JP2009218444A - 超電導装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】超電導コイルを収容するコイルボックスを軽量化する。
【解決手段】高温超電導線材からなる超電導コイル11を収容しているコイル補強用のコイルボックス20を備えた超電導装置10であって、前記コイルボックス20は、密度が5g/cm以下の第1種金属材21同士のクラッド材、または前記第1種金属材21と密度が2g/cm以下で且つ引張強さが1000MPa以上の繊維強化樹脂22とのクラッド材で形成している。
【選択図】図1

Description

本発明は、超電導コイルを補強用のコイルボックスに収容している超電導装置に関し、特に、コイルボックスの軽量化を図ることにより磁気浮上用の超電導装置として好適に用いられるものである。
従来、超電導線材を巻回して形成した超電導コイルは、励磁時に、大きな電磁力が線材にかかるため、超電導コイルを強固なコイルボックスに収容し、さらに樹脂で含浸することによりコイル形状を保持しているものがある。
この種の超電導コイルが、特開平9−55313号公報(特許文献1)において提供されており、ステンレスからなるコイルボックス内に超電導コイルを収容し、エポキシ樹脂で含浸して硬化させている。
特開平9−55313号公報
しかしながら、特許文献1では、密度が約8g/cmもあるステンレスによりコイルボックス全体を形成しているため、非常に重量化してしまう問題がある。
特に、磁気の作用により浮上させる浮上物に搭載される超電導装置の場合、超電導装置の重量が浮上物全体の重量に影響するため、超電導装置の軽量化が望まれている。
本発明は前記問題に鑑みてなされたものであり、超電導コイルを収容するコイルボックスを軽量化することを課題としている。
前記課題を解決するため、本発明は、第1の発明として、高温超電導線材からなる超電導コイルを収容しているコイル補強用のコイルボックスを備え、
前記コイルボックスは、密度が5g/cm以下の第1種金属材同士のクラッド材、
または前記第1種金属材と密度が2g/cm以下で且つ引張強さが1000MPa以上の繊維強化樹脂とのクラッド材で形成していることを特徴とする超電導装置を提供している。
前記構成からなる第1の発明の超電導装置によれば、超電導コイルを収容するコイルボックスを、密度が5g/cm以下の第1種金属材同士のクラッド材、または前記第1種金属材と密度が2g/cm以下の繊維強化樹脂とのクラッド材で形成しているため、従来例のように密度が約8g/cmもあるステンレスで形成した場合と比較して、コイルボックスを軽量化することができ、超電導装置自体を軽量化することができる。特に、コイルボックスの形成材料として繊維強化樹脂を用いると、コイルボックスの重量を大幅に軽量化することができる。
また、前記コイルボックスを第1種金属材と繊維強化樹脂とのクラッド材で形成する場合、第1種金属材上に半硬化のプリプレグシートを複数積層し、加圧すると共に加熱して繊維強化樹脂を第1種金属材にクラッドする構成とすると、第1種金属材により捻れに対する強度を高めているため、捻れ応力により繊維強化樹脂が層間剥離するのを防止することができる。
超電導装置では、超電導コイルを収容したコイルボックスを、超電導線を超電導温度にするために冷却容器内に収容しており、超電導線が高温超電導線の場合に、液体窒素で超電導温度に冷却できるため、液体窒素を充填した冷却容器に収容している。
本発明の超電導装置は、コイルボックスの軽量化を図っていることにより、浮上物に搭載し、固定側の電磁装置との間の磁気作用で前記浮上物を浮上、または浮上させながら移動させるもの浮上用の超電導装置として好適に用いられる。
なお、超電導装置は、超電導コイル、コイルボックス、冷媒を充填した冷却容器、冷媒貯槽等を必要とし、重量が大きくなりがちであるため、超電導装置を利用する装置においては軽量化が要望されている観点より、浮上用の超電導装置に限らず、他の用途の超電導装置にも好適に用いることができる。
前記第1種金属材はアルミニウム系金属、チタン系金属、マグネシウム系金属からなることが好ましい。軽量化の点では、第1種金属材は、密度が3g/cm以下のアルミニウム系金属、マグネシウム系金属からなることがより好ましい。
本発明のコイルボックスは2層以上のクラッド材により形成しているが、そのうちの最外層が、前記冷却容器に充填した液体窒素等の冷媒もしくは冷凍機のコールドヘッドと接触し、超電導コイルが収容されたコイルボックスの内部側へ冷熱を伝えるため、クラッド材の最外層を熱伝導率の高い金属材により形成していることが好ましい。特に、冷凍機のコールドヘッドもしくは該コールドヘッドにより冷却された伝熱材をコイルボックスの外面に接触させて超電導コイルを冷却する場合には、コイルボックスとコールドヘッドもしくは伝熱材との接触面積が小さいため、クラッド材の最外層を熱伝導率の高い金属材により形成していることが好ましい。
例えば、コイルボックスを第1種金属材同士のクラッド材で形成する場合には、最外層を熱伝導率が高いアルミニウム系金属あるいはマグネシウム系金属とし、内層を引張強さが高いチタン系金属としていることが好ましい。
前記構成とすれば、引張強さの高いチタン系金属によりアルミニウム系金属、マグネシウム系金属の強度を補う一方、熱伝導率の高いアルミニウム系金属、マグネシウム系金属によりチタン系金属の低熱伝導率を補うことができ、十分な強度を有すると共に内部に収容した超電導コイルを効率良く冷却することができるコイルボックスとすることができる。
前記のように、第1種金属材の熱伝導率、引張強さもコイルボックスの性能に影響するため、第1種金属材の熱伝導率が100(W/m・K)以上、引張強さが200MPa以上であることがより好ましい。
また、前記繊維強化樹脂は炭素繊維強化樹脂からなることが好ましく、引張強さが1000MPa以上の炭素繊維強化樹脂としていることがより好ましい。
この場合、コイルボックスの最外層を熱伝導率が高いアルミニウム系金属あるいはマグネシウム系金属からなる第1種金属材とし、内層を引張強さが高い炭素繊維強化樹脂としていることが好ましい。
前記構成とすれば、引張強さの高い炭素繊維強化樹脂によりアルミニウム系金属、マグネシウム系金属の低強度を補う一方、熱伝導率の高いアルミニウム系金属、マグネシウム系金属により繊維強化樹脂の低熱伝導率を補うことができ、十分な強度を有すると共に内部に収容した超電導コイルを効率良く冷却することができるコイルボックスとすることができる。
前記のように繊維強化樹脂の強化繊維は、比重が小さく弾性率と強度が高いという点から炭素繊維が好ましいが、その他、一般に高性能強化繊維として使用される繊維が用いられる。例えば、黒鉛繊維、アラミド繊維、炭化ケイ素繊維、アルミナ繊維、ボロン繊維、ガラス繊維等が挙げられる。
繊維強化樹脂のマトリクス樹脂としては、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂が挙げられるが、強度と剛性の点より、熱硬化性樹脂が好ましく、特にエポキシ系樹脂が好ましい。
熱硬化性樹脂としては、エポキシ系樹脂の他、不飽和ポリエステル系樹脂、フェノール系樹脂、メラミン系樹脂、ユリア系樹脂、ジアリルフタレート系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリイミド系樹脂、ケイ素樹脂等が挙げられる。
熱可塑性樹脂としては、ポリアミド樹脂、飽和ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ABS樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、AS樹脂、メタクリル樹脂、ポリプロピレン樹脂、フッ素樹脂等が挙げられる。
また、本発明は、第2の発明として、
高温超電導線材からなる超電導コイルを収容しているコイル補強用のコイルボックスを備え、
前記コイルボックスは、
密度が5g/cm以下の第1種金属材と、
密度が5g/cmを越えて8g/cm以下、熱伝導率が7(W/m・K)以上、引張強さが500MPa以上の第2種金属材と、
密度が2g/cm以下で且つ引張強さが1000MPa以上の繊維強化樹脂から選択される2種以上を積層したクラッド材で形成していることを特徴とする超電導装置を提供している。
該第2の発明の超電導装置は第1の発明と同様に、コイルボックスの軽量化を図っており、よって、特に、浮上用の超電導装置として好適に用いられる。
前記構成からなる第2の発明の超電導装置によれば、超電導コイルを収容するコイルボックスを、密度が5g/cmを越えて8g/cm以下とした若干密度の高い第2種金属材と、密度が5g/cm以下の第1種金属材あるいは/および密度が2g/cm以下の繊維強化樹脂とのクラッド材で形成した場合、密度が若干高めの第2種金属材のみでコイルボックスを形成した場合と比較して、コイルボックスを軽量化することができ、超電導装置自体を軽量化することができる。
前記第2種金属材はステンレスからなることが好ましい。
ステンレスは、引張強さが500MPa以上であるため、コイルボックスとして十分な強度を有し、かつ、熱伝導率が7(W/m・K)以上であるため、周囲の冷媒あるいは冷凍機の冷熱を内部の超電導コイルへ効率良く伝達することができる。
前記第2種金属材の厚さは第1種金属材および繊維強化樹脂の厚さより薄くしていることが好ましい。
前記構成によれば、密度が若干高めの第2種金属材よりも密度が低い第1種金属材あるいは繊維強化樹脂を多く用いているため、コイルボックスを大幅に軽量化することができる。
前記クラッド材は、前記繊維強化樹脂の外面に前記第1種または第2種金属材を配置したクラッド材、または前記繊維強化樹脂の内外両面に前記第1種または第2種金属材を配置したクラッド材からなることが好ましい。
前記構成によれば、冷却容器に充填した液体窒素等の冷媒もしくは冷凍機のコールドヘッドと接触する最外層を熱伝導率の高い第1種金属材または第2種金属材で形成しているため、超電導コイルが収容されたコイルボックスの内部側へ効率良く冷熱を伝えて、冷却することができる。
さらに、本発明は、第3の発明として、高温超電導線材からなる超電導コイルを収容しているコイル補強用のコイルボックスを備え、
前記コイルボックスは、密度が2g/cm以下、引張強さが1000MPa以上、ヤング率が200GPa以上である炭素繊維強化樹脂で形成していることを特徴とする超電導装置を提供している。
この第3の発明の超電導装置も、前記第1、第2の発明の超電導装置と同じく、コイルボックスの軽量化を図っており、よって、特に、浮上用の超電導装置として好適に用いられる。
前記構成からなる第3の本発明の超電導装置によれば、コイルボックスを引張強さが1000MPa以上、ヤング率が200GPa以上である炭素繊維強化樹脂で形成しているため、金属材を用いなくても、十分な強度と剛性を有するコイルボックスとすることができる。
また、コイルボックス全体を密度が2g/cm以下の炭素繊維強化樹脂で形成しているため、大幅に軽量化することができる。
前記炭素繊維強化樹脂のヤング率は300GPa以上であることがより好ましい。
前記第1、第2、第3の発明のいずれの超電導装置においても、前記コイルボックスの平均厚さは3mm〜7mmであることが好ましい。
前記コイルボックスの平均厚さが3mmより薄いと超電導コイルによる電磁力に耐え得る強度を得ることができず、7mmより厚いと密度が小さな材料を用いたにもかかわらず十分に軽量化を図ることができないからである。
前記コイルボックス内に収容する超電導コイルを形成する高温超電導線材は、液体窒素温度(−195.8℃、77K)以上で超電導状態に転移するものであり、ビスマス系、イットリウム系、タリウム系の超電導材からなることが好ましい。
前記超電導コイルは、シングルパンケーキコイルまたはダブルパンケーキコイルからなり、シングルパンで換算すると10〜20個のコイルを積層していることが好ましい。
前記第1〜第3の本発明の超電導装置は、前記のように浮上物に搭載し、固定側の電磁装置との間の反発力で前記浮上物を浮上、または、反発力と吸引力との相互作用で浮上させながら移動させるもの場合に好適に用いられる。
例えば、浮上させながら移動させる場合には荷物搬送用、車両の輸送用等に用いられ、浮上と下降とを交互に発生させるエレベータ等の昇降用等に用いることができる。
さらに、浮上用に限らず、軽量化をしているため、自動車等の車両に搭載する超電導モータ用としても好適に用いられる。
前述したように、第1の本発明によれば、超電導コイルを収容するコイルボックスを、密度が5g/cm以下の第1種金属材同士のクラッド材、または前記第1種金属材と密度が2g/cm以下の繊維強化樹脂とのクラッド材で形成しているため、従来例のように密度が約8g/cmもあるステンレスで形成した場合と比較して、コイルボックスを軽量化することができ、超電導装置自体を軽量化することができる。
また、第2の本発明によれば、コイルボックスを、密度が5g/cmを越えて8g/cm以下とした若干密度の高い第2種金属材と、密度が5g/cm以下の第1種金属材あるいは/および密度が2g/cm以下の繊維強化樹脂とのクラッド材で形成した場合、密度が若干高めの第2種金属材のみでコイルボックスを形成した場合と比較して、コイルボックスを軽量化することができ、超電導装置自体を軽量化することができる。
さらに、第3の本発明によれば、コイルボックスを引張強さが1000MPa以上、ヤング率が200GPa以上である炭素繊維強化樹脂で形成しているため、金属材を用いなくても、十分な強度と剛性を有するコイルボックスとすることができ、かつ、コイルボックス全体を密度が2g/cm以下の炭素繊維強化樹脂で形成しているため、大幅に軽量化することができる。
本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
図1乃至図4に、本発明の第1実施形態を示す。
本実施形態の超電導装置10は、第1の発明の実施形態であり、超電導コイル11を収容するコイル補強用のコイルボックス20を、密度が5g/cm以下の第1種金属材と密度が2g/cm以下で且つ引張強さが1000MPa以上の繊維強化樹脂とのクラッド材で形成している。
詳細には、第1種金属材21を、密度が2.8g/cm、引張強さが212MPa、熱伝導率が137(W/m・K)のアルミニウム合金とする一方、繊維強化樹脂22を炭素繊維にエポキシ樹脂を含浸させた炭素繊維強化樹脂とし、該炭素繊維強化樹脂は、密度を1.7g/cm、引張強さを1400MPa、熱伝導率を5(W/m・K)としている。
前記第1種金属材21を平均厚さt1が2mmの外層とする一方、前記繊維強化樹脂22を平均厚さt2が3mmの内層とし、コイルボックス20の平均厚さを5mmとしている。
前記コイルボックス20は円筒状の超電導コイル11を収容できるよう円環筒形状としている。
図2(B)に示すように、円環筒形状のコイルボックス20を半割りした円環樋形状の分割体23を第1種金属材21で形成し、図2(A)に示すように、分割体23の内面全体に炭素繊維強化樹脂の半硬化プリプレグシート24を積層している。該プリプレグシート24を所要量積層した後、分割体23内に離型剤が塗布された金型25を挿入して、該金型25でプリプレグシート24を加圧すると共に加熱して、硬化させることにより、第1種金属21の内面側に繊維強化樹脂22をクラッドしている。
前記のようにして内面に繊維強化樹脂22をクラッドした分割体23を2つ設け、図3に示すように、一方の分割体23Aに超電導コイル10を収容し、分割体23A内に設けたスペーサ26で超電導コイル10を位置決めしている。他方の分割体23Bを上下反転させて、分割体23A、23Bの側壁23aの先端面同士を溶接して、円環筒形状のコイルボックス20としている。
前記コイルボックス20に設けた貫通穴(図示せず)よりエポキシ樹脂を充填して、コイルボックス20内に収容した超電導コイル10をエポキシ樹脂27で含浸し、エポキシ樹脂を硬化させて、超電導コイル10をコイルボックス20内に強固に位置決めしている。
前記超電導コイル11は、高温超電導線材である帯状のビスマス系超電導線材を巻回して形成したダブルパンケーキコイル12を軸線方向に6個積層(シングルパンで換算すると12個)し、隣接するダブルパンケーキコイル12の超電導線材同士を接続して1つのコイルとしている。前記ダブルパンケーキコイル12は、2層のコイル部を最内周ターンの超電導線材(渡り部)で連続させたコイルである。
なお、高温超電導線材は、イットリウム系、タリウム系の超電導線材でもよく、超電導コイルはシングルパンケーキコイルを積層したものでもよい。
前記超電導コイル11を収容したコイルボックス20は、図1に示すように、さらに円環筒形状のステンレスからなる冷却容器30内に収容しており、冷凍機(図示せず)のコールドヘッドにより冷却された伝熱材(図示せず)を冷却容器30内に貫通させて、該伝熱材の先端をコイルボックス20の外面に接触させている。これにより、冷凍機のコールドヘッドからの冷熱を伝熱材、コイルボックス20、エポキシ樹脂27を介してコイルボックス20内の超電導コイル10へ伝えて、超電導状態になる温度まで冷却している。
なお、超電導コイル10の冷却は、冷却容器30内に液体窒素等の冷媒を充填し、該冷媒で冷却する構成としてもよい。
前記超電導装置10は、図4に示すように、鉄道車両等の浮上物100に搭載され、地上G側に配置された電磁装置101により発生する磁力と超電導装置10により発生する磁力との磁気的反発力によって、浮上物100を浮上させるために用いられるものである。
前記超電導装置10を含めた浮上物100の重量を超電導装置10の10〜100倍としている。
前記構成によれば、超電導コイル10を収容するコイルボックス20を、密度が2.8g/cmのアルミニウム合金からなる第1種金属材21と密度が1.7g/cmの炭素繊維強化樹脂22とのクラッド材で形成しているため、コイルボックス20を軽量化することができ、超電導装置10自体を軽量化することができる。
また、コイルボックス20に引張強さの高い炭素繊維強化樹脂22を用いているため、コイルボックス20の強度を高めることができる。炭素繊維強化樹脂22は捻れ応力に弱いが、繊維強化樹脂22を第1種金属材21とクラッドさせて用いているため、第1種金属材21により捻れに対する強度が高まり、捻れ応力により繊維強化樹脂22が層間剥離するのを防止することができる。
さらに、コイルボックス20の外層を熱伝導率のよいアルミニウム合金からなる第1種金属材21により形成しているため、該第1種金属材21が冷凍機のコールドヘッドにより冷却された伝熱材と接触し、内部に収容された超電導コイル10を効率良く冷却することができる。
このように、引張強さの高い炭素繊維強化樹脂22によりアルミニウム合金からなる第1種金属材21の低強度を補う一方、熱伝導率の高いアルミニウム合金からなる第1種金属材21により炭素繊維強化樹脂22の低熱伝導率を補うことができ、十分な強度を有すると共に内部に収容した超電導コイル10を効率良く冷却することができるコイルボックス20とすることができる。
なお、第1種金属材は、アルミニウム系金属に替えて、チタン系金属、マグネシウム系金属としてもよい。
図5に、本発明の第2実施形態を示す。
本実施形態の超電導装置10は、第1の発明の実施形態であり、超電導コイル11を収容するコイル補強用のコイルボックス20を密度が5g/cm以下の第1種金属材同士のクラッド材で形成している。
詳細には、外層となる第1種金属材21Aを、密度が1.77g/cm、引張強さが250MPa、熱伝導率が159(W/m・K)のマグネシウムとする一方、内層となる第1種金属材21Bを、密度が4.43g/cm、引張強さが999MPa、熱伝導率が7.5(W/m・K)のチタン合金としている。
前記構成によれば、超電導コイル10を収容するコイルボックス20を、密度が1.77g/cmのマグネシウムからなる第1種金属材21Aと密度が4.43g/cmのチタン合金からなる第1種金属材21Bとのクラッド材で形成しているため、コイルボックス20を軽量化することができ、超電導装置10自体を軽量化することができる。
また、引張強さの高いチタン合金からなる第1種金属材21Bによりマグネシウムからなる第1種金属材21Aの低強度を補う一方、熱伝導率の高いマグネシウムからなる第1種金属材21Aによりチタン合金からなる第1種金属材21Bの低熱伝導率を補うことができ、十分な強度を有すると共に内部に収容した超電導コイル10を効率良く冷却することができるコイルボックス20とすることができる。
なお、外層の第1種金属材21Aは、マグネシウムに替えてアルミニウム系金属としてもよい。
他の構成及び作用効果は第1実施形態と同様のため、同一の符号を付して説明を省略する。
図6に、本発明の第3実施形態を示す。
本実施形態の超電導装置10は、第2の発明の実施形態であり、超電導コイル11を収容するコイル補強用のコイルボックス20を、密度が5g/cmを越えて8g/cm以下、熱伝導率が7(W/m・K)以上、引張強さが500MPa以上の第2種金属材と密度が2g/cm以下で且つ引張強さが1000MPa以上の繊維強化樹脂とのクラッド材で形成している。
詳細には、第2種金属材28を、密度が7.9g/cm、引張強さが588MPa、熱伝導率が16(W/m・K)のステンレス鋼とする一方、繊維強化樹脂22を炭素繊維にエポキシ樹脂を含浸させた炭素繊維強化樹脂とし、該炭素繊維強化樹脂は、密度を1.7g/cm、引張強さを1400MPa、熱伝導率を5(W/m・K)としている。
前記構成によれば、コイルボックス20を、密度が7.9g/cmもあるステンレス鋼のみで形成するのではなく、ステンレス鋼からなる第2種金属材28と密度が1.7g/cmの炭素繊維強化樹脂22とのクラッド材により形成しているため、コイルボックス20を軽量化することができる。
また、コイルボックス20に引張強さの高い炭素繊維強化樹脂22を用いているため、コイルボックス20の強度を高めることができ、また、繊維強化樹脂22を第2種金属材28とクラッドさせて用いているため、第2種金属材28により捻れに対する強度が高まり、捻れ応力により繊維強化樹脂22が層間剥離するのを防止することができる。
なお、他の構成及び作用効果は第1実施形態と同様のため、同一の符号を付して説明を省略する。
図7に、本発明の第4実施形態を示す。
本実施形態の超電導装置10は、第2の発明の実施形態であり、超電導コイル11を収容するコイル補強用のコイルボックス20を、3層のクラッド材により形成しており、外層と内層をステンレス鋼からなる第2種金属材28A、28B、中間層を炭素繊維強化樹脂22としている。
外層の第2種金属材28Aの平均厚さt3を2mm、中間層を炭素繊維強化樹脂22の平均厚さt4を3mm、内層の第2種金属材28Bの平均厚さt5を2mmとして、コイルボックス20の平均厚さを7mmとしている。
前記構成によれば、コイルボックス20を、ステンレス鋼のみで形成するのではなく、ステンレス鋼からなる第2種金属材28と軽量な炭素繊維強化樹脂22とのクラッド材により形成しているため、コイルボックス20を軽量化することができる。
また、炭素繊維強化樹脂22を第2金属材28A、28Bで挟んでいるため、炭素繊維強化樹脂22の層間剥離を確実に防止することができる。
なお、外層と内層を前記実施形態の第1種金属材21により形成してもよいし、外層と内層のいずれか一方を第1種金属材21、いずれか他方を第2種金属材28により形成してもよい。
他の構成及び作用効果は第1実施形態と同様のため、同一の符号を付して説明を省略する。
図8に、本発明の第5実施形態を示す。
本実施形態の超電導装置10は、第3の発明の実施形態であり、超電導コイル11を収容するコイル補強用のコイルボックス20を、密度が1.7g/cm以下、引張強さが1400MPa、ヤング率が200GPaの炭素繊維強化樹脂22で形成している。端子繊維強化樹脂22の平均厚さt6を5mmとしている。
前記構成によれば、コイルボックス20全体を炭素繊維強化樹脂22で形成しているため、大幅に軽量化することができる。
また、コイルボックス20を引張強さが1400MPa、ヤング率が200GPaである炭素繊維強化樹脂で形成しているため、金属材を用いなくても、十分な強度と剛性を有するコイルボックスとすることができる。
なお、他の構成及び作用効果は第1実施形態と同様のため、同一の符号を付して説明を省略する。
前記実施の形態はすべての点で例示であって、これら実施形態に限定されず、本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の範囲内でのすべての変更が含まれる。
本発明の超電導装置は、鉄道車両やエレベータ、その他搬送装置等の磁気浮上用として好適に用いられるものである。
本発明の第1実施形態を示し、(A)は超電導装置の斜視図、(B)はA−A線断面図である。 (A)は第1種金属材と繊維強化樹脂をクラッドする方法を示す図面、(B)はクラッド前の第1種金属材からなる分割体の斜視図である。 コイルボックスの形成方法を示す図面である。 超電導装置を用いて浮上物を浮上させた状態を示す図面である。 本発明の第2実施形態を示す図面である。 本発明の第3実施形態を示す図面である。 本発明の第4実施形態を示す図面である。 本発明の第5実施形態を示す図面である。
符号の説明
10 超電導装置
11 超電導コイル
20 コイルボックス
21 第1種金属材
22 繊維強化樹脂
28 第2種金属材
30 冷却容器
100 浮上物

Claims (9)

  1. 高温超電導線材からなる超電導コイルを収容しているコイル補強用のコイルボックスを備え、
    前記コイルボックスは、密度が5g/cm以下の第1種金属材同士のクラッド材、
    または前記第1種金属材と密度が2g/cm以下で且つ引張強さが1000MPa以上の繊維強化樹脂とのクラッド材で形成していることを特徴とする超電導装置。
  2. 前記第1種金属材はアルミニウム系金属、チタン系金属、マグネシウム系金属からなり、前記繊維強化樹脂は炭素繊維強化樹脂からなる請求項1に記載の超電導装置。
  3. 高温超電導線材からなる超電導コイルを収容しているコイル補強用のコイルボックスを備え、
    前記コイルボックスは、
    密度が5g/cm以下の第1種金属材と、
    密度が5g/cmを越えて8g/cm以下、熱伝導率が7(W/m・K)以上、引張強さが500MPa以上の第2種金属材と、
    密度が2g/cm以下で且つ引張強さが1000MPa以上の繊維強化樹脂から選択される2種以上を積層したクラッド材で形成していることを特徴とする超電導装置。
  4. 前記第1種金属材はアルミニウム系金属、チタン系金属、マグネシウム系金属からなり、前記第2種金属材はステンレスからなり、前記繊維強化樹脂は炭素繊維強化樹脂からなり、かつ、前記第2種金属材の厚さは第1種金属材および繊維強化樹脂の厚さより薄くしている請求項3に記載の超電導装置。
  5. 前記クラッド材は、前記繊維強化樹脂の外面に前記第1種または第2種金属材を配置したクラッド材、または前記繊維強化樹脂の内外両面に前記第1種または第2種金属材を配置したクラッド材からなる請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の超電導装置。
  6. 高温超電導線材からなる超電導コイルを収容しているコイル補強用のコイルボックスを備え、
    前記コイルボックスは、密度が2g/cm以下、引張強さが1000MPa以上、ヤング率が200GPa以上である炭素繊維強化樹脂で形成していることを特徴とする超電導装置。
  7. 前記コイルボックスの平均厚さは3mm〜7mmである請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の超電導装置。
  8. 前記コイルボックス内に収容する超電導コイルを形成する高温超電導線材は、ビスマス系、イットリウム系、タリウム系の超電導材からなり、シングルパンケーキコイルまたはダブルパンケーキコイルをシングルパンで換算すると10〜20個のコイルを積層している請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の超電導装置。
  9. 前記コイルボックスを冷却容器に収容して浮上物に搭載し、固定側の電磁装置との間の磁気作用で前記浮上物を浮上、または浮上させながら移動させるものである請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の超電導装置。
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