JP2009220766A - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents

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茂樹 長瀬
Takeshi Ueda
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Abstract

【課題】コストの低減を図りながら、昇圧回路の故障時の延命制御も実現する。
【解決手段】三相ブラシレスモータからなる電動モータMを制御するためのコントローラ10は、モータ駆動回路12と、各相のプリドライバ15U,15V,15Wと、第1および第2昇圧回路21,22とを備えている。モータ駆動回路12は、ハイサイドスイッチング素子32U,32V,32Wとローサイドスイッチング素子33U,33V,33Wとの直列回路31U,31V,31Wを電動モータMのU相、V相およびW相に対応して3個備えている。これらの直列回路31U,31V,31Wのスイッチング素子に各相のプリドライバ15U,15V,15Wがそれぞれ接続されている。第1および第2昇圧回路21,22が生成した電圧のうちいずれか高い方の電圧が、ダイオードOR回路41によって選択され、各相のプリドライバ15U,15V,15Wに共通に与えられる。
【選択図】図2

Description

この発明は、電動モータが発生する駆動力をステアリング機構に伝達して操舵補助する電動パワーステアリング装置に関する。
従来から、車両のステアリング機構に電動モータが発生するトルクを伝達することにより、操舵の補助を行う電動パワーステアリング装置が用いられている。電動モータは、ステアリングホイールに加えられた操舵トルクや車速に応じて定められた目標電流値に基づいて駆動制御されるようになっている。
電動モータを駆動制御するための電子制御ユニット(ECU)は、電動モータに電力を供給するモータ駆動回路と、電動モータに流れるモータ電流を検出する電流検出回路と、目標電流を定めるとともにモータ電流が目標電流値に近づくようにモータ駆動回路をフィードバック制御する制御回路とを備えている。
モータ駆動回路は、たとえば、パワーMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)からなる複数のスイッチング素子をブリッジ接続して構成されている。たとえば、三相ブラシレスモータを用いる場合には、モータ駆動回路は、電源の高電位側および低電位側にそれぞれ接続されたハイサイド(上アーム)のスイッチング素子とローサイド(下アーム)スイッチング素子との直列回路を、3個並列に接続して構成される。
下記特許文献1には、各相のスイッチング素子を駆動するために個別にドライバ回路(いわゆるプリドライバ)が設けられ、各ドライバ回路に対応して昇圧回路が備えられた構成が示されている。昇圧回路は、車載バッテリが発生する電源電圧を昇圧する。これにより、各相のハイサイドのスイッチング素子のゲートに、昇圧された電圧が印加されるようになっている。
特開2004−322863号公報
前述の先行技術の構成では、各相のドライバ回路に個別に昇圧回路を設ける構成であるため、コスト高となる問題がある。
この問題は、一つの昇圧回路から各相のドライバ回路に昇圧された電圧を共通に与える構成とすれば解決できると考えられる。
しかし、このような構成とすると、昇圧回路に故障が生じたときに、モータの駆動を続けることができなくなり、いわゆる延命制御を行うことができない。
そこで、この発明の目的は、コストの低減を図りながら、昇圧回路の故障時の延命制御も可能な電動パワーステアリング装置を提供することである。
上記の目的を達成するための請求項1記載の発明は、複数相のモータ(M)が発生する駆動力により操舵補助する電動パワーステアリング装置であって、スイッチング素子(32U,32V,32W)からなる上アームとスイッチング素子(33U,33V,33W)からなる下アームとの直列回路(31U,31V,31W)を前記モータの複数相に対応して複数個備え、この複数の直列回路を並列接続して構成されるモータ駆動回路(12)と、前記複数の直列回路のスイッチング素子にそれぞれ接続された複数の各相ドライバ(15U,15V,15W)と、複数の昇圧回路(21,22)と、この複数の昇圧回路が生成した電圧のうち最も高い電圧を前記複数の各相ドライバに共通に出力する電圧選択手段(41)とを含む、電動パワーステアリング装置である。なお、括弧内の英数字は後述の実施形態における対応構成要素等を表す。以下、この項において同じ。
この構成によれば、モータの複数相にそれぞれ対応した複数の直列回路のスイッチング素子を駆動するために、相毎に各相ドライバが設けられている。一方、複数の昇圧回路が設けられていて、この複数の昇圧回路が生成する電圧のうち最も高い電圧が、電圧選択手段によって選択されて前記複数の各相ドライバに共通に与えられる。
したがって、複数の各相ドライバが昇圧回路を共有する構成であるため、いずれかの昇圧回路に故障が生じた場合であっても、故障の生じていない昇圧回路からの電圧が各相ドライバに与えられる。これにより、いずれかの昇圧回路に故障が生じても、モータの駆動を継続することができ、いわゆる延命制御を行うことができる。しかも、個々の各相ドライバに対して1つの昇圧回路を設けるのではなく、複数の各相ドライバが複数の昇圧回路を共有する構成であるので、相数よりも少ない数(たとえば、2個)の昇圧回路を設ければよい。そのため、コストの低減を併せて図ることができる。
たとえば、三相以上のモータの場合に、モータ駆動回路はその相数分の直列回路を持ち、これに対応して、その相数分の各相ドライバが設けられる。この場合に、2つの昇圧回路を設け、この2つの昇圧回路が生成する電圧のうちの最も高い電圧を当該相数分の各相ドライバに共通に与えればよい。
請求項2記載の発明は、前記電圧選択手段は、前記複数の昇圧回路と各相ドライバとの間にそれぞれ順方向接続された複数のダイオード(18,19)を含む、請求項1記載の電動パワーステアリング装置である。
この構成によれば、いわゆるダイオードOR回路(41)が形成されており、このダイオードOR回路によって、複数の昇圧回路の生成電圧のうち最も高いものが選択され、複数の各相ドライバに共通に与えられる。こうして、簡単な構成で、電圧選択手段を構成することができるので、コストの低減に有利である。
請求項3記載の発明は、前記複数の昇圧回路が生成する電圧を監視する電圧監視手段(20)をさらに含む、請求項1または2記載の電動パワーステアリング装置である。
この構成により、昇圧回路が生成する電圧を監視することで、昇圧回路の故障を監視することができる。
たとえば、電圧監視手段がいずれかの昇圧回路の生成電圧の異常を検出したときに、警報を発生する警報発生手段(17)がさらに設けられていてもよい。これにより、使用者に対して修理を促すことができ、昇圧回路が故障状態のままで、電動パワーステアリング装置が継続使用されることを回避できる。
請求項4記載の発明は、各相の前記各相ドライバから前記モータまでの故障を検出する故障検出手段(11a)と、この故障検出手段によって故障が検出された相について、前記モータ駆動回路と前記モータとの接続を切り離す切断手段(13U,13V,13W)と、前記故障検出手段がいずれの相の故障も検出していないときに、前記モータ駆動回路を第1の態様で制御する一方、前記故障検出手段がいずれかの相の故障を検出しているときに、前記切断手段によって切り離されていない正常な相の前記直列回路を前記第1の態様とは異なる第2の態様で制御する制御手段(11)とを含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の電動パワーステアリング装置である。
この構成によれば、故障検出手段は各相の故障を検出する。相の故障とは、モータ駆動回路の各相の直列回路の故障、各相ドライバの故障、モータとモータ駆動回路との間の給電線(26U,26V,26W)の故障(断線故障および短絡故障)、その他、各相ドライバからモータの対応する相の間で生じる故障をいう。
いずれかの相の故障が生じると、切断手段によって、当該故障した相について、モータ駆動回路とモータとの間の接続が切り離される。そして、切断手段によって切断されていない正常な相の直列回路(スイッチング素子の直列回路)を、通常時とは異なる態様で制御することによって、モータが駆動される。こうして、いずれかの相に故障が生じたときには、当該故障が生じた相について、モータ駆動回路とモータとの間の接続を切断し、残余の正常な相の制御によって、いわゆる延命制御を行うことができる。
以下では、この発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、この発明の一実施形態に係る電動パワーステアリング装置の電気的構成を示すブロック図である。車両の操向のための操作手段としてのステアリングホイール1に加えられた操舵トルクは、ステアリングシャフト2を介して、ステアリング機構3に機械的に伝達される。ステアリング機構3には、電動モータMからの操舵補助力が、減速機構(図示せず)を介して、またはダイレクトドライブ方式によって、伝達されるようになっている。電動モータMは、たとえば、三相ブラシレスDCモータである。
ステアリングシャフト2は、ステアリングホイール1側に結合された入力軸2Aと、ステアリング機構3側に結合された出力軸2Bとに分割されていて、これらの入力軸2Aおよび出力軸2Bは、トーションバー4によって互いに連結されている。トーションバー4は、操舵トルクに応じてねじれを生じるものであり、このねじれの方向および量は、トルクセンサ5によって検出されるようになっている。
トルクセンサ5は、たとえば、入力軸2Aと出力軸2Bとの回転方向の位置関係の変化に応じて変化する磁気抵抗を検出する磁気式のもので構成されている。このトルクセンサ5の出力信号は、モータ制御装置としてのコントローラ10(ECU:電子制御ユニット)に入力されている。
コントローラ10には、トルクセンサ5の出力信号のほかに、車速センサ6が出力する車速信号が入力されている。コントローラ10は、トルクセンサ5によって検出される操舵トルクおよび車速センサ6によって検出される車速に応じて、目標電流値を定め、操舵トルクおよび車速に応じた操舵補助力がステアリング機構3に与えられるように、電動モータMを駆動制御する。コントローラ10は、車両の電装品に電力を供給する電源としての車載バッテリ8からの電力を電動モータMに供給することによって、この電動モータMを駆動制御する。
図2は、コントローラ10の電気的構成を説明するためのブロック図である。コントローラ10は、マイクロコンピュータからなる制御回路11と、モータ駆動回路12と、リレー13U,13V,13Wと、電流検出回路14と、プリドライバ15U,15V,15Wと、フェールセーフリレー16と、警報発生回路17と、第1および第2ダイオード18,19と、電圧監視回路20と、第1および第2昇圧回路21,22とを備えている。
電動モータMは、この実施形態では、三相ブラシレスDCモータであり、U相巻線25U、V相巻線25VおよびW相巻線25Wを備えている。U相巻線25Uとモータ駆動回路12との間はU相給電線26Uで接続されており、V相巻線25Vとモータ駆動回路12との間はV相給電線26Vで接続されており、W相巻線25Wとモータ駆動回路12との間はW相給電線26Wで接続されている。U相給電線26U、V相給電線26VおよびW相給電線26Wには、U相リレー13U、V相リレー13VおよびW相リレー13Wがそれぞれ介装されている。これらのリレー13U,13V,13Wは、制御回路11によって開閉制御されるようになっている。
モータ駆動回路12には、電源としての車載バッテリ8からの電力が給電ライン27を介して供給されるようになっている。この給電ライン27に、フェールセーフリレー16が介装されている。このフェールセーフリレー16は、制御回路11によって制御されるようになっている。フェールセーフリレー16と、モータ駆動回路12との間には、ノイズを除去して電源電圧を平滑化するためのフィルタ回路28が設けられている。このフィルタ回路28は、給電ライン27に直列に介装されたコイル29と、このコイル29とモータ駆動回路12との間において、モータ駆動回路12に並列に接続された平滑化コンデンサ30とを有している。
モータ駆動回路12は、U相直列回路31Uと、V相直列回路31Vと、W相直列回路31Wとを、給電ライン27に対して並列接続して構成されている。U相直列回路31Uは、給電ライン27側の上アームを構成するハイサイドスイッチング素子32Uと、接地ライン36側の下アームを構成するローサイドスイッチング素子33Uと、電流検出用抵抗34Uとを直列接続して構成され、スイッチング素子32U,33U間の接続点35Uが、U相給電線26Uを介してU相巻線25Uに接続されている。V相直列回路31Vは、給電ライン27側の上アームを構成するハイサイドスイッチング素子32Vと、接地ライン36側の下アームを構成するローサイドスイッチング素子33Vと、電流検出用抵抗34Vとを直列接続して構成され、スイッチング素子32V,33V間の接続点35Vが、V相給電線26Vを介してV相巻線25Vに接続されている。W相直列回路31Wは、給電ライン27側の上アームを構成するハイサイドスイッチング素子32Wと、接地ライン36側の下アームを構成するローサイドスイッチング素子33Wと、電流検出用抵抗34Wとを直列接続して構成され、スイッチング素子32W,33W間の接続点35Wが、W相給電線26Wを介してW相巻線25Wに接続されている。
電流検出回路14は、電流検出用抵抗34U,34V,34Wで生じる電圧降下を検出することによって、各相の相電流を表す電流信号を生成する。この電流信号は、制御回路11に与えられるようになっている。
プリドライバ15U,15V,15Wは、個別のIC(集積回路)で構成されている。すなわち、U相、V相およびW相の直列回路31U,31V,31Wにそれぞれ対応するU相プリドライバ15U、V相プリドライバ15VおよびW相プリドライバ15Wが設けられている。これらのプリドライバ15U,15V,15Wには、制御回路11からのオン/オフ制御信号が入力されるようになっている。このオン/オフ制御信号は、モータ駆動回路12を構成するスイッチング素子32U,32V,32W,33U,33V,33WをPWM(パルス幅変調)駆動するための制御信号(PWM制御信号)である。このオン/オフ制御信号に応じて、プリドライバ15U,15V,15Wは、スイッチング素子32U,32V,32W,33U,33V,33Wを駆動するための信号を生成する。
すなわち、U相プリドライバ15Uは、U相直列回路31Uのスイッチング素子32U,33Uのゲートにオン/オフ駆動(より具体的にはPWM駆動)のための駆動信号を入力する。また、V相プリドライバ15Vは、V相直列回路31Vのスイッチング素子32V,33Vのゲートにオン/オフ駆動(より具体的にはPWM駆動)のための駆動信号を入力する。同様に、W相プリドライバ15Wは、W相直列回路31Wのスイッチング素子32W,33Wのゲートにオン/オフ駆動(より具体的にはPWM駆動)のための駆動信号を入力する。
ハイサイドスイッチング素子32U,32V,32Wを駆動するための高電圧を得るために、各相のプリドライバ15U,15V,15Wには、第1昇圧回路21または第2昇圧回路22からの高電圧が共通に与えられるようになっている。これにより、ハイサイドスイッチング素子32U,32V,32Wのゲートには、比較的高い制御電圧(車載バッテリ8の電圧よりも高い電圧)が与えられ、ローサイドスイッチング素子33U,33V,33Wのゲートには、それよりも低い制御電圧が与えられるようになっている。
第1および第2昇圧回路21,22は、それぞれ、たとえばチャージポンプ回路で構成されており、車載バッテリ8からの給電を受けて、車載バッテリ8の出力電圧よりも高い高電圧を生成するように構成されている。
第1昇圧回路21は、第1ダイオード18を介して高電圧ライン40に接続されている。また、第2昇圧回路22は、第2ダイオード19を介して高電圧ライン40に接続されている。したがって、第1および第2ダイオード18,19は、ダイオードOR回路41を形成しており、第1および第2昇圧回路21,22が生成する高電圧のうち、いずれか高い方の高電圧が高電圧ライン40に現れることになる。
一方、高電圧ライン40は、3つのプリドライバ15U,15V,15Wに共通に接続されている。したがって、ダイオードOR回路41で選択されて高電圧ライン40に導出される高電圧は、3つのプリドライバ15U,15V,15Wに共通に与えられるようになっている。
この構成により、第1および第2昇圧回路21,22のいずれか一方に故障が生じたときには、正常な他方の昇圧回路が生成する高電圧が高電圧ライン40を介してプリドライバ15U,15V,15Wに共通に与えられる。これにより、一つの昇圧回路が故障しても、他方の昇圧回路を用いて、電動モータMの駆動を継続することができ、電動パワーステアリング装置の延命制御が可能になる。
電圧監視回路20は、第1および第2昇圧回路21,22がそれぞれ生成する高電圧を監視している。そして、いずれかの昇圧回路21,22が生成する高電圧が所定の閾値電圧以下になると、制御回路11に対して、異常発生(昇圧回路の異常)を通知する。この通知を受けて、制御回路11は、警報発生回路17を作動させる。警報発生回路17は、たとえば、車両のインスツルメントパネル内の警告灯を点灯させるものであってもよい。
制御回路11は、トルクセンサ5によって検出される操舵トルクおよび車速センサ6によって検出される車速に基づいて、電動モータMから発生させるべきトルクに対応する目標電流値を設定する。一方、制御回路11は、電流検出回路14から、各相の検出電流値を取り込み、この検出電流値が目標電流値に一致するようにフィードバック制御を実行する。より具体的には、たとえば、目標電流値と検出電流値との偏差を求め、この偏差に対する比例積分制御を行って、電動モータMに印加すべきモータ電圧指示値を求める。そして、制御回路11は、そのモータ電圧指示値に対応するデューティ比のPWM制御信号を生成し、各相のプリドライバ15U,15V,15Wに与える。
これにより、各相のプリドライバ15U,15V,15WがPWM制御信号に応じてオン/オフする。その結果、モータ駆動回路12のスイッチング素子32U,32V,32W,33U,33V,33Wの各ゲートに動作用の電圧が与えられ、これらのスイッチング素子が前記PWM制御信号に対応するオン/オフ動作を行うことになる。その結果、モータ電圧指示値に対応した電圧が各相の巻線25U,25V,25Wに印加されることになる。これにより、電動モータMがトルクを発生すると、これが操舵補助力としてステアリング機構3(図1参照)に伝達される。
一方、制御回路11は、電流検出回路14から与えられる各相の検出電流値に基づいて、各相の故障の有無を判断する故障検出動作を実行する故障検出部11aを有している。故障検出部11aは、制御回路11がプログラムを実行することによってソフトウェア的に実現される機能実現手段であってもよい。故障検出部11aが実行する故障検出動作は、たとえば、各相の目標電流値と各相の検出電流値との偏差が所定の故障閾値を超えたときに、当該相に故障が生じていると判定する動作であってもよい。また、各相の給電線26U,26V,26Wに導出される電圧を監視する電圧監視回路(図示せず)を設け、この電圧監視回路によって検出される各相電圧に基づいて故障の検出を行う構成としてもよい。たとえば、モータ指示電圧と各相電圧とを比較し、それらの偏差が所定の故障閾値を超えたときに、当該相に故障が生じていると判定するようにしてもよい。
故障検出動作において検出対象となる各相の故障は、以下の故障を含む。
ア.各相のプリドライバ15U,15W,15Vの故障
イ.各相のスイッチング素子32U,33U;32V,33V;32W,33Wの故障
ウ.各相の給電線26U,26V,26Wの故障(短絡および断線)
(過大な電流が検出されれば短絡故障、電流なしの状態なら断線故障)
制御回路11は、いずれの相にも故障が生じていない通常時には、U相リレー13U、V相リレー13VおよびW相リレー13Wをいずれも閉成状態に保持する。一方、いずれかの相に故障が生じると、制御回路11は、警報発生回路17に警報発生動作を行わせるとともに、当該相に対応したリレー13U,13V,13Wを開成し、当該相の巻線25U,25V,25Wとモータ駆動回路12との間の接続を切り離す。これにより、電動モータMの逆起電力による回生ブレーキが生じないようにされる。そして、制御回路11は、正常な2相の巻線に対して電圧を印加し、操舵補助を継続するための延命制御を行う。
この延命制御について、次に説明する。
三相ブラシレスモータ(電動モータM)の出力トルクTは、次式(1)で表される。
T=eu×iu+ev×iv+ew×iw ……(1)
eu……U相基準無負荷起電力
ev……V相基準無負荷起電力
ew……W相基準無負荷起電力
iu……U相電流
iv……V相電流
iw……W相電流
基準無負荷起電力は、歪みのないきれいな波形(正弦波)であれば、次式(2)で表される。
eu=E×sinθ
ev=E×sin(θ−120°) ……(2)
ew=E×sin(θ+120°)
Eは定数、θは電動モータMの位相角(電気角)
そこで、各相電流を次式(3)に従って印加する。
iu=I×sinθ
iv=I×sin(θ−120°) ……(3)
iw=I×sin(θ+120°)
Iは電流の大きさ
すると、次式(4)から理解されるとおり、トルクTを電流の大きさIで制御することができる。
T=E×sinθ×I×sinθ
+E×sin(θ−120°)×I×sin(θ−120°)
+E×sin(θ+120°)×I×sin(θ+120°)
=EI×{sin2θ+sin2(θ−120°)+sin2(θ+120°)}
=3/2×EI ……(4)
たとえば、U相が故障した場合を考える。
この場合、U相リレー13Uを開成すると、U相巻線25Uへの電流印加ができなくなる。そのため、前記式(1)は、次式(5)のとおりとなる。
T=eu×0+ev×iv+ew×iw
=ev×iv+ew×iw ……(5)
また、電動モータMに流れ込む電流と流れ出す電流は等しいから次式(6)が成立する。
iv=−iw ……(6)
よって、前記式(2)(5)(6)から、次式(7)を得る。
T=E×sin(θ−120°)×iv+E×sin(θ+120°)×(−iv)
=E×√3×sin(θ−90°)×iv ……(7)
つまり、出力すべきトルクTに応じて、V相電流およびW相電流を次式(8)(9)にそれぞれ従って印加すればよいことが分かる。
iv=T/{E×√3×sin(θ−90°)} ……(8)
iw=−iv=−T/{E×√3×sin(θ−90°)} ……(9)
ただし、sin(θ−90°)≠0
この場合のV相電流およびW相電流の波形を図示すると、図3のとおりとなり、一定のトルクが得られることが分かる。
図3から理解されるとおり、位相角(電気角)θが90度の付近および270度の付近では、電流の大きさが無限大に近づく。しかし、実際に印加することができる電流の大きさには制限がある。
そこで、V相電流ivおよびW相電流iwを次のように定めればよい。
〈sin(θ−90°)=0のとき〉
iv=0
iw=0 ……(10)
〈sin(θ−90°)≠0のとき〉
・T/{E×√3×sin(θ−90°)}>αのとき(αは制限値。α>0)
iv=+α
iw=−α ……(11)
・T/{E×√3×sin(θ−90°)}<−αのとき
iv=−α
iw=+α ……(12)
・|T/{E×√3×sin(θ−90°)}|≦αのとき
iv=T/{E×√3×sin(θ−90°)}
iw=−iv ……(13)
この場合のV相電流およびW相電流の波形を図示すると、図4のとおりとなる。電動モータMが発生するトルクは、位相角θ=90°,270°の付近でV字状に減少し、瞬間的に零になるが、大部分の期間において一定のトルク出力が得られる。これにより、一相に故障が生じたときでも、残りの二相によって、可及的に滑らかなトルク出力を維持しつつ、電動モータMを継続して駆動することができる。
このように、制御回路11は、いずれの相にも故障が生じていない通常時には、正弦波状に変化するように各相電流を印加する(目標電流値を設定する)一方で、いずれかの相に故障が生じると、当該相をリレー13U,13V,13Wによって切り離すとともに、通常時とは異なる態様で故障の生じていない各相への電流を印加する(目標電流値を設定する)。これにより、故障時であっても、電動モータMから可及的に滑らかにトルクを出力させることができるので、操舵フィーリングを大きく損なうことなく、操舵補助動作を継続することができる。むろん、運転者には通常時とは異なる操舵フィーリングを感知させることができるから、早期の修理を促すことができる。
以上、この発明の一実施形態について説明したが、この発明は、さらに他の形態で実施することも可能である。たとえば、前述の実施形態では、ダイオードOR回路41によって、第1および第2昇圧回路21,22の出力電圧のうちいずれか高い方が選択されて高電圧ライン40に導出される構成としているが、第1および第2昇圧回路21,22の出力電圧の選択は、アナログスイッチ等のスイッチング素子によって行うこともできる。たとえば、第1および第2昇圧回路21,22と高電圧ライン40との間に、ダイオード18,19の代わりに第1および第2スイッチング素子をそれぞれ介装しておく。そして、電圧監視回路20によって第1および第2昇圧回路21,22の出力電圧を検出し、その検出結果に応じて、制御回路11によって前記第1および第2スイッチング素子をオン/オフ制御すればよい。
また、前述の実施形態では、昇圧回路21,22が2つ設けられた構成について説明したが、3個以上の昇圧回路が設けられてもよい。ただし、コスト低減の観点からは、相数よりも少ない数の昇圧回路を各相で共有する構成とすることが好ましい。
また、前述の実施形態では、警報発生回路17は、車両のインスツルメントパネルへの表示によって使用者に対する警報を行うようになっているが、警報表示の代わりに警報音によって使用者に対する警報を行うようにしてもよい。他にも、ステアリングホイール1に対して振動を与えるための信号を目標電流値に重畳することにより、ステアリングホイール1の振動によって運転者に対する警報を行う構成とすることもできる。
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
この発明の一実施形態に係る電動パワーステアリング装置の電気的構成を示すブロック図である。 前記電動パワーステアリング装置に備えられたコントローラの電気的構成を説明するためのブロック図である。 故障の生じていない相を用いて一定のトルクを出力する場合の各相電流の波形図である。 故障の生じていない相を用いて、電流制限範囲内で、可及的に一定のトルクを出力する場合の各相電流の波形図である。
符号の説明
12…モータ駆動回路、13U,13V,13W…リレー、18,19…ダイオード、31U,31V,31W…直列回路、32U,32V,32W…ハイサイドスイッチング素子、33U,33V,33W…ローサイドスイッチング素子、41…ダイオードOR回路、M…電動モータ

Claims (4)

  1. 複数相のモータが発生する駆動力により操舵補助する電動パワーステアリング装置であって、
    スイッチング素子からなる上アームとスイッチング素子からなる下アームとの直列回路を前記モータの複数相に対応して複数個備え、この複数の直列回路を並列接続して構成されるモータ駆動回路と、
    前記複数の直列回路のスイッチング素子にそれぞれ接続された複数の各相ドライバと、
    複数の昇圧回路と、
    この複数の昇圧回路が生成した電圧のうち最も高い電圧を前記複数の各相ドライバに共通に出力する電圧選択手段とを含む、電動パワーステアリング装置。
  2. 前記電圧選択手段は、前記複数の昇圧回路と各相ドライバとの間にそれぞれ順方向接続された複数のダイオードを含む、請求項1記載の電動パワーステアリング装置。
  3. 前記複数の昇圧回路が生成する電圧を監視する電圧監視手段をさらに含む、請求項1または2記載の電動パワーステアリング装置。
  4. 各相の前記各相ドライバから前記モータまでの故障を検出する故障検出手段と、
    この故障検出手段によって故障が検出された相について、前記モータ駆動回路と前記モータとの接続を切り離す切断手段と、
    前記故障検出手段がいずれの相の故障も検出していないときに、前記モータ駆動回路を第1の態様で制御する一方、前記故障検出手段がいずれかの相の故障を検出しているときに、前記切断手段によって切り離されていない正常な相の前記直列回路を前記第1の態様とは異なる第2の態様で制御する制御手段とを含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の電動パワーステアリング装置。
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