JP2009228264A - 入隅コーナー部の収納棚構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】 収納スペースに収納棚を平面視L字型に配置し使い勝手がよい入隅コーナー部の収納棚を設置する際、コーナー支柱などの余計な部材を必要とせず施工作業性にも優れ、コーナー棚も不要で収納棚が二枚あればよく、棚板側端縁どうしの継ぎ目も1箇所で済み、外観的にも優れた入隅コーナー部の収納棚構造を安価に提供する。
【解決手段】 建物の入隅コーナー部の収納棚構造であって入隅コーナー部の奥側壁面に設けられる受け残と側壁面に設けられる受けパネルに載置された奥側横パネルと縦パネルで構成され縦パネルと横パネルとで収納スペースが複数個のユニットに仕切られており、奥側横パネルの入隅側の端部の長手方向の前木口と側方横パネルの入隅側の短手端部が入隅コーナー部で当接され、当接箇所でそれぞれのパネルが受け具によって接合され平面視L字型の収納棚に形成されるようにした。
【選択図】 図1

Description

本発明は建物の収納スペース内部の特に入隅コーナー部の収納棚構造に関する。
従来から建物の収納スペースとして置き家具の他に収納棚板を用いることが行われてきた。住宅における収納スペースに平面視長方形の形状を有する収納棚板を収納スペースの奥側壁面に横方向(水平方向)に、一段又は複数段を高さ方向に亘って設置し、場合によっては、縦方向(垂直方向)にも仕切り板を設置し収納スペースを構成していた。この収納棚板をコーナー部分以外の、奥側壁面の一面に取り付ける場合は、受け桟やコネクター等のジョイント金具を用いて比較的簡単に取り付けすることができる。
また、入隅部などのコーナー部に棚板を取り付ける場合、それ専用の取り付け方があり、例えば、入隅コーナー部にコーナー用の特別なコーナー支柱とコーナー用の特別な棚板を用意しコーナー部で略直角に交差する二枚のブラケットを前記コーナー支柱に係止させ、該ブラケットによってコーナー棚板を取り付け係止させた構造の棚板取り付け装置の記載がある。(例えば、特許文献1参照)。
特開2000−248667号公報(第1−4頁、第1−2図)
ところが、上記、収納棚板をコーナー部分以外の奥側壁面の一面に取り付けた構造の収納スペースの場合は奥側壁面に対して一面のみの収納スペースであり、収納スペースに限りがあるのみならず、使い勝手の良い収納スペースとするには困難があった。このため、例えば、ウオークインクローゼットのように比較的大きな収納スペースにおいて、収納棚を奥側壁面だけでなく左右いずれか又は両方の側方壁面にも収納棚を配置し、平面視L字型、又は、コの字型に構成する場合、従来の平面視長方形の形状を有する収納棚板の一枚を奥側壁面に取り付け、さらに他の一枚を左右いずれかの壁面に取り付けようとすれば、二枚の収納棚が略直角に当接する入隅コーナー部において、二枚目の収納棚を受けるコーナー支柱を設ける必要があった。このため、構造が複雑で、余計な部材が必要となりコスト的にも高価につくばかりでなく、前記コーナー支柱が収納物の出し入れの際、邪魔になった。
また、前記したように、建物の収納スペースの入隅コーナー部において、長方形状の二枚の収納棚を平面視略L字型に折れ曲がった形態となるように取り付けるとなると、上記の特開2000−248667号公報に記載の構造も考えられるが、この構造では、入隅コーナー部に取り付けたコーナー棚板の左右両側端縁に続けて、長方形状の二枚の収納棚を配置し、平面視略L字型に折れ曲がった形状とするには、コーナー支柱以外の支柱及びブラケットなどを必要とし、これらのさらなる余分な部材を必要とし、部材点数が増えることのみならず、施工作業に多大な手間がかかり、平面視長方形の棚板が2枚とコーナー部の棚板が1枚の合計3枚もの棚板を必要とし、構造が複雑でコスト的にも高価につくばかりでなく、少なくとも棚板が3枚は必要となり、従って、棚板側端縁どうしの継ぎ目も最低2箇所発生し、見た目の外観的にもすっきりとした納まりにならなかった。
本発明の目的は、収納スペースの奥側壁面及び左右何れかの壁面に収納棚を平面視L字型に配置することで広くて使い勝手がよい入隅コーナー部の収納棚を設置する際、コーナー支柱やブラケットなどの余計な部材を必要とせず、施工作業性にも優れ、さらにコーナー棚も不要で収納棚が二枚あればよく、棚板側端縁どうしの継ぎ目も1箇所で済み、見た目の外観的にもすっきりとした納まりの入隅コーナー部の収納棚構造を安価に提供することにある。
上記課題を解決するためになされた請求項1に記載の発明は、建物内部の入隅コーナー部の収納スペースを縦パネル及び横パネルで仕切って収納スペースを形成する入隅コーナー部の収納棚構造であって、前記入隅コーナー部の奥側壁面に設けられる受け残と側壁面に設けられる受けパネルとに載置される奥側横パネルと、前記入隅コーナー部の側壁面に設けられる受け桟と手前壁面に設けられる受けパネルとに載置される側方横パネルとによって、収納スペースが上部の天袋スペースと下部の本体スペースの上下に分割されており、前記奥側横パネル及び又は側方横パネル下面から床面まで略垂直に設けられ、下部の本体スペースを分割する縦パネルで構成され、前記縦パネルと横パネルとで収納スペースが複数個のユニットに仕切られており、前記奥側横パネルの入隅側の端部の長手方向の前木口と側方横パネルの入隅側の短手端部が入隅コーナー部で当接されており、該当接箇所でそれぞれのパネルが受け具によって接合され、前記奥側横パネルと側方横パネルとが平面視略L字型形状、又は、平面視略コの字型形状に形成されていることを特徴としている。
このような構成によれば、奥側壁面と側方壁面の両方に収納棚を平面視略L字型形状、又は、平面視略コの字型形状に配置し、入隅コーナー部を活用した広くて使い勝手がよい収納スペースが簡単に設置可能である。すなわち、コーナー支柱やブラケットやコーナー棚などの余計な部材を必要とせず、水平方向の収納棚が少なくとも二枚あればよく、棚板側端縁どうしの継ぎ目も1箇所で済み、見た目の外観的にもすっきりとした納まりの入隅コーナー部の安価な収納棚構造が可能となる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の入隅コーナー部の収納棚構造において、前記受け具が横パネルの厚み寸法だけの距離を離して設けられた上部と下部の上下二枚の水平片と、該上部水平片の一方側の端縁から略垂直に垂下して設けられ下部水平片の他方側の端縁に接続するように設けられた垂下片とからなり、断面視略Z型の受け具であり、前記横パネルどうしの当接箇所で、横パネルの表面又は裏面が受け具の上部水平片又は下部水平片によって接続固定されていることを特徴としている。
このような構成によれば、前記受け具が横パネルの厚み寸法だけの距離を離して設けられた上部と下部の上下二枚の水平片と該上部水平片の一方側の端縁から略垂直に垂下して設けられ下部水平片の他方側の端縁に接続するように設けられた垂下片とからなり、断面視略Z型の受け具であるので、余計な部材が不要であるのみならず、収納棚板を平面視略L字型形状、又は、平面視略コの字型形状に取り付け施工する際の、施工作業性と施工後の仕上がり外観にも優れた安価な入隅コーナー部の収納棚構造の形成にとって、よりいっそう好適である。
請求項1に記載の発明によれば、奥側壁面と側方壁面の両方に収納棚を平面視略L字型形状、又は、平面視略コの字型形状に配置し、入隅コーナー部を活用した広くて使い勝手がよい収納スペースが簡単に設置可能である。すなわち、コーナー支柱やブラケットやコーナー棚などの余計な部材を必要とせず、水平方向の収納棚が少なくとも二枚あればよく、棚板側端縁どうしの継ぎ目も1箇所で済み、見た目の外観的にもすっきりとした納まりの入隅コーナー部の安価な収納棚構造が可能となる。
請求項2に記載の発明によれば、前記受け具が横パネルの厚み寸法だけの距離を離して設けられた上部と下部の上下二枚の水平片と該上部水平片の一方側の端縁から略垂直に垂下して設けられ下部水平片の他方側の端縁に接続するように設けられた垂下片とからなり、断面視略Z型の受け具であるので、余計な部材が不要であるのみならず、収納棚板を平面視略L字型形状、又は、平面視略コの字型形状に取り付け施工する際の、施工作業性と施工後の仕上がり外観にも優れた安価な入隅コーナー部の収納棚構造の形成にとって、よりいっそう好適である。
本発明の詳細を図面に従って説明する。図1は本発明の入隅コーナー部の収納棚構造を示す斜視図である。図2は本発明の収納棚構造の棚接合方法の説明図である。図3は本発明の受け具を示し、(イ)は斜視図、(ロ)は垂直断面図である。図4は本発明の収納棚構造の棚接合方法のバリエーションを示す断面図である。図中、符号1は収納棚構造、2は縦パネル、3は横パネル、3aは奥側横パネル、Mは奥側横パネルの長手方向前木口、3bは側方横パネル、Tは側方横パネルの短手端部、4は受け桟、5は受け具、F1は受け具の上部水平片、F2は受け具の下部水平片、Kは受け具の垂下片、Hは受け具の取り付け孔、Nは木ネジ、6は受けパネル、Sは収納スペース、S1は天袋スペース、S2は本体スペース、S3は小物収納部、Eは入隅コーナー部、W1は奥側壁面、W2は側壁面、W3は手前壁面、Lは棚板、Jはジョイント部、Yは床材を示す。
図1において、本発明の入隅コーナー部Eにおける収納棚構造の詳細を述べる。先ず、本発明の収納棚構造1を設置するための収納スペースSを形成する。該収納スペースSは奥側壁面W1と左右の側壁面W2と手前壁面W3の4つの壁面、及び、天井壁面と床面とに囲われて形成されている。住宅等の建物内部の空間は、居住スペース(図示せず)と収納スペースSとの二つに大別される。本発明の収納棚構造は、この収納スペースSの内部に設けられるものである。該収納スペースSは上部の天袋スペースS1と下部の本体スペースS2の二つに分けられる。この収納スペースSの開口部前面には、開閉機構を備えた戸板(図示せず)が設けられている。該戸板は、折戸、開き戸、引き戸などさまざま用いられる。これらの中でも、折戸タイプで吊元フリータイプの戸板で構成される折り畳み扉が、戸板開閉操作し易く、しかも、戸板開時に戸板の陰に隠れるデッドスペースが生じないので収納物の出し入れが便利で、最も好適である。本発明の収納棚構造1は、この収納スペースSの内部の入隅コーナー部Eに設けられるものである。
本例に示す収納スペースSは奥行き寸法が比較的大きな、所謂、ウオークインクローゼットタイプの収納スペースSに用いられると便利なものである。このように、奥行き寸法が大きい収納スペースS内部の入隅コーナー部Eに設置される。
本発明の収納スペースSは、縦パネル2と横パネル3とで縦横に仕切られて形成されている。略水平な横パネル3の下面に当接して縦パネル2が、横パネル3下面と床材Yとの間に略垂直方向に設置されている。最も単純な基本形としては、縦パネル2が1枚と横パネル3が1枚で、正面視Tの字型に組み合わされて上部の天袋スペースS1が1箇所と、下部の本体スペースS2が2箇所形成されたものである。本例では向かって左側に小物収納部S3が設けられた例を示す。この小物収納部S3は必ずしも必須のものではない。また、向かって右側だけに設けてもよいし、また、左側と右側の両方に設けてもよい。また、収納スペースSがそれほど大きくない場合、縦パネル2を省略して横パネル3のみで構成されても、勿論よいものとする。
本発明の収納棚構造1は、先ず、収納スペースSの奥側壁面W1の所定位置に水平方向に受け桟4が釘や木ネジNと接着剤を併用して取り付けられている。該受け桟4の左右両端部に略直角に連接して側壁面W2の奥隅(入隅コーナー部E)に受けパネル6が左右各1枚設けられている。該受けパネル6の厚みは縦又は横パネル3とほぼ同じぐらいのものが横パネル3の取り付け安定性が高く好適であるが、必ずしも同じ程度の厚みでなくてもよく、横パネル3を安定して受けることができる厚みであればよい。受けパネル6の側壁面W2への取り付けに際しても、釘や木ネジNと接着剤を併用して取り付けることが望ましい。
さらに、前記奥側壁面W1に取り付けられている受け桟4の上面と左右の側壁面W2に取り付けられている受けパネル6の3つの部材の上面それぞれの高さ位置が略等しく段差がほとんどなく、且つ、水平であることが大切である。段差があったり、水平が出ていないと、横パネル3の取り付けに支障が生じる。
前記奥側壁面W1と左右の側壁面W2の三方に取り付けられた受け桟4、受けパネル6とを下地として、この上に奥側横パネル3aが載置されている。奥側壁面W1、左右の側壁面W2と奥側横パネル3aとの取り付けは、奥側横パネル3aの上から下地となる受け桟4、及び、左右の受けパネル6に向けて、釘又は木ネジNで取り付ける。このとき、接着剤を併用すれば、よりいっそう強固に安定して取り付けることができる。
そして、本例では奥側横パネル3aの下面と床材Yとの間に縦パネル2が設けられている。本例では該縦パネル2が向かって中央からやや左よりの位置に1枚設けられている。従って、奥側横パネル3aを受けるための機能を有する縦方向のパネル部材としては、本例では3枚設けられている。すなわち、奥側横パネル3aの左右両端部を受けるために左右側壁面W2に設けられた受けパネル6が2枚と、中央左よりに設けられた縦パネル2が1枚の合計3枚である。
奥側横パネル3aと縦パネル2との取り付けは、木ダボ方式で取り付けられている。また、図示しないが、側方横パネル3bに縦パネル2を取り付ける場合も同様に木ダボ方式で取り付けるとよい。すなわち、縦パネル2の上木口面と下木口面にダボ穴を設け木ダボを嵌入し接着剤であらかじめ固着させておく。さらに、該木ダボの位置に合う、奥側横パネル3aの下面位置に下面から半貫通のダボ穴が設けられ、縦パネル2の上木口面から突出している木ダボを奥側横パネル3a下面に設けられているダボ穴に差し込んで接続が完了する。このとき、ダボ穴の内部に酢酸ビニル樹脂等からなる木工用接着ボンドを入れてから木ダボをダボ穴に差し込むとよい。また、木ダボの直径に対してダボ穴の直径を若干小さめ(約0.1〜0.3mm程度)しておくとよい。このようにして、横パネル3と縦パネル2の上端部とのジョイント部Jが形成されている。本例では、縦パネル2の上木口面に2個の木ダボを設けて接続している。
奥側横パネル3aと縦パネル2との取り付け方法は、前記木ダボ方式が作業性や強度耐久性やコスト的にも好適であるが、この取り付け方式に限定されるものではない。L金具等の他の接続金具や、コネクタージョイント等や、釘、木ネジ方式などであってもよいものとする。また、側方横パネル3bに縦パネル2を取り付ける場合も同様である。
また、縦パネル2の下端部と床材Yとの接続は、前記の木ダボ方式や、L金具方式や、釘、木ネジ方式でもよいが、他の方法として、コネクター部材を用いると、よりいっそう強固に作業性よく接続できる。該コネクター部材は縦パネル2の左右表面のいずれか片方の表面の下端部で床材Yの近傍に本例では2個用いられている。該コネクター部材は縦パネル下端部近傍にあらかじめ設けられている接続用の部材である。コネクター部材は木ネジを斜め下方に螺入させるための斜め取り付け孔が斜め下方に向けて設けられている。前記斜め取り付け孔を用いて木ネジNを斜め下方に床材Yに向けて螺入させて取り付ける。このようにして、床材Yと縦パネル2の下端部とのジョイント部Jが形成されている。
また、奥側横パネル3aの左右両端部と左右の受けパネル6との取り付けも、前記木ダボ方式で取り付けることができる。また、木ダボ方式以外の方法として、前記受け桟4への取り付けの場合と同様に、釘や木ネジNと接着剤を併用して取り付けることができる。また、その他の取り付け方法でもよいものとする。また、側方横パネル3bの手前側端部と手前壁面W3の受けパネル6との取り付けも同様である。
また、各部材パネルの取り付けは、本例では先ず、前記受け桟4を1本を奥側壁面W1の所定位置に取り付け、さらに、左右の側壁面W2に左右2枚の受けパネル6を取り付けておく。次に、縦パネル2を所定の取り付け位置に設置し、縦パネル2の上端部の木ダボを突出させておいて、その上から前記奥側横パネル3aの下面のダボ穴に前記突出した木ダボを差し込むとともに奥側横パネル3aを前記受け桟4及び左右の受けパネル6の上に載置する。続いて、縦パネル2の下端部と床材Yとの相互位置関係を正確に調整した後、縦パネル2の下端部近傍のコネクター部材の斜め取り付け孔を手掛かりとして、木ネジNを斜め下方の床材Yに向けてねじ込む。さらに、前記受け桟4及び左右の受けパネル6の上に載置した奥側横パネル3aをしっかりと取り付け固定する。すなわち、奥側横パネル3aが奥側壁面W1と接する箇所で、奥側横パネル3aと受け桟4を木ネジNと接着剤を併用して取り付け、さらに、奥側横パネル3aと左右の側壁面W2とが接する箇所で奥側横パネル3aと受けパネル6とを同様にして取り付ける。このようにして、縦横パネルで構成された正面視T字型収納スペースが完成する。奥側横パネル3aが横方向に設置され、天袋スペースS1と下方の本体スペースS2の二つの収納スペースが構成されている。
本例では、前記縦パネル2の向かって左側に小物収納部S3を設ける。すなわち、向かって左側の受けパネル6と縦パネル2と奥側横パネル3aと複数枚の小幅の棚板Lとで形成された、小物収納部S3が設けられている。本例では、棚板Lが2段の例を示すが、これ以外の段数であっても勿論よいものとする。図示しないが、棚板受け用の受け材を左右2本づつ計4本設けて、この上に棚板Lを載置してもよい。
また、他の方法として、図示しないが、受けパネル6に前記受け材を取り付けない方法もある。この場合は、受けパネル6や縦パネル2がフラッシュ構造パネルの場合は下地の芯材がある箇所に棚受けダボ用の差し込み穴を設け、該差し込み穴に棚受けダボを施工現場で手で差し込んで取り付けておく。密実構造の芯材の場合は芯材位置には特に注意しなくてもよい。一方、棚板Lの裏面側で、前記棚受けダボと合う位置に棚受けダボが嵌合する嵌合穴を棚板Lの裏面の所定位置に設けておく。このようにして嵌合穴に棚受けダボを嵌合させて棚板Lを設置する。
上記した各部材、すなわち、縦パネル2、横パネル3、受け桟4、受けパネル6、棚板Lなどの材料は、木質の板状部材からなる。受け桟4の場合は棒状部材でもよい。これ以外に木材用の鋸で施工現場で簡単に切断可能な合成樹脂製の板状部材又は棒状部材であってもよいものとする。
木質の板状部材の場合は、フラッシュ構造(例えば単板積層材からなる下地芯組材の表裏面に厚み約3〜5mm程度の薄い合板や中比重繊維板などを貼り合わせた構造)のパネル部材又は密実構造のパネル部材であってもよいものとする。このうちで、密実構造のパネル部材である場合は、切断箇所がどの位置であってもよいので、施工現場の取り付けスペースの状況によって適宜切断可能で、寸法、形状等が自由に調整できるので好適である。フラッシュ構造の場合は切断する箇所に下地芯組材が存在していなければならず、どの位置でも切断できるものではない。
前記各パネル部材の材質は、木質の場合、合板、中比重繊維板、ハードボード、パーティクルボード、OSB、集成材等を好適なものとして例示できる。また、合成樹脂製の成形体からなる場合は、硬質のものが強度を考慮すると好適である。樹脂の種類としては、アクリル樹脂成型体、ポリエステル樹脂成型体、塩ビ樹脂成型体、ウレタン樹脂成型体、ポリエチレン樹脂成型体等が、強度、耐久性、コスト、加工性等を考慮すると好適である。
また、本例では、収納スペースSに向かって右側に側方横パネル3bが設けられている。該側方横パネル3bは側壁面W2に設けられた受け桟4と、収納スペース開口部手前側の向かって右側に設けられた手前壁面W3に設けられた受けパネル6と、前記奥側横パネル3aの入隅側の端部の長手方向の前木口Mの箇所に設けられている受け具5の3箇所で受けるようにして取り付けられている。このようにして、前記奥側横パネル3aの入隅側の端部の長手方向の前木口Mと側方横パネル3bの入隅側の短手端部Tが入隅コーナー部Eの箇所で当接している。該当接箇所で、それぞれのパネルが受け具5によって接合されている。本例ではこのようにして、前記奥側横パネル3aと側方横パネル3bとが平面視略L字型形状に形成されている。このようにして、入隅コーナー部Eにおける収納棚構造が構成されている。
前記側方横パネル3bは収納スペースSに向かって右側にのみ設けられるものではなく、収納スペースSに向かって左側にのみ設けてもよいし、また、その両方に設けてもよいものとする。側方横パネル3bを収納スペースSに向かって右側と左側の両方に設けた場合は、平面視、略コの字型形状を有する入隅コーナー部の収納棚構造ができる。また、前記縦パネル2は奥側横パネル3aにのみ取り付けるものではなく、必要に応じて側方横パネル3bに取り付けてもよいものとする。また、縦パネル2を全く設けない構造であっても横パネル3のみで、収納スペースSとして十分機能すればよい。
図2において、入隅コーナー部Eにおける平面視略L字型形状の収納棚を設ける方法について詳述する。図2において本例に示す収納棚接合箇所の詳細を示す。本発明の受け具5は、図3で詳述するが、上部水平片F1と垂下片Kと下部水平片F2とで構成されており、断面視略Z字型に形成された部材である。
図2に従って、奥側横パネル3aと側方横パネル3bを前記受け具5を用いて、平面視略L字型形状に接続する方法について詳述する。先ず、側方横パネル3bの入隅側の短手端部Tの裏面側に受け具5の下部水平片F2の表面を当接させ、且つ、前記短手端部Tの木口面を受け具5の垂下片K表面に当接させる。この状態で下部水平片F2の取り付け孔Hを利用して下方から上へ向けて木ネジNを、側方横パネル3bの短手端部Tの裏面側からねじ込み、短手端部Tに受け具5をしっかりと取り付け固定する。
続いて、側方横パネル3bの入隅側の短手端部Tから奥側へ向けて突出している受け具5の上部水平片F1を、奥側横パネル3aの長手方向の入隅側の前木口Mの表面に載置する。ここで、両方の横パネルどうしの位置ズレや段差や隙間などがないことを確認する。続いて、受け具5の上部水平片F1に設けられた取り付け孔Hを利用して、奥側横パネル3aの長手方向の入隅側の前木口Mの表面側から木ネジNをしっかりとねじ込む。このようにして、奥側横パネル3aと側方横パネル3bとを平面視略L字型形状に接続することができる。
図3において、本発明の受け具5の詳細を示す。本発明の受け具5は上部水平片F1と下部水平片F2と垂下片Kの3つの部分で構成されている。受け具5は上部水平片F1の左右両端縁の左右いずれか一方側の端縁から略垂直に垂下して垂下片Kが設けられ、該垂下片Kは、その下端縁において下部水平片F2の他方側の端縁に接続するように設けられている。すなわち、上部水平片F1とは異なる側の左右いずれかの端縁と接続するように構成され、断面視略Z字型形状を有している。
さらに、前記上部水平片F1と下部水平片F2とが垂下片Kを介して所定寸法だけ離間して互いに略平行して設けられている。前記上部水平片F1の表面と下部水平片F2の表面とが離間している寸法は、前記奥側横パネル3aや側方横パネル3bの厚み寸法に略等しくなるように構成されている。
このようにして、前記奥側横パネル3aと側方横パネル3bとを受け具5で接続した際、両方の横パネルの表面どうしに段差がほとんど生じないようにすることが大切である。また、前記奥側横パネル3aと側方横パネル3bの接続箇所で隙間等が生じないようにすることが大切である。また、上部水平片F1と下部水平片F2の表面の所定箇所に、受け具の取り付け孔Hが設けられている。本例では貫通した丸孔である。しかし、必ずしも貫通した丸孔に限定されるものではない。本例では上部水平片F1に2個、下部水平片F2に2個の計4個の取り付け孔Hが設けられている。取り付け孔Hの形状や個数は1例であって、これに限定されるものではない。
受け具5の材質は、アルミ、ステンレス、真鍮、亜鉛引き鉄板などの金属製の他に硬質の塩ビ樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂などの合成樹脂成型体等でもよい。しかし、強度、耐久性を考慮すると金属製が好適である。
図4において、本発明の収納棚構造の棚接合方法のバリエーションを示す。(イ)〜(ニ)に示すように、受け具5は垂直軸があると仮定して、該垂直軸のまわりに、受け具5の長手方向を前後方向に180度回転させると、断面視略Z字型から逆Z字型に変換できる。従って、図4の(イ)から(ニ)の各例に示すように、さまざまな接合パターンのバリエーションがある。施工現場の状況や、収納スペースSの使用状況等を勘案して最適なものを選択すればよい。
本発明の入隅コーナー部の収納棚構造を示す斜視図。 本発明の収納棚構造の棚接合方法の説明図。 本発明の受け具を示し、(イ)は斜視図。(ロ)は垂直断面図。 本発明の収納棚構造の棚接合方法のバリエーションを示す断面図。
符号の説明
1 収納棚構造
2 縦パネル
3 横パネル
3a 奥側横パネル
M 奥側横パネルの長手方向前木口
3b 側方横パネル
T 側方横パネルの短手端部
4 受け桟
5 受け具
F1 受け具の上部水平片
F2 受け具の下部水平片
K 受け具の垂下片
H 受け具の取り付け孔
N 木ネジ
6 受けパネル
S 収納スペース
S1 天袋スペース
S2 本体スペース
S3 小物収納部
E 入隅コーナー部
W1 奥側壁面
W2 側壁面
W3 手前壁面
L 棚板
J ジョイント部
Y 床材

Claims (2)

  1. 建物内部の入隅コーナー部の収納スペースを縦パネル及び横パネルで仕切って収納スペースを形成する入隅コーナー部の収納棚構造であって、前記入隅コーナー部の奥側壁面に設けられる受け残と側壁面に設けられる受けパネルとに載置される奥側横パネルと、前記入隅コーナー部の側壁面に設けられる受け桟と手前壁面に設けられる受けパネルとに載置される側方横パネルとによって、収納スペースが上部の天袋スペースと下部の本体スペースの上下に分割されており、前記奥側横パネル及び又は側方横パネル下面から床面まで略垂直に設けられ、下部の本体スペースを分割する縦パネルで構成され、前記縦パネルと横パネルとで収納スペースが複数個のユニットに仕切られており、前記奥側横パネルの入隅側の端部の長手方向の前木口と側方横パネルの入隅側の短手端部が入隅コーナー部で当接されており、該当接箇所でそれぞれのパネルが受け具によって接合され、前記奥側横パネルと側方横パネルとが平面視略L字型形状、又は、平面視略コの字型形状に形成されていることを特徴とする入隅コーナー部の収納棚構造。
  2. 前記受け具が横パネルの厚み寸法だけの距離を離して設けられた上部と下部の上下二枚の水平片と、該上部水平片の一方側の端縁から略垂直に垂下して設けられ下部水平片の他方側の端縁に接続するように設けられた垂下片とからなり、断面視略Z型の受け具であり、前記横パネルどうしの当接箇所で、横パネルの表面又は裏面が受け具の上部水平片又は下部水平片によって接続固定されていることを特徴とする請求項1に記載の入隅コーナー部の収納棚構造。
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