JP2017015576A - サニャック干渉型光電流センサ及びその信号処理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】高感度のサニャック干渉型光電流センサの出力を制御し、電力系統の系統制御に悪影響を及ぼさず確実に保護すること。【解決手段】電流Iを測定する、センサ部分118で誘起される光学的位相差が後記第2のオープン・ループ型のサニャック干渉型光電流センサのセンサ部分119で誘起される位相差よりも大きい第1のオープン・ループ型のサニャック干渉型光電流センサと、電流Iを測定する、センサ部分119で誘起される光学的位相差が電流Iに対して−90°〜90°の範囲内に収まるように構成された第2のオープン・ループ型のサニャック干渉型光電流センサと、第2のサニャック干渉型光電流センサの出力を用いて、第1のサニャック干渉型光電流センサの出力の大きさを制御する比較出力回路115とを備える。【選択図】図3
Description
本発明は、位相変調法を光検波手段として用いたオープン・ループ型のサニャック干渉型光電流センサ及びその信号処理方法に関する。
位相変調法を光検波手段として用いたオープン・ループ型のサニャック干渉型光電流センサついては、様々なタイプの構成のものが提案されている。一般的な構成としては、「ファイバ型ファラデー電流センサ」(例えば非特許文献1)や、「光電式電流センサーのセンサーヘッドの製造方法」(例えば、特許文献1)などがある。
G. Frosio and R. Dandliker, "Reciprocal reflection interferometer for a fiber-optic Faraday current sensor", Appl. Opt. 33, p6111-6122 (Sep 1994)
上記非特許文献1に記載された技術、及び上記特許文献1に記載された技術の双方において、オープン・ループ型のサニャック干渉型光電流センサで評価される測定電流の大きさは、センサファイバにおいて、測定電流の磁界の大きさに比例して生じる位相差φFから算出する。位相変調法を用いて、前記位相差φFを求める信号処理演算を行なうが、その信号処理の過程でtan(kφF)となるため、逆正接の信号処理を施し、正味の位相差φFを求めている。
ここで、kは整数であり、上記非特許文献の場合は「4」、上記特許文献の場合は「2」となる。測定電流の値が十分に小さく、位相差φFが十分に小さな場合には、tan(kφF)の極性が反転することがないため、適切な逆正接の信号処理を施すことで、測定電流の大きさに比例した位相差φFを演算することができ、結果として測定電流の大きさを算出できる。
しかしながら、測定電流の値が極端に大きな場合、例えば、kφFが90°を超えて大きくなるような電流が流れた場合や、−90°を超えて小さくなるような電流が流れた場合には、tan(kφF)の極性が反転してしまい、適切な逆正接の信号処理を施しても、tan(kφF)の極性が反転しているために出力も極性が反転したものとなる。
一般に、上記の問題を避けるため、測定電流として大電流が流れる場合は、kφFが90°を超えて大きくならないか、もしくは、kφFが−90°を超えて小さくならないように、光電流センサのセンサファイバの巻数を適切に調整している。
しかしながら、測定対象が電力系統であるような場合、計測や制御に用いる電流は数1000[A]オーダーであり、且つ、高い精度での測定が要求される。そのため、高い精度での測定を実現するべく、光電流センサのセンサファイバを多数巻きした高感度なものが使用される。
そのような電力系統に事故が生じた場合には、100[kA]程度の大電流が流れることがあり、その際にはkφFが90°を超えて大きくなるか、あるいはkφFが−90°を超えて小さくなる。したがって、計測や制御を用途に設置されたオープン・ループ型のサニャック干渉型光電流センサの出力は、極性が反転してしまうことになり、電力系統の系統制御や保護の観点で大きな不具合を生じる。
本発明は前記の課題を解決するために提案されたものであり、その目的は、高感度のオープン・ループ型のサニャック干渉型光電流センサの出力を制御し、電力系統の系統制御に悪影響を及ぼすことなく、確実に保護することが可能な光電流センサ及びその信号処理方法を提供することにある。
実施形態に係るサニャック干渉型光電流センサは、光源と、前記光源から出た光を2分岐する光分岐手段と、前記光分岐手段の一方の分岐端を、第1の偏光子、前記第1の偏光子と方位角が略45°となる第1の光位相変調器、第1の遅延光学光路、第1の送光ファイバ、第1の1/4波長板、測定電流に対して周回設置された第1のセンサファイバと順次光学的に接続し、前記第1のセンサファイバの端部で前記第1のセンサファイバを通過してきた光を反射して再びセンサファイバ内に逆方向に伝播させる第1のミラーを配置してなる第1のセンサ部と、前記光分岐手段の他方の分岐端を、第2の偏光子、前記第2の偏光子と方位角が略45°となる第2の光位相変調器、第2の遅延光学光路、第2の送光ファイバ、第2の1/4波長板、前記測定電流に対して周回設置された第2のセンサファイバと順次光学的に接続し、前記第2のセンサファイバの端部で前記第2のセンサファイバを通過してきた光を反射して再びセンサファイバ内に逆方向に伝播させる第2のミラーを配置してなる第2のセンサ部と、前記第1の光位相変調器を第1の変調周波数で駆動する第1の光位相変調器駆動回路と、前記第2の光位相変調器を第2の変調周波数で駆動する第2の光位相変調器駆動回路と、前記第1及び第2のセンサファイバからの反射光を前記第1及び第2の1/4波長板、前記第1及び第2の送光ファイバ、前記第1及び第2の遅延光学光路、前記第1及び第2の光位相変調器、及び、前記第1及び第2の偏光子を介して上記光分岐手段で結合して取得する光検出器と、前記光検出器からの信号を前記第1の変調周波数で同期検波する第1の同期検波回路と、前記第1の同期検波回路の出力から測定電流値を演算する第1の電流演算回路と、前記光検出器からの信号を前記第2の変調周波数で同期検波する第2の同期検波回路と、前記第2の同期検波回路の出力から測定電流値を演算する第2の電流演算回路と、前記第2の電流演算回路の出力の大きさによって前記第1の電流演算回路の出力の大きさを制御する比較出力回路とを備え、前記第1のセンサファイバの測定電流に対する周回巻数を、前記第2のセンサファイバの測定電流に対する周回巻数よりも多く設定し、前記第2のセンサファイバの往復光路で測定電流により生じる光の位相差の絶対値が90°を超えないように周回巻数を設定し、前記第1の変調周波数と前記第2の変調周波数とを異なる周波数とすることを特徴とする。
実施形態に係る他のサニャック干渉型光電流センサは、測定対象の電流を測定する、センサ部分で誘起される光学的位相差が後記第2のオープン・ループ型のサニャック干渉型光電流センサのセンサ部分で誘起される位相差よりも大きい第1のオープン・ループ型のサニャック干渉型光電流センサと、前記測定対象の電流を測定する、センサ部分で誘起される光学的位相差が前記測定対象の電流に対して−90°〜90°の範囲内に収まるように構成された第2のオープン・ループ型のサニャック干渉型光電流センサと、前記第2のオープン・ループ型のサニャック干渉型光電流センサの出力を用いて、前記第1のオープン・ループ型のサニャック干渉型光電流センサの出力の大きさを制御する比較出力器とを備えることを特徴とする。
本発明によれば、高感度のオープン・ループ型のサニャック干渉型光電流センサの出力を制御し、電力系統の系統制御に悪影響を及ぼすことなく、確実に保護することが可能となる。
以下、実施形態に係るオープン・ループ型のサニャック干渉型光電流センサについて、図面を参照して詳細に説明する。
まず、図1によりオープン・ループ型のサニャック干渉型光電流センサ単体の基本構成について説明する。なお、以下の実施形態において、単に光電流センサと述べるものはすべてオープン・ループ型のサニャック干渉型光電流センサを指すものとする。また、動作の説明中、光の挙動の説明に当たっては、ジョーンズ行列を利用して説明するものとする。
同図において、光源駆動回路1により光源2が発光駆動される。この光源2は、例えば干渉性の小さなLED(発光ダイオード)やSLD(スーパールミネッセントダイオード)等が使用されるもので、光源2の出射位置には光ファイバが結合されている。
この際の光ファイバは、シングルモードファイバでも、偏波面保持ファイバでも良く、偏波保持特性を良好に保ちたい場合には、偏波面保持ファイバを使用する。
光源から出た光は一般にランダム光であると考えることができるため、その電界成分を
光源から出た光は一般にランダム光であると考えることができるため、その電界成分を
と置く。ここで上記(1)式中の係数「1/√(2)」は、Einの絶対値「|Ein|」が「1」となるように規格化するべく設けたものであり、位相φr(t)は、Einのx成分には無関係に変化する位相差を表すものであり、この位相φr(t)によってランダム光を表現している。
光源から出た光Einは、その後に光分岐手段であるファイバカプラ3で分岐され、その一方が、光学的フィルタ4としての偏光子へ導入される。なお、ファイバカプラ3はシングルモードファイバカプラでも偏波面保持ファイバカプラでも良く、特に偏波保持特性を良好に保ちたい場合には偏波面保持ファイバカプラを使用する。
前述した通り、光源2からの光はランダム光であるとしたが、実際の光源2では、光の偏光状態が偏っている場合も想定される。その場合には、ファイバカプラ3と偏向子の間にデポラライザを挿入し、そのデポラライザと偏向子とで光学的フィルタ4を構成することで、偏光子からの出力を安定化させることができる。
光学的フィルタ4を構成する偏光子には、偏波面保持ファイバで構成されたものを用いることを想定しており、デポラライザとしては偏波面保持ファイバ同士の光学軸を45°回転させて接続したリオ型デポラライザを想定している。
図2は、このリオ型デポラライザの構成例を示すものであり、図2(A)は一対の偏波面保持ファイバ4a,4bを示し、図2(B)、図2(C)にそれらの当接面の光学軸構成を示す。図中、コアCRを挟んで軸方向に沿った一対の応力付与部分STをクラッドCL中に配したパンダ型ファイバを例にとって示している。
図2(B)、図2(C)に示すように偏波面保持ファイバ4a,4b同士の光学軸x,yとx′,y′を45°回転させて接続している。この際に接続する偏波面保持ファイバ4a,4bの軸長を、1:2または2:1の比とすることで、デポラライザとしての特性が安定する(詳細は、Journal of Lightwave Technology Vol.LT1 No.1 Mar 1983 P71-74 参照)。
なお、光分岐手段である前記ファイバカプラ3として、偏波面保持ファイバカプラを使用する場合には、その偏波面保持ファイバカプラのリード部分(偏波面保持ファイバ)と、光を伝播させることを目的に設けられた偏波面保持ファイバ(以下、偏光子のリード部分と表記)との光学軸を45°回転させて接続することにより、デポラライザを兼ねた構成とすることができ、別途デポラライザを構成する素子を挿入する必要がない。そのため、ファイバ同士の光接続点も少なくなり、光接続損失と光伝送損失とを下げながら、光の伝播偏光特性をより安定化させ、且つ経済的な構成とすることができる。
加えて、その際に該当する偏波面保持ファイバカプラのリード部分(偏波面保持ファイバ)の長さと、偏光子のリード部分(偏波面保持ファイバ)の長さの比を前述したように1:2または2:1とすることで、デポラライザとしての安定性を向上させることができる。
また、光分岐手段である前記ファイバカプラ3として、シングルモードファイバカプラを使用する場合には、シングルモードファイバカプラのリード部分(シングルモードファイバ)と偏光子の間に偏波面保持ファイバを挿入し、偏波面保持ファイバの光学軸と偏光子のリード部分(偏波面保持ファイバ)の光学軸を45°回転させて接続することで、前述のリオ型のデポラライザを構成することができ、別途デポラライザ素子を構成する素子を挿入する必要がない。そのため、ファイバ同士の光接続点も少なくなり、光接続損失と光伝送損失とを下げながら、光の伝播偏光特性をより安定化させ、且つ経済的な構成とすることができる。
加えて、該当する前記シングルモードファイバカプラに接続される偏波面保持ファイバの長さと偏光子のリード部分(偏波面保持ファイバ)の長さの比を1:2または2:1とすることで、デポラライザとしての安定性を向上させることができる。
前記偏光子の機能は、入射光のx、y成分の一方を通過させる素子と考えることができるが、説明に当たっては入射光のx成分のみ通過させると考えて、偏光子のジョーンズ行列Lpを次式のように置く。
なお、偏光子には、偏波面保持ファイバを利用したファイバ形偏光子や、結晶素子と偏波面保持ファイバを組み合わせて構成されたバルク素子形ファイバ偏光子などを使用し、偏光子の光学軸は、偏光子を構成する偏波面保持ファイバの光学軸で規定されているものを利用する。すなわち、偏光子は偏光子を構成する偏波面保持ファイバの2つの光学軸の一方のみの光を伝播させる素子ということになる。本説明では、前述したように偏光子はx成分のみ通過させるとして考える。
次に、前記光学的フィルタ4を構成する偏光子を出た光(直線偏光)は、位相変調子5へ導かれる。ここで位相変調子5は、ピエゾ管(PZT)に偏波面保持ファイバを巻き付けて構成されるPZT形位相変調子や、ポッケルス素子を利用したポッケルス素子形位相変調子等が使用される。
ポッケルス素子形位相変調子の場合もポッケルス素子の光の導入、導出には偏波面保持ファイバが使用され、位相変調子内では偏波面保持ファイバの2つの光学軸のどちらか一方を伝播する光に相対的な位相変調を印加する構成とする。よって、位相変調子を構成する偏波面保持ファイバの光学軸によって、位相変調の方向を規定していることになる。
また、偏波面保持ファイバの2つの光学軸のそれぞれを伝播する光は、位相変調に関係なく位相変調子内を伝播するものを使用する。本説明では、位相変調子もx成分のみ相対的位相変調を印加させるとして考える。
なお、光学的フィルタ4である偏光子を構成する偏波面保持ファイバと、位相変調子5を構成する偏波面保持ファイバの光学軸も、45°回転させた状態で接続される。偏波面保持ファイバを45°回転させた状態とすることで、位相変調子5を構成する偏波面保持ファイバの2つの光学軸にそれぞれ独立な直線偏光を伝播させていることと等価になり、偏光子のリード部分(偏波面保持ファイバ)と位相変調子のリード部分(偏波面保持ファイバ)で前述のリオ型のデポラライザを構成することになる。
光学的フィルタ4である偏光子を構成し、位相変調子5側へ接続される偏波面保持ファイバ(偏光子のリード部分)と、位相変調子5を構成し、光学的フィルタ4側へ接続される偏波面保持ファイバ(位相変調子のリード部分)を45°回転させて接続する際、前記それぞれの偏波面保持ファイバの長さの比を1:2または2:1としてデポラライザを構成することで、位相変調子5内を伝播するx、y成分間の群遅延時間差を、可干渉時間(コヒーレント時間)以上にすることができる。そのため、位相変調子5内を伝播するx、y成分の独立性がより高くなり、光学特性が安定する。
なお、光学的フィルタ4にリオ型のデポラライザを用いる場合、光学的フィルタ4に用いたデポラライザの全長と偏光子−位相変調子間で構成されるデポラライザの全長の比が1:2nまたは2n:1(ここでnは自然数)とすることで、各デポラライザで残存する偏光成分の干渉が抑制されるため、結果として光学的な位相ドリフトを抑制することができ、光電流センサとしての零点ドリフトを抑制できる。
前述した通り、光学的フィルタ4の偏光子を通過した光(直線偏光)は、光学軸を45°ずらした状態で位相変調子5へ入射される。
光学軸を45°ずらして(回転させて)位相変調子5に入射される状態は、換言すると入射方位角を−45°回転させることに相当するもので、これをジョーンズ行列で表記すると、
光学軸を45°ずらして(回転させて)位相変調子5に入射される状態は、換言すると入射方位角を−45°回転させることに相当するもので、これをジョーンズ行列で表記すると、
となる。
なお、位相変調子5では、位相変調子5内を伝播する光のx成分に対して、相対的に位相差φだけ位相変調を与えることとする。ここで時刻t=τ1に位相変調を受けるとすると、位相差φは、次式で表される。すなわち、
なお、位相変調子5では、位相変調子5内を伝播する光のx成分に対して、相対的に位相差φだけ位相変調を与えることとする。ここで時刻t=τ1に位相変調を受けるとすると、位相差φは、次式で表される。すなわち、
ここでδは、位相変調深度であり、ωmは位相変調角周波数である。
よって、位相変調子5内の挙動をジョーンズ行列で表記すると、
よって、位相変調子5内の挙動をジョーンズ行列で表記すると、
となる。
位相変調子5を通過し、位相変調子5のリード部分の偏波面保持ファイバの2つの光学軸それぞれに拘束され伝播する2つの直線偏光は、余長コイル6を介して信号処理ユニットU1から導出されて、偏波面保持ファイバで構成された送光ファイバ7に導かれる。
位相変調子5を通過し、位相変調子5のリード部分の偏波面保持ファイバの2つの光学軸それぞれに拘束され伝播する2つの直線偏光は、余長コイル6を介して信号処理ユニットU1から導出されて、偏波面保持ファイバで構成された送光ファイバ7に導かれる。
送光ファイバ7を通過した2つの直線偏光は、センサヘッド部U2の1/4波長板に導かれる。送光ファイバと1/4波長板は、それぞれの光学軸が45°回転して接続されるため(入射方位角で−45°回転させることに相当)、この関係をジョーンズ行列で表すと前記式(3)のL45°となる。
センサヘッド部U2内で送光ファイバ7と光学的に接続された1/4波長板8が、通過する光のx成分に対して1/4波長分の位相差(360°/4=90°)を生じさせるものとすると、この1/4波長板8での光の挙動をジョーンズ行列により表記すると次式のようになる。
送光ファイバ7を伝播した2つの直線偏光は、1/4波長板8を通過した後、2つの逆回りの円偏光になって、ファラデー素子であるセンサファイバ9へ導入される。このセンサファイバ9は、測定対象の電流11中心にして周回配置される。センサファイバ9では、ファラデー効果によって回転巻数に相当する位相差(ファラデー位相差)が生じる。なお、ファラデー効果によって生じるファラデー位相差θfは、次式で表される。
ここで、nは被測定電流を周回するファイバの巻数、Vはセンサファイバのベルデ定数、Iは被測定電流の大きさである。
上記式(7)では、センサファイバ9が電流11を中心として周回配置した場合について説明したが、センサファイバ9を中心にして電流11が流れる電線が周回配置される場合には、nがセンサファイバ9を取り囲む電流11が流れる電線の巻数となる。
よって、センサファイバ9で生じるファラデー位相差をジョーンズ行列で表記すると次式のようになる。
センサファイバ9を通過した2つの円偏光は、センサファイバ9の端部に設けられた鏡10で反射されるため、光のy成分が反転するとして、鏡10の効果をジョーンズ行列で表記すると次式のようになる。
鏡10で反射された2つの円偏光は、再びセンサファイバ9でファラデー効果を受けるが、鏡10に入射する方向に進む光と鏡10で反射した方向に進む光とでは、与えられる磁界の向きが反対となるため、センサファイバ9内を伝播する光の挙動はジョーンズ行列で次式のように表される。
センサファイバ9を通過した2つの円偏光は、1/4波長板8において再び光のx成分のみ1/4波長分の位相差(360°/4=90°)を生じさせる。そのため、1/4波長板8での光の挙動は、ジョーンズ行列で表記すると前記式(6)で示したLQWPとなる。
1/4波長板8と送光ファイバ7は光学軸を45°だけ回転させて接続されており、これは入射方位角で−45°回転させることに相当するので、この効果をジョーンズ行列で表記すると、前記式(3)で示したL45°で表せる。
このとき、センサファイバ9を伝播する2つの逆回りの円偏光は、1/4波長板8を通過し、偏波面保持ファイバで構成される送光ファイバ7に2つの直線偏光として入射する。
この際、送光ファイバ7の2つの光学軸のうち、x軸で伝播して1/4波長板8に入射した直線偏光は、センサファイバ9を経由して1/4波長板8から送光ファイバ7へ再入射する際に、送光ファイバ7の2つの光学軸のうちのy軸で伝搬する。
同様に、送光ファイバ7の2つの光学軸のうち、y軸で伝播して1/4波長板8に入射した直線偏光は、センサファイバ9を経由して1/4波長板8から送光ファイバ7へ再入射する際に、送光ファイバ7の2つの光学軸のうちのx軸で伝搬する。
その後、光は再び送光ファイバ7を伝播し、余長コイル6を介して位相変調子5に入射する。位相変調子5では、伝播する光のx成分に相対的に位相差φ′だけ位相変調を与える。ここで時刻t=τ2に位相変調を受けるとすると、位相差φ′は、次式で表すことができる。
よって、位相変調子内の挙動をジョーンズ行列で表記すると、
となる。
位相変調子5を通過した光は光学的フィルタ4の偏光子へ入射するが、位相変調子5と偏光子の光学軸が45°回転させて接続されており、入射方位角で−45°回転させることに相当するため、この効果をジョーンズ行列で表記すると前記式(3)で示したL45°で表せる。
位相変調子5を通過した光は光学的フィルタ4の偏光子へ入射するが、位相変調子5と偏光子の光学軸が45°回転させて接続されており、入射方位角で−45°回転させることに相当するため、この効果をジョーンズ行列で表記すると前記式(3)で示したL45°で表せる。
したがって、位相変調子5と光学的フィルタ4の偏光子の光学軸が45°回転させて接続された点を通過した後、光学的フィルタ4内を伝播していた2つの直線偏光が合波されて干渉する。
光学的フィルタ4を構成する偏光子では、入射光のx成分のみ通過させるため、偏光子のジョーンズ行列Lpは前記式(2)で表すことができる。
偏光子を通過した光は、再度ファイバカプラ3を通過して2つの光に分岐され、その一方が検出器12で検出される。検出器12に入射する光の電界成分をEoutとすると、EinとEoutの関係は次式で表記される。
なお、検出器12では光の光量を測定する。検出光量をPoutとすると、光量は電界の2乗に比例するため、
と定義できる。
なお、検出器12は、フォトダイオードや光電子増倍管などのような光/電気交換素子(O/E変換素子)を用いて光を検出する。
なお、検出器12は、フォトダイオードや光電子増倍管などのような光/電気交換素子(O/E変換素子)を用いて光を検出する。
検出器12で検出した光量Poutは、同期検波回路13において位相変調子駆動回路14から与えられる位相変調角周波数ωmにより同期検波される。したがって、位相変調角周波数ωmの高調波で、検出された光量Poutを展開すると、
となる。ここでP0ω,P1ω,P2ω,P3ω,P4ω,P5ω,P6ωは、光量Poutを変調角周波数ωmで同期検波した際の0次、1次、2次、3次、4次、5次、6次の高調波の振幅を表し、それぞれ、
となる。
なお、Jn(n=1,2,3,4,5,6)はn次のベッセル関数であり、R=2δsinωmαと置いた。
計算に当たっては、t0=t−(τ1+τ2)/2,α=(τ2−τ1)/2と置き、以下の関係を利用した。
なお、Jn(n=1,2,3,4,5,6)はn次のベッセル関数であり、R=2δsinωmαと置いた。
計算に当たっては、t0=t−(τ1+τ2)/2,α=(τ2−τ1)/2と置き、以下の関係を利用した。
前記αは、ファラデー素子であるセンサファイバ9を伝播する2つの円偏光が位相変調子5で位相変調を受ける時間の時間差で規定される光学光路長Loptを用いて、次式で表すことができる。
なお、図1のサニャック干渉型光電流センサの場合、位相変調子の印加点から鏡までの光伝播長さをL、ファイバの屈折率をnsとすると、Lopt=2・ns・Lとなる。
ここで、cは光速度である。よって、αは光学光路長を決定すると一義的に決まるシステムパラメータである。
ここで、cは光速度である。よって、αは光学光路長を決定すると一義的に決まるシステムパラメータである。
光電流センサでは、光源光量のふらつきや、光電流センサの光学系での光伝送損失の変化により、検出器12で検出される受光量の変化が測定精度に影響しないように、検出器12で検出される受光量で規格化する手段を用いる。
例えば、前記式(17)、式(18)で示した同期検波後の1次高調波を2次高調波で除算したものを電流評価用除算値と定義し、これを測定電流として評価するための信号として用いることで、受光量変化の影響を除去できる。
以上が、オープン・ループ型のサニャック干渉型光電流センサ単体の基本動作原理であり、以下に具体的な本実施形態について説明する。
(第1の実施形態)
図3は、第1の実施形態に係るサニャック干渉型光電流センサの構成を示すものである。同図で、光源駆動回路(Dv.)114により駆動される光源102から出た光は、ファイバカプラ103で2分岐されて、2系統の光電流センサにより同一測定対象である電流Iを測定する。
図3は、第1の実施形態に係るサニャック干渉型光電流センサの構成を示すものである。同図で、光源駆動回路(Dv.)114により駆動される光源102から出た光は、ファイバカプラ103で2分岐されて、2系統の光電流センサにより同一測定対象である電流Iを測定する。
すなわち、ファイバカプラ103で2分岐された一方の光が、偏光子104a、光位相変調器105a、遅延ファイバコイル106aを介して信号処理器116外の送光ファイバ107aにより、センサヘッド117を構成する第1のセンサ部118内に導かれる。
第1のセンサ部118内では、送光ファイバ107aが1/4波長板108aと接続され、さらに1/4波長板108aがファラデー素子であるセンサファイバ109aと接続される。このセンサファイバ109aは、測定対象の電流Iを中心にして巻数n1で周回配置される。センサファイバ109aの端部には鏡110aが配置され、伝播してきた光を反射する。
また前記ファイバカプラ103で2分岐された他方の光は、偏光子104b、光位相変調器105b、遅延ファイバコイル106bを介して信号処理器116外の送光ファイバ107bにより、前記センサヘッド117を構成する第2のセンサ部119内に導かれる。
第2のセンサ部119内では、送光ファイバ107bが1/4波長板108bと接続され、さらに1/4波長板108bがファラデー素子であるセンサファイバ109bと接続される。このセンサファイバ109bは、前記測定対象の電流Iを中心にして巻数n2で周回配置される。センサファイバ109bの端部には鏡110bが配置され、伝播してきた光を反射する。
前記第1のセンサ部118のセンサファイバ109aの電流Iに対する巻き数n1と、第2のセンサ部119のセンサファイバ109bの電流Iに対する巻き数n2は、異なった巻数が設定されるものであり、且つ、センサファイバ109bで生じる光学的位相差が−90°〜90°の範囲を超えないように、センサファイバ109bの巻数n2が所定の巻数となっている。
加えて、センサファイバ109aの巻数n1は、センサファイバ109bの巻数n2よりも大きく(n1>n2)、したがって第1のセンサ部118は、第2のセンサ部119よりも高感度な設定とする。
第1のセンサ部118と第2のセンサ部119からの戻り光は、ファイバカプラ103で再び結合され、光検出器102に入射される。光検出器102は、前記図1で説明したようにフォトダイオードなどで構成され、その受光光量信号を電気信号に変換して同期検波回路111a,111bに出力する。
前記光位相変調器105a,105bはそれぞれ、光位相変調器駆動回路(Dv.)112a,112bにより独立に駆動されており、光位相変調器105a,105bを駆動する変調周波数は互いに異なっている。
これら光位相変調器105a,105bを駆動する変調周波数がまた、光位相変調器駆動回路112a,112bから同期検波回路111a,111bへも供されている。同期検波回路111a,111bでは、光位相変調器駆動回路112a,112bからの変調周波数、及びその2次、3次、4次の高調波の周波数で光検出器102からの光量を示す信号を同期検波する。
なお、前記光位相変調器駆動回路112a,112bで発生する変調周波数とその2次乃至4次の高調波の周波数は、それぞれ異なると共に、互いに近接しないように設定されているものとする。
以上のような条件で同期検波をすることにより、互いの周波数が重なりあうことなく、また近接もしていないため、第1のセンサ部118と第2のセンサ部119のそれぞれで生じる光学的位相差をそれぞれ独立に評価できる。
電流演算回路113a,113bでは、同期検波回路111a,111bで検波した出力を用いて測定電流Iに比例した信号を生成する。電流演算回路113aの生成した信号が比較出力回路115に送出される一方で、電流演算回路113bの生成した信号は前記比較出力回路113bに送出されるとともに、保護出力として信号処理器116外に出力される。
比較出力回路115は、前記電流演算回路113a,113bの両出力を計測出力としてそのまま出力すると共に、それらの大小比較を行ない、比較結果に応じて前記光位相変調器駆動回路112a,112bで発生する変調周波数を制御する。
例えば、前記式(17)式を式(18)で除算するような演算「P1ω/P2ω」を行ない、tan4θf1やtan4θf2に比例した信号を生成し、それに逆正接の演算処理を施すことで、測定電流に比例した出力を得ることができる。
ここで、θf1,θf2は、それぞれ、第1のセンサ部118、第2のセンサ部119で生じたファラデー位相差を表す。
なお、受光量が一定で安定している場合は、前記式(17)に従い、sin4θf1やsin4θf2に比例した信号に逆正弦演算を施すことで、測定電流Iに比例した出力を得ても良い。
以上のような光電流センサの構成において、電流演算回路113bから出力される信号が電流の大きさにより極性反転しないように設定されているが、電流演算回路113aから出力される信号は電流の大きさにより極性反転し、あるいは実際の測定電流の大きさとは比例しない出力となり得る。
そこで、電流演算回路113bの出力に対する閾値を設け、その閾値から電流演算回路113bの出力が逸脱した場合には、電流演算回路113aの出力が電流演算回路113bの出力の極性と同じ方向で一定出力となるように制御する比較出力回路115を設けている。
電力系統で計測用や制御用に用いられる電流センサは、測定電流Iが大きな場合は、出力信号として飽和した状態で出力することが許容される。したがって、前記したような構成とその信号処理方法とにより、第1のセンサ部118によって検知される電流を高精度化することができ、且つ、大電流が流れた場合でも、一定値で飽和した出力とすることができるため、電力系統の計測制御に安定して適用することが可能となる。
(第2の実施形態)
第2の実施形態に係るサニャック干渉型光電流センサについて説明する。
なお、本実施形態に係る構成は、前記図3に示したサニャック干渉型光電流センサの構成と基本的に同様であるものとして、同一部分には同一符号を用い、その図示と説明とを省略する。
第2の実施形態に係るサニャック干渉型光電流センサについて説明する。
なお、本実施形態に係る構成は、前記図3に示したサニャック干渉型光電流センサの構成と基本的に同様であるものとして、同一部分には同一符号を用い、その図示と説明とを省略する。
以下、説明を簡略化するため、同期検波回路111a周辺の動作について以下に説明する。また、前記式(1)から式(22)の内容を参照し、添字として1または2を付けることで、第1のセンサ部118に属するものか、第2のセンサ部119に属するものかを区別する。例えば、θf1,P2ω1は、第1のセンサ部118に属していることを意味するものとする。
同期検波回路111aが同期検波する2次高調波の振幅と4次高調波の振幅とが同じ大きさになる、すなわち|P2ω1|=|P4ω1|となるように比較出力回路115、光位相変調器駆動回路112aを用いたフィードバック制御が実行され、3次高調波の振幅P3ω1を測定電流Iに対応した出力として用いる。
なお、前記フィードバック制御を行なう回路は光位相変調器駆動回路112a内に組み込むものとし、同期検波回路111aと光位相変調器駆動回路112a間の信号のやりとりで、位相変調深度δを調整して、前述したように|P2ω1|=|P4ω1|となるように制御する。
図4は、1次乃至4次の振幅をベッセル関数により示す図である。
ここで、|P2ω1|=|P4ω1|となるようにフィードバック制御するのは、前記図4に示すように、2次、3次、4次のベッセル関数において2次と4次のベッセル関数J2(R),J4(R)の値が同じ時、3次のベッセル関数J3(R)が極大となるためである。すなわち、|P2ω1|=|P4ω1|の時、|P3ω1|が極大となり、ノイズの影響を受けにくい安定した出力を得ることができる。
ここで、|P2ω1|=|P4ω1|となるようにフィードバック制御するのは、前記図4に示すように、2次、3次、4次のベッセル関数において2次と4次のベッセル関数J2(R),J4(R)の値が同じ時、3次のベッセル関数J3(R)が極大となるためである。すなわち、|P2ω1|=|P4ω1|の時、|P3ω1|が極大となり、ノイズの影響を受けにくい安定した出力を得ることができる。
また、光位相変調器105aの変調効率が変化しても、2次高調波P2ω1と4次高調波P4ω1の振幅が同じ大きさになるように、光位相変調器駆動回路112aが位相変調深度を制御することで、実際に光位相変調器105aで実施される位相変調を一定にすることができる。
同期検波回路111bについても同期検波回路111aと同様に考えることができ、全体として、3次の高調波成分P3ω1,P3ω2が、それぞれ同期検波回路111a,111bで極大となるように制御する。
光位相変調器105a,105bが、経年劣化等の要因によって、光位相変調器駆動回路112a,112bからの信号の大きさに対する光位相変調器105a,105bの変調深度が変化する場合でも、3次の高調波成分P3ω1,P3ω2を安定的に出力でき、結果として光電流センサの測定精度を向上しながら、且つ安定した状態で維持できる。
(第3の実施形態)
第3の実施形態に係るサニャック干渉型光電流センサについて説明する。
なお、本実施形態に係る構成は、前記図3に示したサニャック干渉型光電流センサの構成と基本的に同様であるものとして、同一部分には同一符号を用い、その説明を省略する。
第3の実施形態に係るサニャック干渉型光電流センサについて説明する。
なお、本実施形態に係る構成は、前記図3に示したサニャック干渉型光電流センサの構成と基本的に同様であるものとして、同一部分には同一符号を用い、その説明を省略する。
図5は、第3の実施形態に係るサニャック干渉型光電流センサの構成を示すものである。同光電流センサは、同一の電流Iを測定する2つの独立した光電流センサ123a,123bで構成される。ここで第1の光電流センサ123a及び第2の光電流センサ123bは、単体では前記非特許文献1や特許文献1に記載されたものと基本的には同様の一般的な光電流センサである。
第2の光電流センサ123bのセンサ部122bで誘起される光学的位相差が測定電流に対して−90°〜90°の範囲内に収まるように、前記センサ部122bが構成されており、大電流でも第2の光電流センサ123bの出力の極性が反転しないように設定されている。
一方の第1の光電流センサ123aは、同一の測定電流Iに対して、第2の光電流センサ123bのセンサ部122bで誘起される位相差よりも、センサ部122aで誘起される位相差が大きくなるようにセンサファイバの巻数が多くなるように構成されている。そのため、当該第1の光電流センサ123aのセンサ部122aの方が第2の光電流センサ123bのセンサ部122bより高感度であり、第1の光電流センサ123aではより高精度な電流測定が実現できる。
ただし、第1の光電流センサ123aは、高感度であるが故に、測定電流Iが大電流の場合には、極性の反転が生じ得る。そのため、第2の光電流センサ123bの出力の大きさによって、第1の光電流センサ123aの出力の大きさを制御するべく、比較出力回路115を用いている。
この比較出力回路115では、第2の光電流センサ123bの出力によって、第1の光電流センサ123aが出力する信号の極性が反転すると思われる条件であると判断した場合、第2の光電流センサ123bの出力の極性に合わせて、第1の光電流センサ123aの出力が一定の大きさとなるように、信号処理器120aの位相変調に関する制御を行なう。
これにより、第1の光電流センサ123aの出力の極性を反転させることなく、電力系統の制御を容易にすると共に、高精度で動作する第1の光電流センサ123aを確実に保護して安定した電流検出動作が維持できる。
以上、前記第1乃至第3の実施形態にて説明した如く、高感度のオープン・ループ型のサニャック干渉型光電流センサの出力を制御して、電力系統の系統制御に悪影響を及ぼすことなく、確実に保護することが可能となる。
なお、前記オープン・ループ型のサニャック干渉型光電流センサ単体の構成に関しては、前記図1を用いて説明したものに限らない。
その他、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、上述した実施形態で実行される機能は可能な限り適宜組み合わせて実施しても良い。上述した実施形態には種々の段階が含まれており、開示される複数の構成要件による適宜の組み合せにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、効果が得られるのであれば、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
1…光源駆動回路、
2…光源、
3…ファイバカプラ、
4…光学フィルタ、
5…位相変調子、
6…余長コイル、
7…送光ファイバ、
8…1/4波長板、
9…センサファイバ、
10…鏡、
11…電流、
12…検出器、
13…同期検波回路、
14…位相変調子駆動回路、
15…演算回路、
101…光源、
102…光検出器、
103…ファイバカプラ、
104a,104b…ファイバ偏光子、
105a,105b…光位相変調器、
106a,106b…遅延ファイバコイル、
107a,107b…送光ファイバ、
108a,108b…1/4波長板、
109a,109b…センサファイバ、
110a,110b…ミラー、
111a,111b…同期検波回路、
112a,112b…光位相変調器駆動回路、
113a,113b…電流演算回路、
114…光源駆動回路、
115…比較出力回路、
116…信号処理器、
117…センサヘッド、
118…第1のセンサ部、
119…第2のセンサ部、
120a,120b…信号処理器、
121a,121b…送光ファイバ、
122a,122b…センサ部、
123a…第1の光電流センサ、
123b…第2の光電流センサ、
U1…信号処理ユニット、
U2…センサヘッド部。
2…光源、
3…ファイバカプラ、
4…光学フィルタ、
5…位相変調子、
6…余長コイル、
7…送光ファイバ、
8…1/4波長板、
9…センサファイバ、
10…鏡、
11…電流、
12…検出器、
13…同期検波回路、
14…位相変調子駆動回路、
15…演算回路、
101…光源、
102…光検出器、
103…ファイバカプラ、
104a,104b…ファイバ偏光子、
105a,105b…光位相変調器、
106a,106b…遅延ファイバコイル、
107a,107b…送光ファイバ、
108a,108b…1/4波長板、
109a,109b…センサファイバ、
110a,110b…ミラー、
111a,111b…同期検波回路、
112a,112b…光位相変調器駆動回路、
113a,113b…電流演算回路、
114…光源駆動回路、
115…比較出力回路、
116…信号処理器、
117…センサヘッド、
118…第1のセンサ部、
119…第2のセンサ部、
120a,120b…信号処理器、
121a,121b…送光ファイバ、
122a,122b…センサ部、
123a…第1の光電流センサ、
123b…第2の光電流センサ、
U1…信号処理ユニット、
U2…センサヘッド部。
Claims (6)
- 光源と、
前記光源から出た光を2分岐する光分岐手段と、
前記光分岐手段の一方の分岐端を、第1の偏光子、前記第1の偏光子と方位角が略45°となる第1の光位相変調器、第1の遅延光学光路、第1の送光ファイバ、第1の1/4波長板、測定電流に対して周回設置された第1のセンサファイバと順次光学的に接続し、前記第1のセンサファイバの端部で前記第1のセンサファイバを通過してきた光を反射して再びセンサファイバ内に逆方向に伝播させる第1のミラーを配置してなる第1のセンサ部と、
前記光分岐手段の他方の分岐端を、第2の偏光子、前記第2の偏光子と方位角が略45°となる第2の光位相変調器、第2の遅延光学光路、第2の送光ファイバ、第2の1/4波長板、前記測定電流に対して周回設置された第2のセンサファイバと順次光学的に接続し、前記第2のセンサファイバの端部で前記第2のセンサファイバを通過してきた光を反射して再びセンサファイバ内に逆方向に伝播させる第2のミラーを配置してなる第2のセンサ部と、
前記第1の光位相変調器を第1の変調周波数で駆動する第1の光位相変調器駆動回路と、
前記第2の光位相変調器を第2の変調周波数で駆動する第2の光位相変調器駆動回路と、
前記第1及び第2のセンサファイバからの反射光を前記第1及び第2の1/4波長板、前記第1及び第2の送光ファイバ、前記第1及び第2の遅延光学光路、前記第1及び第2の光位相変調器、及び、前記第1及び第2の偏光子を介して上記光分岐手段で結合して取得する光検出器と、
前記光検出器からの信号を前記第1の変調周波数で同期検波する第1の同期検波回路と、
前記第1の同期検波回路の出力から測定電流値を演算する第1の電流演算回路と、
前記光検出器からの信号を前記第2の変調周波数で同期検波する第2の同期検波回路と、
前記第2の同期検波回路の出力から測定電流値を演算する第2の電流演算回路と、
前記第2の電流演算回路の出力の大きさによって前記第1の電流演算回路の出力の大きさを制御する比較出力回路と
を備え、
前記第1のセンサファイバの測定電流に対する周回巻数を、前記第2のセンサファイバの測定電流に対する周回巻数よりも多く設定し、
前記第2のセンサファイバの往復光路で測定電流により生じる光の位相差の絶対値が90°を超えないように周回巻数を設定し、
前記第1の変調周波数と前記第2の変調周波数とを異なる周波数とする
ことを特徴とするサニャック干渉型光電流センサ。 - 前記第1の同期検波回路は、第1の変調周波数、及び前記第1の変調周波数の2次乃至4次の高調波で同期検波し、
前記第2の同期検波回路は、第2の変調周波数、及び前記第2の変調周波数の2次乃至4次の高調波で同期検波し、
前記第1の変調周波数の2次高調波で同期検波した第1の2次同期検波出力の振幅と、前記第1の変調周波数の4次高調波で同期検波した第1の4次同期検波出力の振幅とが同じ大きさとなるように前記第1の光位相変調器の変調深度を調整する第1の光位相変調器駆動回路と、
前記第1の変調周波数の3次高調波で同期検波された第1の3次同期検波出力を前記第1の2次同期検波出力の振幅または前記第1の4次同期検波出力の振幅で除算し、その商出力を用いて測定電流値を演算する第1の電流演算回路と、
前記第2の変調周波数の2次高調波で同期検波した第2の2次同期検波出力の振幅と、前記第2の変調周波数の4次高調波で同期検波した第2の4次同期検波出力の振幅とが同じ大きさとなるように前記第2の光位相変調器の変調深度を調整する第2の光位相変調器駆動回路と
をさらに備える
ことを特徴とする請求項1記載のサニャック干渉型光電流センサ。 - 前記第1の変調周波数、及びその2次乃至4次の高調波の周波数と、前記第2の変調周波数、及びその2次乃至4次の高調波の周波数とが、同じ次数及び異なる次数のいずれでも同じ、もしくは近接した周波数とならないように、前記第1の変調周波数と第2の変調周波数とを選択することを特徴とする請求項2記載のサニャック干渉型光電流センサ。
- 測定対象の電流を測定する、センサ部分で誘起される光学的位相差が後記第2のオープン・ループ型のサニャック干渉型光電流センサのセンサ部分で誘起される位相差よりも大きい第1のオープン・ループ型のサニャック干渉型光電流センサと、
前記測定対象の電流を測定する、センサ部分で誘起される光学的位相差が前記測定対象の電流に対して−90°〜90°の範囲内に収まるように構成された第2のオープン・ループ型のサニャック干渉型光電流センサと、
前記第2のオープン・ループ型のサニャック干渉型光電流センサの出力を用いて、前記第1のオープン・ループ型のサニャック干渉型光電流センサの出力の大きさを制御する比較出力器と
を備えることを特徴とするサニャック干渉型光電流センサ。 - 光源と、前記光源から出た光を2分岐する光分岐手段と、前記光分岐手段の一方の分岐端を、第1の偏光子、前記第1の偏光子と方位角が略45°となる第1の光位相変調器、第1の遅延光学光路、第1の送光ファイバ、第1の1/4波長板、測定電流に対して周回設置された第1のセンサファイバと順次光学的に接続し、前記第1のセンサファイバの端部で前記第1のセンサファイバを通過してきた光を反射して再びセンサファイバ内に逆方向に伝播させる第1のミラーを配置してなる第1のセンサ部と、前記光分岐手段の他方の分岐端を、第2の偏光子、前記第2の偏光子と方位角が略45°となる第2の光位相変調器、第2の遅延光学光路、第2の送光ファイバ、第2の1/4波長板、前記測定電流に対して周回設置された第2のセンサファイバと順次光学的に接続し、前記第2のセンサファイバの端部で前記第2のセンサファイバを通過してきた光を反射して再びセンサファイバ内に逆方向に伝播させる第2のミラーを配置してなる第2のセンサ部と、前記第1の光位相変調器を第1の変調周波数で駆動する第1の光位相変調器駆動回路と、前記第2の光位相変調器を第2の変調周波数で駆動する第2の光位相変調器駆動回路と、前記第1及び第2のセンサファイバからの反射光を前記第1及び第2の1/4波長板、前記第1及び第2の送光ファイバ、前記第1及び第2の遅延光学光路、前記第1及び第2の光位相変調器、及び、前記第1及び第2の偏光子を介して上記光分岐手段で結合して取得する光検出器と、前記光検出器からの信号を前記第1の変調周波数で同期検波する第1の同期検波回路と、前記第1の同期検波回路の出力から測定電流値を演算する第1の電流演算回路と、前記光検出器からの信号を前記第2の変調周波数で同期検波する第2の同期検波回路と、前記第2の同期検波回路の出力から測定電流値を演算する第2の電流演算回路と、前記第2の電流演算回路の出力の大きさによって前記第1の電流演算回路の出力の大きさを制御する比較出力回路とを備えるサニャック干渉型光電流センサの信号処理方法であって、
前記第1のセンサファイバの測定電流に対する周回巻数を、前記第2のセンサファイバの測定電流に対する周回巻数よりも多く設定し、
前記第2のセンサファイバの往復光路で測定電流により生じる光の位相差の絶対値が90°を超えないように周回巻数を設定し、
前記第1の変調周波数と前記第2の変調周波数とを異なる周波数に設定する
ことを特徴とするサニャック干渉型光電流センサの信号処理方法。 - 測定対象の電流を測定する、センサ部分で誘起される光学的位相差が後記第2のオープン・ループ型のサニャック干渉型光電流センサのセンサ部分で誘起される位相差よりも大きい第1のオープン・ループ型のサニャック干渉型光電流センサと、前記測定対象の電流を測定する、センサ部分で誘起される光学的位相差が前記測定対象の電流に対して−90°〜90°の範囲内に収まるように構成された第2のオープン・ループ型のサニャック干渉型光電流センサとを備えるサニャック干渉型光電流センサの信号処理方法であって、
前記第2のオープン・ループ型のサニャック干渉型光電流センサの出力を用いて、前記第1のオープン・ループ型のサニャック干渉型光電流センサの出力の大きさを制御することを特徴とするサニャック干渉型光電流センサの信号処理方法。
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