JP2009217901A - 記録テープカートリッジ - Google Patents

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Abstract

【課題】不使用時において、リーダー部材を安定して保持できる記録テープカートリッジの提供を課題とする。
【解決手段】記録テープTが巻装されたリール20を単一で収容するケース12と、記録テープTの端部に取り付けられ、両端に鍔部36が形成されたリーダー部材30と、ケース12に形成され、リーダー部材30を引き出すための開口18と、ケース12に形成され、開口18の近傍でリーダー部材30の鍔部36の外面36Aを保持する保持部40と、ケース12に設けられ、リーダー部材30の鍔部36の側面36Cを押さえる弾性押さえ部材70と、を備えた記録テープカートリッジ10において、鍔部36の側面36Cに接触させる弾性押さえ部材70の少なくとも一方の先端部76の上下方向における幅H1を、鍔部36の側面36Cに接触させない弾性押さえ部材70の回動支点部74Aの上下方向における幅H2よりも拡張させる。
【選択図】図5

Description

本発明は、主にコンピューター等の記録再生媒体として使用される磁気テープ等の記録テープが巻装されたリールをケース内に単一で収容してなる記録テープカートリッジに関する。
従来から、コンピューター等のデータ記録再生媒体として使用されている磁気テープ等の記録テープをリールに巻装し、そのリールを上ケースと下ケースとで構成されたケース内に単一で収容してなる記録テープカートリッジが知られている。この記録テープの先端には、ドライブ装置の引出部材が引き出すリーダー部材が固着されており、そのリーダー部材の一例としては、記録テープが直接又はリーダーテープを介して固着される本体部の両端にフランジ部を備えた略アレイ状のリーダーピンがある。
このリーダーピンは、不使用時(保管時や運搬時等、ドライブ装置に装填されないとき)において、そのフランジ部の外面が、開口近傍における上ケース及び下ケースに形成された凹状の保持部に収容され、そのフランジ部の外周面(側面)が板バネ等で押さえられることにより、ケースの高さ方向を軸方向として保持されるようになっている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、このリーダーピンは、開口から引き出し可能となるように、その高さが、開口の高さ(上下方向の長さ)よりも若干小さく形成されている。そのため、リーダーピンの上側におけるフランジ部の外面と保持部との間には若干のクリアランスが形成される。したがって、フランジ部の外周面(側面)に対する板バネの接触面積(押圧力)が上下で異なり、リーダーピンを安定して保持することが困難になる場合があった。
また、保持部に、リーダーピンのフランジ部が係止されるアンダーカット溝、即ちフランジ部が入り込む凹溝を形成し、保持部からリーダーピンのフランジ部が外れるのを防止した記録テープカートリッジも知られている(例えば、特許文献2参照)。この記録テープカートリッジに使用されるリーダーピンは、そのフランジ部が凹溝に入り込みやすくなるように薄く形成される。そのため、フランジ部の外周面(側面)に対する板バネの接触面積(押圧力)が充分に確保されず、接触不良になる場合があった。つまり、この場合も、リーダーピンを安定して保持することが困難になる場合があった。
特開2006−209887号公報 特開2001−148179号公報
そこで、本発明は、上記事情に鑑み、不使用時において、リーダー部材を安定して保持できる記録テープカートリッジを得ることを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明に係る請求項1に記載の記録テープカートリッジは、上ケースと下ケースとで構成され、記録テープが巻装されたリールを単一で収容するケースと、前記記録テープの端部に直接又はリーダーテープを介して取り付けられ、両端に鍔部が形成されたリーダー部材と、前記ケースに形成され、前記リーダー部材を引き出すための開口と、前記上ケース及び前記下ケースに形成され、前記開口の近傍で前記リーダー部材の鍔部の外面を保持する保持部と、前記ケースに設けられ、前記リーダー部材の鍔部の側面を押さえる弾性押さえ部材と、を備え、前記リーダー部材の鍔部の側面に接触させる前記弾性押さえ部材の少なくとも一方の先端部の上下方向における幅が、前記鍔部の側面に接触させない前記弾性押さえ部材の回動支点部の上下方向における幅よりも拡張されていることを特徴としている。
請求項1に記載の発明によれば、リーダー部材の上側におけるフランジ部の外面と保持部との間にクリアランスが形成されていても、そのフランジ部の側面に、弾性押さえ部材を確実に接触させることができる。また、リーダー部材のフランジ部が薄く形成されていても、そのフランジ部の側面に、弾性押さえ部材を確実に接触させることができる。したがって、不使用時において、リーダー部材を安定して保持することができる。
また、本発明に係る請求項2に記載の記録テープカートリッジは、上ケースと下ケースとで構成され、記録テープが巻装されたリールを単一で収容するケースと、前記記録テープの端部に直接又はリーダーテープを介して取り付けられ、両端に鍔部が形成されたリーダー部材と、前記ケースに形成され、前記リーダー部材を引き出すための開口と、前記上ケース及び前記下ケースに形成され、前記開口の近傍で前記リーダー部材の鍔部の外面を保持する保持部と、前記ケースに設けられ、前記リーダー部材の鍔部の側面を押さえる弾性押さえ部材と、を備え、前記リーダー部材の鍔部の側面に接触させる前記弾性押さえ部材の少なくとも一方の先端部に、上下外方側へ突出する外凸部が形成されていることを特徴としている。
請求項2に記載の発明によれば、リーダー部材のフランジ部が薄く形成されていても、そのフランジ部の側面に、弾性押さえ部材を確実に接触させることができる。したがって、不使用時において、リーダー部材を安定して保持することができる。
また、請求項3に記載の記録テープカートリッジは、請求項2に記載の記録テープカートリッジにおいて、前記リーダー部材の鍔部の側面に接触させる前記弾性押さえ部材の少なくとも一方の先端部に、上下内方側へ突出する内凸部が形成されていることを特徴としている。
請求項3に記載の発明によれば、リーダー部材の上側におけるフランジ部の外面と保持部との間にクリアランスが形成されていても、そのフランジ部の側面に、弾性押さえ部材を確実に接触させることができる。したがって、不使用時において、リーダー部材を安定して保持することができる。
また、請求項4に記載の記録テープカートリッジは、請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の記録テープカートリッジにおいて、前記保持部の少なくとも一方に形成され、前記リーダー部材の鍔部の外面が該保持部に保持されたときに、前記鍔部の内面側で、該鍔部にオーバーラップする張出部を有することを特徴としている。
請求項4に記載の発明によれば、落下等により、開口近傍に衝撃が加えられて、上ケースと下ケースとが互いに離隔するように撓み変形しても(いわゆる口開きしても)、リーダー部材は、張出部により、その鍔部が押さえられるので、傾いたり、保持部から脱落するおそれがない。
以上のように、本発明によれば、不使用時において、リーダー部材を安定して保持できる記録テープカートリッジを提供することができる。
以下、本発明の最良な実施の形態について、図面に示す実施例を基に詳細に説明する。なお、その説明の便宜上、図1において、記録テープカートリッジ10のドライブ装置への装填方向を矢印Aで示し、それを記録テープカートリッジ10の前方向(前側)とする。そして、矢印Aと直交する矢印B方向を右方向(右側)とし、矢印C方向を上方向(上側)とする。
図1、図2で示すように、記録テープカートリッジ10は、略矩形箱状のケース12を有している。このケース12は、ポリカーボネート(PC)等の合成樹脂製の上ケース14と下ケース16とが、それぞれ天板14Aの周縁に立設された周壁14Bと、底板16Aの周縁に立設された周壁16Bとを互いに当接させた状態で、超音波溶着やネジ止め等によって接合されて構成されている。
ケース12の内部には、リール20が1つだけ回転可能に収容される。このリール20は、軸心部を構成する有底円筒状のリールハブ22と、その下端部に設けられる下フランジ26とが一体に成形され、上フランジ24がリールハブ22の上端部に超音波溶着されて構成されている。そして、そのリールハブ22の外周面に、情報記録再生媒体としての磁気テープ等の記録テープTが巻回され、上フランジ24及び下フランジ26によって、その巻回された記録テープTの幅方向の端部が保持されている。
また、リールハブ22の底壁28の下面には、リールギア(図示省略)が環状に形成されており、下ケース16の中央部には、そのリールギアを外部に露出するためのギア開口46が穿設されている。このギア開口46から露出されるリールギアが、ドライブ装置(図示省略)の回転シャフト(図示省略)に形成された駆動ギア(図示省略)に噛合されて回転駆動されることにより、ケース12内において、リール20がケース12に対して相対回転可能とされる。
また、底壁28の下面におけるリールギアの径方向内側には、磁性材より成る環状のリールプレート(図示省略)がインサート成形等により固着されており、ドライブ装置の回転シャフトに設けられた環状のマグネット(図示省略)の磁力によって吸着・保持されるようになっている。更に、リール20は、上ケース14及び下ケース16の内面にそれぞれ部分的に突設されて、ギア開口46と同軸的な円形の軌跡上にある内壁としての遊動規制壁48によってガタつかないように保持されている。
また、ケース12の右壁12Bには、リール20に巻装された記録テープTを引き出すための開口18が形成されており、この開口18から引き出される記録テープTの自由端部には、ドライブ装置の引出部材(図示省略)によって係止(係合)されつつ引き出し操作されるリーダーピン30が、直接又はリーダーテープ(図示省略)を介して固着されている。
リーダーピン30は、図3で詳細に示すように、円柱状の本体部32と、その本体部32の両端に、本体部32の直径よりも大径で、かつ一体に形成された円板状のフランジ部36と、を有しており、本体部32には、記録テープTが取り付けられるエリアを規定する小フランジ部34が一体に形成されている。この小フランジ部34の直径は、本体部32の直径よりも大きく、かつフランジ部36の直径と同じか、それよりも小さく形成されている。
そして、この小フランジ部34は、フランジ部36よりも薄く形成されており、小フランジ部34とフランジ部36との間が、ドライブ装置の引出部材のフック(図示省略)等に係止される環状溝38とされている。この小フランジ部34を設けることにより、記録テープTを引き出す際に、フック等が記録テープTに接触して傷付けることがない構成である。なお、フランジ部36の外面(上下方向でケース12外方側を向く面)36Aは、曲率の小さい凸曲面とされている。
また、ケース12の開口18の内側、即ち上ケース14の天板14A内面及び下ケース16の底板16A内面には、ケース12内においてリーダーピン30を位置決めして保持する上下一対の保持部40が設けられている。この保持部40は、天板14A内面及び底板16A内面に形成され、記録テープTの引出側が開放された平面視略「U」字状の凹部41(図4参照)を有しており、直立状態のリーダーピン30のフランジ部36は、その開放側から凹部41内に出入可能とされている。なお、保持部40の構成については、後で詳述する。
また、開口18は、ドア50によって開閉される。このドア50は、図1、図2で示すように、開口18を閉塞可能な大きさの略矩形板状に形成され、ケース12の右壁12Bに沿って移動できるように、開口18内側の天板14A及び底板16Aには、ドア50の上下端部を摺動可能に嵌入させる溝部64が形成されている。
また、ドア50の後端部中央には、シャフト52が突設されており、そのシャフト52には、コイルバネ58が挿嵌されている。そして、シャフト52の後端には、そのコイルバネ58を脱落防止とする拡開部54が形成されている。また、下ケース16には、そのシャフト52に挿嵌されたコイルバネ58の後端を係止する係止部62を有する支持台60が突設されている。
したがって、ドア50は、シャフト52が支持台60上に摺動自在に支持されるとともに、コイルバネ58の後端が係止部62に係止されることにより、そのコイルバネ58の付勢力によって、常時開口18の閉塞方向へ付勢される構成である。なお、開口18の開放時、シャフト52を支持する支持台66を支持台60の後方側に更に突設しておくことが好ましい。
また、ドア50の前端部には、開閉操作用の凸部56が外方に向かって突設されている。この凸部56が、記録テープカートリッジ10のドライブ装置への装填に伴い、そのドライブ装置側の開閉部材(図示省略)と係合するようになっている。これにより、ドア50がコイルバネ58の付勢力に抗して開放される構成である。
ここで、リーダーピン30を保持する保持部40の構成について詳細に説明する。なお、保持部40は、上ケース14及び下ケース16共に同じ構成であるため、主に図4〜図6で示す下ケース16側の保持部40について説明する。また、以下において、「内」、「外」の表現をする場合は、上下(高さ)方向及びそれと直交する前後左右方向におけるケース12内方側、ケース12外方側を指すものとする。
図4〜図6で示すように、保持部40は、リーダーピン30のフランジ部36の外面36A(図3参照)を保持する平面視略「U」字状の凹部41を有しており、その凹部41と高さ方向に所定間隔Wを隔てた位置には、リーダーピン30(フランジ部36)を保持部40(凹部41)に保持したときに、そのフランジ部36の内面36B側に、非接触で所定量オーバーラップする張出部44が形成されている。
すなわち、凹部41と張出部44との間の間隔Wは、フランジ部36が入り込みやすいように、フランジ部36の厚さD1(図3参照)よりも広く形成されており、下ケース16側の凹部41に保持されたフランジ部36の内面36Bと、下ケース16側の張出部44の外面44Bとの間には、所定のクリアランスS1が形成されるようになっている。そして、張出部44の記録テープTの引出側略中央には、環状溝38部分の本体部32を許容する平面視略「U」字状の切欠部44Aが形成されている。
また、上ケース14の天板14A内面及び下ケース16の底板16A内面の凹部41周りには、リーダーピン30のフランジ部36の外周面(側面)36Cが対向(当接)する平面視略「U」字状の内壁面42が形成されており、この内壁面42の高さ方向先端部から記録テープTの引出側へ張出部44が一体に延設されている。
次に、不使用時(ドライブ装置に装填されないとき)において、リーダーピン30を保持部40(凹部41)から脱落しないように押さえる弾性押さえ部材としての板バネ70について詳細に説明する。図5〜図7で示すように、この板バネ70は、ケース12内の高さ(上ケース14側の凹部41と下ケース16側の凹部41との距離)とほぼ同じ長さ(上下方向の幅)Lとされた平板状の基部72と、その基部72の上端部及び下端部から上下方向と直交する方向へそれぞれ所定幅及び所定長さで延設された弾性部74とを有している。
つまり、この板バネ70は、二股状の弾性部74を備えた側面視略「コ」字状に形成されており、その材質としてはSUS等の非磁性金属が使用可能である。そして、この板バネ70は、各弾性部74の略中央部が、後述する溝部80に形成された支点凸部84により、略ケース12後方側へ押圧される回動支点部74Aとされ、平面視略「く」字状に形成された先端部76のケース12内方側を向く接触面76Aが、略内壁面42側へ向かって付勢されるようになっている。
したがって、上下各弾性部74の先端部76(接触面76A)が、リーダーピン30のフランジ部36の外周面(側面)36Cを、それぞれ所定の押圧力でケース12の開口18側(ケース12外方側)から押圧することができ、これによって、リーダーピン30が保持部40(凹部41)に保持される。なお、リーダーピン30が保持部40(凹部41)に対して出入する際には、各弾性部74の先端部76が適宜弾性変形して(回動支点部74Aを支点に略ケース12前方側へ回動して)、リーダーピン30の移動を許容する構成である。
また、リーダーピン30のフランジ部36の外周面36Cに圧接する板バネ70の先端部76における上下方向の最大幅H1は、リーダーピン30のフランジ部36の外周面36Cに圧接しない回動支点部74Aにおける上下方向の幅H2よりも拡張されている。すなわち、図7で示すように、板バネ70の先端部76には、それぞれ上下外方側へ所定高さ突出した外凸部78が一体に形成されている。
これにより、リーダーピン30のフランジ部36の外周面36Cに圧接させる板バネ70の先端部76の上下方向における面積を増大化できる構成である。なお、図8で示すように、板バネ70の先端部76に、それぞれ上下内方側へ所定高さ突出する内凸部77を一体に形成してもよく、この内凸部77は、図9で示すように、少なくとも上側の先端部76に形成されることが望ましい。何れにしても、板バネ70の先端部76における上下方向の最大幅H1は、回動支点部74Aにおける上下方向の幅H2よりも拡張されている。
また、図4、図5で示すように、保持部40と前壁12Aとの間の上ケース14の天板14A内面及び下ケース16の底板16A内面には、板バネ70を収容する溝部80が形成されている。つまり、板バネ70の基部72の上下端部及び弾性部74が、溝部80内に配置されるようになっている。そして、この溝部80の開口18側の一部には、板バネ70の先端部76の上下外方側へ突出した外凸部78を許容するための凹部82が、所定深さ(凹部41よりも低位で、外凸部78が接触しない程度の深さ)で形成されている。
この凹部82により、板バネ70の先端部76における外凸部78が、天板14A内面及び底板16A内面に摺接しない構成であり、その先端部76における外凸部78が回動支点部74Aを支点に回動しても、削粉等が発生しない構成である。また、この凹部82よりもケース12内方側(ケース12左方側)の溝部80内に、板バネ70(弾性部74)の回動支点部74Aを、略ケース12後方側に向かって押圧する支点凸部84が形成されている。つまり、この支点凸部84によって押圧される部位が、弾性部74の回動支点部74Aとなっている。
また、張出部44の前壁12A側で、かつ開口18側の端部は、板バネ70の先端部76を許容するために、斜めに切り欠かれたような形状に形成されている。すなわち、張出部44の前壁12A側で、かつ開口18側の端部は、平面視で凹部82の形状に沿うように切り欠かれている(図4参照)。
以上のような構成の記録テープカートリッジ10において、次にその作用について説明する。上記構成の記録テープカートリッジ10では、不使用時(保管時や運搬時等、ドライブ装置に装填されないとき)には、開口18がドア50によって閉塞されている。そして、記録テープTがリール20のリールハブ22に巻装されている。
記録テープTを使用する際には、前壁12Aを先頭にして、記録テープカートリッジ10を矢印A方向に沿って、ドライブ装置内へ装填する。すると、まず、そのドライブ装置側に設けられた開閉部材が、ドア50の凸部56に係合する。そして、この状態で、記録テープカートリッジ10が更に矢印A方向へ移動すると、開閉部材が凸部56をコイルバネ58の付勢力に抗しつつ相対的に後方へ移動させる。すると、その凸部56が突設されているドア50は、右壁12Bに沿って、溝部64内を後方側へ摺動し、開口18を開放する。
こうして、記録テープカートリッジ10がドライブ装置に装填され、開口18が完全に開放されると、記録テープカートリッジ10は所定高さ下降し、ドライブ装置の位置決め部材(図示省略)が、下ケース16に形成された位置決め用の穴部(図示省略)に挿入される。これにより、記録テープカートリッジ10がドライブ装置内における所定位置に正確に位置決めされ、ドア50のそれ以上の摺動(後方への移動)が規制される。
また、記録テープカートリッジ10の下降動作によって、回転シャフトが相対的にギア開口46から進入し、駆動ギアをリールギアに噛合させる。そして、駆動ギアとリールギアとが完全に噛合した状態で、リールプレートが、駆動ギアの内側に設けられた環状のマグネットの磁力によって吸着・保持されることにより、リール20は、駆動ギアに対するリールギアの噛合が維持されつつ、ケース12内で、そのケース12に対して相対回転可能となる。
一方、開放された開口18からは、ドライブ装置に設けられた引出部材がケース12内に進入し、保持部40に位置決め保持されたリーダーピン30を把持して引き出す。なお、このとき、記録テープカートリッジ10はドライブ装置内において正確に位置決めされているので、引出部材は確実にリーダーピン30の環状溝38に、そのフックを係止させることができる。
こうして、開口18から引き出されたリーダーピン30は、図示しない巻取リールに収容される。そして、その巻取リールとリール20とを同期して回転駆動することにより、記録テープTは、巻取リールに巻き取られつつ順次ケース12から引き出され、所定のテープ経路に沿って配設された記録再生ヘッド(図示省略)によって情報の記録や再生が行われる。
情報の記録や再生が終了した記録テープカートリッジ10をドライブ装置から排出する際には、まず、回転シャフトが逆回転することにより、記録テープTがリール20に巻き戻される。そして、記録テープTがリール20に最後まで巻き戻されると、リーダーピン30が保持部40に保持される。なお、このとき、板バネ70の先端部76は適宜弾性変形して、リーダーピン30の保持部40への収容を許容する。そして、張出部44が、フランジ部36の内面36B側で、そのフランジ部36に平面視で所定量オーバーラップする。
その後、記録テープカートリッジ10は所定高さ上昇し、位置決め部材が位置決め用の穴部から抜き出されるとともに、回転シャフトがギア開口46から抜き出され、リールギアに対する駆動ギアの噛合が解除される。そして、記録テープカートリッジ10は、図示しないイジェクト機構によって矢印A方向とは反対方向に移動される。すると、この移動に伴って、ドア50はコイルバネ58の付勢力によって開口18の閉塞方向へ摺動し、開口18を完全に閉塞する(初期状態に復帰する)。こうして、開口18が閉塞された記録テープカートリッジ10は、ドライブ装置内から完全に排出される。
ここで更に、保持部40及び板バネ70等の作用について説明する。図5、図6で示すように、リーダーピン30は、本体部32の上下両端部に設けられたフランジ部36が、それぞれ上ケース14側の凹部41と張出部44の間、及び下ケース16側の凹部41と張出部44の間に入り込んだ状態で、保持部40に保持される。したがって、開口18付近に落下等による衝撃が加えられ、その開口18付近が口開きするように(上ケース14と下ケース16が互いに離隔するように)撓み変形しようとしても、その撓み変形をリーダーピン30によって抑制することができる。
つまり、開口18付近が口開きするように撓み変形すると、リーダーピン30のフランジ部36の内面36B側に、張出部44の外面44B側が圧接するので、その口開きを、リーダーピン30によって抑制することができる。また、これにより、リーダーピン30のフランジ部36が、張出部44によって押さえられることになるので、リーダーピン30の保持部40からの脱落が防止される。
また、ドライブ装置に装填されない不使用時において、張出部44が、平面視略「U」字状の切欠部44Aによって、リーダーピン30の環状溝38部分における本体部32を許容するとともに、フランジ部36の内面36B側において、常にそのフランジ部36に所定量オーバーラップするので、リーダーピン30は、その傾倒が防止され、保持部40からの脱落が防止される。
なお、この張出部44(切欠部44A)の形状は、環状溝38部分における本体部32を許容でき、かつフランジ部36の内面36B側に、非接触で所定量オーバーラップできるような形状に形成されていればよい。また、張出部44は、上ケース14及び下ケース16の両方に設けられることが望ましいが、上ケース14又は下ケース16のどちらか片方のみに設けられていてもよい。
一方、板バネ70は、その先端部76の上下外方側に外凸部78が形成されている。そして、溝部80には、その外凸部78を許容する凹部82が形成されている。したがって、図5、図6、図10で示すように、フランジ部36が、保持部40(凹部41)と張出部44の間に容易に挿入できるように薄く形成されていても、そのフランジ部36の外周面36Cに、板バネ70の先端部76(外凸部78を含む)を確実に圧接(接触)させることができる。
すなわち、図5、図6で示すように、板バネ70の先端部76の外凸部78を許容する凹部82は、保持部40における凹部41よりも深く(低位に)形成されているので、その外凸部78は、フランジ部36の外面36Aよりも低位に配置される。したがって、リーダーピン30のフランジ部36が薄く形成されていても、下ケース16側において、その外周面36Cに対する先端部76(外凸部78を含む)の接触面積を充分に確保することができる。
また、リーダーピン30は、その高さが開口18の高さ(上ケース14側の凹部41と下ケース16側の凹部41との距離)よりも若干小さく形成されているため、図10で示すように、上ケース14側における保持部40(凹部41)とフランジ部36の外面36Aとの間には若干のクリアランスS2(S2<S1)が形成される。しかしながら、板バネ70の先端部76には外凸部78が形成されて、その先端部76の面積が増大されているので、フランジ部36の外周面36Cに対する先端部76(外凸部78を含む)の接触面積を上ケース14側でも充分に確保することができる。
また、このとき、図11で示すように、少なくとも上側の先端部76の上下内方側に内凸部77が形成されていると、フランジ部36の外周面36Cに対する先端部76(外凸部78及び内凸部77を含む)の接触面積をより一層(充分に)確保することができるので、上ケース14側における保持部40(凹部41)とフランジ部36の外面36Aとの間のクリアランスS2が多少大きくなるような場合でも、そのフランジ部36の外周面36Cに、板バネ70の先端部76(内凸部77を含む)を確実に圧接(接触)させることができる。
したがって、上ケース14側及び下ケース16側の保持部40(凹部41)にそれぞれ保持されたリーダーピン30のフランジ部36(外周面36C)に対する板バネ70(弾性部74)の押圧力を均一にすることができる。つまり、このような構成により、不使用時において、リーダーピン30を保持部40(凹部41)から脱落しないように安定して保持することができる。
また、図1〜図11で示した記録テープカートリッジ10は、張出部44が形成された上ケース14及び下ケース16であるため、リーダーピン30のフランジ部36が比較的薄く形成されている(凹部41と張出部44との間の間隔Wよりも小さい厚さD1とされている)が、図12、図13で示すように、張出部44が形成されず、フランジ部36が比較的厚く形成された(凹部41と張出部44との間の間隔Wよりも大きい厚さD2とされた)リーダーピン30を備えた記録テープカートリッジ10の場合も同様に適用可能である。
すなわち、図12で示すように、板バネ70の先端部76に形成された外凸部78を許容するケース12側の凹部82は、保持部40における凹部41よりも深く(低位に)形成されているので、リーダーピン30のフランジ部36の外周面36Cに対する先端部76(外凸部78を含む)の接触面積を充分に確保することができる。
また、図13で示すように、上ケース14側における保持部40(凹部41)とフランジ部36の外面36Aとの間にクリアランスS2が形成されても、板バネ70の先端部76には外凸部78や内凸部77が形成されているので、フランジ部36の外周面36Cに対する先端部76(外凸部78や内凸部77を含む)の接触面積を充分に確保することができる。
したがって、リーダーピン30のフランジ部36の外周面36Cに板バネ70の先端部76を確実に圧接(接触)させることができる。つまり、これにより、上ケース14側及び下ケース16側の保持部40(凹部41)にそれぞれ保持されたリーダーピン30のフランジ部36(外周面36C)に対する板バネ70(弾性部74)の押圧力を均一にすることができ、不使用時において、リーダーピン30を保持部40(凹部41)から脱落しないように安定して保持することができる。
以上、説明したように、本実施形態に係る板バネ70は、その先端部76に外凸部78や内凸部77が形成されることにより、リーダーピン30のフランジ部36における外周面(側面)36Cの略全高に亘って、その先端部76(外凸部78や内凸部77を含む)を接触(圧接)させることができるが、このとき、その先端部76(外凸部78や内凸部77を含む)の上下方向略中央部が、フランジ部36の外周面36Cに圧接する構成になっていることが望ましい。
また、この板バネ70は、弾性部74の先端部76の幅H1のみを増加させ(変更し)、弾性部74の回動支点部74Aの幅H2は増加させない(変更しない)ので、リーダーピン30に対する板バネ70(弾性部74)の押圧力(保持力)が変化することはない。つまり、板バネ70の押圧力(保持力)を変化させることなく、リーダーピン30のフランジ部36の外周面36Cを上下均一に安定して押圧・保持することができる。
また、この記録テープカートリッジ10は、リーダーピン30に対する板バネ70(弾性部74)の押圧力(保持力)を安定化(上下均一化)するために、板バネ70(弾性部74)の先端部76の形状と、上ケース14及び下ケース16の形状を若干変更する(凹部82を形成する)だけという最小限の改良で済むので、コスト的にも好ましいものとなっている。
また、図面で示した本実施形態に係る板バネ70の先端部76には、上下共に外凸部78や内凸部77が形成されているが、外凸部78や内凸部77は、上下先端部76の少なくとも一方に形成されていればよい。但し、外凸部78は、少なくとも下側の先端部76に、内凸部77は、少なくとも上側の先端部76に、それぞれ形成されることが望ましい。また、凹部82も、それに合わせて形成されればよい。
また、本実施形態に係る板バネ70は、その上下弾性部74が基部72によって一体に形成されているが、上ケース14側及び下ケース16側に、それぞれ基部と弾性部を備えた(図示の板バネ70において、基部72を上下に分割して、それぞれ独立させたような)板バネ(図示省略)の場合でも同様に適用可能である。
また、本実施形態に係る記録テープカートリッジ10は、図示のものに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、適宜設計変更可能なものである。例えば、張出部44が形成されていない上ケース14及び下ケース16の保持部40(凹部41)に、図1〜図11で示したようなフランジ部36の薄いリーダーピン30を保持させる構成にしてもよい。
また、ドア50は、直線状の動軌跡となる構成にしたが、平面視略円弧状の動軌跡となる平面視略円弧状ドア(図示省略)としてもよい。更に、記録テープTは、情報の記録及び記録した情報の再生が可能な長尺テープ状の情報記録再生媒体として把握されるものであれば足り、記録テープカートリッジ10が、如何なる記録再生方式の記録テープTにも適用可能であることは言うまでもない。
記録テープカートリッジの概略斜視図 記録テープカートリッジの概略分解斜視図 リーダーピンの概略正面図 リーダーピンを保持していない下ケース側の保持部を示す概略斜視図 リーダーピンを保持している板バネと下ケース側の保持部を示す概略斜視図 リーダーピンを保持している板バネと下ケース側の保持部を示す概略側面図 外凸部が形成された板バネの概略正面図 外凸部と内凸部が形成された板バネの概略正面図 外凸部と上側にのみ内凸部が形成された板バネの概略正面図 リーダーピンを保持している板バネと上ケース側の保持部を示す概略側面図 リーダーピンを保持している別の板バネと上ケース側の保持部を示す概略側面図 (A)別のリーダーピンを保持している板バネと下ケース側の保持部を示す概略側面図、(B)別のリーダーピンを保持している別の板バネと下ケース側の保持部を示す概略側面図 (A)別のリーダーピンを保持している板バネと上ケース側の保持部を示す概略側面図、(B)別のリーダーピンを保持している別の板バネと上ケース側の保持部を示す概略側面図
符号の説明
10 記録テープカートリッジ
12 ケース
14 上ケース
16 下ケース
18 開口
20 リール
30 リーダーピン(リーダー部材)
32 本体部
34 小フランジ部
36 フランジ部(鍔部)
36A 外面
36B 内面
36C 外周面(側面)
38 環状溝
40 保持部
41 凹部
42 内壁面
44 張出部
50 ドア
70 板バネ(弾性押さえ部材)
72 基部
74 弾性部
74A 回動支点部
76 先端部
77 内凸部
78 外凸部
80 溝部
82 凹部
84 支持凸部
T 記録テープ

Claims (4)

  1. 上ケースと下ケースとで構成され、記録テープが巻装されたリールを単一で収容するケースと、
    前記記録テープの端部に直接又はリーダーテープを介して取り付けられ、両端に鍔部が形成されたリーダー部材と、
    前記ケースに形成され、前記リーダー部材を引き出すための開口と、
    前記上ケース及び前記下ケースに形成され、前記開口の近傍で前記リーダー部材の鍔部の外面を保持する保持部と、
    前記ケースに設けられ、前記リーダー部材の鍔部の側面を押さえる弾性押さえ部材と、
    を備え、
    前記リーダー部材の鍔部の側面に接触させる前記弾性押さえ部材の少なくとも一方の先端部の上下方向における幅が、前記鍔部の側面に接触させない前記弾性押さえ部材の回動支点部の上下方向における幅よりも拡張されていることを特徴とする記録テープカートリッジ。
  2. 上ケースと下ケースとで構成され、記録テープが巻装されたリールを単一で収容するケースと、
    前記記録テープの端部に直接又はリーダーテープを介して取り付けられ、両端に鍔部が形成されたリーダー部材と、
    前記ケースに形成され、前記リーダー部材を引き出すための開口と、
    前記上ケース及び前記下ケースに形成され、前記開口の近傍で前記リーダー部材の鍔部の外面を保持する保持部と、
    前記ケースに設けられ、前記リーダー部材の鍔部の側面を押さえる弾性押さえ部材と、
    を備え、
    前記リーダー部材の鍔部の側面に接触させる前記弾性押さえ部材の少なくとも一方の先端部に、上下外方側へ突出する外凸部が形成されていることを特徴とする記録テープカートリッジ。
  3. 前記リーダー部材の鍔部の側面に接触させる前記弾性押さえ部材の少なくとも一方の先端部に、上下内方側へ突出する内凸部が形成されていることを特徴とする請求項2に記載の記録テープカートリッジ。
  4. 前記保持部の少なくとも一方に形成され、前記リーダー部材の鍔部の外面が該保持部に保持されたときに、前記鍔部の内面側で、該鍔部にオーバーラップする張出部を有することを特徴とする請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の記録テープカートリッジ。
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