JP2009219388A - イムノpcr用磁性粒子、標的物質の検出方法、および標的物質の検出キット - Google Patents

イムノpcr用磁性粒子、標的物質の検出方法、および標的物質の検出キット Download PDF

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功二 田守
Masaru Ueno
勝 上野
Futoshi Shibazaki
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Abstract

【課題】イムノPCR法において超高感度を発現する磁性粒子、およびこれを使用した標的物質の検出方法を提供することである。
【解決手段】本発明に係る標的物質の検出方法は、恒温条件下で反応可能な核酸増幅法に用いるプライマーと結合する領域を有するオリゴ核酸鎖により標識処理された結合物質、および、有機ポリマーと、平均一次粒子径が50nm以下の磁性体粒子と、を含有し、前記磁性体粒子の表面は前記有機ポリマーによって被覆されているイムノPCR用磁性粒子の表面に固定された標的物質を接触させて、前記結合物質および前記標的物質を含む複合体を形成する工程と、前記オリゴ核酸鎖を核酸増幅法により増幅する工程と、前記核酸増幅法により生成された増幅産物を検出する工程と、を含む。
【選択図】図1

Description

本発明は、イムノPCR法において超高感度を発現する磁性粒子、およびこれを使用した標的物質の検出方法、ならびに標的物質の検出キットに関する。
近年、疾病の早期発見等の目的のため、検査の高感度化が求められており、診断薬の感度向上は大きな課題となっている。イムノPCR法は、抗原抗体反応を利用したアッセイ系において、核酸を標識として用いる方法であり、超高感度、多項目同時検出が可能な技術として開発が進められている(特許文献1〜4および非特許文献1参照)。イムノPCR法に用いられる固相として、一部の文献において磁性粒子を使用できることが報告されている。しかしながら、イムノPCR法において、超高感度を実現可能な磁性粒子の最適化は十分になされていなかった。
特表平7−505765号公報 WO2001/84146 A1号公報 WO2005/86647 A1号公報 WO2006/4289 A1号公報 佐野ら著、「サイエンス(Science)」、vol.258、(米国)、米国科学振興協会(AAAS)、1992年、p.120-122
本発明の目的は、イムノPCR法において超高感度を発現する磁性粒子、およびこれを使用した標的物質の検出方法を提供することである。
本発明に係る標的物質の検出方法は、有機ポリマーと、平均一次粒子径が50nm以下の磁性体粒子と、を含有し、前記磁性体粒子の表面は、前記有機ポリマーによって被覆されている、イムノPCR用磁性粒子の表面に標的物質を接触させて、前記標的物質を前記イムノPCR用磁性粒子の表面に固定する工程と、恒温条件下で反応可能な核酸増幅法に用いるプライマーと結合する領域を有するオリゴ核酸鎖により標識処理された結合物質、および、前記イムノPCR用磁性粒子の表面に固定された標的物質を接触させて、前記結合物質および前記標的物質を含む複合体を形成する工程と、前記オリゴ核酸鎖を核酸増幅法により増幅する工程と、前記核酸増幅法により生成された増幅産物を検出する工程と、を含む。
本発明に係る標的物質の検出方法は、核粒子と、前記核粒子の表面に形成された平均一次粒子径が50nm以下の磁性体粒子からなる磁性体層と、前記磁性体層の表面に形成された有機ポリマーからなる有機ポリマー層と、を含むイムノPCR用磁性粒子の表面に標的物質を接触させて、前記標的物質を前記イムノPCR用磁性粒子の表面に固定させる工程と、恒温条件下で反応可能な核酸増幅法に用いるプライマーと結合する領域を有するオリゴ核酸鎖により標識処理された結合物質、および、前記イムノPCR用磁性粒子の表面に固定された標的物質を接触させて、前記結合物質および前記標的物質を含む複合体を形成する工程と、前記オリゴ核酸鎖を核酸増幅法により増幅する工程と、前記核酸増幅法により生成された増幅産物を検出する工程と、を含む。
本発明に係る標的物質の検出方法において、前記磁性体粒子は、二次凝集体を形成していることができる。
本発明に係る標的物質の検出方法において、前記有機ポリマーは、(メタ)アクリル系モノマーを50重量%以上含むモノマー混合物の重合体であることができる。
本発明に係る標的物質の検出方法において、前記(メタ)アクリル系モノマーは、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、ターシャリーブチルメタクリレート、シクロへキシルメタクリレート、ベンゾイルメタクリレート、イソボニルメタクリレートから選択される少なくとも1種であることができる。
本発明に係る標的物質の検出方法において、前記有機ポリマーは、親水性ポリマーであることができる。
本発明に係る標的物質の検出方法において、前記親水性ポリマーは、加水分解により水酸基を生成するモノマー(A);40〜98重量部と、架橋性モノマー(B);2〜60重量部と、その他のモノマー(C);0〜50重量部と、を含有するモノマー混合物を重合することによって得られる共重合体を、さらに加水分解処理して得られるものであることができる。
本発明に係る標的物質の検出方法において、前記モノマー(A)は、加水分解により2,3−ジヒドロキシプロピル基を生成するモノマーであることができる。
本発明に係る標的物質の検出方法において、前記結合物質は、複数種類の物質であって、前記標的物質の種類に対応して識別検出可能なように標識処理されたものであることができる。
本発明に係る標的物質の検出方法において、前記プライマーは、1種類のプライマーセットであることができる。
本発明に係る標的物質の検出方法において、前記標的物質は抗原であり、前記結合物質は抗体であることができる。
本発明に係るイムノPCR用磁性粒子は、有機ポリマーと、平均一次粒子径が50nm以下の磁性体粒子と、を含有し、前記磁性体粒子の表面は、前記有機ポリマーによって被覆されている。
本発明に係るイムノPCR用磁性粒子は、核粒子と、前記核粒子の表面に形成された平均一次粒子径が50nm以下の磁性体粒子からなる磁性体層と、前記磁性体層の表面に形成された有機ポリマーからなる有機ポリマー層と、を含む。
本発明に係るイムノPCR用磁性粒子において、前記磁性体粒子は、二次凝集体を形成していることができる。
本発明に係るイムノPCR用磁性粒子において、前記有機ポリマーは、(メタ)アクリル系モノマーを50重量%以上含むモノマー混合物の重合体であることができる。
本発明に係るイムノPCR用磁性粒子において、前記(メタ)アクリル系モノマーは、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、ターシャリーブチルメタクリレート、シクロへキシルメタクリレート、ベンゾイルメタクリレート、イソボニルメタクリレートから選択される少なくとも1種であることができる。
本発明に係るイムノPCR用磁性粒子において、前記有機ポリマーは、親水性ポリマーであることができる。
本発明に係るイムノPCR用磁性粒子において、前記親水性ポリマーは、加水分解により水酸基を生成するモノマー(A);40〜98重量部と、架橋性モノマー(B);2〜60重量部と、その他のモノマー(C);0〜50重量部と、を含有するモノマー混合物を重合することによって得られる共重合体を、さらに加水分解処理して得られることができる。
本発明に係るイムノPCR用磁性粒子において、前記モノマー(A)は、加水分解により2,3−ジヒドロキシプロピル基を生成するモノマーであることができる。
本発明に係る標的物質の検出用キットは、少なくとも核酸増幅法に用いるプライマーと結合する領域を有するオリゴ核酸鎖により標識処理された結合物質を含む。
上記標的物質の検出方法によれば、被験試料に含まれる標的物質を検出するにあたり、従来の生化学的方法(ELISA法等)や抗体固相化イムノプレートを用いて行うイムノPCR法等に比べ、より一層迅速かつ正確に、しかも低コストで容易に標的物質の検出を行うことができる。特に、脳卒中や心筋梗塞の早期診断(後遺症の低減に繋がる。)、感染症における病原体の特定、および播種性血管内凝固症候群(Disseminated intravascular coagulation:DIC)の診断などの臨床分野において、検査または診断効率、および評価効率等を飛躍的に高めることができ、極めて有用である。
また、上記イムノPCR用磁性粒子によれば、洗浄が容易であり、検出に使用される核酸標識抗体などの非特異吸着量が少ないため、イムノPCR法において超高感度を発現することができる。
さらに、上記標的物質の検出用キットは、上記本発明に係る標的物質の検出方法に用いることができるため、極めて有用である。
以下、本発明に好適な実施形態について、詳細に説明する。
1.イムノPCR用磁性粒子
1.1 第1の実施形態
本発明の一実施形態に係るイムノPCR用磁性粒子は、有機ポリマーと、平均一次粒子径が50nm以下の磁性体粒子と、を含有し、前記磁性体粒子の表面は、前記有機ポリマーによって被覆されている。かかる実施態様として、(1)有機ポリマーなどの非磁性体の連続相中に磁性体粒子が分散している粒子、(2)磁性体粒子の二次凝集体をコアとし、有機ポリマーなどの非磁性体をシェルとする粒子、などが挙げられる。
1.1.1 磁性体粒子
上記平均一次粒子径が50nm以下の磁性体粒子は、その組成に特段の制限はないが、酸化鉄系の物質が代表的であり、MFe(M=Co、Ni、Mg、Cu、Li0.5Fe0.5など)で表現されるフェライト、Feで表現されるマグネタイト、あるいはγFeが挙げられる。特に、飽和磁化が強く、かつ、残留磁化が少ない磁気材料としてγFe、Feが好ましい。
磁性体粒子の平均一次粒子径は50nm以下であり、好ましくは1nm以上40nm以下、より好ましくは2nm以上30nm以下である。磁性体粒子の平均一次粒子径が50nmを超えると粒子の分散性が劣ることがある。これにより洗浄効率が悪くなり、抗体などのタンパク質の物理吸着が増大する結果、バックグラウンドが上がってしまう。また、分散性が劣るため標的物質との反応性も下がり低感度となってしまうことがある。
1.1.2 有機ポリマー
医学または生化学分野において、磁性体粒子がイムノPCR用磁性粒子の表面に露出していると、その成分が溶出することにより、バックグラウンドの増加や感度の低下などの重大な支障が生じ得る。よって、磁性体粒子の表面を有機ポリマーで覆うことにより、磁性体粒子が水などの分散媒に直接接触しないようにすることができる。
上記有機ポリマーは、その組成に特段の制限はなく様々なポリマーを使用することができるが、ビニル基をもつモノマー(例えば、スチレン系、(メタ)アクリレート系モノマーなど)を用いて重合されるポリマーを使用することが好ましい。ビニル基をもつモノマーを用いて重合されるポリマーの中でも、(メタ)アクリル系モノマーを用いて重合されるポリマーであることが好ましい。(メタ)アクリル系モノマーは、スチレン系モノマーなどと比較しても重合速度が速く、モノマーのポリマーへの変換率も高いため重合後の精製などが容易となる。また(メタ)アクリル系ポリマーは、抗体などの生体関連物質の物理吸着もスチレン系ポリマーなどと比較して低い傾向がありバックグラウンドの低減を達成できる。さらに表面には官能基をもつ(メタ)アクリル系ポリマーを用いることで抗体などを化学結合させることもできる。
上記(メタ)アクリル系ポリマーを構成する(メタ)アクリル系モノマーとしては、例えば、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、メトキシエチルアクリレート、メトキシエチルメタクリレート、ポリエチレングリコールモノアクリレート、ポリエチレングリコールモノメタクリレート、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、2,3−ジヒドロキシプロピルアクリレート、2,3−ジヒドロキシプロピルメタクリレートなどの親水性官能基を有する(メタ)アクリレート、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、ブチルアクリレート、ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ターシャリーブチルメタクリレート、ラウリルアクリレート、ラウリルメタクリレート、ステアリルアクリレート、ステアリルメタクリレート、ベンゾイルメタクリレート、シクロヘキシルアクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、イソボニルアクリレート、イソボニルメタクリレートなどのエチレン性不飽和カルボン酸アルキルエステルなどが挙げられる。
特に好ましい(メタ)アクリル系ポリマーとしては、例えば、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、ターシャリーブチルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ベンゾイルメタクリレート、イソボニルメタクリレートから選択される少なくとも1種のモノマーを50重量%以上含むモノマー混合物を重合して得られるポリマーである。なお、ポリマーを構成するその他のモノマーとしては、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、ダイアセトンアクリルアミドなどの親水性モノマー、アクリロニトリルなどの不飽和ニトリル、スチレン、酢酸ビニルなどが挙げられる。
本実施形態に係るイムノPCR用磁性粒子において、有機ポリマーは親水性ポリマーであってもよい。本実施形態における「親水性ポリマー」とは、水分散液から得られる乾燥塗膜と水との接触角が5〜60°、好ましくは10〜50°、特に好ましくは10〜40°であると定義される。本実施形態において、「水分散液から得られる乾燥塗膜」(以下、単に「乾燥塗膜」ともいう)とは、10%程度の濃度の磁性粒子を含む水分散液を、アプリケーターなどを用いてスライドガラスなどの平滑な基材に塗布し、湿度40%、気温25℃で乾燥することにより得られる塗膜のことをいう。
乾燥塗膜と水との接触角は、1μLの水滴を乾燥塗膜に滴下し、直ちに水平方向からの画像をカメラでデータとして取り込み、水滴の輪郭を円周の一部と仮定して塗膜の水平線との角度から求めることができる。
上記親水性ポリマーは、その組成に特段の制限はないが、例えば、グリセロールアクリレート、グリセロールメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、メトキシエチルアクリレート、メトキシエチルメタクリレート、ポリエチレングリコールモノアクリレート、ポリエチレングリコールモノメタクリレートなどの親水性官能基を有する(メタ)アクリレート、アクリル酸、メタクリル酸、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、ダイアセトンアクリルアミド、アリルグリシジルエーテルから選択される少なくとも1種を含むポリマーが挙げられる。この中でも静電相互作用による物理吸着を起こしにくいグリセロールやポリエチレングリコールをもつ親水性ポリマーであることが特に好ましい。イムノPCR用磁性粒子の表面を親水性ポリマーで覆うことにより、抗体などのタンパク質の物理吸着をより抑制できる。これにより、バックグラウンドを低減することができ、また抗体などを粒子表面に化学結合させた場合の変性が小さくなり高活性が維持できるため、超高感度を実現することができる。
本実施形態に係るイムノPCR用磁性粒子において、有機ポリマーは、加水分解により水酸基を生成するモノマー(A)、架橋性モノマー(B)、および必要に応じて、その他のモノマー(C)からなるモノマー部を重合して得られる共重合体を加水分解処理して得られるポリマーであってもよい。
これらの好ましい比率としては、加水分解により水酸基を生成するモノマー(A)40〜98重量部、架橋性モノマー(B)2〜60重量部、およびその他のモノマー(C)0〜50重量部であり、より好ましい比率は、モノマー(A)60〜95重量部、架橋性モノマー(B)5〜40重量部、およびその他のモノマー(C)0〜30重量部であり、特に好ましくはモノマー(A)80〜95重量部、架橋性モノマー(B)5〜20重量部、およびその他のモノマー(C)0〜10重量部である。
モノマー(A)は、加水分解により水酸基を生成するモノマーであれば特に制限されるものではなく、代表的な具体例としては、加水分解により2,3−ジヒドロキシプロピル基を生成するモノマー(A’)や加水分解により2,4−ジヒドロキシブチル基を生成するモノマーなどが挙げられる。2,3−ジヒドロキシプロピル基を生成するモノマーとしては、例えば、2,3−エポキシプロピル基を有するモノマー、2,3−ジヒドロキシプロピル基をアセタール化したモノマー、2,3−ジヒドロキシプロピル基をシリル化したモノマーなどが挙げられる。2,3−エポキシプロピル基を有するモノマーとしては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテルなどが挙げられる。2,3−ジヒドロキシプロピル基をアセタール化したモノマーとしては、例えば、1,3−ジオキソラン−2−オン−4−イルメチル(メタ)アクリレート、1,3−ジオキソラン−2,2−ジメチル−4−イルメチル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。2,3−ジヒドロキシプロピル基をシリル化したモノマーとしては、例えば、2,3−ジヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートのジ(t−ブチル)シリル化物、2,3−ジヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートのジ(トリメチルシリル)化物などが挙げられる。また、2,4−ジヒドロキシブチル基を生成するモノマーとしては、オキセタン環をもつモノマーが挙げられる。オキセタン環をもつ化合物としては、例えば、3−(アクリロイルオキシメチル)オキセタン、3−(メタクリロイルオキシメチル)オキセタン、3−(アクリロイルオキシメチル)2−メチルオキセタン、3−(メタクリロイルオキシメチル)−2−メチルオキセタン、3−(アクリロイルオキシメチル)−3−エチルオキセタン、3−(メタクリロイルオキシメチル)−3−エチルオキセタン、3−(アクリロイルオキシメチル)−2−トリフルオロメチルオキセタン、3−(メタクリロイルオキシメチル)−2−トリフルオロメチルオキセタン、3−(アクリロイルオキシメチル)−2−ペンタフルオロエチルオキセタン、3−(メタクリロイルオキシメチル)−2−ペンタフルオロエチルオキセタン、3−(アクリロイルオキシメチル)−2−フェニルオキセタン、3−(メタクリロイルオキシメチル)−2−フェニルオキセタン、3−(アクリロイルオキシメチル)−2,2−ジフルオロオキセタン、3−(メタクリロイルオキシメチル)−2,2−ジフルオロオキセタン、3−(アクリロイルオキシメチル)−2,2,4−トリフルオロオキセタン、3−(メタクリロイルオキシメチル)−2,2,4−トリフルオロオキセタン、3−(アクリロイルオキシメチル)−2,2,4,4−テトラフルオロオキセタン、3−(メタクリロイルオキシメチル)−2,2,4,4−テトラフルオロオキセタン、3−(2−アクリロイルオキシエチル)オキセタン、3−(2−メタクリロイルオキシエチル)オキセタン、3−(2−アクリロイルオキシエチル)−2−エチルオキセタン、3−(2−メタクリロイルオキシエチル)−2−エチルオキセタン、3−(2−アクリロイルオキシエチル)−3−エチルオキセタン、3−(2−メタクリロイルオキシエチル)−3−エチルオキセタン、3−(2−アクリロイルオキシエチル)−2−トリフルオロメチルオキセタン、3−(2−アクリロイルオキシエチル)−2−ペンタフルオロエチルオキセタン、3−(2−メタクリロイルオキシエチル)−2−ペンタフルオロエチルオキセタン、3−(2−アクリロイルオキシエチル)−2−フェニルオキセタン、3−(2−メタクリロイルオキシエチル)−2−フェニルオキセタン、3−(2−アクリロイルオキシエチル)−2,2−ジフルオロオキセタン、3−(2−メタクリロイルオキシエチル)−2,2−ジフルオロオキセタン、3−(2−アクリロイルオキシエチル)−2,2,4−トリフルオロオキセタン、3−(2−メタクリロイルオキシエチル)−2,2,4−トリフルオロオキセタン、3−(2−アクリロイルオキシエチル)−2,2,4,4−テトラフルオロオキセタン、3−(2−メタクリロイルオキシエチル)−2,2,4,4−テトラフルオロオキセタンなどが挙げられる。その他のモノマー(A)として、環状エステルモノマーが挙げられる。環状エステルモノマーとして、例えば、α−アクリロイロキシ−γ−ブチロラクトン、α−メタクリロイロキシ−γ−ブチロラクトン、α−アクリロイロキシ−β,β−ジメチル−γ−ブチロラクトン、α−メタクリロイロキシ−β,β−ジメチル−γ−ブチロラクトン、α−アクリロイロキシ−α−メチル−γ−ブチロラクトン、α−メタクリロイロキシ−α−メチル−γ−ブチロラクトンなどが挙げられる。
モノマー(A)は、加水分解により2,3−ジヒドロキシプロピル基を生成するモノマー(A’)であることが特に好ましい。
上記共重合において、加水分解により2,3−ジヒドロキシプロピル基を生成するモノマー(A’)を使用することにより、共重合前から2,3−ジヒドロキシプロピル基を有するモノマーを使用する場合に比べて、ポリマー部中により多くの2,3−ジヒドロキシプロピル基を安定的に導入することが可能になり、重合安定性を改善する因子となる。
モノマー(A’)由来の官能基の加水分解の条件は、モノマー(A’)の種類によるが、通常粒子を水に分散した状態で、酸、塩基、またはフッ化物塩を触媒として、加温条件下で数時間〜数十時間撹拌して加水分解する。モノマー(A’)由来の官能基の加水分解は、貯蔵安定性などに支障のない限り、必ずしも共重合体中の全ての官能基が加水分解されている必要はない。モノマー(A’)由来の官能基の加水分解は、通常モノマー部の重合後に実施するが、重合中にその一部が加水分解されてもよい。
使用する親水性モノマー部中におけるモノマー(A’)の比率は、モノマー部100重量%中に好ましくは40〜98重量%であり、さらに好ましくは60〜95重量%であり、特に好ましくは80〜95重量%である。モノマー部中のモノマー(B)の比率が40重量%未満であると、非特異吸着が増加する場合があり、一方、95重量%を超えると、一次プローブの結合が困難になることがある。
架橋性モノマー(B)は、1分子中に2個以上のビニル基を有するモノマーであることが好ましい。また、架橋性モノマーは、親水性または非親水性であることができる。
非親水性である架橋性モノマーとしては、例えば、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレートなどの多官能性(メタ)アクリレート、ブタジエン、イソプレンなどの共役ジオレフィン、ジビニルベンゼン、ジアリルフタレート、アリルアクリレート、アリルメタクリレートなどが挙げられる。
親水性である架橋性モノマーとしては、例えば、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ポリビニルアルコールのポリ(メタ)アクリルエステルなどが挙げられる。親水性である架橋性モノマーを用いてポリマー部を形成する場合、該ポリマー部は親水性の架橋性ポリマー部を含むことができる。すなわち、この場合、架橋性ポリマー部は親水性ポリマー部でもある。
モノマー(C)は、モノマー(A)、(B)以外のモノマーである。モノマー(C)は非架橋性モノマーであり、必要に応じて使用することができる。モノマー(C)として、例えば、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、ブチルアクリレート、ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ラウリルアクリレート、ラウリルメタクリレート、ステアリルアクリレート、ステアリルメタクリレート、シクロヘキシルアクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、イソボニルアクリレート、イソボニルメタクリレートなどメチルメタクリレート、ターシャリーブチルメタクリレート、ベンゾイルメタクリレートのエチレン性不飽和カルボン酸アルキルエステルなどが挙げられる。また、親水性モノマーとして、例えば、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ポリエチレングリコールモノメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ポリプロピレングリコールモノメタクリレートなどが挙げられる。
1.2 第2の実施形態
本発明の一実施形態に係るイムノPCR用磁性粒子は、核粒子と、前記核粒子の表面に形成された平均一次粒子径が50nm以下の磁性体粒子からなる磁性体層と、前記磁性体層の表面に形成された有機ポリマーからなる有機ポリマー層と、を含む。
本実施形態において、核粒子と、該核粒子の表面に設けられた超常磁性粒子の磁性体層と、を含む母粒子を覆うように架橋重合体が設けられているもの、すなわち、前記母粒子をコア粒子とし、架橋重合体をシェルとするものが特に好ましい。
上記核粒子は、基本的に非磁性物質であり、有機物質および無機物質のいずれも使用可能であるが、好ましくは有機物質である。有機物質の代表例としては、例えばポリマーを挙げることができる。かかるポリマーとしては、特にビニル系ポリマーが好ましく、その製造に使用するビニル系モノマーとしては、スチレン、α−メチルスチレン、ハロゲン化スチレン、ジビニルベンゼンなどの芳香族ビニル単量体、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのビニルエステル類、アクリロニトリルなどの不飽和ニトリル、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、ブチルアクリレート、ブチルメタクリレート、2−エチルへキシルアクリレート、2−エチルへキシルメタクリレート、ラウリルアクリレート、ラウリルメタクリレート、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、シクロへキシルアクリレート、シクロへキシルメタクリレートなどのエチレン性不飽和カルボン酸アルキルエステルなどを例示することができる。このビニル系ポリマーは単独重合体であっても、あるいは上記ビニル系モノマーから選ばれた2種以上のモノマーからなる共重合体であってもよい。また、上記ビニル系モノマーとブタジエン、イソプレンなどの共役ジオレフィン、アクリル酸、メタクリル酸、アクリルアミド、メタクリルアミド、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ジアリルフタレート、アリルアクリレート、アリルメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレートなどの共重合可能なモノマーとの共重合体も使用することができる。
本発明で使用する核粒子の平均粒子径は、好ましくは0.1〜10μm、さらに好ましくは0.2〜5μm、特に好ましくは0.3〜2μmである。
上記平均一次粒子径が50nm以下の磁性体粒子および有機ポリマーは、第1の実施形態と同じものを使用することができる。
上記母粒子の製造方法としては、例えば、非磁性の有機ポリマー粒子と超常磁性粒子とをドライブレンドして、物理的に強い力を外部から加えることにより双方の粒子を複合化させる方法を用いて作製することができる。物理的に強い力を負荷する方法としては、例えば、乳鉢、自動乳鉢、ボールミル、ブレード加圧式粉体圧縮法、メカノフュージョン法のようなメカノケミカル効果を利用するもの、あるいはジェットミル、ハイブリダイザーなどの高速気流中衝撃法を利用するものが挙げられる。この方法を用いることにより、非磁性の有機ポリマー粒子を核粒子とし、該核粒子の表面に超常磁性粒子の磁性体層が設けられた母粒子を作製することができる。
この母粒子に対して、上述した有機ポリマー層をさらに形成させてイムノPCR用粒子を作製する。有機ポリマー層は、母粒子の存在下で、主原料としての共重合性モノマーと、副原料である重合開始剤、乳化剤、分散剤、界面活性剤、電解質、架橋剤、分子量調節剤などが必要に応じて添加され液体中で重合を行うことにより形成される。このように有機ポリマー層を重合によって形成することにより、当該有機ポリマー層の表面に所望の官能基を導入することができるなど、表面加工性に優れる。
上記重合開始剤としては、油溶性重合開始剤または水溶性重合開始剤を用いることができるが、水への溶解性の観点から油溶性重合開始剤が好ましい。水溶性重合開始剤を用いると複合粒子表面での重合でなく、磁性体被覆粒子を含まない疎水性重合モノマーのみが重合した粒子が多量に生じる傾向がある。
油溶性重合開始剤としては、ベンゾイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、ターシャリーブチルペルオキシ2−エチルヘキサネート、3,5,5−トリメチルヘキサノイルペルオキシド、アゾビスイソブチロニトリル等の過酸化化合物、アゾ化合物などが挙げられる。
上記重合開始剤のモノマー全体に対する添加量は、0.01〜8重量%であることが好ましい。
上記乳化剤としては、通常使用されている陰イオン性界面活性剤または非イオン性界面活性剤などが挙げられる。陰イオン性界面活性剤として、例えば、高級アルコール硫酸エステルのアルカリ金属塩、アルキルベンゼンスルホン酸のアルカリ金属塩、コハク酸ジアルキルエステルスルホン酸のアルカリ金属塩、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸のアルカリ金属塩、ポリオキシエチレンアルキル(またはアルキルフェニル)エーテルの硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキル(またはアルキルフェニル)エーテルのリン酸エステル塩、ナフタレンスルホン酸ナトリウムのホルマリン縮合物などの陰イオン性界面活性剤の他、ラテムルS−180A(花王社製)、エレミノールJS−2(三洋化成社製)、アクアロンHS−10、KH-10(第一工業製薬社製)、アデカリアソープSE−10N、SR-10(旭電化工業社製)などの反応性アニオン性界面活性剤が挙げられる。また、非イオン性界面活性剤として、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルなどのほか、アクアロンRS−20(第一工業製薬社製)、アデカリアソープNE−20(旭電化工業社製)などの反応性非イオン性界面活性剤などが挙げられる。これらの乳化剤は、1種単独もしくは組み合わせて用いることができる。
有機ポリマー層の形成におけるモノマーの重合系への添加方法は、特に制限されず、一括方式、分割方式あるいは連続添加方式のいずれであっても良い。重合温度は重合開始剤によって異なるが、通常10〜90℃であり、好ましくは30〜85℃である。重合に要する時間は、通常1〜30時間程度である。
2.標的物質の検出方法
本実施形態に係る標的物質の検出方法(イムノPCR法)は、上記イムノPCR用磁性粒子の表面に標的物質を接触させて、前記標的物質を前記イムノPCR用磁性粒子の表面に固定する工程と、恒温条件下で反応可能な核酸増幅法に用いるプライマーと結合する領域を有するオリゴ核酸鎖により標識処理された結合物質、および、前記イムノPCR用磁性粒子の表面に固定された標的物質を接触させて、前記結合物質および前記標的物質を含む複合体を形成する工程と、前記オリゴ核酸鎖を核酸増幅法により増幅する工程と、前記核酸増幅法により生成された増幅産物を検出する工程と、を含む。
すなわち、上記イムノPCR法は、上記イムノPCR用磁性粒子の表面に固相化した結合物質(捕捉抗体)によって標的物質(抗原)を捕捉したのち、特定の塩基配列を有するオリゴDNAを標識物質として結合した結合物質、すなわち抗体(検出抗体)を反応後、標識されているオリゴDNAをPCR法によって増幅し、検出するというものである。
上記方法において捕捉抗体と検出抗体は同一の標的物質に対して特異性を有する抗体であることが望ましい。また抗体は、マウス、ラット、ウサギ、ヤギ、ヒツジ、イヌ、ウマなどの生物由来、あるいは組み替え遺伝子を用いて大腸菌やウキクサなどで合成・精製される抗体のいずれでも使用が可能である。
標識物質として用いられるオリゴDNAは、大腸菌、プラスミド、酵母、動物由来のDNAでも、ホスホジエステル法、ホスホトリエステル法、固相法ホスホアミダイト法などから選択される少なくとも1種の方法で人工的に合成されたDNAでも用いることができる。DNAは、ビオチン、アビジン、アミノ基や、特異的配列(例えば、アビジン結合配列など)を介して結合物質と結合され、イムノPCR法での増幅・検出のための鋳型配列として使用される。
PCR法は、Taq DNA合成酵素、Pfu DNA合成酵素、Tth DNA合成酵素などから選ばれる少なくとも1つのDNA合成酵素を用いて行うことができる。また、PCR操作後の合成産物量の吸光度による定量比較法や、ポリアクリルアミドゲル電気泳動法、アガロースゲルゲル電気泳動法、キャピラリ電気泳動法などを用いたDNA電気泳動法による分離バンドの比較、SYBR−Green法、TaqMan−probe法などを用いてのQuantitive PCR(QPCR)法などにより定性・定量を行う。
以下、本発明の好適な実施形態について、詳細に説明する。
2.1 標的物質−結合物質複合体の形成工程
まず、支持体(イムノPCR用磁性粒子)の表面に固定された複数種類の標的物質と、該標的物質の種類に対応して識別し得るように標識処理された結合物質とを接触させて、前記標的物質と前記結合物質との複合体を形成させる。
なお、上記「結合物質」とは、特定の標的物質と特異的に結合し得る物質を意味し、例えば、抗原(標的物質)に対する抗体などが挙げられる。
2.1.1 標的物質
本発明の一実施形態に係る標的物質の検出方法において、検出対象とする標的物質は、被験試料(詳しくは、同一の被験試料)に含まれる複数種類の標的物質である。当該標的物質の個々の種類は限定されない。かかる標的物質としては、例えば、各種タンパク質(抗体タンパク質も含む。)、ペプチド(オリゴペプチド、ポリペプチドなど)、多糖類、糖脂質、各種核酸(DNAやRNA)、およびその他低分子の化学合成物や生体成分などが挙げられる。この中でも、抗原となり得るもの(すなわち、抗体タンパク質が存在し得るものまたは作製可能なもの)が好ましい。
なお、別の実施形態として、単一種類の標的物質を検出対象とし、標識処理された結合物質を複数種類用いて、標的物質がどの結合物質に対して特異的であるかを特定する(すなわち、標的物質の種類を特定する。)アッセイ系とすることもできる。
上記被験試料としては、例えば、生体成分(組織や血液)、食肉や野菜等の食品類、土壌や河川水、燃焼廃棄物などが挙げられるが、特に限定されない。
上記被験試料に含まれる標的物質の種類数は、複数(少なくとも2種類)であればよく限定はされないが、本発明の方法によれば、例えば、10種類以上であっても特定の標的物質を明確に識別検出することができ、また50種類以上であってもよいし、さらには100種類以上であってもよい。
上記被験試料中の標的物質の濃度は、特に限定はされないが、例えば、被験試料1μLあたり標的物質がngオーダー以下の濃度であっても、特定の標的物質を明確に識別検出することができ、またpgオーダー以下であってもよいし、さらにはfgオーダー以下であってもよい。特に、識別処理された結合物質として、下記(a)〜(d)の結合物質(後に詳述する。)などを用いる場合は、より低い標的物質濃度であっても高い感度で識別検出することができ、この中でも(b)または(c)の結合物質を用いる場合が好ましい。
(a)PCRで増幅可能な領域を有するオリゴヌクレオチド鎖との複合体を形成している結合物質
(b)蛍光色素を結合させたオリゴヌクレオチド鎖またはオリゴペプチド鎖との複合体を形成している結合物質
(c)放射性同位体元素を含有させるか若しくは放射性物質を結合させたオリゴヌクレオチド鎖またはオリゴペプチド鎖との複合体を形成している結合物質
(d)標識処理デンドリマを結合させたオリゴヌクレオチド鎖またはオリゴペプチド鎖との複合体を形成している結合物質
本実施形態に係る標的物質の検出方法において、標的物質をイムノPCR用磁性粒子に固定しておいた上で標識処理された結合物質(溶液)と接触させ、これにより標的物質と結合物質との特異的結合反応を行うようにしてもよい。
2.1.2 結合物質
本発明の一実施形態に係る標的物質の検出方法において、結合物質として、標的物質の種類に対応して識別し得るように標識処理された結合物質を複数種類用いることができる。標識処理は、特定の標的物質に対応する特異的な結合物質ごとに1種類の標識処理が施されるようにし、後の検出段階において標識の数およびその種類の特定を行うことで、検出された標的物質の数およびその種類の特定を行うようにする。しかしながら、これには限定はされず、例えば、複数種の結合物質に同一の標識処理を施し、複数種の標的物質を包括的に検出することもできる。
かかる結合物質としては、例えば、特定の抗原物質に対して特異的に結合し得る抗体(抗体タンパク質)のほか、特定の標的遺伝子または核酸分子に対してハイブリダイズし得る一本鎖核酸(DNA、RNA(mRNAなど)、合成核酸)、特定の標的タンパク質などに対して特異的に結合し得る各種タンパク質(抗体を除く。)、特定の糖脂質に対して特異的に結合し得るタンパク質(レクチンなど)、および特定の抗体に対して特異的に結合し得る抗原物質などが挙げられ、なかでも、抗体が好ましい。
結合物質が抗体である場合は、一般には、特定の単一種類の抗原(標的物質)ごとに特異性を有するモノクローナル抗体を用いるようにすることが好ましいが、限定はされない。例えば、特定の複数種の抗原に共通した特異性を有するモノクローナル抗体なども用いることができる。このような抗体を用いるアッセイ系によれば、複数種の抗原を単一の抗体によって包括的に検出することができる。
本実施形態に係る標的物質の検出方法において、「支持体に固定された標的物質と標識処理された結合物質とを接触させる」とは、一般には、当該標的物質と当該標識処理され結合物質とを直接接触させて結合させることを意味する。しかしながら、本発明ではこれに限定はされず、より広義的に、支持体に固定された標的物質に、まず当該標的物質に特異性を有する1次的な結合物質(1次抗体など)を結合させ、次いで、この1次結合物質に対して特異性を有する結合物質として、前記の標識処理された結合物質を接触させることにより、結果として前記標的物質と当該標識処理された結合物質とを間接的に結合させることも含む。この間接的な結合においては、上記1次結合物質には、さらに2次結合物質、3次結合物質、…n次結合物質を結合させてもよく、その場合、標識処理された結合物質としてはn次結合物質と特異的に結合し得るものを用いればよい。なお、上記nは、1〜11であり、好ましくは1または2である。
上記結合物質は、標識物質としての各種核酸鎖などと複合体を形成しているものが好ましい。結合物質が抗体の場合は、当該複合体は「複合抗体」と称する。上記核酸鎖などとしては、例えば、オリゴヌクレオチド鎖(DNA鎖、RNA鎖)、およびオリゴペプチド核酸鎖などが好ましく挙げられ、これらは天然物であっても合成物であってもよい。なかでも、オリゴヌクレオチド鎖との複合体を形成している結合物質(オリゴヌクレオチド複合体)は、塩基配列やオリゴヌクレオチド鎖長による識別化、蛍光色素の結合や放射性同位体元素の含有等による識別化、あるいはPCR増幅断片長による識別化など、より一層有用性かつ実用性の高い識別化が可能となる等の効果が得られるためより好ましく、合成されたオリゴヌクレオチド鎖との複合体を形成している結合物質がさらに好ましい。
上記各種核酸鎖などの長さは、特に限定はされないが、例えば、オリゴヌクレオチド鎖(DNA鎖、RNA鎖)の場合には、好ましくは100〜5,000merであり、より好ましくは100〜1,000merであり、特に好ましくは100〜500merである。オリゴヌクレオチド鎖の長さが上記範囲を満たす場合、結合物質との複合化が容易となり、複合化後の状態を安定化させるとともに、検出感度の向上や検出時間の短縮が図り得るなどの効果が得られる。
オリゴペプチド核酸鎖の場合は、例えば、好ましくは10〜100アミノ酸残基のオリゴペプチド鎖に100〜5,000merの核酸鎖(DNA鎖、RNA鎖)が連結したものであり、より好ましくは核酸鎖部分が100〜1,000merであるものであり、さらに好ましくは核酸鎖部分が100〜500merであるものである。オリゴペプチド核酸鎖の長さが上記範囲を満たす場合、結合物質との複合化が容易となり、複合化後の状態を安定化させるとともに、検出感度の向上や検出時間の短縮が図り得るなどの効果が得られる。
上記オリゴヌクレオチド複合体は、例えば、標識部分としてのオリゴヌクレオチド鎖(DNA鎖、RNA鎖)の一端を、結合物質に共有結合させることなどによって得られる。同様に、オリゴペプチド核酸複合体は、例えば、標識部分としてのオリゴペプチド核酸鎖の一端を、結合物質に共有結合させることなどによって得られる。これら複合体の調製においては、オリゴヌクレオチド鎖、オリゴペプチド鎖およびオリゴペプチド核酸鎖は、例えば、1個または2個以上のチオール基やアミノ基(置換基)またはビオチン(若しくはアビジン)などが化学的または酵素的処理(好ましくは化学的処理)によって導入されていてもよい。これにより、結合物質との複合化が容易となり、複合化後の状態が一層安定化し、得られる複合体の収率を向上させるとともに、ひいては検出感度や検出効果を高めるなどの効果が得られる。
上記オリゴヌクレオチド複合体の調製方法としては、例えば、(a)5’末端にアミノ基やチオール基を付加したオリゴヌクレオチド鎖を2価の架橋剤を用いて結合物質に固定する方法(E. Hendrickson et.al, Nucl. Acids Res., Vol 23(3), p522-529 (1995))、(b)あらかじめ結合物質およびオリゴヌクレオチド鎖をいずれもビオチン化しておき、当該結合物質とオリゴヌクレオチド鎖とを混合すると共にアビジンを添加することで、アビジンを介してオリゴヌクレオチド鎖を結合物質に固定する方法などが挙げられる。
上記オリゴペプチド複合体およびオリゴペプチド核酸複合体の調製方法としては、例えば、(a)アミノ基やチオール基を有するオリゴペプチド鎖またはオリゴペプチド核酸鎖(以下、オリゴペプチド鎖など)、(b)アミノ基やチオール基を付加したオリゴペプチド鎖などを2価の架橋剤を用いて結合物質に固定する方法、および(c)あらかじめ結合物質およびオリゴペプチド鎖などをいずれもビオチン化しておき、当該結合物質とオリゴペプチド鎖などとを混合すると共にアビジンを添加することで、アビジンを介してオリゴペプチド鎖などを結合物質に固定する方法などが挙げられる。
また本発明においては、標識部分となるオリゴヌクレオチド鎖、またはオリゴペプチド核酸を少なくともアダプター部分を介して結合物質と複合化させることにより、上述した各種複合体を得ることもできる。アダプター部分を介した固定により、当該複合体の構造安定性を一層高めることができ、得られる複合体の収率をより向上させるとともに、ひいては検出感度や検出効果を高めるなどの効果が得られる。上記アダプター部分としては、例えば、プロテインG、プロテインA、プロテインL、およびプロテインAとプロテインGとの融合タンパク質などの各種タンパク質が挙げられ、これらは、特に結合物質が抗体分子である場合に、当該抗体と容易にかつ安定して結合することができるため好ましい。
アダプター部分を含む複合体の調製方法としては、特に限定はされないが、(a)まず、アダプター部分に標識部分となるオリゴヌクレオチド鎖などを結合させ、(b)次いで、アダプター部分を結合物質に固定する方法が好ましい。
具体的には、上記(a)においては、アダプター部分をアビジン修飾し、標識部分となるオリゴヌクレオチド鎖などをビオチン化して、両者を混合することにより、オリゴペプチド鎖などをアダプター部分に結合させる。あるいは、あらかじめアダプター部分およびオリゴペプチド鎖などをいずれもビオチン化しておき、当該アダプター部分とオリゴペプチド鎖などとを混合すると共にアビジンを添加することで、アビジンを介してオリゴペプチド鎖などをアダプター部分に結合させることもできる。なお、前者の手法の場合、アダプター部分のアビジン修飾は、まずリンカー化合物をアダプター部分と結合反応させた後、当該化合物にアビジンを結合させてもよい。ここで使用されるアダプター部分がプロテインA、GまたはL等の場合は、リンカー化合物として、例えば、「Sulfosuccinimidyl 4-(N-maleimidomethyl)cyclohexane-1-carboxylate(Sulfo-SMCC)」などを好ましく用いることができる。
次に、上記(b)においては、アダプター部分と結合物質とが結合反応性を有する場合は、上記(a)で得られたアダプター部分/標識部分結合体と結合物質とを混合することで、オリゴヌクレオチド複合体等の各種複合体を得ることができる。また、アダプター部分と結合物質とが、もともと結合反応性を有しない場合は、例えば、両者をビオチン化しておきアビジン存在下で混合するなど、上記(a)において採用し得る手法と同様の手法を用いて各種複合体を得ることができる。
以下に、オリゴヌクレオチド複合体における標識処理について具体的に例示する。なお、これら例示はいずれも、標的物質および結合物質の一例として抗原および抗体を用いて説明したものであるが、標的物質および結合物質が抗原および抗体以外の場合についても同様の説明を適用することができる。
オリゴヌクレオチド複合抗体の場合、標識処理は、オリゴヌクレオチド鎖そのものになされていてもよいし(例えば、下記(A1)〜(A3)、(A6)、(A7)、(A9)の処理など)、オリゴヌクレオチド鎖を介してなされていてもよく(例えば、下記(A4)、(A5)、(A8)の処理など)、特に限定はされない。
オリゴヌクレオチド鎖に対してなされる上記標識処理としては、具体的には、下記(A1)〜(A9)から選ばれる少なくとも1つの処理が好ましく挙げられる。なかでも、(A1)、(A2)および(A9)の処理が、標識処理が容易であり、検出感度が高いなどの点でより好ましい。
(A1)制限酵素による切断部位を設ける処理
(A2)PCRで増幅可能な領域を設ける処理
(A3)放射性同位体元素を含有させる処理
(A4)蛍光色素を結合させる処理
(A5)酵素を結合させる処理
(A6)光照射による切断部位を設ける処理
(A7)活性酸素による切断部位を設ける処理
(A8)標識処理デンドリマを結合させる処理
(A9)塩基の種類において少なくとも1塩基の違いを設ける処理
なお、オリゴペプチド核酸複合抗体の場合も、その核酸(オリゴヌクレオチド)部分に対して、上記オリゴヌクレオチド複合抗体の場合と同様の標識処理を施すことができる。各標識処理の実際についても、後述する具体的説明を、適宜同様に適用できる。
上記(A1)の処理の場合は、例えば、図1に示すように他の抗体の標識とは該切断後に得られるオリゴヌクレオチド断片の長さが異なるようにするか、他の抗体の標識からは該切断後にオリゴヌクレオチド断片が得られないようにするか、あるいは、これらを組み合わせて行うことなどにより、識別検出することができる。
切断後の断片の長さが異なるようにすることは、具体的には、抗体に結合させるオリゴヌクレオチド鎖の長さは抗体間で実質的に同じであるが、制限酵素による切断部位の位置が互いに異なるように合成しておくか、または抗体に結合させるオリゴヌクレオチド鎖の長さ自体を抗体間で互いに異なるように合成しておくことなどにより実施できる。切断後の断片の長さの相違差は、特に限定はされないが、良好な感度で識別検出できる点で、10mer以上であることが好ましく、より好ましくは50mer以上、さらに好ましくは100mer以上である。
上記(A2)の処理の場合は、例えば、図2に示すように、他の抗体の標識とは該PCR産物として得られる断片の長さが異なるようにするか、他の抗体の標識からは該PCR産物が得られないようにするか、あるいは、これらを組み合わせて行うことなどにより、識別検出することができる。
PCR産物として得られる断片の長さが異なるようにすることは、具体的には、同一のプライマーを用いた場合であっても、プライマーの結合位置が異なり、PCRで増幅可能な領域の幅(長さ)が各抗体間で異なるように合成しておくことなどにより実施できる。PCR産物の断片の長さの相違差は、特に限定はされないが、良好な感度で識別検出できる点で、5mer以上であることが好ましく、より好ましくは10mer以上、さらに好ましくは50mer以上である。
上記(A3)の処理の場合は、例えば、他の抗体の標識とは放射線種が異なるようにするか、他の抗体の標識においては放射線を放射しないようにするか、あるいは、これらを組み合わせて行うことなどにより、識別検出することができる。
放射性同位体元素を含有させる処理方法としては、例えば、オリゴヌクレオチド鎖を合成する際に放射性同位体元素を含有する核酸を使用したり、放射性同位体元素を含む修飾基(32PO35SO)やH125Iなどでオリゴヌクレオチド鎖を直接標識する方法などが挙げられる。
具体的には、放射性同位体元素としては、32P、H、14C、35S、59F、125Iなどを用いることができ、なかでも、識別検出の感度を高める点では、β線を放出する放射性同位体元素(例えば、Hや14Cなど)とγ線を放出する放射性同位体元素(例えば、125Iなど)との組み合わせで用いることが好ましい。
上記(A4)の処理の場合は、例えば、他の抗体の標識とは該蛍光色素の極大吸収波長が異なるようにするか、他の抗体の標識においては該蛍光色素を結合させないようにするか、あるいはこれらを組み合わせて行うことなどにより、識別検出することができる。
蛍光色素を結合させる処理方法としては、例えば、オリゴヌクレオチド鎖の官能基を蛍光色素で直接標識する方法などが挙げられる。
具体的には、蛍光色素としては、フルオレセインイソチオシアネート(FITC)、テトラメチルローダミンイソチオシアネート(RITC)、ルシフェラーゼ、GFP(蛍光強度が異なるEGFPなども含む。)およびその誘導体(蛍光波長や励起波長が異なるYFPやBFPなど)などを用いることができ、なかでも、識別検出の感度を高める点では、FITCとRITCの組み合わせや、GFPとその誘導体の組み合わせで用いることが好ましい。
上記(A5)の処理の場合は、例えば、発色用基質と結合することで蛍光色素を生成させる酵素を用い、他の抗体の標識とは該酵素の種類を変え、蛍光色素の極大吸収波長が異なるようにするか、他の抗体の標識には該酵素を結合させないようにするか、あるいはこれらを組み合わせて行うことなどにより、識別検出することができる。
酵素を結合させる処理方法としては、例えば、サリチルヒドロキサミン化した酵素を、タンパク質架橋剤を介して、オリゴヌクレオチド鎖に結合させる方法などが挙げられる。
具体的には、上記酵素としては、アルカリホスファターゼ、各種ペルオキシダーゼ(ホースラディッシュ(西洋わさび)ペルオキシダーゼ)、ベータガラクトシダーゼ、キサンチンオキシダーゼ等を用いることができ、なかでも、識別検出の感度を高める点では、発色法において増感剤であるDABとTMBとを組み合わせて用いることが好ましい。
上記(A6)の処理の場合は、例えば、他の抗体の標識とは切断可能な光の波長が異なるようにするか、他の抗体の標識と切断可能な光の波長が同じであっても切断後の断片の長さが異なるようにするなど異なる識別処理を施しておくようにするか、他の抗体の標識では光照射により切断しないようにするか、あるいはこれらを組み合わせて行うことなどにより識別検出することができる。
具体的には、オリゴヌクレオチド鎖に、所定の波長光の照射で開裂(切断)可能なクロスリンカー(2価の架橋剤等)を付加した上で、このリンカーを介して、オリゴヌクレオチド鎖と抗体とを結合させるようにする。光照射で開裂可能なクロスリンカーとしては、例えば、オキシムエステル誘導体やカルバモイルオキシイミノ誘導体などを用いることができる。他の抗体の標識とは切断可能な光の波長が異なるようにする場合は、他の抗体におけるクロスリンカーとは開裂可能な波長が異なるクロスリンカーを用いるようにすることなどで実施できる。この場合、クロスリンカーとしては、オキシムエステル誘導体とカルバモイルオキシイミノ誘導体との組み合わせで用いることが、良好な検出感度が得られる点で好ましい。また、他の抗体の標識と切断後の断片の長さが異なるようにする場合は、クロスリンカーを介して結合させるオリゴヌクレオチド鎖の長さが異なるようにしておくことで実施できる。切断後の断片の長さの相違差は、特に限定はされないが、良好な感度で識別検出できる点で、10mer以上であることが好ましく、より好ましくは50mer以上、さらに好ましくは100mer以上である。そのほか、他の抗体の標識と切断後の断片に異なる標識処理を施しておく場合としては、クロスリンカーを介して結合させるオリゴヌクレオチド鎖に、上記(A3)〜(A5)および下記(A8)の処理を施しておくこと等で実施できる。
上記(A7)の処理の場合は、例えば、他の抗体の標識とは切断後の断片の長さが異なるようにするなど異なる標識処理を施しておくようにするか、他の抗体の標識では活性酸素により切断しないようにするか、あるいは、これらを組み合わせて行うことにより識別検出することができる。
具体的には、オリゴヌクレオチド鎖に、活性酸素との接触により開裂(切断)可能なクロスリンカー(2価の架橋剤など)を付加した上で、このリンカーを介して、オリゴヌクレオチド鎖と抗体とを結合させるようにする。活性酸素との接触により開裂可能なクロスリンカーとしては、例えば、N-hydroxysucciniimide-4-azidobenzoate等のアジド系のクロスリンカーや、S−ニトロソアミン誘導体あるいはN−ニトロソアミン誘導体などを用いることができる。
他の抗体の標識と切断後の断片の長さが異なるようにする場合は、クロスリンカーを介して結合させるオリゴヌクレオチド鎖の長さが異なるようにしておくことで実施できる。切断後の断片の長さの相違差は、特に限定はされないが、良好な感度で識別検出できる点で、好ましくは10mer以上であり、より好ましくは50mer以上であり、特に好ましくは100mer以上である。そのほか、他の抗体の標識と切断後の断片に異なる標識処理を施しておく場合としては、クロスリンカーを介して結合させるオリゴヌクレオチド鎖に、上記(A3)〜(A5)および下記(A8)の処理を施しておくこと等で実施できる。
上記(A8)の処理の場合は、例えば、オリゴヌクレオチドデンドリマ(DNAデンドリマ、RNAデンドリマ)などの各種デンドリマに、前述のように放射性同位体元素を含有させる、放射性物質を結合させる、蛍光色素を結合させる、または酵素を結合させる等の標識処理を、1種または2種以上施したデンドリマを用いる。そして、他の抗体の標識とはその種類や程度等が異なるようにするか、他の抗体の標識にはこのような標識処理デンドリマを結合させないようにするか、あるいは、これらを組み合わせて行うこと等により識別検出することができる。
デンドリマとは、それを構成する物質(例えば、オリゴヌクレオチドやDNAなど)からなる樹木状多分岐高分子であり、中心(コア)から規則正しい枝分かれ骨格構造が3次元的に広がっているものをいう。デンドリマは、その枝分かれ部分どうしの間が決まった化学結合の繰り返し構造になっている。一般に、その繰り返し数は「世代」で表現され、世代が大きいほど大きくかつ球状に近い構造となる。
本発明においては、上記標識処理デンドリマと同様に、標識処理デンドロンも用いることができる。デンドロンとは、デンドリマと同様に樹木状多分岐高分子であるが、中心(フォーカルポイント)から一方向へのみ広がっている(伸びている)ものをいう。
デンドリマの合成方法としては、特に限定はされないが、コアから外側に向かって合成を進めるダイバージェント法、末端官能基から内側に向かって合成を進めるコンバージェント法、および、これらを組み合わせた方法等が挙げられ、デンドロンにおいても同様の方法が挙げられる。デンドリマやデンドロンの合成経路は極めて秩序立っているため、前述したような標識処理物質を、それら(デンドリマやデンドロン)の内外部を問わず、3次元的に所望の位置に導入することができる。
標識処理デンドリマを結合させる処理方法としては、例えば、抗体に結合しているオリゴヌクレオチド鎖に相補的に結合し得る配列領域(アーム)を、デンドリマの末端(最外層)に設けておき、所定の条件下でハイブリダイゼーションして結合させる方法や、抗体に結合しているオリゴヌクレオチド鎖の未結合末端にアミノ基やチオール基を付加しておき、2価の架橋剤を用いてデンドリマの末端と結合させる方法などが挙げられる。また、標識処理デンドロンを結合させる処理方法についても同様である。
上記(A9)の処理の場合は、まず、各々の複合抗体に固定されているオリゴヌクレオチド鎖がそれぞれ同等の長さ(上記(A1)や(A2)の処理では違いが認識できない程度の長さ)であっても、塩基の種類が異なる箇所を1ヶ所以上設けておく。そして、この種類が異なる塩基を含むPCR増幅断片を、DNAシークエンサー(例えば、Applied Biosystems社製、製品名「ABI−3100」)による解析や、「ABI PRISM 7000 Sequence Detection System」(Applied Biosystems社製)などを用いたReal Time PCRによる解析などの1塩基の違いを認識できる解析手段を用いて、識別検出することができる。なお、各オリゴヌクレオチド鎖には、PCRによる増幅の前に鋳型となる所定の断片を遊離しておくため、制限酵素サイト(好ましくは同一の制限酵素による切断部位)を設けておくこともできる。当該処理の場合、標識のバリエーションは、「[塩基の種類(A,T,G,Cなど)]×[塩基の長さ(塩基数)]」で算出される組合せまで可能であり、この処理は同時多項目検出に特に好適な処理と言える。上記バリエーションは、公知の各種変異導入法を用いたり、核酸合成の段階で塩基配列の設定に違いを設けることにより容易に設計できる。
なお、オリゴペプチド核酸複合抗体の場合も、その核酸部分に対して、上記と同様の標識処理を施すことができる。
2.2 標識検出工程
次に、標的物質−結合物質複合体を形成した結合物質中の標識を検出する。検出方法としては、具体的には、前述した結合物質の標識処理の種類(前記(A1)〜(A9)等の標識処理)により異なるため、その種類ごとに以下に説明する。
(1)制限酵素による切断部位を設ける処理((A1)の処理)の場合
オリゴヌクレオチド複合体(DNA複合体またはRNA複合体)を用いた場合、常法に従い、所定の制限酵素溶液を添加して、オリゴヌクレオチド鎖を切断する。得られた断片の長さは、アガロースゲル等を用いた電気泳動法により識別して検出することができる。また、上記制限処理後の遊離断片を、蛍光標識した所定のプライマーを用いてPCRにより増幅し、得られた増幅断片について、DNAシークエンサー(例えば、Applied
Biosystems社製、製品名「ABI−3100」)を用いたGeneScanソフトウェアでの解析によりピーク位置およびその高さを同定することで、制限酵素処理後の遊離断片の長さを識別して検出することもできる。
上記検出において、抗原の量が少なかった場合など、制限酵素処理後の断片濃度が低いときは、必要に応じ、当該処理後の反応液をスピンカラム等で遠心沈降して濃縮することが好ましい。
なお、オリゴペプチド核酸複合体を用いた場合も、その核酸鎖(オリゴヌクレオチド鎖)部分に対して、上記同様の検出方法が採用できる。
(2)PCRで増幅可能な領域を設ける処理((A2)の処理)の場合
オリゴヌクレオチド複合体(DNA複合体またはRNA複合体)を用いた場合、常法に従い、設計した所定のプライマー等を添加し、PCRにより(約5〜30サイクル)特定の断片を増幅したPCR産物を得る。得られた増幅断片の長さは、アガロースゲル等を用いた電気泳動法により識別して検出することができる。また、上記所定のプライマーとして蛍光標識したプライマーを用い、得られた増幅断片について、DNAシークエンサー(例えば、Applied Biosystems社製、製品名「ABI−3100」)を用いたGeneScanソフトウェアでの解析によりピーク位置およびその高さを同定することで、増幅断片の長さを識別して検出することもできる。また、オリゴヌクレオチド鎖の配列に対して特異的にハイブリダイズできるプローブで、かつ蛍光物質と消光物質をプローブ両端に結合した、いわゆるTaq Man Probeを用い、複数蛍光を同時に計測可能なリアルタイムPCR装置(例えば、stratagene社製、製品名「MX3005p」)を用いた解析により検出および定量を行う。
なお、オリゴペプチド核酸複合体を用いた場合も、その核酸鎖(オリゴヌクレオチド鎖)部分に対して、上記同様の検出方法が採用できる。
(3)色素を結合させる処理((A3)の処理)の場合
公知の蛍光光度計や蛍光顕微鏡等により、所定の蛍光波長を識別して検出する。
なお、本発明においては、半導体レーザおよび高感度フォトダイオード等を備えた測定モジュールデバイス(例えば、日立製作所社製、製品名「コスモアイ」;Applied
Biosystems社製、製品名「ABI−3100」)を用いることもできる。当該デバイスは、微量のDNA若しくはRNA、またはペプチド等を短時間で分離・同定し、定量できることを特徴とするものである。当該デバイスを用いることにより、従来実現されていなかった、高速(短時間)かつ高感度で、しかも同時多項目の検出条件の識別検出をすることができる。具体的には、測定時間を120分以内(好ましくは60分以内、より好ましくは30分以内)とし、検出感度を100〜100,000fg/mL(好ましくは100〜10,000fg/mL、より好ましくは100〜1,000fg/mL)とし、検出可能標識数(1チップ当たり)を5種類以上(好ましくは10種類以上、より好ましくは50種類以上)とすることができる。
(4)酵素を結合させる処理((A4)の処理)の場合
公知のELISA法の常法に従い、発色用基質を添加して蛍光色素を生成させた後、蛍光色素の結合処理をした場合と同様の方法により、識別検出することができる。
(5)放射性同位体元素を含有させる処理((A5)の処理)の場合
公知の放射線量測定装置や公知のウエスタンブロット法の常法に従い、所定の放射線種を識別検出することができる。
(6)光照射による切断部位を設ける処理((A6)の処理)の場合
所定の波長光の照射を行い、オリゴヌクレオチド鎖やオリゴペプチド鎖等を切断(詳しくは、結合物質から分離)する。その後、得られた断片の長さを、例えば、アガロースゲル等を用いた電気泳動法やSDS−PAGE等の電気泳動法により識別して検出する。標的物質の量が少なかった場合など、光照射処理後の断片濃度が低いときは、必要に応じ、当該処理後の反応液をスピンカラム等で遠心沈降して濃縮することが好ましい。また、上記切断後の断片は、上記「2.2.3」ないし「2.2.5」の場合と同様にして識別検出することもできる。
(7)活性酸素による切断部位を設ける処理((A7)の処理)の場合
まず、HRP(西洋わさびペルオキシダーゼ)およびFe錯体等の、フリーラジカルを産生遊離させる試薬を添加することにより、活性酸素を生じさせる。この活性酸素が、オリゴヌクレオチド鎖やオリゴペプチド鎖等を切断する(詳しくは、結合物質から分離)。その後、得られた断片の長さを、例えば、アガロースゲル等を用いた電気泳動法やSDS−PAGE等の電気泳動法により識別して検出する。標的物質の量が少なかった場合など、切断処理後の断片濃度が低いときは、必要に応じ、当該処理後の反応液をスピンカラム等で遠心沈降して濃縮することが好ましい。また、当該切断後、上記(3)〜(5)の場合と同様にして識別検出することができる。
(8)標識処理デンドリマを結合させる処理((A8)の処理)の場合
検出方法は、デンドリマに施された標識処理の種類により異なるが、具体的には、上述した各標識処理の場合の方法と同様の方法により識別検出できる。標識処理デンドロンを用いた場合についても同様である。
(9)少なくとも1塩基の違いを設ける処理((A9)の処理)の場合
オリゴヌクレオチド複合体(DNA複合体やRNA複合体)を用いた場合、まず、常法に従い、所定の制限酵素溶液を添加してオリゴヌクレオチド鎖を切断する。または、制限酵素処理により得られた遊離断片を鋳型として、所定のプライマーを用いたPCR(約5〜30サイクル)により特定の断片を増幅したPCR産物を得る。あるいは、上記制限酵素処理は行わずに、オリゴヌクレオチド複合体中のオリゴヌクレオチド鎖を直接鋳型として、所定のプライマーを用いたPCRにより上記と同様にPCR産物を得る。その後、前述したDNAシークエンサーによる解析やReal Time PCRによる解析等の1塩基の違いを認識できる解析手段により、PCR後の増幅断片の塩基配列の違いに基づいて識別検出することができる。
なお、オリゴペプチド核酸複合体を用いた場合も、その核酸鎖(オリゴヌクレオチド鎖)部分に対して、上記同様の検出方法が採用できる。
なお、上記(1)〜(9)の場合の標識検出工程では、適宜、公知の処理手段を組み合わせて行うことができる。当該処理手段としては、例えば、ウエスタンブロット法の常法に従い、スキャナーを用いて同定・定量する手段、及び、目的とする抗原を含む細胞や化合物等をフローサイトメトリーやセルソーターあるいは適当な支持体を用いて検出し分離・回収する手段等が挙げられる。
2.3 その他の工程
本発明の一実施形態に係る標的物質の検出方法は、上述した各種工程以外に、さらに他の工程を含んでいてもよく、限定はされない。これら他の工程は、公知の手段・方法を用いて実施することができる。
2.4 識別検出用キット
本発明の一実施形態に係る標的物質の識別検出用キットは、構成成分として、標的物質の種類に対応して識別し得るように標識処理された複数種類の結合物質を含むキットである。当該結合物質の詳細については、上記本発明の検出方法における説明が同様に適用できる。
上記標的物質の識別検出用キットは、上記本発明に係る標的物質の検出方法を行うために有効に用いることができ非常に有用性が高いものである。
上記標的物質の識別検出用キットは、上記構成成分以外に他の構成成分を含んでいてもよい。他の構成成分としては、例えば、制限酵素、DNAポリメラーゼ、PCRプライマー、dNTP、各種バッファ、滅菌水、エッペンドルフチューブ、フェノールクロロホルム、クロロホルム、エタノール、核酸共沈剤、各種ゲル(粉末)、フリーラジカル産生遊離試薬(HRPおよびFe錯体など)、実験操作マニュアル(説明書)等のほか、必要に応じ各種電気泳動装置やPCR実験機器等も挙げられる。
3.実施例
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらによって制限されるものではない。なお、本実施例において、「%」および「部」は重量基準である。
3.1 評価方法
3.1.1 粒子径の測定
レーザ回折式粒度分布測定装置(島津製作所社製)SALD−200Vにより、粒子の数平均粒径およびその変動係数を測定した。
3.2 母粒子の作製
75%ジ(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキサイド溶液(日油社製「パーロイル355−75(S)」)2重量部を1%ドデシル硫酸ナトリウム水溶液20重量部に混合し、超音波分散機にて微細乳化した。これを粒径0.77μmのポリスチレン粒子13重量部および水41重量部の入ったリアクターに入れ、25℃で12時間撹拌した。別の容器にて、スチレン96重量部およびジビニルベンゼン4重量部を0.1%ドデシル硫酸ナトリウム水溶液400重量部で乳化させた液を前記リアクターに入れ、40℃で2時間撹拌した後、75℃に昇温して8時間重合した。室温まで冷却した後、遠心分離により粒子のみ取り出したものをさらに水洗し、乾燥および粉砕して核粒子を得た。核粒子の数平均粒径は1.5μmであった。
次に、油性磁性流体(商品名「EXPシリーズ」、フェローテック社製)にアセトンを加えて粒子を析出沈殿させた後、これを乾燥することにより、疎水化処理された表面を有するフェライト系の磁性体微粒子(平均一次粒子径:10nm)を得た。
次いで、上記核粒子15gおよび上記磁性体微粒子15gをミキサーでよく混合し、この混合物をハイブリダイゼーションシステムNHS−0型(奈良機械製作所社製)を使用して、羽根(撹拌翼)の周速度100m/秒(16,200rpm)で5分間処理し、核粒子の表面に磁性体粒子からなる磁性体層が形成された母粒子(以下、「A−1粒子」とする。)を得た。このA−1粒子の平均数粒子径は、2.0μmであった。
3.3 イムノPCR用磁性粒子の作製
3.3.1 合成例1
A−1粒子15gに対して、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.25重量%およびノニオン性乳化剤(商品名「エマルゲン150」、花王社製)0.25重量%を含む水溶液(以下、「分散剤水溶液a」ともいう。)375gを1Lセパラブルフラスコに投入した。次いで、ホモジナイザーで分散した後、60℃に加熱した。分散剤水溶液a150gに、シクロヘキシルメタクリレート15g、メタクリル酸3.75g、(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキサイド(商品名「パーロイル355」、日油社製)0.75gを入れて分散させたプレエマルジョンを、60℃にコントロールした前記1Lセパラブルフラスコに2時間かけて滴下した。滴下終了後、80℃に昇温した後さらに2時間重合を続けて、反応を完了させ表面がシクロヘキシルメタクリレートで覆われ、官能基としてカルボン酸をもつ磁性粒子(以下、「A−2粒子」とする。)を完成させた。このA−2粒子の平均数粒子径は、2.4μmであった。
3.3.2 合成例2
A−1粒子15gに対して、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.5重量%を含む水溶液(以下、「分散剤水溶液b」ともいう。)375gを1Lセパラブルフラスコに投入した。次いで、前記磁性体層を有する母粒子15gを投入し、ホモジナイザーで分散した後、60℃に加熱した。分散剤水溶液b150gに、メチルメタクリレート27g、トリメチロールプロパントリメタクリレート(以下、「TMP」という。)3g、およびジ(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキサイド(商品名「パーロイル355」、日油社製)0.6gを入れて分散させたプレエマルジョンを、60℃にコントロールした前記1Lセパラブルフラスコに1時間30分かけて滴下した。滴下終了後、60℃に保持し1時間撹拌した後、分散剤水溶液75gに、グリシジルメタクリレート(以下、「GMA」という。)13.5g、TMP1.5g、およびジ(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキサイド(商品名「パーロイル355」、日油社製)0.3gを入れて分散させたプレエマルジョンを、60℃にコントロールした上記1Lセパラブルフラスコに1時間30分かけて滴下した。その後75℃に昇温した後さらに2時間重合を続けて、反応を完了させた。続けて、この1Lセパラブルフラスコに1mol/L硫酸60mlを入れ、60℃で6時間撹拌した。次いで、前記セパラブルフラスコ中の粒子を、磁気を用いて分離した後、蒸留水を用いて繰り返し洗浄した。以上により、2,3−ジヒドロキシプロピル基を有する磁性粒子を得た(以下、「A−3粒子」とする。)。このA−3粒子の平均数粒子径は、2.9μmであった。
次に、A−3粒子1.0gを9mlのピリジンに分散させた後、無水コハク酸1.0gを加えて室温で2時間撹拌した。反応後、磁気を用いて粒子を分離し、アセトンで4回、続いて蒸留水で4回洗浄して、2,3−ジヒドロキシプロピル基およびカルボキシル基を有する磁性粒子(以下、「A−4粒子」とする。)を得た。このA−4粒子の平均数粒子径は、2.9μmであった。
3.3.3 合成例3
合成例1で、シクロへキシルメタクリレートの代わりにスチレン13.5g、メタクリル酸1.5gを用いたこと以外は、合成例1と同様の方法により磁性粒子(以下、「A−5粒子」とする。)を作製した。このA−5粒子の平均数粒子径は、2.2μmであった。
3.3.4 比較合成例1
「3.2 母粒子の作製」において、平均一次粒子径10nmの磁性体粒子を平均一次粒子径100nmの強磁性体に変更したこと以外は全く同様にして母粒子を作製した。その後、この母粒子を用いたこと以外は、上記合成例1と全く同様の方法により、磁性粒子(以下、「A−6粒子」を得た。この磁性粒子(A−6)の平均粒子径は2.4μmであった。
3.4 実施例1
A−2粒子10mgを分散させた固形分濃度1%の水分散体に、1−エチル−3−ジメチルアミノプロピルカルボジイミド塩酸塩(同仁化学社製)水溶液を添加して室温で30分回転撹拌することにより、カルボキシル基を活性化した。次に、磁石を容器につけることで磁性粒子と反応液を分離し、反応液を除去した。そこに、サイトカインであるIL−4に対する抗体(以下、「抗IL−4抗体」という。R&D社製)100μgを加え3時間室温で回転撹拌して反応させた。反応後、粒子を磁石で集め反応液を除去した。次に25mmol/L Tris−HCl、pH7.4、0.05%Tween20を1mL入れ2時間室温で回転撹拌した。撹拌終了後、PBS/0.05%Tween20/0.09%NaN3で繰り返し洗浄した後、粒子濃度1.0%になるように洗浄液で希釈し、一次プローブとして抗IL−4抗体を結合した免疫検査用粒子を得た。この免疫検査用粒子を用いて、イムノPCRでの検出を行った。同様の方法により、IL−8とIL−1αに対する抗体(以下、それぞれ「抗IL−8抗体」、「抗IL−1α抗体」という。R&D社製)を磁性粒子に結合させた免疫検査用粒子も作製した。この免疫検査用粒子を用いて、イムノPCRでの検出を行った。
すなわち、上記免疫検査用粒子を、PBS/1%BSAで粒子濃度0.005%に調整したものと、標識物質として、オリゴヌクレオチドを結合させたIL−4、IL−8、IL−1αに対する抗体(R&D社製)を混合した。そこに、標的物質(抗原)となるサイトカインIL−4、IL−8、IL−1α(R&D社製)をPBS/1%BSAで希釈し、5倍段階希釈系列を作製したものを加え、2時間37℃で撹拌しながら反応させた。反応後、粒子を磁石で集め、反応液を除去した。次に、PBS/0.05%Tween20で繰り返し洗浄した後、完全に溶液を除去し、EcoRI制限酵素溶液(0.15UT/μL)を用いて、標識されているオリゴヌクレオチドを切り出した。制限酵素により切り出されたオリゴヌクレオチドを、テンプレートとしてリアルタイムPCR法で、増幅し、検出を行った。リアルタイムPCRには、Brilliant multiplex QPCR master mix(Stratagene社製)を使用した。その結果を図1に示す。図1の縦軸は、オリゴヌクレオチドの増幅産物量が一定の量に達した時のサイクル数であるCt値を示し、横軸は標的物質(抗原)の濃度を示している。図1より標的物質(抗原)の検出において、IL−4は1pg/mL、IL−8は1pg/mL、IL−1αは0.04pg/mLまでを検出することができた。
3.5 実施例2
A−4粒子を用いた以外は、実施例1と同様の方法によりIL−4、IL−8、IL−1αに対する抗体を磁性粒子に結合させた免疫検査用粒子を得た。この免疫検査用粒子を用いて、イムノPCRでの検出を行った。その結果を図2に示す。図2より標的物質(抗原)の検出において、IL−4は0.2pg/mL、IL−8は0.2pg/mL、IL−1αは0.04pg/mLまでを検出することができた。
3.6 実施例3
A−5粒子を用いた以外は、実施例1と同様の方法によりIL−4、IL−8、IL−1αに対する抗体を磁性粒子に結合させた免疫検査用粒子を得た。この免疫検査用粒子を用いて、イムノPCRでの検出を行った。その結果を図3に示す。図3より標的物質 (抗原)の検出において、IL−4は5pg/mL、IL−8は5pg/mL、IL−1αは1pg/mLまでを検出することができた。
3.7 比較例1
A−6粒子を用いた以外は、実施例1と同様の方法によりIL−4、IL−8、IL−1αに対する抗体を磁性粒子に結合させた免疫検査用粒子を得た。この免疫検査用粒子を用いて、イムノPCRでの検出を行った。なお、繰り返し洗浄中に徐々に粒子が凝集し、再分散が困難であった。その結果を図4に示す。図4より標的物質(抗原)の検出において、いずれの抗原も27pg/mLまでしか検出することができなかった。
A−2粒子を使用したときのリアルタイムPCR測定結果である。 A−4粒子を使用したときのリアルタイムPCR測定結果である。 A−5粒子を使用したときのリアルタイムPCR測定結果である。 A−6粒子を使用したときのリアルタイムPCR測定結果である。

Claims (20)

  1. 有機ポリマーと、平均一次粒子径が50nm以下の磁性体粒子と、を含有し、前記磁性体粒子の表面は、前記有機ポリマーによって被覆されている、イムノPCR用磁性粒子の表面に標的物質を接触させて、前記標的物質を前記イムノPCR用磁性粒子の表面に固定する工程と、
    恒温条件下で反応可能な核酸増幅法に用いるプライマーと結合する領域を有するオリゴ核酸鎖により標識処理された結合物質、および、前記イムノPCR用磁性粒子の表面に固定された標的物質を接触させて、前記結合物質および前記標的物質を含む複合体を形成する工程と、
    前記オリゴ核酸鎖を核酸増幅法により増幅する工程と、
    前記核酸増幅法により生成された増幅産物を検出する工程と、
    を含む、標的物質の検出方法。
  2. 核粒子と、前記核粒子の表面に形成された平均一次粒子径が50nm以下の磁性体粒子からなる磁性体層と、前記磁性体層の表面に形成された有機ポリマーからなる有機ポリマー層と、を含むイムノPCR用磁性粒子の表面に標的物質を接触させて、前記標的物質を前記イムノPCR用磁性粒子の表面に固定させる工程と、
    恒温条件下で反応可能な核酸増幅法に用いるプライマーと結合する領域を有するオリゴ核酸鎖により標識処理された結合物質、および、前記イムノPCR用磁性粒子の表面に固定された標的物質を接触させて、前記結合物質および前記標的物質を含む複合体を形成する工程と、
    前記オリゴ核酸鎖を核酸増幅法により増幅する工程と、
    前記核酸増幅法により生成された増幅産物を検出する工程と、
    を含む、標的物質の検出方法。
  3. 請求項1または2において、
    前記磁性体粒子は、二次凝集体を形成している、標的物質の検出方法。
  4. 請求項1ないし3のいずれかにおいて、
    前記有機ポリマーは、(メタ)アクリル系モノマーを50重量%以上含むモノマー混合物の重合体である、標的物質の検出方法。
  5. 請求項4において、
    前記(メタ)アクリル系モノマーは、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、ターシャリーブチルメタクリレート、シクロへキシルメタクリレート、ベンゾイルメタクリレート、イソボニルメタクリレートから選択される少なくとも1種である、標的物質の検出方法。
  6. 請求項1または2において、
    前記有機ポリマーは、親水性ポリマーである、標的物質の検出方法。
  7. 請求項6において、
    前記親水性ポリマーは、
    加水分解により水酸基を生成するモノマー(A);40〜98重量部と、
    架橋性モノマー(B);2〜60重量部と、
    その他のモノマー(C);0〜50重量部と、
    を含有するモノマー混合物を重合することによって得られる共重合体を、さらに加水分解処理して得られる、標的物質の検出方法。
  8. 請求項7において、
    前記モノマー(A)は、加水分解により2,3−ジヒドロキシプロピル基を生成するモノマーである、標的物質の検出方法。
  9. 請求項1ないし8のいずれかにおいて、
    前記結合物質は、複数種類の物質であって、前記標的物質の種類に対応して識別検出可能なように標識処理されたものである、標的物質の検出方法。
  10. 請求項1ないし9のいずれかにおいて、
    前記プライマーは、1種類のプライマーセットである、標的物質の検出方法。
  11. 請求項1ないし10のいずれかにおいて、
    前記標的物質は抗原であり、前記結合物質は抗体である、標的物質の検出方法。
  12. 有機ポリマーと、
    平均一次粒子径が50nm以下の磁性体粒子と、を含有し、
    前記磁性体粒子の表面は、前記有機ポリマーによって被覆されている、イムノPCR用磁性粒子。
  13. 核粒子と、
    前記核粒子の表面に形成された平均一次粒子径が50nm以下の磁性体粒子からなる磁性体層と、
    前記磁性体層の表面に形成された有機ポリマーからなる有機ポリマー層と、
    を含む、イムノPCR用磁性粒子。
  14. 請求項12または13において、
    前記磁性体粒子は、二次凝集体を形成している、イムノPCR用磁性粒子。
  15. 請求項12ないし14のいずれかにおいて、
    前記有機ポリマーは、(メタ)アクリル系モノマーを50重量%以上含むモノマー混合物の重合体である、イムノPCR用磁性粒子。
  16. 請求項15において、
    前記(メタ)アクリル系モノマーは、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、ターシャリーブチルメタクリレート、シクロへキシルメタクリレート、ベンゾイルメタクリレート、イソボニルメタクリレートから選択される少なくとも1種である、イムノPCR用磁性粒子。
  17. 請求項12または13において、
    前記有機ポリマーは、親水性ポリマーである、イムノPCR用磁性粒子。
  18. 請求項17において、
    前記親水性ポリマーは、
    加水分解により水酸基を生成するモノマー(A);40〜98重量部と、
    架橋性モノマー(B);2〜60重量部と、
    その他のモノマー(C);0〜50重量部と、
    を含有するモノマー混合物を重合することによって得られる共重合体を、さらに加水分解処理して得られる、イムノPCR用磁性粒子。
  19. 請求項18において、
    前記モノマー(A)は、加水分解により2,3−ジヒドロキシプロピル基を生成するモノマーである、イムノPCR用磁性粒子。
  20. 少なくとも核酸増幅法に用いるプライマーと結合する領域を有するオリゴ核酸鎖により標識処理された結合物質を含む、標的物質の検出用キット。
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