JP2009228811A - 等速自在継手 - Google Patents

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Tetsuo Kadota
哲郎 門田
Toru Yamase
徹 山瀬
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Abstract

【課題】大きな作動角で大きなトルクが負荷された場合に回転が継続されても、外輪内径面にケージを損傷(破損)させるような引っ掛かり部が生じることなく、作動性及び耐久性に優れた等速自在継手を提供する。
【解決手段】外側継手部材のトラック溝間の内径面21において、トラック溝間の中間部をケージ28の外径面28aと接触する接触部21aとするとともにトラック溝側をケージ28の外径面28aとの間に隙間を形成する非接触部21bとする。接触部21aが焼入れ後に切削を行う焼入鋼切削してなる。
【選択図】図1

Description

本発明は、自動車や各種産業機械の動力伝達系等において使用される等速自在継手に関する。
等速自在継手には、角度変位のみを許容する固定式等速自在継手と、角度変位のみならず軸方向変位も許容する摺動式等速自在継手とがある。固定式等速自在継手には、バーフィールド型(BJ)(例えば特許文献1)やアンダーカットフリー型(UJ)等があり、摺動式等速自在継手には、ダブルオフセット型等速自在継手(DOJ)(例えば、特許文献2)やクロスグルーブ型等速自在継手(LJ)(例えば、特許文献5、6)等がある。また、固定式等速自在継手には、高角使用時における耐久性を好適に維持するため、円弧部と複数の直線部とを有するトラック溝を備えたもの(特許文献3)、さらには、カウンタートラックジョイント(特許文献4)等がある。
BJタイプの固定式等速自在継手は、図7に示すように、内球面1に複数のトラック溝2が円周方向等間隔に軸方向に沿って形成された外側継手部材としての外輪3と、外球面4に外輪3のトラック溝2と対をなす複数のトラック溝5が円周方向等間隔に軸方向に沿って形成された内側継手部材としての内輪6と、外輪3のトラック溝2と内輪6のトラック溝5との間に介在してトルクを伝達する複数のボール7と、外輪3の内球面1と内輪6の外球面4との間に介在してボール7を保持するケージ8とを備えている。ケージ8には、ボール7が収容される窓部9が周方向に沿って複数配設されている。
ケージ8は外輪3の内球面及び内輪6の外球面とそれぞれ球面接触している。外輪3と内輪6のトラック溝2,5のボール中心軌跡線の曲率中心(O1,O2)はそれぞれ継手中心Oに対して対称な位置にある。言い換えれば、曲率中心O1と曲率中心O2は継手中心Oから互いに逆方向に等距離、軸方向にオフセットしている。このため、外輪3のトラック溝2と内輪6のトラック溝5とで形成されるトラックは、軸方向の一方から他方へ向かって徐々に広がったくさび形状を呈する。各ボール7はこのくさび状のトラック内に収容され、外輪3と内輪6との間でトルクを伝達する。すべてのボール7を継手平面(作動角の二等分線に垂直な平面)に保持するためケージ8が組み込まれている。
トラック溝2,5にオフセットが付与されているため、固定式等速自在継手が作動角を取った状態でトルクを伝達するとき、ボール7に軸力が作用し、その結果ボール7は、トラック溝2,5の開口している方向、つまり、上記くさび形状トラック空間の広がった方向に飛び出そうとする。それに伴いケージ8にも軸力が作用し、ケージ8は外輪3の内球面と内輪6の外球面に強く押し当てられる。ボール7に作用する軸力は、トルクと作動角が増加するほど大きくなる特性を有する。したがって、トルクを伝達しながら継手が作動するためには、ケージ8は十分な強度が必要であり、外輪3および内輪6と接触しながら滑り運動するため、ケージ8は十分な耐磨耗性と耐熱性も具備する必要がある。また、継手平面にボールを確実に保持するため、ボール7はケージ8のポケット内に圧入されることが多く、この圧入面内でボール7は運動し、そのため、発熱とケージ8の摩耗を伴う。以上のように、ケージ8は十分な強度、耐熱性と耐摩耗性が必要である。
また、固定式自在継手では、トラック溝2、5はオフセットを有するため、トラック溝2、5の深さは軸方向で均一ではない。それゆえ、トラック溝2,5の浅いところでボールが高負荷を伝達する時、ボール7の接触楕円が大きくなり、応力が集中するトラック溝肩部に接触楕円が乗り上げ、肩部に盛り上がりが生ずるおそれがある。これの対策として、ボール7の径やピッチ円直径を大きくして面圧を低下させることが考えられるが、外輪の外径が増加して継手が大きくなるという不具合が生じる。また、オフセット量を小さくすれば、当然トラック溝深さは軸方向でより均一になるが、作動性が低下するという問題が残り、得策ではない。ゲージ8の肉厚を薄くすればトラック溝2、5は深くなるが、ケージ8の強度が低下する。このように、通常、ケージ8の肉厚とトラック溝2、5の深さは互いに取り合いする関係にある。
また、DOJタイプの摺動式等速自在継手は、軸方向に延びる複数の直線状トラック溝が円筒状内周面に形成された外側継手部材と、その外側継手部材のトラック溝と対をなして軸方向に延びる直線状トラック溝が球面状外周面に形成された内側継手部材と、外側継手部材のトラック溝と内側継手部材のトラック溝との間に介在してトルクを伝達する複数のボールと、外側継手部材の円筒状内周面と内側継手部材の球面状外周面との間に介在してボールを保持するケージとを主要な構成要素として備えている。
特開2000−104749 特開2003−176833 特開2004−156699 特表2004−518083 EP1541885A1 US4678453
図7に示すような等速自在継手において、大きな作動角で大きなトルクが負荷された場合に回転が継続されると、前述のように、ボール7とトラック溝2との接触楕円(トラック溝とボールとの接触により形成される楕円形状の接触面)が外輪3のトラック溝2から外れ、エッジロード状態となるおそれがある。エッジロードにより、外輪3の内径面(内球面)のトラック溝エッジ部E(図8参照)に盛り上がりが生じることがある。
このような盛り上がりが生じれば、その盛り上がり部がケージ8の外球面8aに局部的な摩擦を増加させ発熱を増加させたり、さらにはその盛り上がり部が、ケージの外球面上のケージポケット9との角部に引っ掛かり、その盛り上がり部自体が欠けたり、あるいはケージ8を損傷(破損)させることになる。
他の固定式等速自在継手であっても、ダブルオフセット型等速自在継手(DOJ)等の摺動式等速自在継手であっても、このように、外輪の内径面に盛り上がりが生じるおそれがある。
本発明は、上記課題に鑑みて、大きな作動角で大きなトルクが負荷された場合に回転が継続されても、ケージに局部的な摩擦・発熱を増大させたり、さらには損傷(破損)させるような、外輪内径面の引っ掛かり部が生じることなく、作動性及び耐久性に優れた等速自在継手を提供する。
本発明の等速自在継手は、内径面に複数のトラック溝が形成された外側継手部材と、外径面に複数のトラック溝が形成された内側継手部材と、前記外側継手部材のトラック溝と内側継手部材のトラック溝との間に介在してトルクを伝達する複数のボールと、前記外側継手部材と内側継手部材との間に介在してボールを保持するケージとを備えた等速自在継手であって、外側継手部材の隣合う二つのトラック溝間に位置する円筒面状の内径面において、トラック溝間の中間部をケージの外径面と接触する接触部とするとともにトラック溝側をケージの外径面との間に隙間を形成する非接触部としたものである。
本発明の等速自在継手では、外側継手部材のトラック溝間の内径面において、トラック溝側をケージの外径面との間に隙間を形成する非接触部としているので、大きな作動角で大きなトルクが負荷された場合に回転が継続されて、外側継手部材の内径面(内球面)のトラック溝エッジ部に盛り上がり部が形成されても、この盛り上がり部が隙間に吸収される。このため、この盛り上がり部がケージの外径面に干渉することを防止することができる。
本発明の等速自在継手は、角度変位のみを許容する固定式であっても、角度変位及び軸方向変位を許容する摺動式であってもよい。
接触部が焼入れ後に切削を行う焼入鋼切削してなるものが好ましい。焼入鋼切削は、単に切削のことであり、切削は通常生材の状態で行うので、熱処理後(焼入れ後)の切削であることを明確にするために焼入鋼切削と称した。
ケージの外径面と接触する接触部(外輪の内径面)は研削加工仕上げでも良いが、ケージの外径面と接触する接触部が焼入鋼切削されているものでは、内径面においては、仕上げに研削加工を行う必要がなくなる。このため、環境上好ましくない研削クーラントの使用を控えることができる。しかも、焼入鋼切削の範囲は内径面全体ではなく接触部のみであるので、切削工具により切削面積の減少を図ることができる。
前記非接触部を形成する隙間の径方向間隔を周方向に沿って略同一としたり、周方向に沿ってトラック溝間の中間部からトラック溝に向かって拡大するようにしたりできる。このような隙間によって、エッジロードによる外側継手部材の内径面(外輪の内径面のトラック溝エッジ部)に生じる盛り上がり部を安定して吸収することができる。
前記内側継手部材及び外側継手部材のトラック溝ボール中心軌跡線が単一の円弧部からなるものであったり、複数の円弧部からなるものであったり、円弧部とストレート部とを備えたものであったりする。さらには、外側継手部材及び内側継手部材の円周方向に隣り合うトラック溝の向きを交互に対称となるように配置したものであってもよい。
本発明では、外側継手部材の内径面に盛り上がりが生じても、ケージの外径面と外側継手部材の内径面との間に形成される隙間にこの盛り上がりが吸収される。このため、この盛り上がり部がケージの外径面に干渉することを防止することができ、ケージの損傷を回避することができる。しかも、この隙間によってケージの外径面と外側継手部材の内径面との間へのグリースの介入性が向上し、作動性及び耐久性に優れる等速自在継手となる。
接触部が焼入れ後に切削を行う焼入鋼切削してなるものでは、外側継手部材の内径面においては、仕上げに研削加工を行う必要がなくなる。このため、環境上好ましくない研削クーラントの使用を控えることができ、環境にやさしい加工が可能であって、しかも低コスト化を図ることができる。硬化層が形成された部位が耐摩耗性、耐寿命性等に優れ、高品質の等速自在継手となる。
また、焼入鋼切削の範囲は内径面全体ではないので、切削工具により切削面積の減少を図ることができる。このため、この焼入鋼切削による切削面の面粗さが悪化するまでの時間が長くなり、切削工具の寿命の延長化を図って、切削工具の交換頻度を延ばすことができてコスト低減に寄与する。しかも、この接触部がケージの外径面に滑らかに接触して、等速自在継手として安定した機能を発揮する。
径方向間隔が周方向に沿って略同一である隙間であっても、周方向に沿ってトラック溝間の中間部からトラック溝に向かって拡大する隙間であっても、エッジロードによる外輪内径面に生じる盛り上がり部を安定して吸収することができ、ケージへの損傷防止機能が安定する。しかも、隙間形成のための加工は容易であり、生産性の向上を図ることができる。
等速自在継手としては、固定式であっても摺動式であってもよく、特に固定式である場合に、内側継手部材および外側継手部材のトラック溝ボール中心軌跡線が円弧部とストレート部とを備えたものであれば、継手作動角の高角化を図ることができる。特に、トラック溝ボール中心軌跡線が円弧部とテーパ部とを備えたものであれば、より一層の高角化が可能である。
以下本発明の実施の形態を図1〜図6に基づいて説明する。
この等速自在継手は、図1に示すように内径面(内球面)21に複数(例えば6個)のトラック溝22が軸方向に沿って形成された外側継手部材としての外輪23と、外径面(外球面)24に外輪23のトラック溝22と対をなす複数(例えば6個)のトラック溝25が軸方向に沿って形成された内側継手部材としての内輪26と、外輪23のトラック溝22と内輪26のトラック溝25との間に介在してトルクを伝達する複数(6個)のボール27と、外輪23の内球面21と内輪26の外球面24との間に介在してボール27を保持する窓部29を有するケージ28とを備えている。この場合、窓部29は円周方向に沿って等ピッチ(例えば60°ピッチ)で6個配設されている。この図1の等速自在継手は、バーフィールド型(BJ)の固定式等速自在継手である。
この等速自在継手では、大きな作動角を取り得る構造とするため、外輪23のトラック溝22の曲率中心O1と内輪26のトラック溝25の曲率中心O2とを、ボール中心を含む継手中心Oに対して等距離fだけ軸方向に逆向きにオフセットさせている。このようにトラックオフセットを設けたことにより、両トラック溝22,25のそれぞれは、その軸方向中央から外輪底側で浅く、外輪開口側で深くなっており、その結果、外輪23の底側から開口側へ向けて径方向間隔が徐々に増加する楔状のボールトラックが形成されている。
外輪23の内径面21には、図2に示すように、トラック溝間の中間部をケージ28の外径面28aと接触する接触部21aと、トラック溝側をケージ28の外径面28aとの間に隙間S,Sを形成する非接触部21b,21bとを備える。なお、ケージ28の内径面28bは内輪26の外径面に摺接する。
この場合の隙間Sは径方向間隔を周方向に沿って略同一としている。すなわち、接触部21aの内径面の内径を、外輪中心をして半径Rtとした場合に、非接触部21bの内径面の内径を、外輪中心としてRtよりも大きい半径Rfとする。すなわち、Rt<Rfとする。
また、外輪23の内径面21の接触部21aには硬化層が形成され、この硬化層は焼入れ後に切削を行う焼入鋼切削されてなる。焼入鋼切削は、単に切削のことであり、切削は通常生材の状態で行うので、熱処理後(焼入れ後)の切削であることを明確にするために焼入鋼切削と称した。焼き入れ後に切削を行うため、素材の熱処理変形をこの切削過程で除去することができる。なお、非接触部21b,21bには焼入鋼切削が施されない。このため、継手軸線に直交する断面で、接触部21aは焼入鋼切削円弧部となり、非接触部21b,21bは鍛造により形成された略円弧の形状となっている。
硬化処理としては、高周波焼入れや浸炭焼入れ等にて行われる。高周波加熱による焼き入れとは、高周波電流の流れているコイル中に焼入れに必要な部分を入れ、電磁誘導作用により、ジュール熱を発生させて、伝導性物体を加熱する原理を応用した焼入れ方法である。浸炭焼入れとは、炭素を多く含むガス、液体、固体などの浸炭剤中で鋼を長時間加熱することにより、表面層から炭素を含浸させる処理(浸炭処理)を行い、この浸炭した鋼に対して、焼入れ焼もどしを行う方法である。このため、外輪23は、高周波焼入れ又は浸炭焼入れ等による硬化処理が可能な鋼材、例えば機械構造用炭素鋼又は機械構造用はだ焼き鋼で製作されている。
切削工具として、このような切削が可能なバイト使用する。焼入鋼切削の可能なバイトとして、例えばCBN(立方晶窒化硼素)に特殊セラミックス結合材を加えた焼結体工具等を使用することができる。
外輪23のトラック溝間の内径面21において、トラック溝側をケージ28の外径面28aとの間に隙間Sを形成する非接触部21b、21bとしているので、大きな作動角で大きなトルクが負荷された場合に回転が継続されて、外輪23の内径面(内球面)21のトラック溝エッジ部Eに盛り上がり部が形成されても、この盛り上がり部が隙間Sに吸収される。このため、この盛り上がり部がケージ28の外径面28aに干渉することを防止することができ、ケージ28の損傷を回避することができる。しかも、この隙間S,Sによってケージ28の外径面28aと外輪23の内径面21との間へのグリースの介入性が向上し、作動性及び耐久性に優れる等速自在継手となる。
ケージ28の外径面28aと接触する接触部21aが焼入鋼切削されているので、外輪23の内径面21においては、仕上げに研削加工を行う必要がなくなる。このため、環境上好ましくない研削クーラントの使用を控えることができ、環境にやさしい加工が可能であって、しかも低コスト化を図ることができる。硬化層が形成された部位が耐摩耗性、耐寿命性等に優れ、高品質の等速自在継手となる。
しかも、焼入鋼切削の範囲は内径面全体ではないので、切削工具により切削面積の減少を図ることができる。このため、この焼入鋼切削による切削面の面粗さが悪化するまでの時間が長くなり、切削工具の寿命の延長化を図って、切削工具の交換頻度を延ばすことができてコスト低減に寄与する。しかも、この接触部がケージの外径面に滑らかに接触して、等速自在継手として安定した機能を発揮する。
次に、図3は隙間Sの変形例を示し、この場合、径方向間隔を周方向に沿って、トラック溝間の中間部からトラック溝25に向かって拡大するようにしている。すなわち、継手軸線に直交する断面で、接触部21aの内径面の内径は、外輪中心とする円弧であるのに対し、非接触部21bは前記円弧21aから伸びるほぼ接線となる直線状としている。図中において、接触部21aの範囲(焼入鋼切削円弧部の範囲)をHとし、非接触部21bの範囲(鍛造直線部)をH1としている。
このような隙間Sであっても、図2に示すような隙間Sと同様の作用効果を奏することができる。すなわち、径方向間隔が周方向に沿って略同一である隙間Sであっても、周方向に沿ってトラック溝間の中間部からトラック溝22に向かって拡大する隙間Sであって、エッジロードによる外輪内径面(外輪23の内径面21のトラック溝エッジ部E)に生じる盛り上がり部を安定して吸収することができ、ケージへの損傷防止機能が安定する。しかも、隙間形成のための加工は容易であり、生産性の向上を図ることができる。
次に、図4は他の実施形態を示し、この場合、内輪26及び外輪23のトラック溝ボール中心軌跡線が円弧部とストレート部とを備えたアンダーカットフリー型の等速自在継手である。すなわち、前記外輪23のトラック溝22は、トラック溝ボール中心軌跡線が円弧部となる奥側トラック溝22aと、トラック溝ボール中心軌跡線が外輪軸線と平行なストレート部となる開口側トラック溝22bとからなる。奥側トラック溝22aは、その曲率中心O1を継手中心Oから軸方向に外輪23の開口側にずらしている。また、内輪26のトラック溝25は、トラック溝ボール中心軌跡線が内輪軸線と平行なストレート部となる奥側トラック溝25aと、トラック溝ボール中心軌跡線が円弧部となる開口側トラック溝25bとからなる。開口側トラック溝25bの曲率中心O2を継手中心Oから軸方向に外輪23の奥側トラック溝22aの曲率中心O1と反対側の奥側に等距離f1だけ離して設けている。
この場合も、外輪23のトラック溝間の内径面21において、トラック溝間の中間部をケージ28の外径面28aと接触する接触部21aとするとともにトラック溝側をケージ28の外径面28aとの間に隙間Sを形成する非接触部21b、21bとし、かつ接触部21aを焼入鋼切削している。また、径方向間隔が周方向に沿って略同一である隙間であっても、周方向に沿ってトラック溝間の中間部からトラック溝に向かって拡大する隙間であってよい。
この等速自在継手の他の構成は前記図1に示した等速自在継手と同様の構成であるので、同一の部材については図1と同一の符号を付してそれらの説明を省略する。このため、この等速自在継手であっても、図1に示した等速自在継手と同様の作用効果を奏する。
次に図5と図6は別の実施形態を示し、ダブルオフセット型等速自在継手(DOJ)の摺動式等速自在継手である。この等速自在継手は、円筒状の内径面31に複数の直線状のトラック溝32を軸方向に形成した外側継手部材としての外輪33と、球面状の外径面34に複数の直線状のトラック溝35を軸方向に形成した内側継手部材としての内輪36と、外輪33のトラック溝32と内輪36のトラック溝35との間に介在してトルクを伝達するボール37と、外輪33の内径面31と内輪36の外径面34との間に介在してボール37を保持するケージ38とを備える。
ケージ38は、ボール37を収容する複数(この場合、8個)のポケット39とを備えた環体であり、球面状の外周面(外径面)38aが外輪33の内径面31に接触案内され、球面状の内周面(内径面)38bが内輪36の外径面34に接触案内される。外径面38aの曲率中心O4と内径面38bの曲率中心O5とは、ボール中心を含む継手中心面Pに対して軸方向の反対側にf2だけオフセットされている。
この場合も、外輪33のトラック溝間の内径面31において、トラック溝間の中間部をケージ38の外径面38aと接触する接触部31aとするとともにトラック溝側をケージ38の外径面38aとの間に隙間Sを形成する非接触部31b、31bとし、かつ接触部31aのみを焼入鋼切削とすることができる(図示省略)。また、径方向間隔が周方向に沿って略同一である隙間であっても、周方向に沿ってトラック溝間の中間部からトラック溝に向かって拡大する隙間であってよい。このダブルオフセット型等速自在継手の場合には、接触部31aは焼入鋼切削ではなく、研削でもよく、さらには、冷間鍛造によって形成することが可能である。
この場合も、外輪33の内径面(内円筒面)31のトラック溝エッジ部Eに盛り上がり部が形成されても、この盛り上がり部が隙間S,Sに吸収される。このため、図5に示すような等速自在継手であっても、図1に示す等速自在継手と同様の作用効果を奏する。
本発明の他の実施形態としては、トラック溝ボール中心軌跡線が複数の円弧部からなるものであっても、トラック溝ボール中心軌跡線が円弧部とテーパ部(奥側から開口側に向かって拡径するテーパ部)とを備えたものであってもよい。また、外輪及び内輪の円周方向に隣り合うトラック溝の向きを交互に対称となるように配置したものであってもよい。
このように、等速自在継手としては、固定式であっても摺動式であってもよく、特に固定式である場合に、内側継手部材および外側継手部材のトラック溝ボール中心軌跡線が円弧部とストレート部とを備えたものであれば、継手作動角の高角化を図ることができる。特に、トラック溝ボール中心軌跡線が円弧部とテーパ部とを備えたものであれば、より一層の高角化が可能である。
以上、本発明の実施形態につき説明したが、本発明は前記実施形態に限定されることなく種々の変形が可能であって、例えば、等速自在継手として、軸線に対して互いに逆方向に傾いたボール溝を円周方向に交互に形成した外周面を有する内輪と、軸線に対して互いに逆方向に傾いたボール溝を円周方向に交互に形成した内周面を有する外輪と、軸線に対して互いに逆方向に傾いた内輪のボール溝と外輪のボール溝との交差部に組み込んだトルク伝達ボールと、内輪の外周面と外輪の内周面との間に介在してトルク伝達ボールを円周方向で所定間隔に保持するケージとを有するクロスグルーブ型等速自在継手であってもよい。
また、各実施形態において、トルク伝達手段としてボール数は任意に設定できる。ボールの周方向配設ピッチとしても等ピッチであっても、不等ピッチであってもよい。
本発明の実施形態を示す等速自在継手の断面図である。 前記図1の外輪の要部拡大断面図である。 外輪の変形例を示す要部拡大断面図である。 本発明の実施形態を示す他の等速自在継手の断面図である。 本発明の実施形態を示す別の等速自在継手の断面図である。 前記図5の等速自在継手の横断面図である。 従来の固定式等速自在継手の断面図である。 前記図7の外輪の横断面図である。
符号の説明
21 内径面
21a 接触部
21b 非接触部
22,25 両トラック溝
24 外径面
27 ボール
28 ケージ
28a 外径面
31 内径面
31a 接触部
31b 非接触部
32,35 トラック溝
34 外径面
37 ボール
38 ケージ
38a 外径面
S 隙間

Claims (10)

  1. 内径面に複数のトラック溝が形成された外側継手部材と、外径面に複数のトラック溝が形成された内側継手部材と、前記外側継手部材のトラック溝と内側継手部材のトラック溝との間に介在してトルクを伝達する複数のボールと、前記外側継手部材と内側継手部材との間に介在してボールを保持するケージとを備えた等速自在継手であって、
    外側継手部材のトラック溝間の内径面において、トラック溝間の中間部をケージの外径面と接触する接触部とするとともにトラック溝側をケージの外径面との間に隙間を形成する非接触部としたことを特徴とする等速自在継手。
  2. 前記接触部が焼入れ後に切削を行う焼入鋼切削又は研削してなることを特徴とする請求項1に記載の等速自在継手。
  3. 前記非接触部を形成する隙間の径方向間隔を周方向に沿って略同一としたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の等速自在継手。
  4. 前記非接触部を形成する隙間の径方向間隔を周方向に沿って、トラック溝間の中間部からトラック溝に向かって拡大することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の等速自在継手。
  5. 角度変位のみを許容する固定式であることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の等速自在継手。
  6. 角度変位及び軸方向変位を許容する摺動式であることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の等速自在継手。
  7. 前記内側継手部材及び外側継手部材のトラック溝ボール中心軌跡線が単一の円弧部からなることを特徴とする請求項5に記載の等速自在継手。
  8. 前記内側継手部材及び外側継手部材のトラック溝ボール中心軌跡線が複数の円弧部からなることを特徴とする請求項5に記載の等速自在継手。
  9. 内側継手部材及び外側継手部材のトラック溝ボール中心軌跡線が円弧部とストレート部とを備えたことを特徴とする請求項5に記載の等速自在継手。
  10. 外側継手部材及び内側継手部材の円周方向に隣り合うトラック溝の向きを交互に対称となるように配置したことを特徴とする請求項5又は請求項7〜請求項9のいずれか1項に記載の等速自在継手。
JP2008075506A 2008-03-24 2008-03-24 等速自在継手 Withdrawn JP2009228811A (ja)

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