JP5082985B2 - 撮像装置、撮像装置の制御方法、および、撮像装置の制御プログラム - Google Patents

撮像装置、撮像装置の制御方法、および、撮像装置の制御プログラム Download PDF

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本発明は、撮像装置、撮像装置の制御方法、および、撮像装置の制御プログラムに関する。
撮像装置において画像を撮像する際に、ユーザの手ぶれに起因して発生する画像の劣化を防止する手ぶれ軽減装置としては、手ぶれを打ち消す方向に光学系を移動させる技術(特許文献1参照)および撮像された複数の画像における被写体の移動に基づいて手ぶれを打ち消す技術(特許文献2参照)が存在する。
特開平07−092175号公報 特開2007−97195号公報
ところで、特許文献1に開示される技術では、光学系をアクチュエータによって駆動することから、手ぶれの速度が速い場合または手ぶれ量が大きい場合には手ぶれの軽減が困難となるという問題点がある。また、特許文献2に開示される技術では、環境が暗い場合には撮影された画像から被写体を特定することが困難となることから、手ぶれの軽減が困難となる。さらに、特許文献1および特許文献2の技術では、光学系の光軸を中心として回転する方向の手ぶれが生じた場合には、手ぶれを軽減することができないという問題点がある。
そこで本発明は、様々な種類の手ぶれを確実に軽減することが可能な撮像装置、撮像装置の制御方法、および、撮像装置の制御プログラムを提供することを目的とする。
〔形態1〕 上記課題を解決するため、形態1の撮像装置は、撮像素子と、前記撮像素子の軸周りの角速度を検出する角速度検出装置と、を有する撮像装置において、前記撮像素子によって画像を撮像する際に、前記角速度検出装置から出力される検出信号の入力を受ける入力手段と、前記撮像素子の撮像時において前記軸周りに許容される手ぶれ回転角を決定する決定手段と、前記決定手段によって決定された前記許容される手ぶれ回転角を、前記入力手段を介して入力された前記検出信号によって求められる角速度で除算して得られる値に基づいてシャッタ速度を算出する算出手段と、前記算出手段によって算出されたシャッタ速度に基づいて前記撮像素子を制御して撮像を行う制御手段と、前記制御手段によって撮像を行う際に前記撮像素子が有する光学系を制御することにより手ぶれを軽減するか、または、前記撮像素子によって撮像された画像に対して画像処理を施すことにより手ぶれを軽減する手ぶれ軽減手段と、を有することを特徴とする。
上記構成によれば、許容される手ぶれ回転角を、角速度検出装置からの検出信号によって求められる角速度で除算して得られる値に基づいてシャッタ速度を算出し、算出されたシャッタ速度に基づいて撮像素子を制御して撮像を行うとともに、撮像を行う際に、撮像素子が有する光学系を制御することにより手ぶれを軽減するか、または、撮像素子によって撮像された画像に対して画像処理を施すことにより手ぶれを軽減する。このため、様々な種類の手ぶれを確実に軽減することが可能となる。
〔形態2〕 形態2の撮像装置は、形態1の撮像装置において、前記角速度検出装置は、前記撮像素子の縦方向または横方向の軸周りの角速度を検出し、前記決定手段は、前記縦方向または横方向の軸周りに許容される手ぶれ回転角を決定し、前記算出手段は、前記縦方向または横方向の軸周りに許容される手ぶれ回転角を、前記縦方向または横方向の軸周りの対応する角速度で除算して得られる値に基づいてシャッタ速度を算出することを特徴とする。
上記構成によれば、算出手段は、撮像素子の縦方向または横方向の軸周りに許容される手ぶれ回転角を、縦方向または横方向の軸周りの対応する角速度で除算して得られる値に基づいてシャッタ速度を算出する。このため、撮像素子の横方向または縦方向の軸周りの手ぶれを確実に軽減することができる。
〔形態3〕 形態3の撮像装置は、形態1または2の撮像装置において、前記角速度検出装置は、前記撮像素子の撮像面の法線方向の軸周りの角速度を検出し、前記決定手段は、前記法線方向の軸周りに許容される手ぶれ回転角を決定し、前記算出手段は、前記法線方向の軸周りに許容される手ぶれ回転角を、前記法線方向の軸周りの対応する角速度で除算して得られる値に基づいてシャッタ速度を算出することを特徴とする。
上記構成によれば、算出手段は、撮像素子の撮像面の法線方向の軸周りに許容される手ぶれ回転角を、法線方向の軸周りの対応する角速度で除算して得られる値に基づいてシャッタ速度を算出する。このため、手ぶれ軽減手段では軽減することが困難な、撮像素子の法線方向の軸周りの手ぶれについても軽減することができる。
〔形態4〕 形態4の撮像装置は、形態1乃至3の撮像装置において、前記手ぶれ軽減手段は、前記撮像素子が有する光学系を制御することにより手ぶれを軽減し、前記算出手段は、前記手ぶれ軽減手段による軽減範囲を超える手ぶれが生じた場合に、当該超えた部分に基づいてシャッタ速度を算出することを特徴とする。
上記構成によれば、算出手段は、光学系を制御することにより手ぶれを軽減する手ぶれ軽減手段による軽減範囲を超える手ぶれが生じた場合に、当該超えた部分に基づいてシャッタ速度を算出する。このため、手ぶれ軽減手段による軽減範囲を超える手ぶれが生じた場合に、その程度に応じたシャッタ速度が計算されて、手ぶれが軽減されることから、速度が速い手ぶれや振幅が大きい手ぶれにも対応することができる。
〔形態5〕 形態5の撮像装置は、形態1乃至3の撮像装置において、前記手ぶれ軽減手段は、撮像された画像に対して画像処理を施すことにより手ぶれを軽減し、前記制御手段は、環境光が所定の輝度よりも高い場合には、前記撮像装置またはユーザによって設定されたシャッタ速度に基づいて前記撮像素子に撮像を行わせ、環境光が所定の輝度よりも低い場合には、前記算出手段によって算出されたシャッタ速度に基づいて前記撮像素子に撮像を行わせることを特徴とする。
上記構成によれば、環境光が所定の輝度よりも高い場合には、撮像装置またはユーザによって設定されたシャッタ速度に基づいて撮像素子に撮像を行わせ、環境光が所定の輝度よりも低い場合には、算出手段によって算出されたシャッタ速度に基づいて撮像素子に撮像を行わせ、手ぶれ軽減手段が撮像された画像に対して画像処理を施すことにより手ぶれを軽減する。このため、手ぶれ軽減が困難である環境光の輝度が低い状態では、算出手段によって算出されたシャッタ速度に基づいて撮像が行われるので、そのような状態の場合であっても手ぶれを確実に軽減することができる。
〔形態6〕 形態6の撮像装置の制御方法は、撮像素子と、前記撮像素子の軸周りの角速度を検出する角速度検出装置と、を有する撮像装置の制御方法において、前記撮像素子によって画像を撮像する際に、前記角速度検出装置から出力される検出信号の入力を受ける入力ステップと、前記撮像素子の撮像時において前記軸周りに許容される手ぶれ回転角を決定する決定ステップと、前記決定ステップにおいて決定された前記許容される手ぶれ回転角を、前記入力ステップにおいて入力された前記検出信号によって求められる角速度で除算して得られる値に基づいてシャッタ速度を算出する算出ステップと、前記算出ステップにおいて算出されたシャッタ速度によって撮像素子により撮像を行う制御を行う制御ステップと、前記撮像素子によって撮像を行う際に撮像素子が有する光学系を制御することにより手ぶれを軽減するか、または、前記撮像素子によって撮像された画像に対して画像処理を施すことにより手ぶれを軽減する手ぶれ軽減ステップと、を有することを特徴とする。
上記方法によれば、許容される手ぶれ回転角を、角速度検出装置からの検出信号によって求められる角速度で除算して得られる値に基づいてシャッタ速度を算出し、算出されたシャッタ速度に基づいて撮像素子を制御して撮像を行うとともに、撮像を行う際に、撮像素子が有する光学系を制御することにより手ぶれを軽減するか、または、撮像素子によって撮像された画像に対して画像処理を施すことにより手ぶれを軽減する。このため、様々な種類の手ぶれを確実に軽減することが可能となる。
〔形態7〕 形態7の撮像装置の制御プログラムは、撮像素子と、前記撮像素子の軸周りの角速度を検出する角速度検出装置と、を有する撮像装置の制御プログラムにおいて、前記撮像素子によって画像を撮像する際に、前記角速度検出装置から出力される検出信号の入力を受ける入力手段、前記撮像素子の撮像時において前記軸周りに許容される手ぶれ回転角を決定する決定手段、前記決定手段によって決定された前記許容される手ぶれ回転角を、前記入力手段を介して入力された前記検出信号によって求められる角速度で除算して得られる値に基づいてシャッタ速度を算出する算出手段、前記算出手段によって算出されたシャッタ速度によって撮像素子により撮像を行う制御を行う制御手段、前記撮像素子によって撮像を行う際に撮像素子が有する光学系を制御することにより手ぶれを軽減するか、または、前記撮像素子によって撮像された画像に対して画像処理を施すことにより手ぶれを軽減する手ぶれ軽減手段、としてコンピュータを機能させることを特徴とする。
上記プログラムによれば、許容される手ぶれ回転角を、角速度検出装置からの検出信号によって求められる角速度で除算して得られる値に基づいてシャッタ速度を算出し、算出されたシャッタ速度に基づいて撮像素子を制御して撮像を行うとともに、撮像を行う際に、撮像素子が有する光学系を制御することにより手ぶれを軽減するか、または、撮像素子によって撮像された画像に対して画像処理を施すことにより手ぶれを軽減する。このため、様々な種類の手ぶれを確実に軽減することが可能となる。
以下、本発明を適用した実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下では、(A)本発明の第1実施形態の構成例、(B)本発明の第1実施形態の動作の概要、(C)本発明の第1実施形態の詳細な動作、(D)本発明の第2実施形態、(E)本発明の第3実施形態、(F)本発明の第4実施形態、(G)変形実施の形態の順に説明する。
(A)本発明の第1実施形態の構成例
図1は、本実施形態に係る撮像装置10の概略構成を示すブロック図である。撮像装置10(請求項中「撮像装置」に対応)は、撮像素子11(請求項中「撮像素子」に対応)、輝度検知部12、プロセッサ13(請求項中「制御手段」に対応)、格納部14、ユーザ・インタフェース15、手ぶれ防止部30、および、光学手ぶれ軽減部50(請求項中「手ぶれ軽減手段」に対応)を有している。ここで、撮像素子11は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)等によって構成され、被写体の光画像を対応する画像信号に変換して出力する。なお、撮像素子11は、図3を参照して後述する撮像部40に内蔵されている。輝度検知部12は、例えば、フォトダイオード等によって構成され、被写体の輝度を検知し、検知した輝度に対応する信号を出力する。プロセッサ13は、格納部14に格納されているプログラム等に基づいて、撮像素子11の感度、焦点距離、絞り、露光時間等を設定し制御する。格納部14は、例えば、半導体メモリによって構成され、プロセッサ13が実行するルーチン、プログラム、オブジェクト・コンポーネント、データ構造等のプロセッサ13が読み取り可能なコードを格納する。ユーザ・インタフェース15は、操作ボタン等および表示部によって構成され、ユーザの操作に応じた情報を生成して出力するとともに、情報を表示する。手ぶれ防止部30は、後述するジャイロセンサによって検出された角速度および許容される回転角に基づいて、シャッタ速度を算出し、プロセッサ13に出力する。光学手ぶれ軽減部50は、手ぶれ防止部30に内蔵されているX軸およびY軸のジャイロセンサの出力に基づいて、図3を参照して後述する撮像部40のレンズ43を図示せぬアクチュエータによって駆動することにより、手ぶれを光学的方法によって軽減する。
図2は、図1に示す手ぶれ防止部30の詳細な構成例を示す図である。この図に示すように、手ぶれ防止部30は、X軸ジャイロセンサ31a(請求項中「角速度検出装置」に対応)、Y軸ジャイロセンサ31b(請求項中「角速度検出装置」に対応)、Z軸ジャイロセンサ31c(請求項中「角速度検出装置」に対応)、アナログ−デジタル変換部32a(請求項中「入力手段」に対応)、アナログ−デジタル変換部32b(請求項中「入力手段」に対応)、アナログ−デジタル変換部32c(請求項中「入力手段」に対応)、プロセッサ33(請求項中「決定手段」および「算出手段」に対応)、および、格納部34を有している。
ここで、X軸ジャイロセンサ31aは、例えば、振動ジャイロセンサによって構成され、撮像素子11の撮像面の横方向(走査線の方向)に対応するX軸を中心とする角速度を検出して出力する。Y軸ジャイロセンサ31bは、同じく、振動ジャイロセンサによって構成され、撮像素子11の撮像面の縦方向(走査線に直交する方向)に対応するY軸を中心とする角速度を検出して出力する。Z軸ジャイロセンサ31cは、同じく、振動ジャイロセンサによって構成され、撮像素子11の撮像面の法線方向に対応するZ軸を中心とする角速度を検出して出力する。アナログ−デジタル変換部32aは、X軸ジャイロセンサ31aから出力される角速度を示すアナログ信号をデジタル信号に変換して出力する。アナログ−デジタル変換部32bは、Y軸ジャイロセンサ31bから出力される角速度を示すアナログ信号をデジタル信号に変換して出力する。アナログ−デジタル変換部32cは、Z軸ジャイロセンサ31cから出力される角速度を示すアナログ信号をデジタル信号に変換して出力する。プロセッサ33は、格納部34に格納されているプログラムを実行し、アナログ−デジタル変換部32a,32b,32cから出力されるX軸、Y軸、Z軸周りの角速度に基づいて、手ぶれを防止するためのシャッタ速度を算出し、得られたシャッタ速度をプロセッサ13に通知する。格納部34は、例えば、半導体メモリによって構成され、プロセッサ33が実行するルーチン、プログラム、オブジェクト・コンポーネント、データ構造等のプロセッサ33が読み取り可能なコードを格納する。
図3は、図1に示す撮像素子11が内蔵されている撮像部40の詳細な構成例を示す図である。撮像部40は、立方体形状を有する筐体41を有している。筐体41の天面42には、被写体からの光画像を収束するためのレンズ43が設けられている。筐体41内部の底面(不図示)には、レンズ43によって収束された光画像を対応する画像信号に変換するための撮像素子11が設けられている。なお、撮像素子11は、走査線の方向である横方向が図中のX軸方向に一致するように配置され、また、走査線と直交する方向である縦方向が図中のY軸方向に一致するように配置され、さらに、撮像面の法線が図中のZ軸に一致するように配置されている。筐体41のX軸とその法線が一致する側面44には、X軸ジャイロセンサ31aが配設されている。また、筐体41のY軸とその法線が一致する側面45には、Y軸ジャイロセンサ31bが配設されている。さらに、天面42にはZ軸ジャイロセンサ31cが配設されている。側面45には、撮像素子11を制御するための制御信号、撮像素子11から出力される画像信号、レンズ43を制御するための制御信号が伝送される信号線群を有するとともに、プロセッサ13に接続されるフレキシブルケーブル46が設けられている。なお、図3では省略してあるが、筐体41の内部には、光学手ぶれ軽減部50からの制御信号によって、撮像素子11の縦方向および横方向にレンズ43を駆動するアクチュエータが配設されている。
なお、図3の例では、X軸ジャイロセンサ31a、Y軸ジャイロセンサ31b、および、Z軸ジャイロセンサ31cは、筐体41の側面44,45および天面42にそれぞれ設けられているが、角速度は撮像装置10のどの場所でも同じであるので、検出しようとする軸方向さえ一致していれば、撮像装置10の任意の場所に設けることができる。一例として、図3に示すように、フレキシブルケーブル46の一部にY軸ジャイロセンサ31bを設けるようにしてもよい。
(B)本発明の第1実施形態の動作の概要
つぎに、本発明の第1実施形態の動作の概要について説明する。図4は、図3に示す撮像部40がX軸、Y軸、または、Z軸を中心として回転された場合において、撮像素子11の撮像面上における対象点の移動の様子を示す図である。図4(A)は、撮像素子11をY軸を中心として回転させた場合における、撮像面に投影された被写体の任意の点としての対象点の動きを示している。この図に示すように、Y軸を中心として撮像素子11を回転させた場合には、対象点は矢印で示すように、撮像素子11の走査線の方向であるx方向(横方向)に移動する。図4(B)は、撮像素子11をX軸を中心として回転させた場合における、撮像面上における対象点の動きを示している。この図に示すように、X軸を中心として撮像素子11を回転させた場合には、対象点は矢印で示すように、撮像素子11の走査線に直交する方向であるy方向(横方向)に移動する。図4(C)は、撮像素子11をZ軸を中心として回転させた場合における、撮像面上における対象点の動きを示している。この図に示すように、Z軸を中心として撮像素子11を回転させた場合には、対象点は矢印で示すように、撮像素子11の中央付近を中心として回転する方向に移動する。
ところで、Z軸方向のぶれを考えない場合に、撮像素子11の露光開始時における対象点の位置を(x1,y1)とし、露光終了時における対象点の位置を(x2,y2)とした場合、露光開始から終了までの間に対象点はx方向にx2−x1だけ移動し、y方向にy2−y1だけ移動する。このとき、x方向およびy方向の画素サイズをSx,Syとした場合、対象点の移動画素数は、x方向およびy方向のそれぞれに対して(x2−x1)/Sxおよび(y2−y1)/Syとなる。このような対象点の移動画素数が少ない程、手ぶれの小さい画像となる。そこで、本実施の形態では、露光開始から終了までの期間において、対象点のx方向またはy方向への許容できる移動量に対応する撮像素子11のX軸またはY軸の回転角度を求め、当該回転角度をジャイロセンサによって検出された角速度によって除算することにより得られる値に基づいてシャッタ速度を算出することにより、移動点の撮像面上における移動量が許容移動量内に収まるように制御する。より詳細には、本実施の形態では、x方向およびy方向の移動量が同じであると仮定し、対象点のy方向への許容できる移動量に対応する撮像素子11のX軸の回転角α’を後述する式(37)に基づいて求め。そして、当該許容できる回転角α’を、後述する式(38)に示すように、レリーズボタンが全押しされた場合における、X軸ジャイロセンサ31aおよびY軸ジャイロセンサ31bから出力されるX軸周りおよびY軸周りの角速度AngleVel_XおよびAngleVel_Yの平均値によって除算することにより、シャッタ速度SSを求める。このようにして求められたシャッタ速度SSは、プロセッサ13に供給され、プロセッサ13は撮像素子11のシャッタ速度がSSになるように制御する。なお、以上の例では、Z軸周りの回転は考えないようにしたが、Z軸周りについても移動する方向が異なるだけで、原理は同じである。このような制御を行うことにより、撮像面上における対象点の移動量が許容移動量内に収まることから、手ぶれの少ない画像を得ることができる。
なお、本実施の形態では、手ぶれ防止部30による上述のような処理と併せて、光学手ぶれ軽減部50による手ぶれ軽減処理が実行される。このため、これらの2種類の手ぶれに関する処理により、それぞれの特徴を生かした手ぶれの軽減処理が実行されることから、様々な種類の手ぶれに対応することができる。例えば、光学手ぶれ軽減部50は、X軸およびY軸周りの手ぶれは有効に軽減することができるが、Z軸周りについては、軽減を行うことができない。しかし、手ぶれ防止部30は軸方向に拘わらず軽減を行うことができるので、これらの2つの処理部によって、どのような手ぶれも確実に軽減することができる。
(C)本発明の第1実施形態の詳細な動作
つぎに、本発明の実施の形態の詳細な動作について説明する。以下では、本実施形態における手ぶれ防止処理のアルゴリズムについて説明した後、実施の形態の具体的な動作について説明する。
図5は単純なレンズ・モデルに基づき定義された撮像モデルを示す概念図である。理解を容易にするために、焦点面は画像面に平行に設定され、また、レンズは比較的薄く、その光学軸は画像面に垂直であるとする。このとき、レンズはつぎの法則に従って作用するものとする。
Figure 0005082985
ここで、uはレンズ面から実世界対象までの距離を示し、vはレンズ面から集束画像までの距離を示し、fはレンズの焦点距離を示す。また、実世界対象の座標と画像における画素の座標との関係については以下のように定義されるものとする。
F:撮像装置の焦点距離
w=(xw,yw,zw):実世界対象座標における1点の位置
c=(xc,yc,zc):撮像装置座標における1点の位置
im=(xim,yim):画像面座標における1点の位置
focused=(xfocused,yfocused):焦点面座標における1点の位置
P=(x,y):画素座標における1点の位置
x:x方向画素サイズ
y:y方向画素サイズ
0:水平主点
0:垂直主点
λ:モデル倍率
α:撮像装置のX軸を中心とする回転角
β:撮像装置のY軸を中心とする回転角
γ:撮像装置のZ軸を中心とする回転角
実世界対象の座標と画素座標との関係は4つの構成要素を含む。関係の第1の構成要素は撮像装置と実世界対象座標との回転と並進である。
Figure 0005082985
ここで、RはX,Y,Z方向に対する回転を定義する3×3の回転マトリクスであり、また、Tは原点間の並進を定義する三次元並進ベクトルである。
また、関係の第2の構成要素は実世界対象座標から画像面への透視投影である。この透視投影は簡略化ピンホール・カメラ投影モデルに基づいている。
Figure 0005082985
図5に示す単純レンズ・モデルにより、第3の構成要素は撮像装置10の焦点面および画像面を(u,v,f)の関数であるモデル倍率λと以下のように関連付ける。
Figure 0005082985
ここで、(xim,yim)は二次元画像面座標に投影された点であり、(xfocused,yfocused)は二次元焦点面座標で対応する点であり、λはv/fに比例し、その値は“1”に近い。
また、関係の第4の構成要素は焦点面と画像素座標との変換である。
Figure 0005082985
従って、実世界対象座標と画素座標との関係は以下の通り式(2),(3),(4),および式(5)の組み合わせである。この結果、座標投影CPは以下のように表現できる。
Figure 0005082985
また、次のようにも表現できる。
Figure 0005082985
x方向画素サイズSxおよびy方向画素サイズSyは、焦点面上の撮像素子11の解像度から計算される。なお、撮像の解像度が変更された場合には、x方向画素サイズSxおよびy方向画素サイズSyは変更される。
本実施の形態では、露光が開始されてから終了するまでの間の撮像装置10の動きは、単なる回転であると仮定する。この仮定の下では、並進ベクトルTはゼロベクトルとなる。
Figure 0005082985
この結果、式(7)の撮像装置モデルは以下のように簡略化できる。
Figure 0005082985
式(9)における回転マトリクスRは次のように計算される。
Figure 0005082985
X軸に対する回転を表すマトリクスは以下のように表される。
Figure 0005082985
Y軸に対する回転を表すマトリクスは以下のように表される。
Figure 0005082985
Z軸に対する回転を表すマトリクスは以下のように表される。
Figure 0005082985
以上に定義したように、α、β、および、γは、それぞれ、X軸、Y軸、および、Z軸の周りに回転された角度で、角速度と露光時間と以下のように関係している。
Figure 0005082985
ここで、Eは露光期間、Gx、Gy、および、Gzは、後述するようにジャイロセンサから得られる角速度である。なお、Nは露光期間E中に得られたジャイロセンサのサンプル数である。
回転の前に撮像装置座標は実世界対象座標と位置合わせされる。従って回転前の回転マトリクスは以下のように表される。
Figure 0005082985
回転がない場合、実世界対象点Pw=(Px,Py,Pz)に対応する画素座標は以下の式によって表される。
Figure 0005082985
ここで、(x1,y1)は、実世界対象座標の点Pwに対応する画素座標である。回転は、上述のように撮像装置10の露光開始から終了までの間のX軸、Y軸、および、Z軸に対する単純な回転と仮定されるが、回転された角度はそれぞれα、β、および、γで表される。回転マトリクスRは、式(10)によって表される。さらに、撮像装置10の回転前の実世界対象点Pw=(xw,yw,zw)に対応する画素座標は式(16)で表される。式(16)から、実世界対象座標の点Pw=(xw,yw,zw)は以下の式によって表すことができる。
Figure 0005082985
説明を簡略化するために、撮像装置10の露光中に被写体は動かないと仮定される。式(17)および式(9)から、各画素の回転前後の関係が画像座標で得られる。
Figure 0005082985
ここで、(x2,y2)は撮像装置10の回転後の実世界対象点Pwに対応する画像の画素座標であり、(x1,y1)は撮像装置10の回転前の実世界対象点に対応する画素座標である。
画像における各画素に対する動きベクトルは次のように表すことができる。
Figure 0005082985
本実施の形態では、計算量を減らすために、式(11)、式(12)、および、式(13)のsinαおよびcosαを以下のようにマクローリン展開する。
Figure 0005082985
Figure 0005082985
ここで、α<<1であるとすると、式(20)および式(21)の右辺の第2項以降は無視することができるので、sinα=αと近似し、また、cosα=1と近似することができる。
式(18)の右辺を展開すると、以下の式(22)、式(23)、および、式(24)を得る。ここで、Z軸周りへの回転は無視できるものとする。
Figure 0005082985
Figure 0005082985
Figure 0005082985
ここで、式(22)、式(23)、および、式(24)において、sinα=α、cosα=1と近似し、sinβ=β、cosβ=1と近似すると、以下の式(25)、式(26)、および、式(27)を得る。
Figure 0005082985
Figure 0005082985
Figure 0005082985
式(26)において、−((x1−x0)×Fc2×α×β)/Fc1は、他項に比較して十分に小さい値であるので、これを削除すると以下の式(28)を得る。
Figure 0005082985
また、式(25)、式(28)、および、式(19)より以下の式(29)および式(30)を得る。
Figure 0005082985
Figure 0005082985
式(29)および式(30)の右辺を整理すると、以下の式(31)および式(32)を得る。
Figure 0005082985
Figure 0005082985
ここで、(x2−x1)=Δxとし、(y2−y1)=Δyとすると、対象点の移動量であるMotionExtentは以下の式で表される。
Figure 0005082985
本実施の形態では、最適なシャッタ速度を対象点の移動量から求める。式(31)および式(32)をβおよびαについて変形すると、以下の式(34)および式(35)を得る。
Figure 0005082985
Figure 0005082985
式(34)および式(35)はラジアン(radian)値であるため、ディグリー(degree)値に変換すると、以下の式(36)および式(37)を得る。
Figure 0005082985
Figure 0005082985
実際の手ぶれでは、X軸およびY軸の回転量が異なるため、α’およびβ’の値は異なり、その結果、移動量(x2−x1)および(y2−y1)も異なる。しかしながら、本実施の形態では、計算を簡略化するためにこれらが同じであると仮定する。その場合、Fc1およびFc2が同じである場合には、α’およびβ’は同値となる。
さらに、Z軸を中心とする回転量をγ’とし、γ’についても同値と仮定する。その結果、X軸ジャイロセンサ31a、Y軸ジャイロセンサ31b、および、Z軸ジャイロセンサ31cによって検出される角速度をそれぞれAngleVel_X、AngleVel_Y、および、Anglevel_Zとし、α’を用いると、最適なシャッタ速度SSは以下の式(38)によって求められる。
Figure 0005082985
本実施の形態では、許容されるy方向の移動量(y2−y1)に基づいて式(37)によってα’を求め、X軸ジャイロセンサ31a、Y軸ジャイロセンサ31b、および、Z軸ジャイロセンサ31cによって検出される角速度AngleVel_X、AngleVel_Y、Anglevel_Zを、式(38)に代入することにより、最適なシャッタ速度SSを求める。そして、求めた最適なシャッタ速度SSに応じて撮像素子11を制御する。また、撮像の際には、X方向およびY方向については、光学手ぶれ軽減部50によって、光学的に手ぶれの軽減を行う。これにより、手ぶれが生じにくいシャッタ速度によって撮影がなされるとともに、撮像中に手ぶれが生じた場合であっても、光学手ぶれ軽減部50によって手ぶれによる画像の劣化が抑制される。また、光学手ぶれ軽減部50は、レンズ43の光軸方向であるZ軸周りの手ぶれに対しては対処することができないが、手ぶれ防止部30はそのようなZ軸周りの手ぶれについても軽減させることができる。
つぎに、撮像装置10において実行される処理の詳細について、図6のフローチャートを参照して説明する。図6に示すフローチャートの処理が開始されると、以下のステップが実行される。すなわち、ステップS1では、プロセッサ33は、撮像素子11の撮像面における対象点の許容移動量Δyを決定する。なお、Δyの決定方法としては、例えば、格納部34に予めΔyの値を格納しておき、撮像装置10が起動された際に、この値を読み出すようにすればよい。
ステップS2では、プロセッサ13は、ユーザ・インタフェース15が有する図示せぬレリーズボタンが半押し状態にされたか否かを判定し、半押し状態にされた場合にはステップS3に進み、それ以外の場合には同様の処理を繰り返す。例えば、ユーザが被写体に対して撮像装置10を向け、レリーズボタンを半押し状態にした場合には(図7のS1参照)、ステップS2においてYesと判定されてステップS3に進む。
ステップS3では、プロセッサ13は、AF(Auto Focus)処理およびAE(Auto Exposure)処理を実行する(図7の「AF,AE処理」参照)。より詳細には、プロセッサ13は、輝度検知部12の検知結果に基づいて、被写体の輝度を検出し、最適な露出値を決定する。このAE処理の結果、検出された輝度に応じた最適な絞り値と、シャッタ速度とが決定される。また、プロセッサ13は、図3に示す撮像部40を制御して、被写体と撮像装置10との間の距離に応じて、AF処理を実行し、最適な焦点距離を決定する。そして、このようにして決定された絞り値、シャッタ速度、焦点距離は、格納部14に格納された後、後述するステップS6において、手ぶれ防止部30のプロセッサ33に供給される。
ステップS4では、プロセッサ13は、レリーズボタンが全押しの状態にされたか否かを判定し、全押しの状態にされたと判定した場合(図7のS2参照)にはステップS5に進み、それ以外の場合には同様の処理を繰り返す。例えば、ユーザが、被写体の構図を決定し、撮影を行うと判断してレリーズボタンを全押しの状態にした場合にはステップS5に進む。
ステップS5では、プロセッサ13は、手ぶれ防止部30に対して、レリーズボタンが全押しされたことを通知し、手ぶれ防止部30では、この通知に基づいて、ジャイロのサンプリング処理(図7の「サンプリング処理」参照)を開始する。より詳細には、プロセッサ33は、アナログ−デジタル変換部32a、アナログ−デジタル変換部32b、および、アナログ−デジタル変換部32cの出力を一定の間隔でサンプリングし、ジャイロデータとして格納部34に格納する。なお、ジャイロセンサ31a,31b,31cは、手ぶれ量に対応したX軸、Y軸、Z軸周りの角速度を検出するが、手ぶれ量は時間的に変化するため、ジャイロセンサ31a,31b,31cの出力は時間的に変動する。そこで、サンプリング処理では、1回ではなく複数回のサンプリングを行って、得られた複数回の角速度の平均値を算出し、得られた値をX軸、Y軸、Z軸周りの角速度として用いることができる。
ステップS6では、プロセッサ33は、撮像情報をプロセッサ13を介して、格納部14から取得する。このとき、取得する撮像情報としては、前述したように、絞り値、シャッタ速度、および、焦点距離がある。
ステップS7では、プロセッサ33は、ジャイロのサンプリング処理を終了する。すなわち、プロセッサ33は、アナログ−デジタル変換部32a,32b,32cからのデータの取得を終了する。なお、ジャイロセンサ31a,31b,31cおよびアナログ−デジタル変換部32a,32b,32cにおける消費電力を抑制するために、これらに対する電源電力の供給を、サンプリング処理が終了した時点で停止するようにしてもよい。
ステップS8では、プロセッサ33は、格納部34に格納されているジャイロデータを取得する。このとき、格納部34にはX軸、Y軸、Z軸に関する複数のジャイロデータが格納されているので、前述したように、プロセッサ33は、これらのジャイロデータの平均値を求め、X軸、Y軸、Z軸周りの角速度であるAngleVel_X、AngleVel_Y、AngleVel_Zを得る。
ステップS9では、プロセッサ33は、手ぶれ防止処理を実行する(図7の「演算処理」参照)。より詳細には、プロセッサ33は、まず、プロセッサ13から撮像する画像のy方向の画素サイズ(Sy)を取得する。例えば、撮像素子11の縦×横の解像度が2304×2304画素である場合に、1画素の縦および横の長さがそれぞれ2.5μmであるとする。この場合に、撮像する画像の実質的な解像度が640×480画素である場合、複数の画素によって1画素が表現されるので、Syは=2304/480×2.5μm=12μm=0.012mmとなる。つぎに、プロセッサ33は、ステップS6において取得した撮像情報に含まれている焦点距離Fを格納部34から取得し、Fc2=F/Syに基づいてFc2を求める。そして、プロセッサ33は、ステップS1において決定したΔy(=y2−y1)と、Fc2に基づいて、式(37)に基づいてα’の値を算出する。そして、プロセッサ33は、ステップS8において算出したX軸周りの角速度AngleVel_X、Y軸周りの角速度AngleVel_Y、および、Z軸周りの角速度AngleVel_Zならびに前述したα’の値を式(38)に代入し、最適なシャッタ速度SSを算出する。
ステップS10では、プロセッサ33は、ステップS9において算出された最適なシャッタ速度SSに基づいて、シャッタ速度を決定する。すなわち、プロセッサ33は、まず、得られたシャッタ速度SSを、撮像装置10において設定可能なシャッタ速度に変換する。図8は、撮像装置10において設定可能なシャッタ速度の一例を示す図である。この例では、シャッタ速度SSは、1secから1/4000secの範囲で、13種類の設定値の中から選択可能とされている。なお、「Tv」は、それぞれのシャッタ速度を指定するための値であり、この例では、0〜12の値によってSSの値を指定することができる。プロセッサ33は、ステップS9において算出したSSの値に最も近い値を、図8から検索し、得られた値を新たなSSの値とする。例えば、ステップS9で得られたSSの値が「1/150sec」である場合には、図8の「1/125sec」が新たなSSの値として選択される。なお、近い値を選択するのではなく、シャッタ速度が速い方の値を選択するようにしてもよい。その場合、ステップS9で得られたSSの値が「1/150sec」である場合には、図8の「1/250sec」が新たなSSの値として選択される。
つぎに、プロセッサ33は、ステップS6において取得した撮像情報に含まれているシャッタ速度SSと、前述した処理によって得られた新たなSSとを比較し、より速度が速い方のSSの値を、最終SS値とする。例えば、新たなSSの値が「1/125sec」であり、撮像情報に含まれているシャッタ速度SSの値が「1/60sec」である場合には、「1/125sec」が最終SS値として選択される。
一方、新たなSSの値が「1/125sec」であり、撮像情報に含まれているシャッタ速度SSの値が「1/250sec」である場合には、「1/250sec」が最終SS値として選択される。新たなSS値よりも、撮像情報に含まれているシャッタ速度の方が速い場合には、手ぶれの発生は防止されると考えられるからである。
以上のようにして算出されたシャッタ速度SS値(またはTv値)は、プロセッサ13に供給される。
ステップS11では、プロセッサ13は、ステップS10において求めたシャッタ速度SSに基づいて、撮像処理を実行する。具体的には、プロセッサ13は、以下に示す式(39)に対して、ステップS10で求めた最終シャッタ速度SSを代入するとともに、ステップS3のAE処理によって得た露光量Evを式(39)に代入し、感度値ISOまたは絞り値Avを決定する。例えば、「絞り優先」が設定されている場合には、ユーザによって設定された絞り値Avを用い、式(39)に基づいて感度値ISOを求める。また、ユーザによって感度値ISOが設定されている場合には、設定された感度値ISOを用いて、絞り値Avを求める。
Figure 0005082985
そして、プロセッサ13は、求めたこれらの撮像情報(絞り値Av、シャッタ速度SS、および、感度値ISO)に基づいて、撮像部40の設定を行った後、光学手ぶれ軽減を伴う撮像を開始する(図7の「撮像開始」参照)。より詳細には、プロセッサ13は、絞り値Avに基づいて撮像部40の絞りを設定し、シャッタ速度SSに応じてシャッタ速度を設定し、感度値ISOに応じて感度を設定する。そして、図7のSOにおいて、撮像を開始する。撮像が開始されると、光学手ぶれ軽減部50は、手ぶれ防止部30のX軸ジャイロセンサ31aおよびY軸ジャイロセンサ31bから出力されるX軸およびY軸を中心とするその時点における角速度を入力する。図4(A)に示すように、Y軸を中心とする手ぶれは対象点をx方向に移動させる動きとなるので、光学手ぶれ軽減部50は、Y軸ジャイロセンサ31bからの出力に応じてレンズ43をx方向に移動させ、対象点のx方向への移動をキャンセルする。また、図4(B)に示すように、X軸を中心とする手ぶれは対象点をy方向に移動させる動きとなるので、光学手ぶれ軽減部50は、X軸ジャイロセンサ31bからの出力に応じてレンズ43をy方向に移動させ、対象点のy方向への移動をキャンセルする。このような処理により、撮像中において、手ぶれが生じた場合であっても、光学手ぶれ軽減部50によって、レンズ43が手ぶれをキャンセルする方向に移動されるので、撮像された画像の劣化を防ぐことができる。
以上のような撮像処理によって得られた画像データは、データ圧縮処理等が施された後、格納部14に格納される。
以上に説明したように、本発明の実施の形態では、許容できる回転角度α’と、X軸ジャイロセンサ31a、Y軸ジャイロセンサ31b、および、Z軸ジャイロセンサ31cによって検出された角速度AngleVel_X、AngleVel_Y、および、AngleVel_Zに基づいて、式(38)によって最適なシャッタ速度SSを求め、求めたシャッタ速度SSに応じて撮像を行うようにした。このため、三角関数および行列式の演算をする必要がないので、安価なプロセッサでも高速に演算処理を実行することができる。また、ルックアップテーブルを設ける必要がないので、格納部34の必要な記憶容量を削減することができる。
また、本実施の形態では、Z軸ジャイロセンサ31cの出力についても参照するようにしたので、光学手ぶれ軽減部50による軽減が困難なZ軸を中心とする手ぶれについても対応することができる。また、Z軸を中心とする補正を行う場合であっても、前述の場合と同様に、三角関数および行列式の演算を行う必要がなく、また、ルックアップテーブルを設ける必要もない。
また、本実施の形態では、光学手ぶれ軽減部50による手ぶれの軽減処理も併せて実行するようにしたので、撮像中に生じた手ぶれによる画像の劣化を確実に軽減することができる。さらに、本実施の形態では、光学手ぶれ軽減部50は、手ぶれ防止部30が有するX軸ジャイロセンサ31aおよびY軸ジャイロセンサ31bの検出信号を利用するようにしたので、これらのジャイロセンサを共用することにより、装置が複雑化することを防止できる。
(D)本発明の第2実施形態
つぎに、本発明の第2実施形態について説明する。本発明の第2実施形態は、第1実施形態と比較すると、撮像装置10の構成は、第1実施形態の場合と同様であるが、手ぶれ防止部30の動作が、第1実施形態の場合と異なっている。以下では、異なる部分を中心に説明を行う。
図9は、手ぶれ防止機能の設定を行うための操作がユーザ・インタフェース15に対してなされた場合に実行される処理の一例を示すフローチャートである。図9に示すフローチャートの処理が開始されると、以下のステップが実行される。すなわち、ステップS31では、プロセッサ13は、ユーザ・インタフェース15の表示部に対して、メニュー画面を表示させる。図10は、このとき、ユーザ・インタフェース15の表示部に表示されるメニュー画面の一例を示している。この例では、画面の最上部にはタイトルとしての「メニュー画面」が表示され、その下にはメッセージとしての「手ぶれ防止機能のオン/オフを設定して下さい。」が表示され、その下には選択項目としての「オン」および「オフ」が表示されている。このようなメニュー画面において、選択項目としての「オン」または「オフ」を選択することにより、手ぶれ防止部30による手ぶれ防止機能をオンまたはオフすることができる。
ステップS32では、プロセッサ13は、メニュー画面において、手ぶれ防止機能の動作が選択されたか否かを判定し、動作が選択された場合にはステップS34に進み、それ以外の場合にはステップS33に進む。より詳細には、図10に示すメニュー画面において、「オン」が選択された場合にはステップS34に進み、それ以外の場合にはステップS33に進む。
図10に示すメニュー画面において「オフ」が選択された場合には、ステップS33に進み、プロセッサ13は、手ぶれ防止部30の処理を停止させる。
一方、図10に示すメニュー画面において「オン」が選択された場合には、ステップS34に進み、プロセッサ13は、手ぶれ防止部30を動作させる。
ステップS35では、プロセッサ13は、光学手ぶれ軽減部50の角速度閾値Vthを設定する。ここで、角速度閾値Vthとは、光学手ぶれ軽減部50が対応可能な最大の手ぶれの角速度を示している。すなわち、光学手ぶれ軽減部50は、レンズ43をアクチュエータによって駆動することにより手ぶれの軽減を行うが、手ぶれの角速度が大きい場合には、制御系の動作速度が追従できなくなる。角速度閾値Vthは追従できる最大の角速度を示している。
ステップS36では、プロセッサ13は、光学手ぶれ軽減部50の角度閾値Athを設定する。ここで、角度閾値Athとは、光学手ぶれ軽減部50が対応可能な最大の手ぶれの角度を示している。すなわち、前述したように、光学手ぶれ軽減部50は、レンズ43をアクチュエータによって駆動することにより手ぶれの軽減を行うが、手ぶれの角度が大きい場合には、制御系の動作範囲(角度)が追従できなくなる。角度閾値Athは追従できる最大の角度を示している。
ステップS37では、プロセッサ13は、ステップS35,S37で設定した角速度閾値Vthおよび角度閾値Athを、プロセッサ33を介して、格納部34に格納し、処理を終了する。
以上の処理により、メニュー画面において、手ぶれ防止機能のオン/オフの設定を行うとともに、角速度閾値Vthおよび角度閾値Athが設定されて格納部34に格納される。
つぎに、第2実施形態の撮影時の動作について説明する。第2実施の形態における撮影時の動作は、基本的には図6に示す場合と同様であるが、図6のステップS10に示す「シャッタ速度決定」の動作が異なっている。図11は、図6のステップS10に示す「シャッタ速度決定」の動作の詳細を説明する図である。この図の処理が開始されると、以下のステップが実行される。すなわち、ステップS51では、プロセッサ33は、ステップS5〜S7の処理によってサンプリングされたX軸ジャイロセンサ31aのデータの中から、最大値を有するデータを検索し、得られたデータをMax_Angle_Xに格納する。これにより、Max_Angle_Xには、ステップS5〜S7の処理によって得られたX軸ジャイロセンサ31aの角速度データの中で最大値を有するものが格納される。
ステップS52では、プロセッサ33は、ステップS5〜S7の処理によってサンプリングされたY軸ジャイロセンサ31bのデータの中から、最大値を有するデータを検索し、得られたデータをMax_Angle_Yに格納する。これにより、Max_Angle_Yには、ステップS5〜S7の処理によって得られたY軸ジャイロセンサ31bの角速度データの中で最大値を有するものが格納される。
ステップS53では、プロセッサ33は、ステップS5〜S7の処理によってサンプリングされたX軸ジャイロセンサ31aのデータを時間積分し、得られたデータをInt_Angle_Xに格納する。これにより、Int_Angle_Xには、ステップS5〜S7の処理によって得られたX軸ジャイロセンサ31aの角速度データの時間積分値(サンプリング期間中におけるX軸周りの回転角)が格納される。
ステップS54では、プロセッサ33は、ステップS5〜S7の処理によってサンプリングされたY軸ジャイロセンサ31bのデータを時間積分し、得られたデータをInt_Angle_Yに格納する。これにより、Int_Angle_Yには、ステップS5〜S7の処理によって得られたY軸ジャイロセンサ31bの角速度データの時間積分値(サンプリング期間中におけるY軸周りの回転角)が格納される。
ステップS55では、プロセッサ33は、ステップS51,52において求めたMax_Angle_XおよびMax_Angle_Yと、図9のステップS35で設定されたVthとを比較し、Max_Angle_X>Vthが成立するか、または、Max_Angle_Y>Vthが成立する場合には、ステップS56に進み、それ以外の場合にはステップS57に進む。すなわち、X軸周りの最大角速度が角速度閾値を上回る場合、または、Y軸周りの最大角速度が角速度閾値を上回る場合には、ステップS56に進む。
ステップS56では、プロセッサ33は、式(40)に基づいて、シャッタ速度SSを算出し、処理を終了する。ここで、ΔV_Xは、Max_Angle_X>Vthの場合においてΔV_X=Max_Angle_X−Vthによって与えられ、Max_Angle_X≦Vthの場合にはΔV_X=0となる。ΔV_Yは、Max_Angle_Y>Vthの場合においてΔV_Y=Max_Angle_Y−Vthによって与えられ、Max_Angle_Y≦Vthの場合にはΔV_Y=0となる。また、Anglevel_Zは、Z軸ジャイロセンサ31cによって得られた角速度の平均値である。式(40)では、Max_Angle_XおよびMax_Angle_Yが角速度閾値Vthを上回るほど、シャッタ速度SSの値が小さくなり、また、Anglevel_Zの値が大きくなるほど、シャッタ速度SSの値が小さくなる。
Figure 0005082985
ステップS57では、プロセッサ33は、ステップS53,S54において求めたInt_Angle_XおよびInt_Angle_Yと、図9のステップS37で設定されたAthとを比較し、Int_Angle_X>Athが成立するか、または、Int_Angle_Y>Athが成立する場合には、ステップS58に進み、それ以外の場合にはステップS59に進む。すなわち、X軸周りの角速度の積分値が角度閾値を上回る場合、または、Y軸周りの角速度の積分値が角度閾値を上回る場合には、ステップS59に進む。
ステップS58では、プロセッサ33は、式(41)に基づいて、シャッタ速度SSを算出し、処理を終了する。ここで、ΔA_Xは、Int_Angle_X>Athの場合においてΔA_X=Int_Angle_X−Athによって与えられ、Int_Angle_X≦Athの場合にはΔA_X=0となる。ΔA_Yは、Int_Angle_Y>Athの場合においてΔA_Y=Int_Angle_Y−Athによって与えられ、Int_Angle_Y≦Vthの場合にはΔA_Y=0となる。また、Tは、サンプリング開始から終了までの時間を示す。このため、ΔA_X/TおよびΔA_Y/Tは角速度のディメンジョンとなる。
Figure 0005082985
ステップS59では、式(42)に基づいて、シャッタ速度SSを算出する。ステップS59に進むのは、サンプル期間内における、X軸およびY軸周りの最大角速度および角度が閾値を超えていない場合であるので、式(42)では、Z軸周りの角速度であるAnglevel_Zに基づいてシャッタ速度が算出される。
Figure 0005082985
以上の処理により、シャッタ速度SSが算出されると、図6のステップS11に進み、前述した場合と同様に、手ぶれ軽減処理を伴う撮像処理が実行される。
以上に説明したように、本発明の第2実施形態では、時間Tのサンプリング期間内(図6のステップS5〜S7の期間内)において、サンプリングされたX軸およびY軸周りの角速度の最大値が角速度閾値Vthを超えた場合には、超えた分の値がシャッタ速度SSの決定の際に考慮される。また、サンプリング期間内における、X軸およびY軸周りの回転角度が角度閾値Athを超えた場合には、超えた分の値がシャッタ速度SSの決定の際に考慮される。また、Z軸周りの角速度については、常に考慮がなされてシャッタ速度SSが決定される。このため、光学手ぶれ軽減部50による手ぶれの軽減処理の範囲を超える手ぶれが生じた場合には、その超えた量(角速度、および、角度)に基づいて、手ぶれ防止部30による手ぶれ防止処理が実行される。また、光学手ぶれ軽減部50によって軽減を行うことができないZ軸周りの手ぶれについては、手ぶれ防止部30によって確実に手ぶれが軽減される。
(E)本発明の第3実施形態
つぎに、本発明の第3実施形態について説明する。図12は、第3実施形態の撮像装置10Aの構成例を示す図である。なお、図12において、図1と対応する部分には対応する符号を付してその説明を省略する。図12の例では、図1の場合と比較して、光学手ぶれ軽減部50が電子手ぶれ軽減部60(請求項中「手ぶれ軽減手段」に対応)に置換されている。その他の構成は、図1の場合と同様である。ここで、電子手ぶれ軽減部60は、撮像素子11によって連続して撮像された複数の画像を、手ぶれの方向に基づいて移動させてソフトウエア的に合成することにより、手ぶれによる画像の劣化が少ないシャープな画像を生成する。
図13は、第3実施形態の動作を説明するための図である。なお、図13において、図6と共通する部分には同一の符号を付してその説明を省略する。図13では、図6と比較して、ステップS11の「光学手ぶれ軽減処理を伴う撮像処理」がステップS70の「撮像処理」に置換され、また、ステップS71の「電子手ぶれ軽減処理」が追加されている。その他の処理は図6の場合と同様である。
図13に示す処理が実行されると、ステップS1〜S10の処理により、X軸、Y軸、および、Z軸周りの角速度に応じてシャッタ速度SSが算出される。つづくステップS70では、プロセッサ13は、ステップS10において決定されたシャッタ速度SSおよび式(39)によって定められた絞りおよび感度に基づいて撮像部40を制御し、複数の画像(例えば、2〜4枚の画像)を連続して撮像する。このようにして撮像された複数の画像は、格納部14に格納される。
ステップS71では、電子手ぶれ軽減部60は、格納部14に格納されている複数の画像を、撮像中にサンプリングされたX軸およびY軸のジャイロデータに基づいて、位置合わせを行った後、これら複数の画像を重ね合わせて合成する。すなわち、電子手ぶれ軽減部60は、複数の画像のうち、注目する画像が撮像された時点におけるX軸ジャイロセンサ31aおよびY軸ジャイロセンサ31bの出力データを参照し、手ぶれによる動きベクトルを検出し、検出した動きベクトルに基づいて、画像の位置関係を調整した後、これらの画像を重ね合わせて合成する。この結果、手ぶれによる画質の劣化が少ない、シャープな画像を得る。そして、処理を終了する。
以上に説明したように、本発明の第3実施形態では、手ぶれ防止部30によって算出されたシャッタ速度SSに基づいて複数の画像を撮像し、電子手ぶれ軽減部60が動きベクトルを参照して、撮像された複数の画像を位置合わせして合成するようにした。このため、撮像された複数の画像は、シャッタ速度SSが調整されているので、合成前の画像の手ぶれによる画質劣化を最小にすることができる。この結果、合成後の画像の画質を向上させることができる。
また、第3実施形態では、電子手ぶれ軽減部60は、手ぶれ防止部30が内蔵するX軸ジャイロセンサ31aおよびY軸ジャイロセンサ31bの出力を利用して動きベクトルを検出し、検出した動きベクトルを参照して画像の合成を行うようにした。このため、ジャイロセンサを共用することで、装置を簡易化し、製造コストを削減することができる。
(F)本発明の第4実施形態
つぎに、本発明の第4実施形態について説明する。第4実施形態の構成は、図12に示す第3実施形態の場合と同様であるが、手ぶれ防止部30の動作が、第3実施形態とは異なっている。以下では、異なる部分を中心に説明する。
図14は、第4実施形態の動作を説明するための図である。この図に示すフローチャートは、レリーズボタンが半押しにされた場合に実行される。このフローチャートの処理が開始されると、以下のステップが実行される。すなわち、ステップS91では、プロセッサ13は、輝度検知部12の出力を参照し、環境光の輝度Bを測定する。
ステップS92では、プロセッサ13は、ステップS92において測定した環境光の輝度Bと閾値Bthとを比較し、B<Bthが成立するか否かを判定し、成立する場合にはステップS93に進み、それ以外の場合にはステップS94に進む。例えば、環境光の輝度Bが、輝度の閾値Bthよりも小さい場合にはYesと判定されてステップS93に進む。なお、輝度の閾値Bthは、例えば、光学系の焦点距離がFである場合に、ステップS3のAE処理によって求まるシャッタ速度が1/F以上となる輝度をBthとすることができる。例えば、Fが50mmである場合には、ステップS3のAE処理によって求まるシャッタ速度SSが1/50秒となる輝度BをBthとすることができる。なお、これ以外の求め方でもよい。
ステップS92においてYesと判定された場合には、ステップS93に進み、プロセッサ13は、手ぶれ防止部30を動作させ、図13のステップS3の処理に移行する。この結果、図13の処理では、ステップS9の手ぶれ防止処理に基づいて、ステップS10においてシャッタ速度SSが決定され、決定されたシャッタ速度SSに応じて画像が撮像される。
一方、ステップS92においてNoと判定された場合には、ステップS94に進み、プロセッサ13は、電子手ぶれ軽減部60を動作させ、図13のステップS3の処理に移行する。この結果、図13の処理では、手ぶれ防止部30の動作に応じてシャッタ速度が算出され、算出されたシャッタ速度に基づいて複数の画像が撮像される。そして、このようにして撮像された複数の画像は、前述したように、電子手ぶれ軽減部60によって位置調整が施された後に合成され、画質の劣化の少ないシャープな画像を得る。
なお、ステップS92においてNoと判定された場合には、電子手ぶれ軽減部60を動作させるとともに、手ぶれ防止部30の動作を停止し、図13のステップS3の処理に移行するようにしてもよい。その場合には、ステップS9およびステップS10の処理は実行されず、ステップS3のAE処理で決定されたシャッタ速度SSに応じて複数の画像が撮像され、撮像された複数の画像は、電子手ぶれ軽減部60によって位置調整が施された後に合成され、画質の劣化の少ないシャープな画像を得る
以上に説明したように、本発明の第4実施形態では、環境光の輝度Bに応じて、手ぶれ防止部30を動作させたり、光学手ぶれ軽減部50を動作させたりするようにした。このため、電子手ぶれ軽減部60による手ぶれの軽減を十分に行うことができない環境光の輝度が小さい場合には、手ぶれ防止部30を動作させ、それ以外の場合には電子手ぶれ軽減部60を動作させるようにしたので、環境光の輝度が小さい場合であっても、手ぶれによる画質の劣化を確実に防止することができる。
(G)変形実施の形態
以上、実施形態に基づいて本発明を説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。例えば、上記実施形態では、3つのジャイロセンサを設け、これらによって検出されたX軸、Y軸、および、Z軸周りの角速度に基づいて、シャッタ速度SSを求めるようにしたが、Z軸ジャイロセンサ31cを設けるとともに、X軸またはY軸のいずれかのジャイロセンサのみを設け、これらのジャイロセンサの出力に応じてシャッタ速度を求めるようにしてもよい。例えば、Z軸とX軸ジャイロセンサのみを設ける場合には、以下の式(43)を式(38)の代わりに用いることで、シャッタ速度SSを算出することができる。なお、同様に、式(40)および式(41)の場合には、設けられているジャイロセンサ以外の項目を分母から除外するとともに、平均値を求めるための「3」を「2」に置換するようにすればよい。
Figure 0005082985
また、本実施形態では、手ぶれ回転角を角速度で除算して得られる値に基づいてシャッタ速度を算出するようにしたが、この「除算」を「減算シフト」または「乗算」によって実行することも可能である。なお、前者は、各桁の計算を行うときにシフト処理と加減算の組み合わせで処理を行うものであり、後者は、掛け算で処理を行うものである。
また、以上の実施の形態では、シャッタ速度SSを算出し、これを必要に応じてTv値に変換するようにしたが、Tv値への変換は、プロセッサ13側で行ってもよいし、プロセッサ33側で行ってもよい。また、式(39)に基づいて、絞り値Avおよび感度値ISOを求める処理は、プロセッサ13側で行ってもよいし、プロセッサ33側で行ってもよい。プロセッサ33側で行う場合には、プロセッサ13の負担を軽減することができる。また、プロセッサ13側で行う場合には、プロセッサ33の構成を小型化することができる。
また、以上の実施の形態では、手ぶれ防止部30にプロセッサ33を設け、このプロセッサ33によって、手ぶれ防止処理を実行するようにしたが、プロセッサ13にアナログ−デジタル変換部32a、アナログ−デジタル変換部32b、および、アナログ−デジタル変換部32cからの出力を供給し、プロセッサ13が格納部14に格納されているプログラムに基づいて、手ぶれ防止処理を実行するようにしてもよい。そのような構成によれば、プロセッサ33を省略することにより、回路構成を小型化することができる。
また、手ぶれ防止部30をワンチップの構成とし、このような手ぶれ防止部30を撮像装置に組み込むことにより、手ぶれの発生を防止することができるようにしてもよい。さらに、X軸ジャイロセンサ31a、Y軸ジャイロセンサ31b、および、Z軸ジャイロセンサ31cは、手ぶれ防止部30から独立した構成(外付け)としてもよいし、内蔵する構成としてもよい。また、以上の実施の形態では、角速度検出装置としては、ジャイロセンサを用いるようにしたが、ジャイロセンサ以外のセンサ(例えば、ガス式レートセンサ)を用いることも可能である。
また、以上の説明においては、手ぶれ防止装置の機能を実現するための制御プログラムが格納部34に記憶されている場合について述べたが、この制御プログラムをRAM、ROM等の半導体記録媒体、FD、HD等の磁気記憶型記録媒体、CD、CDV、LD、DVD等の光学的読取方式記録媒体、MO等の磁気記録型/光学的読取方式記録媒体に記録することが可能であり、この記録媒体は、電子的、磁気的、光学的等の読み取り方法のいかんにかかわらず、コンピュータで読み取り可能な記録媒体であれば、どのような記録媒体であってもよい。そして、これらの記録媒体に記録された制御プログラムをプロセッサ33によって読み取って実行することにより、さらに、撮像装置10において、通信インタフェースとしてのネットワークインタフェースを設け、このネットワークインタフェースからネットワークを介して制御プログラムをダウンロードして実行することにより、上述した機能を実現する構成としてもよい。
実施形態に係る撮像装置の構成を示すブロック図である。 手ぶれ防止部の詳細な構成例を示す図である。 撮像素子を有する撮像部の詳細な構成例を示す図である。 手ぶれによる対象点の撮像素子上における移動の様子を示す図である。 撮像モデルを示す概念図である。 第1実施形態で実行される処理の一例を示すフローチャートである。 ユーザの操作と処理の流れの対応関係を示す図である。 シャッタ速度とTv値の関係を示す図である。 第2実施形態で実行される処理の一例を示すフローチャートである。 図9の処理が実行された場合に表示される画面の一例である。 第2実施形態で実行される処理の一例を示すフローチャートである。 第3実施形態の構成例を示すブロック図である。 第3実施形態で実行される処理の一例を示すフローチャートである。 第4実施形態で実行される処理の一例を示すフローチャートである。
符号の説明
10…撮像装置、11…撮像素子、12…輝度検知部、13…プロセッサ(制御手段)、14…格納部、15…ユーザ・インタフェース、30…手ぶれ防止部、31a…X軸ジャイロセンサ(角速度検出装置)、31b…Y軸ジャイロセンサ(角速度検出装置)、31c…Z軸ジャイロセンサ(角速度検出装置)、32a…アナログ−デジタル変換部(入力手段)、32b…アナログ−デジタル変換部(入力手段)、32c…アナログ−デジタル変換部(入力手段)、33…プロセッサ(決定手段、算出手段)、34…格納部、40…撮像部、41…筐体、43…レンズ、50…光学手ぶれ軽減部(手ぶれ軽減手段)、60…電子手ぶれ軽減部(手ぶれ軽減手段)。

Claims (6)

  1. 撮像素子と、前記撮像素子の軸周りの角速度を検出する角速度検出装置と、を有する撮像装置において、
    前記撮像素子によって画像を撮像する際に、前記角速度検出装置から出力される検出信号の入力を受ける入力手段と、
    前記撮像素子の撮像時において前記軸周りに許容される手ぶれ回転角を決定する決定手段と、
    前記決定手段によって決定された前記許容される手ぶれ回転角を、前記入力手段を介して入力された前記検出信号によって求められる角速度で除算して得られる値に基づいてシャッタ速度を算出する算出手段と、
    前記算出手段によって算出されたシャッタ速度に基づいて前記撮像素子を制御して撮像を行う制御手段と、
    前記制御手段によって撮像を行う際に前記撮像素子が有する光学系を制御することにより手ぶれを軽減する手ぶれ軽減手段と、を有し、
    前記算出手段は、
    前記角速度検出装置により検出された角速度が、前記手ぶれ軽減手段が前記光学系を制御する上で対応可能な最大の角速度により規定される閾値を越えた場合に、前記決定手段によって決定された前記許容される手ぶれ回転角を、検出された角速度と前記閾値との差分で除算した値に基づいてシャッタ速度を算出する
    ことを特徴とする撮像装置。
  2. 請求項1記載の撮像装置において、
    前記角速度検出装置は、前記撮像素子の縦方向または横方向の軸周りの角速度を検出し、
    前記決定手段は、前記縦方向または横方向の軸周りに許容される手ぶれ回転角を決定し、
    前記算出手段は、前記縦方向または横方向の軸周りに許容される手ぶれ回転角を、前記縦方向または横方向の軸周りの対応する角速度で除算して、得られる値に基づいてシャッタ速度を算出する、
    ことを特徴とする撮像装置。
  3. 請求項1または2記載の撮像装置において、
    前記角速度検出装置は、前記撮像素子の撮像面の法線方向の軸周りの角速度を検出し、
    前記決定手段は、前記法線方向の軸周りに許容される手ぶれ回転角を決定し、
    前記算出手段は、前記法線方向の軸周りに許容される手ぶれ回転角を、前記法線方向の軸周りの対応する角速度で除算して得られる値に基づいてシャッタ速度を算出する、
    ことを特徴とする撮像装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項記載の撮像装置において、
    前記手ぶれ軽減手段は、撮像された画像に対して画像処理を施すことにより手ぶれを軽減し、
    前記制御手段は、環境光が所定の輝度よりも高い場合には、前記撮像装置またはユーザによって設定されたシャッタ速度に基づいて前記撮像素子に撮像を行わせ、環境光が所定の輝度よりも低い場合には、前記算出手段によって算出されたシャッタ速度に基づいて前記撮像素子に撮像を行わせる、
    ことを特徴とする撮像装置。
  5. 撮像素子と、前記撮像素子の軸周りの角速度を検出する角速度検出装置と、を有する撮像装置の制御方法において、
    前記撮像素子によって画像を撮像する際に、前記角速度検出装置から出力される検出信号の入力を受ける入力ステップと、
    前記撮像素子の撮像時において前記軸周りに許容される手ぶれ回転角を決定する決定ステップと、
    前記決定ステップにおいて決定された前記許容される手ぶれ回転角を、前記入力ステップにおいて入力された前記検出信号によって求められる角速度で除算して得られる値に基づいてシャッタ速度を算出する算出ステップと、
    前記算出ステップにおいて算出されたシャッタ速度によって撮像素子により撮像を行う制御を行う制御ステップと、
    前記撮像素子によって撮像を行う際に撮像素子が有する光学系を制御することにより手ぶれを軽減する手ぶれ軽減ステップと、を有し、
    前記算出ステップでは、前記角速度検出装置により検出された角速度が、前記手ぶれ軽減ステップにて前記光学系を制御する上で対応可能な最大の角速度により規定される閾値を越えた場合に、前記決定ステップにおいて決定された前記許容される手ぶれ回転角を、検出された角速度と前記閾値との差分で除算した値に基づいてシャッタ速度を算出する
    ことを特徴とする撮像装置の制御方法。
  6. 撮像素子と、前記撮像素子の軸周りの角速度を検出する角速度検出装置と、を有する撮像装置の制御プログラムにおいて、
    前記撮像素子によって画像を撮像する際に、前記角速度検出装置から出力される検出信号の入力を受ける入力手段、
    前記撮像素子の撮像時において前記軸周りに許容される手ぶれ回転角を決定する決定手段、
    前記決定手段によって決定された前記許容される手ぶれ回転角を、前記入力手段を介して入力された前記検出信号によって求められる角速度で除算して得られる値に基づいてシャッタ速度を算出する算出手段、
    前記算出手段によって算出されたシャッタ速度によって撮像素子により撮像を行う制御を行う制御手段、
    前記撮像素子によって撮像を行う際に撮像素子が有する光学系を制御することにより手ぶれを軽減する手ぶれ軽減手段、
    としてコンピュータを機能させると共に、
    前記算出手段に、前記角速度検出装置により検出された角速度が、前記手ぶれ軽減手段が前記光学系を制御する上で対応可能な最大の角速度により規定される閾値を越えた場合に、前記決定手段によって決定された前記許容される手ぶれ回転角を、検出された角速度と前記閾値との差分で除算した値に基づいてシャッタ速度を算出させる
    ことを特徴とする手ぶれ防止プログラム。
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