JP2009219795A - 内視鏡 - Google Patents

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Abstract

【課題】流体の給排により湾曲部を湾曲制御を行う場合、湾曲制御動作の応答性を向上できる内視鏡を提供する。
【解決手段】湾曲部は弾性部材のマルチルーメンチューブ81中に、その上下、左右の湾曲方向に対応した位置に圧力室としてのルーメン82a、82c等が形成されており、湾曲用チューブ92a、92cを介して制御装置4から流体が給排される。下方向湾曲の操作を行った際、その操作を停止すると、流体供給が停止すると共に、湾曲部の後端付近のブレーキ95を前方側に移動させて、先端が固定された線材88a,88c等の後端側をチューブ保持管87とブレーキ95のテーパで挟持し、弾性部材の伸縮を機械的に固定保持することにより、殆ど瞬時に湾曲角度を固定する。
【選択図】図17

Description

本発明は、流体の給排を利用して湾曲部の湾曲動作を制御する内視鏡に関する。
近年、内視鏡は医療用分野その他において、広く用いられるようになった。この内視鏡には、挿入部の先端側に湾曲自在の湾曲部を設けることにより、屈曲した体腔内等にも円滑に挿入できるようにしたものがある。
また、湾曲部を湾曲させる湾曲機構として、湾曲部として用いられる湾曲可能な弾性部材からなるマルチルーメンチューブ(複数の軸方向に延設された隔壁によって複数の圧力室(空間)に分離されている)に、複数の圧力室に選択的に流体(エアなど)を供排の制御を行うことにより、マルチルーメンチューブを軸方向に伸び変形させて湾曲させる流体駆動式の湾曲部の技術が知られている。
例えば特許第3580867号公報には、上記流体駆動方式の湾曲部が形成され、体腔内に挿入される医療用ゾンデが開示されている。
また、特許第3003702号公報には、上記流体駆動方式の湾曲部が形成された略円柱形状のアクチュエータが開示されている。
このような流体駆動式の湾曲部は、内視鏡の挿入部に設けられた湾曲部に適用した場合には、湾曲部を構成する複数の圧力室に流体供給チューブを介して流体を供給することが必要となるため、湾曲部を湾曲させた場合には、例えば図26に示すような特性となる。 図26において、流体を供給開始すると、流体の供給開始と共に、流体を供給する手元側の流体供給源の入力圧力は増大するが、流体供給チューブを介して湾曲部の圧力室に供給される流体は圧力伝達の遅れが発生するため、その圧力は、流体の供給開始から遅れて変化(増大)する。また、湾曲部の湾曲角度も圧力室の圧力の増大傾向と連動するため、入力圧力から遅れて変化する。
また、流体の供給停止の操作を行った場合にも、入力圧力は、この操作にほぼ同期して停止時の圧力に停止するが、湾曲部を構成する圧力室の圧力と、湾曲角度は供給停止の操作を行った時から遅れて停止する。
特許第3580867号公報 特許第3003702号公報
しかしながら、従来の流体駆動式で湾曲部を湾曲制御する場合、つまり流体の給排を利用して湾曲部を湾曲制御するにおいては、図26に示したような応答性を示すため、湾曲駆動或いは湾曲制御のレスポンスが低くなる。
具体的には、従来の流体駆動式の場合においては、下記のような要因により湾曲駆動のレスポンスが悪く、止めたい場所、湾曲角度、タイミングにて流体の加圧供給を停止しても湾曲部の動きは停止せずに、しばらく動き続けてしまう(止めたい位置・姿勢で止めることができない)。より、具体的には、
(a)流体供給チューブの内径は小さく管路抵抗が大きい。その為、湾曲部と流体供給チューブ手前側にて圧力伝達の遅れが生じる。
(b)湾曲部の圧力が入力圧力と同じになるまでの時間がかかる。
(c)マルチルーメンチューブは、弾性部材でできている為伸縮性があり、わずかな圧力変化でも伸縮してしまう。
このように従来の流体の給排を利用した湾曲制御は、内視鏡に適用した場合にその応答性が低くなる欠点がある。
本発明は上述した点に鑑みてなされたもので、流体の給排により湾曲部を湾曲制御を行う場合、湾曲制御動作の応答性を向上できる内視鏡を提供することを目的とする。
本発明は、細長の挿入部に、その軸方向に伸縮変形な弾性部材を用いて前記挿入部の周方向に設けられた複数の圧力室と、前記複数の圧力室にそれぞれ加圧された流体の給排を独立して行うための複数のチューブとを有し、前記流体の給排に応じて湾曲する湾曲部が設けられた内視鏡において、
前記流体の供給により前記湾曲部が駆動されている状態での湾曲動作の停止の際に、前記流体の供給の停止を行うと共に、前記湾曲部を形成する弾性部材の伸縮変形を機械的に固定保持する機械的保持部を設けたことを特徴とする。
流体の供給の停止を行うと共に、前記湾曲部を形成する弾性部材の伸縮変形を機械的に固定保持する為、湾曲部を止めたい位置で応答性良く固定でき、湾曲部の湾曲制御動作の応答性を向上できる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
(第1の実施形態)
図1から図21は本発明の第1の実施形態に係り、図1は本発明の第1の実施形態を備えた内視鏡装置の全体構成を示し、図2はリモートコントローラの構成を示し、図3は内視鏡の先端部及び湾曲部の詳細な構成を示し、図4は図3のA−A線断面図を示し、図5の(A)及び(B)は図3に示した内径保持チューブの組み付け前及び組み付け時の概略の構造を示す。
図6は図3に示した封止材と接続パイプを斜視図で示し、図7は図4のB−B線断面による湾曲部の先端付近の構造を示し、図8は図4のB−B線による湾曲部の後端付近の構造を示し、図9は図8のC−C線断面図を示し、図10の(A)は動力伝達機構を示す図と、(B)は接合部材を示す。
図11は図10の駆動部(アクチュエータ)の構造を示し、図12は制御ユニットの構成を示し、図13は第1の実施形態の動作説明用タイミングチャートを示し、図14から図17は、図13におけるT1からT4の時間における動作説明用の模式的断面図を示す。
図18は第1の実施形態の動作説明用タイミングチャートを示し、図19及び図20は、図18におけるT1からT3の時間における動作説明用の模式的断面図を示し、図21は変形例の内視鏡を備えた内視鏡装置の構成を示す。
(構成)
図1は本発明の第1の実施形態を備えた内視鏡装置1の全体構成図を示す。
図1に示すように、本実施形態に係る内視鏡装置1は、管腔内に挿入される長尺(細長)の挿入部6を備えた内視鏡2と、制御系機器と、モニタ3aと、吸引器55とによって主に構成されている。
本実施形態の内視鏡2は、管腔内に挿入される挿入部6と、この挿入部6の後端に設けられ、制御装置3内に配置された後述する駆動部100(図10(A)参照)或いは、その制御部117を含めたブレーキ制御ユニット118(図12参照)とを備えた構成である。
なお、内視鏡2は、図1に示したような構成に限らず、後述する図21に示すように制御装置3等に着脱自在となる内視鏡2Bでも良い。
挿入部6は、その先端に設けられた先端部8、この先端部8の後端に設けられた湾曲部9及びこの湾曲部9の後端から制御装置3まで延出される可撓性を有する長尺の可撓性管部10によって構成されている。
本実施形態の内視鏡2は、後述するリモートコントロールユニット(リモコンと略記)67による指示操作によって湾曲駆動される湾曲部9が加圧された流体の給排によって駆動され湾曲自在な構成の湾曲部、すなわち流体駆動方式の湾曲部を有している。
制御系機器は、3つの制御装置3、4、5から構成される。すなわち、第1の制御装置3は、電気的な構成を制御する制御手段を構成する。第2の制御装置4は、内視鏡機能である送気および湾曲部9の湾曲を制御する流体給排手段の1つを構成する。
第3の制御装置5は、内視鏡機能である送水、および吸引を制御する流体給排手段のもう1つを構成する。これら3つの制御装置3、4、5は、キャスタ付のトロリ59に載置されている。
第1の制御装置3は、各種内視鏡機能を一括して操作可能な操作指示部である上述のリモコン67が接続されている。
図2に示すように、このリモコン67は、各種の内視鏡機能を操作する複数の操作スイッチ68と、挿入部6の先端側に設けられた湾曲部9の湾曲操作をするための、例えば、操作ボタン69とを有している。
この操作ボタン69は、湾曲部9を上下(U,D)、左右(L,R)の各方向に湾曲する上方向湾曲用の操作ボタン69a、下方向湾曲用の操作ボタン69cと、左方向湾曲用の操作ボタン69d,右方向湾曲用の操作ボタン69bと、これらの中央に設けられた中立状態に復帰させる中立復帰用の操作ボタン69nとを有する。
このリモコン67は、図1に示すように第1の制御装置3の背面側に、この第1の制御装置3とケーブル67aにより接続されている。また、制御装置4、5は、それぞれの背面側で図示しないケーブルにより第1の制御装置3と電気的に接続されている。そして、リモコン67は、これら3つの制御装置3、4、5を一括してリモート操作可能な入力手段を形成している。
第1の制御装置3は、挿入部6の撮像系および照明系を制御するものである。つまり、第1の制御装置3は、挿入部6の先端部8に設けられた撮像系が捉えた撮像画像に対する画像処理手段および照明駆動・制御手段を構成する。
挿入部6の先端部8に設けられた照明系を構成するLEDを発光させる駆動電源の給電の制御は、リモコン67の操作スイッチ68の操作に基づいて第1の制御装置3が行う。 また、第1の制御装置3は、モニタ3aと電気的に接続されている。モニタ3aは、撮像系によって取得された内視鏡画像を表示する表示装置を構成する。
第2の制御装置4には、流体供給源として、例えば、エアー(空気)或いは二酸化炭素のボンベ57が接続されており、さらに図12に示すように、エアーの給排を行うためのレギュレータ(或いはコンプレッサ)、電磁弁類などが内蔵されている。
リモコン67の操作ボタン69により、所定の操作がなされると、第2の制御装置4の制御によってボンベ57、電磁弁類(図12参照)が動作して流体供給の制御が行われ、湾曲部9が湾曲駆動される。
リモコン67の操作スイッチ68により別の所定の操作、例えば送気の操作がなされると、第2の制御装置4の制御によって、図示しないコンプレッサおよび電磁弁類の動作に従い、エアーが挿入部6の先端部8に形成された開口部(図示しないノズル)から撮像系を収納した撮像窓(図3のカバー体29)に向けて噴射される。そして、その外表面を清浄な状態に設定することができる。
なお、この送気に用いられる流体は、例えばボンベ57からの二酸化炭素ガスを用いることがあり、リモコン67により、エアーあるいは二酸化炭素ガスの何れかの流体の送気が選択可能となっている。
また、第3の制御装置5には、チューブ55aを備えた吸引器55および送水タンク56が接続されている。この送水タンク56の内部には、蒸留水または生理食塩水等が貯留されている。
尚、本実施形態の内視鏡装置1においては、第3の制御装置5に接続される別体構成の吸引器55を用いた例を示しているが、これに代えて、例えば病院または施設に備え付けの吸引システムを利用するような形態としてもよい。
リモコン67の操作スイッチ68により、さらに別の所定の操作がなされたとき、第3の制御装置5の制御によって図示しない吸引ポンプおよびバルブ類等が動作する。そして、送水タンク56から蒸留水または生理食塩水等が、先端部8に形成される開口部(不図示)から撮像窓に向けて噴出する。
また、リモコン67の操作スイッチ68により、さらに別の所定の操作がなされると、第3の制御装置5の制御によって吸引ポンプ、電磁弁類等(不図示)が動作して先端部8のチャンネル開口部38(図3参照)から被検体内の体液等が吸引される。この吸引された体液等は、さらに第2の制御装置4に接続されたチューブ55aを介して吸引器55へと送り込まれる。
次に、内視鏡2の挿入部6を構成する先端部8、湾曲部9、及び可撓性管部10の詳細な構成について以下に説明する。
図3に示すように先端部8は、生体適合性を有する樹脂部材、或いは金属によって略円筒形状に形成される本体環26により外形が主に構成されている。
この本体環26の内部には、光学装置の1つである電気装置の撮像ユニット27等が配設されている。この撮像ユニット27は、略短管状の保持管28aと、この保持管28aの基端面、及び外周の一部を覆うように配設されるカバー管28bと、保持管28aの前面側を覆うように先端面の一部を構成する透明なカバー体29とによって、その外形が形成されている。
保持管28a、及びカバー管28bは、生体適合性を有する金属により形成されている。カバー体29は、生体適合性を有する透明な合成樹脂により形成されている。保持管28aは、本体環26の内部に収容されている。
カバー管28bは、保持管28aの基端側に嵌着されており、その底面部には貫通孔が形成され、この貫通孔に信号ケーブル33が挿通されている。カバー体29は、保持管28aの前面側の先端開口を気密に封止するように嵌着されている。
上述した、撮像ユニット27において、保持管28a,カバー管28b,カバー体29等によって形成される空間内には、対物レンズ群30と、この対物レンズ群30の光軸上に配置されるCCD(Charge Coupled Device)、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の光電変換素子である撮像素子31と、フレキシブルプリント基板32等が配設されている。
フレキシブルプリント基板32は、撮像素子31による光電変換処理によって生成される画像信号を受けて増幅等の各種の信号処理を行なう回路等が実装されている。そして、このフレキシブルプリント基板32には、信号ケーブル33が接続されている。この信号ケーブル33は、カバー管28bの貫通孔から後方側に延出され、当該先端部8から湾曲部9、及び可撓性管部10を挿通されて制御装置3と接続されている。
そして、制御装置3は、撮像素子31により撮像された画像信号に対する信号処理を行い、モニタ3aに映像信号を出力し、モニタ3には撮像素子31により撮像された画像が内視鏡画像として表示される。
対物レンズ群30は対物レンズ枠30aに保持されている。この対物レンズ枠30aは、保持体35に固定されている。対物レンズ枠30aの後方には、撮像素子31を保持する撮像枠31aが嵌合している。
撮像素子31の裏面には、回路基板31bが取り付けられている。この回路基板31bには、フレキシブルプリント基板32が電気的に接続されている。
保持体35は、略円形状に形成されており、その周縁部がカバー体29の基端側内周面に対して固着されている。このとき、カバー体29の中心軸と対物レンズ群30の光軸とが略一致するように、カバー体28に対して保持体35が配置されている。
また、保持体35には、光学装置の1つであり、照明部である複数のLED34が対物レンズ群30を囲むように配置されている。
このように構成される撮像ユニット27は、本体環26の長手方向の中心軸に対して偏芯した所定の位置に配置された状態で、本体環26の先端側開口部に配設される先端キャップ36によって本体環26に固定されている。
撮像ユニット27の保持管28aと本体環26との間に形成される隙間には、処置具/吸引用チューブ23の先端部分と、この処置具/吸引用チューブ23の先端側に連設される処置具/吸引管37が配置されている。この処置具/吸引管37の先端部分は、先端キャップ36に固着されている。
この処置具/吸引用チューブ23の後端側は、挿入部6の基端付近で分岐し、その一方は基端付近の処置具挿入口23aで開口し、この処置具挿入口23aから処置具を挿入することができる。この処置具/吸引用チューブ23における分岐した他方は、制御装置3側に延出されている(図示略)。
先端キャップ36の先端側には、前面に向けて開口するチャンネル開口部38が形成されている。
尚、図示していないが、保持管28aと本体環26との間に形成される隙間には、送気用チューブ、及び送水用チューブに連通する管路も配設されている。そして、先端キャップ36には、これらの管路の開口部(図示せず)が形成されている。
次に、内視鏡2の挿入部6における先端部8の後端に設けられた湾曲部9の内部構成について説明する。
図3、図4に示すように、湾曲部9内には、先端側で先端部8の基端内周に嵌合固定された、略短管形状のチューブ保持管86と、後端側で可撓性管部10の先端内周に嵌合固定されたチューブ保持管87とが設けられている。
また、湾曲部9内には、両チューブ保持管86,87に各端部が嵌着され、湾曲部9の上下、左右に対応する周方向の各位置に仕切られた密閉空間としての複数の圧力室を形成するルーメン82a、82c、82d、82b(図4参照)を(湾曲部9の)軸方向に沿って所定の長さ、形成されたマルチルーメンチューブ81が設けられている。
つまり、本実施形態のマルチルーメンチューブ81には、図4に示すように、湾曲部9の上下、左右の位置に略円弧形状にそれぞれ形成され、流体としての例えば加圧されたエアーが給排される圧力室を形成する4つのルーメン82a、82c、82d、82bが形成されている。なお、図3においては、上下方向の湾曲に関与する2つのルーメン82a、82cが示されている。
また、この湾曲部9には、流体の給排により、伸縮する弾性部材で形成されたマルチルーメンチューブ81の内周に組み付けられた内径保持チューブ84と、マルチルーメンチューブ81の外周に組み付けられた外径保持チューブ85と、その外周の湾曲外皮41とが設けられている。
チューブ保持管86は、金属、或いは硬質な樹脂により形成され、マルチルーメンチューブ81の先端面を覆い、各ルーメン82i(i=a〜d)の先端を封止している。
マルチルーメンチューブ81は、各ルーメン82iの先端開口を封止する封止材83aを有し、封止材83aは、金属、或いは硬質の樹脂により形成されている。すなわち、マルチルーメンチューブ81の各ルーメン82iの先端は、封止材83a及びチューブ保持管86により気密保持された状態となっている。
内径保持チューブ84は、例えばポリエステル製のコルゲート管などからなり、所定の可撓性を有している。
図5に示すように内径保持チューブ84は、図5中の矢印で示すように、この内径保持チューブ84を構成するコルゲート管の径方向に凹凸を形成する襞と襞の間は、部品単体では図5(A)に示すように蛇腹形状に形成してあるが、組み付け時には図5(B)に示すように密着或いは、これに近い状態で、長手方向に圧縮した状態で組み付けられる。 そして、弾性部材で形成されたマルチルーメンチューブ81の各ルーメン82i内に流体としての加圧された気体が供給された場合には、コルゲート管で形成された内径保持チューブ84は、径方向の伸張が規制された状態で、その長手方向に伸張する。
なお、径方向の伸張が規制された状態で、その長手方向に伸張するコルゲート管で形成された弾性部材としての内径保持チューブ84には、以下で説明するように湾曲部9の伸縮変形を機械的に固定保持するための線状部材としての線材88a〜88dが挿通される。
また、図4に示す外径保持チューブ85は、薄肉の平コイル管、網管であるブレード管、コルゲート管などからなる可撓性を有した部材で形成されている。
また、図3に示すようにこの外径保持チューブ85の外周は、屈曲し易いゴム等を用いて形成されたチューブ体の湾曲外皮41により被覆されており、その先端と後端は、先端部8の本体環26の後端外周面と、可撓性管部10の先端に設けられた(湾曲部9及び可撓性管部10を連結する)口金75の外周面に糸縛りと接着剤42,43にてそれぞれ固着されている。
また、マルチルーメンチューブ81は、各ルーメン82iの後端部分を(接続パイプ91iと連通させる状態で)封止する封止材83bを有し、さらにこの封止材83bには、クランク状の接続パイプ91iの先端が固着される。各封止材83bは金属、或いは硬質の樹脂により形成されている。
また、チューブ保持管87は、マルチルーメンチューブ81の各ルーメン82iの基端部分に設けられ、金属、或いは硬質の樹脂により形成されている。
図6に示すように、封止材83bは、各ルーメン82iの断面形状に対応して、例えば円弧形状に形成され、その中央付近にはクランク状の接続パイプ91i(図6はルーメン82aを封止する接続パイプ91aを示す。つまり、i=aの場合)の挿通可能な穴部70が設けられ、その穴部70には接続パイプ91iの先端が嵌着されている。
図3に示すように口金75の内周面に固着されるチューブ保持管87には、穴部93が設けてあり、接続パイプ91iの先端が挿通されている。そして、各接続パイプ91iの先端は、それぞれルーメン82iの基端に連通する。
図3に示すように、接続パイプ91iの後端には、二酸化炭素ガス、エアー等の流体の給排を行う流体供給チューブとして、湾曲に用いられる湾曲用チューブ92iの先端が接続されている。
尚、図3では示していないが、各湾曲用チューブ92iの基端は、可撓性管部10内を挿通され、第1の制御装置3を経て、第2の制御装置4に接続される(図12参照)。そして、各ルーメン82iは、各ルーメン82iに接続される接続パイプ91i、湾曲用チューブ92iを介して第2の制御装置4側からそれぞれ独立して流体を給排することができる構成になっている。
図5(B)に示したように、内径保持チューブ84には、(図4等に示す)各線材88iが挿通可能な穴部89が、内径保持チューブ84の外周面84aと内周面84bとの中間位置に、その軸に沿って円周上に形成されている。図4に示すように穴部89は、内径保持チューブ84の円周上に4つ設けられている。
内径保持チューブ84には、湾曲部9の動きを機械的に固定保持する為の機械的保持手段を形成する線状部材としての線材88iが挿通される。また、図4に示すように周方向に4つ設けられているルーメン82a〜82dにおける隣接する2つのルーメン(つまり、82a、82b間、82b、82c間、82c、82d間、82d、82a間)に、4本の線材88a〜88dが設けられている。
この場合、各線材88iが挿通される穴部89の内径は、各線材88iが前後に移動可能である内径において、その最小限まで小さくなっている。また、各線材88iは、例えばコルゲート管で形成された内径保持チューブ84により、径方向の移動が規制されている。つまり、この内径保持チューブ84は、各線材88iにおける径方向の移動を規制(又は制限)するガイド部或いは径方向移動規制手段を形成する。
各線材88iは、金属例えばステンレススチールの撚り線によるワイヤで形成されており、端部は解れないよう硬質化の処理が施されている。
各線材88iに金属線を使用することにより、樹脂性のチューブや紐等より軸方向への引張りや圧縮の力に対して強く、湾曲部9の動きを確実に停止させることができ、また撚り線を使用することにより、同じ径の単線より柔軟性が増し、湾曲部9の動きを妨げることを解消ないしは低減している。
また、端部の硬質化の処理は、端部を半田或いはチューブで被覆し、熱により端部の半田或いはチューブを溶かす等して、線材88iの径が極端に大きくならないように施されており、後述する螺旋管98に引っ掛かることなく、線材88iの動きを妨げることが無い。
尚、各線材88iとして、細い金属の単線をに樹脂で被覆したワイヤを使用しても良い。
図4のB−B線断面の図7に示すように、湾曲部9の先端のチューブ保持管86には、内径保持チューブ84の穴部89と同軸上に各線材88iが挿通可能な穴部86aが4つ設けられている(なお、図7の縦断面図では、円内の拡大図により、その1つの穴部86aを示している)。
そして、各線材88iの先端部は、この穴部86aに挿入されて半田86b等で固定されている。
図4のB−B線断面としての図8に示すように、湾曲部9の後端のチューブ保持管87は、4つの線材管90が挿通可能な穴部94を4つ有しており、線材管90の一部(先端)が嵌着されている(なお、図8の縦断面図では、2つの穴部94を示している)。また、図8における長円部分を拡大してその上部に示している。
線材管90の他端となる後端は、各線材88iを(以下に説明するブレーキ95のテーパ95bとにより)挟み込むことによって、各線材88iを固定保持する線材保持部としての機能を持つチューブ保持管87に形成されたテーパ87aの手前まで伸びている。 線材管90の内径は、線材88iが前後に移動可能である最小限まで小さくなっている。
線材管90を挿通され、後方側に延出される各線材88iの後端側は、図9に示すようにブレーキ95に設けられた線材挿通部としての溝95a内を挿通されており、各線材88iの後端部は、図8で示すように固定されていない。そして、後述する図14(B)〜図17(B)に示すように湾曲に応じてその後端部の位置が移動する。
尚、湾曲部9が湾曲されて各線材88iが先端側へ引き込まれても、各線材88iは、その後端部が溝95a内に収まる長さに設定されている。
次に可撓性管部10の内部構成について説明する。
図8、図9に示すように、可撓性管部10は、外側から熱可塑性エラストマーからなる上皮部材96、編管(或いは網管)97、内径を保持する螺旋管98の3層構造となっている。
図8に示すように、可撓性管部10内には線材88iの動きを押圧して挟み込むことにより固定保持する為の押圧部材或いは線材保持部を形成するブレーキ95が、チューブ保持管87の後端付近に隣接して配置されている。このブレーキ95は金属、或いは硬質な樹脂により形成されており、略円環形状である。
チューブ保持管87の後端内周部とブレーキ95の前端外周部には、同じ傾斜のテーパ87a、95bがそれぞれ形成されており、図8に示すようにテーパ87aに対してテーパ95bが後方側に離間した状態においては、線材88iの前後方向の動きを妨げることが無い。
そして、チューブ保持管87のテーパ87aに対して、ブレーキ95を前方側に移動させて、そのテーパ95bをテーパ87aに圧接(押圧)するようにして線材88iを挟み込むことにより、線材88iを固定解除可能に固定保持する固定保持部としての機能を持つロック機構120を形成する。この場合、チューブ保持管87とブレーキ95とは、線材88iを固定保持するための第1及び第2の押圧部材とも言える。
また、線材88iをテーパ95b、87aによりなだらかに挟み込むことにより、線材88iを固定保持する構成にしているので、線材88iを局所的に曲げることが無く、線材88iが前後方向に動く時でも、スムーズな動きができる。よって、線材88iの(局所的に曲げたり、擦れによる)変形のためにその寿命を短くなってしまうことを低減できる。
テーパ87a、95b表面は、線材88iが挿通される他の箇所よりも、その摩擦係数が大きくなるよう、ローレット加工により凹凸が施されている。
尚、摩擦係数が大きいゴム等のシートをテーパ87a、95b表面に被覆させるようにしても良い。
ブレーキ95には、ケーブルや湾曲用チューブ92i等の内蔵物が挿通できるように、その中央に穴部95cが設けられている。
ブレーキ95は、可撓性管部10内を前後に移動可能となっており、かつ、がたつきが無いよう、螺旋管98より若干小さい径となっている。
また、図9に示すように、ブレーキ95の外周面には、線材88iが挿通される箇所には、溝95aが4つ設けられている。
図8に示すように、ブレーキ95の後端部には動力を伝達する動力伝達チューブ(以下、単にチューブと略記)99の先端が接続されている。
チューブ99は、例えばテフロン(登録商標)等のフッ素系樹脂により形成されている。また、このチューブ99として、フッ素系樹脂にさらに網状のブレードを埋め込んで補強したチューブでも良い。
チューブ保持管87、ブレーキ95からから成るロック機構120を湾曲部9の後端近傍に設置することにより、線材88iの必要な長さを可撓性管部10部分で確保することができ、湾曲部9の長さを自由に設定することができる。
なお、このロック機構120と、このロック機構120により固定保持と固定(保持)が解除される先端が固定された線材88iとにより機械的保持部119が形成される。 図10(A)に示すように、チューブ99は、可撓性管部10内を挿通され、その基端は、例えば制御装置3内に設置されている。このチューブ99の基端は、制御装置3内で口金101と接合されている。
この口金101と、ブレーキ95を矢印で示す前後方向に動かす駆動部100とは、接合部材102により、ネジ等で接合されている。なお、図10(B)は、接合部材102を斜視図で示している。この接合部材102は、口金101及び駆動部100にネジで固定するためのネジ穴が設けてある。
口金101及び接合部材102には、ケーブルや湾曲用チューブ92i等の内蔵物を挿通できるように、穴部101a、102aがそれぞれ設けられている。
口金101及び接合部材102は、金属、或いは硬質の樹脂により形成されている。駆動部100は、挿入部6の細径化を図る為に、挿入部6内ではなく、制御装置3内に設置されている。
それに伴って、口金101及び接合部材102も制御装置3内に設置されている。
なお、後述する変形例の内視鏡2B(図21参照)のように挿入部6の後端に操作部131を設け、この操作部131内に(口金101、接合部材102及び駆動部100を備えた)ブレーキ制御ユニット118を配置した構成にしても良い。
図11に示すように、駆動部100は、例えばソレノイド式駆動装置により構成される。
この駆動部100は、取付台100bが設けられた円筒ケース100cの中央に固定鉄心100dと可動鉄芯棒100aとがその軸方向に対向して配置され、これら固定鉄芯100dと可動鉄芯棒100aとの外周部分にはモールドコイル100eが図示しない円筒形状のコイルボビンに巻回して設けられている。
また、前後に移動自在に配置された可動鉄芯棒100aは、常に先端側に押し出されるようバネ100fにより付勢されており、モールドコイル100eに電流が流れると、磁力が発生し、バネ100fの付勢力に抗して可動鉄心棒100aは、後端側の固定鉄心100dに引き寄せられる。つまり、可動鉄芯棒100aは、前後に移動(可動)する。 尚、駆動部100は、入力信号に対してレスポンスが良く瞬時に動くものであれば良く、ソレノイド式駆動装置に限定されるものでない。
図12は、流体の給排制御により湾曲部9を湾曲制御する湾曲制御ユニット109を示す。
図12に示すように、第2の制御装置4内に設けられている湾曲制御ユニット109はレギュレータ110、ボンベ用圧力センサ111、電磁弁112(電磁弁112a〜112dを総称)、113(電磁弁113a〜113dを総称)、ルーメン用圧力センサ114(ルーメン114a〜114dを総称)、電磁弁112,113を駆動する電磁弁用ドライバ115、制御部116とにより構成される。
チューブ99内を挿通された湾曲用チューブ92iは、制御装置3内の接続部76において、湾曲制御ユニット109側の管路77iと接続される。各管路77iは、電磁弁113i、112iを経て共通の管路78に設けられたボンベ用圧力センサ111、レギュレータ110及びボンベ57にそれぞれ接続される。
電磁弁112i、113iは制御部116により、電磁弁ドライバ115を介してそれぞれ独立して開閉の制御ができる。
なお、電磁弁112iは、ボンベ57からの加圧された気体をルーメン82iに選択的(独立的)に供給するために開閉される電磁弁であり、電磁弁113iは気体を供給する場合には電磁弁112iと連動して駆動されるが、ルーメン82iに供給された気体を吸引して解放或いは排気する場合には、外部に連通するように開制御される3方向に開閉する電磁弁である。
なお、電磁弁112iも3方向に開閉する電磁弁にして、電磁弁113iと連動させるようにしても良い。
さらに、湾曲制御ユニット109には、入力手段を構成するリモコン67が接続され、リモコン67の電気信号が制御部116に入力される。そして、制御部116は術者によるリモコン67の湾曲ボタン69による湾曲操作に対応して、各ルーメン82iに加圧された流体を独立して供給したり、各ルーメン82iの供給された流体を独立して排出するように制御する。
ボンベ57は、圧力調整を行うレギュレータ110と接続されており、流体としてのエアー(具体的には二酸化炭素ガス)を供給する圧力源となっている。
リモコン67には、図2に示したように湾曲の指示入力操作を行う入力手段としての操作ボタン69が設けられている。
図12に示す制御装置3内のブレーキ制御ユニット118は、前述した口金101、接合部材102、駆動部100と、制御部117とにより構成される。
さらに、ブレーキ制御ユニット118には、リモコン67が接続され、リモコン67の操作ボタン69による操作に対応した電気信号が制御部117に入力される。そして、この制御部117は、以下の作用にて説明するようにロック機構120の駆動制御を行い、湾曲部9の湾曲の応答性の向上する。
例えば操作ボタン69による操作により、流体をルーメン82iに供給して湾曲させた際、湾曲停止の操作を行うと、流体の供給を停止すると共に、ブレーキ95を前方側に移動させて線材88iを瞬時に機械的に固定保持(ロック)することにより、湾曲部9を構成する弾性部材としてのマルチルーメンチューブ81,内径保持チューブ84、外径保持チューブ85の長手方向の伸縮変形を規制して湾曲の応答性を向上する。
(作用)
次に本実施形態の作用を説明する。図13は、流体供給無しの状態から流体供給を行った流体供給時のタイムチャートを示す。また、図14(A)〜図17(A)、図14(B)〜図17(B)は、図13の時間T1〜T4における図3と図8の断面図を概略的に描いた図である。
図14(A)〜図17(A)は、ルーメン82i、接続パイプ91i、湾曲用チューブ92i等の流体が流れる経路を示し、図14(B)〜図17(B)は、内径保持チューブ84、線材88i、ブレーキ95等の湾曲の際の湾曲角度を固定保持するのに関与するロック機構120を示す。
最初に、流体の供給無しの状態(通常状態という)、つまり図13の時間T1における湾曲部9の湾曲に深く関係する部分の動作状態を、図14(A)、図14(B)に示している。
図13に示すように通常状態における時間T1においては、全ての操作ボタン69は(下方向湾曲用の操作ボタン69cも)操作されていないOFF、全電磁弁112,113は(電磁弁112a、113aも)閉、圧力センサ114内圧力(そして圧力センサ114a内圧力)及びルーメン82i内圧力は(ルーメン82a内圧力も)常圧(大気圧レベル)、また、ブレーキ95は以下に説明するようにブレーキ動作状態としてのON、湾曲角度は無操作に対応して0°である。
そして、湾曲部9を形成するマルチルーメンチューブ81のルーメン82a、82cは、図14(A)に示すように流体が供給されていないで真っ直ぐな状態であり、また図14(B)に示すように内径保持チューブ84も真っ直ぐである。
この流体供給無しの通常状態においては、図10(A)に示す駆動部100の可動鉄心棒100aが先端側に押し出されている為、接合された口金101、接合部材102を先端側に押し出している。
チューブ99は、口金101、接合部材102に接合されている為、チューブ99も先端側に押し出されている。
また、ブレーキ95は、チューブ99の先端に接合されているので、ブレーキ95も先端側に押し出される。
この状態の場合、ブレーキ95のテーパ95bが、チューブ保持管87のテーパ87aに当り、ブレーキ動作状態である。
各線材88iは、テーパ95bとテーパ87aに挟まれて、各線材88iは前後に動かないロック状態となっている。
なお、図14(B)において、各線材88iの後端部が固定されていない状態及びその(前後方向の位置の概略)を示している。
この状態において、流体供給開始、つまり図13の時間T2付近の動作は、図15(A)、図15(B)のようになる。
図2のリモコン67の操作ボタン69における例えば下方向湾曲用の操作ボタン69cを押すと、図12に示したブレーキ制御ユニット118を構成する制御部117は、駆動部100を動作させるように電流を供給するように制御する。
そして図10(A)に示す駆動部100におけるモールドコイル100eには電流が流れ、可動鉄心棒100aは後端側に引かれる。
すると、チューブ99が後方側に引っ張られるので、その先端のブレーキ95も図15(B)に示すように後方側に移動し、テーパ95bに当接していたテーパ87aは、後方側に離れ(移動し)、ブレーキ95はONからOFFに、また各線材88iは移動可能、つまりロック解除状態となる。
ロック解除後、又はほぼ同時に、制御装置4内の湾曲制御ユニット109における制御部116により、電磁弁112a、113aは、パルス的に開閉駆動開始となる。そして、ボンベ57から流体(具体的には二酸化炭素ガス或いは空気)を管路78,77aを経て湾曲用チューブ92a側に供給する。図15(A)では、矢印で流体の供給開始を示している。
その流体が、湾曲用チューブ92aと接続パイプ91aを通り、上方向湾曲用の圧力室としてのルーメン82a内に供給開始する状態となる。
次に流体供給、つまり図13の時間T3の動作の状態を、図16(A)、図16(B)に示している。
内径保持チューブ84、外径保持チューブ85(図16(A)、図16(B)では省略)によって、ルーメン82aの膨張が規制される。
このため、マルチルーメンチューブ81は、流体が供給された上方向のルーメン82a側が、例えば図16(A)の矢印で示すように伸張されて、先端側へ伸び、下方向へ湾曲する。従って、図16(A)、図16(B)に示すように(湾曲部9を構成する)マルチルーメンチューブ81は、下側に湾曲する。
この場合、特に上方向のルーメン82a側が先端側へ伸びる為、図16(B)に示すように上方向にある線材88a、88bの2本は先端側に引き込まれる(但し図16(B)においては線材88a、88cを通る断面であるため、2本の線材88a、88bの一方の線材88aのみ示している。後端部の位置としては線材88a、88d、88c、88bで示している)。
次に流体供給を停止した図13における時間T4の動作の状態を、図17(A)、図17(B)で示している。
図2の操作ボタン69における下方向湾曲用の操作ボタン69cを押す操作を停止すると、制御装置4からの流体の供給が停止する(図17(A)では矢印にクロス符号を付けて示している)。
しかし、マルチルーメンチューブ81は、下記の3つの理由により、湾曲部9の湾曲は直ちに停止せずに動こうとする力が作用する。
(a) 湾曲用チューブ92iの内径は、小さく管路抵抗が大きい。その為、湾曲部9と湾曲用チューブ92i手前側とで圧力伝達の遅れが生じる。
(b)ルーメン82a内の圧力がルーメン用圧力センサ114a内の圧力と同じになるまでに時間がかかる。
(c)マルチルーメンチューブ81は、弾性部材でできている為、伸縮性があり、わずかな圧力変化でも伸縮しようとする力が働く。
これに対して、本実施形態においては、以下の動作により、湾曲部9を速やかに、つまり応答性良く湾曲部9の湾曲をロック(固定保持)する。
操作ボタン69の(下方向への湾曲)操作を停止すると同時に、図10(A)に示す駆動部100のモールドコイル100eに流れる電流が停止し、可動鉄心棒100aは、先端側に押し出される。
このため、(操作ボタン69cを押す操作を停止すると)各線材88iは、(停止のタイミングと)殆ど瞬時にテーパ95bとテーパ87aに挟まれて、各線材88iは、先端側に引き込まれないロック状態となる。
各線材88iは、下方向に湾曲した時の外周側(線材88a、88d)と内周側(線材88b、88c)にくる位置に設けられている為、各線材88iは異なる長さの状態でロックされている。
マルチルーメンチューブ81は、伸びようとする力が作用しているが、線材88b、88cが内周側が縮むのを防ぎ、かつ線材88a、88dが外周側が伸びるのを防ぐ為、湾曲の操作を停止させる操作を行った時の湾曲した形状を維持する。
従って、内視鏡2を使用する術者が、湾曲部9を湾曲させている操作ボタン69の操作を停止し、湾曲部9の湾曲角度を所望の湾曲角度位置に設定した場合、流体の供給が停止すると共に、停止の操作と殆ど同時(瞬時)に湾曲部9を形成しているマルチルーメンチューブ81等の弾性部材の長手方向における伸縮が線材88iにより機械的に固定されるため、応答性良く湾曲部9の湾曲角度位置が停止の操作のタイミングに近い値に固定できることになる。
次に図13で説明したように所望の湾曲角度まで湾曲させた状態から、その湾曲角度を減らす(或いは逆方向に湾曲する)減圧開始、つまり図18における時間T1の後のT2の動作の状態は図19(A)、図19(B)のようになる。なお、図18における時間T1は、図13の時間T4に相当する。
また、図19(A)は、図14(A)等と同じ部分を示し、図19(B)も図14(B)等と同じ部分を示している。後述する図20(A)、図20(B)も同様である。
図2のリモコン67にある操作ボタン69の上方向湾曲用の操作ボタン69aを押すと、図10(A)に示す駆動部100のモールドコイル100eに電流が流れ、可動鉄芯棒100aは後端側に引かれる。
すると、ブレーキ95が後方側に移動して、テーパ87aに対してブレーキ95のテーパ95bは後方側に離れ、各線材88iは移動可能なロック解除状態となる。つまり、ブレーキ95はOFFとなる。図19(B)はこの状態を示している。
このロック解除後またはほぼ同時に、制御装置4より流体がパルス式に吸引または開放され、ルーメン82a内は減圧される。
ルーメン82a内が減圧されることによって、マルチルーメンチューブ81は、図19(A)の矢印で示すように後端側に縮みながら元の状態に戻る方向に湾曲する。つまり、下方向に湾曲された状態からその湾曲角度(湾曲量)が小さくなるように湾曲される。 次に、減圧停止、つまり図18における時間T3の動作の状態を図20(A)、図20(B)で示している。
図2の操作ボタン69の上方向湾曲用の操作ボタン69aを押す操作を停止すると、制御装置4からの流体の吸引または開放が図20(A)のクロス符号で示すように停止する。
しかし、マルチルーメンチューブ81は、下記3つの理由により、湾曲部9は停止せずに動いてしまう。
(a)湾曲用チューブ92iの内径は小さく管路抵抗が大きい。その為、湾曲部9と湾曲用チューブ92i手前側にて圧力伝達の遅れが生じる。
(b)湾曲部9の圧力が入力圧力と同じになるまでの時間がかかる。
(c)マルチルーメンチューブ81は、弾性部材でできている為、伸縮性があり、わずかな圧力変化でも伸縮、また真直ぐな状態に戻ろうとする力が働く。
これに対して、本実施形態においては、以下の動作により、湾曲部9を速やかに、つまり応答性良く湾曲部9の湾曲をロック(固定保持)する。
操作ボタン69aの操作を停止すると同時に、図10(A)に示す駆動部100のモールドコイル100eに流れる電流が停止し、可動鉄芯棒100aは先端側に押し出される。
すると、ブレーキ95のテーパ95bが先端側に移動して、各線材88iはテーパ95bとテーパ87aとに瞬時に挟まれて、各線材88iは後端側に押し戻されないロック(固定保持)状態となる。
上方向のルーメン82a側が後端側へ縮む為、上方向にある線材88a、88bの2本は後端側に押し戻されようとする作用が働き、これらの線材88a、88bには圧縮する力が掛かるが、内径保持チューブ84の穴部89、線材管90に挿通させることにより、各線材88iとブレーキ95の間で最小限の撓みで抑えられ、マルチルーメンチューブ81が戻ろうとする動きを規制し、湾曲部9の動きを停止させる。
各線材88iは、下側に湾曲した時の外周側(線材88a、88d)と内周側(線材88b、88c)にくる位置に設けられている為、各線材88iは、異なる長さの状態でテーパ87a、95bにおいて挟み込まれた状態でロックされる。
マルチルーメンチューブ81は、真直ぐな状態に戻ろうとする力が作用しているが、線材88b、88cが内周側が伸びるのを防ぎ、88a、88dが外周側が縮むのを防ぐ為、湾曲した形状を維持している。
(効果)
上述したように本実施形態によれば、リモコン67による湾曲の操作を停止すると、瞬時に各線材88iの動きをブレーキ95とチューブ保持管87のテーパ95b、87aにて挟みつけることにより、湾曲部9を止めたい位置、姿勢で瞬時に停止させることができ、湾曲操作に対する応答(レスポンス)を向上することができる。
また、本実施形態によれば、各線材88iは、湾曲部9を湾曲した時の外周側と内周側にくる位置に設けられている為、湾曲形状を維持することができる。
また、本実施形態によれば、各線材88iが、上下、左右の各湾曲方向の位置に設けられたルーメン82a、88c、88d、88bの直下ではなく、両側に設けるようにしていることにより、1つのルーメン82iを加圧した時の湾曲部9の動きを停止させる線材88iとして2本で支えることができる為、確実に湾曲部9の動きを停止させることができる。
また、本実施形態によれば、各線材88iが後端側に引き込まれる時、各線材88iを内径保持チューブ84、線材管90に挿通させることによって、各線材88iをロックした時の撓みを防止することができる為、確実に湾曲部9の動きを停止させることができる。
図21は変形例における内視鏡2Bを備えた内視鏡装置1Bの構成を示す。この内視鏡2Bは、図1に示した内視鏡2において、制御装置3内に設けたブレーキ制御ユニット118を、挿入部6の後端に設けた操作部131内に収納し、この操作部131から延出された操作部ケーブル132の端部のコネクタ133を制御装置3に着脱自在に接続する構成にしている。
このコネクタ133は、信号ケーブル33等の端部の電気コネクタ133aが制御装置3に着脱自在に接続される。また、このコネクタ133には湾曲用チューブ92iの後端に口金を取り付けた流体用コネクタ134が設けている。
この流体用コネクタ134は、接続チューブ135により制御装置4内の制御ユニット109の管路に着脱自在に接続される。
その他の構成は上述した第1の実施形態と同様である。またその作用効果も第1の実施形態と同様である。その他、本変形例によれば、洗浄消毒を行い易くなる利点を有する。なお、リモコン67を、例えば操作部131に着脱自在に設けるようにしたり、操作部131にリモコン67の機能を設けるようにしても良い。
(第2の実施形態)
次に図22から図25を参照して本発明の第2の実施形態を説明する。なお、第1の実施形態と異なる部分のみ説明する。
図22は本実施形態の内視鏡における湾曲部9及びその後端付近の構造を示し、図23は内径保持コイル125の構成を斜視図で示し、図24はリモコン67の構成を示し、図25は本実施形態の動作説明用のタイミングチャートを示す。
(構成)
第1の実施形態においては、ブレーキ95は、挿入部6内を挿通されたチューブ99の先端に設けられ、このチューブ99は制御装置3内のブレーキ制御ユニット118内の駆動部100により駆動制御する構成となっていた。
これに対して、本実施形態は、湾曲部9の後端付近に、第1の実施形態の駆動部100に相当する駆動部100′を配置する構成にしている。具体的には、以下に説明するように、第1の実施形態のブレーキ95に相当するブレーキ122と一体化した駆動部100′を設けて、ロック機構120を備えた機械的保持部119′を形成している。
また、第1の実施形態においては、内径保持チューブ84の穴部89内に線材88iを挿通していたが、本実施形態においては、内径保持チューブ84の代わりに内径保持コイル125を採用し、この内径保持コイル125に形成した線材挿通溝103内に線材88iを挿通する構成にしている。この場合にも、線材88iの径方向への移動を規制するガイド部を形成している。
図22に示すようにマルチルーメンチューブ81の内側に配置される(第1の実施形態の内径保持チューブ84に対応する)内径保持コイル125は、例えば密巻きの金属製のコイルにて形成されている。
また、この内径保持コイル125単体としての構成を図23に示す。図23に示すように、この内径保持コイル125には、4本の各線材88iがそれぞれ挿通される線材挿通溝103が形成されている。
各線材挿通溝103は、各線材88iが軸方向に移動可能である最小限まで小さく形成されている。
図22に示すように、この内径保持コイル125の外周には、チューブ体の外皮104が被覆するように配置されており、この外皮104により、マルチルーメンチューブ81が線材挿通溝103に落ち込むのを防止している。
また、この図22に示すように、駆動部100′と一体化したロック機構120を備えた機械的保持部119′は、湾曲部9の後端部付近に設けられている。
この駆動部100′は、モールドコイル126を内蔵したケース121と、ブレーキ122と、ケース121及びブレーキ122との間に配置され、ブレーキ122を前方側に付勢するバネ123と、モールドコイル126に通電されることにより磁力を帯び、ブレーキ122を吸引して後方側に移動させる固定鉄芯124とから成る。
ケース121は、湾曲部9の後端付近の口金75に接合されている。
ケース121は、各線材88iが挿通可能な穴部121aを有しており、各線材88iの後端部は、穴部121aに挿通され、固定はされていない。
尚、湾曲部9が湾曲されて各線材88iが先端側へ引き込まれても、各線材88iの後端が穴部121aに収まる長さに各線材88iの長さが設定している。
ケース121後端には、モールドコイル126に電流を流すケーブル107a、107bが接続されている。
尚、図示はしていないが、ケーブル107a、107bは、可撓性管部10内を挿通されて、制御装置3に接続されている。そして、制御装置3内の制御部117は、リモコン67の操作ボタン69の操作により、モールドコイル126への通電の制御を行う。
ブレーキ122は、第1の実施形態のブレーキ95と同様に、先端側の外周面がテーパ状に形成されて(テーパ95bと同様の)テーパ122aが設けられ、また、このブレーキ122においても内蔵物を挿通できるように中央に穴部を有している。
このブレーキ122は、各線材88iが挿通でき、穴部121aが塞がらない径となっている。
また、このブレーキ122は、鉄やニッケル等の強磁性体の金属等にて形成されている。
また、モールドコイル126の内側の後端寄りの位置に配置された固定鉄芯124は、ケース121の後端の突起に接合されており、かつ内蔵物が挿通できるように穴部を有している。
この固定鉄芯124は、鉄やニッケル等の強磁性体の金属等にて形成されている。
また、ブレーキ122は、常に先端側に押し出されるように、ブレーキ122の凹部とケース121の前端との間に配置されたバネ123により付勢されている。
そして、モールドコイル126に電流が流れ、固定鉄芯124に磁力が発生すると、ブレーキ122は、固定鉄芯124に引き寄せられて後端側に移動する(なお、図22はこの状態、つまりロック解除状態で示している)。
このように、電流のOFF、ONに応じてブレーキ122は、前後に移動することになる。
尚、湾曲角度が小さくても良い場合、即ち湾曲時に各線材88iが前後に移動する時に必要な長さが短い等、各線材88iを収納できるスペースを確保できれば、各線材88iを湾曲部9の後端側に固定して、駆動部100′を湾曲部9の先端近傍に設置しても良い。
また、図24に示すように、本実施形態におけるリモコン67には、第1の実施形態で説明したリモコン67において、さらに2段階のモードA、Bに切換えられる切換えスイッチ105と、任意のタイミングでロックするロックスイッチ106が設けられている。 なお、モードAの場合においては、第1の実施形態と同じように駆動部100′は湾曲操作と連動して動く。これに対して、モードBの場合においては、駆動部100′は湾曲操作と独立して、任意のタイミングで動かすことができる。その他の構成は第1の実施形態と同様である。
(作用)
次に本実施形態の作用(動作)を説明する。
モードAにおいては、第1の実施形態と同じで、駆動部100′は湾曲操作と連動して動く。このため、その動作の説明を省略する。
これに対して、モードBにおいては、駆動部100′は湾曲操作と独立して、任意のタイミングで動かすことができる。そして、以下では、図25のタイミングチャートを用いて本実施形態におけるモードBでの動作を説明する。
初期状態の時間T1においては、図25に示すように、(切換スイッチ105は例えば)Aモードに設定されており、この場合にはロックスイッチ106はOFF,また第1の実施形態で説明したように、操作ボタン69は(69a、69cも)OFF、電磁弁112,113は(112a,113aも)全てOFF、圧力センサ114内圧力は常圧、ルーメン82a内の圧力も常圧、ブレーキ122はON、湾曲角度は0°である。
図24のリモコン67にある切換スイッチ105をモードBに切替える。すると、図22に示すロック機構120を構成する駆動部100′のモールドコイル126には、常に電流が流れ、ブレーキ122は後端側に引かれた状態になり、ブレーキOFFとなる。 つまり、ブレーキ122のテーパ122aは、チューブ保持管87のテーパ87aから後方側に離れ、線材88iの後端は移動可能な状態、つまりロック解除状態となる。
このようにBモードにおける通常状態ではロックされていない為、湾曲部9は外力を加えると曲がる、軟らかい状態となる(図25の時間T2)。
次に図24に示す操作ボタン69の下方向湾曲用の操作ボタン69cを押すと、図25の期間T3に示すように電磁弁112a、113aがパルス的に駆動され、流体を供給する状態となる。そして、湾曲部9の湾曲角度が増大する。
図24の操作ボタン69の下方向湾曲用の操作ボタン69cを押す操作を停止すると、流体の供給が停止する。
しかし、ルーメン82a内の圧力は遅れるため、時間T3の後の時間T4においても湾曲部9は湾曲し続けようとする力が働く。
この場合、術者は図24のリモコン67に設けてあるロックスイッチ106を押す。このロックスイッチ106がONにされるのと同時に、図22に示すロック機構120のモールドコイル126に流れる電流が停止し、ブレーキ122は先端側に押し出される。 つまり、ブレーキ122の先端外周面のテーパ122aがチューブ保持管87のテーパ87aに押し当てられ、各線材88iは先端側に引き込まれない、ロック状態となる(図25における時間T5)。
従って、本実施形態によれば、湾曲部9の湾曲角度を、下方向湾曲用の操作ボタン69cを押す操作を停止したタイミングに近い値にロックすることができ、湾曲の応答性を向上することができる。
このように所望とする湾曲角度まで湾曲した後、術者はその湾曲角度を小さくするような操作を行うとする。
具体的には、図24のリモコン67の操作ボタン69における上方向湾曲用の操作ボタン69aを押すと、図25の時間T6に示すように電磁弁113aをパルス的に駆動し、流体を吸引または開放する。そして、ルーメン82a内の圧力を下げて、湾曲角度を小さくする動作を開始する。
この場合、操作ボタン69の上方向湾曲用の操作ボタン69aを押すと同時に、図22に示すロック機構120のモールドコイル126に電流が流れ、ブレーキ122は後端側に引かれた状態になる。
つまり、ブレーキ122のテーパ122aはチューブ保持管87のテーパ87aから離れ、各線材88iは移動可能なロック解除状態となる。
このようにBモードにおける湾曲駆動制御は図25に示したような動作となる。
このようにBモードにおいては、通常は湾曲部9が軟らかい状態を維持したまま、つまりブレーキがOFFとなる状態で検査を行い、湾曲を確実に止めたい時は、ロックスイッチ106を押すことで湾曲形状を確実に維持(ロック)することができる。そして、このロックの次ぎに湾曲部9を動かす時には、湾曲操作に連動してロックスイッチ106によるロックが解除されるようにしている。
なお、図25の説明では最初はAモードに設定されていると説明しているが、初期状態をBモードに設定しても良い。また、図示しない記憶部に術者が初期状態で動作するAモード或いはBモードを選択設定できるようにしても良い。
(効果)
本実施形態は第1の実施形態の効果を有する他に、駆動部100′を湾曲部9近傍に設置することにより、駆動部100′の動きをブレーキ122に伝えるロスを極力減らすことができる。
さらに、用途や手技によって術者が使いやすいモードに選択して使用できる効果もある。 なお上述した実施形態等を部分的に組み合わせる等して構成される実施形態も本発明に属する。
上述した実施形態の説明においては、医療機器として例えば内視鏡の例で、その長尺の挿入部6における湾曲動作ないしは湾曲制御動作を必要とするものへの具体的技術構成について説明したが、内視鏡に限らず、湾曲動作を必要とする他の医療機器へ具体的に適用することは容易に考えられる。
例えば細長で可撓性の軸体或いはチューブ体からなる処置具挿入部を備え、その先端に処置部が設けられた処置具の場合にも、その処置具挿入部を挿入部6とみなして、上述した流体の給排を利用して湾曲駆動する湾曲部を処置部の後端側に形成しても良い。そのような場合にも、湾曲動作の応答性を向上することができる。
そして、その湾曲動作により、処置具の先端の処置部を短時間に、術者が望む状態に設定することができ、処置する際の操作性を向上することができる。なお、処置具以外の他の医療機器の場合にも同様に適用できる。
また、本発明は、医療用分野の場合に限定されることなく、より広い一般的な分野に適用することもできる。例えば、本願明細書の背景技術に記載した特許3003702号公報のような流体エネルギーにより動作するアクチュエータに対しても容易に適用することが可能である。このため、本発明は、これらに適用した場合も含む。
[付記]
1.前記線状部材は、1つの圧力室の動作に応じて、複数の線状部材が移動可能となる位置に設けられることを特徴とする請求項5に記載の内視鏡。
2.前記第2の押圧部材の線状部材保持部よりも後端側に、前記線状部材が挿通される挿通部を備えることを特徴とする請求項6に記載の内視鏡。
3.前記駆動部は、湾曲操作に連動して動くことを特徴とする請求項7に記載の内視鏡。4.前記駆動部は、湾曲操作と独立して、任意のタイミングで駆動可能にしたことを特徴とする請求項7に記載の内視鏡。
5.前記駆動部は、湾曲部の後端付近に配置されることを特徴とする請求項7に記載の内視鏡。
流体の給排により湾曲部を湾曲させ、屈曲した被検体内に挿入して内視鏡検査を行う場合に適用される。
図1は本発明の第1の実施形態を備えた内視鏡装置の全体構成図。 図2はリモートコントローラの構成を示す正面図。 図3は内視鏡の先端部及び湾曲部の詳細な構成を示す断面図。 図4は図3のA−A線断面図。 図5の(A)及び(B)は図3に示した内径保持チューブの組み付け前及び組み付け時の概略の構造を示す図。 図6は図3に示した封止材と接続パイプを示す斜視図。 図7は図4のB−B線断面による湾曲部の先端付近の構造を示す断面図。 図8は図4のB−B線による湾曲部の後端付近の構造を示す断面図。 図9は図8のC−C線断面図。 図10の(A)は動力伝達機構を示す図と、(B)は接合部材を示す斜視図。 図11は図10の駆動部の構造を示す図。 図12は湾曲制御ユニット及びブレーキ制御ユニットの構成を示す図。 図13は第1の実施形態の動作説明用のタイミングチャート。 図14は、図13における時間T1における湾曲部を形成するマルチルーメンチューブ及び線材周辺部の模式的断面図。 図15は、図13における時間T2における湾曲部を形成するマルチルーメンチューブ及び線材周辺部の模式的断面図。 図16は、図13における時間T3における湾曲部を形成するマルチルーメンチューブ及び線材周辺部の模式的断面図。 図17は、図13における時間T4における湾曲部を形成するマルチルーメンチューブ及び線材周辺部の模式的断面図。 図18は第1の実施形態の動作説明用のタイミングチャート。 図19は図18における時間T2における動作説明用の模式的断面図。 図20は図18における時間T3における動作説明用の模式的断面図。 図21は変形例の内視鏡を備えた内視鏡装置の構成を示す図。 本発明の第2の実施形態における湾曲部周辺部の構成を示す縦断面図。 図23は内径保持コイルの構成を示す斜視図。 図24はリモコンの構成を示す正面図。 図25は本実施形態の動作説明用のタイミングチャート。 従来例を内視鏡の湾曲部に適用した場合における湾曲の応答特性例を示す説明図。
符号の説明
1、1B…内視鏡装置、2、2B…内視鏡、3、4,5…制御装置、6…挿入部、8…先端部、9…湾曲部、10…可撓性管部、27…撮像ユニット、41…湾曲外皮、57…ボンベ、67…リモコン、69…操作ボタン、81…マルチルーメンチューブ、82a〜82d…ルーメン、83a、83b…封止材、84…内径保持チューブ、85…外径保持チューブ、86,87…チューブ保持管、87a、95b…テーパ、88a〜88d…線材、90…線材管、91a〜91d…接続パイプ、92a〜92d…湾曲用チューブ、95、122…ブレーキ、95a…溝、99…チューブ、100、100′…駆動部、109…湾曲制御ユニット、112、113…電磁弁、116、117…制御部、118…ブレーキ制御ユニット、119、119′…機械的保持部、120…ロック機構

Claims (7)

  1. 細長の挿入部に、その軸方向に伸縮変形な弾性部材を用いて前記挿入部の周方向に設けられた複数の圧力室と、前記複数の圧力室にそれぞれ加圧された流体の給排を独立して行うための複数のチューブとを有し、前記流体の給排に応じて湾曲する湾曲部が設けられた内視鏡において、
    前記流体の供給により前記湾曲部が駆動されている状態での湾曲動作の停止の際に、前記流体の供給の停止を行うと共に、前記湾曲部を形成する弾性部材の伸縮変形を機械的に固定保持する機械的保持部を設けたことを特徴とする内視鏡。
  2. 前記機械的保持部は、湾曲部内を挿通して設けられ、一端が固定され、他端が湾曲部の動作に応じて移動可能に支持された線状部材と、
    移動自在の前記線状部材の移動を固定保持と固定解除の切替えが可能なロック機構と、 を備えることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡。
  3. 前記線状部材の先端は、前記湾曲部の先端側に固定され、該線状部材の後端は前記湾曲部の動作に応じて移動可能に支持されることを特徴とする請求項2に記載の内視鏡。
  4. 前記線状部材の一端が固定された固定部と、前記ロック機構との間に、前記線状部材の径方向への移動を制限するガイド部が設けられることを特徴とする請求項2に記載の内視鏡。
  5. 前記線状部材は、複数設けられ、前記湾曲部が湾曲された時の外周側と内周側の各位置に設けられることを特徴とする請求項2から4のいずれかの請求項に記載の内視鏡。
  6. 前記ロック機構は、第1の押圧部材と第2の押圧部材を備え、第1の押圧部材は、前記湾曲部近傍に固定されており、第2の押圧部材は前記第1の押圧部材に隣接して軸方向に移動可能に設けられており、第1及び2の押圧部材には、前記線状部材を挟み込む線状部材保持部を備えることを特徴とする請求項2に記載の内視鏡。
  7. 前記ロック機構は、前記第2の押圧部材を前後に移動させる為の駆動部を備えることを特徴とする請求項6に記載の内視鏡。
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