JP2009220734A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】 熱可塑性樹脂又は熱可塑性樹脂にエラストマーをブレンドした熱可塑性エラストマー組成物からなるフィルム層をインナーライナー層として用いる場合において、成形工程及び加硫工程でのタイヤの変形によるフィルム層のスプライス部の剥離を効果的に防止することを可能にした空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】 熱可塑性樹脂又は熱可塑性樹脂にエラストマーをブレンドした熱可塑性エラストマー組成物からなるフィルム層11をインナーライナー層7として用いた空気入りタイヤにおいて、フィルム層11をタイヤ周方向に分割された複数の分割片11a〜11dから構成し、該フィルム層11の分割片11a〜11dをタイヤ周上の少なくとも2箇所で応力緩和層12を介してスプライスする。
【選択図】 図2

Description

本発明は、熱可塑性樹脂又は熱可塑性樹脂にエラストマーをブレンドした熱可塑性エラストマー組成物からなるフィルム層をインナーライナー層として用いた空気入りタイヤに関し、更に詳しくは、成形工程及び加硫工程でのタイヤの変形によるフィルム層のスプライス部の剥離を効果的に防止することを可能にした空気入りタイヤに関する。
近年、熱可塑性樹脂又は熱可塑性樹脂にエラストマーをブレンドした熱可塑性エラストマー組成物からなるフィルム層を空気入りタイヤのインナーライナー層として用いることが提案されている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。また、このようなフィルム層を備えた空気入りタイヤを成形するにあたって、シート状のフィルム層を成形ドラムの周囲に巻回し、該フィルム層の両端部をタイヤ周上の1箇所でスプライスすることにより、タイヤ周方向に連続的に延在するインナーライナー層を形成することが提案されている(例えば、特許文献3及び特許文献4参照)。
しかしながら、フィルム層の両端部をタイヤ周上の1箇所でスプライスした場合、熱可塑性樹脂を含むフィルム層の剛性が他のタイヤ構成部材に比べて相対的に高いため、成形工程や加硫工程でタイヤが膨径する際にフィルム層のスプライス部に応力が集中し、その結果として、スプライス部が剥離するという問題がある。
特開平8−217923号公報 特開平11−199713号公報 特開平9−164805号公報 国際公開第WO96/34736号パンフレット
本発明の目的は、熱可塑性樹脂又は熱可塑性樹脂にエラストマーをブレンドした熱可塑性エラストマー組成物からなるフィルム層をインナーライナー層として用いる場合において、成形工程及び加硫工程でのタイヤの変形によるフィルム層のスプライス部の剥離を効果的に防止することを可能にした空気入りタイヤを提供することにある。
上記目的を達成するための本発明の空気入りタイヤは、熱可塑性樹脂又は熱可塑性樹脂にエラストマーをブレンドした熱可塑性エラストマー組成物からなるフィルム層をインナーライナー層として用いた空気入りタイヤにおいて、前記フィルム層をタイヤ周方向に分割された複数の分割片から構成し、該フィルム層の分割片をタイヤ周上の少なくとも2箇所で応力緩和層を介してスプライスしたことを特徴とするものである。
本発明では、熱可塑性樹脂又は熱可塑性エラストマー組成物からなるフィルム層をインナーライナー層として用いる場合に、フィルム層をタイヤ周方向に分割された複数の分割片から構成し、該フィルム層の分割片をタイヤ周上の少なくとも2箇所で応力緩和層を介してスプライスするので、各スプライス部における応力集中を緩和し、成形工程及び加硫工程でのタイヤの変形によるフィルム層のスプライス部の剥離を効果的に防止することができる。その結果、空気入りタイヤの歩留りを向上することができる。
また、上記のようにフィルム層をタイヤ周方向に分割された複数の分割片から構成する場合、剛性中子、プロファイルドラム、ブラダー等の湾曲面を有する成形土台の上に未加硫タイヤを成形するにあたって、湾曲面を有する成形土台に対して、その形状に沿って皺なくフィルム層の分割片を貼り付けることが可能になるという副次的な作用効果も得られる。
本発明において、フィルム層の分割片のタイヤ周方向の重なり量は3mm以上かつ該分割片の周方向長さの50%以下であることが好ましい。応力緩和層はゴム層であることが好ましい。更に、応力緩和層の厚さは0.1mm〜1.0mmであることが好ましい。これにより、フィルム層のスプライス部の剥離をより確実に防止することができる。
以下、本発明の構成について添付の図面を参照しながら詳細に説明する。図1は本発明の実施形態からなる空気入りタイヤを示し、図2はそのインナーライナー層を抽出して示すものである。図1において、1はトレッド部、2はサイドウォール部、3はビード部である。左右一対のビード部3,3間にはカーカス層4が装架され、そのカーカス層4の端部がビードコア5の廻りにタイヤ内側から外側に折り返されている。トレッド部1におけるカーカス層4の外周側には複数層のベルト層6が埋設されている。これらベルト層6は補強コードがタイヤ周方向に対して傾斜し、かつ層間で補強コードが互いに交差するように配置されている。
上記空気入りタイヤにおいて、カーカス層4のタイヤ内腔側にはインナーライナー層(空気透過防止層)7が配置されている。インナーライナー層7は、図2に示すように、熱可塑性樹脂又は熱可塑性エラストマー組成物からなるフィルム層11から構成されている。より具体的には、フィルム層11はタイヤ周方向に分割された4つの分割片11a〜11dから構成され、これら分割片11a〜11dをタイヤ周上の4箇所で応力緩和層12を介してスプライスすることにより、タイヤ周方向に連続的に延在するインナーライナー層7を形成している。フィルム層11は、タイヤ周方向に分割された少なくとも2個の分割片から構成し、これら分割片をタイヤ周上の少なくとも2箇所で応力緩和層12を介してスプライスすることが必要であるが、より好ましくは、タイヤ周方向に分割された4〜8個の分割片から構成し、これら分割片をタイヤ周上の4〜8箇所で応力緩和層12を介してスプライスしたものとする。
フィルム層11の分割片11a〜11dのタイヤ周方向の重なり量Wは3mm以上かつ各分割片11a〜11dの周方向長さLの50%以下に設定されている。重なり量Wが3mm未満であるとスプライス部の剥離を生じ易くなる。また、重なり量Wが各分割片11a〜11dの周方向長さLの50%を超えるとフィルム層11が多層構造となってインナーライナー層7の剛性が必要以上に高くなる。
フィルム層11の厚さは、特に限定されるものではないが、0.002mm〜0.7mmの範囲から選択することができる。一方、応力緩和層12の厚さは、0.1mm〜1.0mmにすることが好ましい。応力緩和層12が薄過ぎるとスプライス部の剥離を生じ易くなり、厚過ぎるとスプライス部の段差が大きくなる。
応力緩和層12としては、ゴム層を採用することが好ましい。応力緩和層12をゴム層とした場合、未加硫状態において良好な粘着性と良好な応力緩和作用を発揮することができる。応力緩和層12に用いるゴムは特に限定されるものではないが、ジエン系ゴム及びその水素添加物、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム等を使用することができる。
上述のように構成される空気入りタイヤは、成形ドラムの周囲にフィルム層11の分割片11a〜11dをタイヤ周上の4箇所で応力緩和層12を介してスプライスすることによりインナーライナー層7を形成し、その上にカーカス層、ビードコア、ビードフィラー、サイドウォールゴム等のタイヤ構成部材を貼り合わせて1次グリーンタイヤを成形し、1次グリーンタイヤをトロイダル状に膨径させつつベルト層やトレッドゴムを貼り合わせて2次グリーンタイヤ(未加硫タイヤ)を成形した後、その2次グリーンタイヤを加硫することで得られる。
上述のように熱可塑性樹脂又は熱可塑性エラストマー組成物からなるフィルム層11をインナーライナー層7として用いる場合に、フィルム層11をタイヤ周方向に分割された複数の分割片11a〜11dから構成し、これら分割片11a〜11dをタイヤ周上の少なくとも2箇所で応力緩和層12を介してスプライスするので、各スプライス部における応力集中を緩和し、成形工程及び加硫工程でのタイヤの変形によるフィルム層11のスプライス部の剥離を効果的に防止することができる。
また、フィルム層11をタイヤ周方向に分割された複数の分割片11a〜11dから構成する場合、剛性中子(未加硫タイヤの内面形状と近似した形状を有する剛体からなる成形土台)、プロファイルドラム(成形ドラムの軸方向の輪郭の一部を湾曲させた成形土台)、或いは、ブラダー(内圧の充填により膨らませたゴム製の袋体からなる成形土台)等の湾曲面を有する成形土台の上に未加硫タイヤを成形するにあたって、湾曲面を有する成形土台に対して、その形状に沿って皺なくフィルム層11の分割片11a〜11dを貼り付けることが可能になる。つまり、フィルム層11をインナーライナー層7として用いた空気入りタイヤを湾曲面を有する成形土台の上でフィルム層11に皺が生じないように成形することが可能になる。なお、剛性中子を用いた空気入りタイヤの製造方法としては、例えば、特開2007−253406号公報、特開2007−253412号公報、特開2007−69497号公報に記載の方法が知られている。
以下に、本発明で使用されるフィルム層について説明する。このフィルム層は、熱可塑性樹脂又は熱可塑性樹脂中にエラストマーをブレンドした熱可塑性エラストマー組成物から構成することができる。
本発明で使用される熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリアミド系樹脂〔例えばナイロン6(N6)、ナイロン66(N66)、ナイロン46(N46)、ナイロン11(N11)、ナイロン12(N12)、ナイロン610(N610)、ナイロン612(N612)、ナイロン6/66共重合体(N6/66)、ナイロン6/66/610共重合体(N6/66/610)、ナイロンMXD6、ナイロン6T、ナイロン6/6T共重合体、ナイロン66/PP共重合体、ナイロン66/PPS共重合体〕、ポリエステル系樹脂〔例えばポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンイソフタレート(PEI)、ポリブチレンテレフタレート/テトラメチレングリコール共重合体、PET/PEI共重合体、ポリアリレート(PAR)、ポリブチレンナフタレート(PBN)、液晶ポリエステル、ポリオキシアルキレンジイミドジ酸/ポリブチレンテレフタレート共重合体などの芳香族ポリエステル〕、ポリニトリル系樹脂〔例えばポリアクリロニトリル(PAN)、ポリメタクリロニトリル、アクリロニトリル/スチレン共重合体(AS)、メタクリロニトリル/スチレン共重合体、メタクリロニトリル/スチレン/ブタジエン共重合体〕、ポリ(メタ)アクリレート系樹脂〔例えばポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリメタクリル酸エチル、エチレンエチルアクリレート共重合体(EEA)、エチレンアクリル酸共重合体(EAA)、エチレンメチルアクリレート樹脂(EMA)〕、ポリビニル系樹脂〔例えば酢酸ビニル(EVA)、ポリビニルアルコール(PVA)、ビニルアルコール/エチレン共重合体(EVOH)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリ塩化ビニル(PVC)、塩化ビニル/塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニリデン/メチルアクリレート共重合体〕、セルロース系樹脂〔例えば酢酸セルロース、酢酸酪酸セルロース〕、フッ素系樹脂〔例えばポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリフッ化ビニル(PVF)、ポリクロルフルオロエチレン(PCTFE)、テトラフロロエチレン/エチレン共重合体(ETFE)〕、イミド系樹脂〔例えば芳香族ポリイミド(PI)〕などを挙げることができる。
本発明で使用されるエラストマーとしては、例えば、ジエン系ゴム及びその水素添加物〔例えばNR、IR、エポキシ化天然ゴム、SBR、BR(高シスBR及び低シスBR)、NBR、水素化NBR、水素化SBR〕、オレフィン系ゴム〔例えばエチレンプロピレンゴム(EPDM、EPM)、マレイン酸変性エチレンプロピレンゴム(M−EPM)〕、ブチルゴム(IIR)、イソブチレンと芳香族ビニル又はジエン系モノマー共重合体、アクリルゴム(ACM)、アイオノマー、含ハロゲンゴム〔例えばBr−IIR、Cl−IIR、イソブチレンパラメチルスチレン共重合体の臭素化物(Br−IPMS)、クロロプレンゴム(CR)、ヒドリンゴム(CHC,CHR)、クロロスルホン化ポリエチレン(CSM)、塩素化ポリエチレン(CM)、マレイン酸変性塩素化ポリエチレン(M−CM)〕、シリコーンゴム(例えばメチルビニルシリコーンゴム、ジメチルシリコーンゴム、メチルフェニルビニルシリコーンゴム)、含イオウゴム(例えばポリスルフィドゴム)、フッ素ゴム(例えばビニリデンフルオライド系ゴム、含フッ素ビニルエーテル系ゴム、テトラフルオロエチレン−プロピレン系ゴム、含フッ素シリコン系ゴム、含フッ素ホスファゼン系ゴム)、熱可塑性エラストマー(例えばスチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ウレタン系エラストマー、ポリアミド系エラストマー)などを挙げることができる。
本発明で使用される熱可塑性エラストマー組成物において、熱可塑性樹脂成分(A)とエラストマー成分(B)との組成比は、フィルム層の厚さや柔軟性のバランスで適宜決めればよいが、好ましい範囲は10/90〜90/10、更に好ましくは20/80〜85/15(重量比)でである。
本発明に係る熱可塑性エラストマー組成物には、上記必須成分(A)及び(B)に加えて第三成分として、相溶化剤などの他のポリマー及び配合剤を混合することができる。他のポリマーを混合する目的は、熱可塑性樹脂成分とエラストマー成分との相溶性を改良するため、材料のフィルム成形加工性を良くするため、耐熱性向上のため、コストダウンのため等であり、これに用いられる材料としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ABS、SBS、ポリカーボネート等が挙げられる。
上記熱可塑性エラストマー組成物は、予め熱可塑性樹脂とエラストマー(ゴムの場合は未加硫物)とを2軸混練押出機等で溶融混練し、連続相を形成する熱可塑性樹脂中にエラストマー成分を分散させることにより得られる。エラストマー成分を加硫する場合には、混練下で加硫剤を添加し、エラストマーを動的に加硫させても良い。また、熱可塑性樹脂またはエラストマー成分への各種配合剤(加硫剤を除く)は、上記混練中に添加しても良いが、混練の前に予め混合しておくことが好ましい。熱可塑性樹脂とエラストマーの混練に使用する混練機としては、特に限定はなく、スクリュー押出機、ニーダ、バンバリミキサー、2軸混練押出機等が挙げられる。中でも樹脂成分とゴム成分の混練およびゴム成分の動的加硫には2軸混練押出機を使用するのが好ましい。さらに、2種類以上の混練機を使用し、順次混練してもよい。溶融混練の条件として、温度は熱可塑性樹脂が溶融する温度以上であれば良い。また、混練時の剪断速度は2500〜7500sec-1であるのが好ましい。混練全体の時間は30秒から10分、また加硫剤を添加した場合には、添加後の加硫時間は15秒から5分であるのが好ましい。上記方法で作製された熱可塑性エラストマー組成物は、樹脂用押出機による成形またはカレンダー成形によってフィルム化される。フィルム化の方法は、通常の熱可塑性樹脂または熱可塑性エラストマーをフィルム化する方法によれば良い。
このようにして得られる熱可塑性エラストマー組成物の薄膜は、熱可塑性樹脂のマトリクス中にエラストマーが不連続相として分散した構造をとる。かかる状態の分散構造を採ることにより、ヤング率を1〜500MPaの範囲に設定し、タイヤ構成部材として適度な剛性を付与することが可能になる。
上記熱可塑性樹脂又は熱可塑性エラストマー組成物はシート又はフィルムに成形して単体でタイヤ内部に埋設することが可能であるが、隣接するゴムとの接着性を高めるために接着層を積層しても良い。この接着層を構成する接着用ポリマーの具体例としては、分子量100万以上、好ましくは300万以上の超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)、エチレンエチルアクリレート共重合体(EEA)、エチレンメチルアクリレート樹脂(EMA)、エチレンアクリル酸共重合体(EAA)等のアクリレート共重合体類及びそれらの無水マレイン酸付加物、ポリプロピレン(PP)及びそのマレイン酸変性物、エチレンプロピレン共重合体及びそのマレイン酸変性物、ポリブタジエン系樹脂及びその無水マレイン酸変性物、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体(SBS)、スチレン−エチレン−ブタジエン−スチレン共重合体(SEBS)、フッ素系熱可塑性樹脂、ポリエステル系熱可塑性樹脂などを挙げることができる。これらは常法に従って例えば樹脂用押出機によって押し出してシート状又はフィルム状に成形することができる。接着層の厚さは特に限定されないが、タイヤ軽量化のためには厚さが少ない方がよく、5μm〜150μmが好ましい。
タイヤサイズ195/65R15の空気入りタイヤにおいて、熱可塑性樹脂(ナイロン6,66)にエラストマー(臭素化ブチルゴム)をブレンドした熱可塑性エラストマー組成物からなるフィルム層をインナーライナー層として用い、そのインナーライナー層の構造だけを種々異ならせた従来例1〜2及び実施例1〜2のタイヤを製作した。
従来例1においては、熱可塑性エラストマー組成物(180μm)と接着剤(20μm)との積層構造を有する幅390mm、厚さ200μmのフィルム層をTダイにて押出成形し、1枚のフィルム層を周長1300mmの成形ドラムに巻き付け、該フィルム層の両端部を周方向の重なり量が10mmとなるようにスプライスすることによりインナーライナー層を形成した後、該インナーライナー層を含む未加硫タイヤを成形し、これを加硫した。
従来例2においては、熱可塑性エラストマー組成物(180μm)と接着剤(20μm)との積層構造を有する幅390mm、厚さ200μmのフィルム層をTダイにて押出成形し、1枚のフィルム層を周長1300mmの成形ドラムに巻き付け、該フィルム層の両端部をフィルム間に厚さ0.5mmの未加硫ゴム層を挟み込んで周方向の重なり量が10mmとなるようにスプライスすることによりインナーライナー層を形成した後、該インナーライナー層を含む未加硫タイヤを成形し、これを加硫した。
実施例1においては、熱可塑性エラストマー組成物(180μm)と接着剤(20μm)との積層構造を有する幅390mm、厚さ200μmのフィルム層をTダイにて押出成形し、該フィルム層を長さ660mmの2枚の分割片に切断し、2枚の分割片を周長1300mmの成形ドラムに巻き付け、これら分割片をタイヤ周上の2箇所でフィルム間に厚さ0.5mmの未加硫ゴム層を挟み込んで周方向の重なり量が10mmとなるようにスプライスすることによりインナーライナー層を形成した後、該インナーライナー層を含む未加硫タイヤを成形し、これを加硫した。
実施例2においては、熱可塑性エラストマー組成物(180μm)と接着剤(20μm)との積層構造を有する幅390mm、厚さ200μmのフィルム層をTダイにて押出成形し、該フィルム層を長さ660mmの4枚の分割片に切断し、4枚の分割片を周長1300mmの成形ドラムに巻き付け、これら分割片をタイヤ周上の4箇所でフィルム間に厚さ1.0mmの未加硫ゴム層を挟み込んで周方向の重なり量が3.0mmとなるようにスプライスすることによりインナーライナー層を形成した後、該インナーライナー層を含む未加硫タイヤを成形し、これを加硫した。
これら試験タイヤの製造工程において、インナーライナー層を構成するフィルム層の状態を目視で確認した。その結果、実施例1,2では、成形工程及び加硫工程のいずれにおいてもフィルム層のスプライス部に剥離を生じることはなく、スプライス部が開口するような故障は全く見られなかった。一方、従来例1,2では、フィルム層のスプライス部に剥離が生じ、スプライス部が開口していた。
本発明の実施形態からなる空気入りタイヤを示す子午線半断面図である。 図1の空気入りタイヤにおけるインナーライナー層を抽出して示すタイヤ赤道線での断面図である。
符号の説明
1 トレッド部
2 サイドウォール
3 ビード部
4 カーカス層
5 ビードコア
6 ベルト層
7 インナーライナー層
11 フィルム層
11a〜11d フィルム層の分割片
12 応力緩和層

Claims (4)

  1. 熱可塑性樹脂又は熱可塑性樹脂にエラストマーをブレンドした熱可塑性エラストマー組成物からなるフィルム層をインナーライナー層として用いた空気入りタイヤにおいて、前記フィルム層をタイヤ周方向に分割された複数の分割片から構成し、該フィルム層の分割片をタイヤ周上の少なくとも2箇所で応力緩和層を介してスプライスしたことを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記フィルム層の分割片のタイヤ周方向の重なり量が3mm以上かつ該分割片の周方向長さの50%以下であることを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記応力緩和層がゴム層であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記応力緩和層の厚さが0.1mm〜1.0mmであることを特徴とする請求項3に記載の空気入りタイヤ。
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