JP2009222833A - プロジェクタ - Google Patents
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Abstract
【課題】耐光性及び耐熱性に優れ寿命が長い偏光素子を射出面側に有する光変調装置を備え、パネルの映り込み現象が生じにくいプロジェクタを提供すること。
【解決手段】G色用の液晶ライトバルブ40bにおいて、射出側の第2偏光フィルタ43bが無機系材料で形成される偏光素子であるので、第2偏光フィルタ43bの耐光性及び耐熱性が向上し、第2偏光フィルタ43b延いてはプロジェクタ100の寿命を長くすることができる。さらに、第2偏光フィルタ43bが非透過光を吸収する吸収型の偏光板であるだけでなく、システム光軸OAに対して傾斜して配置されているので、第2偏光フィルタ43bからの僅かな反射であっても、これがシステム光軸OAに沿って戻されることを防止でき、液晶パネル41bの映り込み現象を回避できる。
【選択図】図1
【解決手段】G色用の液晶ライトバルブ40bにおいて、射出側の第2偏光フィルタ43bが無機系材料で形成される偏光素子であるので、第2偏光フィルタ43bの耐光性及び耐熱性が向上し、第2偏光フィルタ43b延いてはプロジェクタ100の寿命を長くすることができる。さらに、第2偏光フィルタ43bが非透過光を吸収する吸収型の偏光板であるだけでなく、システム光軸OAに対して傾斜して配置されているので、第2偏光フィルタ43bからの僅かな反射であっても、これがシステム光軸OAに沿って戻されることを防止でき、液晶パネル41bの映り込み現象を回避できる。
【選択図】図1
Description
本発明は、液晶パネルと偏光素子とによって光変調を行って画像を投射するプロジェクタに関する。
例えば、液晶ライトバルブを組み込んだタイプのプロジェクタ等において、偏光状態を調整するために、通常、液晶パネルの入射面側及び射出面側には偏光素子が配置される。このうち、射出面側の偏光素子には、液晶パネルへの戻り光が生じないように、一般に光吸収型の有機偏光板が用いられるが、耐光性及び耐熱性に劣り寿命が短いという問題がある。
一方、射出面側の偏光素子を発熱の少ない反射型の偏光素子としたものも存在する(特許文献1参照)。この場合、反射型の偏光素子は、光軸に対して45°傾斜して配置され、反射された不要光が光路外に射出される。
特開2006−58341号公報
しかしながら、上記のような反射型の偏光素子を用いる場合、偏光素子を光軸に対して大きく傾斜させる必要があり、液晶パネルと投射レンズとの間に大きな空間を確保する必要がある。なお、偏光素子を光軸に対して大きく傾斜させないと、反射光が液晶パネルで反射され、投射画像に重ね合わされるというパネルの映り込み現象が生じる。なお、射出面側の偏光素子を無機材料製で吸収型の偏光素子とすることも考えられるが、この種の偏光素子の反射光も無視できない程度の強度を有する傾向があり、パネルの映り込み現象を十分に抑えることができない。
そこで、本発明は、耐光性及び耐熱性に優れ寿命が長い偏光素子を射出面側に有する光変調装置を備え、パネルの映り込み現象が生じにくいプロジェクタを提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明に係るプロジェクタは、(a)入射光の偏光状態を画像情報に応じて変調する液晶パネルと、(b)液晶パネルの後段に配置される射出側偏光板とを備え、(b1)射出側偏光板は、無機系材料で形成され、非透過光を吸収する吸収型の偏光板であり、かつ、システム光軸に対して傾斜して配置される。
上記プロジェクタにおいて、射出側偏光板が無機系材料で形成されているので、射出側偏光板の耐光性及び耐熱性が向上し、射出側偏光板延いてはプロジェクタの寿命を長くすることができる。さらに、射出側偏光板が、非透過光を吸収する吸収型の偏光板であるだけでなく、システム光軸に対して傾斜して配置されているので、射出側偏光板からの僅かな反射であっても、パネルの映り込み現象の原因となることを確実に回避できる。
また、本発明の具体的な態様又は観点によれば、上記プロジェクタにおいて、液晶パネルの前段に配置される入射側偏光板をさらに備える。この場合、液晶パネルに入射させる照明光の偏光方向を適切な方向に調整することができる。
本発明の別の態様では、(c)照明光を液晶パネルに供給する照明装置と、(d)液晶パネルによって変調され射出側偏光板を通過した画像光を投射する投射光学系とをさらに備える。
本発明のさらに別の態様では、(e)照明装置から射出された照明光を各色光に分離する分離導光光学系と、(f)分離導光光学系で分離された各色光を変調する光変調部と、(g)光変調部で変調された各色の変調光を合成して投射光学系に射出する合成光学系とをさらに備え、(f1)光変調部は、各色毎に、液晶パネルと射出側偏光板とを有し、(f2)少なくとも1色についての射出側偏光板は、無機系材料で形成され、非透過光を吸収する吸収型の偏光板であり、かつ、システム光軸に対して傾斜して配置される。この場合、分離された各色光を変調し、各色の変調光を合成することで、カラー画像を投射することができる。
本発明のさらに別の態様では、(f3)光変調部において、少なくとも緑色光用の液晶パネルの後段に配置される射出側偏光板は、無機系材料で形成され、非透過光を吸収する吸収型の偏光板であり、かつ、システム光軸に対して傾斜して配置される。照明光のうち緑色光の割合が多い場合、緑色用の射出側偏光板等の劣化も速くなる傾向が強くなるが、上記のように緑色用の射出側偏光板を無機系材料で形成することにより、緑色用の射出側偏光板の寿命を確実に長くすることができる。
〔第1実施形態〕
図1は、本発明に係る第1実施形態のプロジェクタの光学系の構造を概念的に説明する平面図である。このプロジェクタ100は、光源から射出された光束を画像情報に応じて変調して光学像を形成し、この光学像をスクリーン上に拡大投射するための光学機器である。プロジェクタ100は、光源装置10と、均一化光学系20と、色分離導光光学系30と、光変調部40と、合成光学系50と、投射レンズ60とを備える。ここで、光源装置10及び均一化光学系20は、照明装置を構成する。また、光変調部40は、3つの液晶ライトバルブ40a,40b,40cを含む。液晶ライトバルブ40a,40b,40cは、異なる色光をそれぞれ変調する液晶表示装置である。
図1は、本発明に係る第1実施形態のプロジェクタの光学系の構造を概念的に説明する平面図である。このプロジェクタ100は、光源から射出された光束を画像情報に応じて変調して光学像を形成し、この光学像をスクリーン上に拡大投射するための光学機器である。プロジェクタ100は、光源装置10と、均一化光学系20と、色分離導光光学系30と、光変調部40と、合成光学系50と、投射レンズ60とを備える。ここで、光源装置10及び均一化光学系20は、照明装置を構成する。また、光変調部40は、3つの液晶ライトバルブ40a,40b,40cを含む。液晶ライトバルブ40a,40b,40cは、異なる色光をそれぞれ変調する液晶表示装置である。
上記プロジェクタ100において、光源装置10は、放電発光型の発光管11と、楕円型のリフレクタ12と、球面型の副鏡13と、平行化レンズ14とを備える。発光管11から周囲に放射された光束は、リフレクタ12で直接反射され、或いは副鏡13で反射された後にリフレクタ12でさらに反射されて収束光束となる。この収束光束は、平行化レンズ14によって平行光束とされて、前方側すなわち均一化光学系20の第1レンズアレイ23に入射する。なお、上述した楕円面型のリフレクタ12に代えて、放物面等の各種凹面鏡を用いることができる。放物面の凹面鏡を用いた場合、リフレクタ12の後段に平行化レンズ14等を設けなくとも、光源装置10から平行光束を射出させることが可能となる。
均一化光学系20は、均一化された照度の照明光を光変調部40に供給する。この均一化光学系20は、光源装置10から射出された光束を適当な状態に分割する第1及び第2レンズアレイ23,24と、両レンズアレイ23,24を経た複数の光束を重畳させる重畳レンズ25と、重畳レンズ25を介して後段に射出させる光束の偏光方向を揃える偏光変換素子27とを備える。第1及び第2レンズアレイ23,24は、それぞれマトリクス状に配置された複数の要素レンズ23a,24aからなる。このうち、第1レンズアレイ23を構成する要素レンズ23aによって、平行化レンズ14を経た光束は複数の部分光束に分割される。また、第2レンズアレイ24を構成する要素レンズ24aによって、第1レンズアレイ23からの各部分光束は適当な発散角で射出される。重畳レンズ25は、第2レンズアレイ24から射出され偏光変換素子27を経た部分光束を全体として適宜収束させて、後段の液晶ライトバルブ40a,40b,40cの被照明領域すなわち表示領域で重畳させる。偏光変換素子27は、PBSアレイで形成された偏光変換装置であり、第1レンズアレイ23により分割され第2レンズアレイ24を経た各部分光束の偏光方向を一方向の直線偏光に揃える役割を有する。この偏光変換素子27は、例えば同様の構造をそれぞれ有しY方向にそれぞれ延びる4つのプリズム要素27aをX方向に配列した構造を有する板状のプリズムアレイである。
色分離導光光学系30は、第1及び第2ダイクロイックミラー31a,31bと、反射ミラー32a,32b,32cと、3つのフィールドレンズ33a,33b,33cとを備え、均一化光学系20から出射した照明光を赤(R)、緑(G)、及び青(B)の3色に分離するとともに、各色光を後段の液晶ライトバルブ40a,40b,40cへ導く。より詳しく説明すると、まず、第1ダイクロイックミラー31aは、RGBの3色のうちR光を反射しG光及びB光を透過させる。また、第2ダイクロイックミラー31bは、GBの2色のうちG光を反射しB光を透過させる。この色分離導光光学系30において、第1ダイクロイックミラー31aで反射されたR光は、反射ミラー32aを経て入射角調節用のフィールドレンズ33aに入射する。また、第1ダイクロイックミラー31aを透過し、第2ダイクロイックミラー31bで反射されたG光は、入射角調節用のフィールドレンズ33bに入射する。さらに、第2ダイクロイックミラー31bを通過したB光は、リレーレンズLL1,LL2及び反射ミラー32b,32cを経て入射角調節用のフィールドレンズ33cに入射する。
各液晶ライトバルブ40a,40b,40cは、入射した照明光の空間的強度分布を変調する非発光型の光変調装置である。これらの液晶ライトバルブ40a,40b,40cは、色分離導光光学系30から射出された各色光に対応してそれぞれ照明される3つの液晶パネル41a,41b,41cと、各液晶パネル41a,41b,41cの入射側にそれぞれ配置される3つの第1偏光フィルタ42a,42b,42cと、各液晶パネル41a,41b,41cの射出側にそれぞれ配置される3つの第2偏光フィルタ43a,43b,43cとを備える。ここで、3つの第1偏光フィルタ42a,42b,42cは、いずれも入射側偏光板として機能するものであり、3つの第2偏光フィルタ43a,43b,43cは、いずれも射出側偏光板として機能するものである。なお、入射側の第1偏光フィルタ42a,42b,42cと、射出側の第2偏光フィルタ43a,43b,43cとは、例えばクロスニコルの関係となるように配置される。
この光変調部40において、第1光路OP1に導かれたR光は、フィールドレンズ33a等を介して液晶ライトバルブ40aに入射し、液晶ライトバルブ40aを構成する液晶パネル41a上の表示領域を照明する。第2光路OP2に導かれたG光は、フィールドレンズ33b等を介して液晶ライトバルブ40bに入射し、液晶ライトバルブ40bを構成する液晶パネル41b上の表示領域を照明する。第3光路OP3に導かれたB光は、フィールドレンズ33c等を介して液晶ライトバルブ40cに入射し、液晶ライトバルブ40cを構成する液晶パネル41c上の表示領域を照明する。各液晶パネル41a〜41cは、入射した照明光の偏光方向の空間的分布を変調し、各液晶パネル41a〜41cにそれぞれ入射した3色の光は、各液晶パネル41a〜41cに電気的信号として入力された駆動信号或いは画像信号に応じて、画素単位でその偏光状態を調節される。この際、第1偏光フィルタ42a〜42cによって、各液晶パネル41a〜41cに入射する照明光の偏光方向が調整されるとともに、第2偏光フィルタ43a〜43cによって、各液晶パネル41a〜41cから射出される変調光から所定の偏光方向の変調光が取り出される。結果的に、各液晶ライトバルブ40a,40b,40cは、それぞれに対応する各色の変調光すなわち像光を形成する。
以上の光変調部40のうち、G色用の第2光路OP2上の液晶ライトバルブ40bにおいて、射出側の第2偏光フィルタ43bは、無機系材料で形成され非透過光を吸収する吸収型の偏光板である。また、この第2偏光フィルタ43bは、その法線が第2光路OP2すなわちシステム光軸OAに対して一定の傾斜角を有するように傾けて配置されている。
図2は、G色用の液晶ライトバルブ40bの配置及び機能を説明する断面図である。まず、液晶パネル41bは、システム光軸OAに対して垂直に配置されている。また、入射側偏光板としての第1偏光フィルタ42bも、システム光軸OAに対して略垂直に配置されている。しかしながら、射出側偏光板としての第2偏光フィルタ43bは、上述のように、システム光軸OAに対して適度に傾斜して配置されている。つまり、第2偏光フィルタ43bの法線NLは、システム光軸OAに対して傾斜角αをなしている。
なお、液晶パネル41aは、入射側の光透過性基板93aと、入射側機能層93bと、射出側の光透過性基板93dと、射出側機能層93eと、両透明基板93a,93dに挟まれた液晶層93gとを備える。ここで、入射側機能層93bは、透明共通電極、配向膜等を積層したものであり、射出側機能層93eは、透明画素電極、配向膜等を積層したものであり、透明共通電極と任意の透明画素電極との間に配置された液晶層93gの部分に必要な電圧を印可できるようになっている。液晶層93gは、例えばTN型の液晶からなり、電圧を印可しない状態でシステム光軸OAに沿った位置で光学軸が徐々に回転する捻れ配向状態となっており、最大電圧を印可した状態でシステム光軸OAに沿って光学軸が延びる垂直配向状態となる。なお、入射側機能層93bには、各画素に対応する開口を有するブラックマトリクスも設けられており、射出側機能層93eには、各画素の透明画素電極に電気的に接続された薄膜トランジスタも設けられている。
以上説明した液晶ライトバルブ40bにおいて、第2偏光フィルタ43bは、無機材料で形成された吸収型の偏光板である。具体的には、第2偏光フィルタ43bは、微量の金属粉(例えば銅粉)を有するホウケイ酸ガラスを含む無機材料により形成されており、液晶パネル40cから射出された変調光から所定方向の直線偏光の不要成分(つまり、非透過光)を選択的に吸収する性質を有する。この第2偏光フィルタ43bは、以上のように吸収型の偏光板であるから、上記のような非透過光を原則として吸収する。しかしながら、第2偏光フィルタ43bの入射面46iは、鏡面に形成されており、僅かな反射光LR1を生じさせる。このような反射光LR1は、僅かであるが液晶パネル41bの射出面46oに戻される。しかしながら、第2偏光フィルタ43bが傾斜しているので、液晶パネル41bの射出面46oでの反射光LR2は、システム光軸OAに対して大きな傾斜角をなして、第2偏光フィルタ43bに入射する。よって、液晶パネル41bからの反射光LR2は、第2偏光フィルタ43bでほとんど吸収され、仮に僅かながら通過しても、光路外に大きく外れ投射光に重畳されることを回避できる。つまり、第2偏光フィルタ43bからの反射光LR1である戻り光によって液晶パネル41bの映り込みが生じることを防止でき、高いコントラストの画像を投射することができる。
なお、図1に示す他の光路OP1,OP3に設けたR光用の液晶ライトバルブ40aやB光用の液晶ライトバルブ40cにおいて、射出側の第2偏光フィルタ43a,43cは、有機材料で形成された吸収型の偏光板である。具体的には、例えばPVA(polyvinyl alcohol)ポリマーをヨウ素で染色しフィルム化の際に特定方向に延伸し、このような延伸によって得たフィルムを光透過性基板上に貼り付けたものである。なお、第2偏光フィルタ43a,43cは、上記のような有機材料で形成された吸収型の偏光素子に限らず、ワイヤグリッド等の反射型の偏光素子に置き換えることができる。
合成光学系50は、クロスダイクロイックプリズムで形成され、各液晶ライトバルブ40a,40b,40cからの各色の像光を合成する。より詳しく説明すると、合成光学系50は、4つの直角プリズムを貼り合わせた平面視略正方形状をなし、直角プリズム同士を貼り合わせた界面には、X字状に交差する一対の誘電体多層膜51a,51bが形成されている。一方の第1誘電体多層膜51aは、R光を反射し、他方の第2誘電体多層膜51bは、B光を反射する。合成光学系50は、液晶ライトバルブ40aからのR光を誘電体多層膜51aで反射して進行方向左側に射出させ、液晶ライトバルブ40bからのG光を誘電体多層膜51a,51bを介して直進・射出させ、液晶ライトバルブ40cからのB光を誘電体多層膜51bで反射して進行方向右側に射出させる。このようにして、合成光学系50によりR光、G光及びB光が合成され、カラー画像による画像光である合成光が形成される。
投射レンズ60は、投射光学系であり、合成光学系50を経て形成された合成光による画像光を所望の拡大率で拡大してスクリーン(不図示)上にカラーの画像を投射する。
以上の説明から明らかなように、本実施形態のプロジェクタ100によれば、G色用の液晶ライトバルブ40bにおいて、射出側の第2偏光フィルタ43bが無機系材料で形成される偏光素子であるので、第2偏光フィルタ43bの耐光性及び耐熱性が向上し、第2偏光フィルタ43b延いてはプロジェクタ100の寿命を長くすることができる。さらに、第2偏光フィルタ43bが非透過光を吸収する吸収型の偏光板であるだけでなく、システム光軸OAに対して傾斜して配置されているので、第2偏光フィルタ43bからの僅かな反射であっても、これがシステム光軸OAに沿って戻されることを防止でき、液晶パネル41bの映り込み現象を確実に回避できる。ここで、特にG色用の液晶ライトバルブ40bの第2偏光フィルタ43bを無機系材料製で吸収型としているので、発光管11から射出される照明光においてG色の光量比が比較的大きい場合であっても、G光による第2偏光フィルタ43b等の偏った劣化を抑えることができる。
〔第2実施形態〕
以下、第2実施形態について説明する。本実施形態において特に説明のない部分については、第1実施形態と同様の構造を有している。図3は本実施形態に係るプロジェクタの構造を説明するための概念図である。
以下、第2実施形態について説明する。本実施形態において特に説明のない部分については、第1実施形態と同様の構造を有している。図3は本実施形態に係るプロジェクタの構造を説明するための概念図である。
本実施形態のプロジェクタ200では、第2光路OP2上の第2偏光フィルタ43bだけでなく、第3光路OP3上の第2偏光フィルタ243cも、無機系材料で形成され非透過光を吸収する吸収型の偏光板である。また、この第2偏光フィルタ243cは、その法線が第3光路OP3すなわちシステム光軸OAに対して適度な傾斜角を有するように傾けて配置されている。
本実施形態の場合、第2光路OP2だけでなく第3光路OP3において、第2偏光フィルタ243cの耐光性及び耐熱性が向上し、第2偏光フィルタ243c延いてはプロジェクタ200の寿命を長くすることができるとともに、液晶パネル41cの映り込み現象を回避できる。なお、本実施形態では、B色用の液晶ライトバルブ40cの第2偏光フィルタ243cを無機系材料製で吸収型としているので、発光管11から射出される照明光においてB色光の光量比が比較的大きい場合であっても、B光やこれに付随する紫外線による第2偏光フィルタ243c等の偏った劣化も抑えることができる。
〔第3実施形態〕
以下、第3実施形態について説明する。本実施形態において特に説明のない部分については、第1実施形態と同様の構造を有している。図4は本実施形態に係るプロジェクタの構造を説明するための概念図である。
以下、第3実施形態について説明する。本実施形態において特に説明のない部分については、第1実施形態と同様の構造を有している。図4は本実施形態に係るプロジェクタの構造を説明するための概念図である。
本実施形態のプロジェクタ300では、全ての光路OP1,OP2,OP3上の第2偏光フィルタ343a,43b,243cが、無機系材料で形成され非透過光を吸収する吸収型の偏光板である。また、これらの第2偏光フィルタ343a,43b,243cは、それぞれの法線が各光路OP1,OP2,OP3すなわちシステム光軸OAに対して適度な傾斜角を有するように傾けて配置されている。
本実施形態の場合、各色の第2偏光フィルタ343a,43b,243cの耐光性及び耐熱性が向上し、これら第2偏光フィルタ343a,43b,243c延いてはプロジェクタ300の寿命を長くすることができるとともに、液晶パネル41a,41b,41cの映り込み現象を回避できる。
この発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
上記実施形態において、第2偏光フィルタ343a,43b,243cの傾斜角度や傾斜方向は、図示したものに限らず、用途や仕様に応じて様々に変更することができる。また、第2偏光フィルタ343a,43b,243cの組み込みは、図1、3、4に例示するものに限らず、例えば第1光路OP1上の第2偏光フィルタ243aのみを、無機系材料で形成され非透過光を吸収する吸収型の偏光板とするとともに、システム光軸OAに対して適度な傾斜角を有するように傾けて配置することができる。
上記実施形態の光源装置10に用いるランプとしては、高圧水銀ランプやメタルハライドランプ等種々のものが考えられる。また、光源装置10は、副鏡13を有しないタイプの光源とすることができる。
また、上記実施形態では、光源装置10からの光を複数の部分光束に分割するため、一対のレンズアレイ23,24を用いていたが、この発明は、このようなレンズアレイを用いないプロジェクタにも適用可能である。さらに、レンズアレイ23,24をロッドインテグレータに置き換えることもできる。
また、上記実施形態において、光源装置10からの光を特定方向の偏光とする偏光変換素子27を用いていたが、この発明は、このような偏光変換素子24を用いないプロジェクタにも適用可能である。
また、上記実施形態では、透過型のプロジェクタに本発明を適用した場合の例について説明したが、本発明は、反射型プロジェクタにも適用することが可能である。ここで、「透過型」とは、液晶パネル等を含む液晶ライトバルブが光を透過するタイプであることを意味しており、「反射型」とは、液晶ライトバルブが光を反射するタイプであることを意味している。なお、光変調装置は液晶パネル等に限られず、例えばマイクロミラーを用いた光変調装置であってもよい。
また、プロジェクタとしては、投射面を観察する方向から画像投射を行う前面プロジェクタと、投射面を観察する方向とは反対側から画像投射を行う背面プロジェクタとがあるが、本実施形態のプロジェクタの構成は、いずれにも適用可能である。
また、上記実施形態では、3つの液晶パネル41a〜41cを用いたプロジェクタ100〜300の例のみを挙げたが、本発明は、1つの液晶パネルのみを用いたプロジェクタ、2つの液晶パネルを用いたプロジェクタ、或いは、4つ以上の液晶パネルを用いたプロジェクタにも適用可能である。
10…光源装置、 20…均一化光学系、 23,24…レンズアレイ、 24…偏光変換素子、 25…重畳レンズ、 27…偏光変換素子、 30…色分離導光光学系、 31a,31b…ダイクロイックミラー、 33a,33b,33c…フィールドレンズ、 40…光変調部、 40a,40b,40c…液晶ライトバルブ、 41a,41b,41c…液晶パネル、 42a,42b,42c…第1偏光フィルタ、 43a,43b,43c,243c,343a…第2偏光フィルタ、 50…合成光学系、 51a,51b…誘電体多層膜、 60…投射レンズ、 100,200,300…プロジェクタ、 OA…システム光軸
Claims (5)
- 入射光の偏光状態を画像情報に応じて変調する液晶パネルと、
前記液晶パネルの後段に配置される射出側偏光板とを備え、
前記射出側偏光板は、無機系材料で形成され、非透過光を吸収する吸収型の偏光板であり、かつ、システム光軸に対して傾斜して配置される、プロジェクタ。 - 前記液晶パネルの前段に配置される入射側偏光板をさらに備える、請求項1に記載のプロジェクタ。
- 照明光を前記液晶パネルに供給する照明装置と、
前記液晶パネルによって変調され前記射出側偏光板を通過した画像光を投射する投射光学系とをさらに備える、請求項1及び請求項2のいずれか一項に記載のプロジェクタ。 - 前記照明装置から射出された照明光を各色光に分離する分離導光光学系と、
前記分離導光光学系で分離された前記各色光を変調する光変調部と、
前記光変調部で変調された各色の変調光を合成して前記投射光学系に射出する合成光学系とをさらに備え、
前記光変調部は、各色毎に、前記液晶パネルと前記射出側偏光板とを有し、
少なくとも1色についての前記射出側偏光板は、無機系材料で形成され、非透過光を吸収する吸収型の偏光板であり、かつ、システム光軸に対して傾斜して配置される、請求項3に記載のプロジェクタ。 - 前記光変調部において、少なくとも緑色光用の液晶パネルの後段に配置される前記射出側偏光板は、無機系材料で形成され、非透過光を吸収する吸収型の偏光板であり、かつ、システム光軸に対して傾斜して配置される、請求項4に記載のプロジェクタ。
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Cited By (1)
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2008
- 2008-03-14 JP JP2008065290A patent/JP2009222833A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2016125220A1 (ja) * | 2015-02-05 | 2016-08-11 | ソニー株式会社 | プロジェクタ及び光学ユニット |
JPWO2016125220A1 (ja) * | 2015-02-05 | 2017-11-09 | ソニー株式会社 | プロジェクタ及び光学ユニット |
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