パルス電流の繰返し周期を長くすることで、前記鉛バッテリーからの電力消費を抑えることができる。前記パルス電流の駆動周波数が高すぎると陰極板への駆動電圧が低下してサルフェーションに対する効果がほとんど得られず、逆に前記パルス電流の駆動周波数が低すぎると陰極板への駆動電圧が上昇して陰極板を痛める可能性があるからである。例えば、前記電源電圧が27Vの場合に前記パルス電流の駆動周波数が3.7kHzとして、前記電源電圧が13.5Vの場合に前記パルス電流の駆動周波数が4.04kHzとすることで、鉛バッテリーの電源電圧の種別とピンポイントで一致する組み合わせの鉛バッテリーの活性化装置となる。これら本発明により、鉛バッテリーの蓄電容量の消費を抑えつつ、鉛バッテリーの電源電圧の種別に個別対応させた鉛バッテリーの活性化装置が実現する。
以下、本発明を適用した具体的な実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
(本発明の実施形態)
図1は本発明の一実施形態の鉛バッテリーの活性化装置1の構造を模式的に示すブロック図である。本実施形態の鉛バッテリーの活性化装置1は、自動車に搭載された鉛バッテリー100の陽極端子101と陰極端子102との間に電気接続されて使用される。本実施形態の鉛バッテリーの活性化装置1は、保護回路2と、保護回路2を介して供給される鉛バッテリー100の電力により作動する制御回路3と、制御回路3により制御されるパルス発生回路4と表示素子5からなる。保護回路2は、PTCサーミスタ21と整流ダイオード22と電圧レギュレータ23からなる。図1の矢印は、電流(電気信号)の流れを示している。
図1に示す鉛バッテリー100の陽極端子101から陰極端子102までの電流(電気信号)の流れの順に本実施形態の鉛バッテリー活性化装置1の回路構成を以下に説明する。まず、鉛バッテリー100の陽極端子101は、PTCサーミスタ21に接続される。PTCサーミスタ21は、温度が一定値よりも上昇すると抵抗値が増大する素子であり、鉛バッテリー100や鉛バッテリーの活性化装置1の温度が一定値よりも上昇した場合に回路を遮断して保護する。PTCサーミスタ21としては、ポリマー系のPTCサーミスタ(ポリスイッチ)やセラミック系のPTCサーミスタを使用するが、温度ヒューズを代用してもよい。PTCサーミスタ21は、整流ダイオード22に接続される。整流ダイオード22は、順方向の電流のみを通電する素子であり、仮に陰極端子102側に逆接続した場合に、回路を遮断して保護する。整流ダイオード22は、電圧レギュレータ23に接続される。電圧レギュレータ23は、制御回路3に所定範囲の電圧を供給する素子であり、所定範囲を超える電圧から制御回路3を保護する。
制御回路3は、制御用IC(プログラマブルIC)であり、詳細は後述するが、上記鉛バッテリー100の電源電圧Eが所定電圧範囲外である場合にパルス発生回路5を作動させず、上記鉛バッテリー100の電源電圧Eが所定電圧範囲内であって制御回路3に予め設定された基準電圧E3を超えている場合にパルス発生回路5と表示素子4を作動させる。
パルス発生回路4は、鉛バッテリー100の陰極端子102に電気接続され、制御回路3からの制御信号によって鉛バッテリー100の電源電圧Eに対応する駆動周波数Fのパルス電流を上記鉛バッテリー100に通電するか、又は鉛バッテリー100の電源電圧Eに対応する繰返し周期Cのパルス電流を上記鉛バッテリー100に通電するか、或いはその両方を行う。鉛バッテリー100に通電されるパルス電流の駆動周波数Fとしては、3kHzから5kHzが好ましく、鉛バッテリー100に通電されるパルス電流の繰返し周期Cとしては、0.5秒から1.5秒が好ましい。そして、制御回路3は、鉛バッテリー100の電源電圧Eが低い場合には、パルス電流の繰返し周期Cを長くして、バッテリーセーブモードとなり、鉛バッテリー100からの電力消費を抑える。
表示素子5は、LED素子であり、制御回路3からの制御信号によって上記鉛バッテリー100の電源電圧Eに対応する表示パターンで発光表示する。
図2は、鉛バッテリー100の電源電圧Eの推移を模式的に示すグラフである。図2の縦軸は電源電圧Eを示し、図2の横軸は推移時間Tを示している。図2に示すグラフに基づき、制御回路3の動作を以下に説明する。まず、時間T1にて自動車のエンジンが始動すると、自動車のオルタネータが作動して自動車に搭載された鉛バッテリー100に充電開始するため、鉛バッテリー100の電源電圧Eが上昇する。制御回路3は、鉛バッテリー100の電源電圧Eが制御回路3に予め設定された基準電圧E3を超えるのを検知して(E3<E)、パルス発生回路5と表示素子4を作動させる。したがって、鉛バッテリーの活性化装置1は、オルタネータから電力を供給されることとなり、鉛バッテリー100の蓄電容量を消費しない。そして、オルタネータからの充電によって鉛バッテリー100の電源電圧Eがさらに上昇する。制御回路3は、鉛バッテリー100の電源電圧Eが制御回路3に予め設定された上限電圧E4以上になるのを検知して(E4≦E)、パルス発生回路5の作動を停止する。したがって、鉛バッテリー100が予め設定された上限電圧E4以上で活性化されず、過剰な活性化が防止される。
時間T2にて自動車のエンジンが停止すると、自動車のオルタネータが停止して自動車に搭載された鉛バッテリー100の充電が停止するため、鉛バッテリー100の電源電圧Eが下降する。制御回路3は、鉛バッテリー100の電源電圧Eが制御回路3に予め設定された基準電圧E3以下になるのを検知して(E≦E3)、制御回路3に内蔵されたタイマーが作動して所定時間T3の間だけパルス発生回路5と表示素子4を作動させる。また、制御回路3は、鉛バッテリー100の電源電圧Eが制御回路3に予め設定された下限電圧E2以下になるのを検知して(E≦E2)、パルス発生回路5の繰返し周期Cを長くする。そして、所定時間T3が経過すると、パルス発生回路5と表示素子4の作動を停止する。したがって、鉛バッテリー100の蓄電容量の消費を抑えることができる。
図3は、パルス発生回路4から鉛バッテリー100に通電されるパルス電流のパルス波形を例示するパルス波形図である。パルス発生回路4は、昇圧コイルとコンデンサの組み合わせからなり(図示せず)、上記鉛バッテリー100の電源電圧Eに対応する駆動周波数F、波数n、駆動電圧Vp、繰返し周期Cのパルス電流を鉛バッテリー100に通電する。図3(a)は、矩形波の場合のパルス波形図であり、図3(b)は、鋸歯状波(三角波)の場合のパルス波形図である。
図4は、本実施形態の鉛バッテリー活性化装置1を鉛バッテリー100に取り付けた状態を模式的に示す斜視図である。図4(a)は、表示素子5がLED素子の場合を示しており、図4(b)は、表示素子5がLCD素子の場合を示している。鉛バッテリー活性化装置1からは、2本の被覆電線が出ており、赤色の被覆電線を鉛バッテリー100の陽極端子101に巻き付ける等により電気接続して、青色の被覆電線を鉛バッテリー100の陰極端子102に巻き付ける等により電気接続する。鉛バッテリー活性化装置1は、両面テープ等の取付手段により鉛バッテリー100に取り付けられる。鉛バッテリー活性化装置1の筐体は、耐熱プラスチックで形成される。
(本発明の実施例1)
本発明の鉛バッテリーの活性化装置1を公称電圧12VDC(電源電圧13.5V)の鉛バッテリー100に適用した一実施例を、図2に示すグラフに基づき、以下に説明する。まず、本発明の鉛バッテリーの活性化装置1の赤色の被覆電線を鉛バッテリー100の陽極端子101に電気接続して、青色の被覆電線を鉛バッテリー100の陰極端子102に電気接続すると、LED素子5が約5秒間、高速点滅して、接続状態が正常であることが視認できる。次に、鉛バッテリー100の電源電圧Eが上昇して(時間T1)、制御回路3に予め設定された基準電圧E3=13.5Vを超えると(13.5<E)、制御回路3がパルス発生回路5と表示素子4を作動させる。パルス発生回路5から駆動周波数F=4.04kHz、波数n=290〜300、繰返し周期C=0.55秒のパルス電流が鉛バッテリー100に通電される。鉛バッテリー100の電源電圧Eが制御回路3に予め設定された上限電圧E4=13.7V以上になると(13.7≦E)、制御回路3がパルス発生回路5の作動を停止する。次に、鉛バッテリー100の電源電圧Eが下降して制御回路3に予め設定された基準電圧E3=13.5V以下になると(E≦13.5)、制御回路3に内蔵されたタイマーが作動して所定時間T3=2〜4分間だけパルス発生回路5と表示素子4を作動させて、パルス発生回路5と表示素子4の作動を停止する。ここで、電源電圧Eが下降して制御回路3に予め設定された下限電圧E2=13.15V以下になるのを検知して(E≦13.15)、パルス発生回路5の繰返し周期C=1.00秒に長くする。そして、所定時間T3=2〜4分間が経過すると、パルス発生回路5の作動を停止する。
LED素子5は、鉛バッテリー100への電気接続とほぼ同時に、約5秒間、高速点滅する。その後、鉛バッテリー100の電源電圧Eが13.7V以上になると(13.7≦E)1秒間に500m秒の点灯を1回繰り返し、鉛バッテリー100の電源電圧Eが13.16V以上で13.7V未満になると(13.16≦E<13.7)1秒間に10m秒の点灯を3回繰り返し、鉛バッテリー100の電源電圧Eが12.75V以上で13.16V未満になると(12.75≦E<13.16)1秒間に10m秒の点灯を2回繰り返し、鉛バッテリー100の電源電圧Eが12.75V未満になると(E<12.75)1秒間に10m秒の点灯を1回繰り返す。
本発明の鉛バッテリーの活性化装置1を適用した公称電圧12VDCの鉛バッテリー100と従来の鉛バッテリー100とを比較するため、両者を同じ条件で繰り返し充放電させて寿命加速試験を行ったところ、本発明の鉛バッテリーの活性化装置1を適用した鉛バッテリー100は、従来の鉛バッテリーの寿命に対して、設定された下限電圧E2=13.15V以下になるまでに約2倍の時間、稼動することを確認した。
(本発明の実施例2)
本発明の鉛バッテリーの活性化装置1を公称電圧24VDC(電源電圧27V)の鉛バッテリー100に適用した一実施例を、図2に示すグラフに基づき、以下に説明する。まず、本発明の鉛バッテリーの活性化装置1を鉛バッテリー100に電気接続すると、LED素子5が約5秒間、点灯して、接続状態が正常であることが視認できる。次に、鉛バッテリー100の電源電圧Eが上昇して(時間T1)、制御回路3に予め設定された基準電圧E3=27.0Vを超えると(27.0<E)、制御回路3がパルス発生回路5と表示素子4を作動させる。パルス発生回路5から駆動周波数F=3.7kHz、波数n=260〜270、繰返し周期C=0.55秒のパルス電流が鉛バッテリー100に通電される。鉛バッテリー100の電源電圧Eが制御回路3に予め設定された上限電圧E4=27.73V以上になると(27.73≦E)、制御回路3がパルス発生回路5の作動を停止する。次に、鉛バッテリー100の電源電圧Eが下降して制御回路3に予め設定された基準電圧E3=27.0V以下になると(E≦27.0)、制御回路3に内蔵されたタイマーが作動して所定時間T3=2〜4分間だけパルス発生回路5と表示素子4を作動させて、パルス発生回路5と表示素子4の作動を停止する。ここで、電源電圧Eが下降して制御回路3に予め設定された下限電圧E2=26.49V以下になるのを検知して(E≦26.49V)、パルス発生回路5の繰返し周期C=1.00秒に長くする。そして、所定時間T3=2〜4分間が経過すると、パルス発生回路5の作動を停止する。
LED素子5は、鉛バッテリー100への電気接続とほぼ同時に、約5秒間、点灯する。その後、鉛バッテリー100の電源電圧Eが27.73V以上になると(27.73≦E)1秒間に500m秒間点灯し、鉛バッテリー100の電源電圧Eが26.50V以上で27.72V未満になると(26.50≦E<27.72)1秒間に10m秒の点灯を3回繰り返し、鉛バッテリー100の電源電圧Eが25.70V以上で26.50V未満になると(25.70≦E<26.50)1秒間に10m秒の点灯を2回繰り返し、鉛バッテリー100の電源電圧Eが25.70V未満になると(E<25.70)1秒間に10m秒の点灯を1回繰り返す。
本発明の鉛バッテリーの活性化装置1を適用した公称電圧24VDCの鉛バッテリー100と従来の鉛バッテリー100とを比較するため、両者を同じ条件で繰り返し充放電させて寿命加速試験を行ったところ、本発明の鉛バッテリーの活性化装置1を適用した鉛バッテリー100は、従来の鉛バッテリーの寿命に対して、設定された下限電圧E2=26.49V以下になるまでに約2倍の時間、稼動することを確認した。
以上、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではない。例えば自動車のエンジンが停止した際の鉛バッテリー100の電源電圧Eの大きさに応じて、制御回路3に内蔵されたタイマーが作動する所定時間T3の長さを調節することができる。つまり、例えば自動車のエンジンが停止した際の鉛バッテリー100の電源電圧Eの大きさが制御回路3に予め設定された下限電圧E2を下回る場合には、速やかにパルス発生回路5の作動を停止する。このように、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能であることは言うまでもない。
本発明を適用した一実施形態の鉛バッテリーの活性化装置の構造を模式的に示すブロック図である。
鉛バッテリーの電源電圧の推移を模式的に示すグラフである。
本発明を適用した一実施形態の鉛バッテリーの活性化装置のパルス発生回路からのパルス波形を例示するパルス波形図である。
本発明を適用した一実施形態の鉛バッテリーの活性化装置を鉛バッテリーに取り付けた状態を模式的に示す斜視図である。
符号の説明
1 鉛バッテリーの活性化装置、
2 保護回路、
3 制御回路(制御用IC)、
4 パルス発生回路、
5 表示素子(LED素子)、
100 鉛バッテリー
本発明の鉛バッテリーの活性化装置は、自動車に搭載された鉛バッテリーの電源電圧の種別が公称電圧24VDC又は公称電圧12VDCの鉛バッテリーの陽極端子に電気接続され当該陽極端子からの電流が順方向電流である場合にのみ制御回路に電気接続する整流ダイオードと、当該整流ダイオードを介して供給される前記鉛バッテリーからの電力により作動し前記鉛バッテリーの電源電圧の種別に個別対応させた所定電圧の範囲及び基準電圧が予め設定された制御回路と、前記鉛バッテリーの陰極端子に電気接続され前記制御回路からの制御信号によって前記鉛バッテリーの電源電圧の種別に個別対応させた特定の駆動周波数及び繰り返し周期のパルス電流を前記鉛バッテリーに通電するパルス発生回路と、前記制御回路からの制御信号によって作動するLED素子からなり、前記鉛バッテリーの電源電圧が前記制御回路に予め設定された前記所定電圧の範囲外である場合に前記制御回路が前記パルス発生回路を作動させず、前記鉛バッテリーの電源電圧が前記所定電圧の範囲内であって前記基準電圧を超えている場合に前記制御回路が前記パルス発生回路と前記LED素子を作動させて前記所定電圧の上限を超えると前記パルス発生回路を作動停止させ、前記鉛バッテリーの電源電圧が前記所定電圧の範囲内であって前記基準電圧以下の場合に前記制御回路が前記パルス発生回路と前記LED素子を作動させて所定時間が経過すると前記パルス発生回路と前記LED素子を作動停止させるものであり、前記公称電圧24VDCの鉛バッテリーでは、前記基準電圧が27.0V、前記所定電圧の上限が27.73V、前記所定電圧の下限が26.49V、前記駆動周波数が3.7kHz、前記繰返し周期が0.55秒に設定され、前記公称電圧12VDCの鉛バッテリーでは、前記基準電圧が13.5V、前記所定電圧の上限が13.7V、前記所定電圧の下限が13.15V、前記駆動周波数が4.04kHz、前記繰返し周期が0.55秒に設定されるものであり、前記鉛バッテリーへの電気接続とほぼ同時に前記LED素子が約5秒間高速点滅又は点灯し、その後、前記鉛バッテリーの電源電圧が前記所定電圧の上限以上になると前記LED素子が1秒間に500m秒の点灯を1回繰り返し、前記鉛バッテリーの電源電圧が前記所定電圧の下限を超えて前記所定電圧の上限未満になると前記LED素子が、1秒間に10m秒の点灯を3回繰り返すことを特徴とする。