JP2009222725A - 光電流検出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】高精度の電流測定と共に、被測定対象の導体に対する簡単な着脱を可能にする構造の光電流検出装置を提供することにある。
【解決手段】被測定電流による磁界に応じたファラデー効果を有するセンサファイバ7を含む光電流検出装置において、当該センサファイバ7の一端から光路を折り返す折り返し光路部分を含み、当該折り返し光路部分では、センサファイバ7と比較して、ファラデー効果に対する感度が相対的に低くなる折り返し用ファイバ部材として偏波面保存ファイバ9が設けられた構成である。
【選択図】図1

Description

本発明は、一般的には、光学素子の偏光特性の変化を利用して物理量の変化を測定する光応用計測装置の一種であり、特に、電流を測定するための光電流検出装置に関する。
従来、絶縁物で構成されて、飽和がないため直線性が高く、直流から高周波まで測定が可能なコンパクトな電流検出装置として、光電流検出装置(以下、光CTと表記する場合がある)が注目されている。この光CT(Optical Current Transformer)は、被測定電流により生じる磁界によって偏波面(直線偏光の振動面)が回転するファラデー効果を利用して電流を測定するものである。
光CTには、当該ファラデー効果を信号として取り出す方式として、偏波面回転方式と干渉方式が提案されている。
偏波面回転方式は、ファラデー効果による偏波面の回転した光を、偏光子を用いて一偏光成分のみ取り出して強度信号に変換する方式である(例えば、非特許文献1を参照)。
また、干渉方式は、ファラデー効果で右回りと左回りの円偏光の伝播時間に差が生じることを利用し、右回りと左回りの光を干渉させて、この干渉光強度から測定電流値を求める方式である(例えば、非特許文献2を参照)。
いずれの方式でも光を用いるため、電気ノイズの影響を受けにくく、電気的な計測器に対して高ダイナミックレンジ化が期待できる。しかし、強度信号を用いているため、検出部分での電気ノイズやドリフトによってダイナミックレンジが制限される。一方、光CTの出力信号として、強度信号ではなくレーザーの発振周波数の差を用いることにより、高精度の電流測定を図るための方式がなされている(例えば、非特許文献3または特許文献1を参照)。
この方式による光CTの構成を簡単に説明すると、送信ファイバにより励起光が伝播されて、WDMカップラを通ってファイバレーザー内に励起光が入力される。ファイバレーザーは、ファイバ増幅器とファラデー回転鏡によるリヤミラー及び出力ミラーよりなる共振器で構成されている。共振器では、光学長によって決まる共振周波数でレーザー発振が行われる。
さらに、1次導体に電流が通電されると、このファイバレーザーに磁界が加わり、ファラデー効果によって右回りの円偏光と左回りの円偏光の間で屈折率が変化することとなる。共振器の光学長は、n・l(n:屈折率、l:ファイバ共振器長)で表されるので、右回りの円偏光と左回りの円偏光の間で共振器長に差が生じることとなり、結果として、偏光子を透過してきた出力光からは、両発振周波数のビート信号が観測される。
このビート周波数は加えた磁界(電流)の大きさに比例することから、ビート周波数を測定することによって、電流を求めることが可能である。一般に、周波数信号は強度信号より高いダイナミックレンジを得やすいことから、高ダイナミックレンジの電流測定が期待される。
また、これまで説明した光CTの応用として、既設の電線に、簡単に後付けが可能な光電流検出装置が提案されている(例えば、非特許文献4を参照)。
この装置は、鉄心を用いない事により、従来の巻き線型の光CTに見られた磁気飽和の影響が無いことから、偏芯に強く、且つ、電磁相互差用を伴わないことから、0相電流の測定などが容易に行うことが出来る。しかし、一般に光電流検出装置は、磁界の周回積分を行う必要性から、センサファイバはループを構成しており、既設への取り付けを困難にしていた。当該装置は反射構成とすることによって、この問題を解決している。
特開2001−281272号公報
高橋正雄他"Optical Current Transformer for Gas Insulated Switchgear using Silica Optical Fiber"IEEE Transactions on Power Delivery Vol.12, No.4, 1997, p.1422 S.X Short"Imperfect Quarter-Waveplate Compensation in Sagnac Interferometer-Type Current Sensor"Journal of Lightwave Technology, Vol.16, No.7, 1998, p.1212 Myung Lae Leet 他"A polarimetric current sensor using an orthogonally polarized dual-frequency fiber laser"Meas.Sci.Technol., Vol.9, 1998, p.952 黒澤潔他"Field Tests of Fault Section Locating System for Power Transmission Cable Lines Using Optical Fiber Current Sensors"16th International Conference on Optical Fiber Sensors, 2003
しかしながら、前述したような従来の光CTには、以下に述べるような解決すべき課題がある。
即ち、被測定対象の導体である例えば既設の電線に、簡単に後付けが可能な光電流検出装置としては、偏波面回転方式でしか、実現されていない。偏波面回転方式は、強度信号を用いており、原理的にダイナミックレンジを大きくすることが困難である。また、リングレーザー方式やサニャック干渉方式では、高ダイナミックレンジ化が期待できるが、その構成上、センサファイバはループ状である必要がある。このため、既設の電線に対して、簡単な着脱を困難にしている。
本発明の目的は、リングレーザー方式または干渉方式の光電流検出装置において、高精度の電流測定と共に、被測定対象の導体に対する簡単な着脱を可能にする構造の光電流検出装置を提供することにある。
本発明の観点に従った光電流検出装置は、被測定電流によって誘起される磁界の影響を受ける位置に配置されて、当該磁界に応じたファラデー効果を有するセンサ用ファイバ部材を有する光電流検出装置において、前記センサ用ファイバ部材に対して円偏光を伝播させるための1/4波長板と、当該1/4波長板と前記センサ用ファイバ部材とを結合させるためのキャピラリー部材とを有する構成である。
本発明の光電流検出装置であれば、高精度の電流測定と共に、小形でかつ安定性に優れており、被測定対象の導体に対して容易に着脱を行なうことを実現することができる。
本発明の第1の実施形態に関する光電流検出装置の構成を示す図。 第2の実施形態に関する光電流検出装置の構成を示す図。 第3の実施形態に関する光電流検出装置の構成を示す図。 第3の実施形態に関する可とう性金属管の構造を示す図。 第3の実施形態に関する可とう性金属管の構造を示す図。 第3の実施形態に関する可とう性金属管の変形例を示す図。 第4の実施形態に関する光電流検出装置のファイバの結合構造を示す図。 第5の実施形態に関する光電流検出装置の構成を説明するための図。 第6の実施形態に関する光電流検出装置の構成を説明するための図。
以下図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に関する光電流検出装置の構成を示す図である。
本実施形態の光電流検出装置は、通常では、回路基板上に実装される機器群と、被測定対象の導体6に対して装着されるリング共振器5と、スペクトラムアナライザ14とに大別される。
機器群としては、LDドライバ2により駆動されるレーザーダイオード1と、光電センサ12と、増幅器13とが基板上に実装されている。スペクトラムアナライザ14は、増幅器13により増幅されたビート信号12Aを入力し、被測定対象の導体6に流れる電流値を測定するためのビート周波数の観測結果を出力する。
リング共振器5は、カップラ4を介して送信ファイバ3及び受光ファイバ11のそれぞれと結合されている。レーザーダイオード1から発光されたレーザー光は、送信ファイバ3及びカップラ4を経由して、リング共振器5に導入される。
リング共振器5は、レーザーダイオード1からのレーザー光を励起光として、リングレーザーを発振する構成である。リング共振器5は、例えばネオジウムやエルビウム等の材質からなり、励起光を入射することによって光の増幅作用を持つレーザー媒質を含む光ファイバ部材から構成される。光ファイバ部材には、ファラデー効果を有するセンサファイバ7及び偏波面保存ファイバ9が含まれる。
さらに、リング共振器5は、偏光子8及び1/4波長板10を有する。偏光子8は、送信ファイバ3により導入される光から直線偏光を発生する。1/4波長板10は、センサファイバ7の両端に配置されて、偏波面保存ファイバ9から出射した直線偏光を円偏光に変換して、センサファイバ7に伝播させる。
本実施形態のリング共振器5は、センサファイバ7が被測定対象である導体6の周囲を一周して1/4波長板10を通過後に、光路が折り返される構造である。このため、図1に示すように、当該光CTのセンサ部分は、2重破線15の部分で開くことが可能となり、被測定対象である導体6に対する着脱を容易にさせている。ここで、レーザー光は、1/4波長板10を通過後は、高複屈折ファイバである偏波面保存ファイバ9で伝播されている。このため、偏波面保存ファイバ9の部分では、磁界が加わった状態でも、偏波面は回転せず、センサファイバ7の部分でのみ磁界を感じることとなる。
(光電流検出装置の動作)
先ず、リング共振器5は、レーザーダイオード1から十分な励起光を与えられたときに、光路長Lによって定まる共振周波数でリングレーザーを発振する。ここで、被測定対象である導体6に電流が通電されると、ファラデー効果によって、リングレーザー中のセンサファイバ7の光路長は、右回りの円偏光と左回りの円偏光との間で光路差が生ずる。当該各光路長をそれぞれ、「L+δ」、「L−δ」とする。
このため、右回りと左回りの円偏光の共振周波数が異なるため、リングレーザーの発振周波数も、右回りと左回りの円偏光で異なる発振周波数となる。このため、右回りの円偏光と左回りの円偏光との間で、ビートが生じる。
本実施形態の光CTにおいては、カップラ4から発振光を取り出して、受光ファイバ11により光電センサ12まで伝搬させる。光電センサ12は、当該発振光を光電変換して、ビート信号12Aを検出して増幅器13に出力する。増幅器13は、ビート信号12Aを増幅してスペクトラムアナライザ14に出力する。
このビート周波数は、導体6に通電された電流値に比例するため、当該ビート周波数をスペクトラムアナライザ14で観測することにより、被測定対象である導体6に流れる電流値を検出することができる。
このような原理において、リング共振器5では、ファラデー効果を有するセンサファイバ7には、円偏光が伝播することが必要である。リング共振器5では、偏光子8によりレーザーダイオード1から導入された励起光から直線偏光が得られる。この直線偏光を、偏波面保存ファイバ9で伝播させる。即ち、折り返し光路中での偏光を直線偏光とし、偏波面保存ファイバ9中を伝播させることで、ファラデー効果の影響を抑制できる。
さらに、直線偏光は、1/4波長板10により円偏光に変換されて、センサファイバ7で伝播される。従って、センサファイバ7が完全に磁界の周回積分を行える構成を可能としている。
以上のように本実施形態の光電流検出装置であれば、電流検出用信号としてビート周波数信号を使用するため、ダイナミックレンジを大きく取ることが容易である。また、センサとしてファイバ7を用いているので、光路を全てファイバ或いは導波路とすることが容易であり、バルク部品に有るような位置ずれによる光量の不安定などが生じず、高精度化が容易である。さらに、ファラデー効果を受けるセンサ部分が完全に閉じているため、原理的に外部磁界の影響を受けず、高精度化が可能である。
ところで、センサファイバ7として、光弾性効果の大きい媒質を使用すると、ファイバをループ状に巻くことによって直線複屈折を生じることとなる。このように大きな直線複屈折を生じたファイバでは、光ファイバの伝播モードが直線複屈折の軸に一致した直交した2つの直線偏光となり、ファラデー効果による旋光性を加えても円偏波は伝播せず、結果としてビート周波数は直交した2つの直線偏光の周波数差が観測されるのみで、1次導体6に電流を通電しても、その周波数は変化しない。
このような直線複屈折の影響を除去する方法としては、ファイバに捻りを加えることが効果的であることが知られている。ファイバーに捻れを加えると、その伝播モードは円複屈折となり、効果的にファラデー効果による旋光を捉えることが出来る。このときに使用する光ファイバは、直線複屈折を持たないファイバーでも、或いは高複屈折ファイバでも良く、直線複屈折に対し、十分な捻りを加えることで、伝播モードを円偏波にすることができる。
以上要するに本実施形態の特徴としては、リングレーザーの幾何学的構成である。即ち、センサファイバ7が導体6を一周したのちに、1/4波長板10を通過後に、光路が折り返された構造である。この結果、前述したように、当該光CTのセンサ部分を、図1に示す2重破線15の部分で開くことが可能となり、被測定対象の導体6への着脱を容易にすることができる。
(第2の実施形態)
図2は、第2の実施形態に関する光電流検出装置の構成を示す図である。本実施形態は、干渉方式の光CTに応用したものである。
この干渉方式の光CTでは、図2に示すように、リング型光路20の外部に光源16が設けられている。また、干渉方式の光CTは、リング型光路20を右回りに伝播する光と、左回りに伝播する光とで光学長が変わる構成であり、この2つの光の位相差から物理量を求める計測装置である。この光学長を変える手段として、ファラデー効果が利用されている。
本実施形態の光CTは、光源16としてはスーパー・ルミネッセント・ダイオードを使用する。このダイオード16は、ドライバ17で駆動されて発光し、第1のカップラ18を透過する光を出力する。
この光は、偏光子8によって直線偏光となり、リング状光路20まで光が導かれる。また、当該光は、偏波面保存型の第2のカップラ19により、リング状光路20を右回りと左回りに伝播する光に分岐される。まず、右回りに回る光について説明する。
分岐された光は、1/4波長板10で円偏光となり、センサファイバ7でファラデー効果による位相差を受ける。センサファイバ7を透過した光は、再び1/4λ板10で直線偏光に変換された後に、偏波面保存ファイバ9を通過して第2のカップラ19まで戻ってくる。
一方、左回りに伝播する光は、右回りに伝播すると光と全く逆の順番で各素子を伝播し、センサファイバ7中では、右回りの光とは逆の右回りの円偏光で伝播することになる。このため、右回りの光と左回りの光では、ファラデー効果による位相差θがプラスマイナスが逆となり、干渉光の強度はcos2θに比例して変化する。
光電センサ12は、当該干渉光強度を電気信号に変換して信号処理回路21に出力する。信号処理回路21でアークコサインを取ることによって、被測定対象の導体(図示していないがリング状光路20の近傍に配置)を流れる電流値を検出できる。
本実施形態に関する干渉方式の光CTにおいても、前述の第1の実施形態と同様に、リング状光路20(リングレーザー)は、1/4波長板10を透過後、光路を折り返す構造である。従って、被測定対象の導体6への着脱を容易にすることができる。
(第3の実施の形態)
図3から図6は、第3の実施形態に関する光電流検出装置の構成を示す図である。本実施形態は、第2の実施形態に関する装置のリング状光路20の構造に関係したものである。なお、第2の実施形態の光電流検出装置と同一の構成要素については、同一符号を付して説明を省略する。
本実施形態は、特にセンサファイバ7に対する水分によるファイバ材の劣化進展を防止し、或いは、結露・結氷による複屈折の増加を避けるため、リング状光路20を気密構造とした構成である。
具体的には、図3に示すように、センサファイバ7、偏波面保存ファイバ9、及び1/4波長板10のそれぞれが、可とう性金属管22の中に収納された気密構造である。ここで、センサファイバ7の両端には、1/4波長板10がそれぞれ融着されている。さらに、リング状光路20の折り返し光路部として、偏波面保存ファイバ9が融着されている。
本実施形態の可とう性金属管22は、図4に示すように、筒状の金属管からなり、一方の開口が金属製閉止蓋23を溶接するなどの方法で、事前に気密閉止処理が施されている。この金属管22の中に、センサファイバ7、偏波面保存ファイバ9、及び各1/4波長板10が、挿入される。
また、偏波面保存ファイバ9には、金属コーティング24が施されて、もう一方の金属管22の端面に溶接された金属製閉止蓋23に設けられた貫通孔に半田付け固定される。
本実施形態の可とう性金属管22は、図5(A)に示すような形状から、同図(B)に示すように、被測定対象の導体6の周囲に巻くような形状に変化させて、クランプ部材22Aにより両端面を固定させることが可能である。これにより、センサファイバ7の両端を固定させ、センサファイバ7の周回状態を保持し、センサ7の着脱時の感度変化を押さえた高精度な光電流検出装置を実現することが可能となる。換言すれば、リング状光路20(リングレーザー)は、可とう性金属管22により気密閉止された状態で、被測定対象の導体6への着脱を容易にすることができる。
図6は、本実施形態の可とう性金属管22の変形例に関する図である。
本変形例は、図6に示すように、偏波面保存ファイバ9からなる折り返し光路部分を可とう性金属管22の外側に配置し、かつ、結束バンド25により固定された構造である。
本変形例では、センサファイバ7の両端には、1/4波長板10が融着されて、さらに偏波面保存ファイバ9と融着されている。この偏波面保存ファイバ9の部分で、光路を折り返し、U字型の光路が構成されている。偏波面保存ファイバ9には、金属コート24が施されて、可とう性金属管22の両端に溶接された金属製閉止蓋23と半田付け固定される。
可とう性金属管22の両端にはファイバリードが延びているので、この両端を若干のテンションをかけながら固定することにより、金属管22中にファイバがまっすぐに固定され、形状の変化を抑えることができる。
なお、偏芯や外部磁界の影響を完全に除去するためには、導体6の周りにセンサファイバ7で完全な閉ループを構成する必要がある。このため、センサファイバ7の両端部を、1/4波長板10の部分でクランプ部材により固定し、この両端部分を最も近接させて固定を行うことにより、この偏芯及び外部磁界の影響を、効果的に除去することが可能となる。
以上のように本実施形態によれば、気密構造を保ちながら、リング状光路20(リングレーザー)を、被測定対象である導体6に対して容易に着脱することができる。
なお、可とう性金属管22と同一機能を実現できるものであれば、可とう性金属管の代りに他の材料からなる収納管でもよい。
(第4の実施形態)
図7は、第4の実施形態に関する光電流検出装置において、特にキャピラリ26を使用したファイバ7,9の結合構造を示す図である。
前述の各実施形態の光電流検出装置では、センサファイバ7のファイバ部材としては、石英ファイバと、鉛ガラスファイバが主に用いられている。このうち、鉛ガラスファイバは、ベルデ定数が高く、かつ、光弾性定数が低いことから、電流用センサファイバとして適していると考えられている。
しかしながら、当該鉛ガラスファイバは、通信用で一般的に用いられている石英ファイバに対して、融点が低く、石英ファイバとの融着が困難である。このことは、適用対象を大幅に制限する要因となる。具体的には、前述の第1及び第2の各実施形態でのリングレーザーの電流センサ部に適用しようとした場合には、当該センサ部の両端にバルクの光学部品を用いた結合光学系が必要となり、当該センサ部の安定性を維持することは困難であり、現実的ではない。
そこで、本実施形態では、石英材質のキャピラリー26中に、端面を研磨された鉛ガラスファイバ27の端部を挿入し、キャピラリー26中で偏波面保存ファイバ9に融着された1/4ビート長の高複屈折ファイバからなる1/4波長板10と突き当てて、接着剤で固定している。この鉛ガラスファイバ27は、前述のセンサファイバ7を構成するファイバ部材である。
以上のようにして本実施形態によれば、キャピラリー26を使用してファイバの位置合わせを行って、センサファイバ7を構成する鉛ガラスファイバ27と、石英ファイバからなる1/4波長板10とを突き合わせて接着することによって、低損失で且つバルク部品を用いない安定したファイバ結合構造を実現することができる。
折り返し光路部分を、センサファイバ7と比較してファラデー効果に対する感度を抑制するための対策としては、ファイバの材質を変える方法が有効である。しかしながら、実際には、ファイバ間の接続を考えると、ファイバ間の融点の差が大きい場合には融着を行うことが困難である。また、融着装置の関係上、石英ファイバ同士の融着以外は困難である。また、コネクタ接続を行う場合には、ファイバの端面同士を押し付け合い、かつ、研磨に耐え、研磨後も端面が擦れる事を考慮する必要があり、或る程度の機械強度を持った光ファイバにしか適用できない。このため、例えば鉛ガラスファイバのようなファイバに対しては、コネクタ接続が困難である。そこで、本実施形態の構成であれば、機械強度のないファイバに対しても容易に接続が可能となり、ファイバ材料選択の幅を大幅に広げることが可能となる。
また、キャピラリー26の材質として石英を用いることによって、偏光の安定性を格段に向上することができる。即ち、キャピラリー26とファイバ27とが接着により固定されることによって、キャピラリー26の熱膨張の影響をファイバ27が受けることになる。この場合、キャピラリーとファイバの材質を同一にする事によって、キャピラリーとファイバが同様に伸縮することにより、キャピラリーの伸縮時にもファイバに力を加えることなく、光弾性による偏光特性の変化を抑えることが出来る。
このとき、用いているファイバの材質は鉛ガラス及び石英の2つであることから、両者に対してこの条件を満たすことは出来ない。一般的にはセンサファイバの複屈折が感度変化に直接作用するため、重視しがちであるが、1/4波長板10の複屈折変化も、センサファイバの複屈折変化と同様に、電流センサ部の感度変化に作用する。実は、この場合、鉛ガラスファイバの方が、光弾性手定数が小さいので、こちらを犠牲にして、キャピラリー26を石英とすることで、複屈折変化を抑制することができる。
さらに、キャピラリー26の材質を石英とする事によって、紫外線硬化タイプの接着剤を用いることが出来る利点がある。紫外線硬化タイプの接着剤は常温で硬化でき、且つ硬化収縮が小さいことから、硬化時の位置変化を最低にすることができることから、接続部の光量損失を小さく抑えることが可能で、且つ、複屈折の低減にも都合が良い。
ここで、1/4波長板10を構成する偏波面保存ファイバの材質が一般的に石英であり、これとキャピラー26の材質を一致させることによって、キャピラー26の熱膨張によって接着面に加わる応力を低減させ、接着部の寿命を向上させることができる。これと共に、応力によって1/4波長板10の複屈折が変化することを防ぎ、光電流検出装置の温度特性を保つことが可能となる。
(第5の実施形態)
図8(A),(B)は、第5の実施形態に関する光電流検出装置において、特にセンサファイバ7の形状変化による感度低下の問題を解決するための構造を説明するための図である。
被測定対象の導体6に対して、リング状光路を構成するファイバ部材(7,9,10)を装着するときに、捩れに起因する旋光が問題となる。これは、ファイバ部材の着脱に伴なって、当該ファイバ部材の形状が微妙に変化することにより、ファイバ中での旋光の度合いが変化することである。
ここで、旋光自体は、センサファイバ7を透過する2方向の光に同じ屈折率変化を与えることになるため、結果として、伝播時間は変わらず、センサファイバ7の出力に対しても影響は与えない。しかしながら、センサファイバ7の両端に設置された1/4波長板10の相対的な軸関係が崩れることになり、センサファイバ7の感度が変化することになる。以下図8(A),(B)を参照して説明する。図8(A),(B)において、円は円偏光、楕円は楕円偏光、矢印は直線偏光を意味する。
図8(A)に示すように、センサファイバ7に対して、1/4波長板10によって得られた円偏光が入射するが、1/4波長板10による位相差は完全に90°とはならず、ある位相誤差をもって入射される。この結果、入射光は楕円偏光となる。楕円偏光は、直線偏光と円偏光の重ね合わせで示すことができるので、センサファイバ7の複屈折を0とすると、対向側の1/4波長板10には直線偏光と円偏光が入射することになる。このとき、円偏光成分は、1/4波長板10で直線偏光となり、高複屈折ファイバの軸に一致した直線偏光が1/4波長板10から出射される。
一方、同図(B)に示すように、直線偏光においては、1/4波長板10の軸と一致した直線偏光が入射した場合には、直線偏光が出力され、また1/4波長板10の軸と45°偏波面がずれた直線偏光が入射した場合には、円偏光が出力されることになる。このため、入射の偏波面が1/4波長板10の出力光の偏光状態に影響を与えることになる。これによって、センサファイバ7の感度が変化することとなる。
このような、1/4波長板10との相対的な軸関係の変化による誤差を低減するためには、完全な円偏波を伝播することによって、解決可能であることがわかる。即ち、少なくとも一方の1/4波長板10の複屈折をほぼ90°とすることによって、この問題を解決できることになる。
即ち、本実施形態では、センサファイバ7中に円偏光を伝播させるための1/4波長板10を、センサファイバ7の両端に設けた構成において、一方の1/4波長板10で生じる位相差がほぼ90°(90°±1°程度)となるように製作する。
これにより、導体6に取り付けられたセンサファイバ7を一度取り外し、再度取り付ける場合、センサファイバ7の微妙な形状の変化により、センサファイバ7を出射する偏光は回転方向に変化することになる。
これは、光電流検出装置の感度変化の原因となるので、一方の1/4波長板10で生じる位相差をほぼ90°となるように製作しておくと、センサファイバ7中に完全な円偏光が伝播することになる。従って、偏光が回転方向に変化しても、ファイバ7の出射口での偏光は一切変化せず、着脱による感度変化の問題のない高精度な光電流検出装置を実現できることになる。
(第6の実施形態)
図9は、第5の実施形態に関する光電流検出装置の構成を示す図である。本実施形態は、前述の第2の実施形態での折り返し光路部分をシングルモードファイバ(一般通信用光ファイバ)29により構成したものである。なお、第2の実施形態の光電流検出装置と同一の構成要素については、同一符号を付して説明を省略する。
本実施形態では、図9に示すように、リング状光路20において、センサファイバ7の両端には1/4波長板10が配置されている。さらに、偏光子8が融着接続されて、その外側にデポラライザ(無偏光化素子)28が融着されている。
リング状光路20での動作を説明すると、まず、シングルモードファイバ29を伝播してきた光は、デポラライザ28で無偏光に変換されて、その後、偏光子8で直線偏光にされる。次に、1/4波長板10で円偏光にされて、センサファイバ7を伝播することになる。
さらに、センサファイバ7を出射してきた光は、1/4波長板10で直線偏光となる。この光が偏光子8を透過し、デポラライザ28で無偏光になる。このようにして、円偏光から無偏光の変換を行い、折り返し光路部分29に無偏光を伝播させる。
以上のように本実施形態の構成であれば、無偏光に変換するための光学素子28を配置させることで、無偏光を利用して、折り返し光路部分のファラデー効果に対する感度を低減させることを実現している。これにより、センサファイバ7の部分でのみファラデー効果を受けることになるリング状光路20を構成できる。従って、被測定対象の導体に対して容易に着脱可能で、当該導体の生じさせる磁界の完全な周回積分を実現でき、高精度の電流検出を実現することができる。
また、本実施形態の構成であれば、折り返し光路部分として、一般的な通信用ファイバであるシングルモードファイバ29を使用するため、相対的に製造コストの低減化を図ることができる。
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
1…レーザーダイオード、2…LDドライバ、3…送信ファイバ、4…カップラ、
5…リング共振器、6…導体、7…センサファイバ、8…偏光子、
9…偏波面保存ファイバ、10…1/4波長板、11…受光ファイバ、
12…光電センサ、13…増幅器、14…スペクトラムアナライザ、16…光源、
17…ドライバ、18…第1のカップラ、19…第2のカップラ、20…リング状光路、
21…信号処理回路、22…可とう性金属管、23…金属製閉止蓋、
24…金属コーティング、25…結束バンド、26…キャピラリー、
27…鉛ガラスファイバ、28…デポラライザ、29…シングルモードファイバ。

Claims (3)

  1. 被測定電流によって誘起される磁界の影響を受ける位置に配置されて、当該磁界に応じたファラデー効果を有するセンサ用ファイバ部材を有する光電流検出装置において、
    前記センサ用ファイバ部材に対して円偏光を伝播させるための1/4波長板と、
    当該1/4波長板と前記センサ用ファイバ部材とを結合させるためのキャピラリー部材と
    を有することを特徴する光電流検出装置。
  2. 前記キャピラリー部材は、石英材質からなることを特徴とする請求項1に記載の光電流検出装置。
  3. 前記キャピラリー部材において、前記1/4波長板と前記センサ用ファイバ部材とを結合させるための手段として、紫外線硬化タイプの接着剤を使用することを特徴とする請求項1に記載の光電流検出装置。
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