JP2009229670A - 手ぶれ防止装置、電子機器、手ぶれ防止方法、および、手ぶれ防止プログラム - Google Patents

手ぶれ防止装置、電子機器、手ぶれ防止方法、および、手ぶれ防止プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】少ない処理コストおよび簡易な装置の構成によって手ぶれの発生を防止できるようにする。
【解決手段】撮像素子11によって画像を撮像する際に、ジャイロセンサ(X軸ジャイロセンサ31a、Y軸ジャイロセンサ31b)から出力される検出信号の入力を受ける入力手段(アナログ−デジタル変換部32a、アナログ−デジタル変換部32b)と、撮像素子の露光時において軸周りに許容される手ぶれ回転角を決定する決定手段(プロセッサ33)と、決定手段によって決定された許容される手ぶれ回転角を、入力手段を介して入力された検出信号によって求められる角速度で除算し、得られる値に基づいてシャッタ速度を算出する算出手段(プロセッサ33)と、を有する。
【選択図】図2

Description

本発明は、手ぶれ防止装置、電子機器、手ぶれ防止方法、および、手ぶれ防止プログラムに関する。
撮像装置において画像を撮像する際に、ユーザの手ぶれに起因して発生する画像の劣化を防止する手ぶれ防止装置としては、特許文献1に開示される技術がある。
特開2007−97195号公報
ところで、特許文献1に開示される技術では、三角関数および行列計算を必要としており、組込機器用の低価格のマイクロプロセッサでは、計算処理に時間がかかるという問題点がある。また、その回避策として、ルックアップテーブルを作成して記憶装置に予め格納しておく方法があるが、その場合には記憶装置の記憶容量が余分に必要になるという問題点がある。
そこで本発明は、少ない処理コストおよび簡易な装置の構成によって手ぶれの発生を防止できる手ぶれ防止装置、電子機器、手ぶれ防止方法、および、手ぶれ防止プログラムを提供することを目的とする。
〔形態1〕 上記課題を解決するため、形態1の手ぶれ防止装置は、撮像素子と、前記撮像素子の軸周りの角速度を検出するジャイロセンサと、を有する撮像装置によって画像を撮像する際に手ぶれを防止する手ぶれ防止装置において、前記撮像素子によって画像を撮像する際に、前記ジャイロセンサから出力される検出信号の入力を受ける入力手段と、前記撮像素子の露光時において前記軸周りに許容される手ぶれ回転角を決定する決定手段と、前記決定手段によって決定された前記許容される手ぶれ回転角を、前記入力手段を介して入力された前記検出信号によって求められる角速度で除算して得られる値に基づいてシャッタ速度を算出する算出手段と、を有することを特徴とする。
上記構成によれば、入力手段は撮像素子によって画像を撮像する際に、ジャイロセンサから出力される検出信号の入力を受け、決定手段は撮像素子の露光時において軸周りに許容される手ぶれ回転角を決定し、算出手段は決定手段によって決定された許容される手ぶれ回転角を、入力手段を介して入力された検出信号によって求められる角速度で除算し、得られる値に基づいてシャッタ速度を算出する。この結果、少ない処理コストおよび簡易な装置の構成によって手ぶれの発生を防止できる。
〔形態2〕 形態2の手ぶれ防止装置は、形態1の手ぶれ防止装置において、前記ジャイロセンサは、前記撮像素子の横方向または縦方向の軸周りの角速度を検出し、前記決定手段は、前記横方向または縦方向の軸周りに許容される手ぶれ回転角を決定し、前記算出手段は、前記横方向または縦方向の軸周りに許容される手ぶれ回転角を、前記横方向または縦方向の軸周りの対応する角速度で除算し、得られる値に基づいてシャッタ速度を算出する、ことを特徴とする。
上記構成によれば、横方向または縦方向の軸周りに許容される手ぶれ回転角を、ジャイロセンサによって検出された横方向または縦方向の軸周りの対応する角速度で除算し、得られる値に基づいてシャッタ速度が算出される。このため、乗算および除算によってシャッタ速度を求めることができるので、横方向または縦方向の軸周りの手ぶれを簡易な構成によって手ぶれを防止することができる。
〔形態3〕 形態3の手ぶれ防止装置は、形態2の手ぶれ防止装置において、前記決定手段は、前記撮像素子に投影された被写体の任意の対象点の前記撮像素子上における前記横方向または縦方向に対する許容される移動量に、前記横方向または縦方向の画素サイズを乗算して得られる値を、前記撮像素子が有する光学系の焦点距離で除算して求まる値に基づいて前記許容される手ぶれ回転角を決定することを特徴とする。
上記構成によれば、撮像素子に投影された被写体の任意の対象点の撮像素子上における横方向または縦方向に対する許容される移動量に、横方向または縦方向の画素サイズを乗算して得られる値を、撮像素子が有する光学系の焦点距離で除算して求まる値に基づいて許容される手ぶれ回転角が決定される。このため、それぞれの撮像装置に最適な手ぶれ回転角を求めることができる。
〔形態4〕 形態4の手ぶれ防止装置は、形態3の手ぶれ防止装置において、前記ジャイロセンサは、前記撮像素子の前記横方向および縦方向のそれぞれの軸周りの角速度を検出し、前記決定手段は、前記横方向および縦方向のいずれか一方に対して許容される回転角を許容される手ぶれ回転角として決定し、前記算出手段は、前記横方向および縦方向のいずれか一方に対して許容される回転角を、前記横方向および縦方向の角速度の平均値によって除算した値に基づいてシャッタ速度を算出することを特徴とする。
上記構成によれば、横方向および縦方向のいずれか一方に対して許容される回転角を許容される手ぶれ回転角として決定し、横方向および縦方向のいずれか一方に対して許容される回転角を、横方向および縦方向の角速度の平均値によって除算した値に基づいてシャッタ速度を算出する。このため、横方向および縦方向の双方の軸周りの手ぶれを、簡単な計算によって防止することができる。
〔形態5〕 形態5の手ぶれ防止装置は、形態4の手ぶれ防止装置において、前記算出手段は、前記横方向および縦方向のいずれか一方に対して許容される回転角を、前記横方向および縦方向の角速度の平均値によって除算した値に対して、前記横方向および縦方向の角速度の比率に対応する所定の値を乗算して得られた値に基づいてシャッタ速度を算出する、ことを特徴とする。
上記構成によれば、横方向および縦方向のいずれか一方に対して許容される回転角を、横方向および縦方向の角速度の平均値によって除算した値に、角速度の比率に対応する所定の値を乗算して得られた値に基づいてシャッタ速度が算出される。このため、横方向および縦方向の回転速度が異なる場合であっても、横方向および縦方向の手ぶれを確実に防止することができる。
〔形態6〕 形態6の手ぶれ防止装置は、形態3乃至5のいずれかの手ぶれ防止装置において、決定手段は、撮像素子が有する光学系がズーム調整を行った場合には、調整後における光学系の焦点距離に基づいて許容される手ぶれ回転角を決定することを特徴とする。
上記構成によれば、光学系がズーム調整を行った場合には、調整後の焦点距離に基づいて手ぶれ回転角が決定される。このため、ズーム調整が行われた場合であっても、手ぶれを確実に防止することができる。
〔形態7〕 形態7の手ぶれ防止装置は、形態3乃至6のいずれかの手ぶれ防止装置において、前記決定手段は、前記撮像素子によって撮像する画像の解像度が変更された場合には、変更後における解像度によって定まる前記画素サイズに基づいて前記許容される手ぶれ回転角を決定することを特徴とする。
上記構成によれば、撮像する画像の解像度が変更された場合には、変更後の解像度によって定まる画素サイズに基づいて手ぶれ回転角が決定される。このため、解像度が変更された場合であっても、手ぶれを確実に防止することができる。
〔形態8〕 形態8の手ぶれ電子機器は、形態1乃至7のいずれか1項記載の手ぶれ防止装置を有する。
上記構成によれば、電子機器は前述した手ぶれ防止装置を備える。このため、横方向または縦方向の軸周りの手ぶれを簡易な構成によって手ぶれを防止することができる。
〔形態9〕 上記課題を解決するため、形態9の手ぶれ防止方法は、撮像素子と、前記撮像素子の軸周りの角速度を検出するジャイロセンサと、を有する撮像装置によって画像を撮像する際の手ぶれを防止する手ぶれ防止方法において、前記撮像素子によって画像を撮像する際に、前記ジャイロセンサから出力される検出信号の入力を受ける入力ステップと、前記撮像素子の露光時において前記軸周りに許容される手ぶれ回転角を決定する決定ステップと、前記決定ステップにおいて決定された前記許容される手ぶれ回転角を、前記入力ステップにおいて入力された前記検出信号によって求められる角速度で除算して得られる値に基づいてシャッタ速度を算出する算出ステップと、を有することを特徴とする。
上記方法によれば、入力ステップは撮像素子によって画像を撮像する際に、ジャイロセンサから出力される検出信号の入力を受け、決定ステップは撮像素子の露光時において軸周りに許容される手ぶれ回転角を決定し、算出ステップは決定ステップにおいて決定された許容される手ぶれ回転角を、入力ステップにおいて入力された検出信号によって求められる角速度で除算して得られる値に基づいてシャッタ速度を算出する。この結果、少ない処理コストおよび簡易な装置の構成によって手ぶれの発生を防止できる。
〔形態10〕 上記課題を解決するため、形態10の手ぶれ防止プログラムは、撮像素子と、前記撮像素子の軸周りの角速度を検出するジャイロセンサと、を有する撮像装置をコンピュータにより制御し、画像を撮像する際の手ぶれを防止する手ぶれ防止プログラムにおいて、前記撮像素子によって画像を撮像する際に、前記ジャイロセンサから出力される検出信号の入力を受ける入力機能と、前記撮像素子の露光時において前記軸周りに許容される手ぶれ回転角を決定する決定機能と、前記決定機能によって決定された前記許容される手ぶれ回転角を、前記入力機能を介して入力された前記検出信号によって求められる角速度で除算して得られる値に基づいてシャッタ速度を算出する算出機能と、を前記コンピュータに実行させることを特徴とする。
上記プログラムによれば、撮像装置は、撮像素子によって画像を撮像する際に、ジャイロセンサから出力される検出信号の入力を受け、撮像素子の露光時において軸周りに許容される手ぶれ回転角を決定し、決定された許容される手ぶれ回転角を、入力された検出信号によって求められる角速度で除算し、得られる値に基づいてシャッタ速度を算出する。
この結果、少ない処理コストおよび簡易な装置の構成によって手ぶれの発生を防止できる。
以下、本発明を適用した実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下では、(A)本発明の実施の形態の構成例、(B)本発明の実施の形態の動作の概要、(C)本発明の実施の形態の詳細な動作、(D)変形実施の形態の順に説明する。
(A)本発明の実施の形態の構成例
図1は、本実施形態に係る撮像装置10の概略構成を示すブロック図である。撮像装置10(請求項中「撮像装置」に対応)は、撮像素子11(請求項中「撮像素子」に対応)、輝度検知部12、プロセッサ13、格納部14、ユーザ・インタフェース15、および、手ぶれ防止部30を有している。ここで、撮像素子11は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)等によって構成され、被写体の光画像を対応する画像信号に変換して出力する。なお、撮像素子11は、図3を参照して後述する撮像部40に内蔵されている。輝度検知部12は、例えば、フォトダイオード等によって構成され、被写体の輝度を検知し、検知した輝度に対応する信号を出力する。プロセッサ13は、格納部14に格納されているプログラム等に基づいて、撮像素子11の感度、焦点距離、絞り、露光時間等を設定し制御する。格納部14は、例えば、半導体メモリによって構成され、プロセッサ13が実行するルーチン、プログラム、オブジェクト・コンポーネント、データ構造等のプロセッサ13が読み取り可能なコードを格納する。ユーザ・インタフェース15は、操作ボタン等によって構成され、ユーザの操作に応じた情報を生成して出力する。手ぶれ防止部30は、後述するジャイロセンサによって検出された角速度および許容される回転角に基づいて、シャッタ速度を算出し、プロセッサ13に出力する。
図2は、図1に示す手ぶれ防止部30の詳細な構成例を示す図である。この図に示すように、手ぶれ防止部30は、X軸ジャイロセンサ31a(請求項中「ジャイロセンサ」に対応)、Y軸ジャイロセンサ31b(請求項中「ジャイロセンサ」に対応)、アナログ−デジタル変換部32a(請求項中「入力手段」に対応)、アナログ−デジタル変換部32b(請求項中「入力手段」に対応)、プロセッサ33(請求項中「決定手段」および「算出手段」に対応)、および、格納部34を有している。
ここで、X軸ジャイロセンサ31aは、例えば、振動ジャイロセンサによって構成され、撮像素子11の撮像面の横方向(走査線の方向)に対応するX軸を中心とする角速度を検出して出力する。Y軸ジャイロセンサ31bは、同じく、振動ジャイロセンサによって構成され、撮像素子11の撮像面の縦方向(走査線に直交する方向)に対応するY軸を中心とする角速度を検出して出力する。アナログ−デジタル変換部32aは、X軸ジャイロセンサ31aから出力される角速度を示すアナログ信号をデジタル信号に変換して出力する。アナログ−デジタル変換部32bは、Y軸ジャイロセンサ31bから出力される角速度を示すアナログ信号をデジタル信号に変換して出力する。プロセッサ33は、格納部34に格納されているプログラムを実行し、アナログ−デジタル変換部32a,32bから出力されるX軸およびY軸周りの角速度に基づいて、手ぶれを防止するためのシャッタ速度を算出し、得られたシャッタ速度をプロセッサ13に通知する。格納部34は、例えば、半導体メモリによって構成され、プロセッサ33が実行するルーチン、プログラム、オブジェクト・コンポーネント、データ構造等のプロセッサ33が読み取り可能なコードを格納する。
図3は、図1に示す撮像素子11が内蔵されている撮像部40の詳細な構成例を示す図である。撮像部40は、立方体形状を有する筐体41を有している。筐体41の天面42には、被写体からの光画像を収束するためのレンズ43が設けられている。筐体41内部の底面(不図示)には、レンズ43によって収束された光画像を対応する画像信号に変換するための撮像素子11が設けられている。なお、撮像素子11は、走査線の方向である横方向が図中のX軸方向に一致するように配置され、また、走査線と直交する方向である縦方向が図中のY軸方向に一致するように配置されている。筐体41のX軸とその法線が一致する側面44には、X軸ジャイロセンサ31aが配設されている。また、筐体41のY軸とその法線が一致する側面45には、Y軸ジャイロセンサ31bが配設されている。側面45には、撮像素子11を制御するための制御信号、撮像素子11から出力される画像信号、レンズ43を制御するための制御信号が伝送される信号線群を有するとともに、プロセッサ13に接続されるフレキシブルケーブル46が設けられている。
なお、図3の例では、X軸ジャイロセンサ31aおよびY軸ジャイロセンサ31bは、筐体41の側面44,45にそれぞれ設けられているが、角速度は撮像装置10のどの場所でも同じであるので、検出しようとする軸方向さえ一致していれば、撮像装置10の任意の場所に設けることができる。一例として、図3に示すように、フレキシブルケーブル46の一部にY軸ジャイロセンサ31bを設けるようにしてもよい。
(B)本発明の実施の形態の動作の概要
つぎに、本発明の実施の形態の動作の概要について説明する。図4は、図3に示す撮像部40がX軸またはY軸周りに回転された場合において、撮像素子11の撮像面上における、被写体の任意の対象点の移動の様子を示す図である。図4(A)は、撮像素子11をY軸を中心として回転させた場合における、撮像面上における対象点の動きを示している。この図に示すように、Y軸を中心として撮像素子11を回転させた場合には、対象点は矢印で示すように、撮像素子11の走査線の方向であるx方向(横方向)に移動する。図4(B)は、撮像素子11をX軸を中心として回転させた場合における、撮像面上における対象点の動きを示している。この図に示すように、X軸を中心として撮像素子11を回転させた場合には、対象点は矢印で示すように、撮像素子11の走査線に直交する方向であるy方向(縦方向)に移動する。ところで、撮像素子11の露光開始時における対象点の位置を(x1,y1)とし、露光終了時における対象点の位置を(x2,y2)とした場合、露光開始から終了までの間に対象点はx方向にx2−x1だけ移動し、y方向にy2−y1だけ移動する。このとき、x方向およびy方向の画素サイズをSx,Syとした場合、対象点の移動画素数は、x方向およびy方向のそれぞれに対して(x2−x1)/Sxおよび(y2−y1)/Syとなる。このような対象点の移動画素数が少ない程、手ぶれの小さい画像となる。そこで、本実施の形態では、露光開始から終了までの期間において、対象点のx方向またはy方向への許容できる移動量に対応する撮像素子11のX軸またはY軸の回転角度を求め、当該回転角度をジャイロセンサによって検出された角速度によって除算することにより得られる値に基づいてシャッタ速度を算出することにより、移動点の撮像面上における移動量が許容移動量内に収まるように制御する。より詳細には、本実施の形態では、x方向およびy方向の移動量が同じであると仮定し、対象点のy方向への許容できる移動量に対応する撮像素子11のX軸の回転角α’を後述する式(37)に基づいて求める。そして、当該許容できる回転角α’を、後述する式(38)に示すように、レリーズボタンが全押しされた場合における、X軸ジャイロセンサ31aおよびY軸ジャイロセンサ31bから出力されるX軸周りおよびY軸周りの角速度AngleVel_XおよびAngleVel_Yの平均値によって除算することにより、シャッタ速度SSを求める。このようにして求められたシャッタ速度SSは、プロセッサ13に供給され、プロセッサ13は撮像素子11のシャッタ速度がSSになるように制御する。このような制御を行うことにより、撮像面上における対象点の移動量が許容移動量内に収まることから、手ぶれの少ない画像を得ることができる。また、以上の制御では、三角関数および行列の演算を行う必要がないため、安価なプロセッサによって演算処理を高速に実行することができる。また、ルックアップテーブルを使用する必要がないので、半導体メモリの必要な記憶容量を削減することができる。
(C)本発明の実施の形態の詳細な動作
つぎに、本発明の実施の形態の詳細な動作について説明する。以下では、本実施形態における手ぶれ防止処理のアルゴリズムについて説明した後、実施の形態の具体的な動作について説明する。
図5は単純なレンズ・モデルに基づき定義された撮像モデルを示す概念図である。理解を容易にするために、焦点面は画像面に平行に設定され、また、レンズは比較的薄く、その光学軸は画像面に垂直であるとする。このとき、レンズはつぎの法則に従って作用するものとする。
Figure 2009229670
ここで、uはレンズ面から実世界対象までの距離を示し、vはレンズ面から集束画像までの距離を示し、fはレンズの焦点距離を示す。また、実世界対象の座標と画像における画素の座標との関係については以下のように定義されるものとする。
F:撮像装置の焦点距離
w=(xw,yw,zw):実世界対象座標における1点の位置
c=(xc,yc,zc):撮像装置座標における1点の位置
im=(xim,yim):画像面座標における1点の位置
focused=(xfocused,yfocused):焦点面座標における1点の位置
P=(x,y):画素座標における1点の位置
x:x方向画素サイズ
y:y方向画素サイズ
0:水平主点
0:垂直主点
λ:モデル倍率
α:撮像装置のX軸を中心とする回転角
β:撮像装置のY軸を中心とする回転角
γ:撮像装置のZ軸を中心とする回転角
実世界対象の座標と画素座標との関係は4つの構成要素を含む。関係の第1の構成要素は撮像装置と実世界対象座標との回転と並進である。
Figure 2009229670
ここで、RはX,Y,Z方向に対する回転を定義する3×3の回転マトリクスであり、また、Tは原点間の並進を定義する三次元並進ベクトルである。
また、関係の第2の構成要素は実世界対象座標から画像面への透視投影である。この透視投影は簡略化ピンホール・カメラ投影モデルに基づいている。
Figure 2009229670
図5に示す単純レンズ・モデルにより、第3の構成要素は撮像装置10の焦点面および画像面を(u,v,f)の関数であるモデル倍率λと以下のように関連付ける。
Figure 2009229670
ここで、(xim,yim)は二次元画像面座標に投影された点であり、(xfocused,yfocused)は二次元焦点面座標で対応する点であり、λはv/fに比例し、その値は“1”に近い。
また、関係の第4の構成要素は焦点面と画像素座標との変換である。
Figure 2009229670
従って、実世界対象座標と画素座標との関係は以下の通り式(2),(3),(4),および式(5)の組み合わせである。この結果、座標投影CPは以下のように表現できる。
Figure 2009229670
また、次のようにも表現できる。
Figure 2009229670
x方向画素サイズSxおよびy方向画素サイズSyは、焦点面上の撮像素子11の解像度から計算される。なお、撮像の解像度が変更された場合には、x方向画素サイズSxおよびy方向画素サイズSyは変更される。
本実施の形態では、露光が開始されてから終了するまでの間の撮像装置10の動きは、単なる回転であると仮定する。この仮定の下では、並進ベクトルTはゼロベクトルとなる。
Figure 2009229670
この結果、式(7)の撮像装置モデルは以下のように簡略化できる。
Figure 2009229670
式(9)における回転マトリクスRは次のように計算される。
Figure 2009229670
X軸に対する回転を表すマトリクスは以下のように表される。
Figure 2009229670
Y軸に対する回転を表すマトリクスは以下のように表される。
Figure 2009229670
Z軸に対する回転を表すマトリクスは以下のように表される。
Figure 2009229670
以上に定義したように、α、β、および、γは、それぞれ、X軸、Y軸、および、Z軸の周りに回転された角度で、角速度と露光時間と以下のように関係している。
Figure 2009229670
ここで、Eは露光期間、Gx、Gy、および、Gzは、後述するようにジャイロセンサから得られる角速度である。なお、本実施形態では、Z軸方向のジャイロセンサを有していないため、Gzは使用しない。また、Nは露光期間E中に得られたジャイロセンサのサンプル数である。
回転の前に撮像装置座標は実世界対象座標と位置合わせされる。従って回転前の回転マトリクスは以下のように表される。
Figure 2009229670
回転がない場合、実世界対象点Pw=(Px,Py,Pz)に対応する画素座標は以下の式によって表される。
Figure 2009229670
ここで、(x1,y)は、実世界対象座標の点Pwに対応する画素座標である。回転は、上述のように撮像装置10の露光開始から終了までの間のX軸、Y軸、および、Z軸に対する単純な回転と仮定されるが、回転された角度はそれぞれα、β、および、γで表される。回転マトリクスRは、式(10)によって表される。さらに、撮像装置10の回転前の実世界対象点Pw=(xw,yw,zw)に対応する画素座標は式(16)で表される。式(16)から、実世界対象座標の点Pw=(xw,yw,zw)は以下の式によって表すことができる。
Figure 2009229670
説明を簡略化するために、撮像装置10の露光中に被写体は動かないと仮定される。式(17)および式(9)から、各画素の回転前後の関係が画像座標で得られる。
Figure 2009229670
ここで、(x2,y2)は撮像装置10の回転後の実世界対象点Pwに対応する画像の画素座標であり、(x1,y1)は撮像装置10の回転前の実世界対象点に対応する画素座標である。
画像における各画素に対する動きベクトルは次のように表すことができる。
Figure 2009229670
本実施の形態では、計算量を減らすために、式(11)、式(12)、および、式(13)のsinαおよびcosαを以下のようにマクローリン展開する。
Figure 2009229670
Figure 2009229670
ここで、α<<1であるとすると、式(20)および式(21)の右辺の第2項以降は無視することができるので、sinα=αと近似し、また、cosα=1と近似することができる。
式(18)の右辺を展開すると、以下の式(22)、式(23)、および、式(24)を得る。ここで、Z軸方向への回転は無視できるものとする。
Figure 2009229670
Figure 2009229670
Figure 2009229670
ここで、式(22)、式(23)、および、式(24)において、sinα=α、cosα=1と近似し、sinβ=β、cosβ=1と近似すると、以下の式(25)、式(26)、および、式(27)を得る。
Figure 2009229670
Figure 2009229670
Figure 2009229670
式(26)において、−((x1−x0)×Fc2×α×β)/Fc1は、他項に比較して十分に小さい値であるので、これを削除すると以下の式(28)を得る。
Figure 2009229670
また、式(25)、式(28)、および、式(19)より以下の式(29)および式(30)を得る。
Figure 2009229670
Figure 2009229670
式(29)および式(30)の右辺を整理すると、以下の式(31)および式(32)を得る。
Figure 2009229670
Figure 2009229670
ここで、(x2−x1)=Δxとし、(y2−y1)=Δyとすると、対象点の移動量であるMotionExtentは以下の式で表される。
Figure 2009229670
本実施の形態では、最適なシャッタ速度を対象点の移動量から求める。式(31)および式(32)をβおよびαについて変形すると、以下の式(34)および式(35)を得る。
Figure 2009229670
Figure 2009229670
式(34)および式(35)はラジアン(radian)値であるため、ディグリー(degree)値に変換すると、以下の式(36)および式(37)を得る。
Figure 2009229670
Figure 2009229670
実際の手ぶれでは、X軸およびY軸の回転量が異なるため、α’およびβ’の値は異なり、その結果、移動量(x2−x1)および(y2−y1)も異なる。しかしながら、本実施の形態では、計算を簡略化するためにこれらが同じであると仮定する。その場合、Fc1およびFc2が同じである場合には、α’およびβ’は同値となる。そこで、X軸ジャイロセンサ31aおよびY軸ジャイロセンサ31bによって検出される角速度をそれぞれAngleVel_XおよびAngleVel_Yとし、α’を用いると、最適なシャッタ速度SSは以下の式(38)によって求められる。
Figure 2009229670
本実施の形態では、許容されるy方向の移動量(y2−y1)に基づいて式(37)によってα’を求め、X軸ジャイロセンサ31aおよびY軸ジャイロセンサ31bによって検出される角速度AngleVel_XおよびAngleVel_Yを、式(38)に代入することにより、最適なシャッタ速度SSを求める。そして、求めた最適なシャッタ速度SSに応じて撮像素子11を制御することにより、手ぶれの少ない画像を得ることができる。
つぎに、撮像装置10において実行される処理の詳細について、図6のフローチャートを参照して説明する。図6に示すフローチャートの処理が開始されると、以下のステップが実行される。すなわち、ステップS1では、プロセッサ33は、撮像素子11の撮像面における対象点の許容移動量Δyを決定する。なお、Δyの決定方法としては、例えば、格納部34に予めΔyの値を格納しておき、撮像装置10が起動された際に、この値を読み出すようにすればよい。
ステップS2では、プロセッサ13は、ユーザ・インタフェース15が有する図示せぬレリーズボタンが半押し状態にされたか否かを判定し、半押し状態にされた場合(ステップS2;Yes)にはステップS3に進み、それ以外の場合(ステップS2;No)には同様の処理を繰り返す。例えば、ユーザが被写体に対して撮像装置10を向け、レリーズボタンを半押し状態にした場合には(図7のS1参照)、ステップS2においてYesと判定されてステップS3に進む。
ステップS3では、プロセッサ13は、AF(Auto Focus)処理およびAE(Auto Exposure)処理を実行する(図7の「AF,AE処理」参照)。より詳細には、プロセッサ13は、輝度検知部12の検知結果に基づいて、被写体の輝度を検出し、最適な露出値を決定する。このAE処理の結果、検出された輝度に応じた最適な絞り値と、シャッタ速度とが決定される。また、プロセッサ13は、図3に示す撮像部40を制御して、被写体と撮像装置10との間の距離に応じて、AF処理を実行し、最適な焦点距離を決定する。そして、このようにして決定された絞り値、シャッタ速度、焦点距離は、格納部14に格納された後、後述するステップS6において、手ぶれ防止部30のプロセッサ33に供給される。
ステップS4では、プロセッサ13は、レリーズボタンが全押しの状態にされたか否かを判定し、全押しの状態にされたと判定した場合(図7のS2参照)にはステップS5に進み、それ以外の場合には同様の処理を繰り返す。例えば、ユーザが、被写体の構図を決定し、撮影を行うと判断してレリーズボタンを全押しの状態にした場合にはステップS5に進む。
ステップS5では、プロセッサ13は、手ぶれ防止部30に対して、レリーズボタンが全押しされたことを通知し、手ぶれ防止部30では、この通知に基づいて、ジャイロのサンプリング処理(図7の「サンプリング処理」参照)を開始する。より詳細には、プロセッサ33は、アナログ−デジタル変換部32aおよびアナログ−デジタル変換部32bの出力を一定の間隔でサンプリングし、ジャイロデータとして格納部34に格納する。なお、ジャイロセンサ31a,31bは、手ぶれ量に対応したX軸およびY軸周りの角速度を検出するが、手ぶれ量は時間的に変化するため、ジャイロセンサ31a,31bの出力は時間的に変動する。そこで、サンプリング処理では、1回ではなく複数回のサンプリングを行って、得られた複数回の角速度の平均値を算出し、得られた値をX軸およびY軸方向の角速度として用いることができる。
ステップS6では、プロセッサ33は、撮像情報をプロセッサ13を介して、格納部14から取得する。このとき、取得する撮像情報としては、前述したように、絞り値、シャッタ速度、および、焦点距離がある。
ステップS7では、プロセッサ33は、ジャイロのサンプリング処理を終了する。すなわち、プロセッサ33は、アナログ−デジタル変換部32aおよびアナログ−デジタル変換部32bからのデータの取得を終了する。なお、ジャイロセンサ31a,31bおよびアナログ−デジタル変換部32a,32bにおける消費電力を抑制するために、これらに対する電源電力の供給を、サンプリング処理が終了した時点で停止するようにしてもよい。
ステップS8では、プロセッサ33は、格納部34に格納されているジャイロデータを取得する。このとき、格納部34にはX軸およびY軸に関する複数のジャイロデータが格納されているので、前述したように、プロセッサ33は、これらのジャイロデータの平均値を求め、X軸およびY軸周りの角速度であるAngleVel_XおよびAngleVel_Yを得る。
ステップS9では、プロセッサ33は、手ぶれ防止処理を実行する(図7の「演算処理」参照)。より詳細には、プロセッサ33は、まず、プロセッサ13から撮像する画像のy方向の画素サイズ(Sy)を取得する。例えば、撮像素子11の縦×横の解像度が2304×2304画素である場合に、1画素の縦および横の長さがそれぞれ2.5μmであるとする。この場合に、撮像する画像の実質的な解像度が640×480画素である場合、複数の画素によって1画素が表現されるので、Syは=2304/480×2.5μm=12μm=0.012mmとなる。つぎに、プロセッサ33は、ステップS6において取得した撮像情報に含まれている焦点距離Fを格納部34から取得し、Fc2=F/Syに基づいてFc2を求める。そして、プロセッサ33は、ステップS1において決定したΔy(=y2−y1)と、Fc2に基づいて、式(37)に基づいてα’の値を算出する。そして、プロセッサ33は、ステップS8において算出したX軸周りの角速度AngleVel_XおよびY軸周りの角速度AngleVel_Yならびに前述したα’の値を式(38)に代入し、最適なシャッタ速度SSを算出する。
ステップS10では、プロセッサ33は、ステップS9において算出された最適なシャッタ速度SSに基づいて、実際のシャッタ速度を決定する。すなわち、プロセッサ33は、まず、得られたシャッタ速度SSを、撮像装置10において設定可能なシャッタ速度に変換する。図8は、撮像装置10において設定可能なシャッタ速度の一例を示す図である。この例では、シャッタ速度SSは、1secから1/4000secの範囲で、13種類の設定値の中から選択可能とされている。なお、「Tv」は、それぞれのシャッタ速度を指定するための値であり、この例では、0〜12の値によってSSの値を指定することができる。プロセッサ33は、ステップS9において算出したSSの値に最も近い値を、図8から検索し、得られた値を新たなSSの値とする。例えば、ステップS9で得られたSSの値が「1/150sec」である場合には、図8の「1/125sec」が新たなSSの値として選択される。なお、近い値を選択するのではなく、シャッタ速度が速い方の値を選択するようにしてもよい。その場合、ステップS9で得られたSSの値が「1/150sec」である場合には、図8の「1/250sec」が新たなSSの値として選択される。
つぎに、プロセッサ33は、ステップS6において取得した撮像情報に含まれているシャッタ速度SS(AE処理によって得られたシャッタ速度)と、前述した処理によって得られた新たなSSとを比較し、より速度が速い方のSSの値を、最終SS値とする。例えば、新たなSSの値が「1/125sec」であり、撮像情報に含まれているシャッタ速度SSの値が「1/60sec」である場合には、「1/125sec」が最終SS値として選択される。
一方、新たなSSの値が「1/125sec」であり、撮像情報に含まれているシャッタ速度SSの値が「1/250sec」である場合には、「1/250sec」が最終SS値として選択される。新たなSS値よりも、撮像情報に含まれているシャッタ速度の方が速い場合には、手ぶれの発生は防止されると考えられるからである。
以上のようにして算出されたシャッタ速度SS値(またはTv値)は、プロセッサ13に供給される。
ステップS11では、プロセッサ13は、ステップS10において求めたシャッタ速度SSに基づいて、撮像処理を実行する。具体的には、プロセッサ13は、以下に示す式(39)に対して、ステップS10で求めた最終シャッタ速度SSを代入するとともに、ステップS3のAE処理によって得た露光量Evを式(39)に代入し、感度値ISOまたは絞り値Avを決定する。例えば、「絞り優先」が設定されている場合には、ユーザによって設定された絞り値Avを用い、式(39)に基づいて感度値ISOを求める。また、ユーザによって感度値ISOが設定されている場合には、設定された感度値ISOを用いて、絞り値Avを求める。
Figure 2009229670
そして、プロセッサ13は、求めたこれらの撮像情報(絞り値Av、シャッタ速度SS、および、感度値ISO)に基づいて、撮像部40の設定を行った後、撮像を開始する(図7の「撮像開始」参照)。より詳細には、プロセッサ13は、絞り値Avに基づいて撮像部40の絞りを設定し、シャッタ速度SSに応じてシャッタ速度を設定し、感度値ISOに応じて感度を設定する。そして、図7のSOにおいて、撮像を開始し、得られた画像データに対してデータ圧縮処理等を施した後、得られた圧縮画像データを、格納部14に格納する。
以上に説明したように、本発明の実施の形態では、許容できる回転角度α’と、X軸ジャイロセンサ31aおよびY軸ジャイロセンサ31bによって検出された角速度AngleVel_XおよびAngleVel_Yに基づいて、式(38)によって最適なシャッタ速度SSを求め、求めたシャッタ速度SSに応じて撮像を行うようにした。このため、sinおよびcos等の演算をする必要がないので、安価なプロセッサでも高速に演算処理を実行することができる。また、ルックアップテーブルを設ける必要がないので、格納部34の必要な記憶容量を削減することができる。
また、本実施の形態では、手振れ防止処理の結果として得られたシャッタ速度SSに基づいて、絞り値Avおよび感度ISOを再計算するようにしたので、露光量を変えずに、手振れを防止することができる。
(D)変形実施の形態
以上、実施形態に基づいて本発明を説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。例えば、上記実施形態では、2つのジャイロセンサを設け、これらによって検出されたX軸およびY軸周りの角速度に基づいて、シャッタ速度SSを求めるようにしたが、X軸またはY軸のいずれかのジャイロセンサのみを設け、このジャイロセンサの出力に応じてシャッタ速度を求めるようにしてもよい。例えば、X軸ジャイロセンサのみを設ける場合には、以下の式(40)に基づいて、シャッタ速度SSを算出することができる。
Figure 2009229670
また、ジャイロセンサを1つだけ設けるとともに、このジャイロセンサをX軸およびY軸に対して所定の傾きを有するように配置してもよい。そのような場合には、X軸およびY軸の双方に対する回転角度を検出することができるので、検出された角速度に基づいてシャッタ速度SSを算出することができる。
また、以上の実施の形態では、X軸およびY軸周りの回転速度が略同じであると仮定したが、X軸およびY軸周りの回転速度が異なる場合には誤差が生じる。図9は、X軸とY軸周りの回転速度の比率を適宜変更した場合に発生する誤差の様子を示す図である。この図の横軸は、回転速度の比率を変更した場合における各サンプルを示している。また、縦軸は、近似計算を行わない場合を100%とした場合の誤差率を示している。シミュレーションによれば、X軸およびY軸の回転速度の比率が大きい場合ほど、誤差率が大きくなることが判明した。
そこで、以下の式(41)に示すように、SSを求める式に係数kを導入し、X軸およびY軸の回転速度の比率が1に近い場合(X軸の回転速度/Y軸の回転速度が1に近い場合)はkを“1”に設定し、X軸およびY軸の回転速度の比率が1から乖離する場合には角速度の比率に応じてkを“1”より小さい値に設定する。
Figure 2009229670
図10は、以上のような方法に基づくシミュレーション結果を示している。図10の場合では、図9の場合に比較して、誤差が少なくなっている。このように、回転速度に比率に応じてkの値を設定することにより、誤差の発生を抑えることができる。
また、式(41)におけるkの値を調整するのではなく、例えば、α’およびβ’のうち、値が小さい方を選択するようにしてもよい。すなわち、α’およびβ’を計算し、例えば、α’<β’である場合には、式(38)に基づいてシャッタ速度SSを計算し、逆に、α’>β’である場合には、式(38)のα’をβ’に置換した式に基づいてシャッタ速度SSを計算するようにしてもよい。
また、以上の実施の形態では、シャッタ速度SSを算出し、これを必要に応じてTv値に変換するようにしたが、Tv値への変換は、プロセッサ13側で行ってもよいし、プロセッサ33側で行ってもよい。また、式(39)に基づいて、絞り値Avおよび感度値ISOを求める処理は、プロセッサ13側で行ってもよいし、プロセッサ33側で行ってもよい。プロセッサ33側で行う場合には、プロセッサ13の負担を軽減することができる。また、プロセッサ13側で行う場合には、プロセッサ33の構成を小型化することができる。
また、以上の実施の形態では、手ぶれ防止部30にプロセッサ33を設け、このプロセッサ33によって、手ぶれ防止処理を実行するようにしたが、プロセッサ13にアナログ−デジタル変換部32aおよびアナログ−デジタル変換部32bからの出力を供給し、プロセッサ13が格納部14に格納されているプログラムに基づいて、手ぶれ防止処理を実行するようにしてもよい。そのような構成によれば、プロセッサ33を省略することにより、回路構成を小型化することができる。
また、手ぶれ防止部30をワンチップの回路構成とし、このような手ぶれ防止部30を撮像装置に組み込むことにより、手ぶれの発生を防止することができるようにしてもよい。さらに、X軸ジャイロセンサ31aおよびY軸ジャイロセンサ31bは、手ぶれ防止部30から独立した構成(外付け)としてもよいし、内蔵する構成としてもよい。
また、以上の説明においては、手ぶれ防止装置の機能を実現するための制御プログラムが格納部34に記憶されている場合について述べたが、この制御プログラムをRAM、ROM等の半導体記録媒体、FD、HD等の磁気記憶型記録媒体、CD、CDV、LD、DVD等の光学的読取方式記録媒体、MO等の磁気記録型/光学的読取方式記録媒体に記録することが可能であり、この記録媒体は、電子的、磁気的、光学的等の読み取り方法のいかんにかかわらず、コンピュータで読み取り可能な記録媒体であれば、どのような記録媒体であってもよい。そして、これらの記録媒体に記録された制御プログラムをプロセッサ33によって読み取って実行することにより、さらに、撮像装置10において、通信インタフェースとしてのネットワークインタフェースを設け、このネットワークインタフェースからネットワークを介して制御プログラムをダウンロードして実行することにより、上述した機能を実現する構成としてもよい。
実施形態に係る撮像装置の構成を示すブロック図である。 手ぶれ防止部の詳細な構成例を示す図である。 撮像素子を有する撮像部の詳細な構成例を示す図である。 手ぶれによる対象点の撮像素子上における移動の様子を示す図である。 撮像モデルを示す概念図である。 実施形態において実行される処理の一例を示すフローチャートである。 ユーザの操作と処理の流れの対応関係を示す図である。 シャッタ速度とTv値の関係を示す図である。 近似計算における誤差率を示す図である。 式(41)における誤差率を示す図である。
符号の説明
10…撮像装置、11…撮像素子、12…輝度検知部、13…プロセッサ、14…格納部、15…ユーザ・インタフェース、30…手ぶれ防止部、31a…X軸ジャイロセンサ(ジャイロセンサ)、31b…Y軸ジャイロセンサ(ジャイロセンサ)、32a…アナログ−デジタル変換部(入力手段)、32b…アナログ−デジタル変換部(入力手段)、33…プロセッサ(決定手段、算出手段)、34…格納部、40…撮像部、41…筐体、43…レンズ。

Claims (10)

  1. 撮像素子と、前記撮像素子の軸周りの角速度を検出するジャイロセンサと、を有する撮像装置によって画像を撮像する際に手ぶれを防止する手ぶれ防止装置において、
    前記撮像素子によって画像を撮像する際に、前記ジャイロセンサから出力される検出信号の入力を受ける入力手段と、
    前記撮像素子の露光時において前記軸周りに許容される手ぶれ回転角を決定する決定手段と、
    前記決定手段によって決定された前記許容される手ぶれ回転角を、前記入力手段を介して入力された前記検出信号によって求められる角速度で除算して得られる値に基づいてシャッタ速度を算出する算出手段と、
    を有することを特徴とする手ぶれ防止装置。
  2. 請求項1記載の手ぶれ防止装置において、
    前記ジャイロセンサは、前記撮像素子の横方向または縦方向の軸周りの角速度を検出し、
    前記決定手段は、前記横方向または縦方向の軸周りに許容される手ぶれ回転角を決定し、
    前記算出手段は、前記横方向または縦方向の軸周りに許容される手ぶれ回転角を、前記横方向または縦方向の軸周りの対応する角速度で除算して得られる値に基づいてシャッタ速度を算出する、
    ことを特徴とする手ぶれ防止装置。
  3. 請求項2記載の手ぶれ防止装置において、
    前記決定手段は、前記撮像素子に投影された被写体の任意の対象点の前記撮像素子上における前記横方向または縦方向に対する許容される移動量に、前記横方向または縦方向の画素サイズを乗算して得られる値を、前記撮像素子が有する光学系の焦点距離で除算して求まる値に基づいて前記許容される手ぶれ回転角を決定する、
    ことを特徴とする手ぶれ防止装置。
  4. 請求項3記載の手ぶれ防止装置において、
    前記ジャイロセンサは、前記撮像素子の前記横方向および縦方向のそれぞれの軸周りの角速度を検出し、
    前記決定手段は、前記横方向および縦方向のいずれか一方に対して許容される回転角を許容される手ぶれ回転角として決定し、
    前記算出手段は、前記横方向および縦方向のいずれか一方に対して許容される回転角を、前記横方向および縦方向の角速度の平均値によって除算した値に基づいてシャッタ速度を算出する、
    ことを特徴とする手ぶれ防止装置。
  5. 請求項4記載の手ぶれ防止装置において、
    前記算出手段は、前記横方向および縦方向のいずれか一方に対して許容される回転角を、前記横方向および縦方向の角速度の平均値によって除算した値に対して、前記横方向および縦方向の角速度の比率に対応する所定の値を乗算して得られた値に基づいてシャッタ速度を算出する、
    ことを特徴とする手ぶれ防止装置。
  6. 請求項3乃至5のいずれか1項記載の手ぶれ防止装置において、
    前記決定手段は、前記撮像素子が有する光学系がズーム調整を行った場合には、調整後における光学系の焦点距離に基づいて前記許容される手ぶれ回転角を決定する、
    ことを特徴とする手ぶれ防止装置。
  7. 請求項3乃至6のいずれか1項記載の手ぶれ防止装置において、
    前記決定手段は、前記撮像素子によって撮像する画像の解像度が変更された場合には、変更後における解像度によって定まる前記画素サイズに基づいて前記許容される手ぶれ回転角を決定する、
    ことを特徴とする手ぶれ防止装置。
  8. 請求項1乃至7のいずれか1項記載の手ぶれ防止装置を有する電子機器。
  9. 撮像素子と、前記撮像素子の軸周りの角速度を検出するジャイロセンサと、を有する撮像装置によって画像を撮像する際の手ぶれを防止する手ぶれ防止方法において、
    前記撮像素子によって画像を撮像する際に、前記ジャイロセンサから出力される検出信号の入力を受ける入力ステップと、
    前記撮像素子の露光時において前記軸周りに許容される手ぶれ回転角を決定する決定ステップと、
    前記決定ステップにおいて決定された前記許容される手ぶれ回転角を、前記入力ステップにおいて入力された前記検出信号によって求められる角速度で除算して得られる値に基づいてシャッタ速度を算出する算出ステップと、
    を有することを特徴とする手ぶれ防止方法。
  10. 撮像素子と、前記撮像素子の軸周りの角速度を検出するジャイロセンサと、を有する撮像装置をコンピュータにより制御し、画像を撮像する際の手ぶれを防止する手ぶれ防止プログラムにおいて、
    前記撮像素子によって画像を撮像する際に、前記ジャイロセンサから出力される検出信号の入力を受ける入力機能と、
    前記撮像素子の露光時において前記軸周りに許容される手ぶれ回転角を決定する決定機能と、
    前記決定機能によって決定された前記許容される手ぶれ回転角を、前記入力機能を介して入力された前記検出信号によって求められる角速度で除算して得られる値に基づいてシャッタ速度を算出する算出機能と、
    を前記コンピュータに実行させることを特徴とする手ぶれ防止プログラム。
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