JP2013253922A - 光電流センサ - Google Patents

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Abstract

【課題】外部からの力や振動が加わった場合であっても、出力が安定した高精度な測定を実現するサニャック干渉型電流センサを提供する。
【解決手段】光源の出射光の偏波面を調整し、その光の位相調整を行う出射光調整部1と、電流の磁界により光ファイバを進行する左右の円偏光に位相差が生じるセンサ部3と、出射光調整部1とセンサ部3とを接続する伝送ファイバ2と、検波を行って電流を算出する検出部4とを有する光電流センサにおいて、伝送ファイバ2として、形状複屈折により複屈折を発生させた光ファイバを用いる。
【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、位相変調法を光検波手段として用いたサニャック干渉型の光電流センサに関する。
光ファイバのファラデー効果を利用して電流を測定するサニャック干渉型光電流センサとしては、様々なタイプが提案されている。これらの光電流センサは、光源の出射光の偏波面を調整し、その光の位相調整を行う出射光調整部と、電流の磁界により光ファイバを進行する左右の円偏光に位相差が生じるセンサ部と、前記出射光調整部と前記センサ部とを接続する伝送ファイバと、検波を行って電流を算出する検出部とを有する。
このような光電流センサは、出射光調整部の位相変調器と、センサ部の1/4波長板が伝送ファイバにより結ばれたものであり、出射光調整部で調整された光は、伝送ファイバを伝って、センサ部の1/4波長板へと導入される。
ここで、センサ部のセンサファイバは測定対象である電流路に配置される。ただし、電流が流れる機器が高電圧である場合は、絶縁や機器配置上の制限のため、出射光調整部とセンサ部は1km程度離れて配置されることになる。また、出射光調整部とセンサ部を近傍に設置できる場合であっても、位相変調深度を十分に得るためには100m程度の光路長が必要となる。伝送ファイバは、このように離れて配置された出射光調整部とセンサ部との間を結ぶものである。
保立和夫他「鉛ガラスファイバを用いた干渉方式比会ファイバ電流センサ」光波センシング技術研究会講演会論文集LST-21-13(1998) D. M. Shupe,"Thermally induced nonreciprocity in the fiber-optic interferometer",Appl. Opt, vol. 19, no. 5, pp. 654 - 655, March 1980 Feng Zhangand John W. Y. Lit"Temperature and strain sensitivity measurements of high-birefringent polarization-maintainingfibers" Applied Optics, Vol. 32. No.13 (1993)
ところで、上記のような伝送ファイバには、人や車などが伝送ファイバの上部を通過するときの力や、付近の機器の振動が加わる。これらの外部環境の変化は、伝送ファイバの複屈折に影響を与えるため、測定データにドリフトが生じる。この現象は、光電流センサの精度を制限する要因となっていた。
本発明の実施形態は、上記のような従来技術の問題点を解決するために提案されたものである。その目的は、外部からの力や振動が加わった場合であっても、出力が安定した高精度な測定を実現する光電流センサを提供することにある。
上記のような目的を達成するための実施形態の光電流センサは、光源の出射光の偏波面を調整し、その光の位相調整を行う出射光調整部と、電流の磁界により光ファイバを進行する左右の円偏光に位相差が生じるセンサ部と、前記出射光調整部と前記センサ部とを接続する伝送ファイバと、検波を行って電流を算出する検出部とを有する光電流センサにおいて、前記伝送ファイバとして、形状複屈折により複屈折を発生させた光ファイバが用いられたことを特徴とする。
第1の実施形態の光電流センサの一例を示す構成図である。 第1の実施形態の応力付与型の偏波面保存ファイバの一例を示す断面図である。 第1の実施形態の形状複屈折型の伝送ファイバの一例を示す断面図である。 第1の実施形態の伝送ファイバの接続構成を示す側面図である。 第1の実施形態の偏波面保存ファイバの側圧による複屈折の変化を示すグラフである。 第1の実施形態の偏波面保存ファイバの張力による複屈折の変化を示すグラフである。 第1の実施形態の偏波面保存ファイバの振動による電流誤差の変化を示すグラフである。 第2の実施形態の光電流センサの一例を示す構成図である。
以下、本発明の第1の実施形態について、図面を参照して説明する。
[第1の実施形態]
[1.構成]
[1.1 全体構成]
本発明の第1の実施形態の全体構成を、図1乃至図4を参照して説明する。図1は本発明の第1の実施形態である光電流センサの構成図である。本実施形態は、図1に示す通り、光源の出射光の偏波面を調整し、その光の位相調整を行う出射光調整部1と、電流の磁界により光ファイバを進行する左右の円偏光に位相差が生じるセンサ部3と、出射光調整部とセンサ部3とを接続する伝送ファイバ2と、検波を行って電流を算出する検出部4とを有する。以下では主に構成のみを説明し、具体的な機能については[1.3 作用]の項目にて説明する。
[(1)出射光調整部1]
出射光調整部1は、光源11、光分岐器12、偏光子13、および位相変調器14を有する。
光源11は、電流の測定に用いる光を出射するものである。この光源11としては、スーパールミネッセンスダイオード(SLD)などを用いることができる。光源11は、光分岐器12に接続される。
光分岐器12は,入射光を2路に分岐して、その分岐路の一方に繋がれている偏光子13に導入するものである。また光分岐器12は,後述するセンサ部3から戻ってきた光を2路に分岐して一方を検出部41に導入するものでもある。
偏光子13は、導入された光を特定方向に偏波した光に変換することで、導出側の光を直線偏光とするものである。この偏光子13としては、偏波面保持ファイバを利用したファイバ型偏光子や、結晶素子と偏波面保持ファイバを組み合わせて構成されたバルク素子型ファイバ偏光子などを使用することができる。偏光子13の導出側の偏波面保存ファイバは、光軸を45°傾けて融着接続される。
偏光子13の導出側の偏波面保存ファイバは、2つの直交する偏波成分の偏光状態を保持するものであり、応力付与型の偏波面保存ファイバが用いられる。この偏波面保存ファイバとしては、PANDAファイバやBow−Tieファイバなどを用いることができる。図2は、偏波面保存ファイバの一例であるPANDAファイバの断面図である。PANDAファイバは、所定の屈折率を有するコア101、コアに非軸対象な応力を与える応力付与部102、およびその外周を被覆するクラッド103により構成されている。
位相変調器14は、その内部を伝播する光の成分に対して所定の位相差分だけ位相変調を与えるものである。この位相変調器14としては、ピエゾ管(PZT)に偏波面保存ファイバを巻きつけて構成されるPZT型位相変調子やポッケルス素子を利用したポッケルス素子型位相変調子等を使用することができる。位相変調器14は、後述する位相変調駆動回路40により制御される。また、位相変調器14の導出側の偏波面保存ファイバには、後述する伝送ファイバ2が接続される。
[(2)伝送ファイバ2]
位相変調器14の導出側の偏波面保存ファイバに接続される伝送ファイバ2は、2つの直交する偏波成分の偏光状態を保持するものである。ただし、本実施形態では、伝送ファイバ2として形状複屈折型の偏波面保存ファイバが用いられている。形状複屈折型の偏波面保存ファイバの一例としては、楕円コアファイバが挙げられる。図3は、伝送ファイバ2の一例である楕円コアファイバの断面図である。楕円コアファイバは、所定の屈折率を有する楕円形状のコア201と、その外周を被覆するクラッド202により構成されている。
この伝送ファイバ2としては、2つの直交する偏波成分の各偏波の位相差が2πになり、ファイバ内に入射した状態の直線偏光になるまでの距離、すなわちビート長が1〜2mm程度のものが一般的である。本実施形態では、一般的なビート長の伝送ファイバを用いることができる。さらにビート長が5mm以上のものを用いても良い。ただし、偏波面の保存を充分に行うため、ビート長は最大でも20mmとする。
また、図4に示すように、伝送ファイバ2は、形状複屈折型の偏波面保存ファイバ2aの端部に予め接続用の偏波面保存ファイバ2bが融着接続されたものを用いても良い。接続用の偏波面保存ファイバ2bとしては、位相変調器14の導出側の偏波面保存ファイバと同一のものを用いる。形状複屈折型の偏波面保存ファイバ2aと接続用の偏波面保存ファイバ2bは、形状複屈折型の偏波面保存ファイバ2bに光を通し、偏光状態を確認しながら、接続用の偏波面保存ファイバ2bと軸合わせを行って融着接続しておく。
このようにして接続された伝送ファイバ2は、位相変調器14の導出側の偏波面保存ファイバに接続される。接続の際は、接続用の偏波面保存ファイバ2bと位相変調器14の導出側の偏波面保存ファイバを融着接続する。このとき使用される偏波面保存ファイバがPANDAファイバであれば、接続される両ファイバの2つの応力付与部102によって位置合わせを行って接続しておく。
[(3)センサ部3]
図1に示すように、センサ部3は、1/4波長板30、センサファイバ31、および鏡32によって構成される。
伝送ファイバ2が光軸を45°傾けて接続される1/4波長板30は、入射する光に対して、1/4波長分の位相差を生じさせるものである。1/4波長板30の導出側には、センサファイバ31が接続される。
センサファイバ31は、ファラデー位相差を生じさせるものである。このセンサファイバ31は、測定する電流を取り囲むように周回配置される。センサファイバ31の端部には、センサファイバ31からの光を反射させる鏡32が設けられている。
[(4)検出部4]
検出部4は、位相変調駆動回路40、検出器41、および同期検波回路42を有する。
位相変調器駆動回路40は位相変調信号を発生させて、出射光調整部1の位相変調器14を制御する。
検出器41は、センサ部3において反射され、光分岐器12により分岐された一方の光量を検出する。この検出器41としては、フォトダイオードや光電子倍増管のような光/電気交換素子(O/E変換素子)を用いることができる。
同期検波回路42は、検出器41により検出された光量を、位相変調角周波数で同期検波するものである。この同期検波回路42としては、ロックインアンプを用いることができる。
[1.2 形状複屈折型の偏波面保存ファイバの耐振動性]
光電流センサに用いる伝送ファイバとしては種々のものが提案されているが、一般的に用いられているものは、応力複屈折型の偏波面保存ファイバである。これは、応力複屈折型の偏波面保存ファイバがコア径よりも断面積の大きな応力付与部を有することから、応力付与部の位置合わせを行うことで、ファイバの接続が容易となるからである。
しかし、前述のように、伝送ファイバについては、外部からの力や振動によって影響を受けることが、光電流センサの精度を制限する要因となっていた。そこで、光電流センサの精度を向上させるために、外部からの力や振動の影響による複屈折の変動がより少ない偏波面保存ファイバを模索すべく、実験を行った。以下に、本発明の第1の実施形態に係る形状複屈折型の偏波面保存ファイバである伝送ファイバ2の耐振動性を、図5乃至図7に基づいて立証する。
[(1)側圧の影響]
外部からの振動等がファイバの複屈折に影響を与えることによる位相差の誤差の原因としては、ファイバの側圧の変化が考えられた。そこで、ファイバの側面より力を加え、ファイバの複屈折がどの程度変化するかを波長1550nmの光を用いて測定した。測定対象ファイバは以下の通りである。
a:楕円ジャケットファイバ(応力複屈折型)
b:Bow−Tieファイバ(応力複屈折型)
c:PANDAファイバ(応力複屈折型)
d:楕円コアファイバ(形状複屈折型)
ファイバaからdの側圧による複屈折の変化の測定結果を図5に示す。図5のグラフからも分かる通り、加えた側圧による複屈折の変化は、ファイバの種類には余り関係が無い。その差は大きく見積もっても40〜50%程度であった。
[(2)張力の影響]
そこで、光ファイバに張力が加わった時に生じる複屈折の変化について着目した。張力に対する複屈折の変化については、図6に示すようなデータがある(非特許文献3)。図6のグラフは光ファイバに張力を与えた際に生じる複屈折の変化を波長633nmの光を用いて測定したものである。このグラフを見ると、応力複屈折型のPANDAファイバとBow−Tieファイバの特性と、形状複屈折型の楕円コアファイバの特性との間には大きな違いが見られる。
すなわち、応力複屈折型のファイバの複屈折は、張力によって直線的に変化しており、グラフの傾きは約100rad/mmとなっている。一方、形状複屈折型のファイバのグラフの傾きは、3.8rad/mmであり、応力複屈折型の1/25程度の複屈折の変化であることが分かる。
[(3)振動の電流誤差への影響]
次に、応力複屈折型のPANDAファイバと形状複屈折型の楕円コアファイバを光電流センサの伝送ファイバとし、実装された伝送ファイバに実際に振動を与えて測定電流の誤差を実測した。その結果を図7に示す。
図7のグラフにおいて、応力複屈折型のファイバのグラフの傾きは、48.89となっている。一方形状複屈折型のファイバのグラフの傾きは、2.2489であり、同じ振動加速度でも、応力複屈折型の1/20程度の電流誤差であることが分かる。この電流誤差の低減の割合は、図6のグラフにおける複屈折の変化の低減の割合とほぼ一致している。
[(4)結論]
従って、振動による電流の誤差は、主にファイバの長手方向に加わる力、すなわち張力によって生じていると考えられる。ここで、応力複屈折型のファイバに振動が生じた場合は、その構造上、応力付与部の伸縮による応力変化も生じてしまうため、張力分以上の複屈折が生じると考えられる。一方、形状型複屈折のファイバであれば、ファイバに伸縮が生じても、その複屈折の変化は、ファイバ長の伸縮×複屈折分しか生じない。
上記の実験結果から、光電流センサの伝送ファイバに振動が加わった際の電流誤差は、形状複屈折型のファイバを用いることにより、応力複屈折型のファイバを用いた場合の電流誤差の1/20に低減できることが明らかになった。
[1.3 作用]
本発明の実施形態における光電流センサについて、図1を参照しながら、実際の光の流れに沿って作用を説明する。
まず、出射光調整部1の光源駆動回路(図示せず)により、光源11の駆動を制御して光を出射させる。光源11の出射光は、光分岐手段である光分岐器12に導入される。出射光は、光分岐器12によって、2つの光に分岐され、その一方の光が偏光子13に導入される。なお、もう一方の光は電流センサ外部へと導出される。
偏光子13に導入される前の光は複数方向に偏波した光を含むものであるが、偏光子13を通過した後は、特定方向に偏波した光、すなわち直線偏光となる。この直線偏光は、偏光子13に対して光軸を45°傾けて融着接続されている偏光子13の導出側の偏波面保存ファイバに導入される。
偏光子13の導出側の偏波面保存ファイバの光軸が45°傾いているため、直線偏光は2つの直交する軸、すなわちx軸とy軸に対してそれぞれ45°傾いた状態で、偏波面保存ファイバに導入される。この偏波面保存ファイバに導入された直線偏光は、その一部がx軸成分の直線偏光となり、残りの一部がy軸成分の直線偏光となる。すると、この2つの軸成分の直線偏光は、偏波面保存ファイバのそれぞれの光軸に拘束されて伝播することとなる。
偏光子13の導出側の偏波面保存ファイバを伝播したx軸およびy軸の2つの直線偏光は、位相変調器14に導入される。ここでは説明の単純化のために、位相変調駆動回路40により制御される位相変調器14は、x軸およびy軸の2つの直線偏光のどちらか一方の光に一定の角周波数で一定の振幅の位相変調を与えることとする。例えば、位相変調器14がx軸の直線偏光にのみ位相変調を印加する場合を想定する。
位相変調器14では、位相変調器14を伝播するx軸の直線偏光に対して、位相差θだけ位相変調を与えると、x軸の直線偏光は時刻tに位相変調を受ける。従って、位相変調器14を通過した後のx軸およびy軸の2つの直線偏光には、位相差が生ずることとなる。また、位相変調器14は、同期検波回路42に使用した位相変調角周波数を出力する。
位相変調器14を通過したx軸およびy軸の2つの直線偏光は、位相変調器14の導出側の偏波面保存ファイバの2つの光軸それぞれに拘束されて伝播し、伝送ファイバ2に導入される。x軸およびy軸の2つの直線偏光は、伝送ファイバ2においても、2つの光軸それぞれに拘束されて伝播する。
このとき、例えば伝送ファイバ2のビート長を5mmとした場合には、x軸およびy軸の2つの直線偏光が導入されてから5mmの距離で、これら2つの直線偏光の位相差が2πになり、ファイバ内に入射した状態の直線偏光となる。
伝送ファイバ2を通過したx軸およびy軸の2つの直線偏光は、続いてセンサ部3の1/4波長板30に導入される。1/4波長板は、導入された2つの直線偏光に1/4波長分の位相差を生じさせて、2つの逆周りの円偏光である右円偏光および左円偏光に変換する。この右円偏光および左円偏光が、ファラデー素子であるセンサファイバ31に導入される。
センサファイバ31において、右円偏光および左円偏光は、進行方向が同一であっても、磁界からのファラデー効果を逆向きに受ける。これにより、右円偏光および左円偏光にファラデー位相差が生じることとなる。そして、センサファイバ31の端部に設けられた鏡32によって、右円偏光および左円偏光は、反射されてセンサファイバ31を逆戻りする。
鏡32によって折り返された右円偏光および左円偏光は、再びセンサファイバ31においてファラデー効果を受けるため、右円偏光および左円偏光が受けるファラデー効果による位相差は、倍になる。このセンサファイバ31を通過した右円偏光および左円偏光は、1/4波長板30に導入される。右円偏光および左円偏光は、1/4波長板30において1/4波長分の位相差を与えられ、再び2つの軸成分の直線偏光となる。
このとき、センサ部3導入前にx軸成分の直線偏光として伝播してきた光は、y軸成分の直線偏光に変換される。また、センサ部3導入前にy軸成分の直線偏光として伝播してきた光は、x軸成分の直線偏光となる。すなわち、行きはx軸成分であった直線偏光は、帰りはy軸成分として伝播し、行きはy軸成分であった直線偏光は、帰りはx軸成分として伝播することとなる。従って、2つの直線偏光は、行きと帰りを合わせると同じ光路を進むため、光路差による位相差は生じない。
このx軸およびy軸の2つの直線偏光が、伝送ファイバ2に再び導入されて伝播し、位相変調器14に導入される。ここでは、例えば、位相変調器14がx軸の直線偏光にのみ位相変調を印加する。位相変調器14では、位相変調器14を伝播するx軸の直線偏光に対して、位相差θ’だけ位相変調を与えるとx軸の直線偏光は時刻t’に位相変調を受ける。従って、位相変調器14を通過した後のx軸およびy軸の2つの直線偏光には、位相差が生ずることとなる。また、位相変調器14は、同期検波回路42に使用した位相変調角周波数を出力する。
位相変調器14から導出されたx軸およびy軸の2つの直線偏光は、偏波面保存ファイバを伝って偏光子13に導入される。このとき偏波面保存ファイバは、偏光子13に対して45°傾けて接続されているため、偏光子13と偏波面保存ファイバの光軸が45°傾けて接続された点を通過した後、x軸およびy軸の2つの直線偏光は、合波されて干渉する。
偏光子13を通過した光は、再度光分岐器12に導入されて分岐され、その一方が検出器41に導入さて検出される。そして、検出器41により検出された光量を、同期検波回路42において、位相変調器駆動回路40から入力された位相変調角周波数で同期検波する。このように位相変調器14で位相変調を加え、同期検波回路42で復調することにより、電流の正負が判別できない、ゼロ点のドリフトなどの問題を回避し、図示しない演算回路によって電流を算出する。
[1.4 効果]
以上のような本実施形態の効果は以下の通りである。
(1)サニャック干渉型の光電流センサでは、外部環境の変化によって複屈折が変化すると、伝送ファイバを伝播するx軸およびy軸の2つの直線偏光は異なる時間に振動等の影響を受けることになり、測定データにドリフトが生じていた。
しかし、伝送ファイバ2として、楕円コアファイバのような形状複屈折型の偏波面保存ファイバを用いることで、伝送ファイバ2に外部から振動等の力が加わってファイバに伸縮が生じたとしても、その複屈折の変化は、ファイバ長の伸縮×複屈折分しか生じない。このため、従来の偏波面保存ファイバに比べて、振動による測定電流の誤差を1/20程度に低減して、外部からの力や振動が加わった場合であっても、出力が安定した高精度な測定を実現することができる。
(2)また、伝送ファイバ2のビート長を5mm以上とした場合には、振動による誤差の影響をさらに低減し、外部からの力や振動が加わった場合であっても、出力が安定した高精度な測定を実現することができる。
(3)形状複屈折型の伝送ファイバ2のコアは、その直径が1μm〜5μmと非常に小さなものであり、目視ではもちろん、顕微鏡下においてもコアを確認することはできないため、接続することが困難であった。しかし、伝送ファイバ2として、予め形状複屈折型の偏波面保存ファイバ2aの端部に接続用偏波面保存ファイバ2bを設けておくことで、接続用偏波面保存ファイバ2bの応力付与部102により位置合わせを行うことが可能になる。このため、光電流センサの設置現場で容易に接続することができ、外部からの力や振動による影響を低減させることができる伝送ファイバ2を光電流センサに用いることが可能となる。
[第2の実施形態]
[1.構成]
本発明の第2の実施形態の光電流センサの構成図を図8に示す。本実施形態は、基本的には第1の実施形態と同様である。従って、第1の実施形態と同じ部分については同一符号を付して説明は省略する。
本実施形態における伝送ファイバ5は、2つの直交する偏波成分の偏光状態を保持するものであり、ビート長5mm以上の応力付与型の偏波面保存ファイバが用いられる。この伝送ファイバ5としては、PANDAファイバやBow−Tieファイバを用いることができる。
この伝送ファイバ5は、2つの直交する偏波成分の各偏波の位相差が2πになり、ファイバ内に入射した状態の直線偏光になるまでの距離、すなわちビート長が5mm以上のものを用いる。なお、偏波面の保存を充分に行うため、ビート長は最大でも20mmとする。
[2.作用]
以上のような本実施形態の伝送ファイバ5を光電流センサに用いた場合、位相変調器14を通過したx軸およびy軸の2つの直線偏光は、伝送ファイバ5に導出され、2つの光軸それぞれに拘束されて伝播する。このとき、伝送ファイバ5のビート長を5mmとした場合には、x軸およびy軸の2つの直線偏光が導入されてから5mmの距離で、これら2つの直線偏光の位相差が2πになり、ファイバ内に入射した状態の直線偏光となる。
[3.効果]
通常の偏波面保存ファイバは、ビート長が1〜2mm程度のものが一般的であるが、ビート長が短い場合には、振動による複屈折の変化が生じやすい。しかし、以上のような本実施形態によれば、振動による影響を受け易い従来の応力複屈折型の偏波面保存ファイバであっても、伝送ファイバ5のビート長を5mm以上とすることで、一般的なビート長1〜2mmの偏波面保存ファイバに比べて振動による誤差の影響を半分以下にして、外部からの力や振動が加わった場合であっても、出力が安定した高精度な測定を実現することができる。
[他の実施形態]
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1…出射光調整部
2、5…伝送ファイバ
3…センサ部
4…検出部
11…光源
12…光分岐器
13…偏光子
14…位相変調器
30…1/4波長板
31…センサファイバ
32…鏡
40…位相変調器駆動回路
41…検出器
42…同期検波回路

Claims (5)

  1. 光源の出射光の偏波面を調整し、その光の位相調整を行う出射光調整部と、電流の磁界により光ファイバを進行する左右の円偏光に位相差が生じるセンサ部と、前記出射光調整部と前記センサ部とを接続する伝送ファイバと、検波を行って電流を算出する検出部とを有する光電流センサにおいて、
    前記伝送ファイバとして、形状複屈折により複屈折を発生させた光ファイバが用いられたことを特徴とする光電流センサ。
  2. 前記伝送ファイバが、楕円コアファイバであることを特徴とする請求項1記載の光電流センサ。
  3. 前記伝送ファイバのビート長が5mm以上であることを特徴とする請求項1又は2記載の光電流センサ。
  4. 前記伝送ファイバの端部に、応力複屈折を用いた光ファイバが接合されたことを特徴とする請求項1から3いずれか一項記載の光電流センサ。
  5. 光源の出射光の偏波面を調整し、その光の位相調整を行う出射光調整部と、電流の磁界により光ファイバを進行する左右の円偏光に位相差が生じるセンサ部と、前記出射光調整部と前記センサ部とを接続する伝送ファイバと、検波を行って電流を算出する検出部とを有する光電流センサにおいて、
    前記伝送ファイバとして、ビート長が5mm以上の応力複屈折により複屈折を発生させたファイバが用いられたことを特徴とする光電流センサ。
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