JP2009221693A - ウレタン塗膜防水用補強布及びそれを用いたウレタン塗膜防水工法 - Google Patents

ウレタン塗膜防水用補強布及びそれを用いたウレタン塗膜防水工法 Download PDF

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Abstract

【課題】防水層として塗布されるウレタン塗膜の膜厚を目視で簡単に管理でき、作業員の技術・技能に頼らなくても一定値以上の膜厚で均一にウレタン塗膜を形成できるウレタン塗膜防水工法を提供すること、また、それを可能にするウレタン塗膜防水用補強布を提供すること。
【解決手段】ウレタン塗膜によって防水層を形成する際に用いられる補強布であって、塗布されるウレタン塗膜の膜厚が目視で管理できるように、該補強布の平均面に対して凸部を設けたことを特徴とするウレタン塗膜防水用補強布、かかるウレタン塗膜防水用補強布を用いたウレタン塗膜防水工法、及び、かかるウレタン塗膜防水工法を使用して形成された防水層。
【選択図】図1

Description

本発明は、ウレタン塗膜防水用補強布に関し、更に詳しくは、塗布されるウレタン塗膜の膜厚が目視で管理できるようにしたウレタン塗膜防水用補強布及びそれを用いたウレタン塗膜防水工法に関する。
建築物の屋上等の防水には、シ−ト防水工法と、ウレタン塗膜等を塗布形成する塗膜防水工法が適用されている(特許文献1)。このうち、塗膜防水工法は、強度や表面硬度が高く強靭であり、耐久性、寸法安定性等に優れているため、住宅ベランダ、屋上、バルコニー、駐車場等の床面等の防水に多用されている。
しかしながら、塗膜防水工法は、現場で作業員が対象物にウレタン防水材を塗布するため、その防水性能を大きく左右する膜厚の大小の調節や膜厚の均一性の確保は、完全に作業員の技術・技能に頼っているのが現状であった。
ウレタン防水材を塗布してウレタン塗膜を形成する際には、膜厚の均一性を確保したり、気泡の貫通による穴の形成を防止したりするために、一般に複数回に分けて塗布することが行われているが、このときの最終的な膜厚を、厚過ぎないという条件下で、しかも一定値以上に均一にすることは、一般的作業員にとっては難しいことであった。
防水層は、防水のために一定の厚さ以上に均一に設けられている必要があり、更に、建築確認等のために、一定の厚さ以上に設けられていることを容易に確認できたり、一定の厚さ以上に設けられていることを容易に他人に証明できたりする必要もある。しかしながら、ウレタン塗膜による防水層が一定の厚さ以上に設けられているか否かの検査は難しく、従って、一定値以上の膜厚に設けられていることの証明も難しかった。
一方、ウレタン塗膜によって防水層を形成する際に用いられる補強布は、ウレタン塗膜内に埋め込まれて、主に経時で発生する塗膜のひび割れを軽度に留めるために用いられているに過ぎなかった(特許文献2、3)。
建築物の屋上や壁の防水性能に対する要求は、ますます高くなってきているが、ウレタン塗膜による防水層の形成は、完全に作業員の技術・技能に頼っているのが現状であり、より簡単に定量的に防水層を形成できる方法が望まれていた。
特開昭60−065858号公報 特開2006−316613号公報 特開2007−231519号公報
本発明は上記背景技術に鑑みてなされたものであり、その課題は、防水層として塗布されるウレタン塗膜の膜厚を目視で簡単に管理でき、作業員の技術・技能に頼らなくても一定値以上の膜厚のウレタン塗膜を形成できるウレタン塗膜防水工法を提供することにあり、それを可能にするウレタン塗膜防水用補強布を提供することにある。
本発明者は、上記の課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、ウレタン塗膜内に埋め込まれる補強布の面に特定の凸部を設けることによって、塗布されるウレタン塗膜の膜厚が目視で容易に管理できるようになり、一定値以上の膜厚でウレタン塗膜が形成できることを見出して、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、ウレタン塗膜によって防水層を形成する際に用いられる補強布であって、塗布されるウレタン塗膜の膜厚が目視で管理できるように、該補強布の平均面に対して凸部を設けたことを特徴とするウレタン塗膜防水用補強布を提供するものである。
また、本発明は、上記のウレタン塗膜防水用補強布を用いることを特徴とするウレタン塗膜防水工法を提供するものである。
また、本発明は、上記のウレタン塗膜防水工法を使用して形成されたことを特徴とする防水層を提供するものである。
本発明によれば、防水層としてのウレタン塗膜の膜厚を目視で簡単に管理でき、作業員の技術・技能に頼らなくても、一定範囲内の膜厚で、特に一定値以上の膜厚で、均一にウレタン塗膜を形成することができるウレタン塗膜防水工法を提供することができる。また、ウレタン塗膜による防水層が一定の厚さ以上に設けられていることを容易に確認でき、また容易に発注者及び管理者に対してそれの証明ができる。また、本発明の補強布は、一般に用いられている補強布に代替して使用すればよいため、上記効果を得るために塗膜防水工法の工程数が増えることもない。
以下、本発明について説明するが、本発明は、以下の具体的形態に限定されるものではなく、技術的思想の範囲内で任意に変形することができる。
本発明のウレタン塗膜防水用補強布は、ウレタン塗膜によって防水層を形成する塗膜防水工法に用いられる(以下、単に「塗膜防水工法」ということがある)。塗膜防水工法はウレタン塗膜によって防水層を形成するものでありさえすれば以下に限定されるわけではないが、具体的には例えば、まず常法に従って下地調整処理を行い、プライマーをローラー、刷毛等を用いて例えば約0.2kg/m塗布し、次いでウレタン塗膜形成用のウレタン防水材を要すれば2液混合して調製し、それを例えば約0.4kg/m塗布し(これを、「下塗り」と略記する)、次いで補強布を貼り付け、次いでウレタン塗膜形成用のウレタン防水材を例えば約1.5kg/m塗布し(これを、「1層目塗布」と略記する)、その後塗布面をチェックし、ピンホールやクラックがあった場合には要すればそれらを所定の材料で充填し、次いでウレタン塗膜形成用のウレタン防水材を例えば約1.4kg/m塗布し(これを、「2層目塗布」と略記する)、次いで要すればトップコートを例えば約0.2kg/m塗布して完成させる。
特に限定はされないが、本発明の補強布が貼り付けられた後に、通常はウレタン防水材が1層目塗布され、その後通常2層目が塗布される。この2層目塗布の後の合計のウレタン塗膜の量が防水性を左右する。本発明は、最終的な合計のウレタン塗膜の量を、補強布の平均面に対して凸部を設けることによって、その凸部が初めて目視で確認できなくなる点又は目視で辛うじて確認できる点で判断する。補強布に設けられた凸部が目視で確認できなくなる最低膜厚が防水性確保のための最適膜厚になるように凸部の高さを調節しておけば、初めて凸部が目視で確認できなくなる膜厚までウレタン防水材を塗布すれば、それが防水のための最適膜厚となる。
上記の例では、補強布の上のウレタン塗膜は、1.5kg/m(1層目塗布)、1.4kg/m(2層目塗布)の、計2.9kg/m形成されている。例えばウレタン塗膜の比重を1.4g/cmとすると、2.9kg/m=0.29g/cmであるから、
[0.29g/cm]/[1.4g/cm]=0.21cm=2.1mm
の膜厚でウレタン塗膜は形成されていることになる。従って、例えば、2.1mmが防水のための最適膜厚である場合には、2.1mmのウレタン塗膜によって初めて補強布に設けられた凸部が目視で確認できなくなるように、又は、2.1mmのウレタン塗膜によって辛うじて見えるように凸部の高さを調節する。
防水のための最適膜厚は防水される対象により異なり、また水平面か垂直面かそれ以外の面かでも異なり、また、ウレタン塗膜の硬化物比重(密度)によっても異なるが、補強布の上に塗布されたウレタン塗膜の膜厚の合計が2〜5kg/mの範囲の1点の膜厚より厚く塗布されたとき初めて目視で上記凸部が確認できなくなるように凸部が設けられていることが好ましい。かかる閾値は、2〜5kg/mの範囲の1点が好ましく、1.8〜4.5kg/mの範囲の1点がより好ましく、1.7〜4kg/mの範囲の1点が特に好ましく、1.6〜3.5kg/mの範囲の1点が更に好ましい。
また、補強布の上に塗布されたウレタン塗膜の膜厚の合計が、平場(水平面)用では、1.5〜6mmの範囲の1点の膜厚より厚く塗布されたとき初めて目視で上記凸部が確認できなくなるように凸部が設けられていることが好ましい。かかる閾値は、1.5〜6mmの範囲の1点が好ましく、2〜5mmの範囲の1点がより好ましく、2.3〜4mmの範囲の1点が特に好ましく、2.7〜3.3mmの範囲の1点が規定を勘案すると更に好ましい。また、立ち上がり(垂直面)用では、1〜4mmの範囲の1点の膜厚より厚く塗布されたとき初めて目視で上記凸部が確認できなくなるように凸部が設けられていることが好ましい。かかる閾値は、1〜4mmの範囲の1点が好ましく、1.2〜3.4mmの範囲の1点がより好ましく、1.4〜2.8mmの範囲の1点が特に好ましく、1.7〜2.3mmの範囲の1点が規定を勘案すると更に好ましい。従って、補強布としては、平場(水平面)用のもの、立ち上がり(垂直面)用のものの少なくとも2種類があることが好ましい。
これより厚くなったときに初めて凸部が見えなくなるように凸部の高さが設定されていると、ウレタン塗膜の膜厚が厚くなり過ぎてコスト的に不利になる場合があり、これより薄い膜厚になったときに初めて凸部が見えなくなるように凸部の高さが設定されていると、ウレタン塗膜の膜厚が薄くなり過ぎて防水効果が得られない場合がある。なお、見えるか見えないかは、ウレタン防水材を全て塗布(又は2層目塗布)直後に判断しても、ウレタン防水材中の溶媒が蒸発し塗膜が硬化した後に判断してもよいが、塗布直後に判断することが膜厚の工程管理上好ましい。
1層目塗布直後には凸部が見えるが、2層目塗布直後には見えなくなるとき最適膜厚となるよう、凸部の高さ、色等を設定することが好ましい。また、ウレタン防水材を全て塗布(又は2層目塗布)した直後には凸部はもちろん見えないが、ウレタン防水材中の溶媒が蒸発し塗膜が硬化した後にも見えないように凸部の高さ等を設定することが特に好ましい。
上記凸部は、補強布の平均面に対して上部に出っ張るように設けられていれば、凸部の形状、位置、大きさ(太さ)、数、設置密度(間隔)、色(白黒、グレーも含む)、材質、設置方法(補強布への接着方法、織り込み方法等)等は特に限定はない。一般に、補強布は、織布又は不織布であるので、その表面に常法の設置方法に従って設けられる。凸部の形状、大きさ、数、設置密度、色等は、ウレタン塗膜の上からそれが見えるべき膜厚の場合にはよく見えるように、見えない方がよい膜厚の場合は見えないことが分かるように選択される。材質は特に限定はないが、補強布の材質と同じであることが、補強布の製造、取り扱い等の点で好ましい。
本発明の好ましい態様は、糸を織ってなる補強布であって、上記凸部が、補強布の平均面を構成する糸(A)より直径が太い糸(B)を補強布に織り込むことによって形成されているウレタン塗膜防水用補強布である。すなわち、織り込まれた糸(B)の方が、補強布を主に構成する糸(A)より太いことによって、糸(B)が上記の凸部に該当する。
図1に、本発明の好ましい態様の補強布の一例を上から見た模式図を示す。糸(A)が互いに直交するように織られている。糸(A)の太さには特に限定はなく、補強布の従来の目的である、ウレタン塗膜内に埋め込まれて主に塗膜に発生するひび割れを軽度に留める等のために最適な太さであればよい。例えば、0.1〜1mmの範囲が好ましく、0.2〜0.5mmの範囲が特に好ましい。
糸(A)の密度も補強布の従来の目的を達成するようになっていれば特に限定はないが、2本/インチ(12.7mmに1本の密度)〜30本/インチ(0.85mmに1本の密度)の間隔であることが好ましい。より好ましくは4〜20本/インチの間隔であり、特に好ましくは6〜15本/インチの間隔である。
糸(A)の材質は特に限定はなく、通常、補強布に用いられているものが用いられる。例えば、ガラス(繊維)等の無機物;ポリエステル、ポリビニルホルマール、ポリビニルアセタール、ポリアミド、ポリプロピレン等の有機物ポリマー等が好ましい。
図1及び図2には、凸部として特に好ましい態様が示されている。すなわち、糸(A)よりも太いことにより凸部を形成する糸(B)が、ある一定間隔で糸(A)に代わって織り込まれている。糸(B)自体が上記した凸部に該当する。
凸部を形成する糸(B)の太さは、凸部が見えるべき膜厚の場合にはウレタン塗膜の上から見えるように、見えない方がよい膜厚の場合には見えないことが分かるように決められる。すなわち、上記した防水のための指定された膜厚にした時に初めて見えなくなる太さに設定する。そのために、糸(B)の太さは特に限定はないが、0.2〜1.2mmの範囲が好ましく、0.3〜1mmの範囲がより好ましく、0.4〜0.7mmの範囲が特に好ましい。
ウレタン防水材を全て塗布した直後には糸(B)は見えないが、ウレタン防水材中の溶媒が蒸発し塗膜が硬化した後には、辛うじて見えるように糸(B)の太さを設定することも好ましい。また、1層目塗布だけでは気泡の貫通や流動による膜厚の不均一が生じる場合があるので、2層目塗布が通常は行われる。その場合、1層目塗布直後では見えるが、2層目塗布直後には見えなくなるように塗布することも好ましい。糸(B)の太さは、防水性確保のためにウレタン塗膜に必要な膜厚を勘案して決められる。
補強布の製造、取り扱いの点から、上記糸(B)の直径は、上記糸(A)の直径の1.2倍〜3倍であることが好ましく、1.3倍〜2倍であることが特に好ましい。糸(B)の原料として、例えば綿番手10番のものを用いた場合、その撚り数は1〜6本が好ましく、2〜5本がより好ましく、2〜3本が特に好ましい。
糸(B)の織り込まれる密度は、防水のための最適膜厚にした時に初めて見えなくなる又は辛うじて見えることが分かる程度に設定すれば特に限定はないが、0.05本/インチ(500mmに1本の密度)〜15本/インチ(1.7mmに1本の密度)の間隔であることが好ましい。より好ましくは0.1〜10本/インチの間隔であり、特に好ましくは0.25〜5本/インチの間隔であり、更に好ましくは0.5〜5本/インチの間隔である。図1、図2(a)、図2(c)は100mmに1本(0.25本/インチ)、図2(b)は50mmに1本(0.5本/インチ)の間隔(密度)で織り込まれている。
糸(B)は、図1、図2(c)のように、糸(B)同士が直交するように(格子になるように)、糸(A)に代わって織り込まれていてもよく、図2(a)、図2(b)のように、糸(B)同士が平行して、糸(A)に代わって織り込まれていてもよい。施工現場で補強布を切る時の作業性、また補強布製造の容易さを考慮して、糸(B)同士が平行して織り込まれている方が好ましい。
上記糸(A)又は糸(B)が2〜30本/インチの間隔で直交して織られており、そのうち上記糸(B)は0.2〜15本/インチの間隔で互いに平行に又は互いに直交して織り込まれているウレタン塗膜防水用補強布が特に好ましい。
「糸(A)よりも太いことにより凸部を形成する糸(B)」の色(白黒、グレーも含む)は特に限定はないが、使用するウレタン防水材の色以外の色であることが好ましい。ウレタン防水材は通常はグレーであるため、糸(B)は目視で確認し易いようにグレー以外の色であることが好ましい。
糸(B)の材質は特に限定はないが、例えば、ガラス、ポリエステル、ポリビニルホルマール、ポリビニルアセタール、ポリアミド及びポリプロピレンからなる群より選ばれた材質が好ましい。糸(B)の材質は、糸(A)の材質と同じでも異なっていてもよいが、同じであることが補強布の製造の容易さの点からは好ましい。糸(B)を糸(A)に代えて織り込む方法は特に限定はなく、公知の方法が用いられる。
以下に、実施例及び比較例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限りこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1
補強布として、糸(A)の厚さすなわち直径が0.5mmで、糸(A)が13本/インチの間隔(2mmに1本の割合)で直行して織られている織布であり、図1及び図2(c)に示すように、糸(B)が0.25本/インチの間隔(100mmに1本の割合)で、互いに直交して織り込まれているものを用いた。糸(B)の直径は0.7mmである。
糸(A)も糸(B)もポリエステル繊維からなり、補強布全体として70g/mである。また、糸(A)は白色、糸(B)は目視し易いように黒色である。すなわち、直径が糸(A)より大きく黒い糸(B)が100mmの間隔で格子状に織り込まれた補強布を用いた。
ウレタン防水材として、JIS A 6021 1類適合品の平場用のコスミックプロ12(ユープレックス株式会社製)を、主剤1質量部に対して硬化剤2質量部の割合で混合して用いた。色はグレーである。硬化物比重は1g/cmとして、「mm」と「kg/m」の間を換算した。
試験体は、透明塩ビ板(220mm×120mm×2mm)の周囲にバックアップ材(10mm×5mm)で土手を作り、有効塗布面積が200mm×100mm(0.02m)となるように作成した。
上記透明塩ビ板の上に、上記ウレタン防水材を0.3mmで下塗りし、その上から上記補強布を貼り付けた。次いで、上記ウレタン防水材を、黒色の糸(B)を覆うように1層目塗布をした。その1層目塗布の膜厚は1.7mmであった。硬化後、上記ウレタン防水材を、黒色の糸(B)の跡が目視で確認できなくなる膜厚で、金鏝で2層目塗布をした。2層目塗布の結果が1.0mmの膜厚であった。これらによって、ウレタン塗膜の膜厚の合計が3.0mmとなった。
36時間20℃で放置して防水層を得た。36時間20℃で放置してウレタン塗膜を硬化させた後も、黒色の糸(B)が目視でぎりぎり確認できなかった。ウレタン塗膜の膜厚の合計(防水層全体の膜厚に等しい)は、針貫入式厚さ計で3個所計測しその平均値をとった。
上記硬化後のウレタン塗膜の膜厚の合計は、防水効果とコストとのバランスが最もとれた値の範囲であった。作業者の特別の技術・技能に頼らなくても、最適膜厚のウレタン塗膜が得られ、最適の厚さで防水層が形成できることが分かった。
実施例2
実施例1において、上記ウレタン防水材を1.1mmで1層目塗布をした後、実施例1と同様に目視観察をしながら防水層を得た。その結果、補強布の上の塗布量は、合計で3.0mmとなった。
上記硬化後のウレタン塗膜の膜厚の合計は、防水効果とコストとのバランスが最もとれた値の範囲であった。作業者の特別の技術・技能に頼らなくても、最適膜厚のウレタン塗膜が得られ、最適の厚さで防水層が形成できることが分かった。
実施例3
実施例1において、補強布を図1及び図2(c)に示すものから、図2(a)に示すものに代えた以外は実施例1と同様にして防水層を得た。図2(a)に示す補強布は糸(B)が格子状ではなく平行に織り込まれているものであり、糸(A)と糸(B)の太さ、その間隔等は実施例1と同じものである。
実施例1と同様の補強布の上の塗布量と硬化後の防水層全体の膜厚が得られた。それらは、防水効果とコストとのバランスが最もとれた値の範囲であった。作業者の特別の技術・技能に頼らなくても、最適膜厚のウレタン塗膜が得られ、最適の厚さで防水層が形成できることが分かった。更に、糸(B)が格子状ではなく平行に織り込まれているため、コストもかからず、現場で適当の大きさにカットすることがより容易であった。
実施例4
実施例1において、補強布を図1及び図2(c)に示すものから、図2(b)に示すものに代えた以外は実施例1と同様にして防水層を得た。図2(a)に示す補強布は、糸(B)が0.51本/インチの間隔(50mmに1本の割合)で、並行して織り込まれているものを用いた。糸(A)と糸(B)の太さ、材質等は実施例1と同じものである。
実施例1と同様の補強布の上の塗布量と硬化後の防水層全体の膜厚が得られた。それらは、防水効果とコストとのバランスが最もとれた値の範囲であった。作業者の特別の技術・技能に頼らなくても、最適膜厚のウレタン塗膜が得られ、最適の厚さで防水層が形成できることが分かった。更に、糸(B)が格子状ではなく平行に織り込まれており、また間隔も約半分であるため、現場で適当の大きさにカットすることが容易であり、また目視で見えなくなる点をより確認し易かった。
実施例5
実施例1において、糸(A)と糸(B)の材質はポリエステル繊維のままで、糸(A)を14番手の糸にし、10番手の糸を3本撚って、直径0.5mmの糸(B)とした以外は実施例1と同様の補強布を用い、同様にして防水層を得た。
2層目塗布直後は黒色の糸(B)は目視でぎりぎり確認できなかったが、36時間20℃で放置してウレタン塗膜が硬化した後は、黒色の糸(B)が目視で辛うじて確認できた。そのウレタン塗膜の厚さは、防水効果とコストとのバランスが最もとれた範囲のものであった。作業者の特別の技術・技能に頼らなくても、最適膜厚のウレタン塗膜が得られ、最適の厚さで防水層が形成できることが分かった。
実施例6
実施例5において、10番手の糸を2本撚って、直径0.4mmの糸(B)とした以外は実施例5と同様に防水層を得た。
2層目塗布直後は黒色の糸(B)は目視でぎりぎり確認できなかったが、36時間20℃で放置してウレタン塗膜が硬化した後は、黒色の糸(B)が目視で辛うじて確認できた。そのウレタン塗膜の膜厚は、防水効果とコストとのバランスが最もとれたものであった。作業者の特別の技術・技能に頼らなくても、最適膜厚のウレタン塗膜が得られ、最適の厚さで防水層が形成できることが分かった。
実施例7
実施例1において用いた補強布に代えて、ポリエステル繊維でできた不織布を用い、糸(B)を織り込む代わりに、薄手の不織布にのり付きのクロスを張り合わせて凸部を形成させた補強布を用いた。凸部の不織布平均面からの高さは、0.38mmであった。
実施例1と同様にウレタン塗膜を形成させたところ、それらは、防水効果とコストとのバランスが最もとれた値の範囲であった。作業者の特別の技術・技能に頼らなくても、最適膜厚のウレタン塗膜が得られ、最適の厚さで防水層が形成できることが分かった。
比較例1
実施例1において、糸(B)が織り込まれていない補強布を用いた以外は実施例1と同様に防水層を得ようとしたが、金ゴテで2層目塗布をする際、膜厚を決める基準がなく、特別の技術・技能を持った作業者でなければ、最適の膜厚を有するウレタン塗膜が得られなかった。その結果として、薄すぎて防水効果が不足したり、ウレタン塗膜に穴が生じ易くなったりした。一方、ウレタン塗膜が厚過ぎて、高価なウレタン防水材を無駄に使用してしまった個所もあった。
本発明の補強布を用いたウレタン塗膜による防水層は、膜厚の制御が容易なため、特別な技術・技能を有する作業者でなくても防水加工ができるので、住宅ベランダ、屋上、バルコニー、駐車場等の床面等、防水が必要な分野に広く利用されるものである。
本発明の補強布の一例を示す図であり、糸(B)が1本/100mmの間隔で格子状に織り込まれているものである(実施例1)。 本発明の補強布の一例を示す写真である。 (a)実施例3で使用した補強布で、糸(B)が1本/100mmの間隔で並行して織り込まれているもの (b)実施例4で使用した補強布で、糸(B)が1本/50mmの間隔で並行して織り込まれているもの (c)実施例1で使用した補強布で、糸(B)が1本/100mmの間隔で格子状に織り込まれているもの
符号の説明
1 補強布
2 糸(A)
3 糸(B)(凸部を形成)

Claims (10)

  1. ウレタン塗膜によって防水層を形成する際に用いられる補強布であって、塗布されるウレタン塗膜の膜厚が目視で管理できるように、該補強布の平均面に対して凸部を設けたことを特徴とするウレタン塗膜防水用補強布。
  2. 糸を織ってなる補強布であって、上記凸部が、補強布の平均面を構成する糸(A)より直径が太い糸(B)を補強布に織り込むことによって形成されている請求項1記載のウレタン塗膜防水用補強布。
  3. 上記糸(B)の直径が0.2mm〜1.2mmの範囲である請求項2記載のウレタン塗膜防水用補強布。
  4. 上記糸(B)の直径が、上記糸(A)の直径の1.2倍〜3倍である請求項2又は請求項3記載のウレタン塗膜防水用補強布。
  5. 上記糸(A)と糸(B)が2〜30本/インチの間隔で直交して織られており、そのうち上記糸(B)は0.05〜15本/インチの間隔で互いに平行に又は互いに直交して織り込まれている請求項2ないし請求項4の何れかの請求項記載のウレタン塗膜防水用補強布。
  6. 補強布の上に塗布されたウレタン塗膜の膜厚の合計が、平場用では2〜5mmの範囲の1点の膜厚、立ち上がり用では1.2〜3.4mmの範囲の1点の膜厚より厚く塗布されたとき初めて目視で上記凸部が確認できなくなるように凸部が設けられている請求項1ないし請求項5の何れかの請求項記載のウレタン塗膜防水用補強布。
  7. 補強布の上に塗布されたウレタン塗膜の膜厚の合計が2〜5kg/mの範囲の1点の膜厚より厚く塗布されたとき初めて目視で上記凸部が確認できなくなるように凸部が設けられている請求項1ないし請求項5の何れかの請求項記載のウレタン塗膜防水用補強布。
  8. ガラス、ポリエステル、ポリビニルホルマール、ポリビニルアセタール、ポリアミド及びポリプロピレンからなる群より選ばれた材質で構成される請求項1ないし請求項7の何れかの請求項記載のウレタン塗膜防水用補強布。
  9. 請求項1ないし請求項8の何れかの請求項記載のウレタン塗膜防水用補強布を用いることを特徴とするウレタン塗膜防水工法。
  10. 請求項9記載のウレタン塗膜防水工法を使用して形成されたことを特徴とする防水層。
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