JP2009219582A - 除湿装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】衣類の温度を直接計測し、衣類の生乾きや乾燥ムラのない省エネルギーな運転を行う除湿装置を提供する。
【解決手段】制御手段を設け、ステップ2で室温検知手段が検知した室温に対応する信号を取り込み、記憶装置に記憶させK1とする。ステップ3で非接触温度検知手段からの衣類の表面温度を取り込み、記憶装置に記憶させCiとする。ステップ4で、演算装置でK1とCiとの差Kmを演算し、Kmが基準値Ktよりも大きければ濡れていると判断し、小さければ乾いていると判断し、その判断結果を記憶装置に記憶する。ステップ5で送風範囲ルーバと、非接触温度検知手段を水平方向に一定距離移動させる。ステップ6で、送風範囲の温度を全て検知したかを判断し、全て検知されていたらステップ7に移行し、未検知ならばステップ3〜5を繰り返す。ステップ7で、Km≧Ktの領域に送風範囲ルーバを水平方向に移動させながら集中的に送風する。
【選択図】図7

Description

本発明は、主に一般家庭における室内の除湿もしくは室内に干した洗濯物の乾燥に使用される除湿装置の被乾燥物の乾燥方法および乾燥制御装置に関する。
近年、生活スタイルの変化に伴い時間を問わず洗濯物を室内で乾かしたいという要望が多くなり、室内で使用することを目的とした除湿装置が普及している。また、寝ている間や会社への出勤中など、家を留守にしている間に洗濯物を乾燥させる使用が多くなってきており、衣類の乾燥度合いを正確に検知して生乾きや乾きムラおよび無駄な乾燥運転をすることなく、衣類乾燥を終了するような省エネルギーの乾燥運転が求められている。
従来の方法では、室内の温度と湿度を検知して、検知した温度と湿度の変化から衣類の乾燥度合いを推定する機能を持った除湿装置が知られている(例えば特許文献1)。
特開2007−181585号公報
このような従来の室内の温度と湿度の変化から衣類の乾燥度合いを推定する方法では、衣類の乾燥度合いを室内空気の温度と湿度の変化から推測するため、乾燥させる衣類の量や種類および部屋の気密性などに影響を受けてしまい、正確に衣類の乾燥を把握することが困難である。そのため、衣類の生乾きや乾燥ムラのある状態で除湿装置の運転が停止することになる。このような衣類の乾燥ムラを防止する目的で衣類が乾燥したと推測する時間よりも長く運転する傾向にあるため、無駄なエネルギーを消費してしまう傾向にある。
本発明は、このような課題を解決するものであり、乾燥させる衣類の量や種類および部屋の気密性などに影響を受けず、正確に衣類の乾燥を把握し、衣類の生乾きや乾燥ムラをなくして無駄な乾燥運転を行わない省エネルギーな除湿装置を提供することを目的としている。
室内の空気を吸い込む吸い込み手段と、空気中に含まれる湿気を除湿する除湿手段と、前記除湿手段により除湿された空気を吹き出す吹き出し手段と、前記吸い込み手段から吸い込んだ室内の空気を前記除湿手段を介して前記吹き出し手段に室外に送風する送風手段と、前記吹き出し手段からの上下方向の吹き出し風向を制御する風向ルーバと、前記吹き出し手段からの水平方向の吹き出し風向を制御する送風範囲ルーバと、室温を検知する室温検知手段と、前記風向ルーバ付近に設けた物体の表面温度を非接触で検知する温度検知手段と、前記検知温度を記憶する記憶手段と、前記送風手段と除湿手段と風向ルーバと送風範囲ルーバと室温検知手段と温度検知手段とを駆動する駆動手段とを備えた除湿装置において、前記駆動手段により前記送風範囲ルーバと前記温度検出手段を水平方向に走査させ、走査範囲内の温度分布を求め、前記走査範囲内において室温よりも温度が低い範囲に前記駆動手段を用いて前記除湿された空気を送風する制御手段を有することを特徴としたものである。
この手段により、室内の温度と非接触温度検知手段より検知した衣類の表面温度との差を演算し、濡れた衣類の表面温度は水分が蒸発する気化熱によって室内の温度よりも低くなっている現象を検知し、さらに非接触温度検知手段を水平方向に走査することで、捜査範囲内における被乾燥物の存在範囲を検知し、被乾燥物の存在範囲に重点的に送風でき、被乾燥物の生乾きや乾燥ムラをなくして無駄な乾燥運転を行わない省エネルギーな除湿装置が得られる。
さらに、制御手段は、被乾燥物存在範囲が複数領域存在する場合、前記複数領域間の距離が設定値以下のとき、前記複数領域全てにまたがって送風し、前記複数領域間の距離が設定値よりも大きいとき、前記複数領域に優先順位をつけて、前記優先順位順に送風することを特徴としたものである。
この手段により、被乾燥物存在領域を限定することで、被乾燥物が存在しない領域に送風することなく、省エネルギー運転できる除湿装置が得られる。
さらに、制御手段は、前記複数領域のうち、各領域の平均温度の低い順に優先順位を与えることを特徴としたものである。
この手段により、無駄な運転を行わない省エネルギーな除湿装置が得られる。
さらに、制御手段は、前記複数領域のうち、各領域幅の広い順に優先順位を与えることを特徴としたものである。
この手段により、無駄な送風範囲の有無を判別でき、無駄な運転を行わない省エネルギーな除湿装置が得られる。
さらに、被乾燥物存在範囲内の温度分布を求め、前記被乾燥物存在範囲内の平均温度と室内温度との差が設定範囲内になったときを基点にして、一定時間経過した時点で除湿装置の運転を停止する制御手段を有することを特徴としたものである。
この手段により、自動的に被乾燥物の乾燥終了時を把握でき、無駄な運転をしない省エネルギーな除湿機装置が得られる。
さらに、被乾燥物存在範囲内の温度分布において、極小値、極大値を求め、最小極小値とその近傍のいずれかの極大値との温度差が設定値以上になると、駆動手段により風向ルーバを制御し、前記極小値付近に送風し、前記温度差が設定値より小さいときに、駆動手段により前記風向ルーバを制御し、前記被乾燥存在範囲内に送風する制御手段を有することを特徴としたものである。
この手段により、衣類の乾燥ムラを非接触で検知することができ、乾燥ムラをなくして無駄な乾燥運転を行わない省エネルギーな除湿装置が得られる。
さらに、送風範囲ルーバの各羽根板を、吹き出し方向に向けて先端が狭まるように変向させることで、被乾燥物に送風する風量を集中させる制御手段を有することを特徴としたものである。
この手段により、被乾燥物に送風される単位面積当たりの風量を上げることができ、無駄な乾燥運転を行わない省エネルギーな除湿装置が得られる。
さらに、被乾燥物存在範囲の温度分布を、ローパスフィルタを介することで、前記温度分布の高周波成分を除去する制御手段を有することを特徴としたものである。
この手段により、被乾燥物存在範囲内の温度分布の誤差を除去することができ無駄な運転を行わない省エネルギーな除湿装置が得られる。
さらに、温度検知手段の可動範囲を除湿装置の送風範囲内にするための検知範囲可変手段を有することを特徴としたものである。
この手段により、送風不可能な領域の走査を行わない無駄な運転を行わない省エネルギーな除湿装置が得られる。
本発明の請求項1記載の発明は、室内の空気を吸い込む吸い込み手段と、空気中に含まれる湿気を除湿する除湿手段と、前記除湿手段により除湿された空気を吹き出す吹き出し手段と、前記吸い込み手段から吸い込んだ室内の空気を前記除湿手段を介して前記吹き出し手段に室外に送風する送風手段と、前記吹き出し手段からの上下方向の吹き出し風向を制御する風向ルーバと、前記吹き出し手段からの水平方向の吹き出し風向を制御する送風範囲ルーバと、室温を検知する室温検知手段と、前記風向ルーバ付近に設けた物体の表面温度を非接触で検知する温度検知手段と、前記検知温度を記憶する記憶手段と、前記送風手段と除湿手段と風向ルーバと送風範囲ルーバと室温検知手段と温度検知手段とを駆動する駆動手段とを備えた除湿装置において、前記駆動手段により前記送風範囲ルーバと前記温度検出手段を水平方向に走査させ、走査範囲内の温度分布を求め、前記走査範囲内において室温よりも温度が低い範囲に前記駆動手段を用いて前記除湿された空気を送風する制御手段を有することを特徴としたものであり、室内の温度と非接触温度検知手段より検知した衣類の表面温度との差を演算し、濡れた衣類の表面温度は水分が蒸発する気化熱によって室内の温度よりも低くなっている現象を検知し、さらに非接触温度検知手段を水平方向に走査することで、捜査範囲内における被乾燥物の存在範囲を検知し、被乾燥物の存在範囲に集中的に送風するという作用を有する。
本発明の請求項2記載の発明は、制御手段は、被乾燥物存在範囲が複数領域存在する場合、前記複数領域間の距離が設定値以下のとき、前記複数領域全てにまたがって送風し、前記複数領域間の距離が設定値よりも大きいとき、前記複数領域に優先順位をつけて、前記優先順位順に送風することを特徴としたものであり、前記被乾燥物存在範囲以外の領域には送風をしないという作用を有する。
本発明の請求項3記載の発明は、制御手段は、前記複数領域のうち、各領域の平均温度の高い順に優先順位を与えることを特徴としたものであり、温度の高い領域から送風することによって物体の気化熱を利用するという作用を有する。
本発明の請求項4記載の発明は、制御手段は、前記複数領域のうち、各領域幅の広い順に優先順位を与えることを特徴としたものであり、領域の面積の小さい領域は領域の面積の大きい領域よりも室内空気との接触表面積が大きいため、気化熱も大きいと判断し領域幅の大きい領域から送風することによって物体の気化熱を利用するという作用を有する。
本発明の請求項5記載の発明は、被乾燥物存在範囲内の温度分布を求め、前記被乾燥物存在範囲内の平均温度と室内温度との差が設定範囲内になったときを基点にして、一定時間経過した時点で除湿装置の運転を停止する制御手段を有することを特徴としたものであり、除湿装置が衣類の状態を自動で判断し、衣類が乾燥したときに運転を停止することができるという作用を有する。
本発明の請求項6記載の発明は、被乾燥物存在範囲内の温度分布において、極小値、極大値を求め、最小極小値とその近傍のいずれかの極大値との温度差が設定値以上になると、駆動手段により風向ルーバを制御し、前記極小値付近に送風し、前記温度差が設定値より小さいときに、駆動手段により前記風向ルーバを制御し、前記被乾燥存在範囲内に送風する制御手段を有することを特徴としたものであり、被乾燥物存在範囲において乾燥物にムラがある場合、ムラを検知して集中的に送風することで、乾きムラのない運転を行えるという作用を有する。
本発明の請求項7記載の発明は、送風範囲ルーバの各羽根板を、前記送風範囲ルーバの中点に向かって変向させることで、被乾燥物に送風する風量を集中させる制御手段を有することを特徴としたものであり、送風範囲ルーバの配置を制御することで、単位面積当たりの風量を上げ、被乾燥物に集中的に送風して乾燥を行うという作用を有する。
本発明の請求項8記載の発明は、被乾燥物存在範囲の温度分布を、ローパスフィルタを介することで、前記温度分布の高周波成分を除去する制御手段を有することを特徴としたものであり、前記温度分布の高周波成分を取り除くことによって、極大値や極小値の計算量を減らすとともに、被乾燥物の存在範囲と非存在範囲の誤認識を低減させるという作用を有する。
本発明の請求項9記載の発明は、送風範囲ルーバの各羽根板を、吹き出し方向に向けて先端が狭まるように変向させることで、被乾燥物に送風する風量を集中させる制御手段を有することを特徴としたものであり、前記温度検知手段の走査範囲を前記除湿装置の送風範囲内にすることによって、送風範囲外の領域の温度を検知せずに乾燥運転を行うという作用を有する。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1から図5に、本発明の実施の形態1の除湿装置の全体構成を示す。
除湿装置を前面側から見た構成を図1に示す。除湿装置は、本体1の天面に除湿装置の操作と運転状態を表示する操作表示部2と除湿された空気を吹き出す吹き出し口3とこの吹き出し口3から吹き出す空気の風向を上下方向に変化させる風向ルーバ4を備え、除湿した水分を集めるタンク5と、衣類などの物体の表面温度を検知する非接触温度検知手段6とを備えている。
除湿装置を背面側から見た構成を図2に示す。除湿装置は、本体1の背面側に室内の空気を本体1の内部に取り込む吸い込み口7を備えている。
除湿装置の内部構成を図3に示す。本体1の内部には吸い込み口7に面して室温を検知する室温検知手段8と、室内の湿度を検知する湿度検知手段9とを備え、この吸い込み口7から室内の空気を取り込んで除湿手段10を通過させて空気を除湿し、この除湿された空気を吹き出し口3から吹き出すように空気を移動させる送風手段11と、前記除湿手段を駆動する除湿手段駆動手段12と、前記送風手段を駆動する送風手段駆動手段13と、風向ルーバ4を駆動する風向ルーバ駆動手段14と、風向ルーバ4に非接触温度検知手段6を設け、それを駆動する非接触温度検知手段駆動手段15と、吹き出し口3から吹き出す空気の送風範囲を水平方向に変更する送風範囲ルーバと、送風範囲ルーバ16を駆動するための送風範囲ルーバ駆動手段17とを備える。そして、前記除湿手段駆動手段12と、送風手段駆動手段13と、風向ルーバ駆動手段14と、非接触温度検知手段駆動手段15と、送風範囲ルーバ駆動手段17の動作を制御する制御手段18とを備えている。制御手段18は検知範囲可変手段(図示せず)を有し、非接触温度検知手段6の可動範囲を除湿装置の送風範囲に合わせて制御する構成となっている。
除湿装置の操作表示部2の構成を図4に示す。操作表示部2には、除湿装置の運転を開始したり停止したりする運転切/入スイッチ19と除湿運転のモードを選択する除湿スイッチ20と衣類乾燥運転のモードを選択する衣類乾燥スイッチ21と風向ルーバ4の風向を選択するための風向スイッチ22と送風範囲ルーバ16の送風範囲を選択する送風範囲スイッチ23と運転時間を設定するための切タイマースイッチ24と除湿装置の運転状態を表示する運転表示部25とを備えている。
図5に本発明の実施の形態における除湿装置の構成を示すブロック図を示す。前記制御手段18は入力装置18aと、記憶装置18bと、演算装置18cと、出力装置18dとを備えており、例えばマイコンのインタフェースを介してプログラム上に構成されている。入力装置18aは室温検知手段8と、非接触温度検知手段6からデータを受け取り、記憶装置18bに保存するよう構成される。記憶装置18bは入力装置18aと、演算装置18cと接続されており、入力装置18aからのデータを保存するとともに、演算装置18cへデータの受け渡しを行うよう構成される。演算装置18cは記憶装置18bと、出力装置18dと接続されており、記憶装置18bからデータの引き出しを行い、後述する演算を行い、出力装置18dにその演算結果を渡すよう構成される。出力装置18dは演算装置18cと、駆動手段と接続されている。
また、前記風向ルーバ4の上部には、例えば熱起電型温度センサからなる非接触温度検知手段6を備えている。前記除湿手段10にはデシカント方式やコンプレッサ方式などがある。前記送風手段11には送風ファンなどがあり、その駆動手段としてACモータやDCモータなどがある。前記風向ルーバ駆動手段14と送風範囲ルーバ駆動手段17には、ステッピングモータなどがある。運転表示部23には、LEDやブザーなどがある。
上記のように構成した除湿装置において、衣類などの物体が濡れていることを検知し、省エネルギーな運転方法について図6を用いて説明する。図6は除湿装置の上面視図である。図6のように除湿装置の送風範囲を8等分し、領域6−1〜6−8とする。そして各々の領域の温度分布を計測し、その温度分布をもとに除湿装置の制御を行うこととする。また、風向ルーバ4は手動で向きを固定するものとする。運転を開始すると、6−1の領域に除湿後の空気が送風されるように送風範囲ルーバ16を水平に駆動し、室温を計測する。次に6−1の領域に非接触温度検知手段6の検知領域が向くように、水平に移動させる。6−1の温度を計測し、記憶装置18bに記憶させる。次に演算装置18cは、以下の演算を行い、その結果を記憶装置18bに記憶する。すなわち、演算装置18cは、室温と6−1の温度差を計算し、基準値と比較して大きければ衣類が濡れていると判断し、小さければ乾燥していると判断し、判断結果を記憶装置18bに記憶する。次に送風範囲ルーバ16を、6−2の領域に水平に移動させ、同様に非接触温度検知手段6の検知領域が6−2の領域になるように水平に移動させ、この領域の温度を計測する。この動作を繰り返し行い、送風範囲全体の温度が計測し終えると、演算装置18cでの判断結果をもとに、演算装置18cは濡れた衣類の存在領域を算出し、その範囲に集中的に送風を行う。
次に、具体的な動作について、図7のフローチャートを用いて説明する。ステップ1で電源の投入時や除湿装置の衣類乾燥運転などの運転開始時にプログラムをスタートさせ、吹き出し口より除湿手段10によって除湿された空気の送風を始める。ステップ2で室温検知手段8が検知した室温に対応する信号を入力装置18aから取り込み、記憶装置18bに記憶させ、K1とする。ステップ3で非接触温度検知手段6からの衣類の表面温度を入力装置18aに取り込み、記憶装置18bに記憶させCiとする。ステップ4で、演算装置18cでK1とCiとの差Kmを演算し、Kmが基準値Ktよりも大きければ濡れていると判断し、小さければ乾いていると判断し、その判断結果を記憶装置18bに記憶する。ステップ5で出力装置18dから送風範囲ルーバ駆動手段17に命令を送り、送風範囲ルーバ16を一定距離移動させ、非接触温度検知手段駆動手段15により非接触温度検知手段6を水平方向に一定距離移動させる。ステップ6で、分割された領域全ての温度を検知したかどうかを記憶装置18bに記憶された衣類の表面温度のデータ数から判断し、全領域が検知されていたらステップ7に移行し、未検知ならば検知を終えるまでステップ3〜5を繰り返す。ステップ7で、出力装置18dにより送風範囲ルーバ駆動手段を制御し、Km≧Ktの領域に送風範囲ルーバ16の各羽根板を水平に保ったまま水平方向に移動させながら集中的に送風させる。
このように、前期検知範囲可動手段により、非接触温度検知手段6の可動送風範囲を除湿装置の送風範囲に合わせて制御し、衣類などの物体の表面温度を直接検知して室温と比較することで、非接触で衣類などの物体が濡れていることと乾燥していることを検出し、濡れた衣類の存在範囲を特定し、送風範囲ルーバ16を制御して濡れた衣類の存在範囲に集中的に送風することで、無駄な乾燥運転を行わない省エネルギーな運転が行える。
なお、ステップ2〜6を温度分布検知モジュール27として、以下の実施の形態では扱うものとする。
(実施の形態2)
本実施の形態は、実施の形態1の記憶装置18bに加えて、さらにあらかじめ送風手法の判断基準値を記憶させる手段を有する記憶装置18eと、また、演算装置18cに加えて、さらに濡れた衣類の存在領域間の距離を演算する手段を有する演算装置18fを設けた点に特徴がある。実施の形態1と同一部分は同一符号を付し、詳細な説明は省略する。上記のように構成した除湿装置の、濡れた衣類の存在領域が複数存在する場合の除湿装置の動作について説明する。
まず、図8を用いて本実施の形態の除湿装置の動作について説明する。実施の形態1と同様に、送風範囲内の濡れた衣類の存在領域を特定する。次にこれらの領域が複数ある場合、領域間の距離を演算装置18cにて演算する。この領域間、すなわち基準値と比較して温度の低い領域間の距離Dが図8aのように、記憶装置18bに備えられている送風手法の判断基準値としての閾値Dthよりも小さければ、領域はつながっていると判断し、出力装置18dから送風範囲ルーバ駆動手段17に命令を送り、送風範囲ルーバ16を水平に駆動させ、これらの領域6−2〜6−7にまたがって送風させる。Dthよりも大きければ、演算装置18cによって各領域に優先順位を決め、送風範囲ルーバ16を水平方向に移動させ、優先順位の高い領域に集中的に送風し、この領域が乾燥し終えてから、同様に送風範囲ルーバ16を水平に移動させ、次の領域に送風を行う。優先順位のつけ方としては、例えば領域の番号順につける方法などがある。
次に、具体的な動作について図9のフローチャートを用いて説明する。本実施の形態のステップ2、すなわち温度分布検知モジュール27までは実施の形態1と同様に濡れた衣類の存在領域を求めるものである。そしてステップ3で制御手段18の演算装置18cによって濡れた衣類の存在する各領域間の距離Dを演算する。すなわち、距離Dは、領域を均等に8等分しているので、基準値と比較して温度の低い連続した領域の数を数える演算を実施して行うものである。演算装置18cにおいて、前記領域間の距離を記憶装置18bに記憶されている閾値Dthと比較し、閾値よりも小さい場合、ステップ4aに移行し、出力装置18dから送風範囲ルーバ駆動手段17に命令を送り、送風範囲ルーバ16を複数領域間にまたがって水平方向に移動させながら、除湿後の空気を送風する。閾値Dthよりも大きい場合、ステップ4bに移行し、演算装置18cにて各領域に送風する順番に優先順位をつけ、出力装置18dから送風範囲ルーバ駆動手段17に命令を送り、送風範囲ルーバ16を優先順位の高い領域に集中的に送風させ、選択領域の衣類が乾いたと判断した場合、次に優先順位の高い領域に集中的に送風させ、複数領域全てが乾いたと判断されるまで以上の運転を繰り返す。
このように、被乾燥物存在範囲が複数存在する場合、領域間の距離に閾値を設定し、送風手法を変化させることで、例えばこの領域間の閾値を除湿装置の送風幅などにすると、この除湿装置の運転中、送風範囲内には必ず衣類が存在し、無駄な範囲での運転を行わない省エネルギーな運転が行える。
なお、図9中のステップ3を送風手法決定モジュール28、ステップ4aを全領域送風モジュール29、ステップ4bを分割送風モジュール30、ステップ3、4a、4bをまとめて送風モジュール31として、以下の実施の形態では扱うものとする。
(実施の形態3)
本実施の形態は、実施の形態2の演算装置18eに加えて、さらに各領域の平均温度を演算して平均温度の高い順に優先順位をつける段を有する演算装置18gを設けた点に特徴がある。実施の形態1および2と同一部分は同一符号を付し、詳細な説明は省略する。上記のように構成した除湿装置において、被乾燥物存在範囲が複数領域存在し、複数領域間の距離Dが閾値Dthよりも大きい場合の動作について説明する。
まず、本除湿装置の動作について図10を用いて説明する。実施の形態1と同様に、送風範囲内の濡れた衣類の存在領域を特定する。次に、領域間の距離が閾値よりも大きい場合について、被乾燥物存在領域が図10中のA、B、Cのように複数存在する場合、演算装置18gにより領域A、B、Cそれぞれの平均温度をTA、TB、TCを演算する。演算装置により、平均温度の高い領域から順に優先順位をつけ、TA>TC>TBの場合、送風する優先順位をA、C、Bの順とし、出力装置18dにより送風範囲ルーバ16を領域Aの方向に移動させ、集中的に送風し、領域Aが乾燥したと判断すると、同様の方法で領域Cに集中的に送風し、領域Cが乾燥したと判断すると領域Bに集中的に送風する。
次に、具体的な動作について図11のフローチャートを用いて説明する。本実施の形態のステップ2は温度分布検知モジュール27であり、実施の形態1と同様に濡れた衣類の存在領域を求めるものである。ステップ3は送風手法決定モジュール28であり、実施の形態2と同様に濡れた衣類の存在領域間の距離Dを演算し、送風手段を決定するものである。ステップ3において実施の形態2と同様に、演算装置18cにおいて、前記領域間の距離を記憶装置18bに記憶されている閾値Dthと比較し、閾値よりも小さい場合、ステップ4aに移行し、閾値Dthよりも大きい場合、ステップ4bに移行する。ステップ4aは全領域送風モジュール29であり、実施の形態2と同様に濡れた衣類の存在領域が複数存在する場合でも、全領域にまたがって送風するものである。ステップ4bでは、演算装置18gで各被乾燥物存在量領域の平均温度を演算し、ステップ5で平均温度が高い領域から順に優先順位をつける。ステップ6で出力装置18dにより、平均温度が高い領域に送風範囲ルーバ駆動手段17によって送風範囲ルーバ16を水平方向に移動させ、送風する。制御手段18が最初に送風した領域が乾いたと判断したら、次に優先順位の高い領域に送風範囲ルーバ16を移動させ、送風する。被乾燥物存在領域が全て乾燥し終えるまで以上の動作を繰り返す。
平均温度が高い領域の気化熱に比べると、平均温度が低い領域の気化熱の方が大きいため、平均温度が高い領域の衣類乾燥を行っている間に、平均温度の低い領域が気化熱で平均温度が上昇するため、平均温度の低い領域から衣類乾燥を行う場合と比べて除湿装置の運転時間が短くなり、省エネルギーな運転が行える。また、各領域の平均温度が等しい場合には、最低温度の高い領域から先に送風することで、同様な理由で省エネルギーな運転が行える。
(実施の形態4)
本実施の形態は、実施の形態2の演算装置18eに加えて、さらに濡れた衣類の存在領域間の距離を演算し、各領域の領域幅を演算し領域幅の広い順に優先順位をつける手段を有する演算装置18hを設けた点に特徴がある。実施の形態1および2と同一部分は同一符号を付し、詳細な説明は省略する。上記のように構成した除湿装置において、被乾燥物存在範囲が複数領域存在し、複数領域間の距離が閾値よりも大きい場合の動作について説明する。
まず、図12を用いて本除湿装置の動作について説明する。実施の形態1と同様に、送風範囲内の濡れた衣類の存在領域を特定する。次に、領域間の距離が閾値よりも大きい場合について、演算装置18hにて各領域の幅を求め、領域Aの領域幅をAw、領域Bの領域幅をBwとし、記憶装置18bに記憶する。Aw>Bwのとき、領域幅の大きい領域は、領域幅の小さい領域よりも被乾燥物が密集しているため気化熱が小さいと判断し、送風範囲ルーバ駆動手段17により送風範囲ルーバ16を水平方向に移動させ、領域幅の大きい領域Aに送風し、領域Aが乾燥したと判断すると領域Bに送風する。
次に、具体的な動作について図13のフローチャートを用いて説明する。本実施の形態のステップ2は温度分布検知モジュール27であり、実施の形態1と同様に濡れた衣類の存在領域を求めるものである。また、ステップ3は送風手法決定モジュール28であり、実施の形態2と同様に濡れた衣類の存在領域間の距離Dを演算し、送風手法を決定するものである。ステップ3において実施の形態2と同様に、演算装置18cにおいて、前記領域間の距離を記憶装置18bに記憶されている閾値Dthと比較し、閾値よりも小さい場合、ステップ4aに移行し、閾値Dthよりも大きい場合、ステップ4bに移行する。ステップ4aは全領域送風モジュール29であり、実施の形態2と同様に濡れた衣類の存在領域が複数存在する場合でも、全領域にまたがって送風するものである。ステップ4bでは、制御手段18の演算装置18hで各領域の幅の演算、すなわち、基準値と比較して温度の低い連続して領域の数を数える演算を実施する。ステップ5で領域幅の広い順に優先順位をつける。ステップ6で、出力装置18dにより、優先順位に従って送風するように、送風範囲ルーバ駆動手段17より送風範囲ルーバ16を優先順位の高い領域の方向へ水平方向に移動させ、送風する。最初に送風した領域が乾燥していると判断したら、次に優先順位の高い領域に送風範囲ルーバ16を移動させ、乾燥運転を行う。以上のような動作を、被乾燥物存在領域が全て乾燥し終えるまで繰り返す。
このように領域幅の大きい領域から送風することで、物体の気化熱を利用した省エネルギーな運転が行える。また、各領域で領域の幅が等しい場合には、最低温度の高い領域から先に送風することで、同様に気化熱を利用した省エネルギーな運転が行える。
(実施の形態5)
本実施の形態は、実施の形態1の記憶装置18bに加えて、さらに残置運転時間を記憶させる記憶手段を有する記憶装置18iと、演算装置18cに加えて、さらに濡れた衣類の存在領域間の平均温度と室温の差を運転停止の判断基準値とを比較し、比較結果により出力装置18dへの出力を選択する演算手段を有する演算装置18jを設けた点に特徴がある。実施の形態1および2と同一部分は同一符号を付し、詳細な説明は省略する。上記のように構成された除湿装置の、濡れた衣類が乾いたと認識し、運転を終了する運転終了モジュールについて説明する。
具体的な動作について図14のフローチャートを用いて説明する。本実施の形態のステップ2は温度分布検知モジュール27であり、実施の形態1と同様に濡れた衣類の存在領域を求めるものである。ステップ3は送風モジュール31であり実施の形態2と同様に濡れた衣類の存在範囲に送風するものである。ステップ4で乾燥運転中に、送風範囲ルーバ16を水平方向に移動させながら非接触温度検知手段6によって濡れた衣類の存在範囲内の温度分布を求め記憶装置iに記憶する。ステップ5で演算装置18jにより濡れた衣類存在領域の平均温度Kmを演算し、室温K1との差ΔK演算し、このΔKが記憶装置18iに記憶されている運転停止の基準値である閾値Ktよりも大きければステップ3、4を繰り返し、Ktよりも小さければステップ6に移行する。ステップ6では記憶装置18iに記憶されている時間で残置運転を開始し、ステップ7で残置運転時間が0になったら除湿装置を停止する。
上記のように、被乾燥物存在領域の平均温度と室内温度との差が設定範囲内になったときを基点として、一定時間除湿装置を残置運転した時点を被乾燥物が乾燥した時点と考え、除湿装置の運転を停止させることで、洗濯物の乾燥状態を把握して除湿装置の運転を自動停止する、省エネルギーな運転が行える。
(実施の形態6)
本実施の形態は、実施の形態2の記憶装置18eに加えて、温度分布の極大値、極小値を記憶する第1の記憶手段と、運転の判断基準となる2つの基準値を記憶する第2の記憶手段を有する記憶装置18kと、演算装置18cに加えて、温度分布の極大値、極小値を演算し、それらの差を比較し、運転動作を判断する第1の演算手段と、極小値と温度を比較し、運転動作を判断する第2の演算手段と、濡れた衣類の存在領域の平均温度を計算し、基準値と比較し、運転動作を判断する第3の演算手段を有する演算装置18lを設けた点に特徴がある。実施の形態1および2と同一部分は同一符号を付し、詳細な説明は省略する。上記のように構成された除湿装置の、被乾燥物存在領域特定後、衣類の乾きムラのないように運転させる運転制御アルゴリズムについて説明する。
具体的な動作について図15のフローチャートを用いて説明する。本実施の形態のステップ2は温度分布検知モジュール27であり、実施の形態1と同様に濡れた衣類の存在領域を求めるものである。ステップ3は送風手法決定モジュール28であり、実施の形態2と同様に濡れた衣類の存在領域間の距離Dを演算し、送風手段を決定するものである。ステップ3において実施の形態2と同様に、演算装置18cにおいて、前記領域間の距離を記憶装置18bに記憶されている閾値Dthと比較し、閾値よりも小さい場合、ステップ4aに移行し、閾値Dthよりも大きい場合、ステップ4bに移行する。ステップ4bは分割送風モジュール30であり、実施の形態2と同様に領域に優先順位を設けて送風するものである。本実施の形態の特徴となるステップ4aでは、演算装置18lによって、濡れた衣類の存在領域の温度分布の極大値、極小値を求め、極小値の中の最小の値をとるものをLminとし、Lminの近傍の極大値のうち、小さい値をとるものをLmaxとして記憶装置18kに記憶する。ステップ5で、演算装置18lでLmaxとLminの差を演算し、記憶装置18kに記憶されている通常運転か集中運転のどちらを行うかの判断基準値である閾値Thよりも大きければステップ6に移行し、小さければステップ8に移行する。ステップ6では、送風範囲ルーバ16をLminの付近に移動させ、Lmin地点での温度を非接触温度検知手段6により検知し、Lnowとして記憶装置18kに記憶させながら集中運転を行う。ステップ7で、演算装置18lでLnowがLmax以下であればステップ8に移行し、Lmaxよりも大きければステップ6に移行する。ステップ8では送風範囲ルーバ16と、非接触温度検知手段6を水平方向に移動させ、濡れた衣類の存在領域の温度を検知し、記憶装置18kに記憶しながら、濡れた衣類の存在領域に送風を行う。ステップ9で、演算装置18lで洗濯物存在領域の平均温度Tmを求め、Tmが運転の判断基準値である閾値Xよりも高い場合、ステップ10に移行し運転を終了する。低い場合、ステップ4に移行する。
上記の運転制御アルゴリズムにより、濡れた衣類の存在範囲において、乾きムラの存在する部分に集中して送風することで、洗濯物の乾きムラのない運転を行える。
(実施の形態7)
実施の形態1と同一部分は同一符号を付し、詳細な説明は省略する。濡れた衣類の存在範囲特定後の、送風範囲ルーバ16の制御手法について説明する。
実施の形態1に示した手法で、濡れた衣類の存在領域を特定した後、出力装置18dによって送風範囲ルーバ駆動手段17を駆動し、送風範囲ルーバ16の羽根板を吹き出し方向に向けて羽板の先端が狭まるように変向し、除湿後の空気を送風手段11より送風する。通常は、図16(a)に示すように、通常は送風範囲ルーバ16が平行に並んでおり、風向ルーバ4より送風される除湿後の空気は広い範囲に送風されるが、図16(b)に示したように、羽根板間の角度θを保ったまま送風範囲ルーバ16を存在範囲内に水平方向に移動させる。
このように送風範囲ルーバ16の羽根板の角度を制御手段18により制御し、濡れた衣類の存在範囲の単位面積当たりに送風される空気を集中させて風量を大きくすることで、洗濯物を短時間で乾かすことができる。送風範囲ルーバ駆動手段17には例えばステッピングモータなどがある。
(実施の形態8)
本実施の形態は、実施の形態1の演算装置18cに加えて、さらにローパスフィルタ演算を行う手段を有する演算装置18mを設けた点に特徴がある。実施の形態1と同一部分は同一符号を付し、詳細な説明は省略する。
本実施の形態の除湿装置が運転を開始すると、温度検知手段と非接触温度検知手段6が検知した室温に対応する信号を入力装置18aから記憶装置18bに取り込む。送風領域を細かく分割して計測した場合、温度分布にバラツキがあると考えられるので、記憶装置18bに記憶された信号を、演算装置18mにて、ローパスフィルタ演算を行う。図17(a)のような温度分布が得られた場合、この温度分布にローパスフィルタ演算を行うと、温度分布の高周波数成分が取り除かれ、図17(b)のような温度分布が得られる。ローパスフィルタ処理を施さない場合、温度分布には多数の極大値や極小値が存在するため、目的とする省エネルギーな運転を制御するには不必要な極大値や極小値を演算しなければならない。そこで、ローパスフィルタ処理を施すことによって無駄な演算を省くことができる。
以上の操作によって、室温付近での微小な温度変化によって多数の領域を洗濯物存在領域と誤認識することがなく、必要のない領域に送風することのない、省エネルギーな運転を行える。
一般家庭における室内の除湿もしくは室内に干した洗濯物の乾燥に使用される除湿装置の被乾燥物の乾燥方法および乾燥制御装置に適用できる。
本発明の実施の形態1の除湿装置の斜視前面図 同除湿装置の斜視背面図 同除湿装置の断面図 同除湿装置の操作表示部の図 同除湿装置の構成を示すブロック図 同除湿装置の検知範囲の分割手法の1例を表す図 同除湿装置の運転フローチャート 本発明の実施の形態2の除湿装置の領域間距離の概念図 同除湿装置の運転フローチャート 本発明の実施の形態3の除湿装置の運転手法の概念図 同除湿装置の運転フローチャート 本発明の実施の形態4の除湿装置の運転手法切替の閾値概念図 同除湿装置の運転フローチャート 本発明の実施の形態5の運転フローチャート 本発明の実施の形態6の運転フローチャート 本発明の実施の形態7の送風範囲ルーバの変向例を表す図 本発明の実施の形態8のローパスフィルタの効果例を表す図
符号の説明
1 本体
3 吹き出し口
4 風向ルーバ
6 非接触温度検知手段
7 吸い込み口
8 室温検知手段
10 除湿手段
11 送風手段
12 除湿手段駆動手段
13 送風手段駆動手段
14 風向ルーバ駆動手段
15 非接触温度検知手段駆動手段
16 送風範囲ルーバ
17 送風範囲ルーバ駆動手段
18 制御手段
18c 演算装置
18f 演算装置
18g 演算装置
18h 演算装置
18j 演算装置
18l 演算装置

Claims (9)

  1. 室内の空気を吸い込む吸い込み手段と、空気中に含まれる湿気を除湿する除湿手段と、前記除湿手段により除湿された空気を吹き出す吹き出し手段と、前記吸い込み手段から吸い込んだ室内の空気を前記除湿手段を介して前記吹き出し手段に室外に送風する送風手段と、前記吹き出し手段からの上下方向の吹き出し風向を制御する風向ルーバと、前記吹き出し手段からの水平方向の吹き出し風向を制御する送風範囲ルーバと、室温を検知する室温検知手段と、前記風向ルーバ付近に設けた物体の表面温度を非接触で検知する温度検知手段と、前記検知温度を記憶する記憶手段と、前記送風手段と除湿手段と風向ルーバと送風範囲ルーバと室温検知手段と温度検知手段とを駆動する駆動手段とを備えた除湿装置において、前記駆動手段により前記送風範囲ルーバと前記温度検出手段を水平方向に走査させ、走査範囲内の温度分布を求め、前記走査範囲内において室温よりも温度が低い範囲に前記駆動手段を用いて前記除湿された空気を送風する制御手段を有することを特徴とする除湿装置。
  2. 制御手段は、被乾燥物存在範囲が複数領域存在する場合、前記複数領域間の距離が設定値以下のとき、前記複数領域全てにまたがって送風し、前記複数領域間の距離が設定値よりも大きいとき、前記複数領域に優先順位をつけて、前記優先順位順に送風することを特徴とする請求項1記載の除湿装置。
  3. 制御手段は、前記複数領域のうち、各領域の平均温度の高い順に優先順位を与えることを特徴とする請求項2記載の除湿装置。
  4. 制御手段は、前記複数領域のうち、各領域幅の広い順に優先順位を与えることを特徴とする請求項2記載の除湿装置。
  5. 被乾燥物存在範囲内の温度分布を求め、前記被乾燥物存在範囲内の平均温度と室内温度との差が設定範囲内になったときを基点にして、一定時間経過した時点で除湿装置の運転を停止する制御手段を有することを特徴とする請求項1〜4いずれかに記載の除湿装置。
  6. 被乾燥物存在範囲内の温度分布において、極小値、極大値を求め、最小極小値とその近傍のいずれかの極大値との温度差が設定値以上になると、駆動手段により風向ルーバを制御し、前記極小値付近に送風し、前記温度差が設定値より小さいときに、駆動手段により前記風向ルーバを制御し、前記被乾燥存在範囲内に送風する制御手段を有することを特徴とする請求項1〜5いずれかに記載の除湿装置。
  7. 送風範囲ルーバの各羽根板を、吹き出し方向に向けて先端が狭まるように変向させることで、被乾燥物に送風する風量を集中させる制御手段を有することを特徴とする請求項1〜6いずれかに記載の除湿装置。
  8. 被乾燥物存在範囲の温度分布を、ローパスフィルタを介することで、前記温度分布の高周波成分を除去する制御手段を有することを特徴とする請求項1〜7いずれかに記載の除湿装置。
  9. 温度検知手段の可動範囲を除湿装置の送風範囲内にするための検知範囲可変手段を有することを特徴とする請求項1〜8いずれかに記載の除湿装置。
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