以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
なお、以下に説明する実施の形態においては、入力信号が画像の場合を例に挙げて説明を行うが、画像以外にも音声などのデータに対しても本発明を適用できる。
[第1の実施の形態について]
図6は、本発明を適用した変調装置の一実施の形態の構成を示す図である。第1の実施の形態は、ロバスト性を向上させることができる変調装置と復調装置である。図6に示した変調装置100は、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)方式により入力されたデータを変調する装置の構成を示している。
図6に示したOFDMの変調装置100は、シリアル/パラレル変換部101(以下、S/P変換部101と記載する)、IFFT(Inverse Fast Fourier Transform)部102、パラレル/シリアル変換部103(以下P/S変換部103と記述する)、ガードインターバル付加部104(以下、GI付加部104と記述する)、D/A(Digital/Analog)変換部105―1,105−2、ローパスフィルタ(LPF)106―1,106−2、乗算器107―1,107−2、発振器108、加算器109、バンドパスフィルタ(BPF)110、アンテナ111、圧縮符号化部112、およびLUT(Look Up Table)保持部113により構成されている。
S/P変換部101は、パケット(ブロック)毎にシリアルなデータをパラレルのデータに変換し、IFFT部102に出力する。IFFT部102は、供給されるデータを逆高速フーリエ変換(IFFT)する。IFFT部102が逆高速フーリエ変換の処理を実行するとき、圧縮符号化部112からの情報が供給され、その情報に基づき副搬送波が選択され、逆高速フーリエ変換が実行される。
圧縮符号化部112には、S/P変換部101に入力される画像データと同じ画像データが入力される。圧縮符号化部112は、入力された画像データに所定の圧縮処理を加え、その結果得られる情報に基づき、LUT保持部113に保持されているテーブルを参照して、副搬送波を選択するための情報を読み出す。
P/S変換部103は、IFFT部102よりパラレルに供給されるデータをシリアルデータに変換する。P/S変換部103からは、同相成分(I:In phase)と直交成分(Q:Quadrature)が、それぞれ出力される。GI付加部104は、P/S変換部103より供給されるシンボル毎のデータにガードインターバルを付加する。
D/A変換部105―1は、GI付加部104より出力された同相成分のデータをD/A変換し、D/A変換部105―2は、GI付加部104より出力された直交成分のデータをD/A変換する。LPF106−1は、D/A変換部105―1より供給された同相成分のデータの低域成分のみを抽出することにより、符号間干渉が生じないように帯域制限する。同様に、LPF106−2は、D/A変換部105―2より供給された直交成分のデータの低域成分のみを抽出することにより、符号間干渉が生じないように帯域制限する。
乗算器107―1は、発振器108が出力するキャリアとLPF106−1より出力される同相成分のデータとを乗算する(周波数変調する)。同様に乗算器107―2は、発振器108が出力するキャリアとLPF106−2より出力される直交成分のデータとを乗算する(周波数変調する)。加算器109は、乗算器107―1からの同相成分のデータと、乗算器107−2からの直交成分のデータを加算する。
BPF110は、加算器109から供給されたデータの所定の周波数帯域の成分(キャリア成分)のみを抽出することで帯域制限を行う。BPF110の出力は、アンテナ111を介して伝送路に伝送される。
以下の説明において、S/P変換部101では、 バイナリ化されたシリアルデータが入力されることを前提に説明を行うが、入力される画像データをそのままパラレルで伝送する場合には、 S/P変換部101を備えない構成とすることも可能であるし、S/P変換部101の処理を行わないでIFFT部102に入力される経路を設けるようにしても良い。また、IFFT 部102のFFT ポイント数に合うように最適な変換がなされるものとする。
次に、図7のフローチャートを参照して、図6の変調装置100の変調処理について説明する。
ステップS11において、P/S変換部101は、入力された画像データに対して、パラレル/シリアル変換処理を施す。S/P変換部101は、シリアルに供給される各ブロック(パケット)のデータを、パラレルのデータに変換して、IFFT部102に供給する。
一方、圧縮符号化部112は、ステップS12において、入力された画像データに対して圧縮符号化処理を施す。圧縮符号化部112とS/P変換部101で処理される画像データは、ここでは、図8に示すように、ブロック化されているデータであるとする。図8は、ブロック化処理の例を表している。この例においては入力された1フレーム分の画像データがm×n個の画素毎にブロック化される。
ここで、圧縮符号化部112が行う圧縮符号化処理は、例えば、VQ(Vector Quantizer: ベクトル量子化) で行なわれる。圧縮符号化部112は、供給される画素データを、ブロック毎にベクトル量子化する。図9のフローチャートを参照し、ベクトル量子化の処理について説明する。
ステップS31において、圧縮符号化部112は、供給された画像データを、任意の大きさにブロック化する。ステップS32において、初期化を行う。初期化の処理は、ルックアップテーブル(LUT)の第i番目のベクトルデータを示すi(変数i)を0に設定し、後述する式(1)で算出される距離Eの値を0に設定する処理である。
ここで、LUT保持部113に保持されているテーブル131について説明する。図10は、テーブル131の一例を示す図である。テーブル131は、ベクトル量子化コードと代表ベクトルデータが関連付けられているテーブルである。ベクトル量子化コード0は、V00,V01,V02,V03・・・の構成要素で構成される代表ベクトルに対応しており、ベクトル量子化コード1は、V10,V11,V12,V13・・・の構成要素で構成される代表ベクトルに対応しており、ベクトル量子化コード2は、V20,V21,V22,V23・・・の構成要素で構成される代表ベクトルに対応する。
ステップS33において、圧縮符号化部112は、記憶しているテーブル131の第i番目のベクトル量子化コードに対応する代表ベクトルCを読み出す。そして、ステップS34において、圧縮符号化部112は、次式(1)に基づいて、ステップS31の処理でブロック化された注目ブロックの画素で構成されるベクトルVの代表ベクトルCとの距離Eを演算する。
式(1)において、Dは次元数を表し、m×nに等しい。また、Nはテーブル131に記録されているベクトル量子化コードの数に対応する。
ステップS35において、算出された距離Eiは、最小値であるか否かが判断される。圧縮符号化部112は、既に算出されている距離Eiのうちの最小値を記憶し、その記憶されている最小値よりも、その時点で算出された距離Eiの値の方が小さいか否かを判断する。
ステップS35において、算出された距離Eiは、最小値であると判断された場合、ステップS36において、その値が記憶され、ステップS37に処理が進められ、最小値ではないと判断された場合、ステップS36の処理はスキップされ、すなわち、その時点で、記憶されている最小値が、そのまま記憶された状態が維持され、ステップS37に処理が進められる。
ステップS37において、圧縮符号化部112は、変数iの値が値Nと等しいか否かを判定する。変数iの値が値Nと等しくない場合には、ステップS38に処理が進められ、圧縮符号化部112は、変数iの値を1だけインクリメントした後、ステップS33の処理を再び実行する。これにより、テーブル131に記録されている次のベクトル量子化コードに対応する代表ベクトルCが読み出され、ステップS34において、ベクトルVのその代表ベクトルCとの距離Eが演算される。
以上のステップS33乃至ステップS38の処理が、ステップS37において、i=Nと判定されるまで、繰り返し実行される。
ステップS37において、変数iの値が値Nと等しいと判定された場合(ブロックの画素で構成されるベクトルVの、テーブル131に記録されているベクトル量子化コードに対応する全ての代表ベクトルCとの距離Eの演算が終了したと判定された場合)、ステップS39に処理が進められ、N個求められた距離Ei(i=0,1,2,・・・N−1)のうち、最小値が求められる。そして、その最小の距離Eiが対応するベクトル量子化コード(インデックス)iの値が、ベクトル量子化コードの最適値として出力される。この場合、距離Eiの最小値は記憶されているので、その記憶されている距離Eiのインデックスiが出力される。
図11は、以上のベクトル量子化の処理を模式的に表している。ベクトル量子化は、上述したように、各値に量子化するスカラ量子化に対して、いくつかの値を組にして量子化する方法である。量子化により、元の情報源との間に歪みが生じるが(量子化歪みや量子化雑音などと称される歪み)、レートを一定としたとき、ベクトル量子化は、スカラ量子化よりも常に歪みが小さい歪みである。図11は、ベクトル量子化の概念について説明するための図である。m×nのブロックサイズのデータをベクトル量子化する場合、m×n次元ベクトルの入力データは、図11の星印で示したように、任意のベクトル空間上に射影される。
入力されたベクトルデータ(図11中の×印)に対して、一番距離が近いベクトルコードの番号が選択され、そのベクトルのコード番号が伝送される。すなわち、図11の例においては、m×n次元のベクトル空間に対応して、9個(N=9)の代表ベクトルがテーブル131に記録されている。図11において、番号0乃至番号8がベクトル量子化コードの番号を表している。そして、図11の例の場合、番号5のベクトル量子化コードで表される代表ベクトルとの距離が最も小さい。そこで、この例においては、番号5のベクトル量子化コードが出力される。
なお、ベクトル量子化で使用されるベクトルコード(図11の星印の#0から#8に相当)を生成する手法としては、
1.再帰分割
2.階層型クラスタリング
3.LBG アルゴリズム
などが用いられる。
図2に戻って、ステップS12において、以上のようにしてベクトル量子化処理(圧縮符号化処理)が行なわれた後、そのベクトル量子化処理で決定されたベクトル量子化コードは、IFFT部102に供給される。IFFT部102は、ステップS13において、副搬送波を決定する。IFFT部102は、ベクトル量子化コードに対応して、使用する副搬送波を選択するように構成されている。
ここで、ベクトル量子化コードと、使用される副搬送波の一例を、図13を参照して説明する。参考のために、先に、図12を参照し、従来の副搬送波のパターンについて説明する。OFDM 方式を利用したデータ伝送の場合、図12に示すように、任意の周波数間隔毎に挿入されたパイロット信号(受信の位相回転補正に利用、図12では、2本の信号)以外の全ての副搬送波が利用される。
本実施の形態においては、図13に示すように、ベクトル量子化コードにより、利用する副搬送波を設定し、その設定される副搬送波のパターンに意味を持たせる(情報を含ませる)ようにする。例えば、図13を参照するに、圧縮符号化部112からのベクトル量子化コードの情報が“1”の場合(VQcode=1)の場合、C(-N/2-1)の副搬送波を使わないといった副搬送波の選択が行なわれる。
また同様に、圧縮符号化部112からのベクトル量子化コードの情報が“2”の場合(VQcode=2)の場合、C(-N/2-2)の副搬送波を使わないといった副搬送波の選択が行なわれる。このような副搬送波の選択は、ベクトル量子化コード毎に設定されている。換言すれば、ベクトル量子化コード毎に副搬送波のパターンが設定され、そのパターンでの副搬送波が用いられ、データの伝送が行なわれる。
さらに換言するならば、本実施の形態においては、従来、全ての副搬送波を用いてデータの伝送を行っていたが、全ての副搬送波を用いるのではなく、利用しない副搬送波を設定することで、副搬送波のパターンを生成し、その副搬送波のパターン毎に情報を含ませる(副搬送波のパターンで1つの情報が一意に決定できる)ようにする。副搬送波のパターンに含ませる情報は、後述するように、送信したい情報(主情報)に対する付加的な情報(付加情報)である。
このようにすることで、受信側では、伝送されてきたデータから情報(主情報)を取得できることは勿論のこと、副搬送波のパターンからも情報(付加情報)が取得できるようになる。よって、本発明を適用した受信側(後述する復調装置300)は、受信した副搬送波のパターンから、情報を読み取れるように構成されており、送信側(変調装置100)と同様のテーブル131を保持している。
このようなことを、図14を参照しさらに説明する。例えば、256本の副搬送波が使用できる変調装置100で、データ伝送用として192本の副搬送波を用い、制御用として、64本の副搬送波を用いる。制御用の64本の副搬送波は、3本のデータ用副搬送波に1本の割合となるように設定した本数である。
このようにデータ伝送用と制御用に副搬送波を分けた場合に、データ伝送用の192本の副搬送波のうち、さらに128本を選択して利用するときには、
1.4画素×4画素の8bit データ
2.4画素×4画素の8bitデータを圧縮した16bit分程度のベクトル量子化コード(192C128 >>16bit(=65536))
を同時に伝送できることになる。
図14に示したように、画像ブロックデータは、IFFT部102と圧縮符号化部112に入力される。圧縮符号化部112では、入力された画像ブロックデータに対して圧縮符号化の処理を実行することで、またLUT保持部113に保持されているテーブル131を参照することで、ベクトル量子化コードを決定する。ベクトル量子化コードから、副搬送波のパターンが決定され、その情報がIFFT部102に供給される。IFFT部102は、供給された情報から、副搬送波のパターンを決定し、換言すれば、使用しない副搬送波を決定し(未使用周波数を決定し)、その決定に基づいて、IFFT処理を、入力された画像ブロックデータに対して施す。
上記したように、副搬送波として、データ伝送用として192本の副搬送波を用い、制御用として、64本の副搬送波を用いた場合、残りの128本の副搬送を用いることができる。IFFT部102は、その128本の副搬送波のうち、副搬送波のパターンの情報に応じて、使用しない副搬送波を決定する。その副搬送波のパターンは、ベクトル量子化コードを表すので、受信側では、副搬送波のパターンを検出することで、ベクトル量子化コードを取得することができる。
このようにしてIFFT部102はIFFT処理を行うが、入力された画像ブロックデータを符号化していない。符号化していないため、誤り訂正などの情報を付加せずに、データを送信することができ、誤り訂正などの情報を付加するときに必要とされる帯域を必要とせずにデータを送信することができる。また、副搬送波のパターンは、この場合、ベクトル量子化コードを示しているため、副搬送波のパターンで、画像ブロックデータを圧縮したときの情報を送信していることになる。
すなわち、第1の実施の形態においては、誤り訂正などの符号化を行わずに、 違う信号形態に変換して両データ(画像データとそれを圧縮したデータ) を異なる信号に重畳して伝送することが可能となる。
受信側で、仮に、ノイズなどの影響により、受信されたデータから、画像ブロックデータを再生できなくとも、副搬送波のパターンから、ベクトル量子化コードを再生でき、そのベクトル量子化コードから、画像ブロックデータを再生することができる。よって、このような点からも、誤り訂正などの情報を送信しなくとも画像ブロックデータを再生することができるようになる。
図7のフローチャートの説明に戻る。ステップS13において、副搬送波が決定され、ステップS14において、IFFT部102によりIFFT処理が実行される。IFFT部102によりIFFT処理が施されたデータは、P/S変換部103に供給される。P/S変換部103は、ステップS15において、IFFT部105によりブロック毎にパラレルに出力されたデータをシリアルデータに変換する。これにより、伝送データが時間軸上で多重化されることになる。
次に、ステップS16において、GI付加部104は、P/S変換部103より供給されたデータにガードインターバルを付加する。ガードインターバルは、各ブロックのデータの有効シンボル期間の終端部近傍の一部の信号波形をコピーすることで生成される。このように、ガードインターバル部を付加することで、マルチパスの影響を軽減することが可能となる。
すなわち、図15に示されるように、マルチパスが存在すると、直接波以外に遅延波#1、遅延波#2といった遅延波が発生する。受信側においては、直接波と遅延波の合成波を受信することになる。図15に示されるように、例えば直接波と遅延波#2との合成波が受信側において受信された場合、受信側のFFTのウィンドウが、直接波の各有効シンボル長に対応した長さとタイミングで同期していたとしても、ガードインターバルよりも小さい遅延時間の遅延波であれば、自分自身のシンボルの重なりによる影響は避けられないものの、1つ前の別のシンボルの重なりを避けて復調することが可能となる。
これに対して、図16に示されるように、ガードインターバルが存在しない場合には、遅延波が加わることによって1つ前のシンボルが重なってしない、各シンボルのデータを復調する際に特性が劣化してしまう。
以上のようにして、GI付加部104によりガードインターバルが付加されたデータは、D/A変換部105−1,105−2に入力され、D/A変換された後、LPF106―1,106−2により不要な帯域が制限され、乗算器107―1,107−2に入力される。乗算器107―1,107−2は、ステップS17において、周波数変換処理を行う。すなわち、乗算器107―1は、発振器108より供給されるキャリアをローパスフィルタ106―1の出力と乗算し、複数のサブキャリアを有するキャリア(OFDM信号)を生成し、乗算器107―2は、発振器108より供給されるキャリアをローパスフィルタ106―2の出力と乗算し、複数のサブキャリアを有するキャリア(OFDM信号)を生成する。
乗算器107―1,107−2より出力されたそれぞれデータは、加算器109で加算された後、BPF109に入力され、ステップS18において、送信処理が実行される。すなわち、BPF109は、入力されたデータからキャリア成分のみを抽出し、アンテナ111を介して伝送路に伝送する。
なお、上記したように、S/P変換部101と圧縮符号化部112に同じ画像データが入力され、処理される場合、S/P変換部101からIFFT部102にデータが出力されるタイミングと、圧縮符号化部112からベクトル量子化コードがIFFT部102に供給されるタイミングを同期させる必要がある。すなわち、IFFT部102で処理する画像データに対応するベクトル量子化コードが、IFFT部102で画像データを処理するときに供給される必要がある。
よって、上記した第1の実施の形態および以下の説明においては、IFFT部102に入力されるS/P変換部101から入力される画像データと圧縮符号化部112から入力されるベクトル量子化コードは、同期がとれている構成とされているとして説明を続ける。
上記した実施の形態においては、128ビット単位で送信される例を挙げて説明したが、そのような場合、IFFT部102は、128ビット毎にキャリアを切り換えて、S/P変換部101から入力されるベースバンド(BaseBand)データが伝送されるように制御する。LUT保持部113が保持するテーブル131が大きく、圧縮符号化部112における処理に時間がかかる場合、S/P変換部101とIFFT部102の間に遅延素子などを設け、圧縮符号化部112における処理にかかる時間を調整する構成とされる。
上記したように副搬送波のパターンで、ベクトル量子化コードを表すようにしても良いし、図17に示すように、副搬送波を階層化するようにしても良い。図17を参照するに、4×4の16画素(=128ビット分のデータ)の画像データが伝送されるとき、まず、16画素から構成されるブロック211が4つのブロック211−1乃至211−4に分割される。例えば、ブロック211の左上の2×2(=8ビット分のデータ)のブロック211−1、ブロック211の右上の2×2のブロック211−2、ブロック211の右下の2×2のブロック211−3、およびブロック211の左下の2×2のブロック211−4に分割される。
分割されたブロック211−1乃至211−4は、それぞれ、圧縮符号化部112にて、圧縮符号化される。その結果、ブロック211−1乃至211−4毎に、副搬送波のパターンが設定される。
このようにして変調されたデータを伝送するときの伝送路について説明を加える。無線通信は開空間を伝送媒体として用いるため、送信された電波は、大気屈折率の変化や、大地、山、建物、あるいは車などによって反射される。地質の材料や入射角によってあるものは大きな減衰を受け、あるものはほとんど減衰せずに経路が変えられ、マルチパス伝搬路が形成される。このため、気象現象や地理的条件によって伝搬特性が変化する。
また、通信中に場所の変動がともなう場合、伝搬路特性の変動は更に厳しいものとなる。この現象は、フェージングと呼ばれ、送信信号に振幅変動や位相変動を発生させる。その結果、受信信号の品質は顕著な影響を受ける。図18は、フェージング伝搬路をフィルタ特性と見立てた場合の信号劣化のモデルを表現したものである。このフェージング以外にも伝送路上では、伝搬距離による信号減衰、白色ガウスノイズ等の各種ノイズ、送受信器(アンプの非線型特性等) による歪み等、様々な劣化が伝送信号に付加される。このような影響を受けることを考慮して、復調する必要がある。
次に、変調装置100で変調され、伝送された信号を復調する復調装置について説明する。図19は、OFDMの復調装置の構成を示した図である。図19に示したOFDMの復調装置は、アンテナ301、BPF302、乗算部303−1,303−2、発振器304、LPF305−1,305−2、A/D(Analog/Digital)変換部306−1,306−2、有効シンボル周期抽出部307、S/P変換部308、FFT(Fast Fourier Transform)部309、P/S変換部310、サーチャ(searcher)部311、LUT保持部321、およびエラーコンシール処理部313から構成されている。
復調装置は、アンテナ301を介して伝送データを受信する。BPF302は、アンテナ301を介して受信されたデータから、不要な帯域成分を除去し、キャリア成分だけを抽出する。乗算器303―1と乗算器303−2は、それぞれ、発振器304が発振出力するキャリア成分を、BPF302の出力に乗算し、周波数変換処理を行う。
LPF305―1は、乗算器303―1より出力されたデータからサブキャリア成分(ベースバンド成分)を含むデータのみを抽出し、A/D変換部306―1に出力する。同様に、LPF305―2は、乗算器303―2より出力されたデータからサブキャリア成分(ベースバンド成分)を含むデータのみを抽出し、A/D変換部306―2に出力する。
A/D変換部306―1とA/D変換部306―2は、それぞれ、入力されたデータをA/D変換する。有効シンボル周期抽出部307は、A/D変換部306―1とA/D変換部306―2よりそれぞれ供給されたデータから、有効シンボル部分だけを抽出する。有効シンボル周期抽出部307からの出力は、S/P変換部308に供給される。S/P変換部308は、シリアルに供給されるデータを、パラレルのデータに変換し、FFT部309に出力する。
FFT部309は、有効シンボル周期抽出部307より供給された有効シンボル部をFFT処理して、P/S変換部310に出力する。P/S変換部310は、FFT部309より供給されたデータをパラレル/シリアル変換する。このようにして、変調されたデータが復調される。
FFT部309からの出力は、サーチャ部311にも供給される。サーチャ部311は、副搬送波のパターンを検出し、その検出結果に対応する圧縮データを、LUT保持部312に保持されているテーブルを参照し、読み出し、エラーコンシール処理部313に供給する。LUT保持部312には、変調装置100のLUT保持部113が保持するテーブル131と同一のテーブルを保持している。LUT保持部312は、必要に応じ、ベクトル量子化コードから特定されるベクトルデータを読み出し、エラーコンシール処理部313に供給する。
エラーコンシール処理部313は、P/S変換部310からのデータ(この場合、画像データ)と、サーチャ部311からの圧縮データから、画像データを生成し、図示していない後段の処理に出力する。
図20は、エラーコンシール処理部313の内部構成例を示す図である。エラーコンシール処理部313は、マッチング判定部331と最尤データ再生部332を含む構成とされている。エラーコンシール処理部313のマッチング判定部331には、P/S変換部310からの画像データと、サーチャ部311からの圧縮データが供給される。マッチング判定部331からの判定結果は、最尤データ再生部332に供給される。最尤データ再生部332は、必要に応じ、LUT保持部312に保持されているテーブルを参照し、画像データを出力する構成とされている。
次に、図21のフローチャートを参照し、図19に示した復調装置300の動作について説明する。
ステップS61において、BPF302―1,302−2は、受信処理を実行し、アンテナ301を介して受信した信号から、キャリア成分のみを抽出し、乗算器303−1,303−2に出力する。ステップS62において、乗算器303−1,303−2は、それぞれ、発振器304より出力されるキャリア成分と、BPF302―1,302−2より供給される成分とを乗算することで、受信データの周波数変換処理を行い、サブキャリア成分を含むデータを出力する。
LPF305−1,305−2は、乗算器303−1,303−2より出力されたデータから不要な帯域成分を除去した後、A/D変換部306−1,306−2に出力する。A/D変換部306−1,306−2は、入力されたデータをA/D変換し、有効シンボル周期抽出部307に出力する。有効シンボル周期抽出部307は、ステップS63において、受信したデータから有効シンボル部分を抽出し、S/P変換部308に出力する。S/P変換部308は、ステップS64において、入力されたシリアルデータを、パラレルデータに変換し、FFT部309に出力する。
ステップS65において、FFT部309は、FFT処理を実行し、P/S変換部310とサーチャ部311に出力する。P/S変換部310は、ステップS66において、入力されたパラレルデータをシリアルデータに変換する。このシリアルデータは、変調装置100のS/P変換部101に入力されるシリアルデータと、基本的に同一なデータとなる。すなわち、変調される前の画像データである。本実施の形態の場合、上記したように、画像データを圧縮などせずに、伝送している。よって、復調されたデータは、圧縮されていないデータであるため、伸張処理を実行する必要がない。
よって、伸張処理を行うための処理部を設ける必要がないため、その分、受信側の構成を簡略化することができる。また、伸張処理を行う必要がないため、伸張処理にかかる処理能力を削減することができ、他の処理に処理能力をまわすことができるなどの利点がある。
また、本実施の形態においては、副搬送波のパターンに、所定の情報、第1の実施の形態の場合、ベクトル量子化コードという情報を含ませている。この副搬送波のパターンに含まれている情報を処理する際の処理を、図21のフローチャートの説明に戻り、説明する。
ステップS67において、サーチャ部311は、FFT部309から供給される信号を解析し、副搬送波のパターンを検出する。サーチャ部311は、どの副搬送波が使われているのかをサーチすることで、副搬送波のパターンを検出する。サーチャ部311は、ステップS68において、LUT保持部312に保持されているテーブル131を参照し、副搬送波のパターンからベクトル量子化コードを判断し、そのベクトル量子化コードに対応するベクトルデータ(圧縮データ)を読み出し、エラーコンシール処理部313に供給する。
ステップS69において、エラーコンシール処理部313は、エラーコンシール処理を実行する。このエラーコンシール処理について、図22のフローチャートを参照して説明する。
ステップS81において、エラーコンシール処理部313のマッチング判定部331は、P/S変換部310からの画像データとサーチャ部311からの圧縮されたデータを取得し、それらのデータの距離評価値を計算する。距離評価値は、次式(2)からベクトルの距離評価値E1を計算する。
式(2)において、Nはベクトルの次元数、DiはP/S変換部310からの画像データ、Ciはサーチャ部311からの圧縮データを意味している。式(2)で求められる距離評価値E1が、所定の閾値THよりも大きい場合、すなわち、距離が離れていると判断される場合、エラーが発生していると判断される。
ステップS81において、マッチング判定部331により距離評価値E1が算出され、最尤データ再生部332に供給されると、ステップS82に処理が進められる。ステップS82おいて、最尤データ再生部332は、距離評価値E1が所定の閾値THよりも大きいか否かを判断することで、エラーが発生しているか否かを判断する。ステップS82において、エラーが発生していると判断された場合、ステップS83に処理が進められる。
ステップS83において、最尤データ再生部332は、LUT保持部312に保持されているテーブル131の処理対象とするベクトル量子化コードのコード番号iを0に初期設定する。ステップS84乃至S87の処理において、P/S変換部310からの画像データとサーチャ部311からの圧縮データの両方のデータに対して、最も距離が小さくなるベクトルデータが、LUT保持部312に保持されているテーブル131が参照されながら探索される。
まずステップS84において、処理対象とされているコード#iのベクトルデータとP/S変換部310からの画像データとの距離が算出され、コード#iのベクトルデータとサーチャ部311からの圧縮データとの距離が算出される。この算出は、例えば、次式(3に基づいて行なわれる。
ステップS85において、距離が最小のコード#iがメモリに格納される。最尤データ再生部332は、距離が最小のコード#iを格納するためのメモリを有する構成、または、外部のメモリに対して所定の情報を記憶させることができる構成とされている。ステップS86において、全ベクトルコードに対して処理が終了されたか否かが判断され、処理が終了されていないと判断された場合、ステップ87に処理が進められる。
ステップS87において、iが1だけインクリメントされ、そのインクリメントされたiに対応するコード#1が処理対象とされ、ステップS84以下の処理が繰り返される。このように、ステップS84乃至S87の処理が繰り返されることで、P/S変換部310からの画像データとサーチャ部311からの圧縮データの両方のデータに対して、最も距離が小さくなるベクトルデータが探索される。
ステップS86において、全ベクトルコードに対して処理が行なわれたと判断された場合、ステップS88に処理が進められる。ステップS88において、最尤データとして、距離が最小とされたコード#iに対応するベクトルデータが選択される。ステップS89において、その選択されたベクトルデータが、再生データとして、出力される。
このようにして求められたベクトルデータを出力することで、リアルタイム性が求められるシステムにおいても、伝送路エラーが発生した場合でも、画質劣化の少ない画像を再生することが可能となる。
一方、ステップS82において、距離評価値E1が所定の閾値THよりも大きくはないと判断された場合、換言すれば、エラーは発生していないと判断された場合、ステップS89に処理が進められ、データが出力される。この処理で出力されるデータは、P/S変換部310からの画像データである。
このように、変調装置100側で変調されたデータは、復調装置300で復調される。
図22のフローチャートを参照し、エラーコンシール処理部313の処理について説明したが、他の処理として、以下のような処理が行なわれるようにしても良い。
P/S変換部310から出力されるデータに関しては、送信信号‘1’が、受信側で任意の閾値以下である場合に‘−1’と受信され、「誤り」と判定される。サーチャ部311から出力されるデータに関しては、電力スペクトラムでのOn(信号あり)またはOff(信号なし)の判断である。
符号の±(プラスマイナス)で判定するP/S変換部310よりも、サーチャ部311から出力されるデータに関しては、電力スペクトラムでのOn/Offの判断の方が、より一層ロバストである。すなわち、マッチング判定部331でエラーありと判定された場合、入力された圧縮データをそのままスルーさせるだけ、換言すれば、最尤データ再生部332による、ステップS84乃至S88の処理を実行せずに、圧縮データを選択して出力するようにするだけでもロバストな通信が可能となるので、そのように構成することも可能である。
このように、副搬送波のパターンでベクトル量子化コード(圧縮データ)を表すようにすることができ、換言すれば、副搬送波のパターンにベクトル量子化コード(圧縮データ)の情報を含ませることができるようになる。また、このようにすることで、ロバスト性を向上させた通信を行うことが可能となる。
なお、上述した第1の実施の形態、および以下に説明する実施の形態においては、例えば、テレビジョン放送の通信における変調や復調を例に挙げて説明を続けるが、本発明はそれらの通信に限定されるわけではない。例えば、図23に示すようなIEEE(The Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.11aで規定される通信にも適用することができる。
IEEE802.11aは、無線LAN(Local Area Network)に関する規定である。図23は、IEEE802.11aの副搬送波配置について示したものである。IEEE802.11aでは、中心周波数の副搬送波の番号を“0”として、上下に“−26”から“+26”までの52本の副搬送波で構成される。副搬送波番号“−21”、“−7”、“+7”、“+21”の4つの副搬送波が、パイロット信号とされる。このような無線LANなどに用いられる通信にも、本発明を適用することができる。
[第2の実施の形態について]
次に、第2の実施の形態について説明を加える。第2の実施の形態は、スケーラブル(scalable)な構成を実現するための形態である。
スケーラブルな構成について、図24と図25を参照して説明を加える。図24Aは、所定の信号を入力し処理する基板の、現状の構成であるとする。入力基板401にデータが入力され、そのデータが処理基板402により処理され、出力基板403により外部の装置などに出力される。入力基板401、処理基板402、および出力基板403は、それぞれ、複数のデータを一括して処理する(パラレルに処理する)。この基板は、画像データを処理するとする。
このような構成の基板がある状態のときに、この基板が処理できる画像よりも高解像度の画像も処理できるようにしたいとき、処理速度を向上させることが考えられる。図24Bに示したように、処理速度を向上させるために、クロックを高速化しようとした場合、例えば、処理基板402が、その高速化されたクロックでは処理できないことがある。よって、クロックを高速化することにより、高解像の画像を処理することができないことになる。
また、図24Cに示すように、bit幅に展開して高解像度の画像を処理するようにしようとした場合、例えば、処理基板402のピン数が足りずに、そのbit幅では処理できないことがある。よって、bit幅に展開することにより、高解像度の画像を処理することができないことになる。
すなわち、このような場合、新たに高解像度の画像を処理できるように基板を構成したい場合、換言すれば、入力されるデータのフォーマットが変更される場合、その変更に応じて、基板も構成し直さなくてはならない。このようことは、入力信号の高解像度化による広帯域化の度にLSIや基板などを、信号の速度に合わせて作り直す必要があることを意味し、その開発コストや開発工数が問題となることがあった。
そこで、入力信号の高解像度化による広帯域化の度にLSIや基板などを、信号の速度に合わせて作り直さなくても、その信号を処理できるようにする。その概念としては、図25Bに示したようになる。図25Aのような基板の構成ではなく、図25Bに示すような基板の構成とする。
図25Bを参照するに、高解像の画質を処理できる入力基板401’、FET部411、処理基板402’、出力基板403’を含む第1の装置と、高解像の画像は処理できない入力基板401”、副搬送波抽出部412、LUT保持部413、処理基板402”、出力基板403”を含む第2の装置がある。
第1の装置は、高解像度の画質を処理できるように設計されているため、高解像度の画質のデータを入力したときに、そのデータを処理することができる。しかしながら、第2の装置は、高解像度の画質を処理できるように設計されていないため、高解像度の画質のデータを入力したとき、第1の装置と同等の処理では、そのデータを処理することができない。そこで、第2の装置では、高解像度の画像のデータが入力されたときに、副搬送波抽出部412が、LUT保持部413に保持されているテーブルを参照し、自己が扱えるデータに変換して処理を行うように構成されている。
このようにすることで、高解像度の画像データを送信したとしても、低解像度の画像データしか処理できない装置でも処理できるようになる。また、仮に、さらに高解像度の画像が生成され、送信されたような場合でも、第2の装置は処理できるように構成されている。換言すれば、入力されるデータのフォーマットが変更されても、その変更に応じて、基板を構成し直さなくてはならないということなく、継続的に処理が実行できる装置とすることができる。すなわち、スケーラブルな構造の装置を実現することが可能となる。
図26は、4K2K信号、HD(HighDefinition)信号、およびSD(StandardDefinition)信号のそれぞれの画素位置について説明するための図である。高画質の順を記載すると、4K2K信号、HD信号、SD信号の順となる。図26Aは、4K2K信号の画素位置を表す図であり、図26Bは、HD信号の画素位置を実線で表すとともに、4K2K信号の画素位置を点線で表した図であり、図26Cは、SD信号の画素位置を実線で表すとともに、4K2K信号の画素位置を点線で表した図である。
図26A乃至Cに示したように、同じフォーマット(インターレース/プログレッシブ)の場合、4K2K信号に対して、それぞれHD信号は1/4のデータ量のサイズとなり、SD信号は、1/16のデータ量のサイズになる。
第2の実施の形態においては、たとえ時代の変遷と共に、入力信号が、例えばHD信号から4K2K信号の速度にあがったとしても、HD信号を処理できるまでの速度に対応しているLSIや、さらにはSD信号を処理できるまでの速度にしか対応していないLSIも引き続き使用できるようなスケーラビリティを持たせるものである。
図27は、第2の実施の形態における変調装置の構成例を示す図である。図27に示した変調装置450と図6に示した変調装置100で、同一の部分には、同一の符号を付し、適宜その説明は省略する。図27に示した変調装置450は、図6に示した変調装置100と、基本的に同じ構成である。ただし、LUT保持部452で保持されるテーブルが、LUT保持部113で保持されるテーブル131と異なり、そのテーブルを参照して処理を行う圧縮符号化部451が異なる構成とされる。
ここでは、入力信号が画像信号の場合について説明を行なう。また、SD信号とHD信号が扱われる場合を例に挙げて説明を続ける。SD信号とHD信号を扱う場合、LUT保持部452が保持するテーブルは、例えば、図28に示したようなテーブル470となる。
図28に示したテーブル470を参照するに、テーブル470は、基本的に、図10に示したテーブル131と同じく、ベクトル量子化コードとベクトルデータが関連付けられたテーブルとされている。しかしながら、図28に示したテーブル470は、1つのベクトル量子化コードに対して、2つのベクトルデータが関連付けられている。すなわち、HD信号用のベクトルデータとSD信号用のベクトルデータが、1つのベクトル量子化コードに関連付けられている。
図28に示したテーブル470は、SD信号とHD信号を例に挙げて説明しているため、1つのベクトル量子化コードに、2つのベクトルデータが関連付けられている例を示したが、例えば、さらに4K2K信号も扱う場合、1つのベクトル量子化コードに、SD信号用のベクトルデータ、HD信号用のベクトルデータ、および4K2K信号用のベクトルデータの3つのベクトルデータが関連付けられる。
変調装置450は、以下に説明するように、このテーブル470を参照して処理を行うため、新たな信号(新たなフォーマット)が増えた場合など、その信号に関するベクトルデータを追加する(既にあるベクトル量子化コードに、新たに関連付ける)ことで、その新たな信号に関しても処理することが可能となる。よって、新たな信号を処理するために、新たに基板を作り直すといったことをする必要がなくなる。
図27に示した変調装置450の動作は、基本的に、図6に示した変調装置100の動作と同じであり、その動作は、図7のフローチャートに基づいて行なわれるので、その詳細な説明は省略する。ただし、ステップS12において、圧縮符号化処理が実行されるが、また、その圧縮符号化処理は、図9のフローチャートに基づいて行なわれるが、この圧縮符号化処理は、圧縮符号化部451で行なわれ、その処理で参照されるテーブルは、図28に示したテーブル470である。
参照するテーブルが、テーブル470であるので、図9のフローチャートが実行されるとき、その時点で処理されているデータがHD信号であれば、HD信号用のベクトルデータが参照され、その時点で処理されているデータがSD信号であれば、SD信号用のベクトルデータが参照される。
この変調装置450は、上記したような構成と動作により、入力された画像データを変調するとともに、副搬送波のパターンに、ベクトル量子化コードの情報を含ませた変調を行う。この場合、1つのベクトル量子化コードが送信されることになるが、受信側が、SD信号しか処理できない装置であれば、SD信号用のベクトル量子化コードとして機能し、受信側が、HD信号も処理できる装置であれば、HD信号用のベクトル量子化コードとして機能する。
次に、図27に示した変調装置450で変調された信号を復調する復調装置について説明する。図29は、第2の実施の形態における復調装置の構成例を示す図である。図29に示した復調装置510は、図19に示した復調装置300のエラーコンシール処理部313を削除した構成とされている。
また、LUT保持部512で保持されるテーブルが、LUT保持部312で保持されるテーブル131と異なり、そのテーブルを参照して処理を行うサーチャ部511が異なる構成とされる。LUT保持部512で保持されるテーブルは、復調装置510がSD信号を処理できるが、HD信号を処理できない装置であれば、図30に示したようなテーブル470’である。すなわち、ベクトルデータとして、SD信号用のベクトルデータのみが記載されているテーブル470’が保持される。これに対して、復調装置510がHD信号を処理できる装置であれば、図28に示したようなテーブル470を保持しているか、または、図示はしないが、HD信号用のベクトルデータのみが記載されているテーブル470”が保持される。
図29に示した復調装置510の動作について、図31のフローチャートを参照して説明する。ステップS101乃至S108は、図21に示したフローチャートのステップS61乃至S68と同様に行なわれる。すなわち、図29に示した復調装置510は、基本的に、図19に示した復調装置300の動作と同じであり、その動作は、図21のフローチャートに基づいて行なわれるが、ステップS69において実行される、エラーコンシール処理は実行されない点が異なる。
すなわち、復調装置510では、ステップS106までの処理で、P/S変換部310から復調された画像データが出力される。そして、ステップS107でサーチャ部511により副搬送波のパターンが検出され、ステップS108において、LUT保持部512に保持されているテーブルが参照されて、圧縮データ(ベクトルデータ)が読み出され、出力される。
同一のベクトル量子化コードが副搬送波のパターンに含まれていても、HD信号を処理できる装置であるか、そうでない装置であるかにより、出力される圧縮データは異なる。
復調装置510がHD信号を処理できる装置であれば、図28に示したようなテーブル470、または、SD信号用のベクトルデータは記載されていないが、HD信号用のベクトルデータが記載されているテーブル470”を保持している。そのため、副搬送波のパターンが検出され、そのパターンに対応するベクトル量子化コードが決定され、さらにそのベクトル量子化コードに対応する圧縮データとして読み出されるデータは、HD信号用のベクトルデータとなる。
また、復調装置510がSD信号を処理できる装置であれば、図30に示したようなテーブル470’を保持している。そのため、副搬送波のパターンが検出され、そのパターンに対応するベクトル量子化コードが決定され、さらにそのベクトル量子化コードに対応する圧縮データとして読み出されるデータは、SD信号用のベクトルデータとなる。
このように、同一のベクトル量子化コードを受信したとしても、その受信された装置の能力に応じたテーブル470を保持しているので、その装置の能力に応じた復調結果を得ることが可能となる。
このように、第2の実施の形態においては、副搬送波に圧縮したデータを埋め込むことで、動作周波数の異なるシステムの共存を可能とすることが可能となる。
次に、テーブル470の作成について説明する。図32は、テーブル470を作成するテーブル作成装置530の構成例を示す図である。図32に示したテーブル作成装置530は、低解像度画像生成部531、ベクトル量子化部532、低解像度画像生成部533、HD用ベクトル量子化コード更新部534、SD用ベクトル量子化コード更新部535、HD用ベクトル量子化コード保持部536、および、SD用ベクトル量子化コード保持部537を含む構成とされている。
図33に示したフローチャートを参照し、図32に示したテーブル作成装置530の動作について説明する。ステップS111において、HD用ベクトル量子化コード保持部536とSD用ベクトル量子化コード保持部537が初期化される。ステップS112において、低解像度画像生成部531に高解像度の信号が入力され、帯域を落したデータが生成される。例えば、高解像度の入力画像信号として4K2K用の画像信号が入力され、低解像度画像生成部531からHD画像が出力される。低解像度画像生成部531では、例えば、入力された信号から供給される4K2Kデータとしての4つの画素から3画素を間引き、さらに、LPF(LowPassFilter)によってフィルタリングすることで1画素単位のHD画素とする。
低解像度画像生成部531から出力されたHD画像は、ベクトル量子化部532と低解像度画像生成部533に入力される。低解像度画像生成部533では、低解像度画像生成部531と同様な処理を行う。すなわち、入力されたHD画像に対して、4つの画素から3画素を間引き、さらに、LPF(LowPassFilter)によってフィルタリングすることで1画素単位のSD画素に変換する。
このように、ステップS112においては、低解像度画像生成部531により、低解像度画像生成部531に入力された画像より低解像度の画像が生成され、低解像度画像生成部533により、低解像度画像生成部531で生成された画像より低解像度の画像が生成される。
ステップS113において、ベクトル量子化部532は、入力された画像データ、この場合、HD用の画像データをブロック化する。そして、ステップS114において、ベクトル量子化部532は、入力されたHD画像に対して、HD用ベクトル量子化コード保持部536に保持されているベクトル量子化コードを参照し、最も距離の近いベクトルを求め、そのベクトル量子化コードをHD用ベクトル量子化コード更新部534とSD用ベクトル量子化コード更新部535に出力する。このように、HD画像のデータで求められたベクトル量子化コードが、HD画像とSD画像で共有されることになり、ベクトル量子化コードでHDとSD間にリンクが張られることになる。
HD用ベクトル量子化コード更新部534とSD用ベクトル量子化コード更新部535は、それぞれ、新たに入力されたHD画像、SD画像のデータを学習の要素に加えて再学習を行い、ベクトル量子化コードを更新する。HD用ベクトル量子化コード更新部534により更新されたデータは、HDベクトル量子化コード保持部536に供給され、SD用ベクトル量子化コード更新部535により更新されたデータは、SDベクトル量子化コード保持部537に供給される。このようにして、更新が行なわれる。
ステップS116において、ベクトル量子化部532は、全てのブロックデータが処理されたか否かを判断する。ステップS116において、まだ全てのブロックデータは処理されていないと判断された場合、ステップS114に処理が戻され、それ以降の処理が繰り返される。一方、ステップS116において、全てのブロックデータは処理されたと判断された場合、ステップS117に処理が進められる。
ステップS117において、全学習シーケンスは終了されたか否かが判断され、終了されていないと判断された場合、ステップS112に処理が戻され、それ以降の処理が繰り返される。このようなループにより、任意の学習ソースについて、繰り返し処理が行なわれることになる。
一方、ステップS117において、全学習シーケンスが終了したと判断された場合、ステップS118に処理が進められる。ステップS118において、終了条件がクリアされているか否かが判断され、終了条件はクリアされていないと判断された場合、ステップS112に処理が戻され、それ以降の処理が繰り返される。条件としては、例えば、回数や入力データと作成されたベクトルデータの自乗誤差和などで決定されるようにすることができる。
一方、ステップS118において、終了条件をクリアしたと判断された場合、ステップS119に処理が進められる。ステップS119において、テーブルの作成は完了したと判断される。このように作成されたテーブル470は、変調装置450のLUT保持部452に供給され、保持されたり、復調装置510のLUT保持部512に供給され、保持されたりする。
ところで、HD画像の低解像度画像を伝送できる帯域から、4K2K画像の高解像度画像を伝送できる帯域に変更される場合、図34に示すように、
1.周波数方向に拡張
2.時間方向に拡張
3.振幅方向に拡張
の3種類が考えられる。
周波数方向に拡張する場合を例に挙げて説明を行う。HD画像に対応したシステムでは、周波数の高いところは対応していない(処理対象としない)と想定した場合、占有帯域幅のうち、周波数の低い方にベクトル量子化コードを埋め込む必要がある。すなわち、図35を参照するに、4K2K画像伝送時に用いられる帯域のうち、HD画像伝送時に用いられる帯域Aの幅に対応する部分に、ベクトル量子化コードが埋め込まれる。さらに換言するに、この帯域Aの部分に含まれる副搬送波だけで、上述した副搬送波のパターンを生成し、ベクトル量子化コードを埋め込むように構成される。
また、4K2K画像伝送時には、帯域Aと帯域Aより高周波帯である帯域Bが用いられるが、帯域Bには、普通に伝送されるデータが含まれるようにする。このようにすることで、4K2K画像が伝送されたときであっても、HD画像までの解像度しか処理できない装置でも、帯域Aに含まれているベクトル量子化コードを取り出すことが可能となる。
このように、高解像度の画像の画像データ(例えば、4K2K画像の画像データ)の変調帯域のうち、低解像度の画像の画像データ(例えば、HD画像の画像データ)の変調帯域に含まれる副搬送波のみ、副搬送波のパターンを設定し、付加情報を含ませることで、高解像度の画像を処理できる装置も、低解像度の画像を処理できる装置も、共に同一の画像データを受信し、処理できるようになる。また、低解像度の画像を処理できる装置は、帯域Aのみを処理対象の帯域として処理すれば良く、帯域Bまで処理できるような構成に変更する必要はない。
すなわち、4K2K画像を処理できる装置と、HD画像を処理できる装置が混在しているような状況のときに、4K2K画像を伝送したとしても、4K2K画像を処理できる装置は勿論処理できるが、HD画像を処理できる装置でも処理できることになる。もって、スケーラブルなシステムを構築することが可能となる。
また、周波数方向に拡張する方法の他に、図34に示したように、時間方向に拡張する方法や、振幅方向に拡張する方法もあるが、それらの方法に対しても同様に、本発明を適用できる。例えば、時間方向に拡張する場合、任意の周波数軸上でのサンプリング間隔にベクトル量子化コードを埋め込むようにすればよい。また例えば、振幅方向に拡張する場合、周波数方向に拡張する場合と同様に、占有帯域幅のうち、HD画像を伝送するときに対応している箇所にベクトル量子化コードを埋め込めば良い。
[第3の実施の形態について]
次に、第3の実施の形態について説明する。第3の実施の形態は、劣化の少ないデータ伝送を実現する形態である。第3の実施の形態では、圧縮してデータを伝送する変調装置と復調装置を含むシステムにおいて、受信側の復調装置で、効率良くデータを再生することができるようにする。そのために、送信側の変調装置では、縮小した画像を通常のデータとして伝送し、効率良く戻すためのデータを副搬送波に埋め込んで伝送する。後述するように、副搬送波に埋め込まれて伝送される“効率良く戻すためのデータ”とは、クラス分類部602から出力される入力データ4画素から求められた1bitADRCのクラス値である。
受信側では、送信側から送信されてきた縮小された画像の画像データと副搬送波に埋め込まれたデータの両方のデータを取得し、その両方のデータを用いて、変調される前のデータを再生する。このように処理が行なわれることで、 従来よりも劣化の少ないデータを再生することが可能となる。
まず、このような処理を行う変調装置について説明する。図36は、第3の実施の形態における変調装置600の構成例を示す図である。図36に示した変調装置600と図6に示した変調装置100で、同一の部分には、同一の符号を付し、適宜その説明は省略する。図36に示した変調装置600は、図6に示した変調装置100と比較し、縮小画像作成部601が追加された構成とされている。また、圧縮符号化部112の代わりにクラス分類部602となり、LUT保持部603で保持されるテーブルが、LUT保持部113で保持されるテーブル131と異なる。
図36に示した変調装置600は、入力された画像データが縮小画像作成部601とクラス分類部602に入力される構成とされている。また、縮小画像作成部601からのデータは、S/P変換部604を介してIFFT部605に供給される構成とされている。また、クラス分類部602からのデータは、LUT保持部603に供給され、LUT保持部603からのデータは、IFFT部605に供給されるように構成されている。IFFT部605以降の構成は、図6に示した変調装置100における構成と同様である。
図36に示した変調装置600の動作について、図37のフローチャートを参照して説明する。まず、縮小画像作成部601とクラス分類部602に、画像データが入力される。ここでは、まず先に、クラス分類部602による処理を先に説明する。ステップS141において、クラス分類部602により、クラス分類処理が実行される。クラス分類部602に入力される画像データは、例えば、図8に示したように、画像をブロック化したものが挙げられる。
クラス分類部602は、図37に示したように、注目画素631乃至634の4つのタップを入力データから抽出し、これらの画素の画素値のパターンに対応する値を注目画素のクラスとして出力する。ここで、各入力画素の画素値を表すのに、例えば、8ビットなどの多くのビット数が割り当てられている場合、4画素分のパターン数は、(28)4通りとなり、莫大な数となってしまう。このような莫大な数を処理するようにすると、処理の迅速化が困難となる。
そこで、クラス分類を行う前の前処理として、処理ブロックには、そのブロックを構成する画素のビット数を低減するための処理である、例えば、ADRC(Adaptive Dynamic Range Coding)処理などが施される。ADRC処理では、まず、処理ブロックを構成する4つの入力画素から、その画素値の最大のもの(以下、適宜、最大画素という)と、最小のもの(以下、適宜、最小画素という)とが検出される。
そして、最大画素の画素値MAXと最小画素の画素値MINとの差分DR(=MAX−MIN)が演算され、このDRを処理ブロックの局所的なダイナミックレンジとし、このダイナミックレンジDRに基づいて、処理ブロックを構成する各画素値が、元の割当ビット数より少ないkビットに再量子化される。すなわち、処理ブロックを構成する各画素値から最小画素の画素値MINが減算され、各減算値が、DR/2Kで除算される。その結果、処理ブロックを構成する各画素値は、Kビットで表現されるようになる。
従って、例えば、K=1とした場合、4つの入力画素の画素値のパターン数は、(21)4通りとなる。よって、ADRC処理を行わない場合と比較して、パターン数を非常に少ないものとすることができる。なお、画素値を、このようにKビットにするADRC処理を、以下、適宜、KビットADRC処理と記述する。
図37のフローチャートの説明に戻り、ステップS141においてクラス分類が行なわれると、クラス値が決定される。ステップS142において、上記したような1bitADRC処理の結果求められたクラス値を元にLUT保持部603に保持されているテーブル(不図示)が参照され、副搬送波のパターンの選択が行なわれる。この場合、クラス値と副搬送波のパターンが関連付けられているテーブルが、LUT保持部603に保持されている。LUT保持部603は、決定されたクラス値に対応する副搬送波のパターンを、IFFT部605に通知する。
なお、このようなクラス分類やクラス値の算出に係わる処理については、また、1bitADRCのクラスを用いることで、高精度に画像を再生できることについては、本出願人が先に出願した特開2000−217106号公報に開示されている。この特開2000−217106号公報では、最適クラスコードを付加情報として伝送するbitデータの下位ビットに埋め込んで伝送することが開示されている。本実施の形態においては、この最適クラスコードを、入力された画素データの4画素から求められた1bitADRCのクラス値とし、bitデータの下位ビットに埋め込むのではなく、副搬送波のパターンに埋め込む点が異なる。
また、本実施の形態においては、“入力された画素データの4画素から求められた1bitADRCのクラス値”を用いる例を挙げて説明をするが、他にも、“各ブロックの最適な動きベクトル”、“サイドインフォメーション”、“最適クラス値(上記した特開2000−217106号公報に開示されているクラス値”などを用いて本発明を実現することも可能である。すなわち、第3の実施の形態において用いられる情報は、画像を再生するときに、高画質な画像を得られるようにするための情報であり、そのような情報が、副搬送波のパターンに含まれて送受信される。
図37に示したフローチャートの説明に戻り、縮小画像作成部601は、ステップS143において、縮小画像を生成する。この処理は、クラス分類部602がクラス分類に係わる処理を実行している一方で並列的に行なわれる。
縮小画像作成部601は、入力された画像データに対して
1.単純間引き
2.m×n画素平均(m、nは任意の画素数)
等の手法によって、縮小画像を生成する。図39に単純間引きで縮小画像を作成したときの処理のフローチャートを示し、図40にm×n画素平均で縮小画像を作成したときの処理のフローチャートを示す。
まず図39に示したフローチャートを参照するに、ステップS171において、入力された画像データに基づく画像が、m×nのブロックで構成される画像にされる。すなわち、m×n個の画素から構成される複数のブロックに分割される。ステップS172において、構成されたブロック内において、任意の位置に位置する画素が抽出される。すなわち、画素が間引かれる。例えば、9×9個の画素から構成されるブロックが、3×3個の画素から構成されるブロックに変換される。
ステップS173において、全ブロックに対して処理が終了されたか否かが判断される。ステップS173において、全ブロックに対して処理は終了していないと判断された場合、ステップS172に処理が戻され、それ以降の処理が繰り返されることにより、各ブロックが画素数の少ないブロックへと順次変換される。一方、ステップS173において、全ブロックに対して処理が終了されたと判断された場合、1枚の縮小画像が生成されたことを意味し、図39に示したフローチャートの処理は終了される。
図40に示したフローチャートを参照するに、ステップS181において、上記したステップS171と同様の処理が行なわれることにより、入力された画像データに基づく画像が、m×nのブロックで構成される画像にされる。
ステップS182において、m×nの画素の平均値が計算される。すなわち、1ブロック内に存在する画素の平均値が計算される。その平均値が、そのブロックの代表値とされる。例えば、3×3個のブロックの平均値が計算され、その値が、そのブロックの画素値とされるようにした場合、9個の画素が1画素に変換されたことになる。
ステップS183において、上記したステップS183と同様の処理が行なわれることにより、全ブロックに対して処理が終了されたか否かが判断される。ステップS183において、全ブロックに対して処理は終了していないと判断された場合、ステップS182に処理が戻され、それ以降の処理が繰り返され、全ブロックに対して処理が終了されたと判断された場合、1枚の縮小画像が生成されたことを意味し、図40に示したフローチャートの処理は終了される。
図41は、縮小画像作成部601に入力された画像と生成された縮小画像との、それぞれの画素の位相関係を示した図である。図41において、黒丸で示した画素651は、入力された画像の画素を示し、白丸で示した画素652は、生成された縮小画像の画素を示す。図39に示した例では、4画素から、1画素が生成される場合を示している。よって、1/4の縮小画像が生成されることになる。
図37のフローチャートの説明に戻り、ステップS133において、シリアル/パラレル変換処理が実行される。このステップS144以降の処理、換言すれば、S/P変換部604以降で行なわれる処理は、図7に示したフローチャートのステップS11、S14乃至S18の処理と同様に行なわれるので、その説明は省略する。
ただし、ステップS145において、IFFT部605において、IFFT処理が実行されるが、この処理で用いられる副搬送波のパターンは、LUT保持部603からの指示に基づき決定されたパターンであり、クラス値を含ませるために決定されたパターンである。
次に、図36に示した変調装置600で変調された信号を復調する復調装置について説明する。図42は、第2の実施の形態における復調装置の構成例を示す図である。図42に示した復調装置700は、図19に示した復調装置300のエラーコンシール処理部313を予測処理部703にした構成とされている。
また、LUT保持部702で保持されるテーブルが、LUT保持部312で保持されるテーブル131と異なり、そのテーブルを参照して処理を行うサーチャ部701が異なる構成とされる。
図43は、予測処理部703の内部構成例を示す図である。予測処理部703は、予測タップ生成部731、クラスタップ生成部732、クラス分類部733、係数記憶部734、および予測演算部735を含む構成とされている。
P/S変化部310からの伝送データは、予測処理部703の予測タップ生成部731と、クラスタップ生成部732に供給される。予測タップ生成部731からの予測タップは、予測演算部735に供給され、クラスタップ生成部732からのクラスタップは、クラス分類部733に供給される。クラス分類部733には、サーチャ部701からのクラス情報も供給される。
クラス分類部733からのクラス情報は、係数記憶部734に供給される。係数記憶部734からの予測係数は、予測演算部735に供給される。予測演算部735は、供給された予測タップと予測係数から、出力画像を生成し、後段の処理部に出力する。
図42に示した復調装置700の動作について、図44のフローチャートを参照して説明する。ステップS171乃至S177は、図21に示したフローチャートのステップS61乃至S67と同様に行なわれる。すなわち、図42に示した復調装置700は、基本的に、図19に示した復調装置300の動作と同じであり、その動作は、図21のフローチャートに基づいて行なわれるが、ステップS68において実行される、圧縮データの読み出しの代わりに、クラス情報が読み出され、ステップS69において実行される、エラーコンシール処理の代わりに予測処理が実行される点が異なる。
すなわち、復調装置700では、ステップS176までの処理で、P/S変換部310から復調された画像データが出力される。そして、ステップS177でサーチャ部701により副搬送波のパターンが検出され、ステップS178において、LUT保持部172に保持されているテーブルが参照されて、クラス情報が読み出される。そして、ステップS179において、予測処理が、予測処理部703により実行される。このステップS179において実行される予測処理に関して、説明を加える。
予測タップ生成部731は、P/S変換部310から供給された伝送データ(この場合、画像データである)から、予測タップを生成する。図45は、予測タップの例を示している。図45中、白丸は、予測タップ生成部731に入力される画像の画素751を示し、二重丸は、予測タップ752を示す。予測タップ生成部731に入力される画像は、変調装置600の縮小画像作成部601で作成された縮小画像である。よって、画素751は、縮小画像を構成する画素である。予測タップ752は、注目画素753を中心とし、その画素を含む3×3の9画素とされる。
この予測タップ752は、供給された画像データから、予測演算部735において出力画素の予測値を求めるのに用いられるものであり、入力データから抽出されて、予測演算部735に供給される。
クラスタップ生成部732は、P/S変換部310から供給された伝送データ(この場合、画像データである)から、クラスタップを生成する。図46は、クラスタップの例を示している。図46中、白丸は、クラスタップ生成部732に入力される画像の画素751を示し、二重丸は、クラスタップ761を示す。クラスタップ761は、注目画素762を中心とし、その画素を含む上下左右に位置する5画素とされる。
このクラスタップ761は、後段のクラス分類部733において使用される。クラス分類部733には、クラスタップ生成部732からのクラスタップ761と、サーチャ部701からのクラス情報、この場合、4画素のクラス値(1bitADRC)が供給される。クラス分類部733は、クラスタップ761に、1bitADRC処理を適用してクラスコードを生成し、係数記憶部734に供給する。
係数記憶部734は、クラスコードと予測係数を関連付けて記憶している。係数記憶部734は、供給されたクラスコードに関連付けられている予測係数を読み出し、予測演算部735に供給する、予測演算部735は、予測タップ生成部731からの予測タップ752と係数機億部734からの予測係数を用いて、積和演算を行うことで、出力画像を生成し、図示していない後段の処理部に出力する。この出力される画像は、変調装置600の縮小画像作成部601が縮小した画像の基の画像、換言すれば、縮小画像作成部601に入力された画像データに基づく画像となる。
このように、復調装置700では、変調装置600側からの縮小画像の画像データを再生し、4画素のクラス値を再生することができ、これらの再生された画像データとクラス値から、基画像を再生することが可能となる。この基画像は縮小画像よりも画素数の多い画像であり、高精度の画像である。よって、第3の実施の形態における変調装置600と復調装置700との間で授受されるデータは、小さいサイズのデータであっても(少なくとも、再生される画像のデータよりも小さいサイズのデータである)、高精度の画像を再生することが可能となる。
[第4の実施の形態について]
次に、第4の実施の形態について説明する。第4の実施の形態は、送信側でそれぞれのデータ毎にそのデータを処理する命令(オペランド)を付加して伝送し、受信側でより効率良く動作するようにするための実施の形態である。第4の実施の形態は、例えば、テレビジョン放送の番組の効果として、高頻度で用いられる、図47に示したピクチャーインピクチャーと称される効果や、図48に示したテロップ処理などの効果など、二つ以上の異なる特性を持つコンテンツを同時に処理する場合に用いられ、そのようなときに、特に有効な形態である。
図47は、ピクチャーインピクチャーの画面例を示した図である。テレビジョン放送の番組の画面(以下、本画面801と記述する)の上に、他の画像802が表示されている。このように、例えば、スポーツ中継のとき、スポーツそのものの画面を本画面801とし、その本画面801よりも小さい画面で、例えば、解説者の画像を本画面801の一部分に表示することをピクチャーインピクチャーなどと称することがある。
図48は、テロップが表示されている画面例を示し図である。本画面801の上に、他の情報、主にテキストによる情報が表示されている。図48に示した例では、スポーツ中継のとき、スポーツそのものの画面を本画面801とし、そのスポーツの途中経過(得点などの情報)が、テロップ811として、本画面801上に表示され、選手の情報が、テロップ812として、本画面801上に表示されている。
このように、本画面801や、本画面801上に表示されるピクチャーやテロップなどの画面に対するオペランド、例えば、本画面801上のどの位置に表示させるか、どのくらいの大きさで表示させるかといったオペランドを副搬送波に含ませるようにする。
図49は、第4の実施の形態における変調装置850の構成例を示す図である。図49に示した変調装置850と図6に示した変調装置100で、同一の部分には、同一の符号を付し、適宜その説明は省略する。図49に示した変調装置850は、図6に示した変調装置100と比較し、圧縮符号化部112とS/P変換部101が削除された構成とされ、LUT保持部851とIFFT部852に直接データが入力される構成とされている。
なお、図49に示した構成例では、S/P変換部101を削除し、IFFT部852に直接データが入力される構成とされているが、S/P変換部101を設け、上記した実施の形態と同じく、シリアルに入力されるデータをパラレルなデータに変換してから処理が行なわれるような構成とすることも勿論可能である。
LUT保持部851とIFFT部852には、異なるデータが入力されるように構成されている。LUT保持部851には、IFFT部852に入力されるデータのオペランドが入力され、IFFT部852には、データが入力される。例えば、IFFT部852に入力されるデータは、図47に示した画面例の場合、本画面801のデータ(データ1とする)と画像802のデータ(データ2とする)であり、このとき、LUT保持部851に入力されるデータは、データ1のオペランドとデータ2のオペランドである。
また、図48に示したような画面例の場合、IFFT部852に入力されるデータは、本画面801のデータ(データ1とする)、テロップ811のデータ(データ2とする)、およびテロップ813のデータ(データ3とする)であり、このとき、LUT保持部851に入力されるデータは、データ1のオペランド、データ2のオペランド、およびデータ3のオペランドである。
このように、LUT保持部851とIFFT部852には、画面に重畳される画面の数により、入力されるデータの個数は異なる。また、IFFT部852に入力される全てのデータに対してオペランドが必要なわけではないので、LUT保持部851に入力されるオペランドの数は、IFFT部852に入力されるデータの数よりも少ない場合もある。また、IFFT部852に入力される1つのデータに対して複数のオペランドを付けることも可能であるので、LUT保持部851に入力されるオペランドの数は、IFFT部852に入力されるデータの数よりも多い場合もある。
また、IFFT部852に入力されるデータは、例えば、音声と映像といったような異なる属性のデータであっても良く、それらの異なる属性のデータ毎に、オペランドを付けることも可能である。
次に、図49に示した変調装置850の動作について、図50のフローチャートを参照して説明する。ステップS201において、LUT保持部851にデータ毎のオペランドが入力される。LUT保持部851にオペランドが入力される一方で、IFFT部852にも、オペランドに対応したデータが入力される。LUT保持部851は、入力されたオペランド毎に、副搬送波のパターンを設定する。
LUT保持部851は、オペランドと副搬送波のパターン(または副搬送波のパターンを指示する情報)が関連付けられたテーブルを保持している。LUT保持部851は、オペランドが入力されると、保持しているテーブルを参照し、入力されたオペランドに対応する副搬送波のパターンを、IFFT部852に供給する。
図51は、オペランドによって選択された副搬送波のパターンについて説明するための図である。図51に示すように、データ1のオペランド用の副搬送波のパターン、データ2のオペランド用の副搬送波のパターン、・・・、データNのオペランド用の副搬送波のパターンといったように、データ1乃至N毎に副搬送波のパターンが設定される。
この副搬送波のパターンに含まれるオペランドとしては、例えば、データ1については、ズーム率XXX倍といったオペランド、データ2については、ノイズ除去といったオペランド、・・・、データNについては、γの値をYYYに設定するというオペランドなどである。
IFFT部852は、ステップS202において、LUT保持部851からの指示に基づく副搬送波のパターンで、入力されたデータ1乃至Nに対して、それぞれIFFT処理を実行することで、変調処理を行う。ステップS202以降の処理は、図7のステップS14以降の処理と同様に行なわれるので、その説明は省略する。
このようにして、データと、そのデータに対するオペランドを受信する受信側の装置である復調装置について説明する。図52は、第4の実施の形態における復調装置900の構成例を示す図である。図52に示した復調装置900は、図19に示した復調装置300のエラーコンシール処理部313をデータ処理部903にした構成とされ、P/S変換部310が削除され、FFT部309からのデータが、直接データ処理部903に入力される構成とされている。
また、LUT保持部902で保持されるテーブルが、LUT保持部312で保持されるテーブル131と異なり、そのテーブルを参照して処理を行うサーチャ部901が異なる構成とされる。
図52に示した復調装置900の動作について、図53のフローチャートを参照して説明する。ステップS231乃至S236は、図21に示したフローチャートのステップS61乃至S65,67と同様に行なわれる。すなわち、図52に示した復調装置900は、基本的に、図19に示した復調装置300の動作と同じであり、その動作は、図21のフローチャートに基づいて行なわれるが、ステップS66で実行されるパラレル/シリアル変換処理が行なわれず(P/S変換部310が削除された構成とされているため)、ステップS68において実行される、圧縮データの読み出しの代わりに、オペランドが読み出され、ステップS69において実行される、エラーコンシール処理の代わりにデータの処理が実行される点が異なる。
すなわち、復調装置900では、ステップS235までの処理で、FFT部309から復調された画像データが出力される。そして、ステップS236でサーチャ部901により副搬送波のパターンが検出され、ステップS237において、LUT保持部902に保持されているテーブルが参照されて、オペランドが読み出される。そして、ステップS238において、データの処理が、データ処理部903により実行される。
データ処理部903は、サーチャ部901により、LUT保持部902から読み出されたオペランドの供給を受けるとともに、FFT部309でFFT処理が施されたデータ、すなわち、復調されたデータの供給も受ける。データ処理部903は、供給されたオペランドと、そのオペランドに対応するデータを用いて、データに適宜処理を施す。例えば、データ処理部903は、オペランドがデータ1に対してズーム率をXXX倍にするという指示であった場合、FFT部309からのデータ1に対して、XXX倍のズームがかかった画像に変換する処理を施す。
このように、復調装置900側では、副搬送波のパターンから所定のデータに対するオペランドを読み出すことが可能となる。よって、例えば、変調装置850側で、予め縮小された画像を作成し、送信するといった処理を行わなくても、縮小するというオペランドを、副搬送波のパターンに含ませるだけで、復調装置900側で、縮小された画像を再生できるようになる。このように、効率の良いデータの処理が可能となる。
[第5の実施の形態について]
次に、第5の実施の形態について説明する。第5の実施の形態として説明するのは、上記した第1乃至第4の実施の形態をまとめたものである。
図54は、第5の実施の形態における変調装置1000の構成例を示す図である。変調装置1000は、埋め込み情報取得部1001、主情報取得部1002、副搬送波パターン決定部1003、およびOFDM変調部1004から構成されている。
埋め込み情報取得部1001は、例えば、第1の実施の形態における圧縮符号化部112、第2の実施の形態における圧縮符号化部451、第3の実施の形態におけるクラス分類部602、第4の実施の形態におけるLUT保持部851にそれぞれ相当する。埋め込み情報取得部1001は、ベクトル量子化コード(第1、第2の実施の形態)、クラス値(第3の実施の形態)、またはオペランド(第4の実施の形態)などの、副搬送波のパターンに埋め込みたい情報(付加情報)を取得する。
副搬送波パターン決定部1003は、例えば、第1の実施の形態における圧縮符号化部112とLUT保持部113、第2の実施の形態における圧縮符号化部451とLUT保持部452、第3の実施の形態におけるクラス分類部602とLUT保持部603、第4の実施の形態におけるLUT保持部851にそれぞれ相当する。副搬送波パターン決定部1003は、ベクトル量子化コードに対応する副搬送波のパターンを決定したり(第1、第2の実施の形態)、クラス値に対応する副搬送波のパターンを決定したり(第3の実施の形態)、またはオペランドに対応する副搬送波のパターンを決定したり(第4の実施の形態)する。
主情報取得部1002は、例えば、第1の実施の形態におけるS/P変換部101、第2の実施の形態におけるS/P変換部101、第3の実施の形態における縮小画像作成部601とS/P変換部604、第4の実施の形態におけるIFFT部852にそれぞれ相当する。主情報取得部1002は、変調対象となるデータであり、送信したいデータを取得する部分である。換言すれば、埋め込み情報が付加的な情報であり、その付加的な情報が付加される主体となる情報が主情報であり、その主情報を、主情報取得部1002は取得する。
OFDM変調部1004は、例えば、第1の実施の形態におけるS/P変換部101乃至BPF110、第2の実施の形態におけるS/P変換部101乃至BPF110、第3の実施の形態におけるS/P変換部604、IFFT部605、およびP/S変換部103乃至BPF110、第4の実施の形態におけるIFFT部852、P/S変換部102乃至BPF110にそれぞれ相当する。OFDM変調部1004は、副搬送波パターン決定部1003で決定された副搬送波のパターンに基づいて、主情報取得部1002で取得された主情報をOFDM変調する。
なお、本実施の形態においては、OFDM変調を行う場合を例に挙げて説明したが、直交周波数分割多重変調方式などにおいて、副搬送を用いるような変調方式を用いるときに適用できる。
次に、第5の実施の形態における復調装置について説明を加える。図54は、第5の実施の形態における復調装置1200の構成例を示す図である。復調装置1200は、埋め込み情報検出部1201、OFDM復調部1202、埋め込み情報出力部1203、およびデータ再生部1204から構成されている。
埋め込み情報検出部1201は、例えば、第1の実施の形態におけるサーチャ部311とLUT保持部321、第2の実施の形態におけるサーチャ部511とLUT保持部512、第3の実施の形態におけるサーチャ部701とLUT保持部702、第4の実施の形態におけるサーチャ部901とLUT保持部902にそれぞれ相当する。埋め込み情報検出部1201は、ベクトル量子化コード(第1、第2の実施の形態)、クラス値(第3の実施の形態)、またはオペランド(第4の実施の形態)などの、副搬送波のパターンに埋め込まれた情報を取得する。
埋め込み情報出力部1203は、例えば、第1の実施の形態におけるサーチャ部311とLUT保持部321、第2の実施の形態におけるサーチャ部511、第3の実施の形態におけるサーチャ部701、第4の実施の形態におけるサーチャ部901にそれぞれ相当する。埋め込み情報出力部1203は、埋め込み情報検出部1201で検出されたベクトル量子化コード、クラス値、またはオペランドなどの情報を出力する。
OFDM復調部1202は、例えば、第1の実施の形態におけるBPF302乃至P/S変換部310、第2の実施の形態におけるBPF302乃至P/S変換部310、第3の実施の形態におけるBPF302乃至P/S変換部310、第4の実施の形態におけるBPF302乃至FFT部309にそれぞれ相当する。このOFDM復調部1202は、受信されたデータをOFDM復調することで、変調される前のデータを再生する。
データ再生部1204は、例えば、第1の実施の形態におけるエラーコンシール処理部313、第2の実施の形態におけるP/S変換部310、サーチャ部511、第3の実施の形態における予測処理部703、第4の実施の形態におけるデータ処理部903にそれぞれ相当する。データ再生部1204は、埋め込み情報出力部1203からの埋め込み情報を、OFDM復調部1202で復調されたデータ(主情報に対応する)に適用することでデータを再生する。
ただし、第2の実施の形態においては、埋め込み情報と主情報が別々に後段の処理に出力されるため、OFDM復調部1202からのデータと、埋め込み情報出力部1203からの埋め込み情報は別々に後段の処理に出力され、データ再生部1204を備えない構成とすることが可能である。
以上のように、本発明によれば、副搬送波に入力データに関連するデータとして、異なる圧縮方式で圧縮したデータを送ることで、ロバスト性を向上させることが可能となる。また、このような構成とすることにより、誤り訂正などの付加ビットが不必要になるので、より高速なデータ通信を行うことが可能となる。
また本発明によれば、従来の無線通信のように、誤り訂正を行うための複雑な回路や余分なメモリを必要としない回路構成とすることが可能となるので、基板スペースの有効利用を可能とし、開発コストの削減を期待することが可能となる。
また本発明によれば、新しいモジュールやLSI、或は基板を抜き差しして、筐体の機能をアップグレードするシステムにおいて、アップグレードする前の時点まで使用されていた機能を無駄にすることなく、使うことができるようになる。
また本発明によれば、このような効果があることにより、新たに作成するモジュール、LSI、基板、新機能などと、それまでに用いられていたモジュール、LSI、基板、新機能などの差分だけ、開発を行えば良くなり、開発コストや開発工数を削減することが可能となる。
また本発明によれば、副搬送波に入力データに関連するデータとして、圧縮した画像を効率良く戻すことができる仕掛けを実現する信号を送ることで、劣化の少ない画像で処理をすることが可能となる。
さらに本発明によれば、副搬送波に入力データに関連するデータとして、入力データを操作する制御信号を同時に送ることで信号処理の効率を向上させることが可能となり、制御用の信号を別の線で送る必要が無くなるので、配線の削減、基板スペースの有効利用、基板開発コストの削減などが可能となる。
上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるし、ソフトウエアにより実行させることもできる。一連の処理をソフトウエアにより実行させる場合には、そのソフトウエアを構成するプログラムが、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータ、または、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば汎用のパーソナルコンピュータなどに、プログラム記録媒体からインストールされる。
図56は、上述した一連の処理をプログラムにより実行するパーソナルコンピュータのハードウェアの構成の例を示すブロック図である。
コンピュータにおいて、CPU(Central Processing Unit)2001、ROM(Read Only Memory)2002、RAM(Random Access Memory)2003は、バス2004により相互に接続されている。
バス2004には、さらに、入出力インターフェース2005が接続されている。入出力インターフェース2005には、キーボード、マウス、マイクロホンなどよりなる入力部2006、ディスプレイ、スピーカなどよりなる出力部2007、ハードディスクや不揮発性のメモリなどよりなる記憶部2008、ネットワークインタフェースなどよりなる通信部2009、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、あるいは半導体メモリなどのリムーバブルメディア2011を駆動するドライブ2010が接続されている。
以上のように構成されるコンピュータでは、CPU2001が、例えば、記憶部2008に記憶されているプログラムを、入出力インターフェース2005及びバス2004を介して、RAM2003にロードして実行することにより、上述した一連の処理が行なわれる。
コンピュータ(CPU2001)が実行するプログラムは、例えば、磁気ディスク(フレキシブルディスクを含む)、光ディスク(CD-ROM(Compact Disc-Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disc)等)、光磁気ディスク、もしくは半導体メモリなどよりなるパッケージメディアであるリムーバブルメディア2011に記録して、あるいは、ローカルエリアネットワーク、インターネット、デジタル衛星放送といった、有線または無線の伝送媒体を介して提供される。
そして、プログラムは、リムーバブルメディア2011をドライブ2010に装着することにより、入出力インターフェース2005を介して、記憶部2008にインストールすることができる。また、プログラムは、有線または無線の伝送媒体を介して、通信部2009で受信し、記憶部2008にインストールすることができる。その他、プログラムは、ROM2002や記憶部2008に、あらかじめインストールしておくことができる。
なお、コンピュータが実行するプログラムは、本明細書で説明する順序に沿って時系列に処理が行なわれるプログラムであっても良いし、並列に、あるいは呼び出しが行なわれたとき等の必要なタイミングで処理が行なわれるプログラムであっても良い。
また、本明細書において、システムとは、複数の装置により構成される装置全体を表すものである。
なお、本発明の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
100 変調装置, 101 S/P変換部, 102 IFFT部, 103 P/S変換部, 104 GI付加部, 105 D/A変換部, 106 LPF, 107 乗算器, 108 発振器, 109 加算器、 110 BPF, 111 アンテナ, 112 圧縮符号化部, 113 LUT保持部, 300 復調装置, 301 アンテナ, 302 BPF, 303 乗算器, 304 発振器, 305 LPF, 306 A/D変換部, 307 有効シンボル周期抽出部, 308 S/P変換部, 309 FFT部, 310 P/S変換部, 311 サーチャ部, 312 LUT保持部, 313 エラーコンシール処理部