JP2009229036A - タービン、タービン発電機及びタービン発電機を備えた冷凍装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】冷媒の運動エネルギーをインペラの回転動力として効率よく回収する。
【解決手段】円筒状のシリンダ部(22)は、複数枚の羽根(20)を有するインペラ(21)の外周側を覆うように設けられ、かつノズル(4)を有する流入部(25)と流出部(26)とを周壁部に備えている。円板状の一対のガイド部(23,24)はシリンダ部(22)に、その両端開口を塞いでインペラ(21)の回転軸心の両側を覆うように取り付けられている。流入部(25)から流入した冷媒をノズル(4)からインペラ(21)の羽根(20)に衝突させてインペラ(21)を回転させる。両側ガイド部(23,24)に、インペラ(21)の羽根(20)に対応する外周部をインペラ回転軸心方向に貫通するように切り欠いてなる冷媒通路(27,28)をシリンダ部(22)の流入部(25)から流出部(26)までの範囲に亘り形成する。
【選択図】図3

Description

本発明は、タービン、タービン発電機及びタービン発電機を備えた冷凍装置に関するものである。
従来より、蒸気圧縮式の冷凍サイクルを行う冷媒回路が知られており、冷凍装置等に広く利用されている。冷媒回路には、例えば、特許文献1に示すようなタービン発電機を備えているものがある。このタービン発電機は、冷媒回路内を循環する冷媒によってインペラ(21)を回転させて電力を発生させ、この発生した電力を電動機に供給することで、外部から電動機に供給する電力量を低減させて冷凍装置の成績係数を向上させている。
特開2008−38633号公報
ところで、上記タービン発電機を冷媒によって駆動させる場合には、膨張機構によって減圧した二相冷媒をインペラ(21)に衝突させるため拡散しやすいとともに、インペラ(21)の周囲にあるガス冷媒をインペラ(21)が巻き込んでしまうため、風圧による抵抗が大きくなってしまう。
そこで、インペラ(21)の周囲を覆うシリンダ部(22)と、インペラ(21)の上下を覆うガイド部とを設けて冷媒の拡散と風圧による抵抗とを抑制することが考えられる。シリンダ部(22)には、冷媒をインペラ(21)に向けて衝突させるように流入させる流入部(25)と、インペラ(21)に衝突した後の冷媒を流出させる流出部(26)とが設けられている。
ここで、上記インペラ(21)は、高速で衝突する冷媒の運動エネルギーを利用して回転するため、インペラ(21)に衝突後の速度エネルギーを失った冷媒は直ちに排出することが好ましい。
そこで、上記各ガイド部に、シリンダ部(22)の流入部(25)から流出部(26)までに亘る部分のインペラ(21)側に冷媒抜き溝を設けて、速度エネルギーを失った冷媒がこの冷媒抜き溝を通って流出部(26)から流出するようにすることが考えられる。
しかし、上記冷媒抜き溝を通る冷媒によって圧力損失が生じてしまい、膨張機構の出口の圧力を上昇させてしまい、エネルギーの損失の問題が生じる。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、冷媒の運動エネルギーを効率よくインペラの回転動力として回収することにある。
上記目的を達成するために、第1の発明に係るタービン(10)は、ケーシング(7)内に、複数枚の羽根(20)を有するインペラ(21)と、円筒状のシリンダ部(22)と、一対の円板状のガイド部(23,24)とが収容され、上記インペラ(21)はタービン軸(8)に回転一体に取り付けられ、上記シリンダ部(22)は上記インペラ(21)の外周側を覆うように設けられかつノズル(4)を有する流入部(25)と流出部(26)とを周壁部に備え、上記ガイド部(23,24)は上記シリンダ部(22)に、その両端開口を塞いでインペラ(21)の回転軸心の両側を覆うように取り付けられており、上記流入部(25)から流入した冷媒をノズル(4)から上記インペラ(21)の羽根(20)に衝突させて該インペラ(21)を回転させるタービンであって、上記両側ガイド部(23,24)の少なくとも一方には、上記インペラ(21)の羽根(20)に対応する外周部をインペラ回転軸心方向に貫通するように切り欠いてなる冷媒通路(27,28)が上記シリンダ部(22)の流入部(25)から流出部(26)までの範囲に亘り形成されている。
上記の構成によると、シリンダ部(22)の流入部(25)から流入し、ノズル(4)から噴射される高速の冷媒がインペラ(21)の羽根(20)に衝突することで、冷媒の運動エネルギーによりインペラ(21)の回転動力が発生する。羽根(20)に衝突して運動エネルギーを失った冷媒は、ガイド部(23,24)の少なくとも一方に設けられた冷媒通路(27,28)からケーシング(7)内に出ていく。運動エネルギーを失ってインペラ(21)の回転に寄与しなくなった冷媒は、流出部(26)に到るまでの間に冷媒通路(27,28)から排出され、運動エネルギーを保持した冷媒のみがインペラ(21)に残って羽根(20)に衝突するので、効率よく冷媒の運動エネルギーが回収される。冷媒通路(27,28)から排出されず最後までインペラ(21)に残った冷媒は、最終的にシリンダ部(22)の流出部(26)からインペラ(21)外に流出する。
第2の発明に係るタービン発電機は、請求項1のタービン(10)のインペラ(21)に駆動連結された発電部(9)を備えている。
上記の構成によると、冷媒が羽根(20)に衝突してインペラ(21)が回転することで、発電部(9)で発電する。
第3の発明に係る冷凍装置は、電動圧縮機(2)と、放熱器(3)と、請求項2のタービン発電機(6)と、蒸発器(5)とが冷媒配管(11)で接続されて蒸気圧縮式冷凍サイクルを行う冷媒回路を備えた冷凍装置であって、上記タービン発電機(6)は、上記放熱器(3)から流出した冷媒を流入部(25)から流入させ、冷媒を減圧して蒸発器(5)に供給するように構成されており、上記タービン発電機(6)で発生する電力が少なくとも上記電動圧縮機(2)の動力源として使用される。
上記の構成によると、第2の発明に係るタービン発電機(6)を蒸気圧縮式の冷凍サイクルを行う冷媒回路に接続し、放熱器(3)から高圧の冷媒が流入部(25)に流入し、ノズル(4)で減圧されて速度を増してインペラ(21)の羽根(20)に衝突する。インペラ(21)が回転することで発電部(9)で発電し、この電力を少なくとも電動圧縮機(2)の動力源として供給することで、外部から供給する電力量が低減して冷凍装置(1)の成績係数が向上する。羽根(20)に衝突した冷媒は、冷媒通路(27,28)及び流出部(26)から排出されてケーシング(7)内に溜まり、蒸発器(5)に供給される。
上記第1の発明によれば、両側ガイド部(23,24)の少なくとも一方に冷媒通路(27,28)を設けたので、インペラ(21)の羽根(20)に高速で衝突して運動エネルギーを失った冷媒が、直ちに冷媒通路(27,28)から排出され、この冷媒がタービン(10)内に残ることによる圧力損失が生じず、エネルギーロスがないので、冷媒の運動エネルギーをインペラ(21)の回転動力として効率よく回収することができる。
上記第2の発明によれば、冷媒の運動エネルギーを効率よく回収することができるタービン(10)を備えているため、発電コイル(9)で発電する電力量を増やすことができる。
上記第3の発明によれば、発電効率を向上させたタービン発電機(6)を備えているため、外部から供給する電力量をより低減させることができるので、冷凍装置(1)の成績係数をより一層向上させることができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
本発明の実施形態に係るタービン(10)は、タービン発電機(6)に利用され、このタービン発電機(6)は、図1に示すように、蒸気圧縮式の冷凍サイクルを行う冷媒回路を備えた冷凍装置(1)に用いられるものである。このタービン発電機(6)は、詳しくは後述するが、冷媒回路を循環する冷媒の運動エネルギーを回収することができるものである。
上記冷媒回路は、電動圧縮機(2)、放熱器(3)、膨張機構(4)及び蒸発器(5)が冷媒配管(11)で順に接続され、例えば二酸化炭素等の冷媒が循環して蒸気圧式冷凍サイクルを行うように構成されている。
上記膨張機構(4)は、図2に示すように、タービン発電機(6)内に配置されたノズル(4)で構成されている。このタービン発電機(6)は、タービン(10)と、発電部としての発電コイル(9)とを備えている。発電コイル(9)は、タービン(10)のインペラ(21)に駆動連結され、インペラ(21)の回転動力によって発電コイル(9)が駆動されて発電するように構成されている。この発電した電力は、上記電動圧縮機(2)の動力源として利用される。つまり、冷媒の運動エネルギー(膨張エネルギー)が電動圧縮機(2)のために動力回収されるようになっている。
上記タービン(10)のインペラ(21)と発電コイル(9)とはケーシング(7)内に収容されている。このケーシング(7)は縦長円筒状の密閉容器に構成され、その下部側面には冷媒流入管(7a)及び冷媒流出管(7b)が貫通して設けられている。冷媒流入管(7a)は、冷媒配管(11)によって放熱器(3)に接続され、冷媒流出管(7b)は、冷媒配管(11)によって蒸発器(5)に接続されている。冷媒流入管(7a)及び冷媒流出管(7b)は、インペラ(21)の外周の近傍に設けられている。
図3及び図4に示すように、上記タービン(10)は、複数枚の羽根(20)を有するインペラ(21)と、インペラ(21)の外周側を覆う円筒状のシリンダ部(22)と、円板状の一対のガイド部(23,24)とがケーシング(7)内に収容されている。これらのインペラ(21)、シリンダ部(22)及びガイド部(23,24)は、上記タービン軸(8)の下端部に取り付けられている。
上記インペラ(21)は、上下方向に延びるタービン軸(8)に回転一体に支持されている。上記シリンダ部(22)はケーシング(7)に固定され、流入部(25)と流出部(26)とが設けられていて、流入部(25)は上記冷媒流入管(7a)と連通した細長の円筒状に形成されている。流入部(25)と流出部(26)とは、シリンダ部(22)の周方向に略45度間隔をあけて設けられている。
上記流入部(25)には、冷媒流入管(7a)から流入した放熱器(3)で放熱した冷媒を減圧してインペラ(21)に衝突させるためのノズル(4)[図4(b)に示す]が設けられている。このノズル(4)は、ニードル弁によって流量調整されることによって冷媒を減圧(膨張)するようになっている。このノズル(4)で減圧された二相冷媒は、タービン(10)の羽根(20)に噴射されて衝突する。
上記流出部(26)は、シリンダ部(22)の径方向に貫通して設けられ、羽根(20)に衝突した後の冷媒をケーシング(7)内に流出させるようになっている。そして、この流出部(26)から流出した冷媒は、ケーシング(7)の底部に貯まり、冷媒流出管(7b)からケーシング(7)外へ流出して蒸発器(5)に供給される。
上記ガイド部(23,24)は、上記シリンダ部(22)に、その両端開口を塞いでインペラ(21)の回転軸心の両側を覆うように取り付けられた上側ガイド部(23)及び下側ガイド部(24)で構成されている。
上記上側ガイド部(23)及び下側ガイド部(24)には、インペラ(21)の羽根(20)に対応する外周部分をインペラ回転軸心方向(上下方向)に貫通するように切り欠いてなる上側冷媒通路(27)及び下側冷媒通路(28)が形成されている。これらの上側及び下側冷媒通路(27,28)は、上側ガイド部(23)及び下側ガイド部(24)の上記シリンダ部(22)の流入部(25)から流出部(26)までの範囲に亘り形成されている。
−冷凍装置の運転動作−
次に、上記タービン発電機(6)を備えた冷凍装置(1)の運転動作について説明する。
上記電動圧縮機(2)で圧縮された高圧冷媒は、放熱器(3)に流入して冷却される。この放熱器(3)で冷却された高圧冷媒は、タービン発電機(6)の冷媒流入管(7a)に流入し、タービン(10)の流入部(25)に設けられたノズル(4)で減圧されて低圧二相冷媒となる。
そして、上記ノズル(4)で高低圧差が速度エネルギーに変換されて速度を増した冷媒は、インペラ(21)の羽根(20)に衝突し、インペラ(21)を回転させる。このインペラ(21)の回転に伴ってタービン軸(8)が回転し、発電コイル(9)で電力が発生する。この電力は、図示しない電力線を介して電動圧縮機(2)に送電される。
インペラ(21)の羽根(20)に衝突して速度エネルギーを損失した冷媒は、上側ガイド部(23)及び下側ガイド部(24)に設けられた上側及び下側冷媒通路(27,28)からインペラ(21)の外部に直ちに排出される。これらの冷媒通路(27,28)から排出されずにタービン(10)に残った冷媒も最終的には、シリンダ部(22)の流出部(26)からタービン(10)の外部に流出される。
上記上側及び下側冷媒通路(27,28)と流出部(26)とから流出した冷媒は、ケーシング(7)内の底部に貯留され、冷媒流出管(7b)からケーシング(7)外へ流出する。
上記冷媒流出管(7b)から流出した低圧冷媒は、蒸発器(5)に流入して蒸発し、吸熱する。蒸発器(5)から排出された低圧ガス冷媒は、電動圧縮機(2)に吸入され、この電動圧縮機(2)で吸入した低圧ガス冷媒を再び圧縮して吐出する。
−実施形態の効果−
したがって、本実施形態の冷凍装置(1)においては、上側ガイド部(23)及び下側ガイド部(24)に上側及び下側冷媒通路(27,28)を設けたので、インペラ(21)の羽根(20)に高速で衝突して運動エネルギーを失った冷媒が、直ちにこれらの冷媒通路(27,28)から排出される。このため、運動エネルギーを失った冷媒がタービン(10)内に残ることによる圧力損失が生じず、エネルギーロスがないので、効率よく冷媒の運動エネルギーをインペラ(21)の回転動力として回収することができる。
そして、冷媒の運動エネルギーをインペラ(21)の回転動力として効率よく回収することができるので、発電コイル(9)で発電する電力量を増やすことができ、タービン発電機(6)の発電効力を向上させることができる。
また、タービン発電機(6)の発電効率を向上させたため、外部から供給する電力量をより低減させることができるので、冷凍装置(1)の成績係数をより一層向上させることができる。
(その他の実施形態)
なお、上述の実施形態は、本発明の例示であって、本発明はこの例に限定されるものではない。例えば、以下のような構成としてもよい。
すなわち、上記実施形態では、上側ガイド部(23)及び下側ガイド部(24)の両方に冷媒通路(27,28)を設けたが、必ずしも両方に設けなくてもよく、少なくとも上側ガイド部(23)及び下側ガイド部(24)のいずれか一方に冷媒通路が設けられていればよい。
また、上記実施形態では、タービン発電機(6)で発電した電力を電動圧縮機(2)に送電するようにしたが、冷凍装置(1)の動力源としてであれば、送風機等、その他の駆動のための電動機に送電するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、タービン発電機(6)を冷媒回路における動力回収用に適用した例を示したが、これに限らず、他の用途に適用してもよい。
以上説明したように、本発明は、タービン、タービン発電機及び冷凍装置について有用である。
本発明の実施形態に係る冷凍装置の冷媒回路の全体構成を示す配管図である。 タービン発電機の構成を示す縦断面図である。 タービンの分解斜視図である。 タービンを示し、(a)は平面図、(b)は側面図である。
符号の説明
1 冷凍装置
2 電動圧縮機
3 放熱器
4 ノズル
5 蒸発器
6 タービン発電機
8 タービン軸
9 発電コイル(発電部)
10 タービン
11 冷媒配管
20 羽根
21 インペラ
22 シリンダ部
23 上側ガイド部(ガイド部)
24 下側ガイド部(ガイド部)
25 流入部
26 流出部
27 上側冷媒通路
28 下側冷媒通路

Claims (3)

  1. ケーシング(7)内に、複数枚の羽根(20)を有するインペラ(21)と、円筒状のシリンダ部(22)と、円板状の一対のガイド部(23,24)とが収容され、
    上記インペラ(21)はタービン軸(8)に回転一体に取り付けられ、
    上記シリンダ部(22)は上記インペラ(21)の外周側を覆うように設けられ、かつノズル(4)を有する流入部(25)と流出部(26)とを周壁部に備え、
    上記ガイド部(23,24)は上記シリンダ部(22)に、その両端開口を塞いでインペラ(21)の回転軸心の両側を覆うように取り付けられており、
    上記流入部(25)から流入した冷媒をノズル(4)から上記インペラ(21)の羽根(20)に衝突させて該インペラ(21)を回転させるタービンであって、
    上記両側ガイド部(23,24)の少なくとも一方には、上記インペラ(21)の羽根(20)に対応する外周部をインペラ回転軸心方向に貫通するように切り欠いてなる冷媒通路(27,28)が上記シリンダ部(22)の流入部(25)から流出部(26)までの範囲に亘り形成されていることを特徴とするタービン。
  2. 請求項1のタービン(10)のインペラ(21)に駆動連結された発電部(9)を備えていることを特徴とするタービン発電機。
  3. 電動圧縮機(2)と、放熱器(3)と、請求項2のタービン発電機(6)と、蒸発器(5)とが冷媒配管(11)で接続されて蒸気圧縮式冷凍サイクルを行う冷媒回路を備えた冷凍装置であって、
    上記タービン発電機(6)は、上記放熱器(3)から流出した冷媒を流入部(25)から流入させ、冷媒を減圧して蒸発器(5)に供給するように構成されており、
    上記タービン発電機(6)で発生する電力が少なくとも上記電動圧縮機(2)の動力源として使用されることを特徴とする冷凍装置。
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