JP2009222806A - 投射光学系及び画像投射装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】より容易に製造することが可能な投射光学系を提供する。より容易に製造することが可能な投射光学系を含む画像投射装置を提供する。
【解決手段】回転対称な光学系及び回転非対称な光学系からなると共に物体からの光を被投射面に投射する投射光学系において、前記回転非対称な光学系は、回転非対称な反射面を備えた少なくとも一つの光学素子からなると共に、前記回転非対称な反射面は、二次元座標の関数として表現される曲面であり、且つ、前記光で照射される該曲面の領域において、該二次元座標における少なくとも一つの方向の座標に関する該関数の偏微分係数が、正又は負の値である。画像を非投射面に投射する画像投射装置は、上記投射光学系を含む。
【選択図】なし

Description

本発明は、投射光学系及び画像投射装置に関する。
近年、透過型、反射型ドットマトリクス液晶、DMD(Digital Micro−mirror Device)等を用いた表示装置(以下ライトバルブと称する)を用い、このライトバルブに表示される画像をスクリーンに拡大投射して大画面として見せる拡大投射方式が着目されている。このような拡大投射方式によれば、画面の大きさに制約を受けず、迫力のある大画面を得ることが可能なので、オフィスや、学校、家庭においても、より広く画像拡大投射装置(プロジェクター)が利用されている。画像表示装置としては、ライトバルブ上の画像を装置から離して設けた反射型スクリーンなどの投射面に拡大投射して反射光を観察するフロントプロジェクション型と、装置内に透過型のスクリーンを投射面として設け、スクリーンの背面側からライトバルブ上の画像を拡大投写し、スクリーン表面側から画像を観察するリアプロジェクション型とがある。
しかし、実際にプロジェクターを利用する場面を想定すると、プロジェクターの設置場所が問題になる。たとえば、オフィスにて前方に画像を投影するフロント型プロジェクターを例に挙げると、少人数で比較的小さな会議室で利用する場合、投影画面サイズ、投射距離、PCとの接続、議論しやすい机のレイアウトなどから、プロジェクターの設置場所の制約が少なからず発生し、使い勝手が悪い問題点が発生していた。また、特にプロジェクターにプレゼンテーション資料を投影し説明をする場合に、説明者はプロジェクターとスクリーンの間に立たざるを得ない場合もでてくるが、そのときに説明者の影がスクリーンに映り込んでしまって聴講者には投影画面が一部分見えなくなる問題が生じてしまう。
最近は、ますます、大画面で、投射距離を縮める工夫が種々なされているが、たとえば、対角50〜60インチの画面サイズを得るためには、従来の技術ではフロント型で最低1m程度の投射距離が必要であり、この距離では、説明者の陰がスクリーン上に写り込み問題になる場合が多々生じていた。
また、プロジェクターをキャビネット内に納め、キャビネットの前面に設けたスクリーンに背面投射して、キャビネットの前面から拡大画像を見ることができるようにしたリア型の表示装置、リアプロジェクターが提供されるに至っているが、奥行き方向の省スペース化を実現するため薄型が求められている中、筐体のなかにおいて平面ミラー等で何度か折り曲げても、装置自体の小型化に限界があるため、光学系の投射距離を縮めることがますます求められている。
上記問題を解決するため、光学系の投射距離を縮めた発明がたとえば、特開2004−258620号公報(特許文献1)に記載されている。
特開2004−258620号公報に記載された発明では、正のパワーを有する第一光学系により中間像を作り、その中間像を正のパワーを持つ自由曲面反射面にて拡大投射するような光学系になっている。自由曲面ミラーの形状はどの実施例も、「回転非対称な反射面は、二次元座標の関数として表現される曲面であり、且つ、光で照射される曲面の領域において、二次元座標における少なくとも一つの方向の座標に関する関数の偏微分係数が、正又は負の値である」の条件を満たしており、変曲点のない滑らかな形状になっているが、実施例1〜5をみると、屈折光学系からなる第一光学系はシフト偏心、チルト偏心したレンズを含んだ偏心光学系であるため、製造時のレンズ組み付け時に光軸基準の芯だしができないので組み付けが非常に困難であり、製造上難しいものとなっている。また実施例6では、偏芯はしていない軸対称レンズ系に自由曲面レンズを足した第一光学系になっているが、自由曲面レンズの製造自体が難しいため、コストアップが課題となっており、また光学系への組み付けも困難である。
また別の例では、特開2006−292901号公報(特許文献2)に記載された発明がある。
特開2006−292901号公報に記載された発明では、レンズ系と第二光学系に自由曲面ミラーを用いて投射距離を縮めた光学系を達成しているが、自由曲面ミラーのXZ断面形状において変曲点がみられる(y=0における∂f(x,0)/∂x=0となる点がある)。そのため、面のパワーに正負逆転してしまう位置があり、それを補うために自由曲面ミラーに入射する光束を制御する第一光学系のレンズ系内に、製造難易度の高い光学素子である多数の自由曲面レンズを配置する必要があった。そのため、芯だしを含めた製造難易度の高い、自由曲面レンズにより、コストの高い光学系となっており、組み付けも困難であった。
一方、本発明者は、短い投射距離で物体面上の画像を拡大投射することが可能で、かつシンプルな光学系のため装置コストが低く、組み付け易さを達成した、新規な投射光学系および、この投射光学系を用いた画像表示装置を着想するに至った。
特開2004−258620号公報 特開2006−292901号公報
本発明の第一の目的は、より容易に製造することが可能な投射光学系を提供することである。
本発明の第二の目的は、より容易に製造することが可能な投射光学系を含む画像投射装置を提供することである。
本発明の第一の態様は、回転対称な光学系及び回転非対称な光学系からなると共に物体からの光を被投射面に投射する投射光学系において、前記回転非対称な光学系は、回転非対称な反射面を備えた少なくとも一つの光学素子からなると共に、前記回転非対称な反射面は、二次元座標の関数として表現される曲面であり、且つ、前記光で照射される該曲面の領域において、該二次元座標における少なくとも一つの方向の座標に関する該関数の偏微分係数が、正又は負の値であることを特徴とする投射光学系である。
本発明の第二の態様は、画像を非投射面に投射する画像投射装置において、本発明の第一の態様である投射光学系を含むことを特徴とする画像投射装置である。
本発明の第一の態様によれば、より容易に製造することが可能な投射光学系を提供することが可能になる。
本発明の第二の態様によれば、より容易に製造することが可能な投射光学系を含む画像投射装置を提供することが可能になる。
次に、本発明の実施の形態を図面と共に説明する。
本発明の第一の実施形態は、回転対称な光学系及び回転非対称な光学系からなると共に物体からの光を被投射面に投射する投射光学系であって、前記回転非対称な光学系は、回転非対称な反射面を備えた少なくとも一つの光学素子からなる、投射光学系である。
本発明の第一の実施形態によれば、より容易に製造することが可能な投射光学系を提供することが可能になる。
本発明の第一の実施形態に係る投射光学系において、好ましくは、前記回転非対称な反射面は、二次元座標の関数として表現される曲面であり、且つ、前記光で照射される該曲面の領域において、該二次元座標における少なくとも一つの方向の座標に関する該関数の偏微分係数が、正又は負の値である。
本発明の第一の実施形態に係る投射光学系において、好ましくは、前記二次元座標における少なくとも一つの方向の座標は、前記二次元座標における第一の方向の座標及び前記二次元座標における該第一の方向と直交する第二の方向の座標からなる。
例えば、本発明の第一の実施形態に係る投射光学系は、物体を拡大あるいは縮小して像面に投影する投射光学系であって、軸対称な光学系からなる第一光学系と、少なくとも1枚の自由曲面形状の反射面を含む第二光学系からなる光学系であり、上記自由曲面形状を、基準XY平面からのサグ量をZとしてZ=f(x,y)と表したときに、その反射面の有効径内の面をXZ平面またはYZ平面に平行な任意の断面で切ったときにできる曲線の2次微分式∂f(x,y)/∂xまたは∂f(x,y)/∂yが以下の式を満たすことを特徴とする投射光学系であってもよい。
有効径内の任意の座標x及びyについて、
f(x,y)/∂x≠0 または ∂f(x,y)/∂y≠0
(ただし、x及びyは、有効径内の座標を示す定数である。)・・・(1)
この例の場合には、自由曲面反射ミラーに変曲点がないため、面内にパワーの正負が逆転する個所がないため、自由曲面反射ミラーに入射する光束はあらかじめ正負逆転のパワーを受けるように複雑に第一光学系によって制御される必要が無く、像面で良好な解像性能を達成しながら第一光学系を組み付けが簡単で製造しやすい軸対称光学系で構成することが可能になる。
すなわち、このような投射光学系は、製造時の組み付け易さを達成した軸対称光学系からなる第一光学系と、軸に対し非対称であることでX、Y方向のパワーを独立にコントロールすることができ、かつその自由曲面形状には変曲点が無く、したがって面のパワーが正負逆転することがないため像面において良好な解像性能を達成できる自由曲面ミラーを含んだ第二光学系によって構成されていることによって、短い投射距離で物体面上の画像を拡大投射することが可能で、かつシンプルな光学系のため装置コストが低く、組み付け易さを達成した光学系を提供することが可能になる。
また、上記の投射光学系は、上記第二光学系のパワーを持つ反射面は、上記自由曲面形状の反射面のみである投射光学系であってもよい。
この例の場合には、偏心精度等の位置ズレに対して厳しいミラー光学系の組み付けが容易になることがある。
本発明の第一の実施形態に係る投射光学系において、好ましくは、前記回転対称な光学系と前記回転非対称な光学系との間に前記物体と共役な像が形成される。
例えば、上記の投射光学系は、第一光学系と第二光学系の間に物体から射出した光束が略収束化された中間像を有する投射光学系であってもよい。
この例の場合には、中間像を一旦結ぶことでその前後で全体の光学系倍率を分割できるため独立に設計を進めることができ、設計が容易になることがある。
本発明の第一の実施形態に係る投射光学系において、好ましくは、前記回転対称な光学系の回転対称軸は、前記物体と交差しない。
例えば、上記の投射光学系において、投射する物体は第一光学系の光軸にかからない投射光学系であってもよい。
この例の場合には、第一光学系を射出した光束が自由曲面反射ミラーに入射する際、光軸に対しシフトした位置で自由曲面反射ミラーに入射しやすく、自由曲面反射ミラーにて反射された光束が第一光学系に当たること無しに像面に結像しやすい(第一光学系によって自由曲面ミラーからスクリーンまでの光線がけられることが少ない。)ものであることがある。
本発明の第一の実施形態に係る投射光学系において、好ましくは、前記回転対称な光学系を構成するパワーを有する光学素子は、少なくとも一つのレンズからなる。
例えば、上記の投射光学系において、上記第一光学系を構成するパワーを持った要素はレンズのみである投射光学系であってもよい。
この例の場合には、屈折系に対し偏心感度が高くなるミラー系を第一光学系内に採用していないため、組み付け調整がしやすいものであることがある。
本発明の第一の実施形態に係る投射光学系において、好ましくは、前記回転対称な光学系は、回転対称非球面を備えた少なくとも一つの光学素子を含む。
例えば、上記の投射光学系において、上記第一光学系内に軸対称非球面形状を持つ面を有している投射光学系であってもよい。
この例の場合には、軸対象非球面形状のレンズを採用することによって、その設計自由度が上がり光線の収束性がよく、解像性能が向上するし、少ない枚数で同じ機能を踏襲できることがある。
本発明の第一の実施形態に係る投射光学系において、好ましくは、前記回転対称な光学系における前記回転非対称な光学系に最も近いパワーを有する光学素子は、前記回転対称非球面を備えた少なくとも一つの光学素子の一つである。
例えば、上記の投射光学系において、上記第一光学系内の軸対称非球面形状を持つ面は、少なくとも1面は第一光学系の最も像面側に位置している面に配置されている投射光学系であってもよい。
この例の場合には、最も像面側に位置しているレンズに入射する光束は第一光学系の中でも最も各光束が分離してレンズに入射するため、各光束を独立に制御することができ、特にディストーションや像面湾曲をコントロールしやすく像面での結像性能が向上することがある。
本発明の第一の実施形態に係る投射光学系において、好ましくは、前記回転対称な光学系は、前記回転対称な光学系の回転対称軸を折り返す折り返しミラーを含む。
例えば、上記の投射光学系において、上記第一光学系内に、光路折り返しのための反射ミラーを配置した投射光学系であってもよい。
この例の場合には、第一光学系内に折り返しミラーを配置し光路を折り曲げることによって、物体からその折り返しミラーまでの光路をスペースが空いている空間に折り返すことができるため、上記投射光学系の占有面積を小さくでき、筐体サイズがコンパクトになることがある。
本発明の第一の実施形態に係る投射光学系において、好ましくは、前記回転非対称な光学系は、前記光を収束させる光学系である。
例えば、上記の投射光学系において、第二光学系は、正のパワーを持つ投射光学系であってもよい。
この例の場合には、中間像から第2光学系に至る光束は発散しているが、正のパワーを有する反射面によって、これを再度集光させることができることがある。反射面数が2以上である場合には、反射面の合成パワーが正であればよく、パワーが負の反射面があってもよい。このとき、1枚以上の反射面のパワーは正である。パワーが正の反射面とはすなわち凹面鏡である。
本発明の第一の実施形態に係る投射光学系は、好ましくは、前記物体の側において略テレセントリックな光学系である。
例えば、上記の投射光学系において、物体側が略テレセントリックな光学系である投射光学系であってもよい。
この例の場合には、均一に照明された画像形成素子から射出する光束の主光線を同じ角度で第一光学系に取り込めるため、像面上の拡大像の明るさをほぼ均一化できることがある。また画像形成素子と第一光学系の間に入射角特性を持った膜が配置されている場合、画像形成素子から射出する主光線の角度変化による膜への入射角の広がりが無く、各光束の取り込み角分のみを考慮すればよいので、膜の性能を達成する入射角範囲を狭くすることができ、作りやすくコストダウンになることがある。
本発明の第一の実施形態に係る投射光学系は、好ましくは、第一の画像と共役な第二の画像を形成する第一の光学系、及び、該第二の画像からの光を反射する反射光学素子を含むと共に該第二の画像と共役な第三の画像を被投射面に投射する第二の光学系を含む、投射光学系であって、前記第一の光学系は、前記第二の光学系のペッツバール和の符号と反対の符号を備えたペッツバール和を有する、投射光学系である。
この場合には、像面湾曲が低減された投射光学系を提供することが可能になる。これにより、像面であるスクリーン面での像面湾曲を小さくでき、解像性能を向上させることができることがある。
本発明の第一の実施形態に係る投射光学系は、好ましくは、前記第一の光学系のペッツバール和は、負である。
この場合には、第一の光学系のペッツバール和を負にすることで、第二の光学系の正の屈折力を持った反射ミラーで発生する像面湾曲を低減することができるため、解像性能が向上することがある。
本発明の第一の実施形態に係る投射光学系は、好ましくは、前記第一の光学系のペッツバール和は、−0.0115よりも小さい。
この場合には、中間像にあらかじめ正の屈折力を持った反射ミラーでの拡大の際に発生する像面湾曲を大きく補正する形で発生させることができるため、その拡大倍率を大きくすることができ、物体である中間像を小さくすることができることがある。しいてはその正の屈折力を持った反射ミラーをも小さくすることができることがある。また、解像性能も向上できることがある。
本発明の第一の実施形態に係る投射光学系は、好ましくは、前記正の屈折力を備えたミラーのミラー面は、該ミラー面と該光軸との交点から該ミラー面の周辺に向かって減少する曲率を備えた面である。
この場合には、スクリーン上の拡大像の歪曲収差をより良好に補正することができ、解像性能を向上させることができることがある。
本発明の第一の実施形態に係る投射光学系は、好ましくは、前記第二の画像は、前記光軸に対して傾斜した且つ湾曲した画像である。
この場合には、スクリーン上の拡大像の像面湾曲を、物体側(中間像)で逆補正することができ、解像性能を向上させることができることがある。
本発明第一の実施形態に係る投射光学系は、好ましくは、第一の画像と共役な第二の画像を形成する第一の光学系、及び、該第二の画像からの光を反射する反射光学素子を含むと共に該第二の画像と共役な第三の画像を被投射面に投射する第二の光学系を含む、投射光学系であって、該第一の光学系は、絞り、並びに、該絞りと該第二の画像との間に設けられる、正の屈折力を備えた少なくとも一つの光学素子及び負の屈折力を備えた少なくとも一つの光学素子を含み、該正の屈折力を備えた少なくとも一つの光学素子における最も強い正の屈折力を備えた光学素子は、該絞りと該負の屈折力を備えた少なくとも一つの光学素子における最も強い負の屈折力を備えた光学素子との間に設けられる、投射光学系である。
この場合には、より小型の投射光学系を提供することが可能になる。特に最終レンズ径のサイズを小さくすることが可能になるため製造誤差が小さく解像性能をよくすることができ、コストダウンとなることがある。
本発明第一の実施形態に係る投射光学系は、好ましくは、前記非球面を有する光学素子は、前記正の屈折力を備えた少なくとも一つの光学素子における最も強い正の屈折力を備えた光学素子と前記第二の画像との間に設けられる。
これにより、各画角の光束を独立に補正することが可能になるため、拡大像の解像性能がさらに良くなることがある。
本発明の第二の実施形態は、画像を非投射面に投射する画像投射装置であって、本発明の第一の実施形態に係る投射光学系を含む、画像投射装置である。
本発明の第二の実施形態によれば、より容易に製造することが可能な投射光学系を含む画像投射装置を提供することが可能になる。
例えば、上記の投射光学系を搭載して、物体面上に配置した、画像情報を表示する画像形成素子の画像を、像面上に拡大投影する画像投射装置であってもよい。
この例の場合には、上記メリットを持つシンプルな光学系のため装置コストが低く、組み付け易さを達成した、新規な投射光学系を用いた画像表示装置を実現できることがある。
また、例えば、上記の投射光学系を搭載した画像投射装置によれば、さらに像面湾曲が低減された投射光学系を含む画像投射装置又はより小型の投射光学系を含む画像投射装置を提供することができることもある。加えて、拡大倍率が高く解像性能が高くてもレンズサイズやミラーサイズが大きくならない投射光学系を採用した投影装置を実現することができることもあり、所望の拡大倍率が得られ、かつ至近距離投射が可能でコストを抑えた投影装置を実現できることがある。また、リアプロジェクションへ本発明の実施形態の投射光学系を採用することによって従来よりもコストを下げ、かつ薄型化も可能な装置を実現できることもある。
(実施例1)
図1に本発明の実施例1の投射光学系の構成を示す。
なお、本発明の実施例を説明する図における座標系は、像面上のスクリーンの長軸方向をX、短軸方向をY、スクリーンの法線方向をZとする。
物体面上の画像形成素子11で形成された画像を像面上のスクリーン12に投射するための投射光学系10であって、軸対称な光学系からなる第一光学系13と、自由曲面形状の反射面を含む第二光学系14で構成され、画像形成素子11から第一光学系13、第二光学系14を配置し、全体で拡大投射させている。本実施例では第一光学系13は光束を透過するレンズ系のような屈折光学系のみで構成され、第二光学系14は正のパワーを持った自由曲面反射面が1面で構成されており、第一光学系13と第二光学系14の間に、物体面からの光束を第一光学系13により略収束化し画像形成素子11で形成された画像の中間像15を形成している。第二光学系14のパワーを持つ面が自由曲面反射面1面のみであることで、偏心精度等の位置ズレに対して厳しいミラー光学系の組み付けが容易になる。また、中間像15を一旦結ぶことでその前後で全体の光学系倍率を分割できるため独立に設計を進めることができ、設計が容易になる。また、第二光学系14のパワーが正であるため、中間像15から射出する発散した光を像面に収束させることができる。また、本発明の実施形態はそのレンズ枚数によらないし、第一光学系はレンズのみを用いた系だが、たとえば第一光学系13のレンズとレンズの間に光学系のコンパクト化を図るための、光線を折り曲げる折り返しミラーを配置しても良いし、第一光学系13と第二光学系14の間に同様の折り返しミラーを配置しても良い。なお、折返しミラーは画像形成素子11にて作られた画像をスクリーン12に投射することに関しては特に寄与しない。また、中間像15の有無も本発明の実施形態によらず、中間像15の無い光学系に本発明の実施形態を適用しても良い。
画像形成素子11から射出された光束はレンズのみで構成された軸対称系の第一光学系13により中間像15を結ぶ。その後第二光学系14の自由曲面反射ミラーにより、大きなパワーを受けスクリーン12上に拡大投射される。このとき、一般に自由曲面はX方向、Y方向のパワーを独立に制御できるためスクリーン上に歪み無くかつ良好な解像性能を達成することができる。しかし自由曲面反射ミラーの有効径内で、パワーの正負が逆転するような形状だと、その反射ミラーに入射する光束もあらかじめ反射ミラーのパワーの正負逆転を見越した光束になっていないとスクリーン12上で良好な解像性能にならない。つまり、物体面上の画像形成素子11から射出した各光束を、第一光学系13で、のちのち正負逆転するパワーを面内に持った光学系にあわせて、屈折させなければならず、非常に複雑な第一光学系13、たとえばレンズを偏心させた偏心光学系であったり、面形状自体が軸対称ではない自由曲面レンズを用いた光学系、になってしまう。偏心光学系は光学系の組み付けに難があり、また自由曲面レンズは自由曲面形状の型の作製やその組み付けにやはり難がある。そのため本投射光学系10は、基準XY平面からのサグ量をZとしてZ=f(x,y)と表したときに、その反射面の有効径内の面をXZ平面またはYZ平面に平行な任意の断面で切ったときにできる曲線の2次微分式∂f(x,y)/∂xまたは∂f(x,y)/∂yが、有効径内の任意の座標x及びyについて、0にならない(ただし、x及びyは、有効径内の座標を示す定数である。)ように制御し、有効径内の自由曲面形状がパワーの正負逆転のない、つまり変曲点の無い自由曲面反射ミラーを採用している。このことにより、第一光学系13は従来どおりの調芯方法で光学系組み付けが行える軸対称光学系を採用できるわけであり、コストを抑え、組み付けやすく、かつスクリーン12上に歪み無くかつ良好な解像性能を持った投射画像を投影できる投射光学系10が実現できる。
表1は本実施例1の数値実施例1である。
Figure 2009222806
一般に自由曲面形状は、ローカル座標系で基準XY平面からのサグ量をZとして、「X2、Y2、X2Y、Y3、X2Y2など」を各項の係数とすると、
Z=f(x,y)=X2・x+Y2・y+X2Y・xy+Y3・y+X4・x+X2Y2・x+Y4・y+X4Y・xy+X2Y3・x+Y5・y+X6・x6+X4Y2・x+X2Y4・x+Y6・y+・・・(2)
で表される。
本実施例1でも、自由曲面を採用している反射面24面の係数は表2のようになっている。
Figure 2009222806
図2は実施例1の投射光学系の24面のローカル座標系と基準XY平面と有効径内の自由曲面反射ミラーを示す。このローカル座標系は光軸に対しY方向にシフト偏心したあと、X軸中心に回転している(図1の座標系でX軸に対し反時計回りを正とする)。その量は表3に示している。
Figure 2009222806
この面形状に対し、図3に示すようなYZ平面に平行でx=0、10、20、30、40、50、60のときの有効径内の自由曲面反射ミラーの2次微分曲線∂f(x,y)/∂yを示すのが図4である。なお、本実施例1の自由曲面はx=0でのYZ平面に対称な形状のため上記(2)式ではxの奇数次項の記載をしていないが、本発明の実施形態はその対称性によらず適用可能であり、YZ平面に対し非対称な自由曲面形状でも実施できる。同様に、図5に示すようなXZ平面に平行でy=40、30、20、10、0、−10、−20、−30、−40、−50、−60、−70としたときの有効径内の自由曲面反射ミラーの二次微分曲線∂f(x,y)/∂xを示すのが図6である。図4、図6をみると、自由曲面反射ミラーの有効径(x=−60〜60、y=−70〜40以内)内の任意のYZ平面に平行な面、または任意のXZ平面に平行な面でスライスした面形状(曲線)の2次微分曲線∂f(x,y)/∂x及び∂f(x,y)が、有効径内の任意の座標x及びyについて、∂f(x,y)/∂x<0、∂f(x,y)<0(ただし、x及びyは、有効径内の座標を示す定数である。)となっており、0になっていないことが分かる。つまり上述した(1)式を満たしており、24面の自由曲面反射ミラーは変曲点のない面形状であって、面内にパワーの正負が逆転する個所がない。よって、自由曲面反射ミラーに入射する光束はあらかじめ正負逆転のパワーを受けるように複雑に第一光学系13によって制御される必要が無く、第一光学系13を組み付けが簡単で製造しやすい軸対称光学系で構成することができる。
また、物体面上の物体は図7、表4に示すように光軸にかからないようにシフトして配置されている。
Figure 2009222806
このことにより第一光学系13を射出した光束が自由曲面反射ミラーに入射する際、光軸に対しシフトした位置で自由曲面反射ミラーに入射しやすく、自由曲面反射ミラーにて反射された光束が第一光学系13に当たること無しに像面に結像しやすい。
また、本数値実施例1の14、15、17、21、22面には軸対称の非球面を採用している。
回転対称非球面は周知のとおり、Zを光軸方向のデプス、cを近軸曲率半径、rを光軸からの光軸直交方向の距離、kを円錐係数、A、B、C、・・・等を高次の非球面係数とすると、
Z=c・r/[1+√{1−(1+k)c}]+Ar+Br+Cr・・・(3)
という非球面式となり、k、A、B、C・・・の値を与えて形状を特定する。
各面の非球面係数は表5に示す。
Figure 2009222806
非球面を採用したレンズを用いることにより各光線を制御する面の設計自由度が高くなり像面での結像性能が向上する。また21、22面のように第一光学系13の最も像面側に位置しているレンズに軸対称非球面を採用することにより、最も像面側に位置しているレンズに入射する光束は第一光学系13の中でも最も各光束が分離してレンズに入射するため、各光束を独立に制御することができ、特にディストーションや像面湾曲をコントロールしやすく像面での結像性能が向上する。
本数値実施例1の投射倍率は約95倍で物体側の明るさはFナンバー=2.1あり、図8は本数値実施例1の投射光学系についての、図7に示した物点から射出した光束が像面上に集光するスポットダイアグラムであり、図9はその像面上での各スポットの位置を示す。ただし図9の像面上の各位置の座標系原点は画像形成素子の中心から射出された光束の像面上到達位置、つまり図9の"2"の点にとった。このように物体を大きくそして明るく拡大投射しながらも、良好な解像性能をもち、かつディストーションのない像を作ることができることが分かる。
次に、ペッツバール和の補償について説明する。
第一光学系を射出した光束は第二光学系に入射し、第二光学系の正のパワーを持った反射ミラーにより拡大投射される。第一光学系と第二光学系の間には、光束が略収束化され画像形成素子の中間像を形成する。
第2光学系の正のパワーにより像面上に拡大投影される画像形成素子の像の歪曲収差は一般に、入射する画角の3乗に比例して大きくなってしまう。同様に像面湾曲は、入射する画角の2乗に比例してしまう。つまり、画像形成素子上に等間隔に並んだ物点から射出する光線が投射光学系によって像面上に像を作るとき、できた像は等間隔ではなく、光軸から離れた像点ほどズレ量は大きくなる。本実施例の投射光学系では第二光学系の正のパワーを持った反射ミラーの曲面が球面であった場合、投射される像は画角が大きい光束、つまり光軸から離れれば離れるほど像点の間隔が広がり、かつ、物点側に湾曲してしまう。以上のような拡大投射系における歪曲収差、像面湾曲を補正するため、第二光学系の正のパワーを持つ反射ミラーは、光軸から離れれば離れるほど正のパワーがゆるくなるような曲面形状をしている。また第二光学系の正のパワーを持つ反射ミラーが上記の自由曲面形状であれば、設計自由度が高くなるので、上記歪曲収差を含めた収差補正性能がよくなる。なお本説明では凹面状の反射面を採用しているが、フレネル反射鏡であったり、ホログラム反射鏡であったり、集光パワーを有する反射光学素子であればこの限りでない。
さらに光軸から離れるほど正のパワーがゆるくなるということは光軸から離れるほど焦点距離が伸びるわけで、第二光学系の正のパワーを持った反射ミラーにより形成される拡大像に共役な前記中間像は、光軸から離れるにつれて焦点距離が伸びるため、第二光学系の正のパワーを持った反射ミラーとの光路長が光軸から離れた光線ほど伸びる方向に傾斜湾曲する。
ここで、ペッツバール和について説明する。ペッツバール和PTZは、図20のように、あるS面での像側の屈折率をns、物体側の屈折率をns−1、曲率半径をrsとし、光学系がk面までの屈折面で構成されているとすると
Figure 2009222806
と表される。
一般に、ペッツバール和は像面湾曲と関係があり、平面の物体に対して平面の像を得る、つまり像面湾曲の小さい像面を得るためにはペッツバール和を0に近づけることが求められる。
ここで本実施例にこのことを当てはめると、上記説明のように、スクリーン上で像面湾曲が小さくなるように、第二光学系の正のパワーを持つ自由曲面反射ミラー(PTZは正の値となる)は光軸から離れるほど正のパワーがゆるくなるような曲面形状をし、中間像も光軸から離れた光線ほど第一光学系側に傾斜湾曲する。そのような傾斜湾曲する中間像を形成するためには、中間像の状態を作り出している第一光学系を、通常の平面物体を平面像に投射する光学系全体のPTZ値よりもマイナス側に大きなPTZ値にし、わざと像面を物体側に倒す必要がある。
以上のように、第1光学系のペッツバール和は、第2光学系で発生するペッツバール和成分を低減するように構成されている。
また本実施例では、第一光学系のペッツバール和PTZを
PTZ < −0.0115 .......(5)
とすることにより、第二光学系の正の屈折力を持った反射ミラーの大きさ(面積)を小さくすることができる。
これは、正の屈折力を持った反射ミラーは、その拡大倍率が大きくなるにつれて画角に起因する像面湾曲が大きくなるので、それを小さくするために、像の大きさを一定とすると、中間像(正の屈折力を持った反射ミラーにとっては物体)を大きくし正の屈折力を持った反射ミラーの持つ拡大倍率を小さくしなければならなかった。しかし、条件式(5)のように第一光学系のペッツバール和を大きなマイナスの値にすることにより、第一光学系が作る像、中間像の像面湾曲を大きく物体側に湾曲することができ、正の屈折力を持った反射ミラーで発生する像面湾曲を大きく打ち消すことができるため、正の屈折力を持った反射ミラーの拡大倍率を大きくすることができる。このことにより中間像を小さくすることができ、それに伴い正の屈折力を持った反射ミラー自体も小さくすることができる。
また、投射光学系は、物体と共役な中間像を形成する第一光学系、及び、該中間像からの光を反射する反射光学素子を含むと共に該中間像と共役な像を被投射面に投射する第二光学系を含むものであって、該第一光学系は、絞り、並びに、該絞りと該中間像との間に設けられる、正の屈折力を備えた少なくとも一つの光学素子及び負の屈折力を備えた少なくとも一つの光学素子を含み、該正の屈折力を備えた少なくとも一つの光学素子における最も強い正の屈折力を備えた光学素子は、該絞りと該負の屈折力を備えた少なくとも一つの光学素子における最も強い負の屈折力を備えた光学素子との間に設けられる。より詳しくは、第一光学系は、絞りの前後と、絞りよりも像面側にあるレンズ群の中で最もレンズ間隔の空いた箇所の前後で分けたときに、その3つに分けられたレンズ群がそれぞれ、物体面側から順に正・正・負のパワー配置になっている。画像形成素子から射出された光束は正のパワーを持った第1群により屈折されるが、第一光学系後の絞りから射出する光束の主光線の最大画角は第1群の正のパワーと、第一光学系の光軸に対する画像形成素子の平行偏心量で決まる。この最大画角が大きければ大きいほど光束の光軸に対する光線高が大きくなるためその後のレンズ径が大きくなってしまうが、絞り後に配置されている第2群が正のパワーを持っていることにより画角の広がりを抑えるので、第3群のレンズ径が拡大してしまうのを防いでいる。特に、第3群は画角を広げる負のパワーを持っているため最終レンズのレンズ径の大きさを抑えることができる。
(実施例2)
また、図10に本発明の実施例2の投射光学系の構成を示す。
本実施例では、第二光学系14に正のパワーを持った自由曲面反射ミラーと負のパワーを持った軸対称非球面ミラーを採用しており、その合成パワー、つまり第二光学系14のパワーは正である。その他の光学系配置は実施例1と同じである。
表6は本実施例2の数値実施例である。
Figure 2009222806
本実施例2の、自由曲面を採用している反射面24面の係数は表7のようになっている。
Figure 2009222806
ローカル座標系は光軸に対しY方向にシフト偏心したあと、X軸中心に回転している(図10の座標系でX軸に対し反時計回りを正とする)。その量は表8に示している。
Figure 2009222806
この面形状に対し、図11に示すようなYZ平面に平行でx=0、10、20、30、40、50のときの有効径内の自由曲面反射ミラーの2次微分曲線∂f(x,y)/∂yを示すのが図12である。なお、本実施例2の自由曲面もx=0でのYZ平面に対称な形状のため上記(2)式ではxの奇数次項の記載をしていないが、本発明の実施形態はその対称性によらず適用可能であり、YZ平面に対し非対称な自由曲面形状でも実施できる。同様に、図13に示すようなXZ平面に平行でy=60、50、40、30、20、10、0、−10としたときの有効径内の自由曲面反射ミラーの二次微分曲線∂f(x,y)/∂xを示すのが図14である。図12、図14をみると、自由曲面反射ミラーの有効径(x=−50〜50、y=−10〜60以内)内の任意のYZ平面に平行な面、または任意のXZ平面に平行な面でスライスした面形状(曲線)の2次微分曲線∂f(x,y)/∂x及び∂f(x,y)が、有効径内の任意の座標x及びyについて、∂f(x,y)/∂x<0、∂f(x,y)<0(ただし、x及びyは、有効径内の座標を示す定数である。)となっており、0になっていないことが分かる。つまり上述した(1)式を満たしており、24面の自由曲面反射ミラーは変曲点のない面形状であって、面内にパワーの正負が逆転する個所がない。よって、自由曲面反射ミラーに入射する光束はあらかじめ正負逆転のパワーを受けるように複雑に第一光学系13によって制御される必要が無く、第一光学系13を組み付けが簡単で製造しやすい軸対称光学系で構成することができる。
また、物体面上の物体は図15、表9に示すように配置されている。
Figure 2009222806
また、本数値実施例2の14、15、17、21、22、25面には軸対称の非球面を採用している。
また、25面は軸対称非球面でも、それに奇数次項を加えた奇数次非球面を採用している。
回転対称奇数次非球面は周知のとおり、Zを光軸方向のデプス、cを近軸曲率半径、rを光軸からの光軸直交方向の距離、kを円錐係数、C3、C4、C5、C6・・・等を高次の非球面係数とすると、
Z=c・r/[1+√{1−(1+k)c}]+C3+C4r+C5r+C6r+C7r・・・(4)
という非球面式となり、k、C3、C4、C5、C6・・・の値を与えて形状を特定する。
各面の非球面係数は表10に示す。
Figure 2009222806
非球面を採用したレンズを用いることにより各光線を制御する面の設計自由度が高くなり像面での結像性能が向上する。また21、22面のように第一光学系13の最も像面側に位置しているレンズに軸対称非球面を採用することにより、最も像面側に位置しているレンズに入射する光束は第一光学系13の中でも最も各光束が分離してレンズに入射するため、各光束を独立に制御することができ、特にディストーションや像面湾曲をコントロールしやすく像面での結像性能が向上する。
本数値実施例2の投射倍率は約105倍で物体側の明るさはFナンバー=2.4であり、図16は本数値実施例2の投射光学系についての、図15に示した物点から射出した光束が像面上に集光するスポットダイアグラムであり、図17はその像面上での各スポットの位置を示す。ただし図17の座標系原点は画像形成素子の中心から射出された光束の像面上到達位置、つまり図17の"2"の点にとった。このように物体を大きくそして明るく拡大投射しながらも、良好な解像性能をもち、かつディストーションのない像を作ることができることが分かる。
本発明の実施例の投射光学系を投射装置に採用して画像投射装置とすることもできる。
図18に示すような本発明の実施例の投射光学系を含む一つの画像投射装置20の例においては、この投射光学系10を投射装置に適用する場合は、画像形成素子11への照明光源21が用いられる。照明光源21としては、ハロゲンランプ、キセノンランプ、メタルハライドランプ、超高圧水銀ランプ、LEDなどが用いられる。高効率な照明効率を得られるように通常は照明光学系を搭載する。照明光学系の具体例としては、光源近傍に配置されたリフレクター22(光源21と一体となっている)や、このリフレクター22により反射されて指向性を持った光束を、第一のリレーレンズ23及び偏光変換素子24を介して、インテグレータ光学系といわれる照度均一化手段25及び第二のリレーレンズ23で画像形成素子11面上へと均一に照明分布を得られるようにした光学系を搭載してもよいし、カラーホイール26を用いて照明光をカラー化してそれと同期して画像形成素子11の画像をコントロールすることによりカラー画像を投射できるようにしてもよい。反射型タイプの液晶画像形成素子を用いる場合は、PBSと組み合わせた照明光路と投射光路の偏光分離手段27を用いるなどでより効率よい照明が可能となる。また、DMDパネルを搭載する場合は、全反射プリズムを使った光路分離などが採用される。このように、ライトバルブの種類に応じて適切な光学系を採用すればよい。
なお、図19に示すような本発明の実施例の投射光学系を含む別の画像投射装置20の例においては、照明光を色分離手段28により分離された各色の照明光を、赤、緑、青等の複数枚の画像形成素子11に当てて、照明光束を各素子により変調し、ダイクロイックプリズムのようなダイクロイック膜等を用いた色合成手段29により合成された光を投射光学系10に入射させることによりスクリーン12上にカラー画像を投射することができることは言うまでもない。
また、画像形成素子11から投射光学系10の第一光学系13の第1面までの光束が略テレセントリックであれば、スクリーン12での画像形成素子11の拡大像の明るさを均一化できると共に、前述のような複数枚の素子を用いたカラー画像投射の場合に用いる色合成手段29のダイクロイック膜の角度特性も画像形成素子11からの射出光の発散角のみ考慮すればいいので狭く、膜自体が作りやすくなる。さらに偏光分離手段27を用いる画像投射装置20の場合、その偏光分離膜も角度特性が狭くできるためよい(図19参照)。もちろんテレセントリックではない光学系でも本発明の実施形態は適用可能である。
以上、本発明の実施形態及び実施例を具体的に説明してきたが、本発明は、これらの実施形態及び実施例に限定されるものではなく、これら本発明の実施形態及び実施例を、本発明の主旨及び範囲を逸脱することなく、変形又は変更することができる。
本発明を、投影装置などの画像投射装置の投射光学系に利用することができる可能性がある。特に、本発明を、フロントプロジェクタにおける至近距離投射を達成させる投射光学系に適用することができる可能性がある。また、本発明を、フロントプロジェクタにおける投射光学系、リアプロジェクションにおける薄型化を達成させる投射光学系に利用することができる可能性があることもある。
図1は、本発明の実施例1の投射光学系の構成を示す図である。 図2は、実施例1の投射光学系の24面のローカル座標系と基準XY平面と有効径内の自由曲面反射ミラーを示す図である。 図3は、実施例1の投射光学系におけるYZ平面に平行でx=0、10、20、30、40、50、60のときの有効径内の自由曲面反射ミラーを示す図である。 図4は、実施例1の投射光学系におけるYZ平面に平行でx=0、10、20、30、40、50、60のときの有効径内の自由曲面反射ミラーの2次微分曲線∂f(x,y)/∂yを示す図である。 図5は、実施例1の投射光学系におけるXZ平面に平行でy=40、30、20、10、0、−10、−20、−30、−40、−50、−60、−70としたときの有効径内の自由曲面反射ミラーを示す図である。 図6は、実施例1の投射光学系におけるXZ平面に平行でy=40、30、20、10、0、−10、−20、−30、−40、−50、−60、−70としたときの有効径内の自由曲面反射ミラーの二次微分曲線∂f(x,y)/∂xを示す図である。 図7は、実施例1における物体面上の物体の配置を示す図である。 図8は、実施例1の投射光学系についてのスポットダイアグラムである。 図9は、実施例1の投射光学系の像面上での各スポットの位置を示す図である。 図10は、本発明の実施例2の投射光学系の構成を示す図である。 図11は、実施例2の投射光学系におけるYZ平面に平行でx=0、10、20、30、40、50のときの有効径内の自由曲面反射ミラーを示す図である。 図12は、実施例2の投射光学系におけるYZ平面に平行でx=0、10、20、30、40、50のときの有効径内の自由曲面反射ミラーの2次微分曲線∂f(x,y)/∂yを示す図である。 図13は、実施例2の投射光学系におけるXZ平面に平行でy=60、50、40、30、20、10、0、−10としたときの有効径内の自由曲面反射ミラーを示す図である。 図14は、、実施例2の投射光学系におけるXZ平面に平行でy=60、50、40、30、20、10、0、−10としたときの有効径内の自由曲面反射ミラーの二次微分曲線∂f(x,y)/∂xを示す図である。 図15は、実施例2における物体面上の物体の配置を示す図である。 図16は、実施例2の投射光学系についてのスポットダイアグラムである。 図17は、実施例2の投射光学系の像面上での各スポットの位置を示す図である。 図18は、本発明の実施例の投射光学系を含む一つの画像投射装置の例を示す図である。 図19は、本発明の実施例の投射光学系を含む別の画像投射装置の例を示す図である。 ペッツバール和について説明する図である。
符号の説明
10 投射光学系
11 画像形成素子
12 スクリーン
13 第一光学系
14 第二光学系
15 中間像
20 画像投射装置
21 照明光源
22 リフレクター
23 リレーレンズ
24 偏光変換素子
25 照度均一化手段
26 カラーホイール
27 偏光分離手段
28 色分離手段
29 色合成手段

Claims (11)

  1. 回転対称な光学系及び回転非対称な光学系からなると共に物体からの光を被投射面に投射する投射光学系において、
    前記回転非対称な光学系は、回転非対称な反射面を備えた少なくとも一つの光学素子からなると共に、
    前記回転非対称な反射面は、二次元座標の関数として表現される曲面であり、且つ、前記光で照射される該曲面の領域において、該二次元座標における少なくとも一つの方向の座標に関する該関数の偏微分係数が、正又は負の値である
    ことを特徴とする投射光学系。
  2. 前記二次元座標における少なくとも一つの方向の座標は、前記二次元座標における第一の方向の座標及び前記二次元座標における該第一の方向と直交する第二の方向の座標からなることを特徴とする請求項1に記載の投射光学系。
  3. 前記回転対称な光学系と前記回転非対称な光学系との間に前記物体と共役な像が形成されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の投射光学系。
  4. 前記回転対称な光学系の回転対称軸は、前記物体と交差しないことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の投射光学系。
  5. 前記回転対称な光学系を構成するパワーを有する光学素子は、少なくとも一つのレンズからなることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の投射光学系。
  6. 前記回転対称な光学系は、回転対称非球面を備えた少なくとも一つの光学素子を含むことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の投射光学系。
  7. 前記回転対称な光学系における前記回転非対称な光学系に最も近いパワーを有する光学素子は、前記回転対称非球面を備えた少なくとも一つの光学素子の一つであることを特徴とする請求項6に記載の投射光学系。
  8. 前記回転対称な光学系は、前記回転対称な光学系の回転対称軸を折り返す折り返しミラーを含むことを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の投射光学系。
  9. 前記回転非対称な光学系は、前記光を収束させる光学系であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の投射光学系。
  10. 前記物体の側において略テレセントリックな光学系であることを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の投射光学系。
  11. 画像を非投射面に投射する画像投射装置において、
    請求項1乃至10のいずれかに記載の投射光学系を含むことを特徴とする画像投射装置。
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